JP2000042682A - 鍛造ピストンの製造方法および鍛造済み成形素材 - Google Patents
鍛造ピストンの製造方法および鍛造済み成形素材Info
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Abstract
よる鍛造によりヘッド部にバルブリセスを形成すること
で、鍛造後の機械加工の作業工程を簡略化し、且つ、ヘ
ッド部の強度の向上を図ると共に、鍛造済みの成形素材
に対して機械加工でピン孔を穿設するに際して、既に鍛
造で形成されているバルブリセスとの位置関係がずれる
ことのないようにする。 【解決手段】 金属塊の素材を複数の金型部材からなる
鍛造用金型により鍛造することで、ヘッド部とピンボス
部とスカート部を備えた鍛造済みの成形素材としてか
ら、仕上げの機械加工を施すことで製品化するような鍛
造ピストンの製造方法において、金属塊の素材から略ピ
ストン形状の成形素材11を鍛造する段階で、該成形素
材11のヘッド部2の上面に対して、吸・排気バルブの
逃げ部となるバルブリセス5と共に、機械加工の際に加
工基準となる凸部8(又は凹部)を、鍛造時に同一の金
型部材によってそれぞれ形成しておく。
Description
造用金型により鍛造して成形した成形素材に対して仕上
げの機械加工を施すことで製品化されるような内燃機関
用の鍛造ピストンに関し、特に、そのような鍛造ピスト
ンの製造方法と、その製造方法で中間製品として製造さ
れる略ピストン形状の鍛造済み成形素材の構造に関す
る。
される軽量なアルミ合金製のピストンにおいては、鋳造
によりピストンを成形すると材質の凝固組織が粗くなっ
て強度上不利となることから、アルミ合金の金属塊をピ
ストン素材とし、これを一方向に進退する金型部材と固
定された金型部材とを備えた複数の金型部材からなる鍛
造用金型により鍛造することで、ヘッド部とピンボス部
とスカート部を備えた略ピストン形状の成形素材として
から、この鍛造済みの成形素材に対して、ピストンピン
挿通用のピン孔を穿設したり、ピストンリング装着用の
リング溝を切削したりする等、仕上げの機械加工を施す
ことで製品化されるような、ファイバーフローを利用し
て強度を向上させた鍛造ピストンが従来から開発されて
いる。
エンジン用のピストンでは、エンジンの運転時に吸・排
気バルブがピストンの頂面と接触しないように、ピスト
ンの頂面(ピストンのヘッド部の上面)に対してバルブ
の逃げ部となるリセス(窪み)を設けるということが従
来から一般的に行われており、上記のような鍛造ピスト
ンにおいても、そのヘッド部の上面に吸・排気バルブ用
のリセスを形成するということが当然考えられている。
素材に対して、ピン孔やリング溝の加工と同様に切削加
工でバルブリセスを形成することも考えられるが、そう
すると仕上げの機械加工の作業工程が増えることとなる
ため、略ピストン形状の成形素材を複数の金型部材から
なる鍛造用金型により成形する際に、ヘッド部の上面に
対してバルブリセスを鍛造により同時に形成しておくと
いうことが検討されている。
によって、バルブリセスのための切削作業を省略するこ
とで仕上げの機械加工の作業を簡略化できると共に、バ
ルブリセスを形成するために鍛造用金型に形成された突
起部によりヘッド部に伸び方向のファイバーフローが形
成されることとなって、その結果、ヘッド部の強度の向
上を図ることができる。
てバルブリセスを形成した場合、その後の仕上げの機械
加工でピストンピン挿通用のピン孔を穿設する際に、バ
ルブリセスに対するピン孔の位置関係が少しでもずれる
と、ピストンを内燃機関に組み込んだときに、吸・排気
バルブと各バルブリセスの位置がずれることとなり、そ
の結果、内燃機関の運転時に吸・排気バルブがピストン
の頂面と衝突してしまうというような問題が生じること
となる。
とするものであり、具体的には、内燃機関用の鍛造ピス
トンにおいて、金型による鍛造によりヘッド部にバルブ
リセスを形成することで、鍛造後の機械加工の作業工程
を簡略化し、且つ、ヘッド部の強度の向上を図ると共
に、鍛造済みの成形素材に対して機械加工でピン孔を穿
設するに際して、既に鍛造で形成されているバルブリセ
