JP2000038576A - 蓄熱材担持用材料及び蓄熱体 - Google Patents

蓄熱材担持用材料及び蓄熱体

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JP2000038576A
JP2000038576A JP10209283A JP20928398A JP2000038576A JP 2000038576 A JP2000038576 A JP 2000038576A JP 10209283 A JP10209283 A JP 10209283A JP 20928398 A JP20928398 A JP 20928398A JP 2000038576 A JP2000038576 A JP 2000038576A
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heat
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JP10209283A
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Masayoshi Yabe
昌義 矢部
Hiroyuki Kakiuchi
博行 垣内
Shoichi Chihara
彰一 千原
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製作が容易で軽量且つ長期信頼性に優れた高
温用蓄熱体及びそれに用いる蓄熱材担持用材料の提供。 【解決手段】 1.糖アルコール類を含む蓄熱材組成物
を担持する物体の材料であって、 荷重撓み温度が、前記蓄熱材組成物の融点より50℃
低い温度ないし400℃の範囲内にあり、且つ 前記蓄熱材組成物中における、160℃、4000時
間保持後の、曲げ強度保持率が50%以上である、樹脂
を含むことを特徴とする蓄熱材担持用材料。 2.1項に記載の蓄熱材担持用材料からなる容器に糖ア
ルコール類を含む蓄熱材組成物を収蔵してなることを特
徴とする蓄熱体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓄熱材担持用材料
及び蓄熱体に関する。詳しくは、糖アルコール類を含む
蓄熱材組成物を担持する材料及びそれを用いた蓄熱体に
関する。本発明の蓄熱体は、深夜電力を利用した蓄熱式
電気温水器、蓄熱式床暖房システム、寒冷地仕様の自動
車エンジン用蓄熱システム等の蓄熱材容器等に好適に用
いられる。
【0002】
【従来の技術】潜熱蓄熱材は、顕熱型蓄熱材に比べて蓄
熱密度が高く、相変化温度が一定であるため、熱の取り
出し温度が安定であるという利点を活かして実用化され
ている。潜熱蓄熱材としては、氷、硫酸ナトリウム十水
塩、塩化カルシウム六水塩及び酢酸ナトリウム三水塩等
が従来から知られている。しかしながら、これらの潜熱
蓄熱材の相変化温度は比較的低温であり、70から12
0℃前後の高い相変化温度が望まれる給湯、太陽エネル
ギー、ボイラーや自動車の廃熱を利用するための蓄熱材
としては不適当であり、これらに代るものとして、いろ
いろな蓄熱材組成物が今迄に提案されている。
【0003】100℃付近の温度範囲に融点を有する素
材の中、無機水和塩としては、水酸化バリウム八水塩
(融点78℃、融解潜熱量63.8cal/g)、硝酸
マグネシウム六水塩(融点89℃、融解潜熱量38.2
cal/g)等が挙げられる。しかしながら、前者につ
いては我が国では劇物に指定されており、また、後者に
ついては金属への腐食性の問題があるため、何れも蓄熱
材としては実用化されていない。一方、有機物として
は、パラフィンワックスや脂肪酸等が先ず挙げられる
が、これらはいずれも容積当りの蓄熱量(35.0〜4
5.0cal/ml)が小さく、実用化は制限される。
【0004】また、近年、糖アルコールの中に大きな蓄
熱量を有するものが存在することが見出され、蓄熱材と
しての利用が検討されている。その一つがキシリトール
(融点94〜95℃;特開昭54−65864号公報参
照)であり、もう一つの素材はエリスリトール(融点1
19℃;特表昭63−500946号公報、特開平5−
32963号公報参照)である。これらは食品添加物で
あるため、安全であり、潜熱量も高い。更に、第16回
日本熱物性シンポジウム(1995年、221頁)で
は、エリスリトールにペンタエリスリトール、トリメチ
ロールエタン及びネオペンチルグリコールを添加するこ
とにより、エリスリトールの相転移温度が数十度低下す
ることが報告されている。
