JP2000046767A - 金属材料中の介在物分析装置 - Google Patents

金属材料中の介在物分析装置

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JP2000046767A
JP2000046767A JP10211156A JP21115698A JP2000046767A JP 2000046767 A JP2000046767 A JP 2000046767A JP 10211156 A JP10211156 A JP 10211156A JP 21115698 A JP21115698 A JP 21115698A JP 2000046767 A JP2000046767 A JP 2000046767A
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Toru Takayama
透 高山
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属材料中の介在物の分析を、精度高く、試
料の汚染が少なく、高能率で自動化できる分析装置を提
供する。 【解決手段】 レーザ光源と、レーザ光を試料室内の試
料表面に導光する入射導光路と、レーザ光を試料表面で
走査する手段と、反射光を検出する検出器と、反射導光
路と、反射率を演算する演算手段と、反射率のデータを
保存する記憶手段と、反射率データから反射率マップを
演算するマップ演算手段と、反射率マップおよび予め設
定された分析仕様に基づき電子顕微鏡のステージを自動
設定する手段を備えた金属材料中の介在物分析装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走査型電子顕微鏡
あるいは量子線分析機器を用いた金属材料中の微小介在
物の分析において、予め試料表面の広い領域から介在物
を探し出し、さらにこの介在物を精密観察する機能を有
する金属材料中の介在物分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から金属材料中の介在物分析には、
化学的な抽出分離分析の他、X線検出器(以下、EDS
と呼ぶ)を備えた走査型電子顕微鏡(以下、SEMと呼
ぶ)等が用いられてきた。試料表面に点在する介在物を
精密に分析する場合、これをSEM単独で行うには、ま
ず低倍率で介在物を探し出し、介在物の位置を確認する
ことが必要である(以下、これを1次観察という)。次
いで、倍率を種々調整し、試料をステージ機構で動かし
て二次電子像を観察し、目的とする介在物の分析を行う
(以下、これを2次観察という)。
【0003】しかし、清浄度が高く、不純物の少ない材
料では、介在物個数そのものが少なく、介在物分析を行
うためには多くの視野を観察しなければならず、1次観
察に多大の時間を要する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記の1次観察をする
際、SEM自体を低倍率にして使うこともできる。しか
し、SEMを低倍率にして広範囲を走査する方法では、
地合いの金属と介在物のコントラストの識別が難しいこ
と、また、長時間照射すると真空雰囲気中のミスト等の
影響で試料表面に焼き付きが生じ、コントラストが変化
してしまうことが問題になる。
【0005】他の1次観察の方法として、予め光学顕微
鏡とTVカメラおよび画像処理機能によって広い視野の
中から微小介在物の位置を確認し、次いでSEMの高倍
率で2次観察を行う方法がある。しかし、光学顕微鏡は
焦点深度が浅いため、対物レンズを試料に接近させる必
要がある。従って、光学顕微鏡はSEM装置の外部に置
き、試料を光学顕微鏡のステージに載荷し、1次観察に
よって介在物位置を記憶してから、試料をSEMのステ
ージに移載して2次観察をおこなう操作が必要である。
このハンドリングの手間がかかることと、その間、鏡面
研磨した試料は大気中に晒されるため、試料表面に塵埃
が付着したり、酸素などが吸着し表面性状が変化したり
する。また、1次観察で確認した微小介在物の位置決め
(座標原点の設定と軸合わせ)を2次観察で再度行わね
ばならず、試料に座標基線を刻印するなどの手間が必要
になる問題がある。
【0006】これを防止するため、光学顕微鏡をSEM
に組み込む方法が考えられるが、やはり対物レンズを試
料に接近させる必要から、2次観察時には光学顕微鏡自
体を退避する機構が必要となり、大掛かりな装置とな
る。
【0007】金属材料の介在物の分析とは目的が異なる