スとの位置関係がずれることのないようにすることを課
題とするものである。
課題を解決するために、金属塊の素材を複数の金型部材
からなる鍛造用金型により鍛造することで、ヘッド部と
ピンボス部とスカート部を備えた鍛造済みの成形素材と
してから、仕上げの機械加工を施すことで製品化するよ
うな鍛造ピストンの製造方法において、金属塊の素材か
ら略ピストン形状の成形素材を鍛造する段階で、該成形
素材のヘッド部の上面に対して、吸・排気バルブの逃げ
部となるバルブリセスと共に、機械加工の際に加工基準
となる凹部又は凸部を、鍛造時に同一の金型部材によっ
てそれぞれ形成しておくことを特徴とするものである。
で、ヘッド部に伸び方向のファイバーフローを形成する
ことができて、ヘッド部の強度の向上を図ることがで
き、また、鍛造済み成形素材に対してバルブリセスを形
成するための切削作業を省略することができて、仕上げ
の機械加工の作業を簡略化できると共に、ピストンピン
挿通用のピン孔を穿設するに際して、バルブリセスを形
成するのと同一の金型部材によって形成される凹部又は
凸部を加工基準として利用することにより、既に鍛造で
形成されているバルブリセスに対するピン孔の位置関係
の精度を容易に確保することができる。
造方法および鍛造済み成形素材の実施形態について図面
に基づいて説明する。
の一例を示すもので、図1(A)は、側方から見た外観
を示し、図1(B)は、上方から見た外観を示し、図1
(C)は、図1(B)のC−C線に沿った断面を示すも
のである。
るヘッド部2と、ピストンピンを支持するためのピンボ
ス部3と、シリンダ内面に側面が摺接するスカート部4
とからなり、ヘッド部2の上面には吸・排気バルブの逃
げ部となる各バルブリセス5が形成され、ヘッド部2の
外周面にはピストンリング嵌着用のリング溝6が形成さ
れ、対向する一対のピンボス部3のそれぞれにはピスト
ンピン挿着用のピン孔7が形成されている。
み込まれている4サイクルエンジンの一例を概略的に示
すものであって、シリンダ内に摺動可能に収容されたピ
ストン本体1は、ピンボス部のピン孔に挿通されたピス
トンピン13により、コンロッド14を介して、クラン
ク室内に軸支されたクランク軸15のクランクピン16
と連結されており、ピストン本体1よりも上方の燃焼室
には、その天井部に開口された吸・排気通路のそれぞれ
の開口部を開閉するように、吸気バルブ17と排気バル
ブ18がそれぞれ設置されている。
バルブ17と排気バルブ18に対してピストン本体1の
頂面(ヘッド部の上面)に形成された各バルブリセス5
の位置がずれると、エンジンの運転時に各バルブ17,
18がピストン本体1と衝突するため、ピストン本体1
においては、ピストンピン13を挿通するためのピン孔
を各バルブリセス5に対してその位置関係がずれること
なく正確な状態で形成しておくことが必要である。
トン本体1について、これを鍛造によって製造する場
合、一般的には、金属塊のピストン素材(ビュレット)
を鍛造用金型により鍛造することで、ヘッド部とピンボ
ス部とスカート部を備えた略ピストン形状の鍛造済み成
形素材とした後、仕上げの機械加工によりピン孔やリン
グ溝等を形成してから、更に必要に応じてメッキ処理等
を施すことで製品化している。
本実施形態では、金属塊のピストン素材から鍛造用金型
により鍛造される略ピストン形状の鍛造済み成形素材に
ついて、図3(A)(B)(C)に示すように、そのヘ
ッド部2の上面に対して、吸・排気バルブの逃げ部とな
るバルブリセス5が形成されていると共に、機械加工の
際に加工基準となる凸部8が形成されたようなものとし
ている。
ド部2とピンボス部3とスカート部4を備えた略ピスト
ン形状に成形されているものであって、ヘッド部2の上
面の吸・排気バルブと対向する位置に、各バルブの逃げ
部となるバルブリセス5がそれぞれ形成されていると共
に、仕上げの機械加工によりピンボス部3に対してピン
孔を形成する際の加工基準となるように、ヘッド部2の
上面の外周部に一対の凸部8が形成されている。
げのための機械加工において、ピンボス部3に対してピ
ン孔を穿設加工した後で、エンジン運転時のスキッシュ
(圧縮工程で燃焼室内に発生する渦)の管理のためにヘ
