JP2000042312A - 濾過方法および濾過装置 - Google Patents

濾過方法および濾過装置

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JP2000042312A JP10212227A JP21222798A JP2000042312A JP 2000042312 A JP2000042312 A JP 2000042312A JP 10212227 A JP10212227 A JP 10212227A JP 21222798 A JP21222798 A JP 21222798A JP 2000042312 A JP2000042312 A JP 2000042312A
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吉隆 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】濾過エレメントに目詰まりを容易に生じさせな
いようにして原水の濾過処理を連続して効率良く行うこ
とができるようにする。 【解決手段】周面部に多数の透孔20を有する筒状の濾
過エレメント2が内部に設けられているケーシング1内
に原水Wを連続的に流入させて、ケーシング1内におい
て原水Wの渦巻流を生じさせながら原水Wを濾過エレメ
ント2によって濾過する濾過方法であって、原水Wを濾
過エレメント2よりも下方の位置からケーシング1内に
流入させることにより、原水Wの渦巻流を濾過エレメン
ト2の下方から濾過エレメント2の内側に向けて進行さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本願発明は、異物を含有する各種の水(原
水)の濾過処理を効率良く行うための濾過方法および濾
過装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、濾過装置の具体例としては、特公
平2−18890号公報に記載の濾過装置がある。この
従来の濾過装置は、本願の図4に示すように、原水流入
管90やドレン管91を有するケーシング92内に、略
円筒状の濾過エレメント93を設けたものであり、この
濾過エレメント93の底部には処理水排出管94が接続
されている。上記原水流入管90は、原水を上記ケーシ
ング92の上部からその内部へ上記ケーシング92の接
線方向に流入させるように設けられている。
【0003】このような構成の濾過装置によれば、原水
流入管90からケーシング92内に流入した原水が濾過
エレメント93を中心として旋回する渦巻流となり、こ
の原水が濾過エレメント93の外周面に接触しつつ、こ
の濾過エレメント93の多数の透孔93aを透過して原
水の濾過処理がなされる。そして、この濾過された処理
水は、処理水排出管94を介して外部に排出される。し
たがって、原水の濾過処理を連続して行うことができ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の濾過装置では、次のような不具合を生じていた。
【0005】すなわち、従来では、濾過エレメント93
の上部から下部に進行する原水の渦巻流を生じさせて、
この渦巻流を濾過エレメント93の外周面に接触させて
いるために、この原水の渦巻流に含まれている種々の異
物は、そのサイズや比重の大小を問うことなく濾過エレ
メント93の外周面に無差別に接触する。このため、濾
過エレメント93に対する異物の接触度合い多くなる。
とくに、従来では、濾過エレメント93の外周囲におい
て原水の渦巻流を発生させているが、このような原水の
渦巻流を発生させると、その渦巻流の中心部に異物が集
まり易くなるという特有の現象がみられるために、濾過
エレメント93の外周面への異物の接触度合いは一層多
くなる。したがって、従来では、濾過エレメント93の
透孔93aに原水中の異物が詰まり易くなっており、濾
過装置の濾過処理能率が短時間で低下するという不具合
が生じていた。また、目詰まりした濾過エレメント93
の洗浄作業を頻繁に行う必要も生じ、その作業も煩わし
いものとなっていた。
【0006】本願発明は、このような事情のもとで考え
出されたものであって、濾過エレメントに目詰まりを容