【0005】これらの有望な素材を蓄熱材として実用化
するため周辺技術についてもいろいろと検討がなされて
いる。糖アルコール系蓄熱材については、過冷却現象が
起り易すいが、エリスリトールについては、これに難溶
性の塩を添加することにより過冷却現象が抑制されるこ
とが示されている(特開平9−249875号公報)。
【0006】しかしながら、70〜120℃の熱を蓄え
る蓄熱材を使いこなす技術、即ち、部材、ユニットに仕
上げる技術については、未だ未解決の課題が多い。例え
ば、これら糖アルコールを主成分とした蓄熱材の容器に
ついては、高温下における内容物に対する耐性が求めら
れるが、容器材料の長期耐久性については今迄に何ら報
告されていない。蓄熱槽、或いは蓄熱カプセルを樹脂化
することは、放熱ロスの軽減、蓄熱ユニットの軽量化、
低コスト化の手法として望まれる技術である。そして、
この場合、液相−固相転移を繰り返すタイプの蓄熱材に
対する樹脂製容器の耐久性が問題となるが、これを改良
するために、従来からいろいろと提案がなされている。
【0007】例えば、特公昭58−44294号公報に
は、FRP製蓄熱槽の耐熱水性を改良する目的で、多官
能エポキシ、多官能イソシアネート、及びヘテロ環生成
触媒より得られる樹脂等を表面コートする技術が提案さ
れている。また、特開平8−38538号公報には、密
閉袋内にポリエチレングリコールを封入した蓄熱あんか
の外表面を遠赤外線放射フィルムで覆う技術、及び内面
部を100〜150℃程度で軟化する熱可塑性プラスチ
ックフィルムにより形成する技術が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、樹脂製
の構造物については金属或いは無機材料に比べて、特に
有機溶剤に対して耐溶剤性に劣るため、100℃未満で
の短期的データから長期耐久性を保証できる材料を選出
することは不可能であるという問題がある。本発明の目
的は、高温下で糖アルコール系蓄熱材に対する長期に亘
る耐久性を有する樹脂材料を用いた蓄熱体を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる事
情に鑑み鋭意検討した結果、特定の物性を有する樹脂が
糖アルコール類に対して優れた耐久性を有することを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明の要旨は、 1.糖アルコール類を含む蓄熱材組成物を担持する物体
の材料であって、 荷重撓み温度が、前記蓄熱材組成物の融点より50℃
低い温度ないし400℃の範囲内にあり、且つ 前記蓄熱材組成物中における、160℃、4000時
間保持後の、曲げ強度保持率が50%以上である、樹脂
を含むことを特徴とする蓄熱材担持用材料、 2.1項に記載の蓄熱材担持用材料からなる容器に糖ア
ルコール類を含む蓄熱材を収蔵してなることを特徴とす
る蓄熱体、にある。
【0011】
【発明の実施の形態】(蓄熱材組成物)本発明に用いら
れる蓄熱材組成物は、糖アルコール類を主成分として含
む組成物である。糖アルコール類の含有率は、通常、1
0〜100重量%、好ましくは30〜100重量%であ
る。
【0012】糖アルコール類については、特に限定はさ
れないが、その具体例としては、例えばmeso−エリ
スリトール、l−エリスリトール、d−エリスリトー
ル、dl−エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジ
ペンタエリスリトール、リビトール、キシリトール、D
−アラビトール、L−アラビトール、DL−アラビトー
ル、アリトール、ダルシトール、D−ソルビトール、L
−グルシトール、DL−グルシトール、D−マンニトー
ル、L−マンニトール、DL−マンニトール、D−イデ
ィトール、L−イディトール、D−タリトール、L−タ
リトール、DL−タリトール、ペルセイトール、ボレミ
トール、グリセロ−グロ−ヘプチトール、D−グリセロ
−D−イド−ヘプチトール、D−エリスロ−D−ガラク
ト−オクチトール等が挙げられる。中でも100℃付近
に融点を持ち、蓄熱密度が高く、結晶性に優れた安価な
材料として、meso−エリスリトールがより好ましく
例示される。
【0013】本発明の蓄熱材組成物には副成分として、
主成分となる化合物に相溶し、共晶可能なものを添加す
ることができる。その添加量については主成分の蓄熱材
性能を著しく損わない範囲、通常は、重量で主成分量を
越えない範囲で使用することができる。
【0014】本発明に用いる蓄熱材組成物については、
過冷却を防止するため、通常、過冷却防止剤が添加され
