JP2000063815A - 蓄熱方法及びそれを用いた蓄熱装置 - Google Patents

蓄熱方法及びそれを用いた蓄熱装置

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JP2000063815A
JP2000063815A JP10238508A JP23850898A JP2000063815A JP 2000063815 A JP2000063815 A JP 2000063815A JP 10238508 A JP10238508 A JP 10238508A JP 23850898 A JP23850898 A JP 23850898A JP 2000063815 A JP2000063815 A JP 2000063815A
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English (en)
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Masayoshi Yabe
昌義 矢部
Hiroyuki Kakiuchi
博行 垣内
Masanori Yamazaki
正典 山崎
Shoichi Chihara
彰一 千原
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中高温用潜熱蓄熱材を用いる蓄熱装置におい
て、装置設計が容易となるように放熱開始温度を安定化
させるための能動的な放熱制御方法を含む蓄熱方法及び
それを用いた蓄熱装置の提供。 【解決手段】 1.潜熱蓄熱材を加熱して融解させる蓄
熱工程及びこれを冷却して凝固させる放熱工程を含む蓄
熱方法において、潜熱蓄熱材の融点が70〜200℃で
あり、且つ放熱工程において潜熱蓄熱材に熱衝撃を与え
ることを特徴とする蓄熱方法。2.融点が70〜200
℃の潜熱蓄熱材を収蔵し、潜熱蓄熱材と熱媒体との間で
熱交換させることができる蓄熱槽、該融点より30℃以
上温度が低い熱媒体を供給可能な熱媒体供給設備及び該
融点より5℃以上50℃以下高い温度に潜熱蓄熱材の温
度を制御可能な熱源装置から少なくとも構成される蓄熱
装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓄熱方法及びそれ
を用いた蓄熱装置に関する。詳しくは融点70〜200
℃の潜熱蓄熱材の放熱工程において該蓄熱材に熱衝撃を
与えるところの蓄熱方法及びそれを用いた蓄熱装置に関
する。本発明による潜熱蓄熱材のかかる蓄熱方法は、深
夜電力を利用した蓄熱式電気給湯器、蓄熱式床暖房シス
テム、寒冷地仕様の自動車エンジン用蓄熱システム等の
蓄熱装置として好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】潜熱蓄熱材は、顕熱型蓄熱材に比べて蓄
熱密度が高く、相変化温度が一定であるため、熱の取り
出し温度が安定であるという利点を活かして実用化され
ている。潜熱蓄熱材としては、水、硫酸ナトリウム+水
塩、塩化カルシウム六水塩及び酢酸ナトリウム三水塩等
が従来から知られている。しかしながら、これらの潜熱
蓄熱材の相変化温度は比較的低温であり、70〜120
℃前後の高い相変化温度が望まれる給湯、太陽エネルギ
ー、ボイラーや自動車の廃熱を利用するための蓄熱材と
しては不適当であり、これらに代るものとして、いろい
ろな蓄熱材組成物が今迄に提案されている。
【0003】100℃付近の温度範囲に融点を有する素
材の中、無機水和塩としては、水酸化バリウム八水塩
(融点78℃、融解潜熱量63.8cal/g)、硝酸
マグネシウム六水塩(融点89℃、融解潜熱量38.2
cal/g)等が挙げられる。しかしながら、前者につ
いては我が国では劇物に指定されており、また、後者に
ついては金属への腐食性の問題があるため、何れも蓄熱
材としては実用化されていない。一方、有機物として
は、パラフィンワックスや脂肪酸等が先ず挙げられる
が、これらはいずれも容積当りの蓄熱量(35.0〜4
5.0cal/ml)が小さく、実用化は制限される。
【0004】また、近年、糖アルコールの中に大きな蓄
熱量を有するものが存在することが見出され、蓄熱材と
しての利用が検討されている。その一つがキシリトール
(融点94〜95℃;特開昭54−65864号公報参
照)であり、もう一つの素材はエリスリトール(融点1
19℃;特表昭63−500946号公報、特開平5−
32963号公報参照)である。これらは食品添加物で
あるため、安全であり、潜熱量も高い。
【0005】更に、第16回日本熱物性シンポジウム
(1995年、221頁)では、エリスリトールにペン
タエリスリトール、トリメチロールエタン及びネオペン
チルグリコールを添加することにより、エリスリトール
の相転移温度が数十度低下することが報告されている。
これらの有望な素材を蓄熱材として実用化するため、周
辺技術についてもいろいろと検討がなされている。糖ア
ルコール系蓄熱材については、過冷却現象が起り易い
が、エリスリトールについては、これに難溶性の塩を添
加することにより過冷却現象が抑制されることが示され
ている(特開平9−249875号公報)。
【0006】結晶化により初めて大きな熱量を放出する
潜熱蓄熱材ではシステム設計上、より安定した温度で放
熱が開始されることが好ましく、また、過冷却度が小さ
い方がより高温の熱として取り出せることから、エネル
ギー的にも好ましい。しかしながら、このような要求に
対処するためには機械的な制御が不可欠であるにも拘わ
らず、該蓄熱材の安全性及び蓄熱能を損なわないための
システム或いはユニットに関する技術についてはこれ迄
何ら報告されていない。例えば、これら糖アルコール系
蓄熱材の過冷却現象を機械的に制御する手法については
これ迄何ら述べられていない。
【0007】一方、ゴミ焼却設備やガス冷暖房設備、火
力発電設備或いは自動車等からの未利用エネルギーとし
ての廃熱を利用する試みが徐々になされているものの、
その多くは土中或いは大気中に放出されているのが現状
である。これら廃熱の有効利用率を改善することは世界
的規模で進行するエネルギー枯渇や地球温暖化傾向等の
危機的状況を改善していく上で非常に重要な要素である
が、100℃を越える熱を効率よく蓄熱でき、且つ要求
される安全性を満足できるシステムが見出されていない
のが現状である。
【0008】これまで200℃付近の廃熱利用を目的と
する蓄熱システムとしては、例えばスターラーを内蔵す
るシェル内にペンタエリスリトール粉末を共存性の良い
炭化水素系熱媒体と混合したスラリーを充填し、熱媒体
を通すための銅製のスパイラル状チューブが該スラリー
に浸漬されているシェル&チューブ型潜熱蓄熱装置が提
案されている(Abe,Y.et al.,Proc.
