JPH1123065A - 蓄放熱装置 - Google Patents

蓄放熱装置

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JPH1123065A
JPH1123065A JP9175592A JP17559297A JPH1123065A JP H1123065 A JPH1123065 A JP H1123065A JP 9175592 A JP9175592 A JP 9175592A JP 17559297 A JP17559297 A JP 17559297A JP H1123065 A JPH1123065 A JP H1123065A
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heat
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heating medium
capsule
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JP9175592A
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Inventor
Masayoshi Yabe
昌義 矢部
Hiroyuki Kakiuchi
博行 垣内
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、蓄熱密度が高く人体および環境に
配慮した安全性に優れ、軽量かつ装置形状の設計の自由
度が高い省スペース型蓄放熱装置を提供する。 【解決手段】 融点が50〜200℃の範囲にある潜熱
蓄熱材と、室温で液状でかつ引火点が200℃以上であ
る飽和炭化水素を合成樹脂製の伝熱壁を介して接触さ
せ、蓄熱材と熱媒体間を伝熱壁を介して熱交換するよう
にしてなる蓄放熱装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は蓄放熱装置に関す
る。更に詳しくは、蓄熱エネルギ密度が高く、かつ人体
および環境に対する安全性が高く、軽量かつ装置形状の
設計自由度が高い蓄放熱装置に関する。本発明の蓄放熱
装置は、家庭、ビルその他の建造物あるいは地域向けの
給湯あるいは暖房用の蓄放熱装置として用いることがで
きるばかりでなく、ゴミ焼却炉等のプラントにおける未
利用廃熱の蓄熱、ガス冷暖房およびガス給湯におけるコ
ジェネレーションシステムの蓄放熱ユニット等に好適に
利用することができる。
【0002】
【従来の技術】電力のピーク負荷の増大に伴って電力供
給設備の増設を余儀なくされているにもかかわらず、供
給設備の年平均負荷率は一向に改善されていないという
深刻な状況が続いている。こうした中、近年深夜電力を
利用した蓄エネルギーシステムが注目を集め、蓄熱によ
る冷暖房システムをはじめとする蓄冷熱システムが大き
な効果を挙げつつある。例えば深夜電力を利用した電気
温水器が使用されているが、主流は貯湯式電気温水器で
ある。この型の温水器は温水を貯蔵しているため応答性
がよいが、水の顕熱を利用することから蓄熱密度が稼げ
ず、また温度成層方式であるため装置の占有容積が大き
くかつ装置形状の設計にも縦長型にしなければならない
等数多くの制約があった。
【0003】このため、装置のコンパクト化あるいは形
状設計の自由度拡大が求められている。これらを解決す
る方法として蓄熱密度の高い潜熱蓄熱材の利用が考えら
れているが、50〜200℃に融点等潜熱を吸収する転
移点を有し、高蓄熱密度、低腐食性でかつ人体および環
境に悪影響を及ぼさない安全な物質が見出されていなか
った。このため、特開平2−267462号及び同2−
267463号公報には、融点130〜180℃の表面
を架橋した高密度ポリエチレンを蓄熱材とし、熱媒油ま
たは水を混合した固液二相熱媒体を使用する蓄熱式電気
温水・蒸気発生器が提案されている。
【0004】しかしながら、前記温水器については熱媒
油に関する検討が何ら示されておらず、また耐圧容器の
使用等、貯湯式電気温水器の代替装置としては不満足な
ものであった。また、特開平8−245953号公報に
は、安全性の高い糖アルコール類を蓄熱材として安定的
に使用する技術が開示されている。即ち、エリスリトー
ルにケイ酸化合物およびまたは2価または3価の無機化
合物を添加したエリスリトールを主成分とする蓄熱用組
