JP2000038576A - 蓄熱材担持用材料及び蓄熱体 - Google Patents
蓄熱材担持用材料及び蓄熱体Info
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- JP2000038576A JP2000038576A JP10209283A JP20928398A JP2000038576A JP 2000038576 A JP2000038576 A JP 2000038576A JP 10209283 A JP10209283 A JP 10209283A JP 20928398 A JP20928398 A JP 20928398A JP 2000038576 A JP2000038576 A JP 2000038576A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/14—Thermal energy storage
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 製作が容易で軽量且つ長期信頼性に優れた高
温用蓄熱体及びそれに用いる蓄熱材担持用材料の提供。 【解決手段】 1.糖アルコール類を含む蓄熱材組成物
を担持する物体の材料であって、 荷重撓み温度が、前記蓄熱材組成物の融点より50℃
低い温度ないし400℃の範囲内にあり、且つ 前記蓄熱材組成物中における、160℃、4000時
間保持後の、曲げ強度保持率が50%以上である、樹脂
を含むことを特徴とする蓄熱材担持用材料。 2.1項に記載の蓄熱材担持用材料からなる容器に糖ア
ルコール類を含む蓄熱材組成物を収蔵してなることを特
徴とする蓄熱体。
温用蓄熱体及びそれに用いる蓄熱材担持用材料の提供。 【解決手段】 1.糖アルコール類を含む蓄熱材組成物
を担持する物体の材料であって、 荷重撓み温度が、前記蓄熱材組成物の融点より50℃
低い温度ないし400℃の範囲内にあり、且つ 前記蓄熱材組成物中における、160℃、4000時
間保持後の、曲げ強度保持率が50%以上である、樹脂
を含むことを特徴とする蓄熱材担持用材料。 2.1項に記載の蓄熱材担持用材料からなる容器に糖ア
ルコール類を含む蓄熱材組成物を収蔵してなることを特
徴とする蓄熱体。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓄熱材担持用材料
及び蓄熱体に関する。詳しくは、糖アルコール類を含む
蓄熱材組成物を担持する材料及びそれを用いた蓄熱体に
関する。本発明の蓄熱体は、深夜電力を利用した蓄熱式
電気温水器、蓄熱式床暖房システム、寒冷地仕様の自動
車エンジン用蓄熱システム等の蓄熱材容器等に好適に用
いられる。
及び蓄熱体に関する。詳しくは、糖アルコール類を含む
蓄熱材組成物を担持する材料及びそれを用いた蓄熱体に
関する。本発明の蓄熱体は、深夜電力を利用した蓄熱式
電気温水器、蓄熱式床暖房システム、寒冷地仕様の自動
車エンジン用蓄熱システム等の蓄熱材容器等に好適に用
いられる。
【0002】
【従来の技術】潜熱蓄熱材は、顕熱型蓄熱材に比べて蓄
熱密度が高く、相変化温度が一定であるため、熱の取り
出し温度が安定であるという利点を活かして実用化され
ている。潜熱蓄熱材としては、氷、硫酸ナトリウム十水
塩、塩化カルシウム六水塩及び酢酸ナトリウム三水塩等
が従来から知られている。しかしながら、これらの潜熱
蓄熱材の相変化温度は比較的低温であり、70から12
0℃前後の高い相変化温度が望まれる給湯、太陽エネル
ギー、ボイラーや自動車の廃熱を利用するための蓄熱材
としては不適当であり、これらに代るものとして、いろ
いろな蓄熱材組成物が今迄に提案されている。
熱密度が高く、相変化温度が一定であるため、熱の取り
出し温度が安定であるという利点を活かして実用化され
ている。潜熱蓄熱材としては、氷、硫酸ナトリウム十水
塩、塩化カルシウム六水塩及び酢酸ナトリウム三水塩等
が従来から知られている。しかしながら、これらの潜熱
蓄熱材の相変化温度は比較的低温であり、70から12
0℃前後の高い相変化温度が望まれる給湯、太陽エネル
ギー、ボイラーや自動車の廃熱を利用するための蓄熱材
としては不適当であり、これらに代るものとして、いろ
いろな蓄熱材組成物が今迄に提案されている。
【0003】100℃付近の温度範囲に融点を有する素
材の中、無機水和塩としては、水酸化バリウム八水塩
(融点78℃、融解潜熱量63.8cal/g)、硝酸
マグネシウム六水塩(融点89℃、融解潜熱量38.2
cal/g)等が挙げられる。しかしながら、前者につ
いては我が国では劇物に指定されており、また、後者に
ついては金属への腐食性の問題があるため、何れも蓄熱
材としては実用化されていない。一方、有機物として
は、パラフィンワックスや脂肪酸等が先ず挙げられる
が、これらはいずれも容積当りの蓄熱量(35.0〜4
5.0cal/ml)が小さく、実用化は制限される。
材の中、無機水和塩としては、水酸化バリウム八水塩
(融点78℃、融解潜熱量63.8cal/g)、硝酸
マグネシウム六水塩(融点89℃、融解潜熱量38.2
cal/g)等が挙げられる。しかしながら、前者につ
いては我が国では劇物に指定されており、また、後者に
ついては金属への腐食性の問題があるため、何れも蓄熱
材としては実用化されていない。一方、有機物として
は、パラフィンワックスや脂肪酸等が先ず挙げられる
が、これらはいずれも容積当りの蓄熱量(35.0〜4
5.0cal/ml)が小さく、実用化は制限される。
【0004】また、近年、糖アルコールの中に大きな蓄
熱量を有するものが存在することが見出され、蓄熱材と
しての利用が検討されている。その一つがキシリトール
(融点94〜95℃;特開昭54−65864号公報参
照)であり、もう一つの素材はエリスリトール(融点1
19℃;特表昭63−500946号公報、特開平5−
32963号公報参照)である。これらは食品添加物で
あるため、安全であり、潜熱量も高い。更に、第16回
日本熱物性シンポジウム(1995年、221頁)で
は、エリスリトールにペンタエリスリトール、トリメチ
ロールエタン及びネオペンチルグリコールを添加するこ
とにより、エリスリトールの相転移温度が数十度低下す
ることが報告されている。
熱量を有するものが存在することが見出され、蓄熱材と
しての利用が検討されている。その一つがキシリトール
