JP2000045021A - 靱性・アレスト性に優れる高張力鋼材の製造方法 - Google Patents

靱性・アレスト性に優れる高張力鋼材の製造方法

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JP2000045021A
JP2000045021A JP10213042A JP21304298A JP2000045021A JP 2000045021 A JP2000045021 A JP 2000045021A JP 10213042 A JP10213042 A JP 10213042A JP 21304298 A JP21304298 A JP 21304298A JP 2000045021 A JP2000045021 A JP 2000045021A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一般に常温で用いられる水圧鉄管( ペンスト
ック) などの圧力負荷部分に用いられ靱性・アレスト性
能に優れた高張力鋼板の製造方法を提供する。 【解決手段】 Ti を含有せず、Nbを添加した高張力鋼(H
T950、HT780)に対して、1050〜1200℃に加熱、均熱後、
Ar3 点以上900 ℃以下で累積圧下率が50%以上の熱間圧
延を施し、750 〜850 ℃の温度で仕上げる低温圧延を行
ってから、Ar3点以上に加熱して焼入れる焼入れ工程を
一回または二回行い、その後焼き戻す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、厚鋼板などの高張
力鋼材の製造方法に係り、特に靱性・アレスト性に優れ
た780N/mm2以上の引張強さを有する高張力鋼材 (以下、
HT780 と記載する) あるいは、950N/mm2以上の引張強さ
を有する高張力鋼材 (以下、HT950 と記載する) の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来にあっても、ペンストック・圧力容
器などの大型化に伴い省資材、および運搬・施工コスト
削減の観点から鋼材には一層の高強度化が求められてお
り、HT950 がペンストック用に使用された例もある。こ
れまでこの種類の高張力鋼板の製造にあたっては熱間圧
延後の再加熱、そして焼き入れ・焼き戻し処理が適用さ
れてきたが、厚肉材の中心部の靱性を保証するために添
加合金元素を多くせざるを得なかった。そのため、焼き
入れ時冷却速度の大きい表層部近傍では過剰焼き入れと
なり靱性が低下するほか、溶接性の低下により予熱温度
を高くして溶接することを余儀なくされていた。
【0003】また、最近の研究で直接焼き入れ法を採用
し、添加合金元素の低減と板厚中心部までの強度・靱性
の確保の両立を検討した例も多いが、実際の製造時には
圧延長は長くなることから、これを考慮すると最適の仕
上げ温度−水冷開始温度を、連続して走行する鋼板の全
長手位置で確保するのが困難である。
【0004】このような状況下にある従来技術にあって
は、オフライン焼き入れ法では、例えば、特開平4−29
7522号公報では、建築用鋼材としてBを非添加とした成
分系にて低YR鋼の製造方法を開示しているが、本発明に
より達成しようとしているアレスト性の向上を図った鋼
板の製造方法としては最適とは言い難い。
【0005】また、特開平2−133518号公報では2回繰
り返して焼き入れをすることにより良好な低温靱性を得
ているが、熱処理コストおよびリードタイムの点から問
題を残している。
【0006】さらに、特開平6−158160号公報では低温
仕上げ−オフライン焼き入れ・焼き戻しによるHT950 の
製法が開示されているが、Ti添加必須となっており、後
述する理由によりアレスト性が思うように向上しない。
【0007】さらに、特開平10−53835 号公報ではNb−
B添加鋼による厚肉950N/mm2級の高張力鋼およびその製
造方法が開示されている。しかし、製造方法の記載箇所
では焼き入れ・焼き戻しが開示されているもののアレス
ト性を高位に確保するという観点で望ましい製造方法が
開示されているとは言えない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の直
接焼き入れ法、および従来のオフライン焼き入れ法で
は、それぞれ経済性、アレスト性の面で問題が残る。
【0009】本明細書において、アレスト性は、脆性亀
裂伝播停止特性を言い、ESSO(エッソ) 試験によって求
められる遷移温度を指標として、ペンストック、圧力容
器等、一般に常温で用いられる大型厚肉構造物なども含
めた構造物の安全性の指標として扱う。特に近年のよう
に構造物が大型化し、事故時の影響の大きさ、深刻さが
顕著になってくることが予想される状況下からは、かか
るアレスト性は今後の材料設計の重要な指針となるので
ある。
【0010】したがって、本発明の目的は、アレスト性
