JP2000044536A - 高い品質を有するε―カプロラクタム及びその製造方法 - Google Patents
高い品質を有するε―カプロラクタム及びその製造方法Info
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- JP2000044536A JP2000044536A JP13963599A JP13963599A JP2000044536A JP 2000044536 A JP2000044536 A JP 2000044536A JP 13963599 A JP13963599 A JP 13963599A JP 13963599 A JP13963599 A JP 13963599A JP 2000044536 A JP2000044536 A JP 2000044536A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 ポリアミド樹脂の原料等として有用とされる
ε−カプロラクタム中の不純物量の指標であるPz値が
極めて高いε−カプロラクタムを提供する。 【解決手段】 下記測定方法で測定される不純物量が2
5ppm以下であるε−カプロラクタム及び該不純物量
をモニターしてε−カプロラクタムの精製条件を調節す
ることを特徴とする高純度ε−カプロラクタムの製造方
法。 (測定方法)一段目のカラム(2−ニトロテレフタル酸
を結合したポリエチレングリコール20Mを固定層とす
るフューズドシリカキャピラリーカラム)にε−カプロ
ラクタムを注入して分離し、ε−カプロラクタムが流出
する直前までの目的成分が含まれる流出成分を選択的に
分画する。分画した成分を二段目のカラム(5%フェニ
ルメチルシリコンを固定層とするフューズドシリカキャ
ピラリーカラム)に導入して更に分離し、目的成分を選
択的にFID検出器で検出する。
ε−カプロラクタム中の不純物量の指標であるPz値が
極めて高いε−カプロラクタムを提供する。 【解決手段】 下記測定方法で測定される不純物量が2
5ppm以下であるε−カプロラクタム及び該不純物量
をモニターしてε−カプロラクタムの精製条件を調節す
ることを特徴とする高純度ε−カプロラクタムの製造方
法。 (測定方法)一段目のカラム(2−ニトロテレフタル酸
を結合したポリエチレングリコール20Mを固定層とす
るフューズドシリカキャピラリーカラム)にε−カプロ
ラクタムを注入して分離し、ε−カプロラクタムが流出
する直前までの目的成分が含まれる流出成分を選択的に
分画する。分画した成分を二段目のカラム(5%フェニ
ルメチルシリコンを固定層とするフューズドシリカキャ
ピラリーカラム)に導入して更に分離し、目的成分を選
択的にFID検出器で検出する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアミド樹脂の
原料等として有用なε−カプロラクタムに関する。詳し
くは、Pzと称される評価項目が良好な値を示す高品質
なε−カプロラクタムに関する。
原料等として有用なε−カプロラクタムに関する。詳し
くは、Pzと称される評価項目が良好な値を示す高品質
なε−カプロラクタムに関する。
【0002】
【従来の技術】ε−カプロラクタムはポリアミド樹脂の
原料等として重要である。ε−カプロラクタムは、工業
的には、シクロヘキサンの酸化を通じて得られたシクロ
ヘキサノンをオキシム化してシクロヘキサノンオキシム
とし、これをベックマン転位して得ることができる。
原料等として重要である。ε−カプロラクタムは、工業
的には、シクロヘキサンの酸化を通じて得られたシクロ
ヘキサノンをオキシム化してシクロヘキサノンオキシム
とし、これをベックマン転位して得ることができる。
【0003】工業的に製造されたε−カプロラクタム
は、不可避的に不純物を含有するが、このようなε−カ
プロラクタム中の不純物量の指標として、いわゆるPz
値がある。Pz値は、過マンガン酸カリウムにて消費さ
れる被酸化性不純物の量と関連し、ε−カプロラクタム
の重要な品質評価項目の1つである。Pz値の代表的な
測定方法としては、例えばUSP3,953,438明
細書に示されているような、得られたε−カプロラクタ
ムの水溶液に一定の濃度・量の過マンガン酸カリウム水
溶液を加え、所定時間後における特定波長での吸光度か
ら求められる(本Pz値は該USP明細書中でP.N.
値と表記されているものと同じである)。吸光度そのも
のをPz値と定義すれば、Pz値の大きなε−カプロラ
クタムほど重合させて得たポリアミド樹脂の着色が少な
くなる等のメリットがあり、品質は良好と評価される。
は、不可避的に不純物を含有するが、このようなε−カ
プロラクタム中の不純物量の指標として、いわゆるPz
値がある。Pz値は、過マンガン酸カリウムにて消費さ
れる被酸化性不純物の量と関連し、ε−カプロラクタム
の重要な品質評価項目の1つである。Pz値の代表的な
測定方法としては、例えばUSP3,953,438明
細書に示されているような、得られたε−カプロラクタ
ムの水溶液に一定の濃度・量の過マンガン酸カリウム水
溶液を加え、所定時間後における特定波長での吸光度か
ら求められる(本Pz値は該USP明細書中でP.N.