(融点94〜95℃;特開昭54−65864号公報参
照)であり、もう一つの素材はエリスリトール(融点1
19℃;特表昭63−500946号公報、特開平5−
32963号公報参照)である。これらは食品添加物で
あるため、安全であり、潜熱量も高い。更に、第16回
日本熱物性シンポジウム(1995年、221頁)で
は、エリスリトールにペンタエリスリトール、トリメチ
ロールエタン及びネオペンチルグリコールを添加するこ
とにより、エリスリトールの相転移温度が数十度低下す
ることが報告されている。
【0005】これらの有望な素材を蓄熱材として実用化
するため周辺技術についてもいろいろと検討がなされて
いる。糖アルコール系蓄熱材については、過冷却現象が
起り易すいが、エリスリトールについては、これに難溶
性の塩を添加することにより過冷却現象が抑制されるこ
とが示されている(特開平9−249875号公報)。
するため周辺技術についてもいろいろと検討がなされて
いる。糖アルコール系蓄熱材については、過冷却現象が
起り易すいが、エリスリトールについては、これに難溶
性の塩を添加することにより過冷却現象が抑制されるこ
とが示されている(特開平9−249875号公報)。
【0006】しかしながら、70〜120℃の熱を蓄え
る蓄熱材を使いこなす技術、即ち、部材、ユニットに仕
上げる技術については、未だ未解決の課題が多い。例え
ば、これら糖アルコールを主成分とした蓄熱材の容器に
ついては、高温下における内容物に対する耐性が求めら
れるが、容器材料の長期耐久性については今迄に何ら報
告されていない。蓄熱槽、或いは蓄熱カプセルを樹脂化
することは、放熱ロスの軽減、蓄熱ユニットの軽量化、
低コスト化の手法として望まれる技術である。そして、
この場合、液相−固相転移を繰り返すタイプの蓄熱材に
対する樹脂製容器の耐久性が問題となるが、これを改良
するために、従来からいろいろと提案がなされている。
る蓄熱材を使いこなす技術、即ち、部材、ユニットに仕
上げる技術については、未だ未解決の課題が多い。例え
ば、これら糖アルコールを主成分とした蓄熱材の容器に
ついては、高温下における内容物に対する耐性が求めら
れるが、容器材料の長期耐久性については今迄に何ら報
告されていない。蓄熱槽、或いは蓄熱カプセルを樹脂化
することは、放熱ロスの軽減、蓄熱ユニットの軽量化、
低コスト化の手法として望まれる技術である。そして、
この場合、液相−固相転移を繰り返すタイプの蓄熱材に
対する樹脂製容器の耐久性が問題となるが、これを改良
するために、従来からいろいろと提案がなされている。
【0007】例えば、特公昭58−44294号公報に
は、FRP製蓄熱槽の耐熱水性を改良する目的で、多官
能エポキシ、多官能イソシアネート、及びヘテロ環生成
触媒より得られる樹脂等を表面コートする技術が提案さ
れている。また、特開平8−38538号公報には、密
閉袋内にポリエチレングリコールを封入した蓄熱あんか
の外表面を遠赤外線放射フィルムで覆う技術、及び内面
部を100〜150℃程度で軟化する熱可塑性プラスチ
ックフィルムにより形成する技術が提案されている。
は、FRP製蓄熱槽の耐熱水性を改良する目的で、多官
能エポキシ、多官能イソシアネート、及びヘテロ環生成
触媒より得られる樹脂等を表面コートする技術が提案さ
れている。また、特開平8−38538号公報には、密
閉袋内にポリエチレングリコールを封入した蓄熱あんか
の外表面を遠赤外線放射フィルムで覆う技術、及び内面
部を100〜150℃程度で軟化する熱可塑性プラスチ
ックフィルムにより形成する技術が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、樹脂製
の構造物については金属或いは無機材料に比べて、特に
有機溶剤に対して耐溶剤性に劣るため、100℃未満で
の短期的データから長期耐久性を保証できる材料を選出
することは不可能であるという問題がある。本発明の目
的は、高温下で糖アルコール系蓄熱材に対する長期に亘
る耐久性を有する樹脂材料を用いた蓄熱体を提供するこ
とにある。
の構造物については金属或いは無機材料に比べて、特に
有機溶剤に対して耐溶剤性に劣るため、100℃未満で
の短期的データから長期耐久性を保証できる材料を選出
することは不可能であるという問題がある。本発明の目
的は、高温下で糖アルコール系蓄熱材に対する長期に亘
る耐久性を有する樹脂材料を用いた蓄熱体を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる事
情に鑑み鋭意検討した結果、特定の物性を有する樹脂が
糖アルコール類に対して優れた耐久性を有することを見
出し、本発明を完成するに至った。
情に鑑み鋭意検討した結果、特定の物性を有する樹脂が
糖アルコール類に対して優れた耐久性を有することを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明の要旨は、 1.糖アルコール類を含む蓄熱材組成物を担持する物体
の材料であって、 荷重撓み温度が、前記蓄熱材組成物の融点より50℃
低い温度ないし400℃の範囲内にあり、且つ 前記蓄熱材組成物中における、160℃、4000時
間保持後の、曲げ強度保持率が50%以上である、樹脂
を含むことを特徴とする蓄熱材担持用材料、 2.1項に記載の蓄熱材担持用材料からなる容器に糖ア
ルコール類を含む蓄熱材を収蔵してなることを特徴とす
る蓄熱体、にある。
の材料であって、 荷重撓み温度が、前記蓄熱材組成物の融点より50℃
低い温度ないし400℃の範囲内にあり、且つ 前記蓄熱材組成物中における、160℃、4000時
間保持後の、曲げ強度保持率が50%以上である、樹脂
を含むことを特徴とする蓄熱材担持用材料、 2.1項に記載の蓄熱材担持用材料からなる容器に糖ア
ルコール類を含む蓄熱材を収蔵してなることを特徴とす
る蓄熱体、にある。
【0011】
【発明の実施の形態】(蓄熱材組成物)本発明に用いら
れる蓄熱材組成物は、糖アルコール類を主成分として含
む組成物である。糖アルコール類の含有率は、通常、1
0〜100重量%、好ましくは30〜100重量%であ
る。
れる蓄熱材組成物は、糖アルコール類を主成分として含
む組成物である。糖アルコール類の含有率は、通常、1
0〜100重量%、好ましくは30〜100重量%であ
る。
