JP2000038435A - ウレトンイミン基含有低粘度ポリイソシアネート硬化剤 - Google Patents
ウレトンイミン基含有低粘度ポリイソシアネート硬化剤Info
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Abstract
コーティング剤等に用いられる、作業性の良好な低粘度
の無黄変ポリイソシアネートを提供する。 【解決手段】 脂肪族ジイソシアネートを用いたイソシ
アネートの一部のイソシアネート基をウレトンイミン基
に変換したポリイソシアネートを含有し、遊離のジイソ
シアネートモノマー含有量が1重量%以下であり、実質
的に固形分100%の25℃における粘度が2,000
mm2 /s以下である、ウレトンイミン基含有低粘度ポ
リイソシアネートにより解決する。
Description
刷インキ、磁気記録媒体、コーティング剤等に用いら
れ、作業性が良好である、脂肪族ジイソシアネートを用
いたウレトンイミン基含有低粘度ポリイソシアネート硬
化剤に関する。
来するポリイソシアネート(無黄変ポリイソシアネー
ト)は耐候性等に優れているため、塗料、接着剤、印刷
インキ、磁気記録媒体、コーティング剤等の硬化剤とし
て広く用いられている。そして、脂肪族又は脂環族ジイ
ソシアネートを多官能に変性する方法としては、ウレタ
ン変性(アダクト変性)、ビウレット変性、イソシアヌ
レート変性が一般的に採用されている。
シアネート硬化剤は、総じて粘度が高いものであった。
そのため、使用に際しては、有機溶剤で希釈する、加熱
する等、粘度を低下させる操作が必要であった。しかし
ながら、これらの操作を行うことは、作業環境の悪化や
温室ガス排出量増大につながるため、無黄変ポリイソシ
アネート硬化剤の低粘度化が求められている。
は、特開平4−226966号公報には、エステル基含
有モノオールと反応させたイソシアヌレート変性脂肪族
ジイソシアネートのポリイソシアネートが示されてい
る。また、特開平4−306218号公報には、炭素数
6〜9の脂肪族モノオールと反応させたイソシアヌレー
ト変性脂肪族ジイソシアネートのポリイソシアネートが
示されている。
な低粘度の無黄変ポリイソシアネート硬化剤を提供する
ことである。
結果、脂肪族ジイソシアネート又はこれを用いたイソシ
アネート基末端プレポリマーのウレトンイミン変性によ
り得られたポリイソシアネート硬化剤が低粘度であるこ
とを見いだし、本発明を完成させるに至った。
である。 (1) 脂肪族ジイソシアネートの一部のイソシアネー
ト基をウレトンイミン基に変換したポリイソシアネート
を含有し、遊離のジイソシアネートモノマー含有量が1
重量%以下であり、実質的に固形分100%の25℃に
おける粘度が2,000mm2 /s以下であることを特
徴とする、ウレトンイミン基含有低粘度ポリイソシアネ
ート硬化剤。
素基含有化合物を反応させて得られるイソシアネート基
末端プレポリマーの一部のイソシアネート基をウレトン
イミン基に変換したポリイソシアネートを含有し、遊離
のジイソシアネートモノマー含有量が1重量%以下であ
り、実質的に固形分100%の25℃における粘度が
2,000mm2 /s以下であることを特徴とする、ウ
レトンイミン基含有低粘度ポリイソシアネート硬化剤。
サメチレンジイソシアネートであることを特徴とする前
記(1)又は(2)の、ウレトンイミン基含有低粘度ポ
リイソシアネート硬化剤。
る。本発明に用いられる脂肪族ジイソシアネートとして
具体的には、テトラメチレンジイソシアネート(以下B
DIと略する)、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート(以下HDIと略す
る)、ヘプタメチレンジイソアイネート、オクタメチレ
ンジイソアイネート、デカメチレンジイソシアネート
(以下DDIと略する)、2−メチル−1,5−ペンタ
ンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタンジ
イソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げられ
る。これらは単独又は2種以上使用してもよい。本発明
においては、BDI、HDI、DDIが好ましく、更に
はHDIが最も好ましい。
アネートの一部を、脂肪族ジイソシアネート以外の有機
イソシアネート(その他有機イソシアネートと略する)
で置き換えてもよい。この場合、脂肪族ジイソシアネー
トとその他有機イソシアネートの重量比は、脂肪族ジイ
ソシアネート/その他有機イソシアネートが1以上とす
る。このその他有機イソシアネートとしては、2,4−
トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシ
アネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、