値と表記されているものと同じである)。吸光度そのも
のをPz値と定義すれば、Pz値の大きなε−カプロラ
クタムほど重合させて得たポリアミド樹脂の着色が少な
くなる等のメリットがあり、品質は良好と評価される。
【0004】また、Pz値としては、同様に過マンガン
酸カリウム水溶液を加えた後、撹拌しながら比較標準液
(塩化コバルト(CoCl2・6H2O)と硫酸銅(C
uSO4・5H2O)とをそれぞれ所定量水に希釈した
もの)と同一色になるまでの時間としても表現される。
この場合も、過マンガン酸カリウムで消費される不純物
が少ないほどPzは大きな値となる。
酸カリウム水溶液を加えた後、撹拌しながら比較標準液
(塩化コバルト(CoCl2・6H2O)と硫酸銅(C
uSO4・5H2O)とをそれぞれ所定量水に希釈した
もの)と同一色になるまでの時間としても表現される。
この場合も、過マンガン酸カリウムで消費される不純物
が少ないほどPzは大きな値となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これまで、Pz値を大
きくする等のε−カプロラクタムの品質を向上させるた
め様々な方法が提案されている。しかしながら、この方
法については明確な指標となるものがないのが現状であ
った。即ち、ε−カプロラクタムは、通常シクロヘキサ
ンの酸化、シクロヘキサノールの脱水素、シクロヘキサ
ノンのオキシム化、シクロヘキサノンオキシムのベック
マン転位等の複雑なプロセスを経由して製造されるた
め、多種多様な不純物を少量ずつ含有している。従っ
て、これらの不純物がどのような過程で形成するのかを
把握するのは、極めて困難である。一方、Pz値は被酸
化性の不純物をまとめて1つの値として評価したもので
ある。これらの結果、Pz値を上げようとして、ある不
純物を減らす方向にプロセスを改善しても、Pz値は向
上しなかったりすることがあり、大幅な品質向上には結
びついていなかった。また、ε−カプロラクタムを精製
して全ての不純物濃度を下げるためには、品質を支配す
る特定の不純物の濃度をコントロールする方法が必要で
ある。また従来のPz値によるε−カプロラクタムの品
質評価については、測定上の問題がある。即ち、例えば
時間測定によるPz値を測定する場合、Pz値は一般に
数千〜数万秒の単位で得られ、測定に時間がかかってし
まうところ、この間連続的にε−カプロラクタム溶液を
観察する必要がある。簡易的には特定の時間間隔で間欠
的に観察を行い、Pz値を何秒以上或いは何秒以下とし
て表現することも不可能ではないが、この場合はε−カ
プロラクタムの品質の詳細な評価は困難になる。この事
態は吸光度測定によるPz値の測定においても大同小異
であり、やはり測定に一時間以上の時間がかかるのが通
常であった。また、Pz値は過マンガン酸カリウムによ
る不純物の反応を測定の前提としているため、上記のよ
うな長時間を要する測定の間の温度を一定に保つ必要が
ある。さらには、ε−カプロラクタム水溶液の溶媒であ
る水の品質を保つ、具体的にはPz成分を含有しない高
純度の水を用いる必要がある。
きくする等のε−カプロラクタムの品質を向上させるた
め様々な方法が提案されている。しかしながら、この方
法については明確な指標となるものがないのが現状であ
った。即ち、ε−カプロラクタムは、通常シクロヘキサ
ンの酸化、シクロヘキサノールの脱水素、シクロヘキサ
ノンのオキシム化、シクロヘキサノンオキシムのベック
マン転位等の複雑なプロセスを経由して製造されるた
め、多種多様な不純物を少量ずつ含有している。従っ
て、これらの不純物がどのような過程で形成するのかを
把握するのは、極めて困難である。一方、Pz値は被酸
化性の不純物をまとめて1つの値として評価したもので
ある。これらの結果、Pz値を上げようとして、ある不
純物を減らす方向にプロセスを改善しても、Pz値は向
上しなかったりすることがあり、大幅な品質向上には結
びついていなかった。また、ε−カプロラクタムを精製
して全ての不純物濃度を下げるためには、品質を支配す
る特定の不純物の濃度をコントロールする方法が必要で
ある。また従来のPz値によるε−カプロラクタムの品
質評価については、測定上の問題がある。即ち、例えば
時間測定によるPz値を測定する場合、Pz値は一般に
数千〜数万秒の単位で得られ、測定に時間がかかってし
まうところ、この間連続的にε−カプロラクタム溶液を
観察する必要がある。簡易的には特定の時間間隔で間欠
的に観察を行い、Pz値を何秒以上或いは何秒以下とし
て表現することも不可能ではないが、この場合はε−カ
プロラクタムの品質の詳細な評価は困難になる。この事
態は吸光度測定によるPz値の測定においても大同小異
であり、やはり測定に一時間以上の時間がかかるのが通
常であった。また、Pz値は過マンガン酸カリウムによ
る不純物の反応を測定の前提としているため、上記のよ
うな長時間を要する測定の間の温度を一定に保つ必要が
ある。さらには、ε−カプロラクタム水溶液の溶媒であ
る水の品質を保つ、具体的にはPz成分を含有しない高
純度の水を用いる必要がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らが検討の結
果、ε−カプロラクタム中に含まれる不純物のうち、特
定の不純物を減少させさえすれば、Pz値は向上するこ
とが判明した。即ち、本発明の要旨は、下記測定方法で
測定される不純物量が25ppm以下であるε−カプロ
ラクタムに存するものである。
果、ε−カプロラクタム中に含まれる不純物のうち、特
定の不純物を減少させさえすれば、Pz値は向上するこ
とが判明した。即ち、本発明の要旨は、下記測定方法で
測定される不純物量が25ppm以下であるε−カプロ
ラクタムに存するものである。
【0007】(測定方法)一段目のカラム(2−ニトロ
