JP2000045567A - 免震部材及びそれを用いた免震構造 - Google Patents
免震部材及びそれを用いた免震構造Info
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- JP2000045567A JP2000045567A JP10229300A JP22930098A JP2000045567A JP 2000045567 A JP2000045567 A JP 2000045567A JP 10229300 A JP10229300 A JP 10229300A JP 22930098 A JP22930098 A JP 22930098A JP 2000045567 A JP2000045567 A JP 2000045567A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 集中荷重や等分布荷重の別を問わず、特
別な構造や設計技術を要することなく広く適用でき、そ
のうえ免震装置(部材)の大型化や複雑化そしてそれに
伴う建設費用の大幅な増加等の問題がない免震部材及び
それを用いた免震構造を提供する。 【解決手段】 同径の複数のボールと、該複数のボール
が互いに所定の位置関係を保ちかつ一の設置平面に接し
うるように、該複数のボールを保持する保持体と、を有
するものである、免震部材及びそれを用いた免震構造で
ある。
別な構造や設計技術を要することなく広く適用でき、そ
のうえ免震装置(部材)の大型化や複雑化そしてそれに
伴う建設費用の大幅な増加等の問題がない免震部材及び
それを用いた免震構造を提供する。 【解決手段】 同径の複数のボールと、該複数のボール
が互いに所定の位置関係を保ちかつ一の設置平面に接し
うるように、該複数のボールを保持する保持体と、を有
するものである、免震部材及びそれを用いた免震構造で
ある。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、免震部材及びそれ
を用いた免震構造に関し、より詳細には建物の下部構造
の上面と上部構造の下面との間に挟持される免震部材及
びそれを用いた免震構造に関する。
を用いた免震構造に関し、より詳細には建物の下部構造
の上面と上部構造の下面との間に挟持される免震部材及
びそれを用いた免震構造に関する。
【0002】
【従来の技術】我国は地震が頻発することから、地震の
際の建物の被害を減少させるための免震装置(免震部材
を含む)及び免震構造について多くの研究が行われてき
た。この傾向は平成7年の阪神・淡路大震災の後、さら
に強くなり、種々の免震装置及び免震構造が提案されて
いる。例えば、直径40〜50cm程度の円盤状のゴム
と鉄板とを交互に積層してなるいわゆる積層ゴムアイソ
レーター(現在主流の免震装置)を、建物の上部構造物
と基礎との間に設置するものがある(以下、「第一従来
技術」という。)。また、基礎工(「基礎工11月号
(第25巻 第11号 通巻292号)」、株式会社総
合土木研究所発行、平成9年11月15日発行(199
7年11月号)、以下、本明細書中では単に「基礎工」
という。)の1997年11月号の69頁から75頁に
は、小規模建築の免震工法の設計例と題して有馬文昭ら
が「直動転がり支承を十字形あるいはキ型、井桁型に配
置することにより平面可動な支承としたもので、CLB
(Cross LinearBearing)免震構
法」(同号第69頁左欄第4行〜第6行:以下、「第二
従来技術」という。)について報告している。これは、
直線状に延びたレールと、ブロックと、該レールと該ブ
ロックとの間に配置された循環運動する鋼製のボール
(又はローラー)とを有するCLB装置(直動転がり支
承、即ち、レールに沿ってブロックが直線的に摺動す
る。同号第70頁、図−2参照)によって荷重支持する
ことを特徴としており、平面内の任意方向に可動とする
ために、このCLB装置を十字形あるいはキ型、井桁型
等のように該平面に対して垂直方向から見てレールが互
いに交わるように配置している。さらに、基礎工の19
97年11月号の76頁から79頁には、小規模建築の
免震工法の実施例(−偏心ローラー支承による免震構造
−)と題して長岡徹らが、鉄筋コンクリート造の研究施
設の上部構造と基礎構造との間に偏心ローラー支承を用
いた免震部材を設置したことを報告している(以下、
「第三従来技術」という。)。偏心ローラー支承は、
「大小のローラーが偏心して一体になり、大きいローラ
ーが上のレールに、小さいローラーが下のレールに接し
て」(同号第77頁左欄第20〜22行)おり、上のレ
ールが上部構造を担持し下のレールが基礎構造に取り付
けられている(同号第77頁、図−3参照)。
際の建物の被害を減少させるための免震装置(免震部材
を含む)及び免震構造について多くの研究が行われてき
た。この傾向は平成7年の阪神・淡路大震災の後、さら
に強くなり、種々の免震装置及び免震構造が提案されて
いる。例えば、直径40〜50cm程度の円盤状のゴム
と鉄板とを交互に積層してなるいわゆる積層ゴムアイソ
レーター(現在主流の免震装置)を、建物の上部構造物
と基礎との間に設置するものがある(以下、「第一従来
技術」という。)。また、基礎工(「基礎工11月号
(第25巻 第11号 通巻292号)」、株式会社総
合土木研究所発行、平成9年11月15日発行(199
7年11月号)、以下、本明細書中では単に「基礎工」
という。)の1997年11月号の69頁から75頁に
は、小規模建築の免震工法の設計例と題して有馬文昭ら
が「直動転がり支承を十字形あるいはキ型、井桁型に配
置することにより平面可動な支承としたもので、CLB
(Cross LinearBearing)免震構
法」(同号第69頁左欄第4行〜第6行:以下、「第二
従来技術」という。)について報告している。これは、
直線状に延びたレールと、ブロックと、該レールと該ブ
ロックとの間に配置された循環運動する鋼製のボール
(又はローラー)とを有するCLB装置(直動転がり支
承、即ち、レールに沿ってブロックが直線的に摺動す
る。同号第70頁、図−2参照)によって荷重支持する
ことを特徴としており、平面内の任意方向に可動とする
ために、このCLB装置を十字形あるいはキ型、井桁型
等のように該平面に対して垂直方向から見てレールが互
いに交わるように配置している。さらに、基礎工の19
97年11月号の76頁から79頁には、小規模建築の
免震工法の実施例(−偏心ローラー支承による免震構造
−)と題して長岡徹らが、鉄筋コンクリート造の研究施
設の上部構造と基礎構造との間に偏心ローラー支承を用
いた免震部材を設置したことを報告している(以下、
「第三従来技術」という。)。偏心ローラー支承は、
「大小のローラーが偏心して一体になり、大きいローラ
ーが上のレールに、小さいローラーが下のレールに接し
て」(同号第77頁左欄第20〜22行)おり、上のレ
ールが上部構造を担持し下のレールが基礎構造に取り付
けられている(同号第77頁、図−3参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来の技術には以下のような問題があった。即ち、第一
従来技術は、ラーメン構造に見られるような集中荷重の
建物であれば荷重を支持する柱と基礎との間に積層ゴム
アイソレーターを配置することができるが、木造住宅等
において多用される布基礎において用いることは困難で
あった。第二従来技術は、直線的に摺動するCLB装置
を用いて平面内の任意方向へ可動とするために、CLB
装置を十字形あるいはキ型、井桁型等のように該平面に
対して垂直方向から見てレールが互いに交わるように多
段で配置する必要があり(地震の揺れがいずれの方向で
あっても可動になるように)、免震装置の大型化及び複
雑化そしてそれに伴う建設費用の大幅な増加等の問題が
あった。さらに、CLB装置が点によって鉛直荷重を支
えるので、第二従来技術も木造住宅等において多用され
る布基礎に直接適用することができず、第二従来技術を
木造住宅等に適用する場合には特別な基礎構造や免震フ
レームを要することになり(基礎工1997年11月号
第73頁左欄第8行〜第14行)、特殊な設計技術を要
することに加え建設費用を大幅に増加させるものであっ
た。第三従来技術は、一方向にのみ転がる偏心ローラー
を使用するため、「偏心ローラーを、中間プレートを介
して直交2段重ねにすることにより、水平2方向の自由
度を与え」(基礎工1997年11月号第77頁右欄第
13行〜第15行)る必要があり、第二従来技術と同
様、免震装置の大型化及び複雑化そしてそれに伴う建設
費用の大幅な増加等の問題があった。さらに、第三従来
技術も点によって鉛直荷重を支えるので、木造住宅等に
おいて多用される布基礎に直接適用することができなか
った。
従来の技術には以下のような問題があった。即ち、第一
従来技術は、ラーメン構造に見られるような集中荷重の
建物であれば荷重を支持する柱と基礎との間に積層ゴム
アイソレーターを配置することができるが、木造住宅等
において多用される布基礎において用いることは困難で
あった。第二従来技術は、直線的に摺動するCLB装置
を用いて平面内の任意方向へ可動とするために、CLB
装置を十字形あるいはキ型、井桁型等のように該平面に
対して垂直方向から見てレールが互いに交わるように多
段で配置する必要があり(地震の揺れがいずれの方向で
あっても可動になるように)、免震装置の大型化及び複
雑化そしてそれに伴う建設費用の大幅な増加等の問題が
あった。さらに、CLB装置が点によって鉛直荷重を支
えるので、第二従来技術も木造住宅等において多用され
る布基礎に直接適用することができず、第二従来技術を
木造住宅等に適用する場合には特別な基礎構造や免震フ
レームを要することになり(基礎工1997年11月号
第73頁左欄第8行〜第14行)、特殊な設計技術を要
することに加え建設費用を大幅に増加させるものであっ
た。第三従来技術は、一方向にのみ転がる偏心ローラー
を使用するため、「偏心ローラーを、中間プレートを介
して直交2段重ねにすることにより、水平2方向の自由
度を与え」(基礎工1997年11月号第77頁右欄第
13行〜第15行)る必要があり、第二従来技術と同
様、免震装置の大型化及び複雑化そしてそれに伴う建設
費用の大幅な増加等の問題があった。さらに、第三従来
技術も点によって鉛直荷重を支えるので、木造住宅等に
おいて多用される布基礎に直接適用することができなか
った。
【0004】そこで、本発明では、集中荷重(例えば、
ラーメン構造)や等分布荷重(例えば、木造住宅等の布
基礎構造)の別を問わず、特別な構造(特別な基礎構造
や免震フレーム等)や設計技術を要することなく広く適
用でき、そのうえ免震装置(部材)の大型化や複雑化そ
してそれに伴う建設費用の大幅な増加等の問題がない免
震部材及びそれを用いた免震構造を提供することを目的
とする。
ラーメン構造)や等分布荷重(例えば、木造住宅等の布
基礎構造)の別を問わず、特別な構造(特別な基礎構造
や免震フレーム等)や設計技術を要することなく広く適
用でき、そのうえ免震装置(部材)の大型化や複雑化そ
してそれに伴う建設費用の大幅な増加等の問題がない免
震部材及びそれを用いた免震構造を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の免震部材(以下、「本部材」という。)
は、同径の複数のボールと、該複数のボールが互いに所
定の位置関係を保ちかつ一の設置平面に接しうるよう
に、該複数のボールを保持する保持体と、を有するもの
である、免震部材である。ここでボールを使用すること
で、該一の設置平面に接した状態で該一の設置平面に沿
ったいずれの方向にも自由に本部材が移動することがで
きる。なお、本明細書中において使用する「設置平面」
とは、免震構造を形成するために本部材が直接挟持され
ると想定される上面又は下面をいう。例えば、建物の下
部構造(例えば、基礎)の上面と上部構造(例えば、土
台)の下面とに本部材が直接挟持された場合には建物の
下部構造(例えば、基礎)の上面又は上部構造(例え
ば、土台)の下面をいう(なお、下部構造の上面と上部
構造の下面とのうち、後述の硬質層が存在する場合は、