易に生じさせないようにして原水の濾過処理を連続して
効率良く行うことができるようにすることをその課題と
している。
【0007】
【発明の開示】上記の課題を解決するため、本願発明で
は、次の技術的手段を講じている。
【0008】本願発明の第1の側面によれば、濾過方法
が提供される。この濾過方法は、周面部に多数の透孔を
有する筒状の濾過エレメントが内部に設けられているケ
ーシング内に原水を連続的に流入させて、上記ケーシン
グ内において上記原水の渦巻流を生じさせながら上記原
水を上記濾過エレメントによって濾過する、濾過方法で
あって、上記原水を上記濾過エレメントよりも下方の位
置から上記ケーシング内に流入させることにより、上記
原水の渦巻流を上記濾過エレメントの下方から上記濾過
エレメントの内側に向けて進行させることに特徴づけら
れる。
【0009】本願発明では、ケーシング内において発生
させた原水の渦巻流が筒状の濾過エレメントの内側をそ
の下方から上方に向けて進行する際に、その原水が濾過
エレメントの周面部の透孔を通過することにより濾過さ
れることとなり、原水を連続して濾過することができ
る。そして、本願発明では、これに加えて、次のような
格別な効果が得られる。
【0010】すなわち、本願発明では、濾過エレメント
の下方から濾過エレメントの内側に原水を流入させてい
るために、原水中の比重の大きな異物については、濾過
エレメント内に流入する以前の段階において沈降させ、
濾過エレメントの内側に供給されないようにできる。し
たがって、その分だけ、濾過エレメントの周面部に対す
る異物の接触度合いを少なくすることができる。また、
本願発明では、原水の渦巻流を濾過エレメントの内側に
流入させているために、その渦巻流に含まれている異物
の多くを渦巻流の中心部に集めることによって、これら
の異物が濾過エレメントの周面部に直接接触し難い状態
にすることができ、このような作用によっても、濾過エ
レメントの周面部に対する異物の接触度合いを少なくす
ることができる。本願発明では、濾過エレメントの周面
部の内面に対して異物を多く含まない原水の渦巻流を接
触させることができるが、このような高速流としての渦
巻流は、濾過エレメントの透孔に詰まっている異物を濾
過エレメントから積極的に剥離除去させる作用をも生じ
させることとなる。
【0011】このように、本願発明では、原水に含まれ
ている異物が濾過エレメントの周面部に直接接触する度
合いを少なくし、しかも異物を多く含まない高速の渦巻
流が濾過エレメントの目詰まり状態を解消する作用を発
揮することも期待できる。このため、本願発明では、濾
過エレメントに目詰まりを生じ難くすることができ、効
率の良い濾過処理を長期にわたって継続することができ
る。また、目詰まりした濾過エレメントの洗浄作業を頻
繁に行う必要も無くすことができる。
【0012】本願発明の第2の側面によれば、濾過装置
が提供される。この濾過装置は、周面部に多数の透孔を
有する筒状の濾過エレメントと、この濾過エレメントを
略鉛直状に起立させた姿勢で内部に設けているととも
に、上記濾過エレメントの下方に原水流入室を形成して
いるケーシングと、上記ケーシングの外部から上記原水
流入室内にこの原水流入室の周壁部の接線方向に原水を
流入させるための原水流入口と、上記原水流入室から上
記濾過エレメントの内側に進行した原水が上記複数の透
孔を通過して得られた処理水を上記ケーシングの外部へ
排出させるための処理水排出口と、を具備していること
に特徴づけられる。
【0013】本願発明の第2の側面によって提供される
濾過装置では、原水流入口からケーシング内の原水流入
室内に原水を流入させて、ケーシング内の各部に適当量
の原水を満たすと、この原水は上記原水流入室の周壁部
の接線方向に流入することによって渦巻流にできるとと
もに、この原水流入室内に発生させた原水の渦巻流を上
記濾過エレメントの下方から上記濾過エレメントの内側
に向けて進行させることができる。そして、上記濾過エ
レメントの内側に向けて進行した原水が上記濾過エレメ
ントの周面部の透孔を通過して濾過されると、その処理
水は処理水排出口を介してケーシングの外部に排出され
ることとなる。したがって、本願発明の第2の側面によ
って提供される濾過装置では、本願発明の第1の側面に