テレフタル酸を結合したポリエチレングリコール20M
を固定層とするフューズドシリカキャピラリーカラム)
にε−カプロラクタムを注入して分離し、ε−カプロラ
クタムが流出する直前までの目的成分が含まれる流出成
分を選択的に分画する。分画した成分を二段目のカラム
(5%フェニルメチルシリコンを固定層とするフューズ
ドシリカ(溶融シリカ)キャピラリーカラム)に導入し
て更に分離し、目的成分を選択的にFID検出器(水素
炎イオン化検出器)で検出する。FID検出される成分
である2−ピペリジノンとホルムアミド,N−シクロヘ
キシルの保持時間の間に検出される、ガスクロ−質量分
析法から推定した分子量111成分のピーク面積を測定
し、ビフェニル換算して濃度を算出する。
テレフタル酸を結合したポリエチレングリコール20M
を固定層とするフューズドシリカキャピラリーカラム)
にε−カプロラクタムを注入して分離し、ε−カプロラ
クタムが流出する直前までの目的成分が含まれる流出成
分を選択的に分画する。分画した成分を二段目のカラム
(5%フェニルメチルシリコンを固定層とするフューズ
ドシリカ(溶融シリカ)キャピラリーカラム)に導入し
て更に分離し、目的成分を選択的にFID検出器(水素
炎イオン化検出器)で検出する。FID検出される成分
である2−ピペリジノンとホルムアミド,N−シクロヘ
キシルの保持時間の間に検出される、ガスクロ−質量分
析法から推定した分子量111成分のピーク面積を測定
し、ビフェニル換算して濃度を算出する。
【0008】更に本発明は、シクロヘキサノンオキシム
のベックマン転位反応によって得たε−カプロラクタム
を精製するε−カプロラクタムの製造方法において、該
精製条件を上記の測定方法により求められる不純物量を
モニターすることによって調整することを特徴とするε
−カプロラクタムの製造方法にも存するものである。な
お、本発明者らの検討によれば、通常の試薬ε−カプロ
ラクタムにおける上記特定の方法で検出される不純物量
は35ppm程度であり、本願で規定する量よりも多い
ことがわかった。
のベックマン転位反応によって得たε−カプロラクタム
を精製するε−カプロラクタムの製造方法において、該
精製条件を上記の測定方法により求められる不純物量を
モニターすることによって調整することを特徴とするε
−カプロラクタムの製造方法にも存するものである。な
お、本発明者らの検討によれば、通常の試薬ε−カプロ
ラクタムにおける上記特定の方法で検出される不純物量
は35ppm程度であり、本願で規定する量よりも多い
ことがわかった。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のε−カプロラクタムの製
造プロセスとしては、従来公知の各種の方法を採用する
ことができる。例えば、下記〜の工程: シクロヘキサンを酸化してシクロヘキサノンとシクロ
ヘキサノールとの混合物を得る工程、 このうちシクロヘキサノールを脱水素してシクロヘキ
サノンとする工程、 前記酸化によって得られたシクロヘキサノンと前記脱
水素によって得られたシクロヘキサノンとを、ヒドロキ
シルアミンの鉱酸塩と反応させてシクロヘキサノンオキ
シムとする工程、及び、 シクロヘキサノンオキシムを酸性条件下液相にてベッ
クマン転位させ、ε−カプロラクタムとする工程を経る
ことによって製造することができる。
造プロセスとしては、従来公知の各種の方法を採用する
ことができる。例えば、下記〜の工程: シクロヘキサンを酸化してシクロヘキサノンとシクロ
ヘキサノールとの混合物を得る工程、 このうちシクロヘキサノールを脱水素してシクロヘキ
サノンとする工程、 前記酸化によって得られたシクロヘキサノンと前記脱
水素によって得られたシクロヘキサノンとを、ヒドロキ
シルアミンの鉱酸塩と反応させてシクロヘキサノンオキ
シムとする工程、及び、 シクロヘキサノンオキシムを酸性条件下液相にてベッ
クマン転位させ、ε−カプロラクタムとする工程を経る
ことによって製造することができる。
【0010】また、シクロヘキサノンのオキシム化の方
法として、シクロヘキサノンとアンモニアと酸素又は過
酸化水素とを触媒の存在下液相又は気相にて反応させて
シクロヘキサノンオキシムとする方法も例示できる。さ
らに、ベックマン転位の方法として、ゼオライト等の固
体酸触媒の存在下気相にてベックマン転位させる方法も
有力である。
法として、シクロヘキサノンとアンモニアと酸素又は過
酸化水素とを触媒の存在下液相又は気相にて反応させて
シクロヘキサノンオキシムとする方法も例示できる。さ
らに、ベックマン転位の方法として、ゼオライト等の固
体酸触媒の存在下気相にてベックマン転位させる方法も
有力である。
【0011】各工程の間には、任意の精製工程を入れる
ことができる。例えば、シクロヘキサンの酸化によって
得られたシクロヘキサノール/シクロヘキサノン混合物
を、アルカリ水溶液にて処理して、不純物を水相側に除
去することができる。また、シクロヘキサンの酸化及び
シクロヘキサノールの脱水素によって得られたシクロヘ
キサノン中には、触媒の種類や反応率により、副生する
不純物の種類や量が異なり、未反応の原料の外、各種の
高沸点不純物及び低沸点不純物を含有するので、それら
の不純物を除去するための蒸留を行うことができる。
ことができる。例えば、シクロヘキサンの酸化によって
得られたシクロヘキサノール/シクロヘキサノン混合物
を、アルカリ水溶液にて処理して、不純物を水相側に除
去することができる。また、シクロヘキサンの酸化及び
シクロヘキサノールの脱水素によって得られたシクロヘ
キサノン中には、触媒の種類や反応率により、副生する
不純物の種類や量が異なり、未反応の原料の外、各種の
高沸点不純物及び低沸点不純物を含有するので、それら