該硬質層の表面となる。)。このため本部材が、建物の
下部構造(例えば、基礎)の上面と上部構造(例えば、
土台)の下面との間に挟持されると(硬質層を介して挟
持される場合も含む。以下、同じ。)、下部構造に対し
て上部構造が該一の設置平面に平行ないずれの方向にも
運動することができるので、免震構造を形成することが
できる(該建物を免震構造とすることができる)。本部
材は、さまざまな形状や構造のものが考えられ、それに
よって建物のさまざまな下部構造と上部構造との間にも
容易に挟持され使用されることができるので、建物構造
の別を問わず好適に使用されることができる。例えば、
集中荷重(例えば、ラーメン構造)の場合であれば荷重
を支えている柱に直列に本部材を挿入すればよく(従来
の積層ゴムアイソレーターの代わりに使用できる)、等
分布荷重(例えば、木造住宅等の布基礎構造の場合であ
れば基礎と土台との間に沿って本部材を配設すればよい
ので、いずれの構造の建物にも容易に本部材を使用する
ことができる。また、本部材を使用する建物は、従来構
造に比して特別な構造や設計技術を要することなく、複
数のボールとその保持体とによって構成される極めて簡
単かつコンパクトな本部材を使用することで極めて小さ
な建設費用増加にとどめつつ、高い免震効果を得ること
ができる。
に、本発明の免震部材(以下、「本部材」という。)
は、同径の複数のボールと、該複数のボールが互いに所
定の位置関係を保ちかつ一の設置平面に接しうるよう
に、該複数のボールを保持する保持体と、を有するもの
である、免震部材である。ここでボールを使用すること
で、該一の設置平面に接した状態で該一の設置平面に沿
ったいずれの方向にも自由に本部材が移動することがで
きる。なお、本明細書中において使用する「設置平面」
とは、免震構造を形成するために本部材が直接挟持され
ると想定される上面又は下面をいう。例えば、建物の下
部構造(例えば、基礎)の上面と上部構造(例えば、土
台)の下面とに本部材が直接挟持された場合には建物の
下部構造(例えば、基礎)の上面又は上部構造(例え
ば、土台)の下面をいう(なお、下部構造の上面と上部
構造の下面とのうち、後述の硬質層が存在する場合は、
該硬質層の表面となる。)。このため本部材が、建物の
下部構造(例えば、基礎)の上面と上部構造(例えば、
土台)の下面との間に挟持されると(硬質層を介して挟
持される場合も含む。以下、同じ。)、下部構造に対し
て上部構造が該一の設置平面に平行ないずれの方向にも
運動することができるので、免震構造を形成することが
できる(該建物を免震構造とすることができる)。本部
材は、さまざまな形状や構造のものが考えられ、それに
よって建物のさまざまな下部構造と上部構造との間にも
容易に挟持され使用されることができるので、建物構造
の別を問わず好適に使用されることができる。例えば、
集中荷重(例えば、ラーメン構造)の場合であれば荷重
を支えている柱に直列に本部材を挿入すればよく(従来
の積層ゴムアイソレーターの代わりに使用できる)、等
分布荷重(例えば、木造住宅等の布基礎構造の場合であ
れば基礎と土台との間に沿って本部材を配設すればよい
ので、いずれの構造の建物にも容易に本部材を使用する
ことができる。また、本部材を使用する建物は、従来構
造に比して特別な構造や設計技術を要することなく、複
数のボールとその保持体とによって構成される極めて簡
単かつコンパクトな本部材を使用することで極めて小さ
な建設費用増加にとどめつつ、高い免震効果を得ること
ができる。
【0006】本部材は同径の複数のボールを有する。ボ
ールは、複数(即ち2個以上)存在し、全てのボールは
同じ直径を有する。ボールは上部構造の荷重を支えるの
で(例えば、複数のボールが、建物の下部構造(例え
ば、基礎)の上面と上部構造(例えば、土台)の下面と
の両方に接する場合であれば上部構造の荷重のほとんど
がこれらのボールによって支えられる)、それに十分耐
えることができる程度の強度を有する必要がある。各ボ
ールに加わる荷重は、上部構造の荷重やボールの個数等
によって変化するので、これらを考慮して必要なボール
の強度を決定すればよい。決定されたボールの必要強度
を満たすようにボールの直径や材質は決められればよ
く、特に限定されるものではない。しかしながら、直径
はあまり小さいと建物の上部構造の下面がたわむ等した
ときに上部構造の下面と下部構造の上面とが接触し免震
効果が低減するので好ましくなく、一方、直径はあまり
大きいと本部材が大型化したり重量が大きくなるので好
ましくなく、これら両条件を満足する範囲とされること
が好ましい。ボールの材質は、ボールに加わる荷重に十
分耐えられるものであればいかなるものであっても良い
が、好ましくは、本部材が配設される場所において変質
(さびや腐蝕等を含む)しないものであり、例えば、鋼
(炭素鋼、ステンレス鋼、特殊鋼等を含む)、チタン、
マグネシウム、アルミニウム、これらの合金等を含む金
属材料や、ポリアミド、ポリイミド、フッ素樹脂、ポリ
アセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、フェノ
ール樹脂、これらのブレンド物、これらをガラス繊維等
によって強化したもの等を含む樹脂材料や、窒化けい素
セラミックス等のセラミックス材料等を例示することが
できる。とりわけ鋼(炭素鋼、ステンレス鋼、特殊鋼等
を含む)は強度や信頼性が特別高いことに加え安価であ
ることから好ましく、中でもステンレス鋼は水分等によ
るさびや腐蝕等の問題が少ないので好ましい。また、保
持体との滑りを向上させるために自己潤滑性材料(四ふ
っ化エチレンや黒鉛等を含む)によってボールを形成し
たり、ボール表面を自己潤滑性材料によって被覆しても
よい。
ールは、複数(即ち2個以上)存在し、全てのボールは
同じ直径を有する。ボールは上部構造の荷重を支えるの
で(例えば、複数のボールが、建物の下部構造(例え
ば、基礎)の上面と上部構造(例えば、土台)の下面と
の両方に接する場合であれば上部構造の荷重のほとんど
がこれらのボールによって支えられる)、それに十分耐
えることができる程度の強度を有する必要がある。各ボ
ールに加わる荷重は、上部構造の荷重やボールの個数等
によって変化するので、これらを考慮して必要なボール
の強度を決定すればよい。決定されたボールの必要強度
を満たすようにボールの直径や材質は決められればよ
く、特に限定されるものではない。しかしながら、直径
はあまり小さいと建物の上部構造の下面がたわむ等した
ときに上部構造の下面と下部構造の上面とが接触し免震
効果が低減するので好ましくなく、一方、直径はあまり
大きいと本部材が大型化したり重量が大きくなるので好
ましくなく、これら両条件を満足する範囲とされること
が好ましい。ボールの材質は、ボールに加わる荷重に十
分耐えられるものであればいかなるものであっても良い
が、好ましくは、本部材が配設される場所において変質
(さびや腐蝕等を含む)しないものであり、例えば、鋼
(炭素鋼、ステンレス鋼、特殊鋼等を含む)、チタン、
マグネシウム、アルミニウム、これらの合金等を含む金
属材料や、ポリアミド、ポリイミド、フッ素樹脂、ポリ
アセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、フェノ
ール樹脂、これらのブレンド物、これらをガラス繊維等
によって強化したもの等を含む樹脂材料や、窒化けい素
セラミックス等のセラミックス材料等を例示することが
できる。とりわけ鋼(炭素鋼、ステンレス鋼、特殊鋼等
を含む)は強度や信頼性が特別高いことに加え安価であ
ることから好ましく、中でもステンレス鋼は水分等によ
るさびや腐蝕等の問題が少ないので好ましい。また、保
持体との滑りを向上させるために自己潤滑性材料(四ふ
っ化エチレンや黒鉛等を含む)によってボールを形成し
たり、ボール表面を自己潤滑性材料によって被覆しても
よい。
【0007】本部材は、該複数のボールが互いに所定の
位置関係を保ちかつ一の設置平面に接しうるように、該
複数のボールを保持する保持体を有する。ここにいう
「一の設置平面に接しうるように」とは、本部材が下部
構造の上面と荷重が加わった上部構造の下面との間に挟
まれた状態のときにすくなくとも一の設置平面に該複数
のボールが接することができればよいことを意味し、例
えば、本部材に力が加わっていないときには該複数のボ
ールが一の設置平面に接していないが上部構造から本部
材に力が加わって変形(例えば、押し縮められる)する
ことによって該複数のボールが一の設置平面に接するも
のであってもよい(もちろん、本部材に力が加わってい
ないときにも、該複数のボールが一の設置平面に接して
いてもよい。)。このように一の設置平面に接しうるよ
うに複数のボールを保持することで、本部材を挟持する
下部構造及び上部構造の間に回転可能な複数のボールが
介在することになり、下部構造に対して上部構造は該一
の設置平面に沿った任意方向へと運動することができ、
これによって下部構造へ加えられた地震の振動の大部分
は上部構造に伝達されない(免震効果)。
位置関係を保ちかつ一の設置平面に接しうるように、該
複数のボールを保持する保持体を有する。ここにいう
「一の設置平面に接しうるように」とは、本部材が下部
構造の上面と荷重が加わった上部構造の下面との間に挟
まれた状態のときにすくなくとも一の設置平面に該複数
のボールが接することができればよいことを意味し、例
えば、本部材に力が加わっていないときには該複数のボ
ールが一の設置平面に接していないが上部構造から本部
材に力が加わって変形(例えば、押し縮められる)する
ことによって該複数のボールが一の設置平面に接するも
のであってもよい(もちろん、本部材に力が加わってい
ないときにも、該複数のボールが一の設置平面に接して
いてもよい。)。このように一の設置平面に接しうるよ
うに複数のボールを保持することで、本部材を挟持する
下部構造及び上部構造の間に回転可能な複数のボールが
介在することになり、下部構造に対して上部構造は該一
の設置平面に沿った任意方向へと運動することができ、
これによって下部構造へ加えられた地震の振動の大部分
は上部構造に伝達されない(免震効果)。
【0008】複数のボールの互いの所定の位置関係(保
持体によって保持される複数のボールが保つ所定の位置
関係)は、本部材がこのように上部構造の荷重を下部構
造へと支障なく伝達でき、かつ下部構造に対して上部構
造が該一の設置平面に沿った任意方向へと運動可能にし
て免震効果を付与できるものであれば特に限定されず、
ボールが保持体に遊嵌されること等によって一定の範囲
内において移動可能になっており、このためボールの位
置がある程度ずれる場合であってもよい。複数のボール
の互いの所定の位置関係は、例えば、複数のボールが一
直線上に並ぶもの(以下、「直線配置」という。)であ
っても、互いに平行な一の複数の直線群と、該一の複数
の直線群に交わる互いに平行な他の複数の直線群と、が
交わるそれぞれの交点にボール1個ずつが配置されるも
の(以下、「格子配置」という。)であってもよい。し
かしながら、複数のボールの長寿命化や円滑にボールが
動くこと(免震効果が大きい)を考慮すると、各ボール
に加わる荷重がほぼ等しくなるようにされることが好ま
しい。このため下部構造の上面と上部構造の下面との間
において、単位面積あたりほぼ同じ荷重が加わる場合で
あれば、隣接する各ボールの間隔を等しくしてもよい。
従って、前記の直線配置であれば、互いに隣接するボー
ルの間隔が等しくされてもよい。また前記の格子配置で
あれば、前記一の複数の直線群が互いに等しい間隔で配
置され、かつ前記他の複数の直線群も互いに該等しい間
隔で配置されるようにしてもよい(即ち、前記一の複数
の直線群と前記他の複数の直線群とのいずれもそれぞれ
の直線の間隔は等しい。)。またこの場合、前記一の複
数の直線群と前記他の複数の直線群とが交わる角度が略
90度又は略60度になるようにすれば、互いに隣接す
るボールとボールとの間隔が全て等しくなるので好まし
い(該角度が90度のときは正方形状の繰り返し単位に
よって複数のボールが配置され、該角度が60度のとき
は正三角形状の繰り返し単位によって複数のボールが配
置される。)。
持体によって保持される複数のボールが保つ所定の位置
