JP2000038994A - 外周駆動型スクロ―ル圧縮機 - Google Patents

外周駆動型スクロ―ル圧縮機

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JP2000038994A JP11214474A JP21447499A JP2000038994A JP 2000038994 A JP2000038994 A JP 2000038994A JP 11214474 A JP11214474 A JP 11214474A JP 21447499 A JP21447499 A JP 21447499A JP 2000038994 A JP2000038994 A JP 2000038994A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外周駆動型スクロール圧縮機において、熱膨
張によるラップ同士の接触を未然に防止する。 【解決手段】 外周駆動型スクロール圧縮機は、鏡板の
両側に渦巻き形のラップを備えた旋回スクロール3とこ
のラップに噛み合う固定スクロール1、2とを有してい
る。各スクロールの外周部には、主駆動軸4及び補助駆
動軸5を保持する軸受が保持されている。補助駆動軸
は、弾性支持されている。一方のスクロールラップ1b
を、基準位置から距離Σoffだけオフセットして配置す
る。これにより、両スクロールの相対熱膨張差を補正
し、スクロールラップ形状と駆動軸へ荷重の負担を軽減
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧縮作動室の容積
を減じながら気体を圧縮する旋回運動形容積式圧縮機で
あって、特に渦巻状に構成されたスクロール部材によっ
て三日月状の圧縮室が形成され、両歯形旋回スクロール
がその外周部に配置された複数の駆動軸によって駆動さ
れる外周駆動型圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スクロール圧縮機の基本的な動作原理
は、以下の通りである。スクロール圧縮機では、鏡板に
渦巻き状のラップを直立して設けた2つのスクロール部
材を互いに噛み合わせ、一方のスクロール部材を他方の
スクロール部材に対して自転しないように拘束しながら
相対的に旋回運動させ、スクロール部材の外周部から中
央部に向かって気体を圧縮させる。このスクロール圧縮
機においては、圧縮動作に伴って発生する熱によって旋
回スクロールや固定スクロールが熱膨張し、両スクロー
ルのラップ側面部で互いに接触することがある。ラップ
に接触が生じると、運転中に異常な振動や騒音が発生し
たりラップ側面部での異常摩耗やかじり現象が発生する
ため、圧縮機として正常な運転動作ができなくなる恐れ
があった。
【0003】特開昭63−167090号公報には、旋
回スクロールと固定スクロールとの相対熱膨張差を考慮
した熱膨張補正歯形が示されている。この公報では、旋
回スクロールと固定スクロールのいずれか一方、例えば
旋回スクロールのラップ溝内に内接する内接円半径を中
央部の巻き始めから巻き終わりに向かって漸次変化する
ように設定している。この狙いは、旋回スクロールの熱
膨張量、ひいては固定スクロールとの相対熱膨張差を考
慮して予めいずれか一方のスクロール部材のラップ側面
を、理論インボリュート曲線に対して補正を行い熱膨張
によるラップ同士の接触を未然に避けることにある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に記載のもの
では、旋回スクロールはほぽその中心部の反ラップ側に
設けられた駆動軸によって旋回運動が達成されている。
従って、旋回スクロールの基準位置はその中央部にな
り、旋回スクロールの熱膨張は、基準位置から放射状に
発生する。このため、熱膨張量はほぼ中心からの距離す
なわち半径に比例した大きさになる。このようにスクロ
ール圧縮機が構成されているときは、スクロール部材の
相対熱膨張量差を回避するには、本公報に記載の方法を
用いることが妥当であった。
【0005】しかしながら、鏡板の両側にラップを形成
した旋回スクロールとこのラップと噛み合う一対の固定
スクロールを備えたスクロール圧縮機の場合には、旋回
スクロールの外周に配置され、旋回スクロールを駆動す
る複数の駆動軸の何れかが基準軸になる。従って、旋回
スクロールの熱膨張量も基準軸と係合した位置が基準と
なるから、スクロールラップの側壁面での熱変形量はそ
の基準点からの距離に影響される。
【0006】この場合、圧縮機のスクロールラップの熟