2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5
−ナフチレンジイソシアネート、1,4−ナフチレンジ
イソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m
−フェニレンジイソシアネート、o−キシリレンジイソ
シアネート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キ
シリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジ
イソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソ
シアネート、2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイソ
シアネート、2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′
−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメ
タン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェ
ニルプロパンジイソシアネート、3,3′−ジメトキシ
ジフェニル−4,4′−ジイソシアネート等の芳香族ジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添
加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加トリレ
ンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネ
ート、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネー
ト、シクロヘキシルジイソシアネート等の脂環族ジイソ
シアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシア
ネート等のポリメリックタイプのポリイソシアネート等
が挙げられる。これらの有機イソシアネートは単独又は
2種以上の混合物で使用することができる。
プレポリマーは、前述した脂肪族ジイソシアネート及び
活性水素基含有化合物との反応で得られるものである。
この脂肪族ジイソシアネートとしては、BDI、HD
I、DDIが好ましく、更にはHDIが最も好ましい。
なお、このイソシアネート基末端プレポリマーに用いら
れる脂肪族ジイソシアネートの一部を、前述したその他
有機イソシアネートで置き換えてもよい。この場合も、
脂肪族ジイソシアネートとその他有機イソシアネートの
重量比は、脂肪族ジイソシアネート/その他有機イソシ
アネートが1以上とする。
を構成する活性水素基含有化合物としては、数平均分子
量が500〜10,000の長鎖ポリオール、数平均分
子量が500未満の鎖延長剤と呼ばれるものがある。脂
肪族ジイソシアネート及び活性水素基含有化合物は、そ
れぞれ単独又は2種以上使用してもよい。
リオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテル
ポリオール、ポリオレフィンポリオール、動植物系ポリ
オール及びこれらのコポリオール等がある。
知のシュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ア
ゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタ
ル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフ
タル酸、ヘキサヒドロオルソフタル酸、ナフタレンジカ
ルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等のポリカ
ルボン酸、(部分)酸エステル、又は(部分)酸無水物
等の1種以上と、エチレングリコール、1,2−プロピ
レングリコール(以下1,2−PGと略する)、1,3
−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール(以
下1,2−BDと略する)、1,3−ブタンジオール
(以下1,3−BDと略する)、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール(以下M
PDと略する)、ネオペンチルグリコール(以下NPG
と略する)、3,3−ジメチロールヘプタン(以下DM
Hと略する)1,8−オクタンジオール、1,9−ノナ
ンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリ
コール(以下DPGと略する)、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール、あるいはビスフェノールAのエチレン
オキサイド又はプロピレンオキサイド付加物、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等
の低分子ポリオール、ヘキサメチレンジアミン、キシレ
ンジアミン、イソホロンジアミン等の低分子ポリアミ
ン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等の低
分子アミノアルコール等の1種以上との脱水縮合反応で
得られる、ポリエステルポリオール又はポリエステルア
ミドポリオールが挙げられる。また、低分子ポリオール
を開始剤とし、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクト
ン等の環状エステル(ラクトン)モノマーの開環重合で
得られるラクトン系ポリエステルポリオールが挙げられ
る。
述のポリエステルポリオールに用いられる低分子ポリオ
ールと、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネー
ト、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ
フェニルカーボネート等との脱アルコール反応等で得ら
れるものが挙げられる。
ンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオ
キサイドやテトラヒドロフラン等の環状エーテルの単品
や混合物を開環重合させたポリ(オキシアルキレン)ポ
リオール等、及びこれらを共重合したポリエーテルポリ
オール、更に、前述のポリエステルポリオール、ポリカ
ーボネートポリオールを開始剤としたポリエステルエー
テルポリオールが挙げられる。
ば、水酸基含有ポリブタジエン、水素添加の水酸基含有
ポリブタジエン、水酸基含有ポリイソプレン、水素添加
の水酸基含有ポリイソプレン、水酸基含有塩素化ポリプ
ロピレン、水酸基含有塩素化ポリエチレン等が挙げられ
る。
オール、絹フィブロイン等が挙げられる。
あれば、ダイマー酸系ポリオール、水素添加ダイマー酸
系ポリオールの他にエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポ
リエステル樹脂、アクリル樹脂、ロジン樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、クマロン樹脂、ポ
リビニルアルコール等の樹脂類も長鎖ポリオールとして
好適に使用できる。
子内に2個以上の活性水素基を含有する化合物であり、
前述のポリエステルポリオールに構成成分として用いら
れる低分子ポリオール、低分子ポリアミン、低分子アミ
ノアルコールが挙げられる。
の中で好ましいものは、炭素数20以下の低分子ポリオ
ールである。更に好ましいものは側鎖を有する低分子脂
肪族ポリオールであり、特に1,2−PG、1,2−B
D、1,3−BD、MPD、NPG、DMH、DPGが
好ましい。
際のイソシアネート基と活性水素基のモル比は、イソシ
アネート基/活性水素基が2以上、好ましくは10以上
である。イソシアネート基/活性水素基が2未満の場合
は、イソシアネート基末端プレポリマーの粘度が高くな
り、そのため最終的なポリイソシアネート硬化剤の粘度
が高くなりやすい。
性、反応性等を調整するために1官能の化合物を併用し
てもよい。この1官能の化合物としては、メタノール、
エタノール、プロパノール、2−エチル−ヘキサノー
ル、ベンジルアルコール等の低分子モノアルコール、メ
トキシポリ(オキシエチレン)グリコール、リシノレイ
ン酸アルキルエステル等の高分子モノオール、エチルア
ミン、ジエチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン
等のモノアミン、ブチルイソシアネート、フェニルイソ
シアネート、シクロヘキシルイソシアネート等のモノイ
ソシアネートが挙げられる。これらは単独又は2種以上
使用してもよい。また、この1官能化合物の反応時期は
特に制限はなく、粘度や変性の程度により適宜選択すれ
ばよい。
化合物を反応させる際の反応触媒としては、公知のいわ
ゆるウレタン化触媒を用いることができる。具体的に
は、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウ
レート等の有機金属化合物や、トリエチレンジアミンや
トリエチルアミン等の有機アミンやその塩等が挙げられ
る。この反応時おける温度は、10〜120℃、好まし
くは、30〜100℃である。
ソシアネート硬化剤は、前述の脂肪族ジイソシアネー
ト、又は、脂肪族ジイソシアネートを用いたイソシアネ
ート基末端プレポリマーに、カルボジイミド化触媒を添