関係)は、本部材がこのように上部構造の荷重を下部構
造へと支障なく伝達でき、かつ下部構造に対して上部構
造が該一の設置平面に沿った任意方向へと運動可能にし
て免震効果を付与できるものであれば特に限定されず、
ボールが保持体に遊嵌されること等によって一定の範囲
内において移動可能になっており、このためボールの位
置がある程度ずれる場合であってもよい。複数のボール
の互いの所定の位置関係は、例えば、複数のボールが一
直線上に並ぶもの(以下、「直線配置」という。)であ
っても、互いに平行な一の複数の直線群と、該一の複数
の直線群に交わる互いに平行な他の複数の直線群と、が
交わるそれぞれの交点にボール1個ずつが配置されるも
の(以下、「格子配置」という。)であってもよい。し
かしながら、複数のボールの長寿命化や円滑にボールが
動くこと(免震効果が大きい)を考慮すると、各ボール
に加わる荷重がほぼ等しくなるようにされることが好ま
しい。このため下部構造の上面と上部構造の下面との間
において、単位面積あたりほぼ同じ荷重が加わる場合で
あれば、隣接する各ボールの間隔を等しくしてもよい。
従って、前記の直線配置であれば、互いに隣接するボー
ルの間隔が等しくされてもよい。また前記の格子配置で
あれば、前記一の複数の直線群が互いに等しい間隔で配
置され、かつ前記他の複数の直線群も互いに該等しい間
隔で配置されるようにしてもよい(即ち、前記一の複数
の直線群と前記他の複数の直線群とのいずれもそれぞれ
の直線の間隔は等しい。)。またこの場合、前記一の複
数の直線群と前記他の複数の直線群とが交わる角度が略
90度又は略60度になるようにすれば、互いに隣接す
るボールとボールとの間隔が全て等しくなるので好まし
い(該角度が90度のときは正方形状の繰り返し単位に
よって複数のボールが配置され、該角度が60度のとき
は正三角形状の繰り返し単位によって複数のボールが配
置される。)。
【0009】保持体は、複数のボールが互いに所定の位
置関係を保ちかつ一の設置平面に接しうるように、複数
のボールを保持することができるものであればいかなる
ものであってもよい。しかしながら、ボールを確実に保
持するためには、前記一の設置平面に対して平行ないず
れかの切断面において、保持体がボールの周囲を取り囲
むようにしてもよい。こうすることで前記一の設置平面
に平行な方向に関して、保持体がボールの周囲を取り囲
んだ範囲内でボールが確実に保持されるので好ましい。
この保持体がボールを取り囲む状態は、保持体とボール
との間に隙間が存在しても(一定範囲内ではボールは可
動)、また両者が互いに密接していても(保持部の変形
によりボールは可動)よい。前記一の設置平面に対して
平行ないずれかの切断面において、保持体がボールの周
囲を取り囲むようにするには、例えば、格子状の枠内に
ボールを保持させたり、板状部材(厚さはボール直径以
下であればよい。)の所定位置にボールが緩嵌される大
きさの開口を設け、該開口にボールを緩嵌して保持させ
たりしてもよい。ボールを一層確実に保持するために
は、前記一の設置平面に対して平行に該ボールを切断す
る全ての切断面において保持体が該ボールの周囲を取り
囲むようにしてもよい。こうすることで前記一の設置平
面に接する、ボールの部分から前記一の設置平面から最
も離れた、ボールの部分までの全ての部分にわたって前
記一の設置平面に平行な方向に関して保持体がボールの
周囲を取り囲み、該ボールがその取り囲まれた範囲内で
確実に保持されるので好ましい。このように前記一の設
置平面に対して平行に該ボールを切断する全ての切断面
において保持体が該ボールの周囲を取り囲むようにする
には、例えば、第一には、保持体が円柱状の内部空間を
有し、該内部空間内に該ボールが保持されるようにして
もよい。このようにすることで円柱状の該内部空間に該
ボールが確実に保持されることに加え、建物の下部構造
の上面に保持体のみを配置した後(硬質層を介してもよ
い)、保持体の上部(上面)から該内部空間へとボール
を入れて本部材を形成することができるので、本部材を
用いて容易に免震構造を構成することができる。また、
ボールを受け入れ可能な円柱形の内部空間を形成するこ
とは、円形の打ち抜き型で部材を打ち抜くこと等によっ
て容易に行うことができるので、容易かつ安価に本部材
を製造することができる。また、第二には、保持体がそ
の内部にボールの外形と同じ形の内部空間を有し、該内
部空間内に該ボールが保持されるようにしてもよい(以
下、「埋設構造」という。)。即ち、ボールが保持体内
部に埋設されたような構造をとり、この場合では該ボー
ルの外面のうち大部分が保持体の内面と密接するので、
一層強固かつ確実に該内部空間内に該ボールが保持され
る。この場合の本部材を形成するには、該複数のボール
を本部材全体の成形型内部の所定位置に挿入固定し、該
成形型内部へ保持体を形成する材料(ゴム材料や樹脂材
料)を注入し固化(ゴム材料を使用する場合であれば加
硫反応を含む。)させる方法や、前記一の設置平面から
該複数のボールの半径と同じ距離離れた、前記一の設置
平面に対して平行な面によって保持体を切断した両部分
を形成した後、該両部分の間の所定位置に該複数のボー
ルを挟み込んだ状態で該両部分を融着や接着する方法等
を例示することができる。
置関係を保ちかつ一の設置平面に接しうるように、複数
のボールを保持することができるものであればいかなる
ものであってもよい。しかしながら、ボールを確実に保
持するためには、前記一の設置平面に対して平行ないず
れかの切断面において、保持体がボールの周囲を取り囲
むようにしてもよい。こうすることで前記一の設置平面
に平行な方向に関して、保持体がボールの周囲を取り囲
んだ範囲内でボールが確実に保持されるので好ましい。
この保持体がボールを取り囲む状態は、保持体とボール
との間に隙間が存在しても(一定範囲内ではボールは可
動)、また両者が互いに密接していても(保持部の変形
によりボールは可動)よい。前記一の設置平面に対して
平行ないずれかの切断面において、保持体がボールの周
囲を取り囲むようにするには、例えば、格子状の枠内に
ボールを保持させたり、板状部材(厚さはボール直径以
下であればよい。)の所定位置にボールが緩嵌される大
きさの開口を設け、該開口にボールを緩嵌して保持させ
たりしてもよい。ボールを一層確実に保持するために
は、前記一の設置平面に対して平行に該ボールを切断す
る全ての切断面において保持体が該ボールの周囲を取り
囲むようにしてもよい。こうすることで前記一の設置平
面に接する、ボールの部分から前記一の設置平面から最
も離れた、ボールの部分までの全ての部分にわたって前
記一の設置平面に平行な方向に関して保持体がボールの
周囲を取り囲み、該ボールがその取り囲まれた範囲内で
確実に保持されるので好ましい。このように前記一の設
置平面に対して平行に該ボールを切断する全ての切断面
において保持体が該ボールの周囲を取り囲むようにする
には、例えば、第一には、保持体が円柱状の内部空間を
有し、該内部空間内に該ボールが保持されるようにして
もよい。このようにすることで円柱状の該内部空間に該
ボールが確実に保持されることに加え、建物の下部構造
の上面に保持体のみを配置した後(硬質層を介してもよ
い)、保持体の上部(上面)から該内部空間へとボール
を入れて本部材を形成することができるので、本部材を
用いて容易に免震構造を構成することができる。また、
ボールを受け入れ可能な円柱形の内部空間を形成するこ
とは、円形の打ち抜き型で部材を打ち抜くこと等によっ
て容易に行うことができるので、容易かつ安価に本部材
を製造することができる。また、第二には、保持体がそ
の内部にボールの外形と同じ形の内部空間を有し、該内
部空間内に該ボールが保持されるようにしてもよい(以
下、「埋設構造」という。)。即ち、ボールが保持体内
部に埋設されたような構造をとり、この場合では該ボー
ルの外面のうち大部分が保持体の内面と密接するので、
一層強固かつ確実に該内部空間内に該ボールが保持され
る。この場合の本部材を形成するには、該複数のボール
を本部材全体の成形型内部の所定位置に挿入固定し、該
成形型内部へ保持体を形成する材料(ゴム材料や樹脂材
料)を注入し固化(ゴム材料を使用する場合であれば加
硫反応を含む。)させる方法や、前記一の設置平面から
該複数のボールの半径と同じ距離離れた、前記一の設置
平面に対して平行な面によって保持体を切断した両部分
を形成した後、該両部分の間の所定位置に該複数のボー
ルを挟み込んだ状態で該両部分を融着や接着する方法等
を例示することができる。
【0010】保持体を形成する材質は、保持体に加わる
荷重に十分耐えられるものであればいかなるものでも良
いが、好ましくは、本部材が配設される場所において変
質(さびや腐蝕等を含む)しないものであり、例えば、
鋼(炭素鋼、ステンレス鋼、特殊鋼等を含む)、チタ
ン、マグネシウム、アルミニウム、これらの合金等を含
む金属材料や、ポリアミド、ポリイミド、フッ素樹脂、
ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、フ
ェノール樹脂、これらのブレンド物、これらをガラス繊
維等によって強化したもの等を含む樹脂材料や、合成ゴ
ムや天然ゴム等のゴム材料や、窒化けい素セラミックス
等のセラミックス材料等を例示することができる。とり
わけゴム材料によって保持体を形成すれば、保持体内部
を地震の振動が伝達しにくいので免震効果を向上させる
ことができる。また、ボールとの滑りを向上させるため
に自己潤滑性材料(四ふっ化エチレンや黒鉛等を含む)
によって保持体を形成したり、ボールと摺動する部分を
自己潤滑性材料によって被覆してもよい。
荷重に十分耐えられるものであればいかなるものでも良
いが、好ましくは、本部材が配設される場所において変
質(さびや腐蝕等を含む)しないものであり、例えば、
鋼(炭素鋼、ステンレス鋼、特殊鋼等を含む)、チタ
ン、マグネシウム、アルミニウム、これらの合金等を含
む金属材料や、ポリアミド、ポリイミド、フッ素樹脂、
ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、フ
ェノール樹脂、これらのブレンド物、これらをガラス繊
維等によって強化したもの等を含む樹脂材料や、合成ゴ
ムや天然ゴム等のゴム材料や、窒化けい素セラミックス
等のセラミックス材料等を例示することができる。とり
わけゴム材料によって保持体を形成すれば、保持体内部
を地震の振動が伝達しにくいので免震効果を向上させる
ことができる。また、ボールとの滑りを向上させるため
に自己潤滑性材料(四ふっ化エチレンや黒鉛等を含む)
によって保持体を形成したり、ボールと摺動する部分を
自己潤滑性材料によって被覆してもよい。
【0011】保持体が、複数のボールを前記一の設置平
面に対して平行な他の設置平面にも接しうるように保持
してもよい。即ち、この場合は該複数のボールが該一の
設置平面と該他の設置平面との両方に同時に接する(該
一の設置平面と該他の設置平面との間の距離が、該複数
のボールの直径に等しい。)。なお、「他の設置平面」
とは、前述の設置平面のうち一の設置平面以外のものを
いう。このため該一の設置平面と該他の設置平面との間
で該複数のボールが荷重を直接伝達するので、上部構造
の荷重を該複数のボールが直接下部構造へと伝達し、該
複数のボール以外の、荷重を受け渡すための別個の部分
を該他の設置平面側に要さないので本部材の構造を簡単
にし堅牢にする(大きな力が加わる該別個の部分を要さ
ないので、該別個の部分が破損する等の問題が生じな
い。)と共に、上部構造の荷重が加わる摺動面を該複数
のボールが有さないことから(上部構造の荷重のほとん
どはボールのみを経由して上部構造から下部構造へと伝
達されるので)、該複数のボールが円滑に回転でき高い
免震効果を得ることができる。なお、ここにいう「他の
の設置平面にも接しうるように」とは、本部材が下部構
造の上面と荷重が加わった上部構造の下面との間に挟ま
れた状態(硬質層を介する場合を含む。)のときにすく
なくとも他の設置平面に該複数のボールが接していれば
よいことを意味し、例えば、本部材に力が加わっていな
いときには該複数のボールが他の設置平面に接していな