る。過冷却防止剤としては、水に難溶性の無機塩が用い
られる。水に難溶性とは、25℃の水100gに対して
5g以上溶解しないことを意味する。このような無機塩
の具体例としては、例えば、炭酸カルシウム、リン酸三
カルシウム、硫酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、
リン酸アルミニウム、リン酸銀、硫酸銀、塩化銀、ヨウ
化銀等が挙げられる。これらは、単独又は組み合わせて
用いることができる。また、本発明に用いる蓄熱材組成
物には、熱安定剤、難燃剤、増粘剤、ゲル化剤、酸化防
止剤、熱伝導性改良剤等の添加剤を適宜使用することが
できる。
【0015】(蓄熱体)本発明の蓄熱体とは、糖アルコ
ール類を含む蓄熱材組成物を担持する物体からなるもの
である。その構造については特に限定はされないが、そ
の代表例は糖アルコール類を含む蓄熱材組成物を収蔵し
てなる容器からなるものである。その具体例としては、
カプセル型蓄熱体、アイスオンコイル型蓄熱槽、シェル
&チューブ型蓄熱槽、プレート型蓄熱槽が好ましく挙げ
られる。この中、樹脂材料の易成形体、柔軟性が求めら
れるカプセルが、最も好ましく例示される。カプセル型
蓄熱体を用いた蓄熱ユニットは、例えば図1に示す様な
ものであって、エリスリトール等の蓄熱材1を封入した
カプセル2を容器3に多数収納し、該容器内を熱媒体4
を通過させて熱の蓄熱及び移動を可能とするタイプの蓄
熱体である。全体のスケールにもよるが、カプセルとし
ては、通常、直径3〜100cm、厚さ0.1〜5mm
程度の中空球状のものが用いられ、一個の蓄熱ユニット
に10〜1,000,000個程度のカプセルが用いら
れる。本発明の蓄熱材担持用材料の使用法としては、具
体的には実施形態がカプセル型であればカプセル容器、
実施形態がアイスオンコイル型蓄熱槽、シェル&チュー
ブ型蓄熱槽、プレート型蓄熱槽等であれば蓄熱槽容器及
び/又は伝熱壁として使用することができる。但し、本
発明にいう伝熱壁とは、蓄熱体に担持された蓄熱材と、
蓄熱材に熱の受け渡しをする熱媒体との間に介在する固
体壁を指す。
【0016】(蓄熱材担持用材料)本発明に用いる蓄熱
材組成物を担持する物体の材料とは、 荷重撓み温度が、前記蓄熱材組成物の融点より50℃
低い温度ないし400℃の範囲にあり、且つ 前記蓄熱材組成物中における、160℃、4000時
間保持後の、曲げ強度保持率が50%以上である、 樹脂である。
【0017】本発明に用いる樹脂は、重合度又は分子量
と密接に関連する荷重撓み温度(455kPa;AST
M−D648)が、糖アルコールを主成分とする蓄熱材
組成物の融点より50℃低い温度よりも高い樹脂であ
り、蓄熱材組成物の融点より40℃低い温度より高いの
が好ましい。荷重撓み温度が糖アルコールを主成分とす
る蓄熱材組成物の融点よりも低いと、蓄熱体が蓄熱すべ
き熱で形状を保持するには何らかの形状保持策が必要と
なるからである。また、荷重撓み温度は400℃以下で
あり、好ましくは300℃以下の樹脂である。荷重撓み
温度が400℃を越えると一般的な成型機では成形が困
難となる上、樹脂自体の熱分解が著しくなるため、特殊
な方法で成形せざるを得ないからである。
【0018】本発明に用いる樹脂は、糖アルコールを主
成分とする蓄熱材組成物中、160℃、4000時間後
の曲げ強度についての性能保持率が50%以上であり、
70%以上であるのが好ましい。70〜120℃の熱を
蓄える場合、安全を考慮して160℃での耐久性が問題
となり、性能保持率が50%未満であると、蓄熱ユニッ
トの安全性が保証できなくなるからである。糖アルコー
ルを主成分とする蓄熱材組成物中、160℃、4000
時間後の曲げ強度についての性能保持率は以下のように
して評価する。
【0019】即ち、同一材質のJIS(K7203−1
995)規格曲げ試験片をSUS304製ワイヤー(酸
処理品)で互いに接触しないように一端を束ね、容器底
面に自立できるようにしたもの(四本/束)を六束用意
し、液相状態の蓄熱材組成物350gが入ったSUS1
8−8製密閉容器(酸処理品;円筒型;内径67mm;
高さ135mm;内容積476mm)中に入れ、それぞ
れ自立させる。その後、容器上部のデッドスペースにア
ルゴンガスを2〜3L/分で30〜60秒間送り込んだ
後、テフロンシールテープを巻いた上、密栓する。この
ものを強制対流式オーブン(160±3℃)中で400
0時間加熱した後、容器から試験片束を取り出す。束を
ばらして40〜50℃の水にて十分に洗浄、乾燥後、室
温23℃、湿度50%の恒温恒湿室中で一昼夜以上放置