【0012】糖アルコール類については、特に限定はさ
れないが、その具体例としては、例えばmeso−エリ
スリトール、l−エリスリトール、d−エリスリトー
ル、dl−エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジ
ペンタエリスリトール、リビトール、キシリトール、D
−アラビトール、L−アラビトール、DL−アラビトー
ル、アリトール、ダルシトール、D−ソルビトール、L
−グルシトール、DL−グルシトール、D−マンニトー
ル、L−マンニトール、DL−マンニトール、D−イデ
ィトール、L−イディトール、D−タリトール、L−タ
リトール、DL−タリトール、ペルセイトール、ボレミ
トール、グリセロ−グロ−ヘプチトール、D−グリセロ
−D−イド−ヘプチトール、D−エリスロ−D−ガラク
ト−オクチトール等が挙げられる。中でも100℃付近
に融点を持ち、蓄熱密度が高く、結晶性に優れた安価な
材料として、meso−エリスリトールがより好ましく
例示される。
れないが、その具体例としては、例えばmeso−エリ
スリトール、l−エリスリトール、d−エリスリトー
ル、dl−エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジ
ペンタエリスリトール、リビトール、キシリトール、D
−アラビトール、L−アラビトール、DL−アラビトー
ル、アリトール、ダルシトール、D−ソルビトール、L
−グルシトール、DL−グルシトール、D−マンニトー
ル、L−マンニトール、DL−マンニトール、D−イデ
ィトール、L−イディトール、D−タリトール、L−タ
リトール、DL−タリトール、ペルセイトール、ボレミ
トール、グリセロ−グロ−ヘプチトール、D−グリセロ
−D−イド−ヘプチトール、D−エリスロ−D−ガラク
ト−オクチトール等が挙げられる。中でも100℃付近
に融点を持ち、蓄熱密度が高く、結晶性に優れた安価な
材料として、meso−エリスリトールがより好ましく
例示される。
【0013】本発明の蓄熱材組成物には副成分として、
主成分となる化合物に相溶し、共晶可能なものを添加す
ることができる。その添加量については主成分の蓄熱材
性能を著しく損わない範囲、通常は、重量で主成分量を
越えない範囲で使用することができる。
主成分となる化合物に相溶し、共晶可能なものを添加す
ることができる。その添加量については主成分の蓄熱材
性能を著しく損わない範囲、通常は、重量で主成分量を
越えない範囲で使用することができる。
【0014】本発明に用いる蓄熱材組成物については、
過冷却を防止するため、通常、過冷却防止剤が添加され
る。過冷却防止剤としては、水に難溶性の無機塩が用い
られる。水に難溶性とは、25℃の水100gに対して
5g以上溶解しないことを意味する。このような無機塩
の具体例としては、例えば、炭酸カルシウム、リン酸三
カルシウム、硫酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、
リン酸アルミニウム、リン酸銀、硫酸銀、塩化銀、ヨウ
化銀等が挙げられる。これらは、単独又は組み合わせて
用いることができる。また、本発明に用いる蓄熱材組成
物には、熱安定剤、難燃剤、増粘剤、ゲル化剤、酸化防
止剤、熱伝導性改良剤等の添加剤を適宜使用することが
できる。
過冷却を防止するため、通常、過冷却防止剤が添加され
る。過冷却防止剤としては、水に難溶性の無機塩が用い
られる。水に難溶性とは、25℃の水100gに対して
5g以上溶解しないことを意味する。このような無機塩
の具体例としては、例えば、炭酸カルシウム、リン酸三
カルシウム、硫酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、
リン酸アルミニウム、リン酸銀、硫酸銀、塩化銀、ヨウ
化銀等が挙げられる。これらは、単独又は組み合わせて
用いることができる。また、本発明に用いる蓄熱材組成
物には、熱安定剤、難燃剤、増粘剤、ゲル化剤、酸化防
止剤、熱伝導性改良剤等の添加剤を適宜使用することが
できる。
【0015】(蓄熱体)本発明の蓄熱体とは、糖アルコ
ール類を含む蓄熱材組成物を担持する物体からなるもの
である。その構造については特に限定はされないが、そ
の代表例は糖アルコール類を含む蓄熱材組成物を収蔵し
てなる容器からなるものである。その具体例としては、
カプセル型蓄熱体、アイスオンコイル型蓄熱槽、シェル
&チューブ型蓄熱槽、プレート型蓄熱槽が好ましく挙げ
られる。この中、樹脂材料の易成形体、柔軟性が求めら
れるカプセルが、最も好ましく例示される。カプセル型
蓄熱体を用いた蓄熱ユニットは、例えば図1に示す様な
ものであって、エリスリトール等の蓄熱材1を封入した
カプセル2を容器3に多数収納し、該容器内を熱媒体4
を通過させて熱の蓄熱及び移動を可能とするタイプの蓄
熱体である。全体のスケールにもよるが、カプセルとし
ては、通常、直径3〜100cm、厚さ0.1〜5mm
程度の中空球状のものが用いられ、一個の蓄熱ユニット
に10〜1,000,000個程度のカプセルが用いら
れる。本発明の蓄熱材担持用材料の使用法としては、具
体的には実施形態がカプセル型であればカプセル容器、
実施形態がアイスオンコイル型蓄熱槽、シェル&チュー
ブ型蓄熱槽、プレート型蓄熱槽等であれば蓄熱槽容器及
び/又は伝熱壁として使用することができる。但し、本
発明にいう伝熱壁とは、蓄熱体に担持された蓄熱材と、
蓄熱材に熱の受け渡しをする熱媒体との間に介在する固
体壁を指す。
ール類を含む蓄熱材組成物を担持する物体からなるもの
である。その構造については特に限定はされないが、そ
の代表例は糖アルコール類を含む蓄熱材組成物を収蔵し
てなる容器からなるものである。その具体例としては、
カプセル型蓄熱体、アイスオンコイル型蓄熱槽、シェル
&チューブ型蓄熱槽、プレート型蓄熱槽が好ましく挙げ
られる。この中、樹脂材料の易成形体、柔軟性が求めら
れるカプセルが、最も好ましく例示される。カプセル型
蓄熱体を用いた蓄熱ユニットは、例えば図1に示す様な
ものであって、エリスリトール等の蓄熱材1を封入した
カプセル2を容器3に多数収納し、該容器内を熱媒体4
を通過させて熱の蓄熱及び移動を可能とするタイプの蓄
熱体である。全体のスケールにもよるが、カプセルとし
ては、通常、直径3〜100cm、厚さ0.1〜5mm
程度の中空球状のものが用いられ、一個の蓄熱ユニット