いが上部構造から本部材に力が加わって変形(例えば、
押し縮められる)することによって該複数のボールが他
の設置平面に接するものであってもよい(もちろん、本
部材に力が加わっていないときにも、該複数のボールが
他の設置平面に接していてもよい。)。
面に対して平行な他の設置平面にも接しうるように保持
してもよい。即ち、この場合は該複数のボールが該一の
設置平面と該他の設置平面との両方に同時に接する(該
一の設置平面と該他の設置平面との間の距離が、該複数
のボールの直径に等しい。)。なお、「他の設置平面」
とは、前述の設置平面のうち一の設置平面以外のものを
いう。このため該一の設置平面と該他の設置平面との間
で該複数のボールが荷重を直接伝達するので、上部構造
の荷重を該複数のボールが直接下部構造へと伝達し、該
複数のボール以外の、荷重を受け渡すための別個の部分
を該他の設置平面側に要さないので本部材の構造を簡単
にし堅牢にする(大きな力が加わる該別個の部分を要さ
ないので、該別個の部分が破損する等の問題が生じな
い。)と共に、上部構造の荷重が加わる摺動面を該複数
のボールが有さないことから(上部構造の荷重のほとん
どはボールのみを経由して上部構造から下部構造へと伝
達されるので)、該複数のボールが円滑に回転でき高い
免震効果を得ることができる。なお、ここにいう「他の
の設置平面にも接しうるように」とは、本部材が下部構
造の上面と荷重が加わった上部構造の下面との間に挟ま
れた状態(硬質層を介する場合を含む。)のときにすく
なくとも他の設置平面に該複数のボールが接していれば
よいことを意味し、例えば、本部材に力が加わっていな
いときには該複数のボールが他の設置平面に接していな
いが上部構造から本部材に力が加わって変形(例えば、
押し縮められる)することによって該複数のボールが他
の設置平面に接するものであってもよい(もちろん、本
部材に力が加わっていないときにも、該複数のボールが
他の設置平面に接していてもよい。)。
【0012】保持体が、前記一の設置平面と前記他の設
置平面との少なくとも一方に接するようにしてもよい。
こうすることで保持体と保持体が接する面との間に静摩
擦力が生じ、小さな力(例えば、突風等による力)が上
部構造に加わった場合に不意に上部構造が移動(運動)
することを防止することができる。また、保持体が、前
記一の設置平面と前記他の設置平面との両方に接するよ
うにしてもよい。この場合、保持体と保持体が接する両
面との間に静摩擦力が生じるので、前記一の設置平面と
前記他の設置平面との一方に接する場合に比して、小さ
な力が上部構造に加わった場合に不意に上部構造が移動
(運動)することを一層効果的に防止することができ
る。なお、ここにいう「保持体が、前記一の設置平面と
前記他の設置平面との少なくとも一方に接する」とは、
本部材が、下部構造の上面と、荷重が加わった上部構造
の下面と、の間に挟まれた状態(硬質層を介する場合を
含む。)のときにすくなくともそうなっていればよく、
例えば、本部材に力が加わっていないときにはそうなっ
ていないが上部構造から保持体に力が加わって保持体が
変形(例えば、押し縮められる)することによってそう
なるものであってもよい。
置平面との少なくとも一方に接するようにしてもよい。
こうすることで保持体と保持体が接する面との間に静摩
擦力が生じ、小さな力(例えば、突風等による力)が上
部構造に加わった場合に不意に上部構造が移動(運動)
することを防止することができる。また、保持体が、前
記一の設置平面と前記他の設置平面との両方に接するよ
うにしてもよい。この場合、保持体と保持体が接する両
面との間に静摩擦力が生じるので、前記一の設置平面と
前記他の設置平面との一方に接する場合に比して、小さ
な力が上部構造に加わった場合に不意に上部構造が移動
(運動)することを一層効果的に防止することができ
る。なお、ここにいう「保持体が、前記一の設置平面と
前記他の設置平面との少なくとも一方に接する」とは、
本部材が、下部構造の上面と、荷重が加わった上部構造
の下面と、の間に挟まれた状態(硬質層を介する場合を
含む。)のときにすくなくともそうなっていればよく、
例えば、本部材に力が加わっていないときにはそうなっ
ていないが上部構造から保持体に力が加わって保持体が
変形(例えば、押し縮められる)することによってそう
なるものであってもよい。
【0013】本部材は、建物の下部構造の上面と上部構
造の下面との間に挟持(硬質層を介する場合を含む。)
されることで免震構造(以下、「本構造」という。)を
形成する。ここでいう下部構造と上部構造とは建物にお
ける下部と上部とは必ずしも関係なく、上部構造とは下
部構造によって荷重を支えられている部分をいう(従っ
て、基礎が下部構造で土台が上部構造になる場合のみな
らず、3階建て建物で3階部分が上部構造となり2階部
分が下部構造になることもある。)。また、下部構造の
上面と上部構造の下面とは、モルタルやセメント等が適
宜塗布されていてもよい。また、複数のボールが接する
面(下部構造の上面及び/又は上部構造の下面)がボー
ルの当接によって陥没等することを防止し複数のボール
の円滑な動きを保ち免震効果を向上させるためや、本部
材と接する下部構造の上面又は上部構造の下面を保護す
るために、本部材と下部構造の上面との間に、及び/又
は本部材と上部構造の下面との間に、硬質層を設けても
よい。硬質層は、それに加わる荷重によって破壊を起こ
さないものであると共に、該硬質層が設けられる下部構
造の上面や上部構造の下面よりもかたい(塑性変形しに
くい)ものであることが好ましく、例えば、鋼(炭素
鋼、ステンレス鋼等を含む。)や樹脂材料等によって形
成された板状部材であることが好ましい。本部材と上部
構造の下面との間に設けられた硬質層は上部構造からの
荷重を本部材に十分な強度で伝達できる必要があり、本
部材と下部構造の上面との間に設けられた硬質層は本部
材からの荷重を下部構造へ十分な強度で伝達できる必要
がある。特に、本部材を構成するボールに直接接触す
る、下部構造の上面及び/又は上部構造の下面(いずれ
か一方の場合と両方の場合とがある。)の部分は、ボー
ルとの接触圧力が高くなるので、該部分を有する下部構
造の上面及び/又は上部構造の下面と本部材との間に硬
質層を設けるようにしてもよい。
造の下面との間に挟持(硬質層を介する場合を含む。)
されることで免震構造(以下、「本構造」という。)を
形成する。ここでいう下部構造と上部構造とは建物にお
ける下部と上部とは必ずしも関係なく、上部構造とは下
部構造によって荷重を支えられている部分をいう(従っ
て、基礎が下部構造で土台が上部構造になる場合のみな
らず、3階建て建物で3階部分が上部構造となり2階部
分が下部構造になることもある。)。また、下部構造の
上面と上部構造の下面とは、モルタルやセメント等が適
宜塗布されていてもよい。また、複数のボールが接する
面(下部構造の上面及び/又は上部構造の下面)がボー
ルの当接によって陥没等することを防止し複数のボール
の円滑な動きを保ち免震効果を向上させるためや、本部
材と接する下部構造の上面又は上部構造の下面を保護す
るために、本部材と下部構造の上面との間に、及び/又
は本部材と上部構造の下面との間に、硬質層を設けても
よい。硬質層は、それに加わる荷重によって破壊を起こ
さないものであると共に、該硬質層が設けられる下部構
造の上面や上部構造の下面よりもかたい(塑性変形しに
くい)ものであることが好ましく、例えば、鋼(炭素
鋼、ステンレス鋼等を含む。)や樹脂材料等によって形
成された板状部材であることが好ましい。本部材と上部
構造の下面との間に設けられた硬質層は上部構造からの
荷重を本部材に十分な強度で伝達できる必要があり、本
部材と下部構造の上面との間に設けられた硬質層は本部
材からの荷重を下部構造へ十分な強度で伝達できる必要
がある。特に、本部材を構成するボールに直接接触す
る、下部構造の上面及び/又は上部構造の下面(いずれ
か一方の場合と両方の場合とがある。)の部分は、ボー
ルとの接触圧力が高くなるので、該部分を有する下部構
造の上面及び/又は上部構造の下面と本部材との間に硬
質層を設けるようにしてもよい。
【0014】本構造では、下部構造に対して上部構造が
水平方向に移動しやすい。これは地震の際に免震効果を
発揮するために必要なことであるが、強風(例えば、台
風による突風)を建物が受けた際に上部構造が大きく移
動するものでは居住性や安全性が保たれない。このため
上部構造に所定大きさ未満の力が加わっている間は、下
部構造に対する上部構造の水平方向の動きを制限するよ
うにしてもよい(上部構造に全く力が加わっていない場
合は、下部構造に対する上部構造の水平方向の動きを制
限してもしなくてもよい。)。該所定大きさ(の力)と
は、強風による力のように小さなものではなく(ある程
度大きな震度を有する)地震によって加わる程度の大き
な力をいい、該所定大きさ以上の力が加わるまでは、下
部構造に対する上部構造の水平方向の動きを制限する。
該所定大きさ(の力)は、強風による力と地震による力
とを区別できるように両力の大きさの間の値をとればよ
い。該所定大きさ未満の力が上部構造に加わっている間
は下部構造に対する上部構造の水平方向の動きを制限
し、該所定大きさ以上の力が上部構造に加わった場合に
は下部構造に対する上部構造の水平方向の動きを許容す
る方法はいかなるものであってもよいが、例えば、第一
には、本部材を構成するボールが保持体によって回転を
制限されることによって下部構造に対する上部構造の水
平方向の動きを制限するようにしてもよい。これは例え
ば前記埋設構造においては、ボールの外面のうち大部分
が保持体の内面と密接するので、ボールの外面と保持体
の内面との間の静摩擦力によってボールの回転を制限す
ることができる(静摩擦力以上の力が加わると、ボール
は回転する)。また、第二には、下部構造に対する上部
構造の水平方向の動きを制限するアンカーボルトを本構
造が有するようにしてもよい。なお、このアンカーボル
トは、該所定大きさ以上の力が上部構造に加わった場合
には破断するように形成され、その後は下部構造に対す
る上部構造の水平方向の動きを許容する。
水平方向に移動しやすい。これは地震の際に免震効果を
発揮するために必要なことであるが、強風(例えば、台
風による突風)を建物が受けた際に上部構造が大きく移
動するものでは居住性や安全性が保たれない。このため
上部構造に所定大きさ未満の力が加わっている間は、下
部構造に対する上部構造の水平方向の動きを制限するよ
うにしてもよい(上部構造に全く力が加わっていない場
合は、下部構造に対する上部構造の水平方向の動きを制
限してもしなくてもよい。)。該所定大きさ(の力)と
は、強風による力のように小さなものではなく(ある程
度大きな震度を有する)地震によって加わる程度の大き
な力をいい、該所定大きさ以上の力が加わるまでは、下
部構造に対する上部構造の水平方向の動きを制限する。
該所定大きさ(の力)は、強風による力と地震による力
とを区別できるように両力の大きさの間の値をとればよ
い。該所定大きさ未満の力が上部構造に加わっている間
は下部構造に対する上部構造の水平方向の動きを制限
し、該所定大きさ以上の力が上部構造に加わった場合に
は下部構造に対する上部構造の水平方向の動きを許容す
る方法はいかなるものであってもよいが、例えば、第一
には、本部材を構成するボールが保持体によって回転を
制限されることによって下部構造に対する上部構造の水
平方向の動きを制限するようにしてもよい。これは例え
ば前記埋設構造においては、ボールの外面のうち大部分
が保持体の内面と密接するので、ボールの外面と保持体
の内面との間の静摩擦力によってボールの回転を制限す
ることができる(静摩擦力以上の力が加わると、ボール
は回転する)。また、第二には、下部構造に対する上部
構造の水平方向の動きを制限するアンカーボルトを本構
造が有するようにしてもよい。なお、このアンカーボル
トは、該所定大きさ以上の力が上部構造に加わった場合
には破断するように形成され、その後は下部構造に対す
る上部構造の水平方向の動きを許容する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を参照