加・反応させて、カルボジイミド変性ポリイソシアネー
トにして、更に、カルボジイミド基にイソシアネート基
を付加させることで得られる。
のものが使用できる。このカルボジイミド化触媒として
はホスホレンオキサイド系、ホスフィンオキサイド系、
アルキルホスフェート系が挙げられる。
触媒としては、1−フェニル−3−メチル−3−ホスホ
レン−1−オキサイド、1−メチル−3−メチル−3−
ホスホレン−1−オキサイド、1−エチル−3−メチル
−3−ホスホレン−1−オキサイド、1−ブチル−3−
メチル−3−ホスホレン−1−オキサイド、1−(N−
ピペリジニル)−3−メチル−3−ホスホレン−1−オ
キサイド、1−モルフォリノ−3−メチル−3−ホスホ
レン−1−オキサイド、1−フェニル−3−メチル−2
−ホスホレン−1−オキサイド、1−メチル−3−メチ
ル−2−ホスホレン−1−オキサイド、1−エチル−3
−メチル−2−ホスホレン−1−オキサイド、1−ブチ
ル−3−メチル−2−ホスホレン−1−オキサイド、1
−フェノキシ−3−メチル−2−ホスホレン−1−オキ
サイド、1−フェニル−3−ホスホレン−1−オキサイ
ド、1−メチル−3−ホスホレン−1−オキサイド、1
−エチル−3−ホスホレン−1−オキサイド、1−フェ
ニル−2−ホスホレン−1−オキサイド、1−メチル−
2−ホスホレン−1−オキサイド、1−エチル−2−ホ
スホレン−1−オキサイド、1−フェニル−3−メチル
−3−ホスホレン−1−スルフィド、及びこれらの混合
物等が挙げられる。これらのカルボジイミド化触媒中で
は、1−フェニル−3−メチル−3−ホスホレン−1−
オキサイド、1−フェニル−3−メチル−2−ホスホレ
ン−1−オキサイド、1−フェニル−3−ホスホレン−
1−オキサイド、1−フェニル−2−ホスホレン−1−
オキサイドが好ましい。
触媒としては、トリメチルホスフィンオキサイド、トリ
エチルホスフィンオキサイド、トリプロピルホスフィン
オキサイド、トリブチルホスフィンオキサイド、トリス
(2−エチルヘキシル)ホスフィンオキサイド、トリオ
クチルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィン
オキサイド、トリス(β−クロロエチル)ホスフィンオ
キサイド、トリス(β−クロロプロピル)ホスフィンオ
キサイド、及びこれらの混合物等が挙げられる。これら
のカルボジイミド化触媒中では、入手の容易さ、コス
ト、触媒活性等の点から、トリメチルホスフィンオキサ
イド、トリエチルホスフィンオキサイド、トリブチルホ
スフィンオキサイド、トリス(2−エチルヘキシル)ホ
スフィンオキサイドが好ましい。
触媒としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホ
スフェート、トリプロピルホスフェート、トリブチルホ
スフェート、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェー
ト、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェ
ート、トリス(β−クロロエチル)ホスフェート、トリ
ス(β−クロロプロピル)ホスフェート、リン酸ジメチ
ルエステル、リン酸ジエチルエステル、リン酸ジプロピ
ルエステル、リン酸ジブチルエステル、リン酸ジ(2−
エチルヘキシル)エステル、リン酸ジオクチルエステ
ル、リン酸モノメチルエステル、リン酸モノエチルエス
テル、リン酸モノプロピルエステル、リン酸モノブチル
エステル、リン酸モノ(2−エチルヘキシル)エステ
ル、リン酸モノオクチルエステル、及びこれらの混合物
等が挙げられ、中でも入手の容易さ、コスト、触媒活性
等の点から、トリメチルホスフェート、トリエチルホス
フェート、トリブチルホスフェート、トリス(2−エチ
ルヘキシル)ホスフェート、リン酸ジメチルエステル、
リン酸ジエチルエステル、リン酸ジブチルエステル、リ
ン酸ジ(2−エチルヘキシル)エステルが好ましい。
イミン化反応の条件は、用いる触媒によって異なる。
は、脂肪族ジイソシアネート、又は、脂肪族ジイソシア
ネートと活性水素基含有化合物を反応させて得られるイ
ソシアネート基末端プレポリマーに対して100〜5,
000ppm、好ましくは100〜1,000ppmの
量の触媒を添加し、100〜250℃、好ましくは13
0〜200℃に加熱して反応を進行させる。
は、脂肪族ジイソシアネート、又は、脂肪族ジイソシア
ネートと活性水素基含有化合物を反応させて得られるイ
ソシアネート基末端プレポリマーに対して0.05〜5
重量%、好ましくは0.1〜1重量%の量の触媒を添加
し、100〜250℃、好ましくは130〜200℃に
加熱して反応を進行させる。
は、脂肪族ジイソシアネート、又は、脂肪族ジイソシア
ネートと活性水素基含有化合物を反応させて得られるイ
ソシアネート基末端プレポリマーに対して0.1〜10