に10〜1,000,000個程度のカプセルが用いら
れる。本発明の蓄熱材担持用材料の使用法としては、具
体的には実施形態がカプセル型であればカプセル容器、
実施形態がアイスオンコイル型蓄熱槽、シェル&チュー
ブ型蓄熱槽、プレート型蓄熱槽等であれば蓄熱槽容器及
び/又は伝熱壁として使用することができる。但し、本
発明にいう伝熱壁とは、蓄熱体に担持された蓄熱材と、
蓄熱材に熱の受け渡しをする熱媒体との間に介在する固
体壁を指す。
【0016】(蓄熱材担持用材料)本発明に用いる蓄熱
材組成物を担持する物体の材料とは、 荷重撓み温度が、前記蓄熱材組成物の融点より50℃
低い温度ないし400℃の範囲にあり、且つ 前記蓄熱材組成物中における、160℃、4000時
間保持後の、曲げ強度保持率が50%以上である、 樹脂である。
材組成物を担持する物体の材料とは、 荷重撓み温度が、前記蓄熱材組成物の融点より50℃
低い温度ないし400℃の範囲にあり、且つ 前記蓄熱材組成物中における、160℃、4000時
間保持後の、曲げ強度保持率が50%以上である、 樹脂である。
【0017】本発明に用いる樹脂は、重合度又は分子量
と密接に関連する荷重撓み温度(455kPa;AST
M−D648)が、糖アルコールを主成分とする蓄熱材
組成物の融点より50℃低い温度よりも高い樹脂であ
り、蓄熱材組成物の融点より40℃低い温度より高いの
が好ましい。荷重撓み温度が糖アルコールを主成分とす
る蓄熱材組成物の融点よりも低いと、蓄熱体が蓄熱すべ
き熱で形状を保持するには何らかの形状保持策が必要と
なるからである。また、荷重撓み温度は400℃以下で
あり、好ましくは300℃以下の樹脂である。荷重撓み
温度が400℃を越えると一般的な成型機では成形が困
難となる上、樹脂自体の熱分解が著しくなるため、特殊
な方法で成形せざるを得ないからである。
と密接に関連する荷重撓み温度(455kPa;AST
M−D648)が、糖アルコールを主成分とする蓄熱材
組成物の融点より50℃低い温度よりも高い樹脂であ
り、蓄熱材組成物の融点より40℃低い温度より高いの
が好ましい。荷重撓み温度が糖アルコールを主成分とす
る蓄熱材組成物の融点よりも低いと、蓄熱体が蓄熱すべ
き熱で形状を保持するには何らかの形状保持策が必要と
なるからである。また、荷重撓み温度は400℃以下で
あり、好ましくは300℃以下の樹脂である。荷重撓み
温度が400℃を越えると一般的な成型機では成形が困
難となる上、樹脂自体の熱分解が著しくなるため、特殊
な方法で成形せざるを得ないからである。
【0018】本発明に用いる樹脂は、糖アルコールを主
成分とする蓄熱材組成物中、160℃、4000時間後
の曲げ強度についての性能保持率が50%以上であり、
70%以上であるのが好ましい。70〜120℃の熱を
蓄える場合、安全を考慮して160℃での耐久性が問題
となり、性能保持率が50%未満であると、蓄熱ユニッ
トの安全性が保証できなくなるからである。糖アルコー
ルを主成分とする蓄熱材組成物中、160℃、4000
時間後の曲げ強度についての性能保持率は以下のように
して評価する。
成分とする蓄熱材組成物中、160℃、4000時間後
の曲げ強度についての性能保持率が50%以上であり、
70%以上であるのが好ましい。70〜120℃の熱を
蓄える場合、安全を考慮して160℃での耐久性が問題
となり、性能保持率が50%未満であると、蓄熱ユニッ
トの安全性が保証できなくなるからである。糖アルコー
ルを主成分とする蓄熱材組成物中、160℃、4000
時間後の曲げ強度についての性能保持率は以下のように
して評価する。
【0019】即ち、同一材質のJIS(K7203−1
995)規格曲げ試験片をSUS304製ワイヤー(酸
処理品)で互いに接触しないように一端を束ね、容器底
面に自立できるようにしたもの(四本/束)を六束用意
し、液相状態の蓄熱材組成物350gが入ったSUS1
8−8製密閉容器(酸処理品;円筒型;内径67mm;
高さ135mm;内容積476mm)中に入れ、それぞ
れ自立させる。その後、容器上部のデッドスペースにア
ルゴンガスを2〜3L/分で30〜60秒間送り込んだ
後、テフロンシールテープを巻いた上、密栓する。この
ものを強制対流式オーブン(160±3℃)中で400
0時間加熱した後、容器から試験片束を取り出す。束を
ばらして40〜50℃の水にて十分に洗浄、乾燥後、室
温23℃、湿度50%の恒温恒湿室中で一昼夜以上放置
し安定化させてから、JIS(K7203−1995)
規格曲げ試験を実施したときの曲げ強度を対照試験片の
強度と比較する。
995)規格曲げ試験片をSUS304製ワイヤー(酸
処理品)で互いに接触しないように一端を束ね、容器底
面に自立できるようにしたもの(四本/束)を六束用意
し、液相状態の蓄熱材組成物350gが入ったSUS1
8−8製密閉容器(酸処理品;円筒型;内径67mm;
高さ135mm;内容積476mm)中に入れ、それぞ
れ自立させる。その後、容器上部のデッドスペースにア
ルゴンガスを2〜3L/分で30〜60秒間送り込んだ
後、テフロンシールテープを巻いた上、密栓する。この
ものを強制対流式オーブン(160±3℃)中で400
0時間加熱した後、容器から試験片束を取り出す。束を
ばらして40〜50℃の水にて十分に洗浄、乾燥後、室
温23℃、湿度50%の恒温恒湿室中で一昼夜以上放置
し安定化させてから、JIS(K7203−1995)
規格曲げ試験を実施したときの曲げ強度を対照試験片の
強度と比較する。
【0020】上記要件を満足する樹脂については、構造
は特に限定はされないが、本発明においては、式(I)
の繰り返し単位を持つ樹脂又は式(II)の繰り返し単位
を持つ樹脂を用いるのが好ましい。
は特に限定はされないが、本発明においては、式(I)
の繰り返し単位を持つ樹脂又は式(II)の繰り返し単位
を持つ樹脂を用いるのが好ましい。
【0021】
【化3】
【0022】(式中、X1 及びX2 は、それぞれ独立し
て、O、S又はSO2 を示し、R1 、R2 、R3 及びR
4 は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜8のア
ルキル基又はハロゲン原子を示す。また、l、m及びn
は整数である)
て、O、S又はSO2 を示し、R1 、R2 、R3 及びR