が、1次観察の他の方法として、試料表面をレーザで走
査し、異物の所在位置を探し出す方法がある。文献(Pa
rticles on Surface 2,(Plenum Publishing Corporatio
n), 19th Annual Meeting ofthe Fine Particle Societ
y, 1989, pp.195-200)には、レーザでSiウェハ表面
を走査し、付着したパーティクル(異物)を検出し、こ
の番地を記憶しておいて、SEM内に持ち込んで分析す
る方法が開示されている。しかし、この方法は試料を予
めSEMの外でレーザで走査し、異物の位置確認をする
ため、上記の光学顕微鏡をSEMの外部に置くのと同
様、試料表面の汚染や再位置決めの問題がある。
【0008】本発明はこのような背景のもとでなされた
ものであり、本発明の目的は金属材料の介在物の分析に
おいて、試料の汚染を防止し、精度高い分析ができ、か
つ能率の高い自動化された分析装置を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は鏡面研磨され
た金属材料の試料表面に点在する介在物の光の反射率が
地合いの金属と大きく異なること、および光を照射して
も試料表面を劣化させることが無いことに着目し、介在
物の位置確認段階ではレーザ光で試料表面を走査する方
法を検討した。
【0010】さらに、レーザ光学系をSEM試料室まで
導入し、試料はSEMのステージに載荷したまま1次観
察を行えば、能率が向上し、2次観察に移行するときの
試料の汚染もないことに着想した。
【0011】上記の知見に基づき完成した本発明の要旨
は以下の通りである。レーザ光源と、レーザ光源からの
レーザ光を電子顕微鏡の試料室内の試料表面に導光する
入射導光路と、レーザ光を金属材料の試料表面で走査す
る手段と、試料表面からの反射光を検出する検出器と、
前記反射光を検出器まで導光する反射導光路と、検出さ
れた反射光から反射率を演算する演算手段と、レーザ光
の走査位置と反射率のデータの組を保存する反射率デー
タ記憶手段と、記憶された反射率データから介在物の位
置、形状および反射率からなる反射率マップを演算する
マップ演算手段と、反射率マップを記憶する手段と、反
射率マップおよび予め設定された分析仕様とに基づき電
子顕微鏡のステージを介在物の位置に自動設定する手段
と、電子顕微鏡を制御する手段とを備えたことを特徴と
する金属材料中の介在物分析装置。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は本発明の金属材料中の介在
物分析装置の構成例を示す概要図である。同図におい
て、符号1はレーザ光源、2はレーザ光、3はハーフミ
ラー、4は窓材、5は試料室、6は入射光強度検出器、
7は試料、8はSEM、9は全反射ミラー、10はステ
ージ、11はステージ制御装置、12はコンピュータ、
13は反射光強度検出器、14は電子線、15はED
S、16はEDSプローブ、17は液体窒素タンク、1
8は全反射ミラー退避機構、19は検出リング、20は
モニタ、21はレーザ走査機構である。
【0013】本発明の金属材料中の介在物分析装置では
下記のように分析が行われる。まず、表面を鏡面研磨し
た試料7をSEM8の試料室5の中に設けられたステー
ジ10に搭載し、レーザ光2が試料7に垂直に入射する
よう光軸合わせを行う。その後、試料室5内を真空にす
る。
【0014】次いで、1次観察、すなわち金属材料の介
在物を探し出す処理を行う。SEM8の装置の外部に設
置したレーザ光源1からレーザ光2をレーザ走査機構2
1、ハーフミラー3を透過させ、窓材4を経由して、試
料室5内に導入する。試料室5内に導入されたレーザ光
2は、試料7と検出リング19の間に挿入した全反射ミ
ラー9によって反射し、試料7を照射する。SEM8の
検出リング19とは2次電子もしくは反射電子を検出す
るための電極であり、通常試料7との間隔は十数mm程
度であるため、全反射ミラー9はこの隙間に装入可能な
小型のものにしなければならない。
【0015】レーザ光2はレーザ走査機構21によっ
て、試料7の定められた表面を走査し、レーザ走査機構
21に組み込まれた走査位置検出器(図示せず)のデー
タが刻々コンピュータ12に伝送される。
【0016】レーザ光源1からの試料7の表面までのレ
ーザ光2の経路を構成する部品を総称して入射導光路と
いう。すなわち、レンズ、ミラー、反射鏡、ガラス等の
屈折体もしくは透過体をいい、図1の例ではレーザ走査