重量%、好ましくは0.1〜2重量%の量の触媒を添加
し、150〜250℃、好ましくは180℃〜230℃
に加熱して反応を進行させる。
イソシアネート含量の測定より反応の進行を随時確認
し、反応率が5〜50%、好ましくは10〜40%に達
したところで冷却する。このとき必要に応じて反応停止
剤を添加してもよい。
酸、硫酸、リン酸、酢酸、安息香酸、フタル酸、ベンゼ
ンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホ
ン酸、三塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素、三塩化ホ
ウ素、三フッ化鉄、三塩化鉄、トリクロロシラン、ジフ
ェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、
及びこれらの混合物等が挙げられるが、更に好ましく
は、リン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン
酸、ナフタレンスルホン酸、三フッ化ホウ素、三塩化ホ
ウ素、三フッ化鉄、三塩化鉄、ジフェニルジクロロシラ
ン、及びこれらの混合物である。
満の場合は、得られるポリイソシアネート硬化剤の平均
官能基数が小さすぎるため、硬化物の物性が悪くなりや
すい。また、反応率が上限を越える場合は、高分子体の
増加による粘度上昇が著しく、作業性の点から実用に適
さない。
を行って、カルボジイミド基をウレトンイミン基にす
る。エージング条件としては15〜70℃、好ましくは
40〜60℃である。エージング方法としては、前述の
温度を保つ他に、エージング温度でカルボジイミド化さ
せた後、徐々に冷却するという方法でもよい。本発明の
ポリイソシアネート硬化剤では、カルボジイミド基のウ
レトンイミン基への転化率は80モル%以上、好ましく
は90モル%以上である。転化率が低すぎる場合は、硬
化剤の平均官能基数が小さくなるので、硬化物の物性が
悪くなりやすい。
ウレトンイミン化反応時には、必要に応じて有機溶剤を
用いてもよい。
ソシアネート(モノマー)、場合によっては有機溶剤を
含有した混合物が得られる。この混合物から遊離のジイ
ソシアネートモノマー及び有機溶剤を除去する。この場
合、遊離のジイソシアネートモノマー及び有機溶剤は、
それぞれの含量が各1重量%以下、更には各0.9重量
%以下になるまで除去するほうが好ましい。回収したジ
イソシアネートモノマー及び有機溶剤は、分離精製後、
再度使用して有効に活用できる。
アネート硬化剤の粘度は、実質的に固形分100%、2
5℃において、2,000mm2 /s以下であり、好ま
しくは50〜1,800mm2 /s、更に好ましくは1
00〜1,500mm2 /sである。このことから、従
来の無黄変ポリイソシアネート硬化剤より粘度が低いた
め、使用の際、希釈・加熱等の余計な操作が必要ないこ
とになる。なお、「実質的に固形分100%」とは、遊
離のジイソシアネートモノマー及び有機溶剤のそれぞれ
の含有量が各1重量%以下であるということを意味す
る。
イソシアネート硬化剤のイソシアネート含量は、固形分
100%換算で10〜50重量%、好ましくは15〜4
5重量%である。
含有低粘度ポリイソシアネート硬化剤は、必要に応じ
て、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、溶剤、難
燃剤、加水分解防止剤、潤滑剤、可塑剤、充填剤、貯蔵
安定剤等の添加剤を適宜配合することができる。
リイソシアネート硬化剤の提供が可能となった。本発明
によって得られた低粘度ポリイソシアネート硬化剤は、
塗料、接着剤、印刷インキ、磁気記録媒体、コーティン
グ剤等の硬化剤として有用であり、特に塗料用硬化剤と
して最適ものである。
細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。また、特に断りのない限り、実施例中の
「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量
%」を意味する。
ト硬化剤の製造] 実施例1 攪拌機、温度計、アリーン冷却管、窒素ガス導入管を組
んだ反応装置に、HDIを100.0部、TBPOを
0.3部仕込み、反応器内を窒素置換して、攪拌しなが
ら温度を160℃まで昇温し、同温度で4時間カルボジ
イミド化反応させた。その後、液温が室温になるまで徐
々に冷却させた。冷却後のイソシアネート含量は39.
9%であった。その後、流下式薄膜蒸留装置を用いて、
130℃、26.7Paで蒸留し、遊離のイソシアネー
トモノマーを除去して、ポリイソシアネート硬化剤P−
1を得た。P−1のイソシアネート含量は23.4%、
25℃における粘度は130mm2 /s、遊離のイソシ
アネートモノマー含有量は0.8%であり、FT−IR
及び13C−NMRからイソシアネート基及びウレトジオ