に優れた高張力鋼板を経済的に製造する方法を提供する
ことである。より具体的には、本発明の目的は、HT780
、HT950 の強度特性を満足し、かつ靱性・アレスト特
性に優れた高強度の高張力鋼材の経済的な製造方法を提
供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、オフライ
ン焼き入れ法に着目し、それによる製造方法の検討を種
々重ねた結果、下記内容にて鋼材を製造することにより
上述のような課題を達成できることを見出し、本発明を
完成した。
【0012】ここに、本発明は、重量%で、 C:0.06〜0.16%、Si:0.03〜0.60%、Mn:0.60〜1.80%、 Cr:0.05〜1.20%、Mo:0.05〜1.00%、V:0.005 〜0.10%、 Nb:0.005 〜0.03%、sol.Al:0.01〜0.10%、N:0.0050%以下、 B:0.0005〜0.0025%を含有し、 残部Feおよび不可避的不純物から成りさらにTiを非添加
とした組成を有する鋼を、加熱、均熱後、Ar3 点以上90
0 ℃以下の温度範囲で累積圧下率が50%以上の熱間圧延
を施し、750 〜850 ℃の温度で仕上げ、空冷あるいは水
冷により室温近くまで冷却し、次いでAr3 点以上の温度
に加熱して焼き入れる焼入れ工程を一回または二回行
い、その後焼き戻すことを特徴とする靱性・アレスト性
の優れた高張力鋼材の製造方法を提供することである。
【0013】このように本発明によれば、焼入れ性を
著しく向上する効果のあるBを添加し、有効B量を確保
するため、Al量、N量を規定することにより母材・継手
強度を確保でき、そしてNb添加による未再結晶域確保
により焼き入れ時のγ粒成長核となる変形帯を維持する
ことができる。さらに、焼き入れあるいは焼き戻し時
に得られる析出Nbが、Ti非添加のため、Nb、Ti(C,N) と
して粗大に析出することなく、板厚全域に亘って微細な
破面単位が得られ、アレスト性が良好に維持される。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、上述のように規定され
た組成の鋼を用いるが、その化学成分の限定理由につい
て説明する。なお、本明細書において「%」は特にこと
わりがないかぎり、「重量%」である。
【0015】Cは強度向上にもっとも有効であり、かつ
安価な元素である。0.06%未満では他の元素による強度
保証が必要となり、結果的に経済性が損なわれる。ま
た、0.16%を超えて添加すると溶接性を著しく阻害しか
つ靱性・アレスト性を著しく劣化させることから添加量
は0.06〜0.16%とした。
【0016】Siは強度向上に寄与するが、0.03%未満で
は効果が少なく、一方、0.60%を超えて添加すると母材
靱性・溶接部靱性を著しく劣化させることになる。した
がって添加量は0.03〜0.60%とした。
【0017】Mnは強度確保のために0.60%以上の添加が
必要であるが、1.80%を超えて添加すると靱性・アレス
ト性を著しく劣化させるので添加量を0.60〜1.80%とし
た。
【0018】Crは焼き入れ性を高める働きを発揮するた
め、強度・靱性の向上に有効だが、0.05%未満では効果
が十分でなく1.2 %を超えると靱性を著しく劣化させる
ので、0.05〜1.20%と制限した。
【0019】Moは0.05%以上の添加により強度の向上に
有効であるが、1.0 %を超えて添加すると靱性を損なう
ため、0.05〜1.00%と限定する。
【0020】Vは焼き戻し時にVCとして析出し、強度を
向上させる働きを有する。0.005 %未満では効果が十分
でなく、0.10%を超えても効果が飽和し靱性を著しく阻
害するため、0.005 〜0.10%と規定した。
【0021】Nbはスラブ加熱時に結晶粒粗大化を抑制す
るほか、焼き入れ時にも同様の効果を発揮し、破面単位
の微細な鋼材の製造に有効である。さらに、焼き戻し時
に粒内にNb(C,N) として析出し、降伏強度向上に寄与す
る働きを有する。本発明では0.005 〜0.03%に規定し
た。
【0022】sol.Alはγ粒の微細化に寄与する元素とし
て有効であるほか、本発明ではアレスト性確保の観点か
らTiを非添加としているため、Nの固定の働きを持たせ
ている。
【0023】すなわち、焼き入れ時にはBはγ粒界に偏
析する性質をもち、焼入れ性を向上させることができる
ため、できるだけ多く単体のB (以下「有効B量」と記
述)として存在していることが望ましい。しかし、BはB
Nとして比較的結合しやすいため、有効B量を確保する
ためにはNを他の元素で固定しBがNと結合するのを極
力妨げなければならない。ここに、Alは0.01%以上、好
ましくは0.05%以上添加すると概ねNはキル (固定) で
き、Bは有効B量として焼入れ性向上に活用できる。し
かし、Alを0.10%を超えて添加すると靱性が劣化するの
で、本発明ではAlは0.01〜0.10%、好ましくは0.05〜0.