成物が示されている。しかしながら、その蓄熱材の安全
性および蓄熱能を損なわないためのシステムあるいはユ
ニットに関する技術については何ら示されていない。
【0005】一方、ゴミ焼却設備やガス冷暖房設備、火
力発電設備あるいは自動車等からの未利用エネルギーと
しての廃熱を利用する試みが徐々に為されているもの
の、その多くは土中あるいは大気中に放出されているの
が現状である。これら廃熱の有効利用率を改善すること
は世界的規模で進行するエネルギー枯渇や地球温暖化傾
向等の危機的状況を改善していく上で非常に重要な要素
であるが、100℃を越える熱を効率よく蓄熱でき、か
つ要求される安全性を満足できるシステムは見出されて
いないのが現状である。
【0006】これまで200℃付近の廃熱利用を目的と
する蓄熱システムとしては、例えばスターラーを内蔵す
るシェル内にペンタエリスリトール粉末を該粉末と共存
性の良い炭化水素系熱媒体とを混合したスラリーを充填
し、熱媒体を通すための銅製のスパイラル状チューブが
該スラリーに浸漬されているシェル&チューブ型潜熱蓄
熱装置が提案されている(Abe,Y.et.al.:
Proc.19thIECEC.p.1120(198
4))。しかしながら、これはペンタエリスリトールの
粘着によるスラリーの不安定化によって安定した蓄放熱
特性が発揮できなかったり、攪拌ユニットや銅管を使用
することによる重量増等の問題があった。
【0007】ところで、潜熱蓄熱型蓄放熱装置は大別し
て3種の型式がある。即ち、カプセル型、シェル&
チューブ型、直接接触型である。 の利点は蓄熱材単位体積当たり、あるいは蓄熱槽単位
体積当たりの伝熱面積が比較的大きくできる点、蓄熱材
の相変化時の体積変化に対応しやすい点、装置が大型化
しても単位ユニットとしてのカプセルが一定のため装置
スケールに係わらず蓄放熱性能の設計が容易である点等
がある。 については、製作費を比較的抑えられる等の利点があ
る一方、大型の装置では金属製チューブを用いた場合、
装置の重量増やチューブが長くなることによる圧損の問
題等、カプセル型に比べて多くの技術的課題を有してい
る。 については、特に放熱時の熱交換性能が優れているこ
とや、熱輸送が容易であるなど、期待されている技術で
あるが、依然研究レベルの域を出ていない。
【0008】これらの中でおよびについては低温か
ら中温において既に数多くの実用例があり、について
は樹脂チューブを用いたアイスオンコイル型蓄放熱装置
が提案されているが、高温領域に用いられる装置として
は円筒状の金属缶を用いたカプセル型の実験例とチュー
ブに銅管等の金属管を使用したシェル&チューブ型の例
があるのみであり、これらは装置重量が重くなったり、
成形および設計に手間がかかる等の問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、蓄熱密度が
高く人体および環境に配慮した安全性に優れ、軽量かつ
装置形状の設計の自由度が高い省スペース型蓄放熱装置
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するため鋭意研究を重ねた結果、蓄熱材と熱媒体間
の熱交換を伝熱壁を介して行なう蓄放熱装置において、
蓄熱材として、融点が、50〜200℃の範囲である潜
熱蓄熱材、および、熱媒体として、引火点が200℃以
上の飽和炭化水素を選定することによって、伝熱壁に合
成樹脂を使うことが可能となり、結果として軽量かつ省
スペースで装置形状の自由度が高く、更に万一蓄熱材や
熱媒体が漏洩した際にも、人体や環境に悪影響を及ぼす
危険性の低い蓄放熱装置が実現されることを見出し、本
発明に到達した。即ち本発明は、融点が50〜200℃
の範囲にある潜熱蓄熱材と、室温で液状でかつ引火点が
200℃以上である飽和炭化水素からなる熱媒体を合成
樹脂製の伝熱壁を介して接触させ、蓄熱材と熱媒体間を
伝熱壁を介して熱交換するようにしてなる蓄放熱装置を
提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいてよ
り詳細に説明する。図1は、本発明の蓄放熱装置の一例
を示すフローチャートである。図1において、蓄放熱装
置1は、蓄熱材を収蔵し、合成樹脂製伝熱壁を介して熱
交換を行なう蓄熱槽2を有している。蓄熱槽2の形式は
特に制限されるものではないが、カプセル型あるいはシ
ェル&チューブ型が適する。カプセル型蓄熱槽2は、図