19th IECEC.p.1120(1984))。
【0009】しかしながら、これはペンタエリスリトー
ルの粘着によるスラリーの不安定化によって安定した蓄
熱特性が発揮できなかったり、大型の撹拌ユニットを使
用することによる装置設計上の大きな制約等の問題があ
った。ところで、潜熱蓄熱型蓄熱装置には大別して三種
の型式がある。即ち、カプセル型、シェル&チュー
ブ型(若しくはアイスオンコイル型)、直接接触型で
ある。
【0010】の利点は蓄熱材単位体積当り、或いは蓄
熱槽単位体積当りの伝熱面積が比較的大きくできる点、
蓄熱材相変化時の体積変化に対応しやすい点、装置が大
型化しても単位ユニットとしてのカプセルが一定なため
装置スケールに拘らず蓄熱性能の設計が容易である等の
利点がある一方、吸熱時の伝熱特性が上がらない等の問
題を有する。
【0011】については、製作費を比較的抑えられる
等の利点がある一方、大型の装置では金属製チューブを
用いた場合、装置の重量増やチューブが長くなることに
よる圧損の問題等を有している。については、特に放
熱時の熱交換性能が優れていることや、熱輸送が容易で
ある等、期待されている技術であるが、依然研究レベル
の域を出ていない。
【0012】これらの中で及びについては低温から
中温において既に数多くの実用例があるが、高温領域に
用いられる装置としては円筒状の金属缶を用いたカプセ
ル型の実験例とフィンチューブを使用したシェル&チュ
ーブ型の実験例が報告されているのみであり、放熱過程
での能動的な発核制御の実験例に至っては皆無に等し
い。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、中高
温用潜熱蓄熱材を用いる蓄熱装置に関して、装置設計が
容易となるように放熱開始温度を安定化させるための能
動的な放熱制御方法を含む蓄熱方法及びそれを用いた蓄
熱装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる事
情に鑑み鋭意検討した結果、放熱過程において糖アルコ
ールを含む潜熱蓄熱材に熱衝撃を与えることにより、発
核促進効果、即ち、過冷却解消効果があることを見出
し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明の要旨
は、 1.潜熱蓄熱材を加熱して融解させる蓄熱工程及びこれ
を冷却して凝固させる放熱工程を含む蓄熱方法におい
て、潜熱蓄熱材の融点が70〜200℃であり、且つ放
熱工程において潜熱蓄熱材に熱衝撃を与えることを特徴
とする蓄熱方法、 2.融点が70〜200℃の潜熱蓄熱材を収蔵し、潜熱
蓄熱材と熱媒体との間で熱交換させることができる蓄熱
槽、該融点より30℃以上温度が低い熱媒体を供給可能
な熱媒体供給設備及び該融点より5℃以上50℃以下高
い温度に潜熱蓄熱材の温度を制御可能な熱源装置から少
なくとも構成される蓄熱装置、にある。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいてよ
り詳細に説明する。図1は、本発明の蓄熱装置の一態様
を示すフローチャートである。図1において、蓄熱装置
1は、給水装置2及び蓄熱材を収蔵し伝熱壁を介して熱
交換を行う蓄熱槽3を有している。給水装置2は、ポン
プ4、三方弁5及び逆止弁6を介して蓄熱槽3に連結さ
れており、ポンプ4を駆動することにより、蓄熱槽3及
び弁体7を経由して給湯口8より水が供給される。
【0016】ところで、三方弁5は、蓄熱槽3に送られ
る水とバイパス管9を通して給湯口8へ向かう水との混
合割合を調節するための弁体で、給湯口8より供給され
る温水又は蒸気水の温度調節に用いられる。なお、これ
らに例示される本発明の蓄熱装置には、圧力計、流量
計、過加熱防止装置、漏電防止装置、温度センサー、温
度制御装置、断熱材、補助ポンプ、減圧弁、ヒートポン
プ、又は蓄熱材の相転移等による熱媒体のオーバーフロ
ー若しくは減少を吸収するためのバッファータンク等を
必要に応じて使用することは言うまでもない。
【0017】本発明の蓄熱装置を利用して蓄熱するとき
は、三方弁5及び弁体7を閉として、蓄熱槽3に担持さ
れている熱源装置10にて蓄熱材に熱エネルギーを与え
る。このとき、熱源装置10の温度は温度調節装置によ
って(Tm+5℃)〜(Tm+50℃)(以下、Tmは
蓄熱材の融点を指す)の範囲に制御される。熱源装置1
0によって熱エネルギーを与えられた蓄熱材は、固相状
態から液相状態への相転移による融解潜熱及び顕熱を蓄
熱する。蓄熱槽3内のパイプ11内に熱媒体である水を
存在させたまま蓄熱する場合は、パイプ11内が加圧な
いし減圧となるので、圧力調節弁12にて圧力を緩和す
る必要がある。また、蓄熱開始前にパイプ11内の水抜
きをすることも一つの安全措置である。
