JP2000040593A - 電界発光素子及びその製造方法 - Google Patents
電界発光素子及びその製造方法Info
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Abstract
素子及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 ガラス基板1上に、順次ITOでなる透
明電極2をパターン形成し、その上に正孔輸送層3、発
光層4、電子輸送層5でなる有機EL層6を積層する。
その後、電子輸送層5の上に、10nm以下の膜厚のM
gAgでなる金属膜7を形成し、この金属膜7をO2、
O3に晒すことで絶縁膜7Aに変化させる。さらに、絶
縁膜7A上にMgAgを蒸着して背面電極7Bを所定の
膜厚に形成する。このように絶縁膜7Aが背面電極7B
と同一材料を酸化させて形成したものであるため、電子
輸送層4への電子注入効率の向上が図れ、発光開始電圧
や発光効率を向上させることができる。
Description
その製造方法に関し、さらに詳しくは、有機エレクトロ
ルミネッセンス(以下、有機ELという)材料を用いる
電界発光素子及びその製造方法に係わる。
の上にアノード電極が形成され、その上に、例えば、正
孔輸送層と発光層と電子輸送層との3層からなる有機層
が形成され、この電子輸送層の上に、例えばフッ化リチ
ウム(LiF)でなる極薄い膜厚の絶縁膜が蒸着法によ
り堆積され、この絶縁膜の上に低仕事関数金属でなるカ
ソード電極が形成された構造の電界発光素子がある。こ
のような電界発光素子においては、バイアス電圧を積極
的に印加することで電子注入効率を向上させ、絶縁膜を
介在しない構造の電界発光素子に比較して発光開始電圧
や発光効率を向上させることが知られている。
する電界発光素子及び容易に電界発光素子を製造する製
造方法を提供することを目的としている。
透明電極と対向電極との間に電界発光層が介在された電
界発光素子であって、前記対向電極と前記電界発光層と
の間に、前記対向電極と同じ材料の酸化物でなる絶縁薄
膜が介在されていることを特徴としている。
膜が対向電極と同じ材料の酸化物でなるため界面での接
合性に優れた構造のため、電子注入効率を高め、発光開
始電圧や発光効率を向上する作用がある。
造方法であって、透明電極の上に電界発光層を形成する
工程と、前記電界発光層の上に対向電極を形成する工程
と、前記対向電極の前記電界発光層と接合する界面を酸
化して絶縁薄膜を形成する工程と、を備えることを特徴
としている。
向電極の電子注入界面を酸化して絶縁薄膜を形成するた
め、容易に成膜でき、、対向電極から電界発光層へのキ
ャリア注入効率の高い電界発光素子の製造工程を簡略化
することができる。
界発光素子の製造方法であって、前記絶縁薄膜は、前記
対向電極を形成する際に前記電界発光層の上に極薄い対
向電極材料膜を形成した後に、該対向電極材料膜を酸素
及び/またはオゾン雰囲気に晒すことにより酸化して形
成されることを特徴としている。
極の材料膜の堆積を一旦停止して酸化を行うことで絶縁
薄膜が形成できるため、製造工程が繁雑となることがな
い。また、絶縁薄膜が対向電極材料を緻密に酸化してな
るため、カソード電極との接合面での接合性が良好であ
りキャリア注入効率の高い電界発光素子を製造すること
ができる。
界発光素子の製造方法であって、前記絶縁薄膜は、前記
電界発光層を形成した後に当該電界発光層に酸素又はオ
ゾンを吸着させた後前記対向電極を形成し、該対向電極
と前記透明電極との間に前記電界発光層の発光する電界
と逆方向の電界を印加することにより、前記対向電極の
前記電界発光層と接合する界面を酸化させて形成されて
いることを特徴としている。
界発光層に吸着させた酸素やオゾンを対向電極界面と電
気的に化学反応させるだけでよいため、特別に絶縁薄膜
を堆積させる工程を要せず工程数の増加を避けることが
できる。また、酸素やオゾンの吸着量で絶縁薄膜の膜厚
を制御することが可能となり、極薄い膜厚の絶縁薄膜の
形成を可能にする。さらに、絶縁薄膜は前記対向電極の
前記電界発光層と接合する界面を酸化させているので、
絶縁薄膜と対向電極との界面の接合性が良好なため高い
キャリア注入性を得ることができる。
子及びその製造方法の詳細を図面に示す実施形態に基づ
いて説明する。
る電界発光素子の実施形態1を示している。まず、本実
施形態の製造方法について図1〜図3を用いて説明す
る。図1に示すように、ガラス基板1の上に、ITO
(indium tin oxide)又はIn2O3(ZnO)m(但し
m>0)でなる、アノード電極としての透明電極2が所
定の電極パターンに形成する。なお、この透明電極2の
