JP2000048152A - データキャリア及びデータキャリア用アンテナ - Google Patents
データキャリア及びデータキャリア用アンテナInfo
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Abstract
がらアンテナコイル数をより少なくすることができ、し
かもそのアンテナコイルを容易に製造できるデータキャ
リア用アンテナ及びこれを用いたデータキャリアを提供
する。 【解決手段】 コイル10は、導線を所定回数巻いて得
られる空芯コイルであり、磁芯11は、アモルファスシ
ート11aを所定の寸法に裁断し、その回りに絶縁シー
ト11bを巻いて得られる。RFIDモジュール12
は、メモリその他必要な電気回路がIC上に集積された
1チップモジュールであり、電極12a,12bにおい
てコイル10の両端と接続されている。コイル10は、
その内径が磁芯11の幅よりも大きいものを選ぶことに
より、磁芯11のコイル10への挿入が容易になる。し
たがって、簡単にデータキャリア用アンテナを製造する
ことができ、作業性が向上し、コストも低く抑えること
ができる。
Description
で信号の授受を行うデータキャリア及びこのデータキャ
リアに用いられるデータキャリア用アンテナに関連す
る。
スチック製カードに埋め込んだデータキャリア(子機)
と、このデータキャリアに無線でアクセスしてデータの
やり取りをする親機からなるデータキャリアシステムが
普及しつつある。このようなシステムは、非接触型ID
カードとして鉄道の定期券などでの利用が意図されてい
るほか、物流分野において輸送すべき個々の貨物を的確
に識別したり、また、各種メーカーが製品在庫を管理す
る場合などにも利用される。
であれば、識別したい個々の製品に、その製品に関する
情報を書き込んだデータキャリアを貼り付けて倉庫の所
定の棚などに格納する。各棚には親機が設置されてお
り、製品が格納されると、親機は製品に貼り付けられた
データキャリアにアクセスしてその情報を読み取り、そ
の情報をネットワークを介して中央のコンピュータなど
に送る。中央のコンピュータにはデータベースが構築さ
れ、そこで一括して各製品の在庫管理が行われる。この
ようなシステムが導入されると、必要な製品の有無、格
納場所、製造年月日を直ちに知ることができる、希望す
る製品を直ちに入手できる、不要な在庫を抑えることが
できる、製品の紛失が有効に防止できる、在庫管理に要
する人員を削減できるなど、種々の利点が得られる。
受を無線で行うので、データキャリアには、電磁波の送
信及び受信を行うためのアンテナが必要となる。このよ
うなデータキャリア用のアンテナの一例が、特開平10
−75113号公報(発明の名称「トランスポンダ用ア
ンテナ及びトランスポンダ」)において開示されてい
る。
タキャリア用のアンテナは、金属薄板を積層した磁芯に
導線を巻いた板状アンテナコイル二つと、渦巻き状に導
線を巻いた空芯アンテナコイル一つの合計三つのアンテ
ナコイルから構成されている。二つの板状アンテナコイ
ルは、たとえば各アンテナコイルの軸方向がそれぞれx
軸方向、y軸方向となるよう相互に直交して配置され、
空芯アンテナコイルは、そのコイルの軸方向がz軸方向
となるように配置されている。このような配置で各アン
テナコイルが設けられていると、空芯コイルはデータキ
ャリアの面と垂直な方向の磁界によってデータの送受信
を行い、二つの板状アンテナコイルはデータキャリアの
面と平行な方向の磁界によってデータの送受信を行う。
このように、二つの板状アンテナコイルを設けることに
よって、例えば定期券などとして利用されているデータ
キャリアの板面に硬貨やアルミ箔などが平行に重なった
としても、データの送受信への影響は生じにくくなる。
報において開示されているデータキャリア用のアンテナ