の不純物を除去するための蒸留を行うことができる。
【0012】さらに、ベックマン転位に於いても、酸
度、SO3濃度、温度等により、さらに、続いて行われ
る熟成における温度、SO3濃度、熟成時間等により、
得られるε−カプロラクタム中の副生する不純物の種類
や量は異なるが、通常、かなりの量の不純物が含まれて
いるので、これを精製除去するのが普通である。例え
ば、ベックマン転位の後、取得された粗ε−カプロラク
タムを蒸留精製する方法、晶析精製する方法、水添触媒
の存在下で水素と接触させる方法や、酸化剤で酸化する
方法が例示できる。また硫酸存在下でベックマン転位を
行った場合、反応生成物を中和後、有機溶媒にて抽出を
行うことによって精製を行うことも可能である。本発明
では、該精製されたε−カプロラクタム中において下記
の方法にて規定される不純物とその量が25ppm以下
であることが必要である。
度、SO3濃度、温度等により、さらに、続いて行われ
る熟成における温度、SO3濃度、熟成時間等により、
得られるε−カプロラクタム中の副生する不純物の種類
や量は異なるが、通常、かなりの量の不純物が含まれて
いるので、これを精製除去するのが普通である。例え
ば、ベックマン転位の後、取得された粗ε−カプロラク
タムを蒸留精製する方法、晶析精製する方法、水添触媒
の存在下で水素と接触させる方法や、酸化剤で酸化する
方法が例示できる。また硫酸存在下でベックマン転位を
行った場合、反応生成物を中和後、有機溶媒にて抽出を
行うことによって精製を行うことも可能である。本発明
では、該精製されたε−カプロラクタム中において下記
の方法にて規定される不純物とその量が25ppm以下
であることが必要である。
【0013】(測定方法)一段目のカラム(2−ニトロ
テレフタル酸を結合したポリエチレングリコール20M
を固定層とするフューズドシリカキャピラリーカラム)
にε−カプロラクタムを注入して分離し、ε−カプロラ
クタムが流出する直前までの目的成分が含まれる流出成
分を選択的に分画する。分画した成分を二段目のカラム
(5%フェニルメチルシリコンを固定層とするフューズ
ドシリカキャピラリーカラム)に導入して更に分離し、
目的成分を選択的にFID検出器で検出する。FID検
出される成分2−ピペリジノンとホルムアミド,N−シ
クロヘキシルとの間の保持時間に検出されるガスクロ−
質量分析法から推定される分子量111成分のピーク面
積を測定し、ビフェニル換算して濃度を算出する。
テレフタル酸を結合したポリエチレングリコール20M
を固定層とするフューズドシリカキャピラリーカラム)
にε−カプロラクタムを注入して分離し、ε−カプロラ
クタムが流出する直前までの目的成分が含まれる流出成
分を選択的に分画する。分画した成分を二段目のカラム
(5%フェニルメチルシリコンを固定層とするフューズ
ドシリカキャピラリーカラム)に導入して更に分離し、
目的成分を選択的にFID検出器で検出する。FID検
出される成分2−ピペリジノンとホルムアミド,N−シ
クロヘキシルとの間の保持時間に検出されるガスクロ−
質量分析法から推定される分子量111成分のピーク面
積を測定し、ビフェニル換算して濃度を算出する。
【0014】なお、上記方法は最も好ましい例を挙げた
に過ぎず、同一の不純物を特定し、量を測定できる方法
であれば他の方法によってε−カプロラクタム中の不純
物の特定と量を測定しても良い。上記以外の測定法とし
ては、2次元ガスクロマトグラフ法、ガスクロマトグラ
フ−質量分析法(例:マスフラグメントグラフィー)、
ガスクロマトグラフ−質量分析−質量分析法、液体クロ
マトグラフ−紫外線分析法、液体クロマトグラフ−質量
分析法、液体クロマトグラフ−質量分析−質量分析法等
の方法を採用することができ、2次元ガスクロマトグラ
フ法が好ましく、特に2次元ガスクロマトグラフ−質量
分析法が好ましく、更には上記特定の測定方法が好まし
い。本発明ではこのような特定の不純物の量は従来のε
−カプロラクタムより少なく25ppm以下であり、好
ましくは23ppm以下、さらに好ましくは15ppm
以下、特には10ppm以下である。また、精製ε−カ
プロラクタム中の該特定の不純物量を低減させるために
は、負荷がかかりすぎることから通常1ppm以上含有
する。このような上記不純物量の少ないε−カプロラク
タムは、従来技術に記載した方法では困難であり、より
精密な精製が必要である。例えば、上記の各種の精製方
法の1つ又はそれ以上についてより条件を厳しくする方
法、ベックマン転位液をSO3濃度1重量%〜20重量
%、処理温度50℃〜150℃で0.5時間〜5時間処
理する方法や、Pt、Pd、Ru、Ni、Zn等をAl
2O3、C、Ti、SiO2等に担持した触媒等の水添
触媒の存在下、20℃〜250℃、0.01MPa〜5
MPaに於いて水素と接触させる方法、水、ベンゼン、
トルエン、クロロホルム等の溶媒に30℃〜110℃で
溶解し、溶媒を留去して晶析する、または、0℃〜70
℃に冷却して晶析する方法、過マンガン酸塩、過酸化水
素、オゾン、重クロム酸塩、過塩素酸、有機過酸化物、
酸素等の酸化剤で10℃〜250℃において酸化する方
法、90℃〜130℃、1〜6Torrにおいて蒸留
し、初留と釜残を除去して主留分をとる方法、のような
方法を例示することができる。また、各工程での反応に
おいて、上記不純物又はその原因となる物質の生成を抑
制することも有力な方法である。むろん、上記の方法さ
え採用すれば必ず上記不純物は所定の範囲になるという
ものではなく、様々な条件を選択することが重要であ
る。
に過ぎず、同一の不純物を特定し、量を測定できる方法
であれば他の方法によってε−カプロラクタム中の不純
物の特定と量を測定しても良い。上記以外の測定法とし
ては、2次元ガスクロマトグラフ法、ガスクロマトグラ
