JP2002174140A - シリンダスリーブ及び内燃機関用シリンダブロック並びに内燃機関 - Google Patents

シリンダスリーブ及び内燃機関用シリンダブロック並びに内燃機関

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JP2002174140A
JP2002174140A JP2000370518A JP2000370518A JP2002174140A JP 2002174140 A JP2002174140 A JP 2002174140A JP 2000370518 A JP2000370518 A JP 2000370518A JP 2000370518 A JP2000370518 A JP 2000370518A JP 2002174140 A JP2002174140 A JP 2002174140A
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JP
Japan
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sleeve
internal combustion
combustion engine
cylinder
aluminum alloy
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JP2000370518A
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English (en)
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Shuhei Adachi
修平 安達
Masahiro Mihashi
正博 三橋
Kenji Araki
健志 荒木
Daisuke Nakao
大介 中尾
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F1/00Cylinders; Cylinder heads 
    • F02F1/02Cylinders; Cylinder heads  having cooling means
    • F02F1/10Cylinders; Cylinder heads  having cooling means for liquid cooling
    • F02F1/108Siamese-type cylinders, i.e. cylinders cast together

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】ピストンとの焼き付きを防止し、また燃費悪
化、オイル劣化を防止することが可能である。 【解決手段】シリンダスリーブは、スリーブ基材に、ア
ルミニウム合金に15〜38重量%のシリコン(Si)
を加えた化学組成をもつ急冷凝固粉末固化押し出し形成
材料を用いて形成したので、熱伝導性、加工性、メッキ
性を損なうことがなく、スリーブの線膨張係数をシリン
ダ本体の線膨張係数より小さな値にできる。また、アル
ミニウム合金製のスリーブ3を、アルミニウム合金鋳造
製のシリンダ本体2aに鋳込んだ内燃機関用シリンダブ
ロック2であり、スリーブ3の線膨張係数をシリンダ本
体の線膨張係数より小さくしたので、シリンダ本体側の
凝固収縮及び凝固後の熱収縮によるスリーブ締め付け力
が低下することがなく、スリーブからシリンダ本体側へ
の熱伝達が良好でピストンとの焼き付きを防止すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、シリンダスリー
ブ及び内燃機関用シリンダブロック並びに内燃機関に関
する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関には、アルミニウム合金製のス
リーブを、アルミニウム合金鋳造製のシリンダ本体に鋳
包むスリーブ内面に所定のメッキを施すようにして製造
する内燃機関用シリンダブロックを備えるものがあり、
内燃機関用シリンダブロックは軽量で良好な熱伝導性に
よって高性能エンジンを成立させる重要な要素である。
【0003】この内燃機関用シリンダブロックの鋳包ま
れるアルミニウム合金製のスリーブは、例えば鋳造パイ
プや連続鋳造押し出しパイプ材に所定の加工を施して製
作していた。
【0004】また、従来スリーブ材には、12Si−3
Cu−アルミニウム材等の材料を使用していた。シリン
ダ本体は鋳造性の良い金型鋳造の場合にはJIS AC
2B等、ダイカスト製造の場合にはJIS ADC12
材等鋳造性の良い材料を使用していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、アルミニウ
ム合金製のスリーブを、アルミニウム合金鋳造のシリン