機構21、ハーフミラー3、窓材4、全反射ミラー9が
入射導光路である。
【0017】照射されたレーザ光2は試料7の表面で反
射され、反射光は全反射ミラー9を介して窓材4から試
料室5の外に導かれ、ハーフミラー3で反射されて反射
光強度検出器13で反射強度が測定される。
【0018】試料7の表面から反射強度検出器までの反
射光の経路を構成する部品を総称して反射導光路とい
い、構成要素例は前記の入射導光路と同じである。図1
の例では全反射ミラー9、窓材4、ハーフミラー3が反
射導光路であり、図1においては入射導光路と反射導光
路とは一部の部品を共有している。
【0019】前記反射光の強度のデータ、あるいは後述
のように、レーザ光源1の強度変動を補償するため入射
光強度検出器6を設けた場合は、入射光の強度に対する
反射光の強度比のデータは、反射率データとして、レー
ザ走査機構21からの走査位置データと一組にしてコン
ピュータ12の内部の反射率データの記憶手段に保存さ
れる。この反射率データを得る手段を反射率の演算手段
といい、反射率データと走査位置データの組を保存する
手段を反射率データ記憶手段という。
【0020】次に、コンピュータ12は前記で得られた
反射率データから、試料表面の反射率マップを演算す
る。反射率マップとは、試料7の表面に点状に分散して
いる個別の介在物の形状、位置および反射率のデータの
組をいう。前記の反射率と走査位置のデータの組では介
在物の大きさや位置が認識されていないのに対し、反射
率マップは反射率データを画像処理して介在物を個別に
認識し、それぞれの形状、中心位置およびその反射率を
整理したデータである。このデータ処理を行う手段をマ
ップ演算手段という。前記反射率マップは後の処理のた
め反射率マップ記憶手段に保存される。反射率データか
ら反射率マップを演算する画像処理方法は常法に従うも
ので、コンピュータ12の内部でソフトで処理してもよ
いし、市販の画像処理LSIを用いてもよい。
【0021】反射率マップが得られた段階で、以下の2
次観察の処理を行う。図1のように、全反射ミラー9が
試料7の直上にある構成では、2次観察に先立ってコン
ピュータ12の指令により全反射ミラー退避機構18を
駆動し、全反射ミラー9を試料直上の電子線14の視野
から退避させる。
【0022】コンピュータ12には予め、観察対象の介
在物の反射率(反射強度/入射強度)、走査対象の位置
などの分析仕様が検査者とのマンマシンインターフェー
スを司るモニタ20によって設定されている。
【0023】コンピュータ12は、前記の反射率マップ
に記憶された反射率が、予め設定した反射率より小さい
場合、その位置に介在物が存在すると判断して、ステー
ジ制御装置11を制御して試料7を動かし、電子線14
の軸の直下に当該介在物の中心を合わせる。この一連の
制御を行う手段をステージの自動設定手段という。
【0024】この後、コンピュータ12はSEM8の制
御装置に指令を与え、電子線14の照射、予め設定した
倍率の設定、SEM観察等の処理を行い、さらにコンピ
ュータ12はSEM8から得られた撮像情報等を記憶装
置に記憶する。この一連の機能を実行する手段を電子顕
微鏡を制御する手段という。
【0025】SEM観察の方法は常法に従うものであ
る。すなわち、走査された電子線14に対して、試料表
面からの2次電子または反射電子が飛び出し、検出リン
グ19に捕捉され、SEMの処理装置によって電子像が
えられる。
【0026】反射率マップに記憶された介在物がある程
度大きな場合は、反射率マップに保存された形状に応じ
てステージ10を動かして試料7を走査する。この走査
は、コンピュータ12によって介在物の大きさに応じた
ステージ制御装置11を自動設定するか、レーザ走査機
構21を自動設定するかによって行われる。
【0027】図1の本発明の例においてはSEM8にE
DS15が併設されている。元素分析を行う場合は、試
料7に接近して置かれたEDSプローブ16でX線が捕
捉され、特定領域の点分析や元素のマッピングを行う。
このEDS15の分析仕様も予めコンピューター12で
設定しておく。液体窒素タンク17はEDS15の感度
を維持するため、そのセンサを低温に保つためのもので
ある。
【0028】1個所の2次観察が終了すると、コンピュ
ータ12は次の介在物位置に試料を移動させ、前記と同
様の2次観察を行い、全対象表面を観察後、観察結果が
モニタ20に表示され、あるいは図示しないプリンタに
出力される。
【0029】本発明の装置の各部品およびその機能は各
種の態様があり、以下に説明する。図1は、2次観察の
