JP2000034548A - 鉄基焼結合金製シンクロナイザーリングおよびその製造方法 - Google Patents

鉄基焼結合金製シンクロナイザーリングおよびその製造方法

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JP2000034548A JP10203639A JP20363998A JP2000034548A JP 2000034548 A JP2000034548 A JP 2000034548A JP 10203639 A JP10203639 A JP 10203639A JP 20363998 A JP20363998 A JP 20363998A JP 2000034548 A JP2000034548 A JP 2000034548A
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    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D23/00Details of mechanically-actuated clutches not specific for one distinct type
    • F16D23/02Arrangements for synchronisation, also for power-operated clutches
    • F16D23/025Synchro rings

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度、靭性および耐摩耗性に優れた鉄基焼結
合金製シンクロナイザーリングを提供する。 【解決手段】 Cu:15〜40重量%、Ni:0.5
〜15重量%、C:0.0005〜0.85重量%を含
有し、残りがFeおよび不可避不純物からなる組成、並
びにFeを主成分とするFe基合金相をCuを主成分と
するCu基合金相で結合してなる組織を有し、前記Fe
基合金相はNi、CuおよびCを含みFeを50重量%
以上含むFe合金相であり、前記Cu基合金相はNi、
FeおよびCを含みCuを50重量%以上含むCu合金
相であり、かつFe基合金相に含まれるNiおよびCの
濃度は、Cu基合金相に含まれるNiおよびCの濃度よ
りも大きい鉄基焼結合金製シンクロナイザーリング。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、強度、靭性およ
び耐摩耗性に優れた鉄基焼結合金製シンクロナイザーリ
ングおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、鉄基焼結合金の製造方法が進歩
し、鉄基焼結合金からなる各種機械部品を精度良く大量
に生産できるようになり、シンクロナイザーリングも鉄
基焼結合金により製造するようになってきた。鉄基焼結
合金製シンクロナイザーリングの一例として、Fe粉
末、Cu粉末および黒鉛粉末からなる混合粉末をプレス
成形し、焼結してCu:8.0〜15.0重量%、C:
1.2〜2.0重量%を含有し、残部がFeおよび不可
避不純物からなり、かつ素地中に遊離Cu相が析出して
いる鉄基焼結合金で構成されたシンクロナイザーリング
が知られている。さらにこの焼結して得られた鉄基焼結
合金製シンクロナイザーリングにスチーム処理、または
ショットブラスト処理した後スチーム処理を施すことも
知られている(特開平8−177879号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の鉄
基焼結合金製シンクロナイザーリングは、製造中にCu
がFe粉末境界に浸透し、Fe粉末同士の結合強度を低
下させるため、十分な強度を具備するものではなく、従
って近年の高性能化、高負荷化および軽量化に対応する
ことができず、一段と優れた強度、靭性および耐摩耗性
に優れた鉄基焼結合金製シンクロナイザーリングが求め
られていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上述のような観点から、従来よりも強度、靭性および耐