ダ本体に鋳包む場合、スリーブの外周にシリンダ本体側
の溶湯が取り囲み、スリーブが加熱されて熱膨張する一
方、シリンダ本体が湯込め後次第に冷却されるに伴って
スリーブも冷却されて熱収縮する。シリンダ本体側の溶
湯は、冷却凝固するとき収縮し、さらに温度が低下する
に伴って熱収縮する。スリーブの線膨張係数が高いと、
シリンダ本体側の凝固収縮及び凝固後の熱収縮によるス
リーブ締め付け力が緩和されてしまう。
【0006】また、内燃機関の運転状態においてもスリ
ーブの温度は鋳包む時の温度(アルミニウム合金の溶融
温度に近い値)より低くなる(空冷、水冷がなされるの
で、100℃〜300℃程度)。内燃機関では、スリー
ブの線膨張係数が高いと、スリーブ締め付け力が緩和さ
れたままであり、シリンダ本体との間で隙間が発生する
場合がある。このシリンダ本体との間で隙間でスリーブ
からシリンダ本体側への熱伝達が阻害され、ホットスポ
ット化し、ピストンとの焼き付きが発生したりする。
【0007】また、鋳造み完了後(常温状態)、所定の
メッキを施し、ホーニング仕上げをしてスリーブ内周の
円筒度、真円度を上げても、シリンダブロックにクラン
ク軸やピストン等を組み付け、さらにシリンダヘッドを
ボルト締結して内燃機関として組み立て完了した後、内
燃機関を運転すると、スリーブが熱膨張する。この時シ
リンダヘッドがボルト締結されるスリーブ外周のシリン
ダ本体の複数のボルト穴回りは剛性が上がり、熱膨張に
抵抗する一方、スリーブ外周のボルト穴の中間部となる
シリンダ本体は熱膨張に対しての抵抗性は小さいので、
スリーブの線膨張係数が高いとスリーブ内周の円筒度、
真円度が維持されず、ピストンリングによる燃焼室とク
ランク室との隔離性が低下し、オイル消費量の増大、燃
焼ガスの吹き抜けによる燃費悪化、オイル劣化が起き
る。
【0008】この発明は、かかる実情に鑑みてなされた
もので、ピストンとの焼き付きを防止し、また燃費悪
化、オイル劣化を防止することが可能なシリンダスリー
ブ及び内燃機関用シリンダブロック並びに内燃機関を提
供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し、かつ
目的を達成するために、この発明は、以下のように構成
した。
【0010】請求項1に記載の発明は、『スリーブ基材
に、アルミニウム合金に15〜38重量%のシリコン
(Si)を加えた化学組成をもつ急冷凝固粉末固化押し
出し形成材料を用いて形成したことを特徴とするシリン
ダスリーブ。』である。
【0011】請求項1に記載の発明によれば、熱伝導
性、加工性、メッキ性を損なうことがなく、スリーブの
線膨張係数をシリンダ本体の線膨張係数より少なくとも
10%小さな値にできる。
【0012】請求項2に記載の発明は、『アルミニウム
合金製のスリーブを、アルミニウム合金鋳造製のシリン
ダ本体に鋳包んだ内燃機関用シリンダブロックであり、
前記スリーブの線膨張係数をシリンダ本体の線膨張係数
より小さくしたことを特徴とする内燃機関用シリンダブ
ロック。』である。
【0013】請求項2に記載の発明によれば、スリーブ
の線膨張係数がシリンダ本体の線膨張係数より小さいこ
とから、シリンダ本体側の凝固収縮及び凝固後の熱収縮
によるスリーブ締め付け力が低下することがなく、スリ
ーブとシリンダ本体との間で隙間がなくなり、スリーブ
からシリンダ本体側への熱伝達が良好でホットスポット
化し、ピストンとの焼き付きを防止することができる。
【0014】請求項3に記載の発明は、『前記スリーブ
の線膨張係数をシリンダ本体の線膨張係数より少なくと
も10%小さな値にしたことを特徴とする請求項2に記
載の内燃機関用シリンダブロック。』である。
【0015】請求項3に記載の発明によれば、スリーブ
の線膨張係数をシリンダ本体の線膨張係数より少なくと
も10%小さな値にしたことで、シリンダ本体側の凝固
収縮及び凝固後の熱収縮によるスリーブ締め付け力がよ
り低下することがなく、さらにスリーブとシリンダ本体
との間で隙間がなくなる。
【0016】請求項4に記載の発明は、『前記スリーブ
を構成するアルミニウム合金に、シリコン(Si)を1
5〜38重量%含有させたことを特徴とする請求項2ま
たは請求項3に記載の内燃機関用シリンダブロック。』
である。
【0017】請求項4に記載の発明によれば、スリーブ
を構成するアルミニウム合金に、シリコン(Si)を1
5〜38重量%含有させることで、スリーブの線膨張係
数を小さくでき、しかも熱伝導性、加工性、メッキ性を
損なうことがない。
【0018】請求項5に記載の発明は、『前記シリコン
(Si)を平均粒径が2〜10μmの初晶シリコン(S
i)としたことを特徴とする請求項4に記載の内燃機関
用シリンダブロック。』である。
【0019】請求項5に記載の発明によれば、シリコン
(Si)を平均粒径が2〜10μmの初晶シリコン(S
i)とすることで、スリーブの線膨張係数をより小さく