4 は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜8のア
ルキル基又はハロゲン原子を示す。また、l、m及びn
は整数である)
【0023】
【化4】
【0024】(式中、Rは、水素原子又は炭素数が1〜
6のアルキル基を示す。また、nは整数である)
6のアルキル基を示す。また、nは整数である)
【0025】式(I)の繰り返し単位を持つ樹脂の場
合、式中、X1 及びX2 は、それぞれ独立して、−O
−、−S−又は−SO2 −基を示すが、この中、X1 及
びX2 が共に−O−又は−S−であるのが好ましい。ま
た、R1 、R2 、R3 及びR4 は、それぞれ独立して、
水素原子、炭素数1〜8のアルキル基又はハロゲン原子
を示す。ここでR1 、R2 、R3 又はR4 が炭素数1〜
8のアルキル基であるとき、アルキル基の具体例として
は、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−
プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブ
チル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキ
シル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げら
れる。また、R1 、R2 、R3 又はR4 がハロゲン原子
であるとき、ハロゲン原子の具体例としては、例えばC
l、Br、I等が挙げられるが、この中、Cl及びBr
が好ましい。また、l及びmは、通常0又は1であり、
nは通常2以上である。
合、式中、X1 及びX2 は、それぞれ独立して、−O
−、−S−又は−SO2 −基を示すが、この中、X1 及
びX2 が共に−O−又は−S−であるのが好ましい。ま
た、R1 、R2 、R3 及びR4 は、それぞれ独立して、
水素原子、炭素数1〜8のアルキル基又はハロゲン原子
を示す。ここでR1 、R2 、R3 又はR4 が炭素数1〜
8のアルキル基であるとき、アルキル基の具体例として
は、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−
プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブ
チル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキ
シル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げら
れる。また、R1 、R2 、R3 又はR4 がハロゲン原子
であるとき、ハロゲン原子の具体例としては、例えばC
l、Br、I等が挙げられるが、この中、Cl及びBr
が好ましい。また、l及びmは、通常0又は1であり、
nは通常2以上である。
【0026】なお、式(I)において、連結基、置換
基、繰り返し単位等の組合せの中、好ましいものとして
は、X1 =O、R1 =H、R2 =H、l=1、m=
0、X 1 =S、R1 =H、R2 =H、l=1、m=
0、X1 =SO2 、R1 =H、R 2 =H、l=1、m
=0、X1 =O、R1 =H、R2 =H、l=1,X2
=S、R3 =H、R4 =H、m=1、X1 =O、R1
=H、R2 =H、l=1、X 2 =SO2 、R3 =H、R
4 =H、m=1、等である。そして、これらの中、と
がより好ましい。
基、繰り返し単位等の組合せの中、好ましいものとして
は、X1 =O、R1 =H、R2 =H、l=1、m=
0、X 1 =S、R1 =H、R2 =H、l=1、m=
0、X1 =SO2 、R1 =H、R 2 =H、l=1、m
=0、X1 =O、R1 =H、R2 =H、l=1,X2
=S、R3 =H、R4 =H、m=1、X1 =O、R1
=H、R2 =H、l=1、X 2 =SO2 、R3 =H、R
4 =H、m=1、等である。そして、これらの中、と
がより好ましい。
【0027】このような樹脂の好ましい具体例として
は、例えばポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンス
ルフィド、ポリフェニレンスルフォン、ポリフェニレン
エーテルスルフィド、ポリフェニレンエーテルスルフォ
ン等が挙げられる。中でも汎用性の面からポリフェニレ
ンスルフィド、変性ポリフェニレンスルフィド、ポリフ
ェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテルをより
好ましく例示することができる。ここで、変性とは、他
の樹脂成分を溶融、混練等の手法で添加混合したものを
いう。なお、これらの樹脂は単独で、或いは二種以上混
合して用いることができる。
は、例えばポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンス
ルフィド、ポリフェニレンスルフォン、ポリフェニレン
エーテルスルフィド、ポリフェニレンエーテルスルフォ
ン等が挙げられる。中でも汎用性の面からポリフェニレ
ンスルフィド、変性ポリフェニレンスルフィド、ポリフ
ェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテルをより
好ましく例示することができる。ここで、変性とは、他
の樹脂成分を溶融、混練等の手法で添加混合したものを
いう。なお、これらの樹脂は単独で、或いは二種以上混
合して用いることができる。
【0028】式(II)の繰り返し単位を持つ樹脂の場
合、Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示
す。ここで、Rが炭素数1〜6のアルキル基であると
き、アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル
基、ヘキシル基等が挙げられる。また、nは通常、2以
上である。
合、Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示
す。ここで、Rが炭素数1〜6のアルキル基であると
き、アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル
基、ヘキシル基等が挙げられる。また、nは通常、2以
上である。