ッド部2の上面の外周部を切削加工する際に、同時に削
り取られることとなり、図1に示すように、製造された
ピストン本体1には残らないものである。
は、上記の実施形態に示したような凸部8として形成す
るようなものに限らず、図示していないが、凹部として
形成することも可能であって、加工基準を凹部として形
成した場合には、製造されたピストン本体1にそのまま
凹部が残されることとなるが、該凹部がヘッド部2の上
面の外周部に形成されていることで、エンジン運転時の
タンブル(吸入工程で燃焼室内に発生する渦)の流れに
殆ど影響を与えるようなことはない。
み成形素材11を厚い円板状のアルミ合金のピストン素
材(ビュレット)10から金型により鍛造する状態の一
例を示すもので、この例では、上下方向に移動する金型
部材である上型21と、固定された金型部材である下型
22と円筒型23とにより鍛造することで、同じ金型部
材である上型21によりバルブリセスと加工基準用凸部
を備えたヘッド部の上面側を成形し、下型22と円筒型
23によりヘッド部の裏面側とピンボス部とスカート部
を成形している。
ては、上記のようなものに限らず、例えば、上下方向に
移動する上型21と固定された円筒型23によりヘッド
部の裏面側とピンボス部とスカート部を成形し、固定さ
れた下型22によりバルブリセスと加工基準用凸部(又
は凹部)を備えたヘッド部の上面側を成形するようにし
ても良い。
についても、上記のように鍛造用金型を3つの金型部材
21,22,23により構成するようなものに限らず、
例えば、図5(A)に示すように、円筒型を一体化した
ような下型24による2つの金型部材により構成しても
良く、図5(B)に示すように、下型22を分割面25
により内側の下型26と外側の環状の下型27とに分割
したような4つ以上の金型部材により構成しても良い
が、何れにしても、バルブリセスを形成するための凸部
21aと加工基準を形成するための凹部(又は凸部)2
1bとを同じ金型部材に対して形成しておくことは必要
である。
の場合には、金型内に収容されたピストン素材10を、
金型の少なくとも何れかの金型部材に対して設けられた
ヒーターにより、400〜500℃の間に加熱された状
態としてから、熱間鍛造することにより、アルミ合金の
延性を充分に利用して、成形素材11に寸法精度良く鍛
造することができる。
収容する前にピストン素材10を400〜500℃の間
に加熱した後、金型内に収容して直ちに鍛造するように
しても良く、その場合でも、金型を400〜500℃の
間に予熱しつつ鍛造する。そのように鍛造工程からピス
トン素材10の加熱工程を別の並列工程とすることによ
り、鍛造工程の時間を短縮することが可能となる。
製造方法および鍛造済み成形素材によれば、鍛造済み成
形素材11の段階において、金型による鍛造でヘッド部
2にバルブリセス5を形成しておくことにより、ピスト
ン本体1のヘッド部2に伸び方向のファイバーフローを
形成することができて、ヘッド部2の強度の向上を図る
ことができると共に、バルブリセス5を形成するための
切削作業を省略することができて、仕上げの機械加工の
作業を簡略化することができる。
7を穿設するときの加工基準として、鍛造用金型の同じ
金型部材により、鍛造時に、バルブリセス5の形成と同
時に、鍛造済み成形素材11のヘッド部の上面に凸部8
(又は凹部)を形成しておくことで、バルブリセス5に
対して正確な位置関係でピン孔7を形成することがで
き、その結果、製造されたピストン本体1をエンジンに
組み込んだときに、ピストンピンによって支持されるピ
ストン本体1の各バルブリセス5の位置が吸・排気バル
ブに対してずれるような不都合を回避することができ
る。
使用されるピストン素材(ビュレット)10について
は、例えば、アルミニウム(Al)を基材とし、全体中
に、シリコン(Si)を10〜25重量%,鉄(Fe)
を1重量%以下,銅(Cu)を0.5〜7重量%,マグ
ネシウム(Mg)を0.1〜2重量%,マンガン(M
n)を1.5重量%以下,ニッケル(Ni)を1.5重
量%以下,クロム(Cr)を1.5重量%以下の範囲で
含むような、アルミ合金を円柱形状の棒状体に連続鋳造
した溶製材を切断したものが使用される。