し安定化させてから、JIS(K7203−1995)
規格曲げ試験を実施したときの曲げ強度を対照試験片の
強度と比較する。
【0020】上記要件を満足する樹脂については、構造
は特に限定はされないが、本発明においては、式(I)
の繰り返し単位を持つ樹脂又は式(II)の繰り返し単位
を持つ樹脂を用いるのが好ましい。
【0021】
【化3】
【0022】(式中、X1 及びX2 は、それぞれ独立し
て、O、S又はSO2 を示し、R1 、R2 、R3 及びR
4 は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜8のア
ルキル基又はハロゲン原子を示す。また、l、m及びn
は整数である)
【0023】
【化4】
【0024】(式中、Rは、水素原子又は炭素数が1〜
6のアルキル基を示す。また、nは整数である)
【0025】式(I)の繰り返し単位を持つ樹脂の場
合、式中、X1 及びX2 は、それぞれ独立して、−O
−、−S−又は−SO2 −基を示すが、この中、X1
びX2 が共に−O−又は−S−であるのが好ましい。ま
た、R1 、R2 、R3 及びR4 は、それぞれ独立して、
水素原子、炭素数1〜8のアルキル基又はハロゲン原子
を示す。ここでR1 、R2 、R3 又はR4 が炭素数1〜
8のアルキル基であるとき、アルキル基の具体例として
は、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−
プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブ
チル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキ
シル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げら
れる。また、R1 、R2 、R3 又はR4 がハロゲン原子
であるとき、ハロゲン原子の具体例としては、例えばC
l、Br、I等が挙げられるが、この中、Cl及びBr
が好ましい。また、l及びmは、通常0又は1であり、
nは通常2以上である。
【0026】なお、式(I)において、連結基、置換
基、繰り返し単位等の組合せの中、好ましいものとして
は、X1 =O、R1 =H、R2 =H、l=1、m=
0、X 1 =S、R1 =H、R2 =H、l=1、m=
0、X1 =SO2 、R1 =H、R 2 =H、l=1、m
=0、X1 =O、R1 =H、R2 =H、l=1,X2
=S、R3 =H、R4 =H、m=1、X1 =O、R1
=H、R2 =H、l=1、X 2 =SO2 、R3 =H、R
4 =H、m=1、等である。そして、これらの中、と
がより好ましい。
【0027】このような樹脂の好ましい具体例として
は、例えばポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンス
ルフィド、ポリフェニレンスルフォン、ポリフェニレン
エーテルスルフィド、ポリフェニレンエーテルスルフォ
ン等が挙げられる。中でも汎用性の面からポリフェニレ
ンスルフィド、変性ポリフェニレンスルフィド、ポリフ
ェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテルをより
好ましく例示することができる。ここで、変性とは、他
の樹脂成分を溶融、混練等の手法で添加混合したものを
いう。なお、これらの樹脂は単独で、或いは二種以上混
合して用いることができる。
【0028】式(II)の繰り返し単位を持つ樹脂の場
合、Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示
す。ここで、Rが炭素数1〜6のアルキル基であると
き、アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル
基、ヘキシル基等が挙げられる。また、nは通常、2以
上である。
【0029】このような樹脂の好ましい具体例として
は、例えばポリ−4−メチルペンテン−1、ポリプロピ
レン、ポリブチレン、シラン架橋ポリエチレン、シラン
架橋ポリプロピレン等が挙げられる。中でも、耐熱性に
優れ、且つ汎用性を有するポリ−4−メチルペンテン−
1、シラン架橋ポリエチレン、シラン架橋ポリプロピレ
ンをより好ましく例示できる。なお、これらの樹脂は単
独で、或いは二種以上混合して用いることができる。
【0030】また、これらを用いて本発明を実施する場
合、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応