して詳述するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
して詳述するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0016】図1は本部材の第一実施形態を示す部分平
面図であり、図2は図1のX−X断面図であり、図3は
図1のY−Y断面図であり、そして図4は図2に示した
Q−Q断面図である。図1乃至図4を参照して、本部材
の第一実施形態について説明する。免震部材11は、同
径の複数(図中では4個)のボール21a、21b、2
1c、21dと保持体31とを有している。ボール21
a、21b、21c、21dはいずれもステンレス鋼製
であり、いずれも約6cmの直径を有している。保持体
31は、ゴム製であり、その外形が長手方向41に対す
る全ての垂直断面で略同一の長方形をしており(図3参
照)、その内部にボール21a、21b、21c、21
dそれぞれの外形と同じ形の内部空間を有し該内部空間
内にボール21a、21b、21c、21dそれぞれが
保持されている(図2及び図3参照。保持体31内部に
ボール21a、21b、21c、21dが埋設されたか
の構造即ち埋設構造を有する。)。ボール21a、21
b、21c、21dは、互いに所定の位置関係を保ちか
つ一の設置平面51に接しうるように、保持体31によ
って保持されている。ここでボール21a、21b、2
1c、21dが保持される所定の位置関係は、ボール2
1a、21b、21c、21dが一直線61上に並ぶよ
うにかつ、互いに隣接するボール(21aと21b、2
1bと21c、21cと21d)の間隔63、65、6
7が等しくなるようにされている。なお、一直線61は
説明のための線であって現実の免震部材11には存在し
ない。一方、保持体31は、ボール21a、21b、2
1c、21dを一の設置平面51に対して平行な他の設
置平面71にも接しうるように保持している。さらに、
保持体31の上面33は他の設置平面71に接し、かつ
保持体31の下面35は一の設置平面51に接している
(保持体31は一の設置平面51と他の設置平面71と
の両方に接している。)。図4に示されるように、一の
設置平面51に対して平行な切断面の一つであるQ−Q
断面において、保持体31がボール21a、21b、2
1c、21dの周囲を取り囲んでおり、第一実施形態の
場合さらに、一の設置平面51に対して平行にボール2
1a、21b、21c、21dを切断する全ての切断面
(第一実施形態の場合、保持体31の上面33と下面3
5との間に存在する、一の設置平面51に対して平行な
全ての切断面)において保持体31がボール21a、2
1b、21c、21dの周囲を取り囲んでいる。
面図であり、図2は図1のX−X断面図であり、図3は
図1のY−Y断面図であり、そして図4は図2に示した
Q−Q断面図である。図1乃至図4を参照して、本部材
の第一実施形態について説明する。免震部材11は、同
径の複数(図中では4個)のボール21a、21b、2
1c、21dと保持体31とを有している。ボール21
a、21b、21c、21dはいずれもステンレス鋼製
であり、いずれも約6cmの直径を有している。保持体
31は、ゴム製であり、その外形が長手方向41に対す
る全ての垂直断面で略同一の長方形をしており(図3参
照)、その内部にボール21a、21b、21c、21
dそれぞれの外形と同じ形の内部空間を有し該内部空間
内にボール21a、21b、21c、21dそれぞれが
保持されている(図2及び図3参照。保持体31内部に
ボール21a、21b、21c、21dが埋設されたか
の構造即ち埋設構造を有する。)。ボール21a、21
b、21c、21dは、互いに所定の位置関係を保ちか
つ一の設置平面51に接しうるように、保持体31によ
って保持されている。ここでボール21a、21b、2
1c、21dが保持される所定の位置関係は、ボール2
1a、21b、21c、21dが一直線61上に並ぶよ
うにかつ、互いに隣接するボール(21aと21b、2
1bと21c、21cと21d)の間隔63、65、6
7が等しくなるようにされている。なお、一直線61は
説明のための線であって現実の免震部材11には存在し
ない。一方、保持体31は、ボール21a、21b、2
1c、21dを一の設置平面51に対して平行な他の設
置平面71にも接しうるように保持している。さらに、
保持体31の上面33は他の設置平面71に接し、かつ
保持体31の下面35は一の設置平面51に接している
(保持体31は一の設置平面51と他の設置平面71と
の両方に接している。)。図4に示されるように、一の
設置平面51に対して平行な切断面の一つであるQ−Q
断面において、保持体31がボール21a、21b、2
1c、21dの周囲を取り囲んでおり、第一実施形態の
場合さらに、一の設置平面51に対して平行にボール2
1a、21b、21c、21dを切断する全ての切断面
(第一実施形態の場合、保持体31の上面33と下面3
5との間に存在する、一の設置平面51に対して平行な
全ての切断面)において保持体31がボール21a、2
1b、21c、21dの周囲を取り囲んでいる。
【0017】図5は、第一実施形態の本部材(図1乃至
図4に示された免震部材11)が建物の下部構造の上面
と上部構造の下面との間に挟持されて形成された免震構
造の正面図であり、図6は図5のT−T断面図である。
図5及び図6を参照して、第一実施形態の本部材を用い
た免震構造300について説明する。免震構造300
は、木造住宅(建物)の基礎301(下部構造)の上面
307と土台311(上部構造)の下面313との間に
第一実施形態の本部材(免震部材11)が挟持されてな
る免震構造である。免震構造300は、基礎301が形
成された後、基礎301(下部構造)の上面307に免
震部材11が配置され、さらにその上に土台311が配
置されて形成された。基礎301は、コンクリート部分
303とその上面に密接して設けられた天端モルタル部
分305とを有する。土台311には柱315が金具3
17によって取り付けられている。建物の下部構造であ
る基礎301の上面307と、上部構造である土台31
1の下面313と、の間に第一実施形態の本部材である
免震部材11が挟持されて免震構造300が形成されて
いる。免震部材11のボール21a、21b、21c、
21dが、基礎301の上面307(一の設置平面51
に位置する。図2及び図3参照)と土台311の下面3
13(他の設置平面71に位置する。図2及び図3参
照)とに接している。免震部材11の保持体31の上面
33が土台311の下面313(他の設置平面71に位
置する。図2及び図3参照)に接し、かつ保持体31の
下面35が基礎301の上面307(一の設置平面51
に位置する。図2及び図3参照)に接している。一方、
コンクリート部分303にはアンカーボルト331の一
端側が埋設されている。アンカーボルト331は、天端
モルタル部分305と免震部材11(保持体31)と土
台311とを貫通して上方へ延びている。アンカーボル
ト331の他端側はナット333と螺合しており、ナッ
ト333は当接板335を土台311へと押しつけるこ
とで、基礎(下部構造)に対する土台(上部構造)の水
平方向の動きを制限している(なお、後述のように、ア
ンカーボルト331は土台(上部構造)に所定大きさ以
上の力が加わると破断して基礎(下部構造)に対する土
台(上部構造)の水平方向の動きを許容する。)。ま
た、ボール21a、21b、21c、21dは免震部材
11の保持体31内面によって取り囲まれているので
(ボール21a、21b、21c、21dは免震部材1
1の保持体31内面との摩擦により)、ボール21a、
21b、21c、21dが保持体31によって回転を制
限される(所定大きさ以上の力が加わると、ボール21
a、21b、21c、21dは保持体31内面との摩擦
にうち勝って回転する。)。以上のように、アンカーボ
ルト331と、ボール21a、21b、21c、21d
と保持体31内面との摩擦と、によって、土台311
(上部構造)に所定大きさ未満の力が加わっている間
は、基礎(下部構造)に対する土台(上部構造)の水平
方向の動きが制限される。ここに該所定大きさの力は、
台風等の強風によって土台311(上部構造)が受ける
荷重よりも大きくかつある程度以上の震度の地震によっ
て土台311(上部構造)が受ける荷重よりも小さく決
められるので、強風を受けても土台(上部構造)は移動
しないが地震時には土台(上部構造)は移動でき、不要
時の移動を防止して居住性や安全性を高めつつ免震効果
を得ることができる。
図4に示された免震部材11)が建物の下部構造の上面
と上部構造の下面との間に挟持されて形成された免震構
造の正面図であり、図6は図5のT−T断面図である。
図5及び図6を参照して、第一実施形態の本部材を用い
た免震構造300について説明する。免震構造300
は、木造住宅(建物)の基礎301(下部構造)の上面
307と土台311(上部構造)の下面313との間に
第一実施形態の本部材(免震部材11)が挟持されてな
る免震構造である。免震構造300は、基礎301が形
成された後、基礎301(下部構造)の上面307に免
震部材11が配置され、さらにその上に土台311が配
置されて形成された。基礎301は、コンクリート部分
303とその上面に密接して設けられた天端モルタル部
分305とを有する。土台311には柱315が金具3
17によって取り付けられている。建物の下部構造であ
る基礎301の上面307と、上部構造である土台31
1の下面313と、の間に第一実施形態の本部材である
免震部材11が挟持されて免震構造300が形成されて
いる。免震部材11のボール21a、21b、21c、
21dが、基礎301の上面307(一の設置平面51
に位置する。図2及び図3参照)と土台311の下面3
13(他の設置平面71に位置する。図2及び図3参
照)とに接している。免震部材11の保持体31の上面
33が土台311の下面313(他の設置平面71に位
置する。図2及び図3参照)に接し、かつ保持体31の
下面35が基礎301の上面307(一の設置平面51
に位置する。図2及び図3参照)に接している。一方、
コンクリート部分303にはアンカーボルト331の一
端側が埋設されている。アンカーボルト331は、天端
モルタル部分305と免震部材11(保持体31)と土
台311とを貫通して上方へ延びている。アンカーボル
ト331の他端側はナット333と螺合しており、ナッ
ト333は当接板335を土台311へと押しつけるこ
とで、基礎(下部構造)に対する土台(上部構造)の水
平方向の動きを制限している(なお、後述のように、ア
ンカーボルト331は土台(上部構造)に所定大きさ以
上の力が加わると破断して基礎(下部構造)に対する土
台(上部構造)の水平方向の動きを許容する。)。ま
た、ボール21a、21b、21c、21dは免震部材
11の保持体31内面によって取り囲まれているので
(ボール21a、21b、21c、21dは免震部材1
1の保持体31内面との摩擦により)、ボール21a、
21b、21c、21dが保持体31によって回転を制
限される(所定大きさ以上の力が加わると、ボール21
a、21b、21c、21dは保持体31内面との摩擦
にうち勝って回転する。)。以上のように、アンカーボ
ルト331と、ボール21a、21b、21c、21d
と保持体31内面との摩擦と、によって、土台311
(上部構造)に所定大きさ未満の力が加わっている間
は、基礎(下部構造)に対する土台(上部構造)の水平
方向の動きが制限される。ここに該所定大きさの力は、
台風等の強風によって土台311(上部構造)が受ける
荷重よりも大きくかつある程度以上の震度の地震によっ
て土台311(上部構造)が受ける荷重よりも小さく決
められるので、強風を受けても土台(上部構造)は移動
しないが地震時には土台(上部構造)は移動でき、不要
時の移動を防止して居住性や安全性を高めつつ免震効果
を得ることができる。
【0018】図7は本部材の第二実施形態を示す平面図
であり、図8は図7のZ−Z断面図であり、図9は図8
に示したR−R断面図である。図7乃至図9を参照し
て、本部材の第二実施形態について説明する。免震部材
111は、同径の複数(ここでは16個)のボール12