は、x軸、y軸、z軸の三軸いずれの磁界によってもデ
ータの送受信ができるように、三つのアンテナコイルを
設ける必要がある。しかしながら、製造工程を少なく抑
え、量産効果によって個々のデータキャリアの価格を引
き下げてデータキャリアシステムの幅広い普及を図ろう
としている現状では、アンテナコイルを三つ必要とする
ことは、コスト的に不利となる。
る二つの板状アンテナコイルは、積層されているとはい
え非常に薄い金属薄板に導線を巻くことが必要となるた
め、製造作業が困難となる。本発明は、上記事情に基づ
いてなされたものであり、実用上必要とされる最低限の
性能を維持しながらアンテナコイル数をより少なくする
ことができ、しかもそのアンテナコイルを容易に製造で
きるデータキャリア用アンテナ及びこれを用いたデータ
キャリアを提供することを目的とする。
めの請求項1記載の発明に係るデータキャリア用アンテ
ナは、平面状に巻回された空芯コイルと、前記空芯コイ
ルの平面とほぼ平行となるように前記空芯コイルに挿入
された単一の板状の磁芯とを具備することを特徴とす
る。
用アンテナは、平面状に巻回された空芯コイルと、それ
ぞれの軸が互いに所定の角度となるように前記空芯コイ
ルに前記空芯コイルの平面とほぼ平行となるよう挿入さ
れた複数の板状の磁芯とを具備することを特徴とする。
請求項3記載の発明に係るデータキャリア用アンテナ
は、第一の基板に形成された第一の導線パターンと、第
二の基板に形成された第二の導線パターンと、前記第一
及び第二の基板の前記導線パターンが形成された面とは
反対の面に接するようにして両基板の間に挟まれた板状
の磁芯と、前記第一及び第二の基板に設けられたスルー
ホールを介して、前記第一及び第二の導線パターンの対
応する電極同士を電気的に接続することによって前記磁
芯を内部に含むコイルを形成する接続部と、を有するこ
とを特徴とする。
用アンテナは、第一の基板に形成された第一の導線パタ
ーンと、第二の基板に形成された第二の導線パターン
と、前記第一及び第二の基板の前記導線パターンが形成
された面に接するようにして両基板の間に挟まれた板状
の磁芯と、前記第一及び第二の導線パターンの対応する
電極同士を電気的に接続することによって前記磁芯を内
部に含むコイルを形成する接続部と、を有することを特
徴とする。
又は4記載の発明において、前記磁芯はアモルファス金
属製であることを特徴とする。請求項6記載の発明は、
請求項1,2,3又は4記載の発明において、前記磁芯
は一方向性珪素鋼製であり、前記磁芯のゴス方位が前記
空芯コイルの軸芯方向を向くように配置されていること
を特徴とする。
は、請求項1,2,3,4,5又は6記載のデータキャ
リア用アンテナを内部に含むことを特徴とする。請求項
8記載の発明に係るデータキャリア用アンテナの製造方
法は、平面状に巻回された空芯コイルに板状磁芯を挿入
し、前記空芯コイルおよび前記板状磁芯を板状保持部材
で挟持することを特徴とする。
明において、前記板状保持部材は、ラミネート用プラス
チックフィルムからなることを特徴とする。
の形態について説明する。まず、本発明の第一実施形態
について説明する。図1は、第一実施形態のデータキャ
リア用アンテナの平面図、図2は、図1に示したデータ
キャリア用アンテナを長手方向に切った断面図である。
小さい銅などからなる導線を所定回数巻いて得られる空
芯コイルである。このようなコイルは数多く市販されて
おり、設計上の要求に応じて適当なものを選択すること
ができる。磁芯11は、アモルファスシート11aを所
定の寸法に裁断し、その回りに絶縁シート11bを巻回
して得られる。RFIDモジュール12は、メモリ、送
受信回路、その他の必要な電気回路がIC上に集積され
た1チップモジュールであり、電極12a,12bにお
いてコイル10の両端と接続されている。なお、絶縁シ
ート11bは本発明に必須のものではないが、これをア