摩耗性に優れた鉄基焼結合金製シンクロナイザーリング
を得るべく研究を行っていたところ、(a)Cu:15
〜40重量%、Ni:0.5〜15重量%、C:0.0
005〜0.85重量%を含有し、残りがFeおよび不
可避不純物からなる組成を有する鉄基焼結合金で構成さ
れた鉄基焼結合金製シンクロナイザーリングは、従来の
鉄基焼結合金で構成された鉄基焼結合金製シンクロナイ
ザーリングよりも強度、靭性および耐摩耗性が優れてい
る、(b)この(a)に記載の鉄基焼結合金製シンクロ
ナイザーリングは、Feを主成分とするFe基合金相
を、Cuを主成分とするCu基合金相で包囲することに
より、Fe基合金相とFe基合金相をCu基合金相によ
り結合した状態の組織を形成する、(c)この鉄基焼結
合金の素地を構成する前記Feを主成分とするFe基合
金相はNi、CuおよびCを含みかつFeを50重量%
以上含むFe合金相であり、前記Cuを主成分とするC
u基合金相はNi、FeおよびCを含みかつCuを50
重量%以上含むCu合金相であり、前記Fe基合金相に
含まれるNiおよびCの濃度は、前記Cu基合金相に含
まれるNiおよびCの濃度よりも大きいことが一層好ま
しい、などの知見を得たのである。
【0005】この発明は、かかる知見にもとづいて成さ
れたものであって、(1)Cu:15〜40重量%、N
i:0.5〜15重量%、C:0.0005〜0.85
重量%を含有し、残りがFeおよび不可避不純物からな
る組成を有する鉄基焼結合金で構成されている鉄基焼結
合金製シンクロナイザーリング、(2)Cu:15〜4
0重量%、Ni:0.5〜15重量%、C:0.000
5〜0.85重量%を含有し、残りがFeおよび不可避
不純物からなる組成、並びにFeを主成分とするFe基
合金相をCuを主成分とするCu基合金相で結合してな
る組織を有する鉄基焼結合金で構成されている鉄基焼結
合金製シンクロナイザーリング、(3)Cu:15〜4
0重量%、Ni:0.5〜15重量%、C:0.000
5〜0.85重量%を含有し、残りがFeおよび不可避
不純物からなる組成、並びにFeを主成分とするFe基
合金相をCuを主成分とするCu基合金相で結合してな
る組織を有し、前記Feを主成分とするFe基合金相は
Ni、CuおよびCを含みFeを50重量%以上含むF
e合金相であり、前記Cuを主成分とするCu基合金相
はNi、FeおよびCを含みCuを50重量%以上含む
Cu合金相であり、かつ前記Fe基合金相に含まれるN
iおよびCの濃度は、前記Cu基合金相に含まれるNi
およびCの濃度よりも大きい鉄基焼結合金で構成されて
いる鉄基焼結合金製シンクロナイザーリング、に特徴を
有するものである。
【0006】この発明の鉄基焼結合金製シンクロナイザ
ーリングは、Fe粉末、C粉末およびCu−Ni合金粉
末を混合し、圧密成形し、焼結することにより作られ
る。しかし、この発明の鉄基焼結合金製シンクロナイザ
ーリングに含まれるC含有量が極めて少ない場合は、C
粉末を添加することなくFe粉末に含まれるCを利用し
て製造することができる。
【0007】この発明の鉄基焼結合金製シンクロナイザ
ーリングの製造方法を一層具体的に述べる。Fe粉末お
よびCu−Ni合金粉末からなる配合粉末、またはFe
粉末、黒鉛粉末およびCu−Ni合金粉末からなる配合
粉末を用意し、これら配合粉末を金型成形時の潤滑剤で
あるステアリン酸亜鉛粉末またはエチレンビスステアラ
ミドとともにダブルコーンミキサーで混合し、プレス成
形して圧粉体を作製し、圧粉体を水素を含む窒素雰囲気
中、温度:1090〜1300℃(好ましくは1100
〜1250℃)で焼結する。
【0008】この発明の鉄基焼結合金製シンクロナイザ
ーリングを焼結する際のメカニズムは、下記のごとくで
あると考えられる。すなわち、焼結初期段階においてC
u−Ni合金の固溶共存域に昇温すると、液相が出現す
ることによりFeとCu−Ni合金の密着性が向上す
る。この時、液相の発生は部分的であるがゆえに、焼結
体に歪み、撓みなどの変形は生じない。FeとCu−N
i合金の密着性が向上すると、Cu−Ni合金粉末のN
iはFe粉末中へ拡散し、焼結後期段階においてはCu