10%とした。
【0024】NはAlNの生成によって初期γ粒の粗大化
抑制に寄与するが、0.005 %を超えて添加すると固溶N
が増大し靱性が劣化するほか、sol.Alの項で記述したと
おり有効B量の確保が難しくなるため強度不足が生じ、
さらに、靱性・アレスト性が著しく劣化するため本発明
では0.0050%以下とした。
【0025】Bは微量の添加で焼入れ性を著しく向上さ
せるため、極めて重要な元素であり、0.0005%以上の添
加が必要であるが、0.0025%を超えて添加すると、靱性
が劣化するため0.0005〜0.0025%と限定した。
【0026】本発明において、任意添加成分として、強
度改善のためCu、Ni、Zrの少なくとも1種、および/ま
たは非金属介在物の形態制御のためCaを添加してもよ
い。
【0027】Cuは任意添加元素であり、0.05%以上の添
加により強度上昇に効果があるが、1.0 %を超えて添加
するとスケール発生により鋼材の表面性状を著しく劣化
させ、さらには、靱性・アレスト性の劣化を招く。した
がって、添加する場合には0.05〜1.0 %と制限した。
【0028】Niも任意添加元素であるが、Niの場合、強
度とともに靱性も向上させるために有効な元素である。
0.05%以上添加しないと強度・靱性の向上は認められ
ず、多量に添加するとコストの上昇を招くため、添加す
る場合、5.0 %以下に規定する。
【0029】Zrも鋼の強度向上に寄与するが、含有量が
0.01%に満たなければ所望の効果が得られず、多量に添
加するとコストの上昇、靱性・アレスト性の劣化を招く
ため、0.01〜0.15%と限定した。
【0030】Caも任意添加元素であってCa添加には硫化
物系非金属介在物の形態を制御することにより、亀裂進
展抵抗を高めることができ、結果的に靱性向上に寄与す
る作用がある。0.001 %未満であるとその効果は少な
く、0.008 %を超えると非金属介在物の量が増加し、こ
れらの製造が損なわれる傾向が現れるようになることか
ら、その含有量は0.001 〜0.008 %と規定した。
【0031】このようにして構成される本発明にかかる
鋼組成は、溶接性確保の観点からは、その好適態様にあ
っては、Pcm:0.30以下に制限される。このときのPcm
は次の通り定義される。
【0032】Pcm(溶接割れ感受性指数) =C(%) +Si
(%)(1/30) +Mn(%)(1/20)+Cu(%)(1/20) +Ni(%)(1/60)
+Cr(%)(1/20) +Mo(%)(1/15) +V(%)(1/10)+5×B
(%) さらに、本発明によれば、以上の組成を有する鋼から連
続鋳造法または造塊法により得られたスラブに対して、
その具体的態様にあっては、以下のような各工程からな
る製造方法を経て溶接用高張力鋼が製造されるのであ
る。
【0033】(1) 1050〜1200℃に加熱、均熱 (2) Ar3 点以上900 ℃以下の温度範囲で累積圧下率が50
%以上の熱間圧延により所望の厚みまで減厚し、(3) 75
0 〜850 ℃の仕上げ温度で圧延を終了したのち空冷、ま
たは水冷にて室温近くまで冷却し、(4) Ac3 点以上の温
度に加熱したのち焼き入れる工程を一回または二回行
い、(5) その後、例えば Ac1点以下の温度で焼き戻す。
【0034】本発明にあっては、圧延に先立て、加熱、
均熱を行うが、それは各成分を十分固溶させるためであ
って、例えば加熱温度が1050℃未満であればNb、V等の
析出強化に寄与する成分の固溶が十分ではなく、1200℃
を超えるとスケール付着量が多くなり、圧延中に疵を生
成させる原因となる可能性がある。したがって、好まし
くは加熱温度は1050〜1200℃と規定した。
【0035】次に、制御圧延方法について以下に詳述す
る。本発明の目標の一つは母材中心部靱性を、合金元素
を増加させることなく、向上させることである。靱性の
向上とはシャルピーの吸収エネルギーの向上や、アレス
ト性能の向上を指しており、これを達成するためには鋼
材の有効結晶粒径を微細化し、破面単位を微細化する必
要がある。
【0036】本発明者らはオフライン焼き入れ前に未再
結晶域圧延を施し、変形帯を導入しておくことにより、
焼き入れ後の組織の著しい細粒化が図れることを知っ
た。そこで本発明ではAr3 点以上900 ℃以下での圧下率
を50%以上と規定した。
【0037】また、仕上げ温度は750 ℃未満であれば水
冷前に一部変態が始まり、強度不足になり、850 ℃超で
あれば特に板厚中心部での変形帯の維持が図れず (再結