よって提供される濾過方法を適切に実施することがで
き、本願発明の第1の側面によって得られるのと同様な
効果が期待できる。すなわち、上記濾過装置を用いれ
ば、原水に含まれている比重の大きな異物については、
原水流入室から濾過エレメントの内側へ向けて上昇しな
いようにできるとともに、それ以外の異物については、
濾過エレメントの内側を進行する原水の渦巻流の中央部
に集めるようにして、濾過エレメントの周面部に対する
異物の接触度合いを少なくすることができる。さらに
は、濾過エレメントに目詰まりが生じることを原水の渦
巻流によって防止することも可能となり、濾過エレメン
トに目詰まりを極力生じさせないようにして、原水の連
続した濾過処理を効率良く行うことができる。
【0014】本願発明の好ましい実施の形態では、上記
ケーシング内の上記原水流入室の下方には、この原水流
入室内に流入した原水を一部流入させて貯留可能な底部
貯水室が設けられているとともに、この原水流入室に
は、開閉バルブを備えたドレン抜きパイプが設けられて
いる。
【0015】このような構成によれば、原水流入室に流
入した原水に含まれている比重の大きな異物を原水流入
室からその下方の底部貯水室に流れ込ませておくことに
より、比重の大きな異物が原水の渦巻流に紛れ込んで濾
過エレメントの内側へ不用意に流れ込んでしまうことを
抑制することが可能となる。また、上記底部貯水室内に
流れ込んだ異物の量が多くなった場合には、開閉バルブ
を開くことによって上記異物をドレン抜きパイプからケ
ーシングの外部へ簡単に排出させることができ、異物の
排出処理も容易に行える。
【0016】本願発明の他の好ましい実施の形態では、
上記原水流入室と上記底部貯水室とは、略中央部に開口
孔を有する区画板を介して区画されている。
【0017】このような構成によれば、原水流入室と底
部貯水室とを区画板を介して区画しておくことができる
ために、底部貯水室内に流れ込んでいる異物が原水流入
室を通過して濾過エレメントの内側に到達することをよ
り適切に抑制することが可能となる。一方、上記区画板
の略中央部には開口孔が設けられているために、比重の
大きな異物については、この開口孔を介して原水流入室
から底部貯水室内に適切に流れ込ませることができる。
【0018】本願発明の他の好ましい実施の形態では、
上記ケーシング内の上記濾過エレメントの上方には、上
記濾過エレメントの内側を通過してきた原水を一部流入
させて貯留可能な上部貯水室が設けられているととも
に、この上部貯水室には、開閉バルブを備えた排水用パ
イプが設けられている。
【0019】このような構成によれば、濾過エレメント
の内側を通過した原水をこの濾過エレメントよりも上方
に設けられている上部貯水室で貯留させることできる
が、この上部貯水室には、原水の渦巻流の中央部に集め
られた異物のうち比重が比較的小さい異物を浮遊させる
ことができる。このように上部貯水室内に異物を浮遊さ
せておけば、この異物が濾過エレメントの周面部に接触
しないようにすることができ、濾過エレメントに目詰ま
りをより生じ難くすることができる。また、上記上部貯
水室内に浮遊する異物の量が多くなった場合には、開閉
バルブを開けることにより、上記異物を上部貯水室内の
原水とともに排水用パイプを介して外部に適切に取り出
すことができる。
【0020】本願発明の他の好ましい実施の形態では、
上記ケーシングの周壁部には、上記濾過エレメントの周
面部に洗浄水を噴射する1または複数の洗浄水噴射ノズ
ルが設けられているとともに、上記ケーシングの上部に
は、上記濾過エレメントをその軸心周りに回転させる駆
動手段が設けられている。
【0021】このような構成によれば、濾過エレメント
に仮に目詰まりが生じた場合であっても、駆動手段によ
って濾過エレメントをその軸心周りに回転させながらそ
の周面部に対して洗浄水噴射ノズルから洗浄水を噴射さ
せることによって、濾過エレメントの周面部を洗浄し、
その目詰まり状態を適切に解消することができる。した
がって、原水の濾過処理効率を高める上で、一層好まし
いものとなる。また、このような濾過エレメントの洗浄
処理は、原水の濾過処理を行っている最中に行うことが
可能であり、濾過エレメントの洗浄処理のために原水の
濾過処理を中断するような必要もない。さらに、上記濾