じて他の樹脂成分を溶融、混練等の方法により混合して
用いることができる。例としては、高密度ポリエチレ
ン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブ
タジエン等のオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン等の非芳香族ハロゲン化炭化水素樹脂
類;ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−ス
チレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体
等のポリスチレン類;ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリアリレート等のポリエステル類;ポリアミド
6、ポリアミド10、ポリアミド12、ポリアミド6/
6、ポリアミド4/6、ポリアミド6/10、ポリアミ
ド6/11、芳香族ポリアミド等のポリアミド類;ポリ
カーボネート類等が挙げられる。中でも、成型性改良の
ためにポリスチレン類と混合することが好ましい。
【0031】また、本発明で用いる樹脂には必要に応じ
て無機繊維、金属繊維、有機繊維、金属粉、無機粉、金
属ウィスカ、無機ウィスカ等の充填剤、補強剤、チクソ
剤、増粘剤、酸化防止剤、難燃剤、離型剤、消泡剤、ゴ
ム成分等の各種添加剤を使用することができる。また、
本発明の蓄熱体を構成する樹脂製の部材は、射出成形、
押出成形、押出ブロー成形、射出ブロー成形、延伸ブロ
ー成形、或いはガスアシストインジェクション成形等、
通常知られている任意の成形技術を利用して形成するこ
とができる。
【0032】尚、本発明における潜熱蓄熱材の融点及び
融解潜熱量の定義は次の通りである。即ち、アルミニウ
ムの密封セルを使用し、示差走査熱量計(セイコー電子
工業社製、DSC−220C)を用いて窒素流量100
ml/分、昇温速度2℃/分で20℃から180℃まで
昇温させた際に現れた吸熱ピークの内で最大ピークのピ
ークトップ温度を融点とし、このピークの吸熱量を融解
潜熱量とする。
【0033】本発明の蓄熱材組成物については、例えば
次のような用途に使用することができる。給湯目的では
深夜電力を利用した蓄熱式電気温水器が考えられる。シ
ステムを複合化させれば24時間風呂とも共用が可能で
ある。暖房目的では蓄熱式床暖房システムが考えられ
る。また、北欧等寒い地域で自動車のエンジン始動時に
触媒温度が上がるまで、触媒の活性が上がらず有害なガ
スが排出される問題がある。この問題を解決するため
に、走行時のラジエターの熱を蓄熱しておき、始動時に
利用して昇温を加速することも考えられる。ラジエター
内の熱媒体は不凍液(エチレングリコール水溶液)であ
るが、走行中の液温は90℃前後である。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施
例に限定されるものではない。尚、エリスリトールは三
菱化学フーズ(株)製を、リン酸三カルシウムはキシダ
化学(株)製を用いた。曲げ強度については、JIS
K7203(1995)に則り測定した。
【0035】(実施例1)試験容器には、塩酸水溶液で
表面処理を施したステンレス18−8製ネジ蓋容器(内
径70mm×高さ140mm)を用いた。ポリスチレン
を混合してなる変性ポリフェニレンエーテル(三菱エン
ジニアリングプラスチックス(株)製;ユピエースAH
90;荷重撓み温度(455kPa;ASTM−D64
8)160℃)を射出成形で85×10×4(mm)の
曲げ試験片型に成形して試験片を得た。塩酸水溶液で表
面処理を施したステンレス304製ワイヤーにて試験片
四本の一方の端を束ね、束とし、該束六束を容器底面で
自立するように固定した。ここに融点119℃のエリス
リトール97重量部に対してリン酸三カルシウム3重量
部を添加した140℃の懸濁液を356g充填し、本体
ネジ切り部にテフロンシールテープを施した後、容器蓋
をプライヤー等を用いて締め、密封し、試験体とした。
得られた試験体を160℃の強制対流式オーブンに入
れ、長期評価を行った。試験後のサンプルの曲げ強度を
表1に示した。
【0036】(実施例2)変性ポリフェニレンエーテル
をポリフェニレンスルフィド(トープレン(株)製;L
B−30;荷重撓み温度(455kPa;ASTM−D
648)200〜250℃)とした以外は実施例1と同
様に実施した。
【0037】(実施例3)変性ポリフェニレンエーテル
をポリ−4−メチルペンテン−1(三井石油化学工業