フ−質量分析法(例:マスフラグメントグラフィー)、
ガスクロマトグラフ−質量分析−質量分析法、液体クロ
マトグラフ−紫外線分析法、液体クロマトグラフ−質量
分析法、液体クロマトグラフ−質量分析−質量分析法等
の方法を採用することができ、2次元ガスクロマトグラ
フ法が好ましく、特に2次元ガスクロマトグラフ−質量
分析法が好ましく、更には上記特定の測定方法が好まし
い。本発明ではこのような特定の不純物の量は従来のε
−カプロラクタムより少なく25ppm以下であり、好
ましくは23ppm以下、さらに好ましくは15ppm
以下、特には10ppm以下である。また、精製ε−カ
プロラクタム中の該特定の不純物量を低減させるために
は、負荷がかかりすぎることから通常1ppm以上含有
する。このような上記不純物量の少ないε−カプロラク
タムは、従来技術に記載した方法では困難であり、より
精密な精製が必要である。例えば、上記の各種の精製方
法の1つ又はそれ以上についてより条件を厳しくする方
法、ベックマン転位液をSO3濃度1重量%〜20重量
%、処理温度50℃〜150℃で0.5時間〜5時間処
理する方法や、Pt、Pd、Ru、Ni、Zn等をAl
2O3、C、Ti、SiO2等に担持した触媒等の水添
触媒の存在下、20℃〜250℃、0.01MPa〜5
MPaに於いて水素と接触させる方法、水、ベンゼン、
トルエン、クロロホルム等の溶媒に30℃〜110℃で
溶解し、溶媒を留去して晶析する、または、0℃〜70
℃に冷却して晶析する方法、過マンガン酸塩、過酸化水
素、オゾン、重クロム酸塩、過塩素酸、有機過酸化物、
酸素等の酸化剤で10℃〜250℃において酸化する方
法、90℃〜130℃、1〜6Torrにおいて蒸留
し、初留と釜残を除去して主留分をとる方法、のような
方法を例示することができる。また、各工程での反応に
おいて、上記不純物又はその原因となる物質の生成を抑
制することも有力な方法である。むろん、上記の方法さ
え採用すれば必ず上記不純物は所定の範囲になるという
ものではなく、様々な条件を選択することが重要であ
る。
【0015】ところで、本発明者が、試薬及び工業的に
得られたε−カプロラクタムの典型的なものの中に存在
する上記不純物量を測定したところ34ppmであり、
従来のε−カプロラクタムでは、上記不純物が本発明で
規定する範囲よりも多いと推定される。しかも従来、こ
のような特定の方法で測定される不純物は認識されてお
らず、従って、この不純物を低減させようとする試みも
なされていなかった。また、上記不純物を減らすために
は、公知の操作で行う場合は、通常行われている以上に
条件を厳しくしたり、公知の複数の方法を組み合わせた
り、一つの方法を複数回繰り返すことが必要である。実
際にこの不純物を上記規定の量まで低減したものは知ら
れていないのである。
得られたε−カプロラクタムの典型的なものの中に存在
する上記不純物量を測定したところ34ppmであり、
従来のε−カプロラクタムでは、上記不純物が本発明で
規定する範囲よりも多いと推定される。しかも従来、こ
のような特定の方法で測定される不純物は認識されてお
らず、従って、この不純物を低減させようとする試みも
なされていなかった。また、上記不純物を減らすために
は、公知の操作で行う場合は、通常行われている以上に
条件を厳しくしたり、公知の複数の方法を組み合わせた
り、一つの方法を複数回繰り返すことが必要である。実
際にこの不純物を上記規定の量まで低減したものは知ら
れていないのである。
【0016】また、ε−カプロラクタム中に含まれる不
純物を低減せしめる操作では、場合によっては上記の不
純物以外の不純物を増加させる結果になることも理論的
には考えられる。しかしながら、後記の実施例から明ら
かなように、前記不純物を減らせば、一様にPz値が減
少する結果となっている。このことは、ε−カプロラク
タムのPz値を決定する要因のほとんどが、前記の不純
物の量であることを示している。このようにPz値が、
わずかに検出される特定の不純物によって大きく左右さ
れるというのは、これまで全く知られておらず、従来の
常識からして驚くべきことである。
純物を低減せしめる操作では、場合によっては上記の不
純物以外の不純物を増加させる結果になることも理論的
には考えられる。しかしながら、後記の実施例から明ら
かなように、前記不純物を減らせば、一様にPz値が減
少する結果となっている。このことは、ε−カプロラク
タムのPz値を決定する要因のほとんどが、前記の不純
物の量であることを示している。このようにPz値が、
わずかに検出される特定の不純物によって大きく左右さ
れるというのは、これまで全く知られておらず、従来の
常識からして驚くべきことである。
【0017】また、この不純物量をモニターすることに
よって、ε−カプロラクタムの精製条件を調節できるの
で、該製品ε−カプロラクタムの品質をより正確に把握
することができ、工業的に有用なε−カプロラクタムを
製造することが可能である。不純物量をモニターする方
法は、不純物が定量できる方法であれば特に限定され
ず、具体的には前述した方法のいずれも可能である。特
に、2次元ガスクロマトグラフ法は精度良く測定できる
ので好ましい。ε−カプロラクタムに対しては290n
mにおける紫外線吸収など他の品質評価項目が要求され
ることも多いが、不純物測定と同時にこれらの項目も測
定することも可能であり、工業的に有利な製造方法であ
る。モニターされた不純物量が所望より多い場合は、前
述したε−カプロラクタムの精製方法の条件を厳しくす
ることにより、不純物量を所望範囲に調整することがで
きる。
よって、ε−カプロラクタムの精製条件を調節できるの
で、該製品ε−カプロラクタムの品質をより正確に把握
することができ、工業的に有用なε−カプロラクタムを
製造することが可能である。不純物量をモニターする方