【0018】蓄熱槽3内に蓄熱された熱エネルギーを利
用するときは、三方弁5の逆止弁6とポンプ4間の流路
及び弁体7を開とし、ポンプ4を駆動すると、水が給水
装置よりポンプ4、三方弁5及び逆止弁6を介して蓄熱
槽3に送給される。このとき水の温度は(Tm−300
℃)〜(Tm−30℃)の範囲に調節される。但し、蓄
熱材発核後は熱媒体の温度は(Tm−30℃)を越えて
も差し支えない。蓄熱槽3の蓄熱材によって加熱された
水は、弁体7を経由して給湯口8より温水又は蒸気水と
して供給される。一方、潜熱を放出した蓄熱材は固相に
転移する。尚、給湯口の水温は、三方弁5の調整によっ
て、蓄熱槽3で加熱された水と、バイパス管9を経由し
てきた水の混合比を調整することによって調整すること
ができる。
【0019】蓄熱槽3の形式は特に制限されるものでは
ないが、シェル&チューブ型又はアイスオンコイル型が
適する。蓄熱装置1に用いられるシェル&チューブ型蓄
熱槽3aは、図2に示すように、槽体13を有し、槽体
13には水の導出入口14aから主管11aが延び、主
管11aには多数の支管11bが連結され、支管11b
の他端は、他方の導出入口側の主管11cに連結されて
おり、他方の熱媒体導出入口14bから他の機構に送給
されるように構成されている。
【0020】前記の主管11a、11c及び支管11b
はパイプ11であり、伝熱壁に該当する。また、熱源装
置10は蓄熱槽3内の蓄熱材と十分に接触可能な位置に
配され、表面温度検知用の温度センサー15を有してい
る。主管11a、11c、支管11b及び熱源装置10
の外側の蓄熱室16には蓄熱材が充填される。蓄熱装置
1に用いられるアイスオンコイル型蓄熱槽3bは、図3
に示すように、槽体13を有し、槽体13には水の導出
入口14aからコイル11dが延び、コイル11dは枝
分かれせずに、ある一定のピッチと配列をもって槽体1
3内を巡っており、他方の導出入口14bから他の機構
に送給されるように構成されている。
【0021】前記のコイル11dはパイプ11であり、
伝熱壁に該当する。また、熱源装置10は蓄熱槽3内の
蓄熱材と十分に接触可能な位置に配され、表面温度検知
用の温度センサ15を有している。コイル11d及び熱
源装置10の外側の蓄熱室16には蓄熱材が充填され
る。図4は、本発明の蓄熱装置の別の一態様を示すフロ
ーチャートである。図4において、蓄熱装置17は、給
水装置2、蓄熱材を収蔵し伝熱壁を介して熱交換を行う
蓄熱槽3及び熱源装置18を有している。
【0022】給水装置2は、ポンプ4、三方弁5及び逆
止弁6を介して蓄熱槽3に連結されており、ポンプ4を
駆動することにより、蓄熱槽3、熱源装置18及び弁体
19を経由して給湯口8より水が供給される。一方、熱
源装置18は蓄熱槽3と分岐部20との間に配され、弁
体21、ポンプ22、弁体23及び分岐部20を介して
ループを形成するように構成され、ポンプ22を駆動す
ることによって、熱源装置18で加熱された水を蓄熱槽
3に送給して蓄熱材を加熱するようになっている。
【0023】ところで、三方弁5は、逆止弁6を介して
蓄熱槽3に送られる水とバイパス管9を通して給湯口8
へと向かう水との混合割合を調節するための弁体で、給
湯口8より供給される温水又は蒸気水の温度調節に用い
られる。なお、これらに例示される本発明の蓄熱装置に
は、圧力計、流量計、過加熱防止装置、漏電防止装置、
温度センサー、温度制御装置、断熱材、補助ポンプ、減
圧弁、ヒートポンプ、又は蓄熱材の相転移等による熱媒
体のオーバーフロー若しくは減少を吸収するためのバッ
ファータンク等を必要に応じて使用するのは言うまでも
ない。
【0024】本発明の蓄熱装置を利用して蓄熱するとき
は、弁体19を閉とし、弁体21及び23を開として、
ポンプ22を駆動すると、熱源装置18で加熱された水
は、蓄熱槽3に入り、伝熱壁を介して蓄熱材に熱エネル
ギーを伝達する。このとき、熱源装置18の温度は温度
調節装置によって(Tm+5℃)〜(Tm+50℃)の
範囲に制御される。熱源装置18によって熱エネルギー
を与えられた蓄熱材は、固相状態から液相状態への相転
移による融解潜熱及び顕熱を蓄熱する。蓄熱材を加熱し
て自体は冷却された水は弁体21、ポンプ22及び弁体
23を経由して熱源装置18で再度加熱される。なお、
構造上パイプ11の内圧が減圧ないし加圧となる場合が
あるが、圧力調節弁12にて圧力を緩和することができ
る。圧力調節弁の先には、バッファータンク24が配さ
れる。
【0025】蓄熱槽3内に蓄熱された熱エネルギーを利
用するときは、三方弁5の逆止弁6とポンプ4間の流路
及び弁体19を開とし、弁体21、23を閉としてポン
プ4を駆動すると、水が給水装置2よりポンプ4、三方
弁及び逆止弁6を介して蓄熱槽3に送給される。このと
き水の温度は(Tm−300℃)〜(Tm−30℃)の