過エレメントを回転させるための駆動手段は、ケーシン
グの上部に設けられているために、装置全体の幅方向の
サイズが嵩張らないようにできる。また、濾過エレメン
トを回転させるための具体的な機構としては、ケーシン
グの上部に設けられた駆動手段と濾過エレメントとを適
当な連結部材を介して直結した構造とすればよいから、
その構造も非常に簡素なものにできる。
【0022】本願発明のその他の特徴および利点は、以
下に行う発明の実施の形態の説明から、より明らかにな
るであろう。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の好ましい実施の
形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0024】図1は、本願発明に係る濾過装置の一例を
示す断面図である。図2は、図1のII−II断面図であ
る。図3は、図1のIII −III 断面図である。
【0025】図1において、この濾過装置Aは、ケーシ
ング1、濾過エレメント2、この濾過エレメント2を回
転させるための駆動機構4、複数の洗浄水噴射ノズル
3、およびその他後述する各部を具備して構成されてい
る。
【0026】上記ケーシング1は、その全体の材質がた
とえば防錆性に優れたステンレス製とされており、複数
のケーシング本体10a〜10dを上下方向(鉛直方
向)に一連に連結して構成されている。これら複数のケ
ーシング本体10a〜10dは、複数本のボルト11を
介して互いに連結が可能なフランジ部を有する複数の略
円筒状または有底の略円筒状である。上記ケーシング1
の内部には、上部貯水室12、処理水排出室13、原水
流入室14、および底部貯水室15が形成されている。
【0027】上記原水流入室14は、ケーシング本体1
0cの内部に形成されており、濾過エレメント2よりも
下方に位置している。この原水流入室14の略円筒状の
周壁部14aには原水流入口5Aが設けられている。こ
の原水流入口5Aは、上記ケーシング本体10cに取付
けられた管体50の先端開口部に相当しており、この管
体50には貯留タンク7に一端が繋がった原水供給用配
管70の他端が接続されている。この原水供給用配管7
0にはポンプPが設けられており、このポンプPの吐出
圧によって上記貯留タンク7内の原水が上記原水流入口
5Aに供給されるように構成されている。図2によく表
れているように、上記管体50は、その軸長方向が上記
周壁部14aの接線方向に延びるように設けられてお
り、原水流入口5Aは上記原水流入室14の中央部には
対向しないように上記周壁部14aの偏った位置に設け
られている。このため、上記原水流入口5Aから原水流
入室14内に流入した原水Wは、上記原水流入室14の
周壁部14aの内面に沿って旋回する渦巻流となる。
【0028】図1において、上記底部貯水室15は、有
底状のケーシング本体10dの内部に形成されており、
上記原水流入室14の下方に位置している。この底部貯
水室14の底部には、開閉バルブ60を備えたドレン抜
きパイプ61が連結されている。上記開閉バルブ60
は、遠隔操作によってその開閉動作が可能な開閉バルブ
とされている。ただし、手動操作式のバルブとされてい
てもかまわない。これは、後述する他の開閉バルブ66
やエア抜きバルブ68についても同様である。上記底部
貯水室15は、ケーシング1に固定して取付けられた区
画板62を介して上記原水流入室14と区画されてい
る。ただし、上記区画板62は、その略中央部に貫通孔
としての開口孔63を形成した中空円板状であり、上記
底部貯水室15と原水流入室14とは上記開口孔63を
介して互いに連通している。
【0029】上記処理水排出室13は、ケーシング本体
10bの内部のうち、上記濾過エレメント2の外周囲に
形成されている。この処理水排出室13は、濾過エレメ
ント2によって濾過された水(処理水)を一時的に収容
させておくための室であり、2つの仕切板64,65を
介して上部貯水室12や原水流入室14とは仕切られて
いる。この処理水排出室13の周壁部には、処理水排出
口5Bが設けられている。この処理水排出口5Bは、上
記ケーシング本体10bに取付けられた管体51の先端
開口部に相当している。
【0030】上記上部貯水室12は、上記ケーシング本