2に示すように熱媒体の導出入口3aと他の導出入口3
bを有するドラム5内を多孔板6a,6bで区画すると
共に、多孔板6a,6bで画成された内側の蓄熱室7に
は、伝熱壁材で形成されたカプセル8がランダムに充填
されており、カプセル8内には蓄熱材が内蔵されてい
る。
【0012】従って、熱媒体導出入口3aから熱媒体を
送給すると、熱媒体は多孔板6aを通過して蓄熱室7に
入り、カプセル8,8の間隙を通る。この間に熱媒体と
蓄熱材との間で熱交換が行なわれ、蓄熱材は熱エネルギ
ーを吸収して蓄熱したり、放熱して熱媒体を加熱したり
する。熱交換の行なわれた熱媒体は多孔板6b、他方の
熱媒体導出入管3bを経由して他の機構へと送給され
る。シェル&チューブ型は図3に示すように、槽体10
を有し、槽体10には、熱媒体の導出入口3aから主管
11が延び、主管11には多数の支管12,12が連設
され、支管12,12の他端は、他方の導出入口側の主
管13に連結されており、他方の熱媒体導出入口3bか
ら他の機構に送給されるように構成されている。前記の
主管11,13及び支管12,12は伝熱壁材で形成さ
れ、主管11,13及び支管12,12の外側の蓄熱室
7には蓄熱材が充填される。
【0013】本発明に用いられる蓄熱材は、融点が50
〜200℃の範囲にある潜熱蓄熱材であれば特に制限は
なく、該当する範囲内であれば単独あるいは複数の化合
物を組み合わせて蓄熱材とすることが出来るが、安全衛
生上、主成分として糖アルコール類を用いるのが好まし
い。用いる糖アルコール類としては、meso−エリス
リトール、L−エリスリトール、D−エリスリトール、
DL−エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペン
タエリスリトール、リビトール、キシリトール、D−ア
ラビトール、L−アラビトール、DL−アラビトール、
アリトール、ダルシトール、D−ソルビトール、L−グ
ルシトール、DL−グルシトール、D−マンニトール、
L−マンニトール、DL−マンニトール、D−イディト
ール、L−イディトール、D−タリトール、L−タリト
ール、DL−タリトール、ペルセイトール、ポレミトー
ル、グリセロ−グロ−ヘプチトール、D−グリセロ−D
−イド−ヘプチトール、D−エリスロ−D−ガラクト−
オクチトール等が例示できる。中でも100℃付近に融
点を持ち、蓄熱密度が高く、結晶性に優れた安価な材料
として、エリスリトールがより好ましく例示される。
【0014】また、蓄熱材副成分として、上記主成分と
なる化合物に相溶し、共晶可能な他の蓄熱材を併用する
ことができる。添加量としては主成分の蓄熱材性能を著
しく損なわない範囲、通常は、重量で主成分量を越えな
い範囲で使用することができる。他にも本発明に用いら
れる蓄熱材への添加剤としては、通常用いられる過冷却
防止剤、熱安定剤、難燃剤、消泡剤、酸化防止剤、融点
調整剤等を適宜使用することが出来る。
【0015】本発明に用いられる熱媒体は、室温で液状
であり、かつ引火点が200℃以上の飽和炭化水素であ
る。該飽和炭化水素は、芳香族系炭化水素オイルに比べ
て低毒性で樹脂を侵しにくい特長をもつため、本発明の
目的に適した材料である。該飽和炭化水素としては、特
に制限はなく、該当するものの一種または二種以上を混
合して用いることができる。例としては、流動パラフィ
ン類、水素添加した天然抽出オイル類等が好ましく挙げ
られるが、無毒で沸点の安定している流動パラフィンが
より好ましい。これはサームオイルU(松村石油(株)
社製)等として容易に入手することができる。
【0016】本発明に用いられる熱媒体には、添加剤を
添加することができる。該添加剤としては、通常用いら
れる着色剤、熱安定剤、難燃剤、消泡剤、酸化防止剤等
を適宜使用することが出来る。本発明においては、伝熱
壁を介した熱交換型とされる。これに対して直接接触型
の蓄放熱装置では、特に放熱時の熱交換性能が非常に優
れているものの、直接接触させ得るのは放熱過程のみで
蓄熱過程は伝熱壁を介した熱交換を要することや、蓄熱
材と熱媒体との分離や蓄熱材の輸送のこと等、未だ重大
な技術的問題がある上、本発明の目的の一部である装置
形状の自由度を上げることや装置の省スペース化を達成
でき得ないため好ましくない。
【0017】本発明の合成樹脂製伝熱壁に用いられる樹
脂とは、押出成形、押出ブロー成形、射出ブロー成形、
延伸ブロー成形、あるいはガスアシストインジェクショ