パターニングは、上記導電膜を堆積させた後、フォトリ
ソグラフィー技術及びエッチング(ドライエッチング又
はウェットエッチング)技術を用いて行うことができ
る。
に、順次、正孔輸送層3、発光層4、電子輸送層5を積
層する。本実施形態では、電子輸送層5がトリス(8-ヒ
ドロキシキノリン)アルミニウムで形成されている。ま
た、発光層4は、96重量%の4,4'-ビス(2,2-ジフェ
ニルビニレン)ビフェニル及び4重量%の4,4'-ビス(2
-カルバゾールビニレン)ビフェニルからなる。さら
に、正孔輸送層5は、N,N'-ジ(α-ナフチル)-N,N'-ジ
フェニル-1,1'-ビフェニル-4,4'-ジアミンで形成されて
いる。これら正孔輸送層3、発光層4、及び電子輸送層
5の3層で有機EL層6が構成されている。なお、これ
らの積層構造の有機EL層6では、電圧が印加されるこ
とにより青色波長域の光を発生する。
上に低仕事関数金属のMgAgでなる10nm以下の膜
厚の金属膜7を蒸着させる。なお、この金属膜7の蒸着
に際しては、所望の電極パターンが形成されたハードマ
スクを用いる。
ゾン(O3)及び/又は酸素ガスを接触させて金属膜7
の酸化を行って、MgO:Ag2Oでなる絶縁膜7Aに
変化させる。
gAgを所定の膜厚になるまで蒸着を行ってカソード電
極としての背面電極7Bを形成することにより、本実施
形態の電界発光素子8が完成する。
前の材料が背面電極7Bと同一のMgAgであるため、
背面電極7Bと絶縁膜7Aとの密着性が極めて高く界面
に酸素や水分の侵入を抑制する効果が高くなる。また、
カソード電極としての背面電極7Bと電子輸送層5との
間に極薄い(10nm以下)膜厚の絶縁膜7Aを介在さ
せたことにより、背面電極7Bから電子輸送層5への電
子注入効率を向上させ、絶縁膜を介在しない構造の電界
発光素子に比較して発光開始電圧や発光効率を向上させ
ることが可能となる。
発光素子の実施形態2を示す要部断面図である。本実施
形態では、上記した実施形態1と同様にガラス基板1の
上に透明電極2を形成した後、正孔輸送層3、発光層
4、及び電子輸送層5を積層して有機EL層6を形成す
る。その後、本実施形態2では、有機EL層6に酸素
(O2)ガス及びオゾン(O3)ガスを接触させて有機E
L層6中にO2とO3を吸着させる。
着して背面電極材料膜9をパターン形成する。その後、
図4に示すように、透明電極2と背面電極材料膜9との
間に逆バイアス電圧を印加する。この逆バイアスの印加
によって、比較的ポーラスな有機EL層6中の双極子モ
ーメントを有するO2、O3が背面電極材料膜9の電子輸
送層5との界面に集まる。逆バイアス状態では背面電極
材料膜9の電子のポテンシャルがO2、O3の最外殻の電
子のポテンシャルより低くなるため、酸素原子が容易に
背面電極材料膜9と共有結合し、背面電極材料膜9は、
背面電極9Bとその下面に酸化された10nm以下の薄
い絶縁膜9Aとになる。このようにして、背面電極9B
と電子輸送層5との間に極薄い絶縁膜9Aが介在された
電界発光素子8が完成する。
2やO3の吸着量により酸化して形成される絶縁膜9Aの
膜厚を制御することが可能であり、極薄い膜厚の絶縁膜
を面内で均一に形成することが可能となる。特に、本実
施形態においては、絶縁膜9Aと背面電極9Bとが連続
的に形成されたものであるため、外部から界面に酸素や
水分が侵入するのを防止することができる。また、カソ
ード電極としての背面電極9Bと電子輸送層5との間
に、均一で極薄い(10nm以下)膜厚の絶縁膜9Aを
介在させたことにより、背面電極7Bから電子輸送層5
への電子注入効率を向上させ、絶縁膜を介在しない構造
の電界発光素子に比較して発光開始電圧や発光効率を向
上させることが可能となる。
説明したが、本発明はこれらに限定されるものではな
く、構成の要旨に付随する各種の変更が可能である。例
えば、上記した実施形態1及び実施形態2では、背面電
極7B、背面電極材料膜9の材料としてMgAgを用い
たが、この他にLi、Ca、Mg、Yなどを含む導電性
材料や、Ag、Al、AlLi(アルミリチウム)など
のように酸化物を形成できる金属であればこれに限らな
い。また、上記した実施形態では、ガラス基板1上に透
明電極2を形成したが、ガラス基板1上に背面電極7
B、背面電極材料膜9を形成する構成としてもよい。こ
の場合、背面電極7B、背面電極材料膜9を上記した材
料で形成した後、酸素又はオゾン雰囲気下で電子輸送層
5をその上に蒸着することで背面電極7Bと電子輸送層
5との界面に絶縁膜7Aを形成することができる。さら
に、上記した実施形態では、3層構造の有機EL層6を
用いたが、単層や3層以上の多層構造のものを用いても