−Ni合金粉末中のNiがFe粉末中へ拡散するところ
からCu−Ni合金粉末のNi含有量が下がって融点が
下がり、一気にCu−Ni合金粉末は融解し、多量の液
相が発生してダイナミックな液相焼結が進行し、その結
果、焼結体が緻密化する。焼結後期段階の焼結体の緻密
化は、密着性が向上した後での緻密化であるために、焼
結体の変形は生じない。さらに焼結中にCu合金液相
は、Fe粉末内の粒界にも浸透してFe粉末を粒界で分
断し、その結果として微細なFeを主成分とするFe基
合金相が形成され、この微細なFe基合金相をCuを主
成分とするCu基合金相で結合した状態の組織が形成さ
れて強度、靭性および耐摩耗性が向上する。前述のよう
に、Cu−Ni合金粉末のNiはFe粉末中へ拡散し、
Fe基合金相に含まれるNi量は、Cu基合金相に含ま
れるNi量よりも多くなり、このときFe粉末に含まれ
るCまたは添加したCもCu−Ni合金粉末中に拡散
し、NiおよびCを含むCuを主成分とするCu基合金
相が生成する。なお、焼結初期段階においてCu−Ni
合金の固溶共存域まで昇温されない場合でも、NiがF
e粉末中に拡散することによりCu−Ni合金粉末のN
i含有量が下がって融点が下がり、上記と同様のメカニ
ズムである程度焼結が進行する。
【0009】この発明の鉄基焼結合金製シンクロナイザ
ーリングの焼結は前述のようなメカニズムによるものと
考えられるから、この発明の鉄基焼結合金製シンクロナ
イザーリングを製造する際に使用する原料粉末として、
特にCu−Ni合金(Ni:2〜50重量%を含有し、
残部がCuおよび不可避不純物からなる母合金)粉末を
使用することが重要な構成の1つである。さらにCは、
Fe粉末およびCu−Ni合金粉末を還元し、強度およ
び硬度を向上させるために必要な元素であるが、Fe粉
末に含まれるCが多量であるとCuに対する濡れ性を悪
くなるために、Cu合金液相がFe粉末粒界に浸透する
のを阻害し、微細なFe基合金相が得られなくなる。し
たがって、C粉末の添加は全体の0.85%以下に押さ
えなければならない。
【0010】前記(1)〜(3)記載のこの発明の鉄基
焼結合金製シンクロナイザーリングは密度が7.0〜
8.2Mg/m3 の範囲内にあることが好ましい。した
がって、この発明は、(4)密度:7.0〜8.2Mg
/m3 を有する前記(1)〜(3)記載の鉄基焼結合金
製シンクロナイザーリング、に特徴を有するものであ
る。
【0011】前記(1)〜(4)記載の鉄基焼結合金製
シンクロナイザーリングに、スチーム処理、またはショ
ットブラスト処理したのちスチーム処理を施すことが好
ましい。従って、この発明は、(5)前記(1)〜
(4)記載の鉄基焼結合金製シンクロナイザーリング
に、スチーム処理を施す鉄基焼結合金製シンクロナイザ
ーリングの製造方法、(6)前記(1)〜(4)記載の
鉄基焼結合金製シンクロナイザーリングにショットブラ
スト処理を施した後スチーム処理を施す鉄基焼結合金製
シンクロナイザーリングの製造方法、に特徴を有するも
のである。
【0012】つぎに、この発明の鉄基焼結合金製シンク
ロナイザーリングの成分組成を上記のごとく限定した理
由について説明する。 (a)Cu Cuは、密度、強度および耐摩耗性を向上させ、さらに
熱伝導性を向上させる作用があるが、その含有量が15
重量%未満ではその効果が十分でなく、一方、40重量
%を越えると液相が過大となり、焼結中に変形が生じて
寸法のバラツキが大きくなったり強度が低下したりする
ので好ましくない。したがって、Cuの含有量は15〜
40重量%に定めた。Cuの含有量の一層好ましい範囲
は20〜35重量%である。
【0013】(b)Ni Niは、Cu合金相中においてCu合金相の融点を上昇
させ、液相焼結をコントロールし、またFe合金相の強
度および靭性を向上させる作用があるが、その含有量が
0.5重量%未満ではその効果が十分でなく、一方、1
5重量%を越えて含有してもそれ以上の効果が少ない。
したがって、Niの含有量は0.5〜15重量%に定め
た。Niの含有量の一層好ましい範囲は1〜4重量%で
ある。
【0014】(c)C Cは、Fe粉末およびCu−Ni合金粉末を還元し、ま