ン成形の何れかが可能な樹脂であれば特に制限はなく、
単独若しくは二種以上の混合物として使用することがで
きる。例えば、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン−
1等のオレフィン系樹脂;シラン架橋ポリプロピレン等
の架橋型ポリプロピレン樹脂;ポリテトラフロロエチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン
系樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン
−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重
合体等のスチレン系樹脂;ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタ
レート等のテレフタル酸エステル系樹脂;ポリアリレー
ト等の芳香族ポリエステル系樹脂;ポリアミド6、ポリ
アミド10、ポリアミド12、ポリアミド6 6、ポリ
アミド4 6、ポリアミド610、ポリアミド6 1
1、芳香族ポリアミド等のポリアミド樹脂;ポリカーボ
ネート樹脂;ポリオキシメチレン、変性ポリフェニレン
エーテル等のポリエーテル系樹脂;ポリスルホン樹脂;
ポリエーテルイミド樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;
ポリエーテルエーテルイミド樹脂等が挙げられる。
【0018】中でも、中温から高温における耐溶剤性に
優れ、かつ成形性にも優れた汎用樹脂として、超高分子
量ポリエチレン、架橋ポリプロピレン、ポリプロピレ
ン、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリアミド、ポリ
カーボネート、ポリオキシメチレン、変性ポリフェニレ
ンエーテル、ポリフェニレンスルフィドが好ましく例示
できる。これら樹脂は単独若しくは二種以上を混合し
て、あるいは他の樹脂と混合して用いることができる。
該樹脂には必要に応じて無機繊維、金属繊維、有機繊
維、金属粉、無機粉、金属ウィスカ、無機ウィスカ等の
充填剤、補強剤、チクソ剤、増粘剤、酸化防止剤、難燃
剤、離型剤、消泡剤、ゴム成分等の各種添加剤を使用す
ることができる。
【0019】また、カプセル型蓄放熱装置において、蓄
熱材の相転移に伴う容積変化を吸収するために、カプセ
ル内に減圧あるいは加圧された空隙を設けておくことも
重要な技術である。同様にシェル&チューブ型蓄放熱装
置において、蓄熱材の相転移に伴う容積変化を吸収する
ために、蓄熱槽内に減圧あるいは加圧された空隙を設け
ておくことも重要な技術である。
【0020】蓄放熱装置1は、熱源装置15に連結され
ている。熱源装置15の材質、構造は、利用される熱源
に応じて適当なものを使用することができ、例えば、ゴ
ミ焼却炉等の燃焼炉の熱エネルギーを利用するときは、
炉内又は煙道に金属製の管体(図示せず)を設置し、管
体内に熱媒体を通すことによって熱エネルギーを取入れ
ることができる。蓄熱槽2と熱源装置15は、弁体1
6,17,18及びポンプ19を介してループを形成し
ており、ポンプ19を駆動することによって熱源装置1
5で取入れた熱エネルギーを蓄熱槽2に蓄熱することが
できる。
【0021】また、蓄放熱装置1は熱交換器20を有
し、被加熱体流路21から導入された被加熱体を熱交換
によって加熱するように構成されている。熱交換器20
と蓄熱槽2は、弁体17、三方弁22、ポンプ23、弁
体18を介してループを形成するように構成され、ポン
プ23を駆動することによって、蓄熱槽2で加熱された
熱媒体を熱交換器20に送給して被加熱体を加熱するよ
うにされている。なお、三方弁22は、蓄熱槽2から送
られる加熱媒体と、バイパス管24を通して熱交換器2
0から帰還する熱媒体との混合割合を調整するための弁
体で、熱交換器20の加熱温度調整に用いられる。
【0022】なお、これらに例示される本発明の蓄放熱
装置には、圧力計、流量計、過加熱防止装置、温度計、
温度制御装置、断熱材、補助ポンプ、減圧弁、逆止弁、
あるいは蓄熱材の相転移等による熱媒体のオーバーフロ
ーあるいは減少を吸収するための熱媒体補助タンク等を
必要に応じて使用する必要があるのは言うまでもない。
本発明蓄熱装置1を利用して蓄熱するときは、三方弁2
2を閉とし、弁体16,17,18を開としてポンプ1