【0029】このような樹脂の好ましい具体例として
は、例えばポリ−4−メチルペンテン−1、ポリプロピ
レン、ポリブチレン、シラン架橋ポリエチレン、シラン
架橋ポリプロピレン等が挙げられる。中でも、耐熱性に
優れ、且つ汎用性を有するポリ−4−メチルペンテン−
1、シラン架橋ポリエチレン、シラン架橋ポリプロピレ
ンをより好ましく例示できる。なお、これらの樹脂は単
独で、或いは二種以上混合して用いることができる。
は、例えばポリ−4−メチルペンテン−1、ポリプロピ
レン、ポリブチレン、シラン架橋ポリエチレン、シラン
架橋ポリプロピレン等が挙げられる。中でも、耐熱性に
優れ、且つ汎用性を有するポリ−4−メチルペンテン−
1、シラン架橋ポリエチレン、シラン架橋ポリプロピレ
ンをより好ましく例示できる。なお、これらの樹脂は単
独で、或いは二種以上混合して用いることができる。
【0030】また、これらを用いて本発明を実施する場
合、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応
じて他の樹脂成分を溶融、混練等の方法により混合して
用いることができる。例としては、高密度ポリエチレ
ン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブ
タジエン等のオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン等の非芳香族ハロゲン化炭化水素樹脂
類;ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−ス
チレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体
等のポリスチレン類;ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリアリレート等のポリエステル類;ポリアミド
6、ポリアミド10、ポリアミド12、ポリアミド6/
6、ポリアミド4/6、ポリアミド6/10、ポリアミ
ド6/11、芳香族ポリアミド等のポリアミド類;ポリ
カーボネート類等が挙げられる。中でも、成型性改良の
ためにポリスチレン類と混合することが好ましい。
合、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応
じて他の樹脂成分を溶融、混練等の方法により混合して
用いることができる。例としては、高密度ポリエチレ
ン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブ
タジエン等のオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン等の非芳香族ハロゲン化炭化水素樹脂
類;ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−ス
チレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体
等のポリスチレン類;ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリアリレート等のポリエステル類;ポリアミド
6、ポリアミド10、ポリアミド12、ポリアミド6/
6、ポリアミド4/6、ポリアミド6/10、ポリアミ
ド6/11、芳香族ポリアミド等のポリアミド類;ポリ
カーボネート類等が挙げられる。中でも、成型性改良の
ためにポリスチレン類と混合することが好ましい。
【0031】また、本発明で用いる樹脂には必要に応じ
て無機繊維、金属繊維、有機繊維、金属粉、無機粉、金
属ウィスカ、無機ウィスカ等の充填剤、補強剤、チクソ
剤、増粘剤、酸化防止剤、難燃剤、離型剤、消泡剤、ゴ
ム成分等の各種添加剤を使用することができる。また、
本発明の蓄熱体を構成する樹脂製の部材は、射出成形、
押出成形、押出ブロー成形、射出ブロー成形、延伸ブロ
ー成形、或いはガスアシストインジェクション成形等、
通常知られている任意の成形技術を利用して形成するこ
とができる。
て無機繊維、金属繊維、有機繊維、金属粉、無機粉、金
属ウィスカ、無機ウィスカ等の充填剤、補強剤、チクソ
剤、増粘剤、酸化防止剤、難燃剤、離型剤、消泡剤、ゴ
ム成分等の各種添加剤を使用することができる。また、
本発明の蓄熱体を構成する樹脂製の部材は、射出成形、
押出成形、押出ブロー成形、射出ブロー成形、延伸ブロ
ー成形、或いはガスアシストインジェクション成形等、
通常知られている任意の成形技術を利用して形成するこ
とができる。
【0032】尚、本発明における潜熱蓄熱材の融点及び
融解潜熱量の定義は次の通りである。即ち、アルミニウ
ムの密封セルを使用し、示差走査熱量計(セイコー電子
工業社製、DSC−220C)を用いて窒素流量100
ml/分、昇温速度2℃/分で20℃から180℃まで
昇温させた際に現れた吸熱ピークの内で最大ピークのピ
ークトップ温度を融点とし、このピークの吸熱量を融解
潜熱量とする。
融解潜熱量の定義は次の通りである。即ち、アルミニウ
ムの密封セルを使用し、示差走査熱量計(セイコー電子
工業社製、DSC−220C)を用いて窒素流量100
ml/分、昇温速度2℃/分で20℃から180℃まで
昇温させた際に現れた吸熱ピークの内で最大ピークのピ
ークトップ温度を融点とし、このピークの吸熱量を融解
潜熱量とする。
【0033】本発明の蓄熱材組成物については、例えば
次のような用途に使用することができる。給湯目的では
深夜電力を利用した蓄熱式電気温水器が考えられる。シ
ステムを複合化させれば24時間風呂とも共用が可能で
ある。暖房目的では蓄熱式床暖房システムが考えられ
る。また、北欧等寒い地域で自動車のエンジン始動時に
触媒温度が上がるまで、触媒の活性が上がらず有害なガ
スが排出される問題がある。この問題を解決するため
に、走行時のラジエターの熱を蓄熱しておき、始動時に
利用して昇温を加速することも考えられる。ラジエター
内の熱媒体は不凍液(エチレングリコール水溶液)であ
るが、走行中の液温は90℃前後である。
次のような用途に使用することができる。給湯目的では
深夜電力を利用した蓄熱式電気温水器が考えられる。シ
ステムを複合化させれば24時間風呂とも共用が可能で
ある。暖房目的では蓄熱式床暖房システムが考えられ
る。また、北欧等寒い地域で自動車のエンジン始動時に