法は、不純物が定量できる方法であれば特に限定され
ず、具体的には前述した方法のいずれも可能である。特
に、2次元ガスクロマトグラフ法は精度良く測定できる
ので好ましい。ε−カプロラクタムに対しては290n
mにおける紫外線吸収など他の品質評価項目が要求され
ることも多いが、不純物測定と同時にこれらの項目も測
定することも可能であり、工業的に有利な製造方法であ
る。モニターされた不純物量が所望より多い場合は、前
述したε−カプロラクタムの精製方法の条件を厳しくす
ることにより、不純物量を所望範囲に調整することがで
きる。
【0018】
【実施例】比較例1 <ε−カプロラクタムの製造>シクロヘキサノンとヒド
ロキシルアミン硫酸塩とを反応させることによって得ら
れた工業的シクロヘキサノンオキシムと25%発煙硫酸
とを、反応器での滞留時間1時間でベックマン転位反応
させた。この時、局所的な発熱を抑制するため、反応器
の撹拌速度は100rpm以上とし、反応器のジャケッ
トには冷却水を流して、反応温度を70〜100℃に維
持した。また、反応後のベックマン転位液の酸度(硫酸
とシクロヘキサノンオキシムとの合計に対する硫酸の重
量比)は56%、また遊離のSO3濃度は7.5%の条
件でε−カプロラクタムとした。
ロキシルアミン硫酸塩とを反応させることによって得ら
れた工業的シクロヘキサノンオキシムと25%発煙硫酸
とを、反応器での滞留時間1時間でベックマン転位反応
させた。この時、局所的な発熱を抑制するため、反応器
の撹拌速度は100rpm以上とし、反応器のジャケッ
トには冷却水を流して、反応温度を70〜100℃に維
持した。また、反応後のベックマン転位液の酸度(硫酸
とシクロヘキサノンオキシムとの合計に対する硫酸の重
量比)は56%、また遊離のSO3濃度は7.5%の条
件でε−カプロラクタムとした。
【0019】得られたベックマン転位液をジャケット付
き撹拌糟に移し、SO3濃度を7.0〜7.5%に保持
し、撹拌速度300rpm以上で撹拌しながら処理温度
90〜125℃で2.5時間熟成処理し、SO3処理液
を得た。得られたSO3処理液をアンモニア水で中和し
た。中和反応は、ジャケット付き撹拌糟に温水を通し、
中和温度70℃、pH7.0〜7.5で行った。
き撹拌糟に移し、SO3濃度を7.0〜7.5%に保持
し、撹拌速度300rpm以上で撹拌しながら処理温度
90〜125℃で2.5時間熟成処理し、SO3処理液
を得た。得られたSO3処理液をアンモニア水で中和し
た。中和反応は、ジャケット付き撹拌糟に温水を通し、
中和温度70℃、pH7.0〜7.5で行った。
【0020】続いて、上記中和液をベンゼンにて抽出し
た。抽出は、撹拌糟にて10分間撹拌後、5分間静置し
て油層を採取した。水層は再度ベンゼンにて抽出し、合
計3回の油層を採取した。使用すべきベンゼン量は、理
論量のε−カプロラクタムの濃度が18重量%となるよ
うに調整した。採取した油層は、定法にてベンゼンを留
去して粗ε−カプロラクタムを得た。最後に、粗ε−カ
プロラクタムを蒸留により精製した。蒸留は、粗ε−カ
プロラクタムに適当量の25%水酸化ナトリウム水溶液
を添加した後、塔頂圧12〜15Torr、オイルバス
温度100℃の条件で水分を除いた後、塔頂圧1〜2T
orr、オイルバス温度140℃の条件で、初留10重
量%、主留80重量%、釜残10重量%の3部に分けて
採取し、主留分を製品として品質評価の対象とした。
た。抽出は、撹拌糟にて10分間撹拌後、5分間静置し
て油層を採取した。水層は再度ベンゼンにて抽出し、合
計3回の油層を採取した。使用すべきベンゼン量は、理
論量のε−カプロラクタムの濃度が18重量%となるよ
うに調整した。採取した油層は、定法にてベンゼンを留
去して粗ε−カプロラクタムを得た。最後に、粗ε−カ
プロラクタムを蒸留により精製した。蒸留は、粗ε−カ
プロラクタムに適当量の25%水酸化ナトリウム水溶液
を添加した後、塔頂圧12〜15Torr、オイルバス
温度100℃の条件で水分を除いた後、塔頂圧1〜2T
orr、オイルバス温度140℃の条件で、初留10重
量%、主留80重量%、釜残10重量%の3部に分けて
採取し、主留分を製品として品質評価の対象とした。
【0021】<ε−カプロラクタム中の特定不純物の定
量>前記製造例で得られた製品を、一段目のカラムで下
記条件で分離して目的成分である特定不純物を含む成分
範囲を選択的に分画し、次に該分画した成分を二段目の
カラムに導入して、下記条件により更に分離して、目的
成分を選択的に分離定量した。
量>前記製造例で得られた製品を、一段目のカラムで下
記条件で分離して目的成分である特定不純物を含む成分
範囲を選択的に分画し、次に該分画した成分を二段目の
カラムに導入して、下記条件により更に分離して、目的
成分を選択的に分離定量した。
【0022】[一段目カラムの分離条件] 一段目のカラム:DB−FFAP(JZW社製、2−ニ
トロテレフタル酸を結合したポリエチレングリコール2
0Mを固定層とするフューズドシリカキャピラリーカラ
ム、内径:0.54mm、長さ:30m、膜厚:1.0
μm) キャリヤーガス:He(10ml/分) 注入口温度 :200℃ カラム温度 :100℃→240℃(4℃/分) 検出器 :FID 分画 :保持時間15分以降からε−カプロラ
クタムが流出する直前までの目的成分を含有する部分を
−72℃にて冷却トラップした。
トロテレフタル酸を結合したポリエチレングリコール2
0Mを固定層とするフューズドシリカキャピラリーカラ
ム、内径:0.54mm、長さ:30m、膜厚:1.0
μm) キャリヤーガス:He(10ml/分) 注入口温度 :200℃ カラム温度 :100℃→240℃(4℃/分) 検出器 :FID 分画 :保持時間15分以降からε−カプロラ