9を駆動すると、熱源装置15で加熱された熱媒体は、
弁体16,17を経由して蓄熱槽2に入り、伝熱壁8を
介して蓄熱材に熱エネルギーを伝達する。熱源装置15
で加熱された熱媒体は、蓄熱材の融点より5℃以上、好
ましくは10℃以上高い温度となるように加熱される。
熱媒体によって熱エネルギーを与えられた蓄熱材は固相
状態から液相状態への転相による融解潜熱及び顕熱とし
て蓄熱する。
【0023】蓄熱材を加熱して自体は冷却した熱媒体は
弁体18、ポンプ19を経由して熱源装置15で再度加
熱される。蓄熱槽2内に蓄熱された熱エネルギーを利用
するときは、弁体16を閉とし、弁体17;三方バルブ
22の弁体17とポンプ23間の流路及び弁体18を開
としてポンプ23を駆動すると、蓄熱槽2の蓄熱材の潜
熱によって加熱された熱媒体は、三方弁22、ポンプ2
3を経由して熱交換器20に送給され、被加熱体流路2
1から送給される被加熱体を加熱する。一方、潜熱を放
出した蓄熱材は固相化する。
【0024】被加熱体を加熱した熱媒体は弁体18を経
由して蓄熱槽2に入り再度加熱される。熱交換器20の
加熱温度は、三方弁22の調節によって、蓄熱槽2で加
熱された熱媒体と、バイパス管24を経由して熱交換器
20を循環する熱媒体の混合比を調整することによって
調節することができる。また、被加熱体を加熱するとき
に熱源が熱エネルギーを放出しているときには、バルブ
16を開として熱源からの熱媒体をそのまま、あるいは
蓄熱槽2で加熱された媒体と混合して熱交換器20に送
給することもできる。
【0025】
【発明の効果】本発明の蓄放熱装置は従来の中温から高
温用顕熱蓄熱型装置よりも軽量、省スペースで装置形状
の自由度が高く、また万一蓄熱材や熱媒体が漏洩した際
にも人体や環境に悪影響を及ぼす危険性が低く、かつ優
れた蓄放熱能力を有するため家庭、ビル、その他の建造
物あるいは地域向けの給湯あるいは暖房用の蓄放熱装置
として用いることができるばかりでなく、ゴム焼却炉等
のプラントにおける未利用廃熱の蓄熱、ガス冷暖房およ
びガス給湯におけるコジェネレーションシステムの蓄放
熱ユニット等に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明蓄放熱装置の一例を示すフローチャー
ト。
【図2】カプセル型蓄熱槽の一例を示す縦断面図。
【図3】シェル&チューブ型蓄熱槽の一例を示す縦断面
図。
【符号の説明】
1 蓄放熱装置 2 蓄熱槽 8 伝熱壁 15 熱源装置 19,23 ポンプ 16,17,18,23 弁体 20 熱交換器 22 三方弁

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点が50〜200℃の範囲にある潜熱
    蓄熱材と、室温で液状でかつ引火点が200℃以上であ
    る飽和炭化水素からなる熱媒体を合成樹脂製の伝熱壁を
    介して接触させ、蓄熱材と熱媒体間を伝熱壁を介して熱
    交換するようにしてなる蓄放熱装置。
  2. 【請求項2】 熱交換方式が、シェル&チューブ型であ
    り、シェル部に蓄熱材を収蔵し、合成樹脂製チューブ内
    を熱媒体が流通する請求項1記載の蓄放熱装置。
  3. 【請求項3】 熱交換方式が、カプセル型であり、合成
    樹脂製カプセルに蓄熱材を収蔵し、該カプセルに熱媒体
    を接触させる請求項1記載の蓄放熱装置。
  4. 【請求項4】 蓄熱材が、糖アルコール類を主成分とす
    る請求項1〜3いずれかに記載の蓄放熱装置。
  5. 【請求項5】 蓄熱材が、エリスリトールを主成分とす
    る請求項4記載の蓄放熱装置。
  6. 【請求項6】 熱媒体が、流動パラフィンであることを
    特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の蓄放熱装置。
  7. 【請求項7】 合成樹脂製伝熱壁が、超高分子量ポリエ
    チレン、架橋ポリプロピレン、ポリプロピレン、ポリ−
    4−メチルペンテン−1、ポリアミド、ポリカボネー
    ト、ポリオキシメチレン、変性ポリフェニレンエーテ
    ル、ポリフェニレンスルフィドから選ばれた一種以上の
    樹脂により形成された請求項1〜6いずれかに記載の蓄
    放熱装置。
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