1と保持体131とを有している。ボール121は第一
実施形態で用いたボール21a、21b、21c、21
dと同じものを使用している。保持体131はゴム製で
あり、その外形(後述の内部空間137部分は無視す
る)は略正方形を底面とする直方体形状をしている。保
持体131の上面133から下面135までを連絡する
ように形成された円柱状の内部空間137を保持体13
1が有し、内部空間137内にボール121が保持され
ている。ボール121が互いに所定の位置関係を保ちか
つ一の設置平面51に接しうるように、保持体131が
ボール121を保持している。ここでボール121が保
持される所定の位置関係は、互いに等しい間隔181で
配置された互いに平行な一の複数の直線群183a、1
83b、183c、183dと、互いに等しい間隔18
1(直線183a、183b、183c、183dの間
隔と同じ)で配置された互いに平行な他の複数の直線群
185a、185b、185c、185dと、が交わる
それぞれの交点にボール121が1個ずつ配置されるも
のである(第二実施形態においては、該交点を中心とし
た一定の範囲内(内部空間137内)においてボール1
21が遊嵌されているが(ボール121は一定の範囲内
で移動することができ、該交点からボール121の位置
がある程度ずれる場合もある。)、このような場合であ
ってもよい。)。互いに平行な一の複数の直線群183
a、183b、183c、183dと、互いに平行な他
の複数の直線群185a、185b、185c、185
dと、が交わる角度187は略90度であり、一の複数
の直線群183a、183b、183c、183dと他
の複数の直線群185a、185b、185c、185
dとによって基本単位が正方形の網目を形成している。
なお、一の複数の直線群183a、183b、183
c、183dと他の複数の直線群185a、185b、
185c、185dとは、説明のための線であって現実
の免震部材111には存在しない。また、第二実施形態
では、一の複数の直線群183a、183b、183
c、183dと他の複数の直線群185a、185b、
185c、185dとが交わる角度187は略90度で
あったが、略60度になるようにしてもよい。保持体1
31が、ボール121を一の設置平面51に対して平行
な他の設置平面71にも接しうるように保持している。
さらに、保持体131の上面133は他の設置平面71
に接し、かつ保持体131の下面135は一の設置平面
51に接している(保持体131は、一の設置平面51
と他の設置平面71との両方に接している。)。図9に
示されるように、一の設置平面51に対して平行な切断
面の一つであるR−R断面において、保持体131がボ
ール121の周囲を取り囲んでおり、第二実施形態の場
合も第一実施形態の場合と同様さらに、一の設置平面5
1に対して平行にボール121を切断する全ての切断面
(第二実施形態の場合、保持体131の上面133と下
面135との間に存在する、一の設置平面51に対して
平行な全ての切断面)において保持体131がボール1
21の周囲を取り囲んでいる。第二実施形態の免震部材
111は、種々の免震構造を形成するのに用いられるこ
とができるが、集中荷重(例えば、ラーメン構造)の場
合に荷重を支えている柱に直列に挿入されてもよい(従
来の積層ゴムアイソレーターの代わりに使用できる)。
であり、図8は図7のZ−Z断面図であり、図9は図8
に示したR−R断面図である。図7乃至図9を参照し
て、本部材の第二実施形態について説明する。免震部材
111は、同径の複数(ここでは16個)のボール12
1と保持体131とを有している。ボール121は第一
実施形態で用いたボール21a、21b、21c、21
dと同じものを使用している。保持体131はゴム製で
あり、その外形(後述の内部空間137部分は無視す
る)は略正方形を底面とする直方体形状をしている。保
持体131の上面133から下面135までを連絡する
ように形成された円柱状の内部空間137を保持体13
1が有し、内部空間137内にボール121が保持され
ている。ボール121が互いに所定の位置関係を保ちか
つ一の設置平面51に接しうるように、保持体131が
ボール121を保持している。ここでボール121が保
持される所定の位置関係は、互いに等しい間隔181で
配置された互いに平行な一の複数の直線群183a、1
83b、183c、183dと、互いに等しい間隔18
1(直線183a、183b、183c、183dの間
隔と同じ)で配置された互いに平行な他の複数の直線群
185a、185b、185c、185dと、が交わる
それぞれの交点にボール121が1個ずつ配置されるも
のである(第二実施形態においては、該交点を中心とし
た一定の範囲内(内部空間137内)においてボール1
21が遊嵌されているが(ボール121は一定の範囲内
で移動することができ、該交点からボール121の位置
がある程度ずれる場合もある。)、このような場合であ
ってもよい。)。互いに平行な一の複数の直線群183
a、183b、183c、183dと、互いに平行な他
の複数の直線群185a、185b、185c、185
dと、が交わる角度187は略90度であり、一の複数
の直線群183a、183b、183c、183dと他
の複数の直線群185a、185b、185c、185
dとによって基本単位が正方形の網目を形成している。
なお、一の複数の直線群183a、183b、183
c、183dと他の複数の直線群185a、185b、
185c、185dとは、説明のための線であって現実
の免震部材111には存在しない。また、第二実施形態
では、一の複数の直線群183a、183b、183
c、183dと他の複数の直線群185a、185b、
185c、185dとが交わる角度187は略90度で
あったが、略60度になるようにしてもよい。保持体1
31が、ボール121を一の設置平面51に対して平行
な他の設置平面71にも接しうるように保持している。
さらに、保持体131の上面133は他の設置平面71
に接し、かつ保持体131の下面135は一の設置平面
51に接している(保持体131は、一の設置平面51
と他の設置平面71との両方に接している。)。図9に
示されるように、一の設置平面51に対して平行な切断
面の一つであるR−R断面において、保持体131がボ
ール121の周囲を取り囲んでおり、第二実施形態の場
合も第一実施形態の場合と同様さらに、一の設置平面5
1に対して平行にボール121を切断する全ての切断面
(第二実施形態の場合、保持体131の上面133と下
面135との間に存在する、一の設置平面51に対して
平行な全ての切断面)において保持体131がボール1
21の周囲を取り囲んでいる。第二実施形態の免震部材
111は、種々の免震構造を形成するのに用いられるこ
とができるが、集中荷重(例えば、ラーメン構造)の場
合に荷重を支えている柱に直列に挿入されてもよい(従
来の積層ゴムアイソレーターの代わりに使用できる)。
【0019】図10は本部材の第三実施形態を示す部分
平面図であり、図11は図10のS−S断面図である。
図10及び図11を参照して、本部材の第三実施形態に
ついて説明する。免震部材211は、同径の複数(図中
では4個)のボール221a、221b、221c、2
21dと保持体231とを有している。ボール221
a、221b、221c、221dはいずれも第一実施
形態で使用したボール21a、21b、21c、21d
と同じものを使用している。保持体231は、ゴム製で
あり、その外形(後述の内部空間237部分は無視す
る)が長手方向241に対する全ての垂直断面で略同一
の長方形をしている。保持体231の上面233から下
面235までを連絡するように形成された円柱状の内部
空間237を保持体231が有し、内部空間237内に
ボール221a、221b、221c、221dが保持
されている(遊嵌されている)。ボール221a、22
1b、221c、221dが互いに所定の位置関係を保
ちかつ一の設置平面51に接しうるように、保持体23
1がボール221a、221b、221c、221dを
保持している。ここでボール221a、221b、22
1c、221dが保持される所定の位置関係は、ボール
221a、221b、221c、221dが一直線26
1上に並ぶようにかつ、互いに隣接するボール(221
aと221b、221bと221c、221cと221
d)の間隔263、265、267が等しくなるように
されている。なお、一直線261は説明のための線であ
って現実の免震部材211には存在しない。一方、図1
1に示すように、ボール221a、221b、221
c、221dは保持体231の上面233よりも距離2
34だけ下方に位置しており、この状態ではボール22
1a、221b、221c、221dは一の設置平面5
1に対して平行な他の設置平面にも接することはできな
い。しかしながら、後述のように免震部材211が、建
物の下部構造の上面と上部構造の下面との間に挟持さ
れ、上部構造からの荷重が保持体231の上面233と
下面235との間に加わった際に、ゴム製の保持体23
1が変形(上面233と下面235との間の距離が減少
するように変形する)することで、ボール221a、2
21b、221c、221dが一の設置平面51に対し
て平行な他の設置平面に接するようになる(即ち、距離
234がほぼ0になり、ボール221a、221b、2
21c、221dと保持体231の上面233とが、一
の設置平面51に対して平行な他の設置平面にも接する
ようになる。このように建物の下部構造の上面と上部構
造の下面との間に挟持され免震構造を形成した際にボー
ルが一の設置平面に対して平行な他の設置平面に接する
場合も本明細書にいう「保持体が、複数のボールを一の
設置平面に対して平行な他の設置平面にも接しうるよう
に保持する」ものとする。)。免震部材211が建物の
下部構造の上面と上部構造の下面との間に挟持され、上
部構造からの荷重が保持体231の上面233と下面2
35との間に加わった際には、保持体231の上面23
3が前記他の設置平面に接し、かつ保持体231の下面
235は一の設置平面51に接する(保持体231は一
の設置平面51と前記他の設置平面との両方に接す
る。)。また、第三実施形態においても、第一及び第二
実施形態と同様、一の設置平面51に対して平行にボー
ル221a、221b、221c、221dを切断する
全ての切断面において保持体231がボール221a、
221b、221c、221dの周囲を取り囲んでい
る。
平面図であり、図11は図10のS−S断面図である。
図10及び図11を参照して、本部材の第三実施形態に
ついて説明する。免震部材211は、同径の複数(図中
では4個)のボール221a、221b、221c、2
21dと保持体231とを有している。ボール221
a、221b、221c、221dはいずれも第一実施
形態で使用したボール21a、21b、21c、21d
と同じものを使用している。保持体231は、ゴム製で
あり、その外形(後述の内部空間237部分は無視す
る)が長手方向241に対する全ての垂直断面で略同一
の長方形をしている。保持体231の上面233から下
面235までを連絡するように形成された円柱状の内部
空間237を保持体231が有し、内部空間237内に
ボール221a、221b、221c、221dが保持
されている(遊嵌されている)。ボール221a、22
1b、221c、221dが互いに所定の位置関係を保
ちかつ一の設置平面51に接しうるように、保持体23
1がボール221a、221b、221c、221dを
保持している。ここでボール221a、221b、22
1c、221dが保持される所定の位置関係は、ボール
221a、221b、221c、221dが一直線26
1上に並ぶようにかつ、互いに隣接するボール(221
aと221b、221bと221c、221cと221
d)の間隔263、265、267が等しくなるように
されている。なお、一直線261は説明のための線であ
って現実の免震部材211には存在しない。一方、図1
1に示すように、ボール221a、221b、221
c、221dは保持体231の上面233よりも距離2
34だけ下方に位置しており、この状態ではボール22