範囲に調節される。但し、蓄熱材発核後は熱媒体の温度
は(Tm−30℃)を越えても差し支えない。蓄熱槽3
の蓄熱材によって加熱された水は、熱源装置18及び弁
体19を経由して給湯口8より温水又は蒸気水として供
給される。一方、潜熱を放出した蓄熱材は固相に転移す
る。尚、給湯口8の水温が高すぎる場合は、三方弁5の
調整によって、蓄熱槽3で加熱された水と、バイパス管
9を経由してきた水との混合比を調整することによって
調整することができる。また、給湯口8の水温が低すぎ
る場合は、蓄熱槽3により加熱された水を熱源装置18
にて更に加熱する。
【0026】蓄熱槽3の形式は特に制限されるものでは
ないが、シェル&チューブ型又はアイスオンコイル型が
適する。蓄熱装置17に用いられるシェル&チューブ型
蓄熱槽3cは、図5に示すように、槽体13を有し、槽
体13には水の導出入口14aから主管11aが延び、
主管11aには多数の支管11bが連結され、支管11
bの他端は、他方の導出入口側の主管11cに連結され
ており、他方の熱媒体導出入口14bから他の機構に送
給されるように構成されている。
【0027】前記の主管11a、11c及び支管11b
はパイプ11であり、伝熱壁に該当する。主管11a、
11c及び支管11bの外側の蓄熱室16には蓄熱材が
充填される。蓄熱装置17に用いられるアイスオンコイ
ル型蓄熱槽3dは、図6に示すように、槽体13を有
し、槽体13には水の導出入口14aからコイル11d
が延び、コイル11dは枝分かれせずに、ある一定のピ
ッチと配列をもって槽体13内を巡っており、他方の導
出入口14bから他の機構に送給されるように構成され
ている。
【0028】前記のコイル11dはパイプ11であり、
伝熱壁に該当する。コイル11dの外側の蓄熱室16に
は蓄熱材が充填される。図7は、本発明の蓄熱装置の更
に別の一態様を示すフローチャートである。図7におい
て、蓄熱装置25は、蓄熱材を収蔵し、伝熱壁を介して
熱交換を行う蓄熱槽26を有している。蓄熱装置25
は、熱源装置27に連結されている。熱源装置27の材
質、構造は利用される熱源に応じて適当なものを使用す
る事ができ、例えば、ゴミ焼却炉等の燃焼炉の熱エネル
ギーを利用するときは、炉内又は煙道に金属製の管体
(図示せず)を設置し、管体内に熱媒体を通すことによ
って熱エネルギーを取り入れることができる。
【0029】蓄熱槽26と熱源装置27は、弁体28、
29、30及びポンプ31を介してループを形成してお
り、ポンプ31を駆動することによって熱源装置27で
取り入れた熱エネルギーを蓄熱槽26に蓄えることがで
きる。また、蓄熱装置25は熱交換器32を有し、被加
熱体流路33から導入された被加熱体を熱交換によって
加熱するように構成されている。熱交換器32と蓄熱槽
26は、弁体29、三方弁34、ポンプ35及び弁体3
0を介してループを形成するように構成され、ポンプ3
5を駆動することによって、蓄熱槽26で加熱された熱
媒体を熱交換器32に送給して被加熱体を加熱するよう
になっている。
【0030】なお、三方弁34は、蓄熱槽26から送ら
れる加熱媒体と、バイパス管36を通して熱交換器32
から帰還する熱媒体との混合割合を調整するための弁体
で、熱交換器32の加熱温度調整に用いられる。なお、
これらに例示される本発明の蓄熱装置には、圧力計、流
量計、過加熱防止装置、漏電防止装置、温度センサー、
温度制御装置、断熱材、補助ポンプ、減圧弁、ヒートポ
ンプ、又は蓄熱材の相転移等による熱媒体のオーバーフ
ロー若しくは減少を吸収するためのバッファータンク等
を必要に応じて使用するのは言うまでもない。
【0031】本発明蓄熱装置を利用して蓄熱するとき
は、三方弁34を閉とし、弁体28、29、30を開と
してポンプ31を駆動すると、熱源装置27で加熱され
た熱媒体は、弁体28、29を経由して蓄熱槽26に入
り、伝熱壁を介して蓄熱材に熱エネルギーを伝達する。
熱源装置27で加熱された熱媒体は、蓄熱材の融点より
5℃以上、好ましくは10℃以上高い温度となるように
加熱される。
【0032】熱媒体によって熱エネルギーを与えられた
蓄熱材は、固相状態から液相状態への相転移による融解
潜熱及び顕熱として蓄熱される。蓄熱材を加熱して自体
は冷却された熱媒体は弁体30、ポンプ31を経由して
熱源装置27で再度加熱される。蓄熱槽26内に蓄熱さ
れた熱エネルギーを利用するときは、弁体28を閉と
し、三方弁34の弁体29とポンプ35間の流路及び弁
体29、30を開としてポンプ35を駆動する。熱媒体
は熱交換器32で(Tm−30℃)以下に冷却され、弁
体30を経由して蓄熱槽26に送られると、蓄熱材は熱
衝撃により伝熱壁表面にて発核し、潜熱の放熱を開始す
る。但し、蓄熱材発核後は熱媒体の温度は(Tm−30
℃)を越えても差し支えない。蓄熱槽26の蓄熱材によ