でき、しかも熱伝導性、加工性、メッキ性を損なうこと
がない。
【0020】請求項6に記載の発明は、『前記スリーブ
を平均粒径が20〜100μmのアルミニウム合金粉末
を凝集固化して形成したことを特徴とする請求項2乃至
請求項5のいずれか1項に記載の内燃機関用シリンダブ
ロック。』である。
【0021】請求項6に記載の発明によれば、スリーブ
を平均粒径が20〜100μmのアルミニウム合金粉末
を凝集固化して形成することで、スリーブの線膨張係数
をより小さくすることができ、しかも熱伝導性、加工
性、メッキ性を損なうことがない。
【0022】請求項7に記載の発明は、『請求項2乃至
請求項6のいずれかに記載の内燃機関用シリンダブロッ
クのシリンダ内にピストンを往復動可能に収納し、この
ピストンの線膨張係数をスリーブの線膨張係数より大き
くしたことを特徴とする内燃機関。』である。
【0023】請求項7に記載の発明によれば、請求項2
乃至請求項6に加え、ピストンの線膨張係数をスリーブ
の線膨張係数より大きくすることで、スリーブ内周の円
筒度、真円度が維持され、ピストンリングによる燃焼室
とクランク室との隔離性が向上し、オイル消費量の増
大、燃焼ガスの吹き抜けによる燃費悪化、オイル劣化を
防止することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、この発明のシリンダスリー
ブ及び内燃機関用シリンダブロック並びに内燃機関の実
施の形態について図面に基づいて説明する。
【0025】この発明は、内燃機関用シリンダブロック
を備える水冷式あるいは空冷式の4サイクル内燃機関及
び2サイクル内燃機関に適用され、またスリーブは湿式
構造あるいは乾式構造に適用される。
【0026】図1は水冷式4サイクル内燃機関の断面
図、図2は図1のII-II線に沿う断面図である。
【0027】この内燃機関の一例として、図1及び図2
にスリーブが乾式構造の水冷式4サイクル内燃機関を示
すが、この発明はこの実施の形態に限定されない。
【0028】車両の4サイクルエンジン1は、直列4気
筒エンジンが用いられる。4サイクルエンジン1のシリ
ンダブロック2は、シリンダ本体2aとスリーブ3から
構成され、このスリーブ3にピストン4が往復動可能に
設けられている。このピストン4の往復動でコンロッド
5を介してクランク室7に配置された図示しないクラン
ク軸が回転する。シリンダブロック2にはシリンダヘッ
ド6が設けられ、ボルト8によりシリンダブロック2に
締付固定されている。ピストン4には、ピストンリング
4bが設けられている。シリンダヘッド6にはヘッドカ
バー80が設けられている。
【0029】シリンダブロック2のスリーブ3、ピスト
ン4の頭部4aと、シリンダヘッド6とで燃焼室12が
形成されている。シリンダヘッド6には燃焼室12に臨
むように点火プラグ86が取り付けられている。
【0030】また、シリンダヘッド6には吸気通路13
と排気通路14が形成され、吸気通路13には集合吸気
管15が接続される。また、排気通路14には集合排気
管16が接続される。
【0031】吸気通路13の燃焼室12に臨む開口部は
吸気弁18で開閉され、排気通路14の燃焼室12に臨
む開口部は排気弁19で開閉される。吸気弁18及び排
気弁19のタペット30,31には、カム軸32,33
のカム32a,33aが当接しており、カム軸32,3
3の回転によってカム32a,33aがタペット30,
31を介して吸気弁18及び排気弁19を押動し、これ
により吸気通路13と排気通路14を開閉する。
【0032】シリンダブロック2のシリンダ本体2aに
は水ジャケット20が形成され、この水ジャケット20
に連通してシリンダヘッド6に水ジャケット21が形成
されている。この水ジャケット20,21の冷却水によ
り燃焼室12の周りを冷却するようになっており、スリ
ーブ3が乾式構造である。
【0033】図3にスリーブが湿式構造の水冷式4サイ
クル内燃機関を示し、水ジャケット20の冷却水により
燃焼室12の周りを冷却すると共に、冷却水によりスリ
ーブ3を直接冷却するようになっている。水ジャケット
20の下部には、シリンダ本体2aとスリーブ3との間
にOリング85を設けてシールしている。
【0034】次に、内燃機関用シリンダブロックの製造
について説明する。図4は内燃機関用シリンダブロック
の製造工程を示す図である。
【0035】急冷凝固粉末材料を形成し(ステップS
1)、この急冷凝固粉末材料を冷間静水圧プレスしてス
リーブ素材(ビレット)を成形し(ステップS2)、真
空焼結する(ステップS3)。その後、加熱・熱間押し
出し、スリーブ中空素形材を形成し、冷却する(ステッ
プS4)。必要に応じて熱処理し、このスリーブ中空素
形材を切断・加工し(ステップS5)、スリーブ3を形
成する。このスリーブ3をシリンダ本体2aに鋳包み
(ステップS6)、焼鈍(ステップS7)、メッキを行