クタムが流出する直前までの目的成分を含有する部分を
−72℃にて冷却トラップした。
【0023】[二段目カラムの分析条件] 二段目のカラム:DB−5(JZW社製、5%フェニル
メチルシリコンを固定層とするフューズドシリカキャピ
ラリーカラム、内径:0.54mm、長さ:30m、膜
厚:1.5μm) キャリヤーガス:He(0.5) カラム温度 :60℃→229℃(10℃/分) 検出器 :FID 定量 :保持時間10分近くに検出される、2
−ピペリジノンとホルムアミド,N−シクロヘキシルの
保持時間の間に検出される、分子量111成分のピーク
面積を測定しビフェニルに換算して濃度を算出した。 分析濃度:27ppm
メチルシリコンを固定層とするフューズドシリカキャピ
ラリーカラム、内径:0.54mm、長さ:30m、膜
厚:1.5μm) キャリヤーガス:He(0.5) カラム温度 :60℃→229℃(10℃/分) 検出器 :FID 定量 :保持時間10分近くに検出される、2
−ピペリジノンとホルムアミド,N−シクロヘキシルの
保持時間の間に検出される、分子量111成分のピーク
面積を測定しビフェニルに換算して濃度を算出した。 分析濃度:27ppm
【0024】<Pz値の測定>得られたε−カプロラク
タムの1.00gを300ml三角フラスコに秤り取
り、蒸留水100mlを加えて溶解した。この試料溶液
にN/100過マンガン酸カリウム水溶液1.00ml
をホールピペットにて添加して撹拌し、計時を開始して
20℃の恒温糟に入れた。別に、比較標準液[塩化コバ
ルト(CoCl2・6H2O)3.000gと硫酸銅
(CuSO4・5H2O)2.000gを蒸留水で正確
に1lとした液]の100mlを300ml三角フラス
コに取った。試料液と比較標準液を比較しながら、蛍光
灯の下で同色となるまでの時間に相当するPz値を秒で
記録したところ、23000秒であった。
タムの1.00gを300ml三角フラスコに秤り取
り、蒸留水100mlを加えて溶解した。この試料溶液
にN/100過マンガン酸カリウム水溶液1.00ml
をホールピペットにて添加して撹拌し、計時を開始して
20℃の恒温糟に入れた。別に、比較標準液[塩化コバ
ルト(CoCl2・6H2O)3.000gと硫酸銅
(CuSO4・5H2O)2.000gを蒸留水で正確
に1lとした液]の100mlを300ml三角フラス
コに取った。試料液と比較標準液を比較しながら、蛍光
灯の下で同色となるまでの時間に相当するPz値を秒で
記録したところ、23000秒であった。
【0025】実施例1 比較例1において熟成時間を3時間としたこと以外は同
様にして、目的成分の定量及びPz値の測定を行った。
その結果、目的成分の量は19ppmであり、Pz値は
31500秒であった。 実施例2 粗ε−カプロラクタムの蒸留を、粗ε−カプロラクタム
に適当量の25%水酸化ナトリウム水溶液を添加した
後、初留15重量%、主留60重量%、釜残25重量%
の3部に分けて採取し、該主留分を製品として品質評価
の対象としたこと以外、実施例1と同様にして、目的成
分の定量及びPz値の測定を行った。その結果は以下の
通りである。 目的成分の量:20ppm Pz:32500秒
様にして、目的成分の定量及びPz値の測定を行った。
その結果、目的成分の量は19ppmであり、Pz値は
31500秒であった。 実施例2 粗ε−カプロラクタムの蒸留を、粗ε−カプロラクタム
に適当量の25%水酸化ナトリウム水溶液を添加した
後、初留15重量%、主留60重量%、釜残25重量%
の3部に分けて採取し、該主留分を製品として品質評価
の対象としたこと以外、実施例1と同様にして、目的成
分の定量及びPz値の測定を行った。その結果は以下の
通りである。 目的成分の量:20ppm Pz:32500秒
【0026】実施例3 実施例1と同様の方法によって、得られた粗ε−カプロ
ラクタムをジャケット付き撹拌糟に移し、2.5%相当
の水を加えて、撹拌速度600rpmで撹拌しながらジ
ャケット付き撹拌糟に温水を通し、60℃に保持した。
接続した真空ポンプを起動し、徐々に減圧して15To
rrにコントロールして、ε−カプロラクタムの結晶を
析出させさらに2時間保持した。これを常圧にした後、
スラリー液を75℃に保持した遠心分離器に移して回転
数2000rpmで2分間遠心分離した。得られたε−
カプロラクタムを2〜6Torrの減圧下、水分を蒸留
分離して製品とし、品質評価の対象とした。その結果は
以下の通りであった。 目的成分の量:11ppm Pz:41250秒
ラクタムをジャケット付き撹拌糟に移し、2.5%相当
の水を加えて、撹拌速度600rpmで撹拌しながらジ
ャケット付き撹拌糟に温水を通し、60℃に保持した。
接続した真空ポンプを起動し、徐々に減圧して15To
rrにコントロールして、ε−カプロラクタムの結晶を
析出させさらに2時間保持した。これを常圧にした後、
スラリー液を75℃に保持した遠心分離器に移して回転
数2000rpmで2分間遠心分離した。得られたε−
カプロラクタムを2〜6Torrの減圧下、水分を蒸留
分離して製品とし、品質評価の対象とした。その結果は
以下の通りであった。 目的成分の量:11ppm Pz:41250秒
【0027】
【発明の効果】本発明は、ポリアミド樹脂の原料等とし
て有用とされるε−カプロラクタム中の不純物量の指標
であるPz値が極めて高いε−カプロラクタムである。
また、特定の不純物量をモニターすることによって、該
Pz値が極めて高いε−カプロラクタムを容易に得るこ
とが可能な製造方法を提供することができる。
て有用とされるε−カプロラクタム中の不純物量の指標
であるPz値が極めて高いε−カプロラクタムである。
また、特定の不純物量をモニターすることによって、該
Pz値が極めて高いε−カプロラクタムを容易に得るこ