触媒温度が上がるまで、触媒の活性が上がらず有害なガ
スが排出される問題がある。この問題を解決するため
に、走行時のラジエターの熱を蓄熱しておき、始動時に
利用して昇温を加速することも考えられる。ラジエター
内の熱媒体は不凍液(エチレングリコール水溶液)であ
るが、走行中の液温は90℃前後である。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施
例に限定されるものではない。尚、エリスリトールは三
菱化学フーズ(株)製を、リン酸三カルシウムはキシダ
化学(株)製を用いた。曲げ強度については、JIS
K7203(1995)に則り測定した。
するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施
例に限定されるものではない。尚、エリスリトールは三
菱化学フーズ(株)製を、リン酸三カルシウムはキシダ
化学(株)製を用いた。曲げ強度については、JIS
K7203(1995)に則り測定した。
【0035】(実施例1)試験容器には、塩酸水溶液で
表面処理を施したステンレス18−8製ネジ蓋容器(内
径70mm×高さ140mm)を用いた。ポリスチレン
を混合してなる変性ポリフェニレンエーテル(三菱エン
ジニアリングプラスチックス(株)製;ユピエースAH
90;荷重撓み温度(455kPa;ASTM−D64
8)160℃)を射出成形で85×10×4(mm)の
曲げ試験片型に成形して試験片を得た。塩酸水溶液で表
面処理を施したステンレス304製ワイヤーにて試験片
四本の一方の端を束ね、束とし、該束六束を容器底面で
自立するように固定した。ここに融点119℃のエリス
リトール97重量部に対してリン酸三カルシウム3重量
部を添加した140℃の懸濁液を356g充填し、本体
ネジ切り部にテフロンシールテープを施した後、容器蓋
をプライヤー等を用いて締め、密封し、試験体とした。
得られた試験体を160℃の強制対流式オーブンに入
れ、長期評価を行った。試験後のサンプルの曲げ強度を
表1に示した。
表面処理を施したステンレス18−8製ネジ蓋容器(内
径70mm×高さ140mm)を用いた。ポリスチレン
を混合してなる変性ポリフェニレンエーテル(三菱エン
ジニアリングプラスチックス(株)製;ユピエースAH
90;荷重撓み温度(455kPa;ASTM−D64
8)160℃)を射出成形で85×10×4(mm)の
曲げ試験片型に成形して試験片を得た。塩酸水溶液で表
面処理を施したステンレス304製ワイヤーにて試験片
四本の一方の端を束ね、束とし、該束六束を容器底面で
自立するように固定した。ここに融点119℃のエリス
リトール97重量部に対してリン酸三カルシウム3重量
部を添加した140℃の懸濁液を356g充填し、本体
ネジ切り部にテフロンシールテープを施した後、容器蓋
をプライヤー等を用いて締め、密封し、試験体とした。
得られた試験体を160℃の強制対流式オーブンに入
れ、長期評価を行った。試験後のサンプルの曲げ強度を
表1に示した。
【0036】(実施例2)変性ポリフェニレンエーテル
をポリフェニレンスルフィド(トープレン(株)製;L
B−30;荷重撓み温度(455kPa;ASTM−D
648)200〜250℃)とした以外は実施例1と同
様に実施した。
をポリフェニレンスルフィド(トープレン(株)製;L
B−30;荷重撓み温度(455kPa;ASTM−D
648)200〜250℃)とした以外は実施例1と同
様に実施した。
【0037】(実施例3)変性ポリフェニレンエーテル
をポリ−4−メチルペンテン−1(三井石油化学工業
(株)製;TPX−MX002;荷重撓み温度(455
kPa;ASTM−D648)80℃)とした以外は実
施例1と同様に実施した。
をポリ−4−メチルペンテン−1(三井石油化学工業
(株)製;TPX−MX002;荷重撓み温度(455
kPa;ASTM−D648)80℃)とした以外は実
施例1と同様に実施した。
【0038】(比較例1)変性ポリフェニレンエーテル
をポリオキシメチレン(三菱エンジニアリングプラスチ
ックス(株)製;ユピタールF10;荷重撓み温度(4
55kPa;ASTM−D648)158℃)とした以
外は実施例1と同様に実施した。
をポリオキシメチレン(三菱エンジニアリングプラスチ
ックス(株)製;ユピタールF10;荷重撓み温度(4
55kPa;ASTM−D648)158℃)とした以
外は実施例1と同様に実施した。
【0039】
【表1】
【0040】但し、表中の値は曲げ強度を示し、単位は
(kgf/cm2 )とした。また、試験点数は四点と
し、その平均値を採用した。 1)160℃で2時間アニール後の値。 2)試験片が分解ないし溶解して消滅。 この結果は、通常耐熱性に優れ、且つ耐アルコール性に
優れていると考えられている樹脂が、必ずしも高温下で
は耐糖アルコール性を有しないことを示していると共
に、一般式(I)で示される繰り返し単位を主鎖に有す
る樹脂及び一般式(II)で示される繰り返し単位を主鎖
に有する樹脂又はその架橋体が、糖アルコールを主成分
とする蓄熱材組成物に対して特に適合性を有することを
示すものである。
(kgf/cm2 )とした。また、試験点数は四点と
し、その平均値を採用した。 1)160℃で2時間アニール後の値。 2)試験片が分解ないし溶解して消滅。 この結果は、通常耐熱性に優れ、且つ耐アルコール性に
優れていると考えられている樹脂が、必ずしも高温下で
は耐糖アルコール性を有しないことを示していると共
に、一般式(I)で示される繰り返し単位を主鎖に有す
る樹脂及び一般式(II)で示される繰り返し単位を主鎖
に有する樹脂又はその架橋体が、糖アルコールを主成分
とする蓄熱材組成物に対して特に適合性を有することを
示すものである。
【0041】(実施例4)以下に、本発明をカプセル型
蓄熱ユニットに適用した例を示す。図1に示す蓄熱ユニ
ットの、蓄熱材1としてのエリスリトールを、前記ユピ
エースAH90製の直径67mm、厚さ2mmの中空球
状カプセル2に封入してなる蓄熱体100個を、容器3
に多数収納し、該容器3内を熱媒体4としての水及び蒸
気を通過させて熱の蓄熱及び移動を行ない、蓄熱ユニッ
トとしての動作を確認した。
蓄熱ユニットに適用した例を示す。図1に示す蓄熱ユニ
ットの、蓄熱材1としてのエリスリトールを、前記ユピ
エースAH90製の直径67mm、厚さ2mmの中空球