ない(ステップS8)、ホーニング処理する(ステップ
S9)。
【0036】ステップS1における急冷凝固粉末材料
は、例えばアルミニウム(A1)の基材に対してシリコ
ン(Si)、鉄(Fe)及びその他の成分を含有させた
アルミニウム合金のインゴットを準備して、これを約7
00℃以上で溶解してから、霧状に散布して冷却速度1
00℃/sec以上で急激に冷やして凝固させること
で、アルミニウム合金の急冷凝固粉末(パウダーメタ
ル)として形成する。
【0037】スリーブ素材(ビレット)を形成するため
のアルミニウム合金粉末材料としては、例えば、初晶シ
リコンの平均粒径が2〜10μm以下であるシリコン
(Si)を15〜38重量%の範囲で含むようなアルミ
ニウム合金の急冷凝固粉末が使用される。
【0038】このようなアルミニウム合金の急冷凝固粉
末として、アルミニウム(Al)を基材とし、全体中
に、シリコン(Si)を15〜38重量%、鉄(Fe)
を1.5重量%以下、銅(Cu)を6.8重量%以下、
マグネシウム(Mg)を0.2〜2重量%、マンガン
(Mn)を1.5重量%以下、クロム(Cr)を0.4
重量%以下、亜鉛(Zn)を0.3重量%以下の範囲で
含むようなものがある。
【0039】このようなJISに規定の2000番台あ
るいは6000のアルミニウム合金をベースにSi含有
量を増加させて15〜38重量%としたアルミニウム合
金の急冷凝固粉末の含有成分において、シリコン(S
i)は、金属組織中に硬質の初晶や共晶のシリコン粒を
晶出させることで耐摩耗性及び耐焼付性を高めるために
添加され、鉄(Fe)は、金属組織を分散強化して20
0℃以上で高い強度を得るために添加され、また、銅
(Cu)及びマグネシウム(Mg)は、200℃以下で
の強度を高めるために添加されるものであって、それら
の添加量については、前記の範囲で所望の耐摩耗性や耐
焼付性及び高温での必要な強度を得ることができる。
【0040】前記のようなアルミニウム合金の急冷凝固
粉末を固化したスリーブ素材では、溶解したアルミニウ
ム合金を霧状に散布して急冷凝固させることにより粉末
化しているため、アルミニウム合金粉末は平均粒径で約
20〜100μm程度となり、その中に含まれているシ
リコン(Si)は、粉末化しつつ凝固するアルミニウム
合金の金属組織中に晶出させた硬質の初晶シリコン(S
i)が平均粒径が2〜10μmとなるように微細化され
ていて、各アルミニウム合金粒子毎に分散されている。
【0041】ステップS2において、一方あるいは複数
方向に開放口を有する型内に上記アルミニウム合金の急
冷凝固粉末材を込め、エアー抜きしつつプランジャーを
開放口から型内に挿入し、しかる後プランジャーと型と
を水密状態に保ったまま、プランジャーに静水圧を負荷
する、静水圧プレスが実施され、急冷凝固粉末材料が固
められる。
【0042】ステップS3において、予固めされた急冷
凝固粉末材料が燒結型内に収容され、型内部の真空引き
が実施されるとともに加熱加圧され、空気の混入のほと
んど無いより緻密な固形塊とされる。
【0043】ステップS4において、押し出し型に固形
塊が収容されて加熱され、押し出し型の口金部から中空
の丸棒状すなわち中空素形状に押し出され、冷却された
部分で切断されて、所定長の中空丸棒とされる。なお、
このステップS4において、押し出し・冷却後のスリー
ブ中空素形材の硬度をロックウェル硬度(HRB)40
以上となるように工程上のパラメータを調整する。
【0044】ステップS5において、スリーブ素材長さ
に切断され、内外形及び端部が加工されて、鋳包み用ス
リーブが形成される。
【0045】ステップS6におけるスリーブ3のシリン
ダ本体2aへの鋳包みは、スリーブ3を鋳包むシリンダ
ダイカスト成形が実施される。この場合の鋳包みはスリ
ーブ3を金型内に収容し、スリーブ内周の一部を支持部
材で支えた状態で、金型とスリーブ外周との間の空隙
に、所定のアルミニウム合金の溶湯を高圧で導くことに
より行う。そしてシリンダブロック2の各部及びシリン
ダボアの機械加工が実施される。
【0046】スリーブの鋳包み前にスリーブ外周面に凹
凸を形成することにより、運転中の母材とスリーブの熱
膨張率の違いにより締め付け力が低下しても、スリーブ
の抜けを確実に防止できる。このようなスリーブ外周面
の凹凸は、ショットブラスト以外にも他の機械加工ある
いはスリーブ全体の酸洗い(エッチング)等により形成
することができる。また、ショットブラスト等によりス
リーブ外周に凹凸を形成して母材との接合性を高める方
法に代えて、低融点半田を用いてスリーブと母材とを接
合しスリーブの抜け防止を図ってもよい。
【0047】ここでショットブラストとは、粒径が50
〜150μmの鋼球、超硬ビーズ、ステンレス鋼球、亜
鉛ビーズ、ガラスビーズや、粒径はもう少し大きい石英
を多く含む川砂等を、投射機で、例えば40〜80m/
sの投射速度でワークを投射するものを言う。