モルファスシート11aの周囲に巻いておけば、アモル
ファスシートの端部の鋭いエッジによってコイル11の
導線の絶縁被覆が剥がされるのを防ぐことができ、導線
同士の短絡、あるいは導線とアモルファスシートとの短
絡を確実に防止できる。アモルファスシート11aとし
ては、例えば、前記公開公報に記載されているCo−F
e−Ni−B−Si系アモルファス磁性材料などを用い
ることができる。
径が磁芯11の幅よりも大きいものを選ぶことにより、
磁芯11のコイル10への挿入が容易になる。したがっ
て、簡単にデータキャリア用アンテナを製造することが
できる。前記公開公報に開示されているデータキャリア
用のアンテナは、金属薄板を積層した磁芯に導線を巻い
たものであるが、金属の薄い板に導線を巻回する作業は
熟練を要し、また時間もかかり、このことがデータキャ
リアのコストを押し上げる。これに対し、本実施形態の
場合、かかる作業が不要なため、作業性が向上し、コス
トも低く抑えることができる。
ル10と磁芯11の厚みにより、図2に示すようにコイ
ル面と磁芯の面とは平行にならない。この状態で、RF
IDモジュール12をも含めて、全体を保護用プラスチ
ックフィルムでラミネート加工する。こうしてデータキ
ャリアが形成される。このラミネート加工の際、主とし
てコイル10と磁芯11が接する部分に加圧しながら加
熱し、磁芯11を撓ませ、最終的にこの形状を固定させ
る。その結果、図3に示すように部分的に多少の凹凸が
あるものの、全体としては平面的な形状に整えられ、こ
れによりアンテナを内部に備えたカード状のデータキャ
リア13が得られる。なお、図3では、保護用プラスチ
ックフィルムを省略してある。
に配置されていると、アモルファスシート11aの長手
方向が同図のx軸と一致するので、x軸方向の磁界はア
モルファスシート11aに導かれ、コイル10を貫く。
また、アモルファスシート11aは、z軸方向(図3の
紙面に垂直な方向)においてある程度の厚みを有するた
め、コイル10の内側だけを考えると、磁界を導く磁芯
が存在すると考えられる。したがって、コイル10の内
側の磁芯部分においては、z軸方向の磁界もコイル10
を貫いている。また、図1に示すように、コイル10は
環状であるため、コイル10の内側の部分と磁芯11と
の間にはある程度の隙間があり、この部分においてもz
軸方向の磁界がコイル10を貫く。以上より、x軸方向
の磁界とz軸方向の磁界がコイル10を貫くことにな
り、これらの方向の成分を有する磁界によって、親機と
の間で信号の授受を行うことが可能となる。データキャ
リアは親機に対して様々な方向を向いている可能性があ
るが、このように、一つのコイルからなるデータキャリ
ア用アンテナで、複数の方向の磁界に対応できるので、
データキャリアからみると、親機と通信できる角度範囲
が広がる。
テナは、磁芯の軸方向がデータキャリアの面と平行であ
るため、次のような利点がある。従来から最も一般的に
用いられているアンテナが空芯コイルだけからなるデー
タキャリアの場合、図4に示すように、データキャリア
を貼り付ける被検査物14が金属ケース15で覆われて
いる場合や、少なくともデータキャリアを貼り付ける面
が金属で覆われているような場合は、親機のアンテナコ
イル16から出る磁束がこの金属ケース15に捕捉され
てデータキャリア内のコイルに十分に届かず、親機とデ
ータキャリアとの間で通信できなくなる場合があった。
これに対し本実施形態のデータキャリア13の場合は、
図4に示すように、磁芯11が、貼り付け面と平行な面
(データキャリアの面)内において一つの方向に強い磁
気特性を持つため、親機のアンテナコイル16から出る
磁束が金属ケース15に平行に磁芯11に入射し、デー
タキャリア13のコイル10に十分な交番磁界を発生さ
せることができる。したがって、金属製の電柱、マンホ
ールの蓋、金属ケース、金属製のドア等の金属で覆われ