状カプセル2に封入してなる蓄熱体100個を、容器3
に多数収納し、該容器3内を熱媒体4としての水及び蒸
気を通過させて熱の蓄熱及び移動を行ない、蓄熱ユニッ
トとしての動作を確認した。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、製作が容易で軽量且つ
長期信頼性に優れた高温用蓄熱体が得られる。
長期信頼性に優れた高温用蓄熱体が得られる。
【図1】カプセル型蓄熱ユニットの縦断面図。
1 蓄熱材 2 中空球状カプセル 3 容器 4 熱媒体
Claims (9)
- 【請求項1】 糖アルコール類を含む蓄熱材組成物を担
持する物体の材料であって、 荷重撓み温度が、前記蓄熱材組成物の融点より50℃
低い温度ないし400℃の範囲内にあり、且つ 前記蓄熱材組成物中における、160℃、4000時
間保持後の、曲げ強度保持率が50%以上である、 樹脂を含むことを特徴とする蓄熱材担持用材料。 - 【請求項2】 前記樹脂が主鎖として下記一般式(I)
で表される繰り返し単位を有することを特徴とする請求
項1に記載の蓄熱材担持用材料。 【化1】 (式中、X1 及びX2 は、それぞれ独立して、O、S又
はSO2 を示し、R1 、R2 、R3 及びR4 は、それぞ
れ独立して、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基又は
ハロゲン原子を示す。また、l、m及びnは整数であ
る) - 【請求項3】 前記樹脂又はその架橋体が主鎖として下
記一般式(II)で表される繰り返し単位を有することを
特徴とする請求項1に記載の蓄熱材担持用材料。 【化2】 (式中、Rは、水素原子又は炭素数が1〜6のアルキル
基を示す。また、nは整数である) - 【請求項4】 糖アルコール類がエリスリトールである
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の
蓄熱材担持用材料。 - 【請求項5】 糖アルコール類を含む蓄熱材が水に難溶
性の無機塩を含有することを特徴とする請求項1ないし
4のいずれかに記載の蓄熱材担持用材料。 - 【請求項6】 更に、ポリスチレン類を含むことを特徴
とする請求項2に記載の蓄熱材担持用材料。 - 【請求項7】 糖アルコール類を含む蓄熱材組成物を担
持する物体が該組成物を収蔵する容器であることを特徴
とする請求項1に記載の蓄熱材担持用材料。 - 【請求項8】 請求項1ないし6のいずれかに記載の蓄
熱材担持用材料からなる容器に糖アルコール類を含む蓄
熱材組成物を収蔵してなることを特徴とする蓄熱体。 - 【請求項9】 カプセル型であることを特徴とする請求
項7記載の蓄熱体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10209283A JP2000038576A (ja) | 1998-07-24 | 1998-07-24 | 蓄熱材担持用材料及び蓄熱体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10209283A JP2000038576A (ja) | 1998-07-24 | 1998-07-24 | 蓄熱材担持用材料及び蓄熱体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000038576A true JP2000038576A (ja) | 2000-02-08 |
Family
ID=16570388
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10209283A Pending JP2000038576A (ja) | 1998-07-24 | 1998-07-24 | 蓄熱材担持用材料及び蓄熱体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000038576A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008095042A (ja) * | 2006-10-16 | 2008-04-24 | Tamai Kasei Kk | 糖アルコールを含有する蓄熱材組成物 |
WO2015141866A1 (ja) * | 2014-03-20 | 2015-09-24 | 住友化学株式会社 | 蓄熱材組成物 |
JP2015174870A (ja) * | 2014-03-13 | 2015-10-05 | 大成建設株式会社 | 蓄熱材と蓄熱体と蓄熱材の製造方法 |
CN109425059A (zh) * | 2017-08-28 | 2019-03-05 | 东莞市兆荣节能科技有限公司 | 一种用布水模块的蓄冷系统 |
-
1998
- 1998-07-24 JP JP10209283A patent/JP2000038576A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008095042A (ja) * | 2006-10-16 | 2008-04-24 | Tamai Kasei Kk | 糖アルコールを含有する蓄熱材組成物 |
JP2015174870A (ja) * | 2014-03-13 | 2015-10-05 | 大成建設株式会社 | 蓄熱材と蓄熱体と蓄熱材の製造方法 |
WO2015141866A1 (ja) * | 2014-03-20 | 2015-09-24 | 住友化学株式会社 | 蓄熱材組成物 |
JPWO2015141866A1 (ja) * | 2014-03-20 | 2017-04-13 | 住友化学株式会社 | 蓄熱材組成物 |
US10174236B2 (en) | 2014-03-20 | 2019-01-08 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Heat storage material composition |
CN109425059A (zh) * | 2017-08-28 | 2019-03-05 | 东莞市兆荣节能科技有限公司 | 一种用布水模块的蓄冷系统 |
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