って加熱された熱媒体は、弁体29、三方弁34及びポ
ンプ35を経由して熱交換器32に送給され、被加熱体
流路33から送給される被加熱体を加熱する。一方、潜
熱を放出した蓄熱材は固相に転移する。
【0033】被加熱体を加熱した熱媒体は弁体30を経
由して蓄熱槽26に入り再度加熱される。熱交換器32
の加熱温度は、三方弁34の調整によって、蓄熱槽26
で加熱された熱媒体と、バイパス管36を経由して熱交
換器32を循環する熱媒体の混合比を調整することによ
って調整することができる。
【0034】また、被加熱体を加熱するときに熱源装置
27が熱エネルギーを放出しているときには、バルブ2
8を開として熱源装置27からの熱媒体をそのまま、或
いは蓄熱槽26で加熱された媒体と混合して熱交換器3
2に送給することもできる。蓄熱槽26の形式は特に制
限されるものではないが、シェル&チューブ型又はアイ
スオンコイル型が適する。
【0035】シェル&チューブ型は図8に示すように、
槽体37を有し、槽体37には熱媒体の導出入口38a
から主管39が延び、主管39には多数の支管40が連
結され、支管40の他端は、他方の導出入口側の主管4
1に連結されており、他方の熱媒体導出入口38bから
他の機構に送給されるように構成されている。前記の主
管39、41及び支管40は伝熱壁に該当し、主管3
9、41及び支管40の外側の蓄熱室42には蓄熱材が
充填される。
【0036】本発明に用いる蓄熱材は、融点70〜20
0℃、好ましくは75〜150℃の潜熱蓄熱材組成物で
ある。潜熱蓄熱材については、任意の成分を単独又は二
種以上組み合せて使用することができるが、好ましくは
糖アルコール類を主成分とするものである。糖アルコー
ル類の含有率は、組成物中の、通常10〜100重量
%、好ましくは30〜100重量%である。
【0037】糖アルコール類については、特に限定はさ
れないが、その具体例としては例えば、meso−エリ
スリトール、L−エリスリトール、D−エリスリトー
ル、DL−エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジ
ペンタエリスリトール、リビトール、キシリトール、D
−アラビトール、L−アラビトール、DL−アラビトー
ル、アリトール、ダルシトール、D−ソルビトール、L
−グルシトール、DL−グルシトール、D−マンニトー
ル、L−マンニトール、DL−マンニトール、D−イデ
ィトール、L−イディトール、D−タリトール、L−タ
リトール、DL−タリトール、ペルセイトール、ボレミ
トール、グリセロ−グロ−ヘプチトール、D−グリセロ
−D−イド−ヘプチトール、D−エリスロ−D−ガラク
ト−オクチトール等が例示できる。中でも100℃付近
に融点を持ち、蓄熱密度が高く、結晶性に優れた安価な
材料として、meso−エリスリトールがより好ましく
例示される。
【0038】本発明の蓄熱材組成物には副成分として、
主成分となる化合物に相溶し、共晶可能なものを添加す
ることができる。その添加量については主成分の蓄熱材
性能を著しく損なわない範囲、通常は、重量で主成分量
を越えない範囲で使用することができる。
【0039】本発明に用いる蓄熱材組成物については、
過冷却を防止するため、通常、過冷却防止剤が添加され
る。過冷却防止剤としては、水に難容性の無機塩等が用
いられる。水に難溶性とは、25℃の水100gに対し
て5g以上溶解しないことを意味する。このような無機
塩の具体例としては、例えば、炭酸カルシウム、リン酸
三カルシウム、硫酸カルシウム、ピロリン酸カルシウ
ム、リン酸アルミニウム、リン酸銀、硫酸銀、塩化銀、
ヨウ化銀等が挙げられる。これらは、単独又は組み合せ
て用いることができる。
【0040】また、本発明に用いる蓄熱材組成物には、
熱安定剤、難燃剤、増粘剤、ゲル化剤、酸化防止剤、熱
伝導性改良剤、着色剤、防臭剤、防カビ剤等の添加剤を
適宜使用することができる。本発明に用いられる熱衝撃
とは、潜熱蓄熱材の一部若しくは複数個所又は全部の温
度を急激に冷却することを指し、好ましくは潜熱蓄熱材
の伝熱壁近傍の温度を急激に冷却させるのが好ましい。
より好ましくは、潜熱蓄熱材の少なくとも一部を(Tm
−30℃)〜Tm、好ましくは(Tm−10℃)〜Tm
の範囲において、瞬間的、断続的、若しくは連続的に急
冷することを指す。
【0041】但し、本発明においては、融点を越える温
度にある潜熱蓄熱材に熱衝撃を加えて急冷を開始するこ
とを妨げるものではなく、通常は、熱衝撃によって融点
を越える温度の潜熱蓄熱材が、融点より10℃以上、よ
り好ましくは30℃以上低い温度まで急冷される。熱衝
撃の熱源として通常は(Tm−400℃)〜(Tm−3
0℃)の範囲の熱源が好ましく、より好ましくは(Tm
−300℃)〜(Tm−50℃)、最も好ましくは(T