た部分に貼り付けても十分な情報伝達距離を持ったデー
タキャリアを提供することができる。
する。図5は、第二実施形態のデータキャリア用アンテ
ナの平面図である。同図において、図1に示したものと
同一の部分については同一符号を付してある。本実施形
態のデータキャリア用アンテナは、コイル20を正方形
もしくは長方形にした点が、第一実施形態と異なる。本
実施形態の場合も、x軸方向及びこれと垂直なz軸方向
(図5の紙面に垂直な方向)の成分を有する磁界によっ
て親機との間で信号の授受を行うことが可能である点
は、第一実施形態と同様である。
を四角形としたことによって、次のような効果が得られ
る。第一実施形態では、コイルは環状であり、これに長
方形の磁芯11を挿入したとき、ラミネート加工を行う
前の段階ではコイルの内径と磁芯11はいくつかの
「点」で接する。これに対し、本実施形態では、コイル
20に長方形の磁芯11を挿入した後ラミネート加工を
行う前の段階で、コイル20は、その内径を構成する二
つの辺がその「直線」で磁芯11と接する。このため、
第一実施形態の場合に比べ、アモルファスシート11a
の端部のエッジによってコイル20の導線の絶縁被覆が
剥がれる危険性はより低くなる。
する。図6は、第三実施形態のデータキャリア用アンテ
ナの平面図である。同図において、図1に示したものと
同一の部分については同一符号を付してある。本実施形
態では、一つのコイル10に二つの磁芯30,31を直
交するように挿入する。各磁芯そのものもは、第一実施
形態及び第二実施形態で用いた磁芯11と同じである。
を挿入すると、x軸方向の磁界、y軸方向の磁界、z軸
方向(図6の紙面に垂直な方向)の磁界がコイル10を
貫くことになるので、これらの方向の成分を有する磁界
によって、親機との間で信号の授受を行うことが可能と
なる。第一実施形態(図1乃至図3)及び第二実施形態
(図5)では、データキャリア面内の磁界については、
x軸方向の成分を有する磁界のみがコイルを貫くことが
できたが、本実施形態では、x軸方向の磁界だけでなく
y軸方向の成分を有する磁界もコイル10を貫くことが
できる。
示した方向、すなわち図6の左右方向に生じる磁界につ
いても、その多くがコイル10を貫くことができる。例
えば、磁界が左から右に向かう磁界を考えると、その磁
界のx軸方向の成分は磁芯30に沿って左上から右下に
導かれ、また、その磁界のy軸方向の成分は磁芯31に
沿って左下から右上に導かれる。これらの磁界はいずれ
も、コイル10を裏側から表側に向かって貫き、両者の
成分は重ね合わされて強め合う。また、磁界が右から左
に向かっているときは、同様に両者ともコイル10を表
側から裏側に向かって貫くので、両成分の磁界は重ね合
わされる。したがって、j方向の磁界によっても、高い
強度で親機との間で信号の授受を行うことが可能とな
る。
親機と通信できると、例えば物流分野などで所定の容器
に貼り付けておく場合などに、データキャリアが本来の
正しい向きからある程度傾いて貼り付けられているよう
な場合でも、支障なくとデータの授受を行うことが可能
となる。なお、図6に矢印iで示した方向、すなわち図
6の上下方向に生じる磁界については、磁芯30に沿っ
て導かれる磁界と磁芯31に沿って導かれる磁界が、ち
ょうどコイル10を貫くときに反対向きとなるので、相
互に打ち消し合い、このため、i方向の磁界によっては
信号の授受はできない。この場合には、データキャリア
の外形を向きが分かり易くなるような長方形にしたり、
あるいは貼り付け方向のマークを印刷するなどして、被
認識物に貼り付ける場合の誤差をある程度の範囲内に抑
え込むことができるので、実用上問題はない。
する。図7は、第四実施形態のデータキャリア用アンテ
ナの平面図である。同図において、前記各実施形態と同
一の部分については同一符号を付してある。本実施形態