【0048】ステップS7において焼鈍が実施される。
この焼鈍後のスリーブ3の硬度をロックウェル硬度(H
RB)40以上となるように熱処理条件を調整する。
【0049】ステップS8におけるメッキ処理は、スリ
ーブ内面のメッキであり、基本的には、脱脂処理、アル
カリエッチング処理、混酸エッチング処理からなる前処
理と、下地処理のアルマイト処理と、複合メッキ処理の
5つの工程からなり、各工程の後に水洗処理が施され
る。
【0050】そして以上のメッキ処理(ステップS8)
の後、ホーニング(ステップS9)でスリーブ内周面の
メッキ層にホーニング仕上げを施し、メッキ皮膜の厚み
を望ましくは約50μm、場合によっては20μm〜1
00μmとするとともに、メッキ層の面粗さを1.0μ
mRz以下にする。これにより、確実にメッキ層表面を
滑らかにすることができてピストン4及びピストンリン
グ4bの摺動時の摩擦係数を小さくすることができると
ともに、エンジンオイルの保持性が向上し潤滑性を向上
させることができる。なお、RzとはJIS規格のB0
601に定められたものである。
【0051】従来のスリーブ基材には、溶製押し出し材
が用いられ、この溶製押し出し材は比較的低いシリコン
含有量をもち、熱膨張係数は周囲のシリンダ本体のアル
ミニウム鋳物材料と同等かそれ以下であり、このシリン
ダブロックを製造する際、スリーブ基材をアルミニウム
ダイカスト鋳物によって鋳込む際に、鋳物材が凝固する
過程において、スリーブ基材とアルミニウム鋳物の間に
隙間が生じ、このために後工程における内径研削加工時
の精度が悪化することがあリ、さらに隙間の存在は、熱
伝導性が部分的に悪くなることから、スリーブの円筒
度、真円度などの形状の悪化を招き、オイル消費の増
大、性能の劣化の原因となっている。
【0052】このようにシリコン(Si)含有量を15
〜38重量%としたアルミニウム合金鋳物でスリーブ3
を形成ることがスリーブ基材とアルミニウム鋳物の間に
隙間が生じさせないことで有効であるが、通常の鋳物材
料では初晶Si粒が数10μm以上にもなってしまうた
め、表面にめっき層を形成しようとしても、密着性が悪
く、加工時にめっき剥離を生じることがあるだけでな
く、運転中にもめっき剥離を生じるなど充分な耐久性が
得られない。
【0053】このためスリーブ3は平均粒径が20〜1
00μmのアルミニウム合金粉末を凝集固化して形成す
ることで、このシリコン(Si)を平均粒径が2〜10
μmの初晶シリコン(Si)としている。また、スリー
ブ3を構成するアルミニウム合金には、前記したように
シリコン(Si)を15〜38重量%含有させ、スリー
ブ3の線膨張係数を15〜22(200℃にて)とし、
シリンダ本体2aの線膨張係数より小さく(例えば、J
ISダイカスト用アルミニウム合金ADC12の線膨張
係数20(200℃にて)と)し、スリーブ3の線膨張
係数をシリンダ本体2aの線膨張係数より少なくとも1
0%小さな値にしている。
【0054】したがって、アルミニウム合金製のスリー
ブ3を、アルミニウム合金鋳造のシリンダ本体2aに鋳
包む場合、スリーブ3の外周にシリンダ本体2a側の溶
湯が取り囲み、スリーブ3が加熱されて熱膨張する一
方、シリンダ本体2aが湯込め後次第に冷却されるに伴
ってスリーブ3も冷却されて熱収縮し、シリンダ本体2
a側の溶湯は、冷却凝固するとき収縮し、さらに温度が
低下するに伴って熱収縮するが、シリコン(Si)を1
5〜38重量%含有させ、スリーブ3の線膨張係数をシ
リンダ本体2aの線膨張係数より少なくとも10%小さ
な値であり、シリンダ本体2a側の凝固収縮及び凝固後
の熱収縮によるスリーブ締め付け力が緩和されず、スリ
ーブ3とシリンダ本体2aとの間に隙間が生じない。
【0055】また、スリーブ基材に、アルミニウム合金
にシリコン(Si)を加えた化学組成をもつ急冷凝固粉
末固化押し出し形成材料を用いて押出加工により形成
し、この押出加工条件、例えば押出速度、温度等を調整
することによって中空丸棒、高さ0.1〜2mmの長さ
方向に平行な連続した突起を形成する、あるいは及び、
表面に深さ10μm〜1mmの微小クラックを一様に分
布させ、スリーブに加工した後も外周表面に突起、ある
いは及び微小クラックを残すようにすることで、シリン
ダ本体2aとの接合を強固にし、かつ熱の伝達を均一に
することができる。
【0056】また、運転状態においてもスリーブ3の温
度は鋳包む時の温度(アルミニウム合金の溶融温度に近
い値)より低くなるが(空冷、水冷がなされるので、1
00℃〜300℃程度)、シリコン(Si)を15〜3
8重量%含有させ、スリーブ3の線膨張係数をシリンダ
本体2aの線膨張係数より少なくとも10%小さな値で
あり、スリーブ締め付け力が維持され、スリーブ3とシ
リンダ本体2aとの間で隙間が発生することがなく、ス
リーブ内周の円筒度、真円度が維持され、スリーブ3か
らシリンダ本体側への熱伝達が良好でホットスポット化