た強度および硬さを向上させる作用があるが、その含有
量が0.0005重量%未満では効果が十分でなく、一
方、0.85重量%を越えて含有する靭性を低下させる
ので好ましくない。したがって、Cの含有量は0.00
05〜0.85重量%に定めた。Cの含有量の一層好ま
しい範囲は0.001〜0.3重量%である。
【0015】
【発明の実施の形態】実施例1 原料粉末として、平均粒径:55μmのFe粉末、表1
に示される平均粒径および成分組成を有するCu−Ni
合金粉末A〜E、並びに平均粒径:18μmの黒鉛粉末
を用意した。
【0016】
【表1】
【0017】これら原料粉末を表2〜表3に示される配
合組成となるように配合し、さらに金型成形時の潤滑剤
であるステアリン酸亜鉛粉末を外掛けで0.8重量%に
当たる量だけ添加して混合し、プレス成形して内径:6
5mm、厚さ:3.5mmの寸法ををもち、かつチャン
ファ数:36個を有するシンクロナイザーリング形状の
圧粉体を作製した。
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】この圧粉体をN2 −5%H2 の混合雰囲気
中、温度:1120℃、20分保持の条件で焼結したの
ち、0.5℃/secの冷却速度で冷却することにより
表4〜表6に示される成分組成を有する本発明鉄基焼結
合金製シンクロナイザーリング(以下、本発明リングと
云う)1〜14および比較鉄基焼結合金製シンクロナイ
ザーリング(以下、比較リングと云う)1〜5を作製し
た。さらにCu粉末を用意し、Cu粉末、黒鉛粉末およ
びFe粉末を表3に示される配合組成となるように配合
し混合したのち焼結することにより表6に示される成分
組成の従来鉄基焼結合金製シンクロナイザーリング(以
下、従来リングと云う)を作製した。
【0021】さらに、JIS SCM21鋼(浸炭焼き
入れ鋼)製のテーパーコーンを用意し、このテーパーコ
ーンを用い、下記の条件で本発明リング1〜14、比較
リング1〜5および従来リングの耐摩耗試験を行い、リ
ングの内面の摩耗量(落ち込み量)および動摩擦係数を
測定し、その結果を表4〜表6に示した。
【0022】試験条件 テーパーコーンの回転数:1800rpm, 押し付け荷重:60kg, 油種:70番ギヤーオイル, 油温:80℃, テーパーコーンの作動:0.5〜0.7秒の同期時間で
2000rpm,
【0023】さらに、前記本発明リング1〜14の組織
のFe基合金相およびCu基合金相の成分含有量をEP
MAにより測定した結果、前記Fe基合金相はNi、C
uおよびCを含みかつFeを50重量%以上含み、前記
Cu基合金相はNi、FeおよびCを含みかつCuを5
0重量%以上含み、さらにFe基合金相に含まれるNi
およびCの濃度は、Cu基合金相に含まれるNiおよび
Cの濃度よりも大きいことを確認した。
【0024】さらに、シンクロナイザーリングの強度を
評価するために、原料粉末を表2〜表3に示される配合
組成となるように配合し、さらに金型成形時の潤滑剤で
あるステアリン酸亜鉛粉末を外掛けで0.8重量%に当
たる量だけ添加して混合し、プレス成形して30mm×
12mm×6mmの寸法を有する抗折試験片形状圧粉体
を作製し、この圧粉体をN2 −5%H2 の混合雰囲気
中、温度:1150℃、20分保持の条件で焼結したの
ち、0.5℃/secの冷却速度で冷却することにより
本発明リング1〜14、比較リング1〜5および従来リ
ングと同じ成分組成の鉄基焼結合金からなる抗折試験片
およびシャルピー衝撃試験片をそれぞれ作製した。前記
抗折試験片を用い、ISO3325に基づき、支点間距
離25mmで抗折試験を行うことにより抗折力を測定
し、さらにシャルピー衝撃試験片を用い、JISZ22
42に準じたノッチ無しのままでシャルピー衝撃値を測
定し、これらの結果を表4〜表6に示した。
【0025】
【表4】
【0026】
【表5】
【0027】
【表6】
【0028】表4〜表6に示される結果から、本発明リ
ング1〜14と従来リングを比較すると、本発明リング
1〜14は従来リングと比べて、摩耗量が少なく且つ動
摩擦係数が大きいところから耐摩耗性に優れており、さ
らに抗折力およびシャルピー衝撃値が高い値を示すとこ