(株)製;TPX−MX002;荷重撓み温度(455
kPa;ASTM−D648)80℃)とした以外は実
施例1と同様に実施した。
【0038】(比較例1)変性ポリフェニレンエーテル
をポリオキシメチレン(三菱エンジニアリングプラスチ
ックス(株)製;ユピタールF10;荷重撓み温度(4
55kPa;ASTM−D648)158℃)とした以
外は実施例1と同様に実施した。
【0039】
【表1】
【0040】但し、表中の値は曲げ強度を示し、単位は
(kgf/cm2 )とした。また、試験点数は四点と
し、その平均値を採用した。 1)160℃で2時間アニール後の値。 2)試験片が分解ないし溶解して消滅。 この結果は、通常耐熱性に優れ、且つ耐アルコール性に
優れていると考えられている樹脂が、必ずしも高温下で
は耐糖アルコール性を有しないことを示していると共
に、一般式(I)で示される繰り返し単位を主鎖に有す
る樹脂及び一般式(II)で示される繰り返し単位を主鎖
に有する樹脂又はその架橋体が、糖アルコールを主成分
とする蓄熱材組成物に対して特に適合性を有することを
示すものである。
【0041】(実施例4)以下に、本発明をカプセル型
蓄熱ユニットに適用した例を示す。図1に示す蓄熱ユニ
ットの、蓄熱材1としてのエリスリトールを、前記ユピ
エースAH90製の直径67mm、厚さ2mmの中空球
状カプセル2に封入してなる蓄熱体100個を、容器3
に多数収納し、該容器3内を熱媒体4としての水及び蒸
気を通過させて熱の蓄熱及び移動を行ない、蓄熱ユニッ
トとしての動作を確認した。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、製作が容易で軽量且つ
長期信頼性に優れた高温用蓄熱体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カプセル型蓄熱ユニットの縦断面図。
【符号の説明】
1 蓄熱材 2 中空球状カプセル 3 容器 4 熱媒体

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糖アルコール類を含む蓄熱材組成物を担
    持する物体の材料であって、 荷重撓み温度が、前記蓄熱材組成物の融点より50℃
    低い温度ないし400℃の範囲内にあり、且つ 前記蓄熱材組成物中における、160℃、4000時
    間保持後の、曲げ強度保持率が50%以上である、 樹脂を含むことを特徴とする蓄熱材担持用材料。
  2. 【請求項2】 前記樹脂が主鎖として下記一般式(I)
    で表される繰り返し単位を有することを特徴とする請求
    項1に記載の蓄熱材担持用材料。 【化1】 (式中、X1 及びX2 は、それぞれ独立して、O、S又
    はSO2 を示し、R1 、R2 、R3 及びR4 は、それぞ
    れ独立して、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基又は
    ハロゲン原子を示す。また、l、m及びnは整数であ
    る)
  3. 【請求項3】 前記樹脂又はその架橋体が主鎖として下
    記一般式(II)で表される繰り返し単位を有することを
    特徴とする請求項1に記載の蓄熱材担持用材料。 【化2】 (式中、Rは、水素原子又は炭素数が1〜6のアルキル
    基を示す。また、nは整数である)
  4. 【請求項4】 糖アルコール類がエリスリトールである
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の
    蓄熱材担持用材料。
  5. 【請求項5】 糖アルコール類を含む蓄熱材が水に難溶
    性の無機塩を含有することを特徴とする請求項1ないし
    4のいずれかに記載の蓄熱材担持用材料。
  6. 【請求項6】 更に、ポリスチレン類を含むことを特徴
    とする請求項2に記載の蓄熱材担持用材料。
  7. 【請求項7】 糖アルコール類を含む蓄熱材組成物を担
    持する物体が該組成物を収蔵する容器であることを特徴
    とする請求項1に記載の蓄熱材担持用材料。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし6のいずれかに記載の蓄
    熱材担持用材料からなる容器に糖アルコール類を含む蓄
    熱材組成物を収蔵してなることを特徴とする蓄熱体。
  9. 【請求項9】 カプセル型であることを特徴とする請求
    項7記載の蓄熱体。
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