変形は、圧縮熱によりスクロール部材自身が熱膨張する
ことに起因し、その変形量は中心からの距離にほぼ比例
して増大する。固定端がスクロールの外周部であるた
め、スクロールの熱変形量はスクロールラップ全体が平
行移動を伴った変形量となる。このように、スクロール
ラップの変形量は、基準となる駆動軸に近い部分が最も
小さく反対に最も遠い部分が変形量も大きくなる。
【0007】また、一般産業用の圧縮機では、圧縮機の
吐出圧力が0.8Mpa程度からそれ以上の高い圧力に
なることが多く、しかもオイルフリーで圧縮気体を提供
することもある。従って、圧縮機としては油潤滑式の圧
縮機に比べ高い温度になる。また、圧縮機の軽量化等も
要求されており、スクロール部材の材質にアルミニウム
材料を適用する場合もある。このような圧縮機を運転す
ると、旋回スクロール部材及び固定スクロール部材は比
較的大きな熱膨張を伴う。
【0008】従って、上記公報に記載のものを外周駆動
型圧縮機に採用すると、圧縮機運転時にはラップ側面の
一定の部分で接触しやすくなり、圧縮機として正常な運
転が達成できなくなるという恐れがある。
【0009】本発明は、上記従来技術の不具合に鑑みな
されたものであり、その目的は、外周駆動形オイルフリ
ースクロール圧縮機において、熱膨張によるラップ同士
の接触を未然に防止することにある。本発明の他の目的
は、旋回スクロールと固定スクロールのラップ側面間の
隙間を適正に保ち高い圧縮機性能を得ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は、鏡板の両側
に渦巻き形のラップが形成された旋回スクロールと、こ
の旋回スクロールのラップと噛み合うラップを有する一
対の固定スクロールと、旋回スクロールの外周部に保持
され旋回スクロールを回転駆動する主クランク軸と、旋
回スクロール中心に対してこの主クランク軸とほば軸対
称に配置され、主クランク軸と同期回転する補助クラン
ク軸とを備えた外周駆動型スクロール圧縮機において、
固定スクロールのラップオフセット量を主クランク軸及
び補助クランク軸のオフセット量より小さくすることに
より達成される。
【0011】そして好ましくは、旋回スクロールのラッ
プ側面と固定スクロールのラップ側面とで形成される隙
間を旋回スクロール中心が最も主クランク軸に近づいた
位置と、旋回スクロール中心が最も主クランク軸から遠
ざかった位置とで変化させるものである。より好ましく
は、隙間を、旋回スクロール中心が主クランク軸から遠
ざかった位置で近づいた位置におけるよりも大きくする
ものである。また好ましくは、補助クランク軸に、旋回
スクロールと固定スクロールの熱膨張差を吸収する弾性
支持部材を設けるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施例を図1から
図5に従って説明する。図1は、外周駆動型圧縮機の全
体構造を表す縦断面図である。図2は、図1のラップか
み合い状態を示す断面図で旋回スクロールと固定スクロ
ールのラップによって圧縮作動室が形成される様子や駆
動軸の配置の様子を表したものである。ただし、渦巻き
状のスクロールラップ部分は断面図ではなく、説明の都
合上、互いにラップ先端面を表したものである。
【0013】図1の外周駆動型スクロール圧縮機は、渦
巻き状に形成されたスクロールラップ1bを有する固定
スクロール1と同じように形成されたスクロールラップ
2bを有する固定スクロール2が平行に配置されてお
り、その間に鏡板3aの両側に同じく渦巻き状に形成さ
れたスクロールラップ3b,3cを有する旋回スクロー
ル3が、それぞれの固定スクロールに噛み合って旋回ス
クロール3の鏡板3aの両側に圧縮作動室14と15を
形成している。これらの圧縮作動室は、図2に示すよう
に両スクロールラップで三日月状に形成される。スクロ
ール圧縮機では三日月状の圧縮作動室が中心軸に対して
対称に一対の部屋が同じ体積で構成される。この圧縮作
動室は、外周部から中心に向かって順次その体積が小さ
くなる。それと共に、旋回スクロール3の旋回運動に伴
って圧縮作動室が連続的に中心部に移動する。
【0014】固定スクロール1及び国定スクロール2、
旋回スクロール3のそれぞれのラップ先端部には、複合
材料で形成されたチップシール1c,2c,3d,3e
がそれぞれ渦巻きに沿って複数個に分割して設けられて
いる。この複合材料としては、カーボン等の無機系材
料、4フッ化エチレン樹脂またはポリイミド樹脂があ
る。この分割により、チップシールの成形性、組立性、