晶挙動が起こり) 焼き入れ時の細粒効果が不十分であ
る。したがって、仕上げ温度は750 〜850 ℃と規定し
た。
【0038】次に、焼入れ温度は、焼入れ組織を確保す
るために焼入れ前の全ての組織がγ化している必要があ
る。つまり、Ac3 点以上の焼入れ温度が必要である。ま
た、さらなる細粒化の目的でこの焼入れ工程を二回行っ
てもよい。
【0039】そして最後に焼き戻し処理を行うが、焼き
戻し処理は従来通りの方法によって行えばよく、γ化を
防ぐため、Ac1 点以下の適当な温度にて焼き戻しをすれ
ばよい。
【0040】以上詳述してきた本発明にかかる方法によ
り、低温靱性に優れた高張力鋼材を確実に得ることがで
きる。次に、本発明の作用効果についてその実施例を用
いて詳述するが、これは本発明の例示であってこれによ
り本発明が不当に制限されるものではない。
【0041】
【実施例】表1〜4に供試材の鋼組成およびその材料特
性を示す。表1、3はHT950 のそれを、表2、4はHT78
0 のそれを示す。
【0042】強度特性における良、不良の判定基準は、
HT780 の場合、YS≧680 N/mm2 、TS≧780 N/mm2 、また
HT950 の場合、YS≧870 N/mm2 、TS≧950 N/mm2 とし
た。
【0043】靱性の判定基準は、vTrs≦−80℃、アレス
ト性の判定基準は、温度勾配型ESSO試験をそれぞれの供
試材で4体ずつ実施し Kca=200MPam1/2のときの遷移温
度 (Tkcal =200MPam1/2) を求めTkca=200MPam1/2≦0
℃とした。
【0044】表1、3において、表1の鋼種No. と表3
の例No. とは同一である。表3にあって、No.1〜7-c 、
8〜14は本発明の限定範囲内のものであり、良好な強
度、靱性、アレスト性を示している。
【0045】No.7-dは加熱温度が高めにはずれているも
のであり、靱性・アレスト性を損ねている。No.7-eはAr
3 〜900 ℃の累積圧下率が低めに外れているものであ
り、靱性・アレスト性を損ねている。
【0046】No.7-fは仕上げ温度が高めにはずれている
ものであり、靱性・アレスト性を損ねている。No.7-gは
焼き入れ温度が低めにはずれるいるものであり、靱性・
アレスト性を損ねている。
【0047】No.7-hは焼き戻し温度が高めにはずれてい
るものであり、靱性・アレスト性を損ねている。No.15
はCが高めにはずれているものであり、靱性・アレスト
性を損ねている。
【0048】No.16 はSiが高めにはずれているものであ
り、靱性・アレスト性を損ねている。No.17 はMnが高め
にはずれているものであり、靱性・アレストを損ねてい
る。
【0049】No.18 はCrが高めにはずれているものであ
り、靱性・アレスト性を損ねている。No.19 はMoが高め
にはずれているものであり、靱性・アレスト性を損ねて
いる。
【0050】No.20 はVが高めにはずれているものであ
り、靱性・アレスト性を損ねている。No.21 はNb非添加
のものであり、TS・靱性・アレスト性を損ねている。
【0051】No.22 はAlが低めにはずれているものであ
り、TS・靱性・アレスト性を損ねている。No.23 はTi添
加材であり、靱性・アレスト性を損ねている。
【0052】No.24 はNが高めにはずれているものであ
り、靱性・アレスト性を損ねている。No.25 はBが低め
にはずれているものであり、TS・YSを損ねている。
【0053】No.26 はCuが高めにはずれているものであ
り、靱性、アレスト性を損ねている。No.27 はNiが高め
にはずれているものであり、靱性・アレスト性を損ねて
いる。
【0054】No.28 はZrが高めにはずれているものであ
り、靱性・アレスト性を損ねている。No.29 はCaが高め
にはずれているものであり、靱性・アレスト性を損ねて
いる。
【0055】表2、4において、表2の鋼種No. と表4
の例No. とは同一である。表2、4にあって、No.1〜7-
c 、8〜14は本発明の限定範囲内のものであり、良好な
強度、靱性、アレスト性を示している。
【0056】No.7-dは加熱温度が高めにはずれているも
のであり、靱性・アレスト性を損ねている。No.7-eはAr
3 〜900 ℃の累積圧下率が低めに外れているものであ
り、靱性・アレスト性を損ねている。
【0057】No.7-fは仕上げ温度が高めにはずれている
ものであり、靱性・アレスト性を損ねている。No.7-gは
焼き入れ温度が低めにはずれているものであり、靱性・