体10aの内部に形成されており、上記濾過エレメント
2よりも上方に位置している。この上部貯水室12の周
壁部の底部近傍には、開閉バルブ66を有する排水用パ
イプ67が連結されている。この上部貯水室12の上部
は蓋体16により密閉されている。ただし、この蓋体1
6にはエア抜き用バルブ68が設けられており、このエ
ア抜き用バルブ68を閉状態としたときには、上記ケー
シング1の内部を密閉または略密閉状態に設定できるよ
うに構成されている。上記エア抜き用バルブ68を閉状
態としたときには、上記ケーシング1内の密閉または略
密閉状態が解除されるが、これはケーシング1内の原水
Wを外部に排出させる場合にこれを短時間で迅速に行わ
せるのに好適となる。
【0031】上記濾過エレメント2は、好ましくはステ
ンレスなどの防錆性に優れた材質からなり、ケーシング
1よりも小径の略円筒状に形成されている。この濾過エ
レメント2の周面部の全体または一部の領域には、多数
の透孔20が形成されている。これら多数の透孔20
は、ケーシング1の周面部の厚み方向に貫通した孔であ
り、その直径はたとえば十分の数ミリ程度である。この
濾過エレメント2は、上記ケーシング本体10bの内側
に略鉛直状に起立した姿勢に設けられており、この濾過
エレメント2の内側領域21は原水流入室14と上部貯
水室12とのそれぞれに連通している。また、この濾過
エレメント2は、その軸心周りに回転できるように仕切
板64,65に対して摺動可能である。
【0032】上記駆動機構4は、上記ケーシング1の上
部、より厳密には上記蓋体16の上面部に取付けられた
モータMと、このモータMの駆動軸と上記濾過エレメン
ト2の上部とを連結する複数の連結部材40,41とを
具備して構成されている。連結部材40は、上記濾過エ
レメント2の上部に嵌合して連結された筒状の部材であ
る。これに対して、連結部材41は、上記連結部材40
よりも上方に進んだ原水を上部貯水室12内の各部に流
れ込ませることが可能なアーム状の部材である。上記駆
動機構4は、上記モータMを駆動させることによって上
記濾過エレメント2をその軸心周りに回転させるように
動作するものである。ただし、好ましくは、図3に示す
ように、上記濾過エレメント2の回転方向N1は、原水
Wの渦巻方向N2とは逆方向となるように設定されてい
る。さらに好ましくは、上記モータMは、図示しないタ
イマ設定装置によって予め設定された一定時間ごとに所
定時間だけ駆動させることができるように構成されてい
る。
【0033】図1において、上記複数の洗浄水噴射ノズ
ル3は、配管30を介して一定の水圧で供給されてくる
洗浄水を噴射するものであり、濾過エレメント2の周面
部の外周面に向けて洗浄水を噴射できるようにケーシン
グ1の周壁部に取付けられている。好ましくは、これら
複数の洗浄水噴射ノズル3は、上記モータMが駆動して
濾過エレメント2が回転しているときにのみこれに連動
して洗浄水を濾過エレメント2に向けて噴射できるよう
に構成されている。上記洗浄水としては、水道水、ある
いはこの濾過装置Aによって得られた処理水などを用い
ることが可能である。
【0034】次に、上記濾過装置Aを用いて原水Wを濾
過する方法について説明する。
【0035】まず、原水Wを原水流入室14内に連続し
て流入させる。図2において説明したとおり、原水流入
口5Aから原水流入室14内に流入した原水Wは一定方
向に旋回する渦巻流となる。この渦巻流は、ケーシング
1内に原水Wを満たした状態においても継続して発生さ
せることができ、濾過エレメント2の内側領域21内に
おいても渦巻流を発生させることができる。すなわち、
上記濾過装置Aでは、原水流入室14内で発生した原水
Wの渦巻流を濾過エレメント2の内側領域21内に進行
させてゆくことができ、これによって原水Wを上記濾過
エレメント2によって連続して濾過することができる。
【0036】ただし、上記原水Wに含まれている金属
片、石、セラミック、あるいはその他の固形物などの比
重の大きな異物m1については、原水流入室14の底部
に沈降させることができる。また、原水Wを渦巻流にす
れば、その原水Wに含まれている異物をその渦巻流の中
央部に寄せ集めることが可能である。このため、比重の
大きな異物m1については、区画板62の略中央部の開