およびメンテナンスコストの低減を図ることができる。
また、旋回スクロール鏡板3aには、上下の圧縮作動室
14と15とが該鏡板3aのほば中央部で連通するよう
に流路8が設けられている。
【0015】旋回スクロール3の鏡板外周部には、偏心
部を有する主駆動軸(主クランク軸)4と同じ偏心量の
偏心部を有する補助駆動軸(補助クランク軸)5とが配
置されている。旋回スクロール3はそれらの駆動軸の偏
心部分で転がり軸受により支持されている。駆動軸の少
なくともいずれか一方は、本実施例では補助駆動軸は、
弾性支持部13を有する転がり軸受11bで支持されて
いる。駆動軸4や補助駆動軸5は、旋回スクロール3に
設けられた軸受11a、11bを介して回転可能に係合
している。一方、旋回スクロール3は、駆動軸4や補助
駆動軸5が同時に回転することによって、自転を阻止さ
れた状態で旋回運動する。
【0016】固定スクロール1は、そのほぼ中央部に吐
出ボート9と外表面全体に設けられた放熱フィン1dが
あり、そのフィン回りは冷却風の流路になっており、放
熱フィン1dの放熱効果を高めることができる。他方、
固定スクロール2もその外表面に放熱フィン部2dを有
し、固定スクロール1と同様に冷却風の流路が形成され
ている。
【0017】図2に示すように、固定スクロールのフラ
ンジ部を貫通して吸入孔22が設けられており、旋回ス
クロール全体を覆う吸い込み室空間に連通している。ま
た、旋回スクロールの鏡板3aには、圧縮作動室14と
15を互いに連通するように小さな直径の連通孔3fが
渦巻きに沿って180度間隔で複数個設けられている。
【0018】固定スクロール1の外周部にはフランジ部
1eが形成されており、固定スクロール2の外周部にも
フランジ部2eが形成されている。そして、固定スクロ
ール1、2が、このフランジ部1e,2eにおいてボル
ト18等によって結合されている。結合の際、図2に示
すように両国定スクロールの相対位置を合わせる位置決
め手段16によって、両国定スクロール1、2同士なら
びに旋回スクロール3との位置関係が適正に保たれて組
み立てられる。そして、圧縮動作に好適な圧縮作動室1
4、15が形成される。これにより、旋回スクロールが
スムーズに旋回運動できる。
【0019】駆動軸4は、その一部分を固定スクロール
2にリング状の押さえ板41によって固定された転がり
軸受10aやナット42によって軸方向には移動出来な
いように軸支されている。駆動軸4の先端部は、他方の
固定スクロール1に保持された軸受12aに回転可能に
係合されている。また、軸受12aを固定スクロール1
に保持するため押さえ板43が設けられている。なお、
図面では押さえ板43を袋状にしたが、押さえ板41の
ようにリング状にしてもよい。さらに、駆動軸4には、
旋回スクロール3の旋回運動に伴う不釣り合いを相殺す
るためにバランスウエイト17a、17bが固定配置さ
れている。他方、駆動軸4とは対称の反対側に位置する
補助駆動軸5も、同様に固定スクロール2にリング状の
押さえ板51によって保持された転がり軸受10bやナ
ット52によって軸方向に移動出来ない状態で軸支され
ている。補助駆動軸5の先端部は他方の固定スクロール
1に保持された軸受12bに回転可能に係合されてい
る。
【0020】また、軸受12bを固定スクロール1に保
持するため押さえ板44が設けられている。なお、図面
では押さえ板44を袋状にしているが、押さえ板51の
ようにリング状にしてもよい。さらに、補助駆動軸5に
も、旋回スクロール3の旋回運動に伴う不釣り合いを相
殺するためにバランスウエイト17cと17dが固定配
置されている。
【0021】駆動軸4にはプーリ6が相対滑りを防止す
るためのキー手段61を介して設けてあり、他に設置し
た動力源から回転動力が供給される。さらに、駆動軸4
と補助駆動軸5とはタイミングベルト7によって回転の
同期性を保つように、それぞれの軸に設けた歯付きプー
リ20a,20bなどを介して連結されている。
【0022】前記したように固定スクロール1、2、旋
回スクロール3は、それぞれアルミニウム合金等に代表
されるように軽くて、熱伝導性の良い材料で構成されて
いる。無潤滑式圧縮機を実現するためには、特にシリコ
ンが含有されたアルミニウム合金を適用することが望ま
しい。さらには、ラップ接触時の潤滑性の向上、あるい
は接触時の焼き付き防止を図って、スクロールラップの
側面や底面などほぼ全面的に陽極酸化皮膜処理等のアル
ミニウム合金に適合する表面処理を施す。
【0023】図3は、固定スクロール1と旋回スクロー