ン基の存在が確認された。なお、カルボジイミド基は確
認できなかった。
1.3−BDを3.1部仕込み、反応器内を窒素置換し
て、80℃にてウレタン化反応させて、イソシアネート
基末端プレポリマーを得た。その後TBPOを0.3部
仕込み、攪拌しながら温度を160℃まで昇温し、6時
間カルボジイミド化反応させた。その後、液温が室温に
なるまで徐々に冷却させた。冷却後のイソシアネート含
量は32.7%であった。その後、流下式薄膜蒸留装置
を用いて、130℃、26.7Paで蒸留し、遊離のイ
ソシアネートモノマーを除去して、ポリイソシアネート
硬化剤P−2を得た。P−2のイソシアネート含量は2
0.4%、25℃における粘度は860mm2 /s、遊
離のイソシアネートモノマー含有量は0.6%であり、
FT−IR及び13C−NMRからイソシアネート基、ウ
レトジオン基及びウレタン基の存在が確認された。な
お、カルボジイミド基は確認できなかった。
TBPOを0.3部仕込み、反応器内を窒素置換して、
攪拌しながら温度を160℃まで昇温し、同温度で2時
間カルボジイミド化反応させた。その後、液温が室温に
なるまで徐々に冷却させた。冷却後のイソシアネート含
量は28.9%であった。その後、流下式薄膜蒸留装置
を用いて、130℃、26.7Paで蒸留し、遊離のイ
ソシアネートモノマーを除去して、ポリイソシアネート
硬化剤P−3を得た。P−3のイソシアネート含量は1
6.5%、25℃における粘度は1,030mm2 /
s、遊離のイソシアネートモノマー含有量は0.7%で
あり、FT−IR及び13C−NMRからイソシアネート
基及びウレトジオン基の存在が確認された。なお、カル
ボジイミド基は確認できなかった。
DIを38.5部、TBPOを0.3部仕込み、反応器
内を窒素置換して、攪拌しながら温度を160℃まで昇
温し、同温度で4時間カルボジイミド化反応させた。そ
の後、液温が室温になるまで徐々に冷却させた。冷却後
のイソシアネート含量は38.7%であった。その後、
流下式薄膜蒸留装置を用いて、130℃、26.7Pa
で蒸留し、遊離のイソシアネートモノマーを除去して、
ポリイソシアネート硬化剤P−4を得た。P−4のイソ
シアネート含量は20.3%、25℃における粘度は1
40mm2 /s、遊離のイソシアネートモノマー含有量
は0.7%であり、FT−IR及び13C−NMRからイ
ソシアネート基及びウレトジオン基の存在が確認され
た。なお、カルボジイミド基は確認できなかった。
1,3−BDを2.8部を仕込み、反応器内を窒素置換
して、攪拌しながら反応温度80℃に加温し、同温度で
2時間反応させた。この反応液のイソシアネート含量を
測定したところ、48.6%であった。次にイソシアヌ
レート化触媒としてカプリン酸カリウムを0.06部、
フェノール0.3部を加え、60℃で6時間イソシアヌ
レート化反応を行った。この反応液に停止剤としてリン
酸を0.04部加え、反応温度で1時間攪拌後、流下式
薄膜蒸留装置を用いて、130℃、26.7Paで蒸留
し、遊離のイソシアネートモノマーを除去して、ポリイ
ソシアネート硬化剤P−5を得た。P−5のイソシアネ
ート含量は20.8%、25℃における粘度は2,50
0mm2 /s、遊離のイソシアネートモノマー含有量は
0.3%であり、FT−IR及び13C−NMRからイソ
シアネート基、イソシアヌレート基及びウレタン基の存
在が確認された。実施例1〜4、比較例1を表1に示
す。
(1985)に準ず。
同量のガラスビーズを加えてペイントシェーカーにて1
時間ミキシングし、ガラスビーズを除去して二液硬化塗
料の主剤を調製した。次にP−1を先ほど調製した主剤
と混合して全固形分=40%の塗料を調製し、これを鋼
板に約50μmになるように塗布した。塗布後、20
℃、湿度60%で1週間養生した後、各種塗膜物性評価
を行った。結果を表2に示す。 主剤配合比 アクリル樹脂:アクリディックA−801(水酸基含
有、固形分=50%、大日本インキ化学工業製) アクリル樹脂とP−1の配合比:水酸基とイソシアネー
ト基が当量 樹脂分(=アクリル樹脂+P−1)/酸化チタン=20
/13(重量比) 混合溶剤:酢酸ブチル/酢酸エチル/トルエン/PMA
=1/1/1/1(重量比) PMA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセ
テート
同様にして評価した。結果を表2に示す。
2に示す塗膜物性測定方法を以下に示す。(JIS K
5400(1990)準拠) 1.耐屈曲性 :塗装面を表にして塗膜板を直径2m
mの棒に当てて180度折り曲げ、塗膜の割れ、剥がれ
を調べた。 ○:塗膜に変化なし ×:塗膜に割れ、剥がれがある 2.エリクセン値:塗装面の裏から鋼球をゆっくり押し
つけ、塗膜に割れ、剥がれが生じたときの鋼球の押し出
し距離を測定した。 3.耐衝撃性 :塗膜板の上に置いた球を、直径0.