m−200℃)〜(Tm−70℃)である。熱衝撃の熱
源が(Tm−400℃)未満であると、衝撃が激しすぎ
て潜熱蓄熱材或いは伝熱壁の劣化を促進する。また、熱
衝撃の熱源が(Tm−30℃)を越えると、本発明の効
果である発核促進効果が大きく低下する。
【0042】一方、潜熱蓄熱材に熱衝撃を与える際の冷
却速度は、好ましくは0.5℃/秒以上、100℃/秒
以下、より好ましくは1℃/秒以上、50℃/秒以下で
ある。冷却温度が0.5℃/秒未満であると本発明の効
果である発核促進効果が損なわれる。また、100℃/
秒を越えると衝撃が激しすぎて潜熱蓄熱材或いは伝熱壁
の劣化を促進する。また、0.5℃/秒以上の急冷の持
続時間は、液体窒素等で急冷する場合は0.1秒以上、
好ましくは0.5秒以上程度であるが、熱媒体等で急冷
する場合は、1秒以上、好ましくは5秒以上程度であ
る。急冷の持続時間の上限は特にないが、最大2分以
内、通常は1分以内である。
【0043】なお、かかる潜熱蓄熱材の急冷は、潜熱蓄
熱材の少なくとも一部について急冷が行われればよい。
実験室レベルでは、潜熱蓄熱材の全体を急冷することも
多いが、実用レベルでは、潜熱蓄熱材の熱媒体と直接、
間接に接触する個所の近傍のみが急冷されて発核すれ
ば、発核が周辺に伝播していくので、他の部分はさほど
急冷する必要はない。また、多くの蓄熱装置は蓄えた熱
を徐々に放出する目的で用いられるので、潜熱蓄熱材の
大部分は急冷されないのが普通である。
【0044】そして熱衝撃を与えるための熱源は、既知
の熱源であれば何ら制限なく当該目的のために任意の手
法を用いて利用することができる。例としては熱媒体自
体、ヒートポンプ、液体窒素、冷水等が挙げられるが、
装置設計を簡略化できることから、熱媒体自体が好まし
い。尚、熱媒体の供給設備としては、通常知られる任意
のユニットを単独で若しくは組み合わせて利用すること
ができる。例としては、熱媒体供給バルブ、熱媒体供給
タンク、熱媒体送給ポンプ、熱媒体冷却ユニット、熱媒
体加熱ユニット、調圧弁、バッファータンク、流量計、
圧力計、温度計、脱気ユニット、ストレーナー、弁体、
逆止弁、バイパスライン、流量調節ユニット、濾過ユニ
ット等が挙げられる。
【0045】本発明に記載の熱媒体とは、潜熱蓄熱材と
の間で熱交換をして、熱を移動させる媒体となる物質で
あり、多くの場合、伝熱壁を介して潜熱蓄熱材と間接的
に接触し移動する。但し、熱媒体と蓄熱材とが実質的に
互いに相溶しないものであれば、伝熱壁を介さずに直接
接触させ、熱交換せしめることも可能である。熱媒体と
しては、既知のものを任意の組成にて使用することがで
きる。例としては、流動パラフィン等の飽和炭化水素系
オイル、ハロゲン化ビフェニル等の芳香族炭化水素系オ
イル、空気、窒素、アルゴン、水、水蒸気、グリコール
水溶液等が挙げられる。中でも高い顕熱密度を有するこ
とから熱交換効率上、水が特に好ましい。付け加えるな
らば、給湯装置として利用する場合、水を熱媒体とする
ことでシステム構成の単純化が計れるという利点もあ
る。
【0046】また、潜熱蓄熱材に対して熱衝撃を与える
ときの、蓄熱材の被熱衝撃部の温度は、蓄熱材が溶融し
ている限りにおいて特に限定されないが、好ましくはT
m以上である。蓄熱材の被加熱部の温度がTm未満だ
と、熱衝撃の熱源温度を必要以上に低下させる必要が生
じ、且つ本発明の効果である過冷却解消効果が低下す
る。本発明の蓄熱装置の実施形態として具体的には、カ
プセル型蓄熱装置、シェル&チューブ型蓄熱装置、プレ
ート型蓄熱装置等が好ましく挙げられるが、熱衝撃付与
の容易性を考慮すると、シェル&チューブ型蓄熱装置又
はアイスオンコイル型蓄熱装置が最も好ましく例示され
る。
【0047】本発明における伝熱壁とは、蓄熱材と、蓄
熱材に熱の受け渡しをする熱媒体との間に介在する固体
壁を指す。伝熱壁の材質としては既知の配管用材質であ
ればよく、銅、ステンレス、アルミ、亜鉛メッキ炭素鋼
等の金属類;ポリフェニレンエーテル、架橋ポリオレフ
ィン、ポリフェニレンスルフィド等の樹脂類を任意に使
用可能である。また、伝熱壁の成形方法としては既知の
成形方法であれば何ら制限はない。
【0048】本発明の蓄熱装置において、蓄熱材への蓄
熱方法は、既知の加熱方法であれば何ら制限はなく、工
場やコジェネレーションシステム等から廃熱、ガスバー
ナー、太陽熱、地熱、電気ヒーター等を熱源装置とする
ことができる。但し、深夜電力利用を推進する目的のた
めに好ましい熱源装置は電気ヒーターである。例として
は、シーズヒーター、誘導加熱式ヒーター、誘電加熱式
ヒーター、遠赤外線加熱式ヒーター等による直接加熱方
式;シーズヒーター、誘導加熱式ヒーター、誘電加熱式
ヒーター、遠赤外線加熱式ヒーターを用いて熱媒体を加
熱し、加熱された熱媒体を蓄熱槽に通すことによる間接
加熱方式が挙げられる。中でも、比較的安価なシーズヒ