口孔63を介して底部貯水室15内に流れ込ませること
ができる。したがって、濾過エレメント2の内側領域2
1に流入する原水W中には、比重の大きな異物m1が含
まれないようにすることができ、その分だけ濾過エレメ
ント2の濾過処理負担を軽減することができる。上記底
部貯水室15内に貯留された原水も、底部貯水室15内
の水流の影響を受けて渦巻流となるが、底部貯水室15
と原水流入室14とは区画板62によって区画されてい
るために、底部貯水室15内に流れ込んだ異物m1が原
水流入室14内へ再浮上することは極力防止されること
となる。
【0037】上記濾過エレメント2の内側領域21に原
水Wの渦巻流を発生させると、この原水Wに残存してい
る異物をやはりこの渦巻流の中央部に寄せ集めることが
できる。したがって、濾過エレメント2の周面部の内周
面には原水W中の異物が極力接触しないようにできる。
その結果、濾過エレメント2の透孔20には目詰まりを
生じないようにでき、原水Wの濾過処理を上記濾過エレ
メント2によって効率よく行うことができる。また、濾
過エレメント2の周面部の内周面には、異物を多く含ま
ない原水の渦巻流(高速流)が作用するために、この渦
巻流が濾過エレメント2の透孔20内に進入している異
物を濾過エレメント2から剥離除去させる作用をも発揮
することとなり、濾過エレメント2に目詰まりが一層生
じ難くすることもできる。濾過エレメント2の透孔20
を通過して濾過された処理水は、処理水排出室13、お
よび処理水排出口5Bを経て外部に連続して排出され、
所望の位置へ液送される。
【0038】上記濾過エレメント2の内側領域21に流
入した原水Wに含まれている比重の小さな異物m2は、
濾過エレメント2よりも上方の上部貯水室12内に流れ
込ませることができる。したがって、比重の小さな異物
m2については、上部貯水室12に順次蓄積させてゆく
ことができ、この異物m2が濾過エレメント2の内側領
域21内に再下降して透孔20に詰まらないようにする
ことができる。異物m2が筒状の連結部材40の外周囲
の箇所に流れ込んだ場合には、この異物m2が濾過エレ
メント2の内側領域21に再度流れ込むことを上記連結
部材40によって妨げることができる。
【0039】上記上部貯水室12内における異物m2の
堆積量が多くなり、また底部貯水室15内における異物
m1の堆積量が多くなった場合には、開閉バルブ66や
開閉バルブ60を開ければよい。これにより、上部貯水
室12内の異物m2を少量の原水とともに排水用パイプ
67を介して外部へ簡単に取り出すことができる。また
同様に、底部貯水室15内の異物m1をドレン抜きパイ
プ61を介して外部へ簡単に取り出すことができる。
【0040】上記濾過方法によれば、濾過エレメント2
に目詰まりが極力生じないようにできるものの、やはり
濾過処理を長期にわたって実行すると、濾過エレメント
2に多少の目詰まりを生じる場合がある。このため、上
記濾過装置Aでは、モータMを駆動させて濾過エレメン
ト2を回転させながら、この濾過エレメント2の周面部
に複数の洗浄水噴射ノズル3から洗浄水を噴射させ、そ
の洗浄処理を行う。この洗浄処理は、原水Wの濾過処理
を実行している最中に定期的にまたは不定期に行うこと
が可能である。原水Wの濾過処理実行中においては、上
記複数の洗浄水噴射ノズル3と濾過エレメント2との間
には処理水排出室13内の処理水が存在するが、洗浄水
は一定圧を有する水流となって濾過エレメント2の周面
部の外周に衝突する。したがって、濾過エレメント2の
透孔20内に進入して目詰まり状態を生じさせていた異
物は、上記水流によって強制的に濾過エレメント2の内
側領域21に押し戻されることとなり、濾過エレメント
2の目詰まりが解消される。上記濾過エレメント2は回
転するために、その周面部の全周にわたって洗浄水を効
率良く噴射させることができ、濾過エレメント2の全体
の目詰まり解消を図ることができる。さらに、図3に示
したように、上記濾過エレメント2の回転方向N1を、
原水Wの渦巻き方向N2とは逆方向にすると、濾過エレ
メント2の周面部に対する原水Wの渦巻流の相対的な流
速をより高速にすることができる。したがって、この原
水Wの渦巻流の相対的な流速の高速化によっても、濾過
エレメント2の目詰まり状態を解消する効果が期待でき
ることとなる。