よい。また、上記した実施形態では、金属膜7、背面電
極7B、及び背面電極材料膜9は蒸着により形成された
が、スパッタリング或いはイオンプレーティングにより
形成されてもよい。
明によれば、発光開始電圧や発光効率が向上した電界発
光素子を実現することができる。
工程を示す要部断面図。
工程を示す要部断面図。
Claims (4)
- 【請求項1】 透明電極と対向電極との間に電界発光層
が介在された電界発光素子であって、前記対向電極と前
記電界発光層との間に、前記対向電極と同じ材料の酸化
物でなる絶縁薄膜が介在されていることを特徴とする電
界発光素子。 - 【請求項2】 透明電極の上に電界発光層を形成する工
程と、前記電界発光層の上に対向電極を形成する工程
と、前記対向電極の前記電界発光層と接合する界面を酸
化して絶縁薄膜を形成する工程と、を備えることを特徴
とする電界発光素子の製造方法。 - 【請求項3】 前記絶縁薄膜は、前記対向電極を形成す
る際に前記電界発光層の上に極薄い対向電極材料膜を形
成した後に、該対向電極材料膜を酸素及び/またはオゾ
ン雰囲気に晒すことにより酸化して形成されることを特
徴とする請求項2記載の電界発光素子の製造方法。 - 【請求項4】 前記絶縁薄膜は、前記電界発光層を形成
した後に当該電界発光層に酸素又はオゾンを吸着させた
後前記対向電極を形成し、該対向電極と前記透明電極と
の間に前記電界発光層の発光する電界と逆方向の電界を
印加することにより、前記対向電極の前記電界発光層と
接合する界面を酸化させて形成されていることを特徴と
する請求項2記載の電界発光素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21989798A JP4045656B2 (ja) | 1998-07-21 | 1998-07-21 | 電界発光素子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21989798A JP4045656B2 (ja) | 1998-07-21 | 1998-07-21 | 電界発光素子の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2000040593A true JP2000040593A (ja) | 2000-02-08 |
JP4045656B2 JP4045656B2 (ja) | 2008-02-13 |
Family
ID=16742759
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21989798A Expired - Lifetime JP4045656B2 (ja) | 1998-07-21 | 1998-07-21 | 電界発光素子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4045656B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2005011332A1 (ja) * | 2003-07-24 | 2006-09-14 | 株式会社半導体エネルギー研究所 | 発光素子の作製方法 |
CN114079027A (zh) * | 2020-12-31 | 2022-02-22 | 广东聚华印刷显示技术有限公司 | 发光器件及其制备方法 |
-
1998
- 1998-07-21 JP JP21989798A patent/JP4045656B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPWO2005011332A1 (ja) * | 2003-07-24 | 2006-09-14 | 株式会社半導体エネルギー研究所 | 発光素子の作製方法 |
JP4799176B2 (ja) * | 2003-07-24 | 2011-10-26 | 株式会社半導体エネルギー研究所 | 発光装置の作製方法 |
CN114079027A (zh) * | 2020-12-31 | 2022-02-22 | 广东聚华印刷显示技术有限公司 | 发光器件及其制备方法 |
CN114079027B (zh) * | 2020-12-31 | 2023-10-31 | 广东聚华印刷显示技术有限公司 | 发光器件及其制备方法 |
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JP4045656B2 (ja) | 2008-02-13 |
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