ろから強度および靭性に優れていることが分かる。しか
し、この発明の範囲から外れている成分組成を有する比
較リング1〜5は、摩耗量、動摩擦係数、抗折力および
シャルピー衝撃値のうちの少なくともいずれかが劣るこ
とが分かる。
【0029】実施例2 実施例1で得られた本発明リング1〜14を500℃の
水蒸気中で60分間保持することにより本発明リング1
〜14の表面に四三酸化鉄皮膜を形成するスチーム処理
を行うことにより本発明リング15〜28を作製し、こ
の本発明リング15〜28を実施例1と同じ条件で耐摩
耗試験を行った結果、本発明リング15〜28の摩耗量
は本発明リング1〜14の80〜90%となった。
【0030】実施例3 実施例1で得られた本発明リング1〜14をショットブ
ラスト処理を行ったのち、さらに500℃の水蒸気中で
60分間保持するスチーム処理を行うことにより本発明
リング29〜42を作製し、この本発明リング29〜4
2を実施例1と同じ条件で耐摩耗試験を行った結果、本
発明リング29〜42の摩耗量は本発明リング1〜14
の70〜80%となった。
【0031】
【発明の効果】上述のように、この発明の鉄基焼結合金
製シンクロナイザーリングは、摩耗量が小さく、動摩擦
係数が大きく、さらに高い抗折力およびシャルピー衝撃
値を有することから、従来よりも優れた鉄基焼結合金製
シンクロナイザーリングを提供することができ、自動車
産業の発展に大いに貢献し得るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J056 AA12 AA63 BA01 BC01 BC02 CA03 EA02 EA13 EA16 FA01 FA09 4K018 AA04 AA24 AA25 BC12 FA05 FA28 HA04 KA70

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cu:15〜40重量%、Ni:0.5
    〜15重量%、C:0.0005〜0.85重量%を含
    有し、残りがFeおよび不可避不純物からなる組成を有
    する鉄基焼結合金で構成されていることを特徴とする鉄
    基焼結合金製シンクロナイザーリング。
  2. 【請求項2】 Cu:15〜40重量%、Ni:0.5
    〜15重量%、C:0.0005〜0.85重量%を含
    有し、残りがFeおよび不可避不純物からなる組成、並
    びにFeを主成分とするFe基合金相をCuを主成分と
    するCu基合金相で結合してなる組織を有する鉄基焼結
    合金で構成されていることを特徴とする鉄基焼結合金製
    シンクロナイザーリング。
  3. 【請求項3】 前記Feを主成分とするFe基合金相は
    Ni、CuおよびCを含みFeを50重量%以上含むF
    e合金相であり、前記Cuを主成分とするCu基合金相
    はNi、FeおよびCを含みCuを50重量%以上含む
    Cu合金相であり、かつFe基合金相に含まれるNiお
    よびCの濃度は、Cu基合金相に含まれるNiおよびC
    の濃度よりも大きいことを特徴とする請求項2記載の鉄
    基焼結合金製シンクロナイザーリング。
  4. 【請求項4】 密度:7.0〜8.2Mg/m3 を有す
    ることを特徴とする請求項1、2または3記載の鉄基焼
    結合金製シンクロナイザーリング。
  5. 【請求項5】 原料粉末を混合し、成形し、焼結するこ
    とにより得られた請求項1、2、3または4記載の鉄基
    焼結合金製シンクロナイザーリングにスチーム処理を施
    すことを特徴とする鉄基焼結合金製シンクロナイザーリ
    ングの製造方法。
  6. 【請求項6】 原料粉末を混合し、成形し、焼結するこ
    とにより得られた請求項1、2、3または4記載の鉄基
    焼結合金製シンクロナイザーリングにショットブラスト
    処理を施した後スチーム処理を施すことを特徴とする鉄
    基焼結合金製シンクロナイザーリングの製造方法。
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