ーターによる方法がより好ましく例示される。更に、熱
媒体として水等の低沸点流体を使用する場合、熱媒体が
高圧となり、圧力容器に対する規制の問題等が生じるこ
とから直接加熱方式が好ましい。
【0049】また、本発明に用いられる潜熱蓄熱材は融
点近傍で最も高密度に蓄熱できる一方、蓄熱材が糖アル
コールを主成分とする場合、高温にするほど分解が促進
され寿命が低下するため、加熱源の温度は蓄熱材の融点
(Tm)以上で且つあまり高すぎないことが望まれる。
即ち、加熱源の温度は(Tm+5℃)〜(Tm+50
℃)の範囲が好ましく、(Tm+10℃)〜(Tm+4
0℃)がより好ましい。
【0050】尚、本発明における潜熱蓄熱材の融点及び
融解潜熱量の定義は次の通りである。即ち、アルミニウ
ムの密封セルを使用し、示差走査熱量計(セイコー電子
工業社製、DSC−220C)を用いて窒素流量100
ml/分、昇温速度2℃/分で20℃から180℃まで
昇温させた際に現れた吸熱ピークの内で最大ピークのピ
ークトップ温度を融点とし、このピークの吸熱量を融解
潜熱量と定義する。
【0051】また、蓄熱装置において、蓄熱材の相転移
に伴う容積変化を吸収するために、蓄熱槽内に減圧或い
は加圧された空隙を設けておくことも重要な技術であ
る。本発明の蓄熱材組成物の用途について説明するが、
この説明に限定されるものではない。給湯目的では深夜
電力を利用した蓄熱式電気温水器が挙げられる。システ
ムを複合化させれば24時間風呂とも共用が可能であ
る。暖房目的では蓄熱式床暖房システムが挙げられる。
【0052】また、北欧等寒い地域で自動車のエンジン
始動時に触媒温度が上がるまで、触媒の活性が上がらず
有害なガスが排出される問題がある。この問題を解決す
るために、走行時のラジエターの熱を蓄熱しておき、始
動時に利用して昇温を加速することも考えられる。ラジ
エター内の熱媒体は不凍液(エチレングリコール水溶
液)であるが、走行中の液温は90℃前後である。
【0053】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明その要旨を超えない限り、以下の実施
例に限定されるものではない。但し、実施例1、2及び
比較例1における蓄熱材温度とは、伝熱管表面に平行で
該表面から1mmの距離に中心線を有するT型シース熱
電対(φ1;JIS0.75級;中央理化(株)社製)
で測定された蓄熱材の温度を指す。
【0054】実施例1 銅製の直径12.7mm、厚み1mmの伝熱管150m
mを内蔵する幅200mm、奥行き100mm、高さ1
00mmのPYREXガラス製箱型容器に、エリスリト
ール(三菱化学フーズ(株)社製)1kgを入れ、これ
をシリコーンオイル10L入りのバスにて140℃まで
加熱し融解させた。次に、伝熱管に流量5L/分で20
℃の水を流した。結果を表−1に示した。
【0055】実施例2 水の温度を81℃とした以外は実施例1と同様に実施し
た。結果を表−1に示した。 比較例1 水をシリコーンオイルに置き換え、シリコーンオイルの
温度を110℃とした以外は実施例1と同様に実施し
た。結果を表−1に示した。 比較例2 伝熱管に何も流さずに、そのまま室温放冷した以外は実
施例1と同様に実施した。結果を表−1に示した。
【0056】
【表1】 *1 過冷却状態が破れて結晶化が開始し、融点以下だ
った蓄熱材が発熱を開始した温度。 *2 119℃以下において熱電対温度降下速度が最大
のときの値。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、糖アルコール系潜熱蓄
熱材を用いる蓄熱方法とそれを用いた蓄熱装置が得られ
る。本発明の蓄熱装置は従来の中温から高温用顕熱蓄熱
型装置よりも軽量、省スペースで装置形状の自由度が高
く、また万一蓄熱材が漏洩した際にも人体や環境に悪影
響を及ぼす危険性が低く、且つ安定した蓄熱能力を有す
るため家庭、ビル、その他の建造物又は地域向けの給湯
或いは暖房用の蓄熱装置として用いることができるばか
りでなく、ゴミ焼却炉等のプラントにおける未利用廃熱
の蓄熱、ガス冷暖房及びガス給湯におけるコジェネレー
ションシステムの蓄熱ユニット等に利用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蓄熱装置の一態様を示すフローチャー
ト。
【図2】本発明のシェル&チューブ型蓄熱装置の蓄熱槽
の一態様を示す縦断面図。
【図3】本発明のアイスオンコイル型蓄熱装置の蓄熱槽
の一態様を示す縦断面図。
【図4】本発明の蓄熱装置の別の一態様を示すフローチ
ャート。
【図5】本発明のシェル&チューブ型蓄熱装置の蓄熱槽
の別の一態様を示す縦断面図。
【図6】本発明のアイスオンコイル型蓄熱装置の蓄熱槽
の別の一態様を示す縦断面図。