分析装置として、電子顕微鏡にSEM、介在物組成の分
析にEDSを搭載した装置例を示すが、電子顕微鏡の種
類はSEMの他、荷電粒子線や中性粒子線等を試料の励
起に用いた電子顕微鏡を用いることも可能であり、介在
物組成の分析のための機器はEDSの他、波長分散型X
線検出器(WDS)なども適用可能である。
【0030】図1において、レーザ光源1の種類は特に
限定するものではないが、鏡面研磨金属と介在物との反
射光のコントラストが高く、対象とする介在物の最小粒
子径の分解能を確保できるような波長を有し、かつ光軸
合わせが容易なArレーザが好適である。波長が長くな
って多少分解能は低下するが、安価で安定度の高いHe
−Neレーザも好適である。
【0031】レーザ光源2はその強度が変動することが
ある。このような場合は、図1のように、ハーフミラー
3でレーザ光を分取し、入射光強度検出器6でレーザ光
の強度を測定しておくと、後述する反射率測定の精度が
向上する。
【0032】レーザ光2の試料7の表面での照射径は1
〜50μmとするのが望ましい。1μm未満であると、
試料の走査に多くの時間を要し、50μmを超えると、
微小な介在物の検出精度が低下する。
【0033】図1においてはレーザ光2の走査はレーザ
走査機構21によってレーザ光2を走査する方法を述べ
たが、この方法のほか、走査機構を組み込んだ全反射ミ
ラー9で試料表面の走査をしてもよい。あるいは、レー
ザ光2を固定して、ステージ10の位置を制御するステ
ージ制御装置11によって試料7そのものを動かして走
査させてもよい。
【0034】図1ではレーザ走査機構20がSEM8の
外部に置かれている。このように、レーザ光2をSEM
8の外部で走査する方法は、高速走査が可能であるた
め、分析能率が高い反面、光軸の角度が変動するため、
光軸補正の機構や信号処理が複雑になるという欠点があ
る。
【0035】前記全反射ミラー9でレーザ光を走査する
方法は前記SEM外部のレーザ走査機構を用いる方法に
比べ、光軸補正がより簡素化される反面、走査機構を試
料室5内に設けなければならないため、機構が複雑にな
るという欠点がある。
【0036】これらのレーザ光を走査する機構と走査位
置の検出器を総称して走査する手段という。
【0037】前記ステージ10を動かして走査する方法
は、レーザ経路が一定であるため、光学系を簡素にでき
る反面、機械的走査のため、時間が長くかかる欠点があ
る。
【0038】上記図1の説明では、入射導光路および反
射導光路に関して、導光路の一部を重複させ、全反射ミ
ラー9を試料上部で出し入れする方式の例を示したが、
レーザ光線を試料に対して斜めから入射し、別の複数の
反射ミラーを用いて反射光強度をモニターする方法も可
能である。これによって、図1のように、試料直上に全
反射ミラー9を置く必要がなくなり、機構が簡素化する
ことができる。反面、入射光が斜め入射になり、表面の
反射率が高くなり、金属表面と介在物表面とのコントラ
ストが低くなる欠点がある。試料7と検出リング19ま
たはEDSプローブ16との間隔などの諸条件を勘案し
て、分析環境・分析条件に最適な方式を決定すべきであ
る。
【0039】また、上記の反射導光路については、反射
光強度検出器13はSEM試料室内に設置してもよい。
【0040】
【実施例】図1に示した本発明装置で、レーザ光源1に
はHe−Neレーザ(100mW)を、SEM8の窓材
4には厚さ3mm、直径10mmの石英板を、全反射ミ
ラー9には5mm×5mmの大きさのものを、入射光強
度検出器6、反射光強度検出器13にはそれぞれ半導体
(CdS)の光検出器を、試料7には通常の炭素鋼を用
いた。
【0041】図2は介在物の直径に対するレーザ光の反
射率変化を示すグラフである。ここで、レーザ光の試料
7上でのビーム径は20μmとし、反射率は介在物の存
在しない試料上の任意の点の反射光の強度を測定し、そ
の反射率を100%として規格化した。介在物の直径は
断面積が等しい円に換算したときの直径として示す。
【0042】図2では介在物の種類によって反射率がば
らつくことがあるが、この場合でも、反射率減少が5%
以上で介在物と認識させるようにすると、直径4μm以
上の介在物を探し出すことが可能であった。
【0043】図3はレーザ光のビーム径と検出可能な最
小介在物の径との関係を示すグラフである。ここでは、
反射率の減少が5%以上の場合に介在物として認識させ
るように分析仕様を設定し、検出できた最小の介在物の
径をプロットした。
【0044】同図に示すように、レーザビーム径と最小
介在物の直径の間には、ほぼ直線的な関係があった。経