解炉の底部から円柱形状の連続鋳造体として引き出すと
共に、溶解炉から出て凝固が始まる部分の外周に電磁石
又は超音波発振器からなる攪拌装置を配置して、円柱形
状の連続鋳造体の中心部と外周部を攪拌混合しつつ凝固
させることにより、析出結晶粒子の成長を抑制して粒子
サイズを小さくし、且つ、外周部から中心部に渡って結
晶粒子を均一に分散させるようにした固体で円柱形状の
アルミ合金の棒状体を、適当な大きさに切断してピスト
ン素材10として使用しても良い。
と外周部を攪拌混合しつつ凝固させたようなピストン素
材10によれば、結晶粒子のサイズが小さく且つ均一に
分散されていることで、鍛造時にクラックが発生し難く
なるため、鍛造時の歩留りを向上させることができ、且
つ、ピストン本体1をエンジンに組み込んで運転した場
合のスカート部4の疲労強度を高くすることができる。
晶シリコンの平均粒径が10μm以下であるシリコン
(Si)を10〜22重量%の範囲で含むような、急冷
凝固粉末を固化したアルミ合金を使用しても良い。
は、例えば、アルミニウム(Al)を基材とし、全体中
に、シリコン(Si)を10〜22重量%,鉄(Fe)
を1〜10重量%,銅(Cu)を0.5〜5重量%,マ
グネシウム(Mg)を0.5〜5重量%,マンガン(M
n)を1重量%以下,ニッケル(Ni)を1重量%以
下,クロム(Cr)を1重量%以下,ジルコニウム(Z
r)を2重量%以下,モリブデン(Mo)を1重量%以
下の範囲で含むようなものがある。
成分において、シリコン(Si)は、金属組織中に硬質
の初晶や共晶のシリコン粒を晶出させることで耐摩耗性
および耐焼付性を高めるために添加され、鉄(Fe)
は、金属組織を分散強化して200℃以上で高い強度を
得るために添加され、また、銅(Cu)およびマグネシ
ウム(Mg)は、200℃以下での強度を高めるために
添加されるものであって、それらの添加量については、
上記の範囲外では所望の耐摩耗性や耐焼付性および高温
での必要な強度を得ることができない。
るピストン素材10では、溶解したアルミ合金を霧状に
散布して急冷凝固させることにより粉末化してから成形
固化しているため、アルミ合金粉末は平均粒径で約10
0μm程度となり、その中に含まれているシリコン(S
i)は、粉末化しつつ凝固するアルミ合金の金属組織中
に晶出させた硬質の初晶シリコンが平均粒径が10μm
以下となるように微細化されていて、各アルミ合金粒子
毎に分散されている。
て分散されていることにより、ピストン素材10を鍛造
して略ピストン形状の成形素材11とする際に、特にス
カート部4で材料が薄く引き延ばされるように鍛造され
ても、その部分で初晶シリコンの粒子が割れてクラック
が発生するようなことが無く、その結果、鍛造で成形さ
れたピストン本体1は、スカート部4での疲労強度が高
いものとなる。
粉末アルミ合金としては、上記のようなものに限らず、
例えば、更にその耐摩耗性を高めるために、シリコン
(Si)よりも硬い成分である炭化シリコン(SiC)
を所定量含むようなものも使用される。
固粉末アルミ合金の一例としては、アルミニウム(A
l)を基材とし、シリコン(Si)を10〜22重量
%,鉄(Fe)を1〜10重量%,銅(Cu)を0.5
〜5重量%,マグネシウム(Mg)を0.5〜5重量
%,マンガン(Mn)を1重量%以下,ニッケル(N
i)を1重量%以下,クロム(Cr)を1重量%以下,
ジルコニウム(Zr)を2重量%以下,モリブデン(M
o)を1重量%以下の範囲で含むと共に、更に、炭化シ
リコン(SiC)を1〜10重量%の範囲で含むような
ものがある。
する急冷凝固粉末アルミ合金からなるピストン素材10
では、初晶シリコンの平均粒径が10μm以下となるよ
うにシリコン(Si)が微細化されて含まれていると共
に、更に耐摩耗性および耐焼付性を高めるために、シリ
コン(Si)よりも硬く非溶解性の非金属物である炭化
シリコン(SiC)が、平均粒径が10μm以下となる
ように微細化された状態で金属組織中に分散して含まれ
ており、このピストン素材10から鍛造されたピストン
本体1は、微細な炭化シリコン(SiC)がアルミ合金
組織中に均等に分散されたものとなり、それによって高
い耐摩耗性を得ることができる。