1a、221b、221c、221dは一の設置平面5
1に対して平行な他の設置平面にも接することはできな
い。しかしながら、後述のように免震部材211が、建
物の下部構造の上面と上部構造の下面との間に挟持さ
れ、上部構造からの荷重が保持体231の上面233と
下面235との間に加わった際に、ゴム製の保持体23
1が変形(上面233と下面235との間の距離が減少
するように変形する)することで、ボール221a、2
21b、221c、221dが一の設置平面51に対し
て平行な他の設置平面に接するようになる(即ち、距離
234がほぼ0になり、ボール221a、221b、2
21c、221dと保持体231の上面233とが、一
の設置平面51に対して平行な他の設置平面にも接する
ようになる。このように建物の下部構造の上面と上部構
造の下面との間に挟持され免震構造を形成した際にボー
ルが一の設置平面に対して平行な他の設置平面に接する
場合も本明細書にいう「保持体が、複数のボールを一の
設置平面に対して平行な他の設置平面にも接しうるよう
に保持する」ものとする。)。免震部材211が建物の
下部構造の上面と上部構造の下面との間に挟持され、上
部構造からの荷重が保持体231の上面233と下面2
35との間に加わった際には、保持体231の上面23
3が前記他の設置平面に接し、かつ保持体231の下面
235は一の設置平面51に接する(保持体231は一
の設置平面51と前記他の設置平面との両方に接す
る。)。また、第三実施形態においても、第一及び第二
実施形態と同様、一の設置平面51に対して平行にボー
ル221a、221b、221c、221dを切断する
全ての切断面において保持体231がボール221a、
221b、221c、221dの周囲を取り囲んでい
る。
【0020】次に、第三実施形態の本部材(図10及び
図11に示された免震部材211)が建物の下部構造の
上面と上部構造の下面との間に挟持されて形成される免
震構造の構成方法について説明する。図12から図16
は、第三実施形態の本部材である免震部材211を用い
た免震構造400の構成方法を順に示した正面図であり
(図12から図16まで全て同じ位置を示してい
る。)、図12から図16を参照して免震構造400の
構成方法について説明する。免震構造400は、木造住
宅(建物)の基礎(下部構造)の上面と土台(上部構
造)の下面との間に第三実施形態の本部材(免震部材2
11)が挟持されてなる免震構造である。図12は免震
構造400を構成する第一段階を示している。基礎30
1は、コンクリート部分303とその上面に密接して設
けられた天端モルタル部分305とを有する。天端モル
タル部分305の上面には硬質層としてのステンレス鋼
板411が設けられている。コンクリート部分303に
はアンカーボルト331の一端側が埋設されている。ア
ンカーボルト331は、天端モルタル部分305とステ
ンレス鋼板411(硬質層)とを貫通して上方へ延びて
いる。
図11に示された免震部材211)が建物の下部構造の
上面と上部構造の下面との間に挟持されて形成される免
震構造の構成方法について説明する。図12から図16
は、第三実施形態の本部材である免震部材211を用い
た免震構造400の構成方法を順に示した正面図であり
(図12から図16まで全て同じ位置を示してい
る。)、図12から図16を参照して免震構造400の
構成方法について説明する。免震構造400は、木造住
宅(建物)の基礎(下部構造)の上面と土台(上部構
造)の下面との間に第三実施形態の本部材(免震部材2
11)が挟持されてなる免震構造である。図12は免震
構造400を構成する第一段階を示している。基礎30
1は、コンクリート部分303とその上面に密接して設
けられた天端モルタル部分305とを有する。天端モル
タル部分305の上面には硬質層としてのステンレス鋼
板411が設けられている。コンクリート部分303に
はアンカーボルト331の一端側が埋設されている。ア
ンカーボルト331は、天端モルタル部分305とステ
ンレス鋼板411(硬質層)とを貫通して上方へ延びて
いる。
【0021】図13は免震構造400を構成する第二段
階を示している。図12に示されたステンレス鋼板41
1(硬質層)の上面に、免震部材211を構成する保持
体231が載置されている。保持体231をアンカーボ
ルト331が貫通している。図14は免震構造400を
構成する第三段階を示している。図13に示された、ス
テンレス鋼板411(硬質層)上面に載置された保持体
231が有する円柱状の内部空間237にボール221
a、221b、221cが入れられ保持されており、ボ
ール221dが内部空間237へ入れられつつある。こ
のように内部空間237にボール221a、221b、
221c、221d全てが入れられる。図15は免震構
造400を構成する第四段階を示している。ボール22
1a、221b、221c、221dが内部空間237
へ入れられた保持体231(図14参照)の上面には硬
質層としてのステンレス鋼板413が配置されている。
ステンレス鋼板413をアンカーボルト331が貫通し
ている(ステンレス鋼板413はアンカーボルト331
を貫通させるための穴が事前に形成される。)。なお、
図15の状態では、ボール221a、221b、221
c、221dはステンレス鋼板413と接していない
(ステンレス鋼板411には接している。)。
階を示している。図12に示されたステンレス鋼板41
1(硬質層)の上面に、免震部材211を構成する保持
体231が載置されている。保持体231をアンカーボ
ルト331が貫通している。図14は免震構造400を
構成する第三段階を示している。図13に示された、ス
テンレス鋼板411(硬質層)上面に載置された保持体
231が有する円柱状の内部空間237にボール221
a、221b、221cが入れられ保持されており、ボ
ール221dが内部空間237へ入れられつつある。こ
のように内部空間237にボール221a、221b、
221c、221d全てが入れられる。図15は免震構
造400を構成する第四段階を示している。ボール22
1a、221b、221c、221dが内部空間237
へ入れられた保持体231(図14参照)の上面には硬
質層としてのステンレス鋼板413が配置されている。
ステンレス鋼板413をアンカーボルト331が貫通し
ている(ステンレス鋼板413はアンカーボルト331
を貫通させるための穴が事前に形成される。)。なお、
図15の状態では、ボール221a、221b、221
c、221dはステンレス鋼板413と接していない
(ステンレス鋼板411には接している。)。
【0022】図16は、完成された免震構造400を示
している。図15の状態から、ステンレス鋼板413の
上面に土台311を配設し土台311に柱315を金具
317によって取り付け、アンカーボルト331の他端
側(土台311の上面より上方へ突出している側)に螺
合したナット333によって当接板335を土台311
へと十分押しつけて免震構造400が完成された。基礎
301(下部構造)の上面と土台311(上部構造)の
下面との間に免震部材211が挟持され完成された免震
構造400においては、ボール221a、221b、2
21c、221dはステンレス鋼板413とステンレス
鋼板411との両方に接している(土台311からの荷
重によって保持体231が上下方向に変形してい
る。)。この免震構造400は、免震部材211と基礎
301(下部構造)の上面との間に硬質層であるステン
レス鋼板411を有し、さらに免震部材211と土台3
11(上部構造)の下面との間に硬質層であるステンレ
ス鋼板413を有している。硬質層としてステンレス鋼
製のステンレス鋼板411、413を使用したことによ
って、硬質層が十分な強度を有するのでそれらに加わる
荷重によって硬質層が破壊を起こさないものであると共
に、基礎301(下部構造)の上面及び土台311(上
部構造)の下面よりも硬質層の方がかたい(塑性変形し
にくい)のでボール221a、221b、221c、2
21dの当接によって陥没等することを防止しボール2
21a、221b、221c、221dの円滑な動きを
保ち免震効果を向上させ、免震部材211を挟持する基
礎301(下部構造)の上面及び土台311(上部構
造)の下面を保護する。また、ステンレス鋼製のステン
レス鋼板411、413を使用することで、長期間の使
用によってもさびや腐蝕を起こしにくく、免震構造40
0が高い耐久性を有すると共にさび等による美観低下を
起こすことを防止することができる。なお、アンカーボ
ルト331は、免震構造300における場合と同じ働き
を有する。
している。図15の状態から、ステンレス鋼板413の
上面に土台311を配設し土台311に柱315を金具
317によって取り付け、アンカーボルト331の他端
側(土台311の上面より上方へ突出している側)に螺
合したナット333によって当接板335を土台311
へと十分押しつけて免震構造400が完成された。基礎
301(下部構造)の上面と土台311(上部構造)の
下面との間に免震部材211が挟持され完成された免震
構造400においては、ボール221a、221b、2
21c、221dはステンレス鋼板413とステンレス
鋼板411との両方に接している(土台311からの荷
重によって保持体231が上下方向に変形してい
る。)。この免震構造400は、免震部材211と基礎
301(下部構造)の上面との間に硬質層であるステン
レス鋼板411を有し、さらに免震部材211と土台3
11(上部構造)の下面との間に硬質層であるステンレ
ス鋼板413を有している。硬質層としてステンレス鋼
製のステンレス鋼板411、413を使用したことによ
って、硬質層が十分な強度を有するのでそれらに加わる
荷重によって硬質層が破壊を起こさないものであると共
に、基礎301(下部構造)の上面及び土台311(上
部構造)の下面よりも硬質層の方がかたい(塑性変形し
にくい)のでボール221a、221b、221c、2
21dの当接によって陥没等することを防止しボール2
21a、221b、221c、221dの円滑な動きを
保ち免震効果を向上させ、免震部材211を挟持する基
礎301(下部構造)の上面及び土台311(上部構
造)の下面を保護する。また、ステンレス鋼製のステン
レス鋼板411、413を使用することで、長期間の使
用によってもさびや腐蝕を起こしにくく、免震構造40
0が高い耐久性を有すると共にさび等による美観低下を
起こすことを防止することができる。なお、アンカーボ
ルト331は、免震構造300における場合と同じ働き
を有する。
【0023】最後に、本部材を用いた免震構造の免震効
果について説明する。図17は、図5及び図6に示され
た免震構造300が地震を受けたときの様子を示したも
のである。図17を参照して、免震構造300が発揮す
る免震効果について説明する。基礎301(下部構造)
へ地震の振動501が加わると、それによる加速度から
土台311や柱315等を含む上部構造に力が加わる。
その力が前記所定大きさ以上の力となると(所定大きさ
の力は、所定震度以上の地震によって加わる力よりも小
さく設定される)、それによってアンカーボルト331
が破断する(図17中、アンカーボルト331は、基礎
301への埋設部分331bと破断先端部331aとに
破断されている。)。これによりアンカーボルト331
による、基礎301(下部構造)に対する土台311
(上部構造)の水平方向の動きの制限が解除される。ま
た、ボール21a、21b、21c、21dと保持体3
1内面との静摩擦力よりも、地震によって加わる力の方
が大きいので、ボール21a、21b、21c、21d
は図17の各ボール内に示す矢印のように回転すること
ができる。この回転の際にも、ボール21a、21b、
21c、21dは、保持体31によって前記所定の位置
関係を保持した状態に保たれる。このボール21a、2
1b、21c、21dの回転によって、土台311(上
部構造)の振動503は、基礎301(下部構造)の振
動501に比して大幅に小さくなり(半分から十分の一
程度)、良好な免震効果を発揮することができる。な
お、地震後、破断したアンカーボルト331を交換し、
基礎301(下部構造)に対する土台311(上部構