ル3とスクロールラップの位置関係を示す平面図であ
る。この図は、熱膨張差回避のための熱膨張補正歯形の
一実施例を示している。なお、図3では、説明の都合
上、組立時の両者の相対位置関係を表すため、旋回スク
ロールと固定スクロールとを併記している。
【0024】固定スクロール1では、スクロールラップ
の外側に主駆動軸側軸受12aと補助駆動軸側軸受12
bが設けられている。スクロールラップ1bは、熱膨張
補正前の当初のスクロールラップ中心of′を中心位置と
して配置されている。ハッチングで示したスクロールラ
ップは、熱膨張を考慮してラップ中心位置をWoffだけ当
初のラップ位置から補助駆動軸側に変位させて配置した
ものである。当初のスクロールラップ位置は、ラップの
オフセットを考えるための架空の位置である。従って、
実在するラップ位置は、ラップ中心of1が中心である。
即ち、固定スクロールのラップ位置は、基本的な位置か
らWoffだけ軸受中心を結ぶ方向に偏心した位置にある。
この結果、当初のスクロールラップの中心of′と各軸受
中心間距離をf1、f2とすると、実際のラップ中心とそれ
ぞれの軸受中心間距離f3、f4は、各々f3=f1-Woff、f4=f2
+Woffとなる。図面には表さないが、固定スクロール2
についてもこれと同様な位置関係を保っている。
【0025】一方、旋回スクロール3においては、ラッ
プの中心osから各軸受中心os1、os2までの距離s1、s2
は、国定スクロール1の架空ラップ位置に適合するよう
に、それぞれs1=f1、s2=f2となっている。スクロールラ
ップの厚さやピッチ、渦巻き角度は固定スクロールと同
様である。旋回スクロール3の旋回半径は、ラップ形状
から決定される理論旋回半径Σthが最大値である。一
方、実際の旋回半径は駆動軸の偏心量で決定される。本
実施例では、理論旋回半径Σthに対してオフセットΣof
fを駆動軸の偏心部に設けて、若干小さい旋回半径Σを
与えている。これらの関係は、Σ=Σth−Σoffとな
り、旋回スクロールが旋回半径Σで旋回運動すると、固
定スクロールラップとの間に適当な半径方向隙間が形成
される。適当な半径方向隙間を維持するために、固定ス
クロールのラップオフセット量Woffは駆動軸のオフセッ
ト量より小さく設定される。
【0026】旋回スクロール3の補助駆動軸側の軸受1
1bは、弾性体13により弾性支持されている。この弾
性体には、ゴムやバネを適用することができる。弾性体
は、軸受11bの位置決め手段25a、25bによって
弾性変形の方向性が保たれている。即ち、この位置決め
手段25a、25bは金属材料であるから、軸中心を結
ぶ方向とは直角方向には軸受11bの動きが規制され、
軸中心を結ぶ方向には弾性体13の変形に応じた動きが
許容されている。
【0027】図4と図5は、図3のように構成したスク
ロールを組み合わせた時の半径方向隙間について説明す
るため、スクロールラップの噛み合い状態を部分的に示
したものである。上記した如く駆動軸の軸受中心を基準
にすると、旋回スクロール3と固定スクロール1のラッ
プ中心位置が異なるため、組立時のラップの噛み合い状
態ではラップの外壁面と内壁面にできる半径方向隙間の
大きさが異なる。旋回スクロールが1回転する間、旋回
スクロールラップの側面には180度毎に最小隙間が形
成される。以下、この様子について説明する。
【0028】図4は、固定スクロール中心of1に対して
旋回スクロール中心osが右側に位置した場合の状態を示
している。この場合、旋回スクロールラップ3bの外壁
面と固定スクロールラップ1aの内壁面との間に、半径
方向隙間δr1が形成される。図5は、固定スクロール中
心of1に対して旋回スクロール中心osが左側に位置した
場合の状態を示している。この場合、旋回スクロールラ
ップ3bの内壁面と固定スクロールラップ1aの外壁面
との間に半径方向隙間δr2が形成される。このとき、こ
れら2つの半径方向隙間の大きさの間には、δr1>δr2
の関係がある。
【0029】つぎに、図1から図5に示した圧縮機につ
いて、その作用を説明する。プーリ6に回転動力が伝達
されると主駆動軸4が回転し、さらに補助駆動軸5はタ
イミングベルト7によって主駆動軸4と同期して回転す
る。すると、旋回スクロール3も、駆動軸4および補助
駆動軸5の偏心量Σを半径として、旋回運動する。
【0030】その結果、気体は吸入口22から吸入され
吸入室23に入る。その後、気体はさらに旋回スクロー
ル鏡板3aの上側の圧縮作動室14や旋回スクロール鏡
板3aの下側の圧縮作動室15に流入し、渦巻きの中心