るピストン素材10の製造については、先ず、アルミニ
ウム(Al)の基材に対して必要な各成分(シリコンや
炭化シリコンその他)を予め含有させたアルミ合金のイ
ンゴットを準備して、これを約700℃以上で溶解して
から霧状に散布し、冷却速度100℃/sec以上で急
激に冷やして粉末に凝固させるか、或いは、必要な成分
を含まないアルミ合金を溶解して急冷凝固することによ
り形成したアルミ合金粉末に、平均粒径が1〜10μm
となるように微細化した必要成分の粉末を所定量だけ混
合する等によって、固化する前のアルミ合金粉末を得
る。
て、型の中にアルミ合金粉末を込め、400〜500℃
(700℃未満の温度)に加熱且つ加圧して、直接的に
所望の大きさおよび形状のピストン素材を成形するか、
或いは、アルミ合金粉末を400〜500℃に加熱して
押し出すことにより丸棒として固形化した後、この丸棒
を一個のピストンに相当する適当量の大きさの厚い円板
形状に切断する等によって、厚い円板状のピストン素材
10とする。
形するには、その他にも、アルミ合金粉末を400〜5
00℃に加熱しつつ一対の圧延ロールの間に導いて圧延
した後、プレスにより打ち抜くことで厚い円板形状のピ
ストン素材として成形したり、シャーリングで所望の大
きさに切断して矩形のピストン素材として成形したりす
ることも可能であり、更に、そのように矩形に成形して
から予備鍛造して厚い円板形状のピストン素材に成形し
ても良い。
ンの製造方法および鍛造済み成形素材によれば、金型に
よる鍛造によりヘッド部にバルブリセスを形成すること
で、ヘッド部の強度を向上させることができると共に、
鍛造済み成形素材に対して施す仕上げのための機械加工
を簡略化することができ、しかも、仕上げのための機械
加工の際に、既に形成されているバルブリセスに対して
ピストンピン挿通用のピン孔を正確な位置関係で加工す
ることができて、製造されたピストン本体をエンジンに
組み込んだ際に、ピストン本体のバルブリセスを吸・排
気バルブに対して正確に対向させることができる。
される内燃機関用の鍛造ピストンの一例を示す(A)側
面図,(B)上面図,および(C)図BのC−C線に沿
った断面図。
エンジンの一例についての概略を示す説明図。
(A)側面図,(B)上面図,および(C)図BのC−
C線に沿った断面図。
造で成形するときの状態の一例を示す、図3(C)の断
面に相当する断面説明図。
の金型の他の例について、(A)2つの金型部材による
もの,(B)4つの金型部材によるものをそれぞれ示
す、図3(C)の断面に相当する断面説明図。
Claims (3)
- 【請求項1】 金属塊の素材を複数の金型部材からなる
鍛造用金型により鍛造することで、ヘッド部とピンボス
部とスカート部を備えた鍛造済みの成形素材としてか
ら、仕上げの機械加工を施すことで製品化するような鍛
造ピストンの製造方法において、金属塊の素材から略ピ
ストン形状の成形素材を鍛造する段階で、該成形素材の
ヘッド部の上面に対して、吸・排気バルブの逃げ部とな
るバルブリセスと共に、機械加工の際に加工基準となる
凹部又は凸部を、鍛造時に同一の金型部材によってそれ
ぞれ形成しておくことを特徴とする鍛造ピストンの製造
方法。 - 【請求項2】 金属塊の素材を複数の金型部材からなる
鍛造用金型により鍛造することで略ピストン形状とされ
ている鍛造済み成形素材において、該成形素材のヘッド
部の上面に対して、吸・排気バルブの逃げ部となるバル
ブリセスと、機械加工の際に加工基準となる凹部又は凸
部が、鍛造時に同一の金型部材によってそれぞれ形成さ
れていることを特徴とする鍛造済み成形素材。 - 【請求項3】 機械加工の際に加工基準となる凹部又は
凸部が、ヘッド部の上面の外周部に形成されていること
を特徴とする請求項2に記載の鍛造済み成形素材。
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JP20730098A JP4155423B2 (ja) | 1998-07-23 | 1998-07-23 | 鍛造ピストンの製造方法および鍛造済み成形素材 |
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