5インチ、500gの分銅の落下の衝撃で打ちつけ、塗
膜に割れ、剥がれが生じなかった最高の高さを測定し
た。 4.付着性試験 :塗膜にカッターガイドをそえたカッ
ターナイフを用いて1mm四方の100個のマス目状の
切れ込みを入れ、その上からセロハンテープを圧着し、
その後瞬間的に剥がし、塗膜の剥がれ状態を見た。 ○:塗膜の10%未満が剥離 △:塗膜の10%以上〜50%未満が剥離 ×:塗膜の50%以上が剥離 5.鉛筆硬度試験:JIS S6006(1996)で
規定した鉛筆の先端を45度の角度で押し出すようにし
て塗膜が破れない最高の硬さの鉛筆の硬度を塗膜の硬度
とした。 6.ラビング試験:脱脂綿にトルエンをしみ込ませ、こ
れを所定の回数にて塗装面に擦り付ける。その後、塗装
面の鏡面光沢度、光沢保持率を測定する。 鏡面光沢度:得られた塗膜の表面を光沢計を用いて、入
射角60度、反射角60度における反射率を測定する。 光沢保持率(%)=ラビング後光沢/ラビング前光沢×
100
シアネート硬化剤は、イソシアヌレート変性ポリイソシ
アネート硬化剤より低粘度であるので、例えば、塗料や
接着剤の硬化剤として用いた場合、混合工程における作
業性の向上が期待できる。また、塗料用硬化剤として用
いた場合、得られた塗膜の強度は、イソシアヌレート変
性ポリイソシアネート硬化剤と同等以上であった。
9)
イソシアネート硬化剤は、前述の脂肪族ジイソシアネー
ト、又は、脂肪族ジイソシアネートを用いたイソシアネ
ート基末端プレポリマーに、カルボジイミド化触媒を添
加・反応させて、カルボジイミド変性ポリイソシアネー
トにして、更に、カルボジイミド基にイソシアネート基
を付加させることで得られる。
13)
イソシアネート硬化剤は、前述の脂肪族ジイソシアネー
ト、又は、脂肪族ジイソシアネートを用いたイソシアネ
ート基末端プレポリマーに、カルボジイミド化触媒を添
加・反応させて、カルボジイミド変性ポリイソシアネー
トにして、更に、カルボジイミド基にイソシアネート基
を付加させることで得られる。
Claims (3)
- 【請求項1】 脂肪族ジイソシアネートの一部のイソシ
アネート基をウレトンイミン基に変換したポリイソシア
ネートを含有し、遊離のジイソシアネートモノマー含有
量が1重量%以下であり、実質的に固形分100%の2
5℃における粘度が2,000mm2 /s以下であるこ
とを特徴とする、ウレトンイミン基含有低粘度ポリイソ
シアネート硬化剤。 - 【請求項2】 脂肪族ジイソシアネートと活性水素基含
有化合物を反応させて得られるイソシアネート基末端プ
レポリマーの一部のイソシアネート基をウレトンイミン
基に変換したポリイソシアネートを含有し、遊離のジイ
ソシアネートモノマー含有量が1重量%以下であり、実
質的に固形分100%の25℃における粘度が2,00
0mm2 /s以下であることを特徴とする、ウレトンイ
ミン基含有低粘度ポリイソシアネート硬化剤。 - 【請求項3】 脂肪族ジイソシアネートが、ヘキサメチ
レンジイソシアネートであることを特徴とする請求項1
又は2記載の、ウレトンイミン基含有低粘度ポリイソシ
アネート硬化剤。
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JP22234598A JP3656240B2 (ja) | 1998-07-22 | 1998-07-22 | 塗料用ウレトンイミン基含有低粘度ポリイソシアネート硬化剤 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002284840A (ja) * | 2001-03-28 | 2002-10-03 | Nippon Paint Co Ltd | ウレトンイミン結合を有するブロックイソシアネートの製造方法 |
JP2008256385A (ja) * | 2007-04-01 | 2008-10-23 | Microdent:Kk | 歯周病確定装置 |
JP2020183477A (ja) * | 2019-05-08 | 2020-11-12 | 三井化学株式会社 | ポリカルボジイミド組成物およびポリカルボジイミド組成物の製造方法 |
-
1998
- 1998-07-22 JP JP22234598A patent/JP3656240B2/ja not_active Expired - Fee Related
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