し、ピストン4との焼き付きを防止することができる。
【0057】また、鋳造み完了後(常温状態)、所定の
メッキを施し、ホーニング仕上げをしてスリーブ3内周
の円筒度、真円度を上げて、シリンダブロック2にクラ
ンク軸やピストン等を組み付け、さらにシリンダヘッド
6をボルト8により締結して内燃機関として組み立て完
了した後、内燃機関を運転すると、スリーブ3が熱膨張
し、この時シリンダヘッド6がボルト締結されるスリー
ブ外周のシリンダ本体2の複数のボルト穴回りは剛性が
上がり、熱膨張に抵抗する一方、スリーブ外周のボルト
穴の中間部となるシリンダ本体2aは熱膨張に対しての
抵抗性は小さいが、シリコン(Si)を15〜35重量
%含有させ、スリーブ3の線膨張係数をシリンダ本体2
aの線膨張係数より少なくとも10%小さな値であり、
スリーブ3が熱膨張が小さくてスリーブ内周の円筒度、
真円度が維持され、ピストンリング4bによる燃焼室1
2とクランク室7との隔離性が向上し、オイル消費量の
増大、燃焼ガスの吹き抜けによる燃費悪化、オイル劣化
を防止することができる。
【0058】また、スリーブ3とシリンダ本体2aとの
間に隙間が生じないようにすることができるだけでな
く、メッキの密着性も確保することができる。これは、
メッキの前処理であるアルカリエッチング工程におい
て、シリコン(Si)粒径が2〜10μmと十分小さい
ために、Ni−Pメッキの析出が阻害されないためであ
る。
【0059】このように発明では、スリーブ3を構成す
るアルミニウム合金にシリコン(Si)を含有させ、こ
のシリコン(Si)を平均粒度が2〜10μmの初晶シ
リコン(Si)とし、スリーブ3の内周面にアルカリエ
ッチング処理することで、スリーブ内周面のシリコン
(Si)がアルカリエッチング処理で除去されて、スリ
ーブ内周面に凹凸が形成され、しかもシリコン(Si)
粒子の平均粒径は小さいので、微細な凹凸を緻密に形成
でき、スリーブ内周面とメッキ層との結合面積が増加し
結合性のより一層の向上が可能で、凹凸によるアンカー
効果があり、さらに結合面積の増加で熱伝達面積が増加
し、メッキ層に加えられる燃焼ガスの熱を速やかに放熱
可能で、メッキ層の剥離を起こしにくい。
【0060】また、スリーブ3を構成するアルミニウム
合金に、シリコン(Si)を15〜35重量%含有させ
ることで、シリコン(Si)含有量が多く、かつシリコ
ン(Si)粒子の平均粒径は小さいので、より微細な凹
凸を緻密に形成でき、スリーブ内周面とメッキ層との結
合面積が増加し結合性のより一層の向上が可能である。
すなわち、スリーブ3内周表面からの熱は、メッキ層、
スリーブ3本体を経て、シリンダ本体側へ良好に熱伝達
されるので、スリーブ3表面にホットスポットができに
くく、ピストン4との焼き付きを防止することができ
る。
【0061】実施例としては、スリーブ基材に、JIS
2000系またはJIS6000系の基本化学成分に2
5重量%のシリコン(Si)を加えた化学組成をもつ急
冷凝固粉末固化押し出し形成材料を用いるときの製造工
程を、図4の工程によって製造した。
【0062】このJIS2000系のアルミニウム合金
の急冷凝固粉末は、アルミニウム(Al)を基材とし、
全体中に、シリコン(Si)を15〜38重量%、鉄
(Fe)を1.5重量%以下、銅(Cu)を1.5〜
6.8重量%、マグネシウム(Mg)を1.8重量%以
下、マンガン(Mn)を0.2〜1.2重量%、クロム
(Cr)を0.1重量%以下、亜鉛(Zn)0.3重量
%以下、チタン(Ti)0.2重量%以下とした。
【0063】このJIS6000系のアルミニウム合金
の急冷凝固粉末は、アルミニウム(Al)を基材とし、
全体中に、シリコン(Si)を15〜38重量%、鉄
(Fe)を1.0重量%以下、銅(Cu)を0.4重量
%以下、マグネシウム(Mg)を0.35〜1.5重量
%以下、マンガン(Mn)を0.8重量%以下、クロム
(Cr)を0.35重量%以下、亜鉛(Zn)0.25
重量%以下、チタン(Ti)0.15重量%以下とし
た。
【0064】実施例1は、JIS6000系で6061
−25Si急冷凝固粉末固化押し出し材をスリーブ基材
として、この内面にNi−P−SiC分散複合メッキを
施した。
【0065】実施例2は、JIS6000系で6061
+2〜4Fe−25Si急冷凝固粉末固化押し出し材を
スリーブ基材として、この内面にNi−P−SiC分散
複合メッキを施した。
【0066】実施例3は、JIS2000系で2017
または2024−25Si急冷凝固粉末固化押し出し材
をスリーブ基材として、この内面にNi−P−SiC分
散複合メッキを施した。
【0067】この実施例では、オイル消費量低減はシリ
ンダ変形の改善であり、これに鋳込み後スリーブ密着を
改善することに着目した。スリーブ密着の改善には、低
線膨張係数スリーブ材へ変更することに着目し、通常の
低線膨張係数材は鉄系から軽量、熱伝達良好材の選定を