【0041】本願発明に係る濾過方法、および濾過装置
の具体的な構成は、上述の実施形態に限定されるもので
はない。
【0042】本願発明は、原水の種類もとくに限定され
ず、各種の産業排水、下水などの家庭・生活用の排水、
泥やその他の異物を含む雪解け水、プールや銭湯などで
使用された水などの各種の水の濾過処理用途に適用する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る濾過装置の一例を示す断面図で
ある。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】図1のIII −III 断面図である。
【図4】従来の濾過装置の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
A 濾過装置 W 原水 m1,m2 異物 M モータ 1 ケーシング 2 濾過エレメント 3 洗浄水噴射ノズル 4 駆動機構 5A 原水流入口 5B 処理水排出口 12 上部貯水室 13 処理水排出室 14 原水流入室 15 底部貯水室 20 透孔 21 内側領域(濾過エレメントの) 60 開閉バルブ 61 ドレン抜きパイプ 66 開閉バルブ 67 排水用パイプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 29/38 520C 29/40 29/42 501C 510

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周面部に多数の透孔を有する筒状の濾過
    エレメントが内部に設けられているケーシング内に原水
    を連続的に流入させて、上記ケーシング内において上記
    原水の渦巻流を生じさせながら上記原水を上記濾過エレ
    メントによって濾過する、濾過方法であって、 上記原水を上記濾過エレメントよりも下方の位置から上
    記ケーシング内に流入させることにより、上記原水の渦
    巻流を上記濾過エレメントの下方から上記濾過エレメン
    トの内側に向けて進行させることを特徴とする、濾過方
    法。
  2. 【請求項2】 周面部に多数の透孔を有する筒状の濾過
    エレメントと、 この濾過エレメントを略鉛直状に起立させた姿勢で内部
    に設けているとともに、上記濾過エレメントの下方に原
    水流入室を形成しているケーシングと、 上記ケーシングの外部から上記原水流入室内にこの原水
    流入室の周壁部の接線方向に原水を流入させるための原
    水流入口と、 上記原水流入室から上記濾過エレメントの内側に進行し
    た原水が上記複数の透孔を通過して得られた処理水を上
    記ケーシングの外部へ排出させるための処理水排出口
    と、 を具備していることを特徴とする、濾過装置。
  3. 【請求項3】 上記ケーシング内の上記原水流入室の下
    方には、この原水流入室内に流入した原水を一部流入さ
    せて貯留可能な底部貯水室が設けられているとともに、
    この原水流入室には、開閉バルブを備えたドレン抜きパ
    イプが設けられている、請求項2に記載の濾過装置。
  4. 【請求項4】 上記原水流入室と上記底部貯水室とは、
    略中央部に開口孔を有する区画板を介して区画されてい
    る、請求項3に記載の濾過装置。
  5. 【請求項5】 上記ケーシング内の上記濾過エレメント
    の上方には、上記濾過エレメントの内側を通過してきた
    原水を一部流入させて貯留可能な上部貯水室が設けられ
    ているとともに、この上部貯水室には、開閉バルブを備
    えた排水用パイプが設けられている、請求項2ないし4
    のいずれかに記載の濾過装置。
  6. 【請求項6】 上記ケーシングの周壁部には、上記濾過
    エレメントの周面部に洗浄水を噴射する1または複数の
    洗浄水噴射ノズルが設けられているとともに、上記ケー
    シングの上部には、上記濾過エレメントをその軸心周り
    に回転させる駆動手段が設けられている、請求項2ない
    し5のいずれかに記載の濾過装置。
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