アレスト性を損ねている。
【0058】No.7-hは焼き戻し温度が高めにはずれてい
るものであり、靱性・アレスト性を損ねている。No.15
はCが高めにはずれているものであり、靱性・アレスト
性を損ねている。
【0059】No.16 はSiが高めにはずれているものであ
り、靱性・アレスト性を損ねている。No.17 はMnが高め
にはずれているものであり、靱性・アレストを損ねてい
る。
【0060】No.18 はCrが高めにはずれているものであ
り、靱性・アレスト性を損ねている。No.19 はMoが高め
にはずれているものであり、靱性・アレスト性を損ねて
いる。
【0061】No.20 はVが高めにはずれているものであ
り、靱性・アレスト性を損ねている。No.21 はNb非添加
のものであり、TS・靱性・アレスト性を損ねている。
【0062】No.22 はAlが低めにはずれているものであ
り、TS・靱性・アレスト性を損ねている。No.23 はTi添
加材であり、靱性・アレスト性を損ねている。
【0063】No.24 はNが高めにはずれているものであ
り、靱性・アレスト性を損ねている。No.25 はBが低め
にはずれているものであり、TS・YSを損ねている。
【0064】No.26 はCuが高めにはずれているものであ
り、靱性、アレスト性を損ねている。No.27 はNiが高め
にはずれているものであり、靱性・アレスト性を損ねて
いる。
【0065】No.28 はZrが高めにはずれているものであ
り、靱性・アレスト性を損ねている。No.29 はCaが高め
にはずれているものであり、靱性・アレスト性を損ねて
いる。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【表3】
【0069】
【表4】
【0070】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、HT780 、HT950 のいずれの場合にあっても、vTrs−
80℃以下、アレスト性を示す遷移温度ゼロ℃以下という
優れた材料が、低温圧延と焼入れとの組合せという安価
な手段でもって得られるのであって、一般に常温で用い
られる大型構造物の安全性が確保される材料を提供する
ものとして産業界における本発明の実用上の意義は大き
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K032 AA01 AA02 AA04 AA05 AA08 AA11 AA12 AA14 AA16 AA19 AA21 AA22 AA23 AA24 AA31 AA36 AA39 BA01 CA02 CB02 CC03 CD05 CD06 CF02 CF03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C:0.06〜0.16%、 Si:0.03〜0.60%、 Mn:0.60〜1.80%、 Cr:0.05〜1.20%、 Mo:0.05〜1.00%、 V:0.005 〜0.10%、 Nb:0.005 〜0.03%、 sol.Al :0.01〜0.10%、 N:0.0050%以下、 B:0.0005〜0.0025%、 残部Feおよび不可避的不純物から成り、さらにTiを非添
    加とした組成を有する鋼を、加熱、均熱後、Ar3 点以上
    900 ℃以下の温度範囲で累積圧下率が50%以上の熱間圧
    延を施し、750 〜850℃の温度で仕上げてから、空冷あ
    るいは水冷により室温近くまで冷却し、次いでAr3 点以
    上の温度に加熱して焼き入れる焼入れ工程を一回または
    二回行い、その後焼き戻すことを特徴とする靱性および
    アレスト性の優れた高張力鋼材の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記鋼がさらに、重量%で、Cu:0.05〜
    1.00%、Ni:0.05〜5.0 %、およびZr:0.01〜0.15%の
    うち1種または2種以上含有することを特徴とする請求
    項1記載の靱性・アレスト性の優れた高張力鋼材の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 上記鋼がさらに、重量%で、Ca:0.001
    〜0.008 %を含有する請求項1または2記載の靱性・ア
    レスト性の優れた高張力鋼材の製造方法。
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