造)の水平方向へのずれが生じている場合にはジャッキ
等によってこのずれを直し、さらに本部材が破損してい
る場合は土台311(上部構造)をジャッキアップする
等して新しい本部材に交換することで、容易に元の状態
に復帰することができる。
果について説明する。図17は、図5及び図6に示され
た免震構造300が地震を受けたときの様子を示したも
のである。図17を参照して、免震構造300が発揮す
る免震効果について説明する。基礎301(下部構造)
へ地震の振動501が加わると、それによる加速度から
土台311や柱315等を含む上部構造に力が加わる。
その力が前記所定大きさ以上の力となると(所定大きさ
の力は、所定震度以上の地震によって加わる力よりも小
さく設定される)、それによってアンカーボルト331
が破断する(図17中、アンカーボルト331は、基礎
301への埋設部分331bと破断先端部331aとに
破断されている。)。これによりアンカーボルト331
による、基礎301(下部構造)に対する土台311
(上部構造)の水平方向の動きの制限が解除される。ま
た、ボール21a、21b、21c、21dと保持体3
1内面との静摩擦力よりも、地震によって加わる力の方
が大きいので、ボール21a、21b、21c、21d
は図17の各ボール内に示す矢印のように回転すること
ができる。この回転の際にも、ボール21a、21b、
21c、21dは、保持体31によって前記所定の位置
関係を保持した状態に保たれる。このボール21a、2
1b、21c、21dの回転によって、土台311(上
部構造)の振動503は、基礎301(下部構造)の振
動501に比して大幅に小さくなり(半分から十分の一
程度)、良好な免震効果を発揮することができる。な
お、地震後、破断したアンカーボルト331を交換し、
基礎301(下部構造)に対する土台311(上部構
造)の水平方向へのずれが生じている場合にはジャッキ
等によってこのずれを直し、さらに本部材が破損してい
る場合は土台311(上部構造)をジャッキアップする
等して新しい本部材に交換することで、容易に元の状態
に復帰することができる。
【図1】本部材の第一実施形態を示す部分平面図であ
る。
る。
【図2】図1のX−X断面図である。
【図3】図1のY−Y断面図である。
【図4】図2のQ−Q断面図である。
【図5】第一実施形態の本部材が、建物の下部構造の上
面と上部構造の下面との間に挟持されて形成された免震
構造の正面図である。
面と上部構造の下面との間に挟持されて形成された免震
構造の正面図である。
【図6】図5のT−T断面図である。
【図7】本部材の第二実施形態を示す平面図である。
【図8】図7のZ−Z断面図である。
【図9】図8におけるR−R断面図である。
【図10】本部材の第三実施形態を示す部分平面図であ
る。
る。
【図11】図10のS−S断面図である。
【図12】第三実施形態の本部材を用いた免震構造の構
成方法の第一段階を示す正面図である。
成方法の第一段階を示す正面図である。
【図13】第三実施形態の本部材を用いた免震構造の構
成方法の第二段階を示す正面図である。
成方法の第二段階を示す正面図である。
【図14】第三実施形態の本部材を用いた免震構造の構
成方法の第三段階を示す正面図である。
成方法の第三段階を示す正面図である。
【図15】第三実施形態の本部材を用いた免震構造の構
成方法の第四段階を示す正面図である。
成方法の第四段階を示す正面図である。
【図16】第三実施形態の本部材を用いて完成された免
震構造を示す正面図である。
震構造を示す正面図である。
【図17】図5及び図6に示された免震構造が地震を受
けた状態を示す正面図である。
けた状態を示す正面図である。
11、111、211 免震部材 21a、21b、21c、21d、121、221a、
221b、221c、221d ボール 31、131、231 保持体 33、133、233 (保持体の)上面 35、135、235 (保持体の)下面 41、241 長手方向 51 一の設置平面 61、261 一直線 63、65、67、263、265、267 ボールの
間隔 71 他の設置平面 137、237 内部空間 181 等しい間隔 183a、183b、183c、183d 互いに平行
な一の複数の直線群 185a、185b、185c、185d 互いに平行
な他の複数の直線群 187 互いに平行な一の複数の直
線群と互いに平行な他の複数の直線群とが交わる角度 234 距離 300、400 免震構造 301 基礎(下部構造) 303 コンクリート部分 305 天端モルタル部分 307 基礎(下部構造)の上面 311 土台(上部構造) 313 土台(上部構造)の下面 315 柱 317 金具 331 アンカーボルト 331a (アンカーボルトの)破断
先端部 331b (アンカーボルトの)基礎
への埋設部分 333 ナット 335 当接板 411、413 ステンレス鋼板(硬質層) 501 (地震による基礎の)振動 503 土台の振動
221b、221c、221d ボール 31、131、231 保持体 33、133、233 (保持体の)上面 35、135、235 (保持体の)下面 41、241 長手方向 51 一の設置平面 61、261 一直線 63、65、67、263、265、267 ボールの
間隔 71 他の設置平面 137、237 内部空間 181 等しい間隔 183a、183b、183c、183d 互いに平行
な一の複数の直線群 185a、185b、185c、185d 互いに平行
な他の複数の直線群 187 互いに平行な一の複数の直
線群と互いに平行な他の複数の直線群とが交わる角度 234 距離 300、400 免震構造 301 基礎(下部構造) 303 コンクリート部分 305 天端モルタル部分 307 基礎(下部構造)の上面 311 土台(上部構造) 313 土台(上部構造)の下面 315 柱 317 金具 331 アンカーボルト 331a (アンカーボルトの)破断
先端部 331b (アンカーボルトの)基礎
への埋設部分 333 ナット 335 当接板 411、413 ステンレス鋼板(硬質層) 501 (地震による基礎の)振動 503 土台の振動
Claims (18)
- 【請求項1】同径の複数のボールと、 該複数のボールが互いに所定の位置関係を保ちかつ一の
設置平面に接しうるように、該複数のボールを保持する
保持体と、を有するものである、免震部材。 - 【請求項2】前記保持体が、前記複数のボールを前記一
の設置平面に対して平行な他の設置平面にも接しうるよ
うに保持するものである、請求項1に記載の免震部材。 - 【請求項3】前記保持体が、前記一の設置平面と前記他
の設置平面との少なくとも一方に接するものである、請
求項2に記載の免震部材。 - 【請求項4】前記所定の位置関係は、前記複数のボール
が一直線上に並ぶものである、請求項1乃至3のいずれ
かに記載の免震部材。 - 【請求項5】前記所定の位置関係は、さらに、互いに隣
接する前記複数のボールの間隔が等しいものである、請
求項4に記載の免震部材。 - 【請求項6】前記所定の位置関係は、互いに平行な一の
複数の直線群と、該一の複数の直線群に交わる互いに平
行な他の複数の直線群と、が交わるそれぞれの交点に前
記ボール1個ずつが配置されるものである、請求項1乃
至3のいずれかに記載の免震部材。 - 【請求項7】前記一の複数の直線群が互いに等しい間隔
で配置され、かつ前記他の複数の直線群も互いに該等し
い間隔で配置されるものである、請求項6に記載の免震
部材。 - 【請求項8】前記一の複数の直線群と前記他の複数の直
線群とが交わる角度が略90度である、請求項7に記載
の免震部材。 - 【請求項9】前記一の複数の直線群と前記他の複数の直
線群とが交わる角度が略60度である、請求項7に記載
の免震部材。 - 【請求項10】前記一の設置平面に対して平行ないずれ
かの切断面において、前記保持体が前記ボールの周囲を
取り囲むものである、請求項1乃至9のいずれかに記載
の免震部材。 - 【請求項11】前記一の設置平面に対して平行に前記ボ
ールを切断する全ての切断面において前記保持体が前記
ボールの周囲を取り囲むものである、請求項10に記載
の免震部材。 - 【請求項12】前記保持体が円柱状の内部空間を有し、
該内部空間内に前記ボールが保持されたものである、請
求項11に記載の免震部材。 - 【請求項13】前記保持体がその内部に前記ボールの外
形と同じ形の内部空間を有し、該内部空間内に前記ボー
ルが保持されたものである、請求項11に記載の免震部
材。 - 【請求項14】請求項1乃至13のいずれかに記載の前
記免震部材が、建物の下部構造の上面と上部構造の下面
との間に挟持されてなる、免震構造。 - 【請求項15】前記免震部材と前記下部構造の前記上面
との間に、又は前記免震部材と前記上部構造の前記下面
との間に、硬質層が存在するものである、請求項14に
記載の免震構造。 - 【請求項16】前記上部構造に所定大きさ未満の力が加
わっている間は、前記下部構造に対する前記上部構造の
水平方向の動きを制限するものである、請求項14又は
15に記載の免震構造。 - 【請求項17】前記ボールが前記保持体によって回転を
制限されることによって、前記下部構造に対する前記上
部構造の水平方向の動きを制限するものである、請求項
16に記載の免震構造。 - 【請求項18】前記下部構造に対する前記上部構造の水
平方向の動きを制限するアンカーボルトを有するもので
ある、請求項16又は17に記載の免震構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10229300A JP2000045567A (ja) | 1998-07-29 | 1998-07-29 | 免震部材及びそれを用いた免震構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10229300A JP2000045567A (ja) | 1998-07-29 | 1998-07-29 | 免震部材及びそれを用いた免震構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000045567A true JP2000045567A (ja) | 2000-02-15 |
Family
ID=16889983
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10229300A Pending JP2000045567A (ja) | 1998-07-29 | 1998-07-29 | 免震部材及びそれを用いた免震構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000045567A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001115681A (ja) * | 1999-10-19 | 2001-04-24 | S X L Corp | 減震装置 |
JP2007154408A (ja) * | 2005-07-14 | 2007-06-21 | Tadakatsu Kurosawa | 免震土台 |
JP6455905B1 (ja) * | 2017-08-23 | 2019-01-23 | 薫和 半澤 | 摩擦減震装置 |
-
1998
- 1998-07-29 JP JP10229300A patent/JP2000045567A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001115681A (ja) * | 1999-10-19 | 2001-04-24 | S X L Corp | 減震装置 |
JP2007154408A (ja) * | 2005-07-14 | 2007-06-21 | Tadakatsu Kurosawa | 免震土台 |
JP6455905B1 (ja) * | 2017-08-23 | 2019-01-23 | 薫和 半澤 | 摩擦減震装置 |
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