【図7】本発明の蓄熱装置の更に別の一態様を示すフロ
ーチャート。
【図8】本発明のシェル&チューブ型蓄熱装置の蓄熱槽
の更に別の一態様を示す縦断面図。
【符号の説明】
1、17、25 蓄熱装置 2 給水装置 3、26 蓄熱槽 4、22、31、35 ポンプ 5、34 三方弁 6 逆止弁 7、19、21、23、28、29、30 弁体 8 給湯口 9、36 バイパス管 10、18、27 熱源装置 11 パイプ 12 圧力調節弁 13、37 槽体 14、38 熱媒体導出入口 15 温度センサー 16、42 蓄熱室 20 分岐部 24 バッファータンク 32 熱交換器 33 被加熱体流路 39、41 主管 40 支管
フロントページの続き (72)発明者 山崎 正典 茨城県稲敷郡阿見町中央八丁目3番1号 三菱化学株式会社筑波研究所内 (72)発明者 千原 彰一 茨城県稲敷郡阿見町中央八丁目3番1号 三菱化学株式会社筑波研究所内 Fターム(参考) 3K058 AA61 AA71 AA82 AA91 AA95 BA00 GA04 GA05

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潜熱蓄熱材を加熱して融解させる蓄熱工
    程及びこれを冷却して凝固させる放熱工程を含む蓄熱方
    法において、潜熱蓄熱材の融点が70〜200℃であ
    り、且つ放熱工程において潜熱蓄熱材に熱衝撃を与える
    ことを特徴とする蓄熱方法。
  2. 【請求項2】 前記熱衝撃が、放熱工程において融点よ
    り30℃低い温度以上、融点以下の温度の潜熱蓄熱材に
    与えられることを特徴とする請求項1に記載の蓄熱方
    法。
  3. 【請求項3】 前記熱衝撃が、潜熱蓄熱材の融点より3
    0℃以上低い温度の熱源を用いた熱衝撃であることを特
    徴とする請求項1又は2に記載の蓄熱方法。
  4. 【請求項4】 前記放熱工程において、潜熱蓄熱材の少
    なくとも一部が、0.5℃/秒以上の速度で冷却される
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の
    蓄熱方法。
  5. 【請求項5】 前記熱衝撃の熱源が熱媒体であることを
    特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の蓄熱方
    法。
  6. 【請求項6】 前記潜熱蓄熱材が、糖アルコールを含む
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の
    蓄熱方法。
  7. 【請求項7】 融点が70〜200℃の潜熱蓄熱材を収
    蔵し、潜熱蓄熱材と熱媒体との間で熱交換させることが
    できる蓄熱槽、該融点より30℃以上温度が低い熱媒体
    を供給可能な熱媒体供給設備及び該融点より5℃以上5
    0℃以下高い温度に潜熱蓄熱材の温度を制御可能な熱源
    装置から少なくとも構成される蓄熱装置。
  8. 【請求項8】 前記蓄熱槽が、潜熱蓄熱材と熱媒体間の
    熱交換が伝熱壁を介して行われる形式であることを特徴
    とする請求項7に記載の蓄熱装置。
  9. 【請求項9】 前記蓄熱槽が、熱源装置として電気ヒー
    ターを内蔵し、該ヒーターの表面温度は前記融点より5
    〜50℃高い温度にて制御可能であることを特徴とする
    請求項7又は8に記載の蓄熱装置。
  10. 【請求項10】 熱媒体として水を使用する給湯装置で
    あることを特徴とする請求項7ないし9のいずれかに記
    載の蓄熱装置。
  11. 【請求項11】 前記潜熱蓄熱材が糖アルコールを含む
    ことを特徴とする請求項7ないし10のいずれかに記載
    の蓄熱装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003130562A (ja) * 2001-10-23 2003-05-08 Kansai Electric Power Co Inc:The 温蓄熱装置
JP2007040695A (ja) * 2005-07-01 2007-02-15 Kobelco Eco-Solutions Co Ltd 蓄熱装置への蓄熱方法
JP2007064614A (ja) * 2005-08-03 2007-03-15 Kobelco Eco-Solutions Co Ltd 蓄熱装置への蓄熱方法及び蓄熱システム
JP2014511989A (ja) * 2011-04-18 2014-05-19 エスゲーエル カーボン ソシエタス ヨーロピア 潜熱蓄熱装置および潜熱蓄熱装置の運転方法

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