では、図7に示すように、コイル20に二つの磁芯3
0,31を互いに直交するように挿入する。各磁芯その
ものもは、第一乃至第三実施形態で用いた磁芯11と同
じである。
も、第三実施形態のデータキャリア用アンテナと同様
に、x軸方向の磁界、y軸方向の磁界、z軸方向(図7
の紙面に垂直な方向)の磁界、j方向の磁界がコイル2
0を貫くことになるので、これらの方向の成分を有する
磁界に基づいて親機との間で信号の授受が可能となる。
また、第二実施形態と同様にコイル20の形状を四角形
としたことによって、第三実施形態の場合に比べ、磁芯
30,31に含まれるアモルファスシート端部のエッジ
によってコイル20の導線の絶縁被覆が剥がれる可能性
はより低く抑えられる。
する。図8は、第五実施形態のデータキャリア用アンテ
ナの平面図である。同図において、前記各実施形態と同
一の部分については同一符号を付してある。本実施形態
では、図8に示すように、コイル10に三つの磁芯4
0,41,42が挿入されている。各磁芯そのものは、
第一乃至第四実施形態で用いた磁芯と同じである。
磁芯40,41,41を挿入すると、図8に示したk方
向の磁界、l方向の磁界、m方向の磁界、およびz軸方
向(図8の紙面に垂直な方向)の磁界はコイル10を貫
くことになる。したがって、これらの方向の成分を有す
る磁界によって、親機との間で信号の授受を行うことが
可能となる。このように三つの磁芯を設けると、一つ又
は二つの磁芯を挿入しただけの場合に比べて、更に親機
との間で信号の授受を行うことができる磁界の方向の範
囲が広くなる。
能であるが、同様の趣旨であるので、説明を省略する。
次に、本発明の第六実施形態について説明する。図9
は、第六実施形態のデータキャリア用アンテナの平面
図、図10は、図9に示したデータキャリア用アンテナ
を長手方向に切った断面図である。前述の各実施形態で
は、コイルとして空芯コイルを用意し、これにアモルフ
ァスシートを絶縁シートを巻いた磁芯を挿入することに
よってデータキャリア用アンテナが得られた。これに対
して本実施形態のデータキャリア用アンテナでは、コイ
ル50の導線が基板上に配線パターンとして形成されて
いる。
は、以下のようして作成される。まず、二つの基板5
1,52上に、コイルの左右半分ずつの導線パターン5
0a,50bをそれぞれ形成する。各基板には、導線パ
ターンの端部にスルーホール54a,54bが設けられ
ている。次に、これらの基板を、間にアモルファスシー
ト53を挟んで、基板の裏側同士が向かい合うように、
かつ、両基板の対応するスルーホール同士が重なるよう
位置合わせをして貼り合わせる。最後に、各スルーホー
ル54a,54bを通して両基板に形成された対応する
導線パターン同士を半田等で接続する。これによって、
二つの基板51,52上に形成された各導線パターン5
0a,50bは単一のコイル50を形成し、同時にこの
コイル50とその内側に挿入されているアモルファスシ
ート53とによって、データキャリア用アンテナが形成
される。最後に、RFIDモジュール12をも含めて、
この全体を保護用プラスチックフィルムでラミネート加
工することによって、カード状のデータキャリアが得ら
れる。このような方法を用いると、データキャリアの厚
さを0.5mm程度の薄さに抑えることができ、実用上
非常に有益である。
は、そのアンテナとしての構成は、第二実施形態(図
5)のデータキャリア用アンテナとほぼ同じである。す
なわち、コイル50と磁芯となるアモルファスシート3
1を図9に示すように配置すると、アモルファスシート
53の長手方向が同図のx軸と一致するので、x軸方向
の磁界はアモルファスシート31に導かれ、コイル50
を貫く。また、アモルファスシート53は、z軸方向
(図9の紙面方向)においてある程度の厚みを有するた
め、コイル50の内側だけを考えると、磁界を導く磁芯
が存在するとことになる。したがって、コイル50の内