行ない、アルミニウム複合材とした。
【0068】このスリーブ材の物性、機械的性質を比較
して表1に示し、低線膨張係数アルミニウムを基材と
し、内表面に硬質皮膜を形成したスリーブであり、表1
に示すようにスリーブ基材の線膨張係数αを12Si−
3Cuのアルミニウム合金材、シリンダ本体ADC12
と比較して低減した。鋳包み材であるシリンダ本体AD
C12の線膨張係数との比率は0.85であり、スリー
ブの鋳込み時の締め付け変形が改善された。
【0069】
【表1】 また、250℃×1時間の加熱後除冷する焼鈍により鋳
包み時の界面隙間が表2に示すように減少する。スリー
ブの円周方向に8箇所でスリーブとシリンダ本体との界
面隙間を測定した。ボアNo4のものは異常として金型
冷却を停止する。
【0070】
【表2】 鋳包み時の界面隙間が減少すると、表1に示すように、
ライナー基材のヤング率が向上し、ホーニング後のシリ
ンダの真円度、円筒度が改善され、ピストンリングの追
従性、シール性が改善される。
【0071】また、鋳包み時の界面隙間が減少すると、
熱伝達性の均一化と改善が行なわれ、運転中の局部変形
の改善が可能になり、ホーニング後のシリンダの真円
度、円筒度が改善され、ピストンリングの追従性、シー
ル性が改善され、オイル消費の改善された。
【0072】前記実施例1乃至実施例3において、急冷
凝固粉末固化押し出し形成材料を用いて押出加工し、こ
の押出加工条件、例えば押出速度、温度等を調整するこ
とによって、図5に示すように、スリーブ基材の外表面
に、高さ0.1〜2mmの長さ方向に平行な連続した突
起100を形成すると共に、表面に深さ10μm〜1m
mの微小クラック101を一様に分布させた。
【0073】図6はスリーブ表面き烈深さとスリーブ強
度及び界面隙間の関係を示す図であり、表面に深さ10
μm〜1mmがスリーブ強度が大きく、界面隙間を小さ
くすることができ烈深さの最適範囲であり、この深さ1
0μm〜1mmの微小クラック101を一様に分布させ
ることで、鋳物のシリンダ本体2aとの接合を強固に
し、かつ熱の伝達を均一にすることができる。
【0074】前記実施例1乃至実施例3において、リン
及び共析物を含むニッケル系の分散メッキを高速で行な
い、ニッケル(Ni)−リン(P)−シリコンカーバイ
ト(SiC)の分散メッキを高速で行うものであるが、
このNi−P−SiC分散メッキは、次のような性質を
有する。
【0075】スリーブ3の内周面にNi−P−SiC分
散メッキを施した場合に、スリーブ3の内周面に、Ni
−Pマトリックス51及びSiCの共析粒子52を含む
メッキ膜50が形成される。このメッキ膜50の表面に
は、潤滑のためにホーニング目からなるオイルポケット
53が形成されるが、さらに、運転によるピストン5の
摺動が繰り返されると、硬いシリコンカーバイト(Si
C)の共析粒子52は残ってNi−Pマトリックス51
が摩耗することにより、新たなオイルポケット54が生
じる。従って、長期間にわたってオイル潤滑を良好に行
わせることができる。
【0076】また、温度とメッキ硬度との関係を、上記
のNi−P−SiC分散メッキと、Ni−SiC分散メ
ッキと、ハードクロムメッキとについて調べると、Ni
−P−SiC分散メッキは、とくに350℃程度で熱処
理すれば、ハードクロムメッキよりも硬度が高く、リン
(P)を含まないNi−SiC分散メッキと比べると硬
度が大幅に高められる。このことから、リンを含有させ
ることで熱処理後の硬度が高められることがわかる。
【0077】この実施例では、板状試験片にメッキを施
したものについてやすり試験、ドリル孔あけ試験、加熱
急冷試験等によりメッキの密着性を評価したところ、溶
製材に比べ明らかに密着性が向上していることが確認さ
れた。また、内燃機関の耐久試験を行なったところ、出
力性能を維持したまま、オイル消費量が、従来の約1/
2に低減することが確認され、メッキ剥離等のトラブル
はまったく発生しなかった。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明では、熱伝導性、加工性、メッキ性を損なうことが
なく、スリーブの線膨張係数をシリンダ本体の線膨張係
数より小さな値にできる。
【0079】請求項2に記載の発明では、スリーブの線
膨張係数がシリンダ本体の線膨張係数より小さいことか
ら、シリンダ本体側の凝固収縮及び凝固後の熱収縮によ
るスリーブ締め付け力が低下することがなく、スリーブ
とシリンダ本体との間で隙間がなくなり、スリーブから
シリンダ本体側への熱伝達が良好でホットスポット化
し、ピストンとの焼き付きを防止することができる。
【0080】請求項3に記載の発明では、スリーブの線
膨張係数をシリンダ本体の線膨張係数より少なくとも1
0%小さな値にしたことで、シリンダ本体側の凝固収縮
及び凝固後の熱収縮によるスリーブ締め付け力がより低
下することがなく、さらにスリーブとシリンダ本体との