に向かってそれぞれ所定の圧力まで圧縮される。圧縮作
動室15で圧縮された気体は、最終的に鏡板3aの中央
部に設けられた連通孔8を通って上側の圧縮作動室14
の中心部の吐出空間に流入し、旋回スクロール鏡板上側
の圧縮作動室14で圧縮された気体と合流し、固定スク
ロール1に設けられた吐出ポート9から機外へ流出す
る。
【0031】圧縮動作中、圧縮作動室14,15は連通
孔3fにより鏡板上下の圧縮作動室内のガス圧力の均衡
が保たれるので、圧縮ガスのスラスト力の総和がほぼ等
しくなる。このため、旋回スクロールはいずれの固定ス
クロールに対しても強く押しつけられることはなく、ラ
ップの先端面には大きなスラスト荷重が作用しない。従
って、ラップ先端部での摺動損失を低減できる。
【0032】さらに、圧縮作動室内14,15には潤滑
油がほとんど無いので、圧縮熱により温度が上昇する
が、この熱は固定スクロール外表面に設けた放熱フィン
の回りをダクト構造として強制空冷することによって効
果的に除去される。従って、旋回スクロールや固定スク
ロールは適当な温度に保たれる。旋回スクロール3は固
定スクロール1及び固定スクロール2に囲まれているの
で、運転中の温度は旋回スクロール3の方が高くなりが
ちである。従って、熱膨張量としては旋回スクロール3
が大きくなり、両軸受11a,11b間の距離は固定ス
クロール側の軸受12a,12b間の距離よりも大きく
なる。
【0033】旋回スクロール3は、主駆動軸4側では転
がり軸受などによって位置決めされており、補助駆動軸
側では弾性支持されている。上記した熱膨張量の差は、
旋回スクロール3の補助駆動軸側に設けた弾性支持軸受
11bによって吸収される。この結果、補助駆動軸5に
過大な荷重が作用するのを防止できる。一方、旋回スク
ロール3が熱膨張するとラップ中心も補助駆動軸側に移
動する。しかしながら、前記したように、軸受を結ぶ方
向には固定スクロールのラップ中心を予め補助駆動軸側
にオフセットさせているので、旋回スクロールと固定ス
クロールとの相対位置関係は、良好な状態が保たれる。
【0034】即ち、組立時には軸受を結ぶ方向には不均
一であった半径方向隙間が、圧縮機運転時には、ラップ
内外壁面でほぼ等しい状態になり、小さな隙間となるの
で圧縮機の性能を向上出来る。また、相対熱膨張量差
は、軸受を結ぶ方向には、最大で駆動軸側のオフセット
量Σoffとラップのオフセット量Woffとの合計にほぼ等
しい寸法を許容できる。これに対して、軸受を結ぶ方向
と直角方向には、ラップの中心が熱膨張の基準になるの
で、この方向の熱膨張差は、駆動軸のオフセット量Σof
fで許容できる。これらのオフセット量は非常に小さな
寸法であり、具体的には駆動軸のオフセット量Σoffが
0.3mm以下であり、ラップのオフセット量Woffは、
おおよそその半分以下である。
【0035】つぎに、本発明の他の実施例を、図6,図
7示す。本実施例では、上記した実施例とは逆に固定ス
クロール側を基準として、旋回スクロール側にラップの
オフセットを付与している。そのために、図6に示した
固定スクロール1のラップ位置は軸受中心からそれぞれ
f1、f2の距離にあり、図3に示したf1、f2に等しい寸法
になっている。
【0036】旋回スクロール3では、図7に示すように
ラップ中心と軸受中心間距離はそれぞれs3、s4に形成さ
れ、ラップのオフセットが主駆動軸の軸受11aの方向
に付与されている。このオフセット量は、図3の寸法と
同じWoffであり、次の関係になっている。即ち、s3=s1+
Woff、s4=s2-Woffである。このようにすることにより、
組立時には、図4ならびに図5に示した状態とほば同じ
状態になる。
【0037】本発明のさらに他の実施例を、図7に示
す。本実施例においては、スクロール中心から補助駆動
軸側の軸受中心までの距離s3を、図3のs1に等しくして
いる。そして、他方の軸受中心os1の位置をWoffだけラ
ップ側にオフセットさせている。本実施例によれば、旋
回スクロールを両駆動軸と共に固定スクロール内に組み
込んでいるので、弾性体13が適宜弾性変形し、旋回ス
クロールのラップ位置をオフセットできる。
【0038】また、旋回スクロールと固定スクロールに
対して大きな熱膨張差を許容できるので、圧縮機の温度
がかなり高い温度になるまでスクロールラップ同士を非
接触状態で運転することができる。言い換えれば、圧縮
機の温度は吐出圧力に強い関連があるので、高圧力の気
体を提供でき、さらに、組立時より運転時の方が、運転
によって生じる熱膨張でスクロールラップの半径方向隙
間を小さく保つことができるので、定格容量での運転時