側の磁芯部分においては、z軸方向の磁界もコイル50
を貫いている。以上より、x軸方向の磁界とz軸方向の
磁界がコイル50を貫くことになり、これらの方向の成
分を有する磁界によって、親機との間で信号の授受を行
うことが可能となる。
52に、コイルの導線パターン50a,50bを形成し
たが、これらの基板に、RFIDモジュール12を実装
するようにすると、作業性はより高まる。次に、本発明
の第七実施形態について説明する。図11は、第七実施
形態のデータキャリア用アンテナを長手方向に切った断
面図であり、第六実施形態の図10に対応する。本実施
形態のデータキャリア用アンテナは、コイル60の導線
パターン60a,60bそれぞれが二つの基板61,6
2に配線パターンとして形成されている点は、第六実施
形態(図9、図10)と同じであるが、導線パターンが
形成されている側の面同士を向かい合わせて貼り合わせ
る点が、第六実施形態と異なる。
は、以下のようにして作成される。まず、二つの基板6
1,62に、コイルの左右半分ずつの導線パターン60
a,60bをそれぞれ形成する。次に、これらの基板
を、間にアモルファスシート63を挟んで、基板の表側
(導線パターンが形成された側)同士が向かい合うよう
に、かつ、両基板に形成された導線パターン60a,6
0bの対応する端部同士が重なるよう位置合わせをして
貼り合わせる。
ン60a,60bの対応する端部同士の電気的接続に
は、例えば液晶表示板のITO電極などの接続に広く利
用されている異方性導電膜(ACF:Anisotro
pic ConductiveFilm)を用いる。異
方性導電膜は、二つの電極でこれを挟み、両側から圧力
を加えて加熱すると、両電極を接着する際に、二つの電
極を結ぶ方向(膜に垂直な方向)では導通するが、横方
向については絶縁性を維持するという性質を持ってい
る。このため、異方性導電膜を用いれば、簡単に対応す
る端部同士の電気的な接続を行うことができる。
bの対応する端部同士を電気的に接続すると、二つの基
板61,62上に形成された各導線パターン60a,6
0bは一つのコイル60となり、同時にこのコイル60
とその内側に挿入されているアモルファスシート63と
によってデータキャリア用アンテナが形成される。最後
に、RFIDモジュールをも含めて、この全体を保護用
プラスチックフィルムでラミネート加工することによっ
て、カード状のデータキャリアが得られる。
は、そのアンテナとしての構成は、第六実施形態(図
9、図10)のデータキャリア用アンテナとほぼ同じで
あり、x軸方向の磁界とz軸方向の磁界がコイル60を
貫くことになり、これらの方向の成分を有する磁界によ
って、親機との間で信号の授受を行うことが可能とな
る。以上の各実施形態では、磁芯11の材料としてアモ
ルファス金属を例に説明した。しかしこれ以外にも、例
えばトランスの鉄心として用いられている電磁鋼板(珪
素鋼板)を用いることもできる。この場合、好ましく
は、高周波トランス等に一般的に用いられている一方向
性珪素鋼帯を用い、その磁束の通りやすい方向が前記空
芯コイルの軸芯方向(図1乃至図9で示す場合には磁芯
板の長手方向)を向くようにする。一方向性珪素鋼帯の
磁束の通りやすい方向は、一般的に結晶粒の成長方向で
あるゴス方位で決定される。したがって、磁芯11のゴ
ス方位が空芯コイル10の軸芯方向を向くように(ゴス
方位が磁芯板の長手方向を向くように)配置すれば良
い。
株式会社から、GT050、GT100、GT150等
の名称で販売されている鋼帯を用いることができる。こ
のGTシリーズの電気・磁気特性を図12に示す。ま
た、一方向性珪素鋼帯の製造方法には各種の方法がある
が、例として、特開平6−2042号公報や特開平6−
24864号公報に記載の製造方法がある。
のではなく、その要旨の範囲内で種々の変更が可能であ
る。