とが可能な製造方法を提供することができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 下記測定方法で測定される不純物量が2
5ppm以下であるε−カプロラクタム。 (測定方法)一段目のカラム(2−ニトロテレフタル酸
を結合したポリエチレングリコール20Mを固定層とす
るフューズドシリカキャピラリーカラム)にε−カプロ
ラクタムを注入して分離し、ε−カプロラクタムが流出
する直前までの目的成分が含まれる流出成分を選択的に
分画する。分画した成分を二段目のカラム(5%フェニ
ルメチルシリコンを固定層とするフューズドシリカキャ
ピラリーカラム)に導入して更に分離し、目的成分を選
択的にFID検出器(水素炎イオン化検出器)で検出す
る。FID検出される成分である2−ピペリジノンとホ
ルムアミド,N−シクロヘキシルの保持時間の間に検出
される、ガスクロ−質量分析法から推定した分子量11
1成分のピーク面積を測定し、ビフェニル換算して濃度
を算出する。 - 【請求項2】 上記測定方法で測定される不純物量が2
3ppm以下であるε−カプロラクタム。 - 【請求項3】 上記測定方法で測定される不純物量が1
5ppm以下であるε−カプロラクタム。 - 【請求項4】 シクロヘキサノンオキシムのベックマン
転位反応によって得たε−カプロラクタムを精製するε
−カプロラクタムの製造方法において、該精製条件を下
記測定方法により求められる不純物量をモニターするこ
とによって調整することを特徴とするε−カプロラクタ
ムの製造方法。 (測定方法)一段目のカラム(2−ニトロテレフタル酸
を結合したポリエチレングリコール20Mを固定層とす
るフューズドシリカキャピラリーカラム)にε−カプロ
ラクタムを注入して分離し、ε−カプロラクタムが流出
する直前までの目的成分が含まれる流出成分を選択的に
分画する。分画した成分を二段目のカラム(5%フェニ
ルメチルシリコンを固定層とするフューズドシリカキャ
ピラリーカラム)に導入して更に分離し、目的成分を選
択的にFID検出器で検出する。FID検出される成分
である2−ピペリジノンとホルムアミド,N−シクロヘ
キシルの保持時間の間に検出されるガスクロ−質量分析
法から推定される分子量111成分のピーク面積を測定
し、ビフェニル換算して濃度を算出する。 - 【請求項5】 上記不純物をモニターする方法が、2次
元ガスクロマトグラフ法、ガスクロマトグラフ−質量分
析法、ガスクロマトグラフ−質量分析−質量分析法、液
体クロマトグラフ−紫外又は可視分析法、液体クロマト
グラフ−質量分析法、及び液体クロマトグラフ−質量分
析−質量分析法からなる群から選ばれた一つ以上である
ことを特徴とする請求項4記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13963599A JP2000044536A (ja) | 1998-05-28 | 1999-05-20 | 高い品質を有するε―カプロラクタム及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14730198 | 1998-05-28 | ||
JP10-147301 | 1998-05-28 | ||
JP13963599A JP2000044536A (ja) | 1998-05-28 | 1999-05-20 | 高い品質を有するε―カプロラクタム及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000044536A true JP2000044536A (ja) | 2000-02-15 |
Family
ID=26472381
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13963599A Pending JP2000044536A (ja) | 1998-05-28 | 1999-05-20 | 高い品質を有するε―カプロラクタム及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000044536A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011154035A (ja) * | 2000-03-07 | 2011-08-11 | Solvay (Sa) | ヒドロフルオロアルカンの分析方法 |
CN102297913A (zh) * | 2011-07-25 | 2011-12-28 | 浙江中一检测研究院有限公司 | 工作场所空气中有害物质己内酰胺的测定方法 |
CN109490456A (zh) * | 2018-11-21 | 2019-03-19 | 山东省产品质量检验研究院 | 一种发泡塑料垫中甲酰胺含量的检测方法 |
-
1999
- 1999-05-20 JP JP13963599A patent/JP2000044536A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011154035A (ja) * | 2000-03-07 | 2011-08-11 | Solvay (Sa) | ヒドロフルオロアルカンの分析方法 |
CN102297913A (zh) * | 2011-07-25 | 2011-12-28 | 浙江中一检测研究院有限公司 | 工作场所空气中有害物质己内酰胺的测定方法 |
CN109490456A (zh) * | 2018-11-21 | 2019-03-19 | 山东省产品质量检验研究院 | 一种发泡塑料垫中甲酰胺含量的检测方法 |
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