にスクロール圧縮機の性能を最も高くできる。
【0039】さらに、組立時に予め半径方向隙間を設定
しているので、スクロールラップの加工公差や軸受中心
位置誤差、軸受隙間、組立時のミスアライメントなどが
あってもラップ同士が半径方向で接触する恐れを低減出
来る。なお、以上の各実施例は圧縮機の場合について述
べたが、真空ポンプに適用することもできる。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、外周駆動型スクロール
圧縮機において、圧縮機運転時の圧縮熱によってもたら
されるスクロール部材の熱変形に応じてラップ隙間を好
適な状態に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す外周駆動形スクロール圧
縮機の全断面図。
【図2】本発明の実施例で旋回スクロールに固定スクロ
ールのラップ部を噛みあわせた様子を示す平面図。
【図3】本発明の実施例を示す固定スクロールと旋回ス
クロールの平面図。
【図4】本発明の実施例で旋回スクロールに固定スクロ
ールのラップ部を噛みあわせた時の隙間の様子を示す部
分拡大図。
【図5】本発明の実施例で旋回スクロールに固定スクロ
ールのラップ部を噛みあわせた時の隙間の様子を示す部
分拡大図。
【図6】本発明の他の実施例を示す固定スクロールの平
面面図。
【図7】本発明の他の実施例を示す旋回スクロールの平
面図。
【符号の説明】
1 固定スクロール 2 固定スクロール 3 旋回スクロール 4 主駆動軸 5 補助駆動軸 6 プーリ 7 タイミングベルト 8 貫通孔 9 吐出ボート 10,11,12 軸受 13 弾性支持部材 14,15 圧縮作動室 17 バランスウェイト 20 歯付きプーリ 22 吸入孔 of1 固定スクロールラップの中心 os 旋回スクロールラップの中心 ok1,ok2 固定スクロールの軸受中心 osl,os2 旋回スクロールの軸受中心 25 軸受位置規制手段 δr スクロールラップの半径方向隙間 Σ 旋回半径
フロントページの続き (72)発明者 川野 勇 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所空調システム事業部内 (72)発明者 川端 夏樹 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所空調システム事業部内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鏡板の両側に渦巻き形のラップが形成さ
    れた旋回スクロールと、この旋回スクロールのラップと
    噛み合うラップを有する一対の固定スクロールと、前記
    旋回スクロールの外周部に保持され旋回スクロールを回
    転駆動する主クランク軸と、旋回スクロール中心に対し
    てこの主クランク軸とほぼ軸対称に配置され、主クラン
    ク軸と同期回転する補助クランク軸とを備えた外周駆動
    型スクロール圧縮機において、前記固定スクロールのラ
    ップオフセット量を前記主クランク軸及び補助クランク
    軸のオフセット量より小さくしたことを特徴とする外周
    駆動型スクロール圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記旋回スクロールのラップ側面と固定
    スクロールのラップ側面とで形成される隙間を旋回スク
    ロール中心が最も主クランク軸に近づいた位置と、旋回
    スクロール中心が最も主クランク軸から遠ざかった位置
    とで変化させたことを特徴とする請求項1に記載の外周
    駆動型スクロール圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記隙間を、旋回スクロール中心が主ク
    ランク軸から遠ざかった位置で近づいた位置におけるよ
    りも大きくしたことを特徴とする請求項2に記載の外周
    駆動型スクロール圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記補助クランク軸に、旋回スクロール
    と固定スクロールの熱膨張差を吸収する弾性支持部材を
    設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の外周
    駆動型スクロール圧縮機。
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