タキャリア用アンテナは、平面状に巻回された空芯コイ
ルに、この空芯コイルのコイル面とほぼ平行となるよう
に板状の磁芯を一つあるいは軸が所定角度となるように
複数挿入するという簡単な構造でありながら、広い角度
範囲の磁界に基づいて親機との通信が可能となり、この
ため例えば物流分野などにおいて必要とされるデータキ
ャリア用アンテナとして十分な性能を付与することがで
きる。
テナは、導線パターンが形成された二つの基板で板状の
磁芯を挟み、二つの基板に形成された導線パターンの対
応する電極同士を接続することによって磁芯を内部に含
むコイルを形成するという簡単な構造で製造が容易であ
りながら、広い角度範囲の磁界に基づいて親機との通信
が可能となり、このため例えば物流分野などにおいて必
要とされるデータキャリア用アンテナとして十分な性能
を付与することができる。
テナの平面図である。
図である。
終的な形状を示した断面図である。
たデータキャリアのアンテナコイルと、親機側のアンテ
ナコイルとの間に間に生じる磁束の様子を模式的に示し
た図である。
テナの平面図である。
テナの平面図である。
テナの平面図である。
テナの平面図である。
テナの平面図である。
面図である。
ンテナの断面図である。
として示した図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 平面状に巻回された空芯コイルと、前記
空芯コイルの平面とほぼ平行となるように前記空芯コイ
ルに挿入された単一の板状の磁芯とを具備することを特
徴とするデータキャリア用アンテナ。 - 【請求項2】 平面状に巻回された空芯コイルと、それ
ぞれの軸が互いに所定の角度となるように前記空芯コイ
ルに前記空芯コイルの平面とほぼ平行となるよう挿入さ
れた複数の板状の磁芯とを具備することを特徴とするデ
ータキャリア用アンテナ。 - 【請求項3】 第一の基板に形成された第一の導線パタ
ーンと、 第二の基板に形成された第二の導線パターンと、 前記第一及び第二の基板の前記導線パターンが形成され
た面とは反対の面に接するようにして両基板の間に挟ま
れた板状の磁芯と、 前記第一及び第二の基板に設けられたスルーホールを介
して、前記第一及び第二の導線パターンの対応する電極
同士を電気的に接続することによって前記磁芯を内部に
含むコイルを形成する接続部と、 を有することを特徴とするデータキャリア用アンテナ。 - 【請求項4】 第一の基板に形成された第一の導線パタ
ーンと、 第二の基板に形成された第二の導線パターンと、 前記第一及び第二の基板の前記導線パターンが形成され
た面に接するようにして両基板の間に挟まれた板状の磁
芯と、 前記第一及び第二の導線パターンの対応する電極同士を
電気的に接続することによって前記磁芯を内部に含むコ
イルを形成する接続部と、 を有することを特徴とするデータキャリア用アンテナ。 - 【請求項5】 前記磁芯はアモルファス金属製であるこ
とを特徴とする請求項1,2,3又は4記載のデータキ
ャリア用アンテナ。 - 【請求項6】 前記磁芯は一方向性珪素鋼製であり、前
記磁芯のゴス方位が前記空芯コイルの軸芯方向を向くよ
うに配置されていることを特徴とする請求項1,2,3
又は4記載のデータキャリア用アンテナ。 - 【請求項7】 請求項1,2,3,4,5又は6記載の
データキャリア用アンテナを内部に含むことを特徴とす
るデータキャリア。 - 【請求項8】 平面状に巻回された空芯コイルに板状磁
芯を挿入し、前記空芯コイルおよび前記板状磁芯を板状
保持部材で挟持することを特徴とするデータキャリア用
アンテナの製造方法。 - 【請求項9】 前記板状保持部材は、ラミネート用プラ
スチックフィルムからなることを特徴とする請求項8記
載のデータキャリア用アンテナの製造方法。
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