間で隙間がなくなる。
【0081】請求項4に記載の発明では、スリーブを構
成するアルミニウム合金に、シリコン(Si)を15〜
38重量%含有させることで、スリーブの線膨張係数を
小さくでき、しかも熱伝導性、加工性、メッキ性を損な
うことがない。
【0082】請求項5に記載の発明では、シリコン(S
i)を平均粒径が2〜10μmの初晶シリコン(Si)
とすることで、スリーブの線膨張係数をより小さくで
き、しかも熱伝導性、加工性、メッキ性を損なうことが
ない。
【0083】請求項6に記載の発明では、スリーブを平
均粒径が20〜100μmのアルミニウム合金粉末を凝
集固化して形成することで、スリーブの線膨張係数をよ
り小さくすることができ、しかも熱伝導性、加工性、メ
ッキ性を損なうことがない。
【0084】請求項7に記載の発明では、請求項2乃至
請求項6に加え、ピストンの線膨張係数をスリーブの線
膨張係数より大きくすることで、スリーブ内周の円筒
度、真円度が維持され、ピストンリングによる燃焼室と
クランク室との隔離性が向上し、オイル消費量の増大、
燃焼ガスの吹き抜けによる燃費悪化、オイル劣化を防止
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スリーブが乾式構造の水冷式4サイクル内燃機
関の断面図である。
【図2】図1のII-II線に沿う断面図である。
【図3】スリーブが湿式構造の水冷式4サイクル内燃機
関の断面図である。
【図4】内燃機関用シリンダブロックの製造工程を示す
図である。
【図5】スリーブ基材の外表面の状態を示す図である。
【図6】スリーブ表面き烈深さとスリーブ強度及び界面
隙間の関係を示す図である。
【符号の説明】 1 水冷式4サイクル内燃機関 2 内燃機関用シリンダブロック 2a シリンダ本体 3 スリーブ 4 ピストン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B22F 7/08 B22F 7/08 D C22C 1/02 503 C22C 1/02 503J 21/02 21/02 F02F 1/08 F02F 1/08 A 1/16 1/16 A (72)発明者 荒木 健志 静岡県磐田市新貝2500番地 ヤマハ発動機 株式会社内 (72)発明者 中尾 大介 静岡県磐田市新貝2500番地 ヤマハ発動機 株式会社内 Fターム(参考) 3G024 AA02 AA04 AA06 AA09 AA11 AA14 AA15 AA18 AA26 AA27 AA28 AA36 AA37 AA45 AA72 BA20 CA05 DA01 DA03 DA04 DA10 DA12 DA18 FA03 FA08 GA02 GA12 GA17 GA18 GA21 GA27 HA07 4K018 AA16 BB06 CA23 HA03 KA08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スリーブ基材に、アルミニウム合金に15
    〜38重量%のシリコン(Si)を加えた化学組成をも
    つ急冷凝固粉末固化押し出し形成材料を用いて形成した
    ことを特徴とするシリンダスリーブ。
  2. 【請求項2】アルミニウム合金製のスリーブを、アルミ
    ニウム合金鋳造製のシリンダ本体に鋳包んだ内燃機関用
    シリンダブロックであり、 前記スリーブの線膨張係数をシリンダ本体の線膨張係数
    より小さくしたことを特徴とする内燃機関用シリンダブ
    ロック。
  3. 【請求項3】前記スリーブの線膨張係数をシリンダ本体
    の線膨張係数より少なくとも10%小さな値にしたこと
    を特徴とする請求項2に記載の内燃機関用シリンダブロ
    ック。
  4. 【請求項4】前記スリーブを構成するアルミニウム合金
    に、シリコン(Si)を15〜38重量%含有させたこ
    とを特徴とする請求項2または請求項3に記載の内燃機
    関用シリンダブロック。
  5. 【請求項5】前記シリコン(Si)を平均粒径が2〜1
    0μmの初晶シリコン(Si)としたことを特徴とする
    請求項4に記載の内燃機関用シリンダブロック。
  6. 【請求項6】前記スリーブを平均粒径が20〜100μ
    mのアルミニウム合金粉末を凝集固化して形成したこと
    を特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記
    載の内燃機関用シリンダブロック。
  7. 【請求項7】請求項2乃至請求項6のいずれかに記載の
    内燃機関用シリンダブロックのシリンダ内にピストンを
    往復動可能に収納し、このピストンの線膨張係数をスリ
    ーブの線膨張係数より大きくしたことを特徴とする内燃
    機関。
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