験的には、レーザビーム径がxμm、探したい介在物の
最小径がyμmであるとすると、反射率変化量z%以上
は次の式で設定すれば望ましいことがわかった。
【0045】z=130×y2 /x2 すなわち、z=5%とすると、前記の式を変形して、 y=0.196x となり、図3に示す破線のようになる。
【0046】これらの式から、対象となる介在物の大き
さを金属材料によって指定すれば、レーザのビーム径を
適切に選択できることがわかった。
【0047】本実施例では入射光強度検出器6および反
射光強度検出器13に半導体の光検出器を用いたが、光
電子増倍管を用いると検出器の応答速度が上がり、試料
走査をより高速化できる。あるいは、二次元検出器(C
CDカメラ等)を用いる場合、さらに試料走査を早める
ことが可能で、測定時間の短縮に有効である。
【0048】次に、任意の普通鋼の試料を本発明の装置
で分析した。1次観察の分析方法は、ビーム径10μm
のレーザ光を用い、試料の走査速度が40μm/sで、
反射率変化5%以上を介在物と判定するように分析仕様
を設定し、約2μm以上の介在物を対象に測定被面積5
mm×5mmとした。1次観察で介在物を認識した位置
で、SEMでの2次観察を行った結果(5,000倍で
観察)から実際の介在物の直径を求めた。
【0049】図4は介在物の直径と介在物個数の分析例
を示すグラフである。同図の太線のグラフが上記の介在
物の直径と総数を示す。同図では介在物の直径を5μm
ごと(例えば、5μm以上、10μm未満)に分けて表
示している。
【0050】次いで、介在物のあった場所の中心位置へ
5μm角の電子ビームを照射し、その時のEDS分析結
果から介在物の種類を特定した結果を図4に合わせて示
す。この試料では、5mm×5mmの領域に1.7μm
から32μmの大きさの介在物が存在し、全体で177
個が確認され、主にアルミナ(Al−O系介在物)であ
ることがわかった。
【0051】上記の普通鋼試料の分析を従来方法(SE
Mの外部に置いた光学顕微鏡で1次観察を行い、次いで
SEM試料室に移行し、2次観察を行う方法)で行い、
作業時間を比較したところ、従来方法は本発明方法と比
較して、基線の刻印で約5分、1次観察での位置合わせ
に約2分、1次観察から2次観察に移行するハンドリン
グで約5分、2次観察での位置合わせに約5分、合計で
約17分余計に時間を費やした。
【0052】
【発明の効果】本発明装置によれば、金属材料中の介在
物を精度の高く分析でき、試料の汚染も少なく、高能率
の自動分析が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属材料中の介在物分析装置の構成例
を示す概要図である。
【図2】介在物の直径に対するレーザ光の反射率変化を
示すグラフである。
【図3】レーザ光のビーム径と検出可能な最小介在物の
径との関係を示すグラフである。
【図4】介在物の直径と介在物個数の分析例を示すグラ
フである。
【符号の説明】
1 レーザ光源 2 レーザ光 3 ハーフミラー 4 窓材 5 試料室 6 入射光強度検出器 7 試料 8 SEM 9 全反射ミラー 10 ステージ 11 ステージ制御装置 12 コンピュータ 13 反射光強度検出器 14 電子線 15 EDS 16 EDSプローブ 17 液体窒素タンク 18 全反射ミラー退避機構 19 検出リング 20 モニタ 21 レーザ走査機構

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光源と、レーザ光源からのレーザ
    光を電子顕微鏡の試料室内の試料表面に導光する入射導
    光路と、レーザ光を金属材料の試料表面で走査する手段
    と、試料表面からの反射光を検出する検出器と、前記反
    射光を検出器まで導光する反射導光路と、検出された反
    射光から反射率を演算する演算手段と、レーザ光の走査
    位置と反射率のデータの組を保存する反射率データ記憶
    手段と、記憶された反射率データから介在物の位置、形
    状および反射率からなる反射率マップを演算するマップ
    演算手段と、反射率マップを記憶する手段と、反射率マ
    ップおよび予め設定された分析仕様とに基づき電子顕微
    鏡のステージを介在物の位置に自動設定する手段と、電
    子顕微鏡を制御する手段とを備えたことを特徴とする金
    属材料中の介在物分析装置。
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