JP4367133B2 - 高強度焼結部品用の鉄基粉末混合物 - Google Patents
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金属粉として鉄粉を用いる場合には、通常、鉄粉にCu粉や黒鉛粉等の合金成分を混合し、さらに成形性を向上させるための潤滑剤を 0.8〜1.2 質量%程度混合した後、成形し、ついで焼結を行うことにより、 5.0〜7.2 g/cm3 程度の密度を有する焼結体としている。
また、これらの自動車用部品には、高強度であることが要求されている。そこで、一層の強度向上のために、合金元素を添加した焼結体に、さらに焼入−焼戻等の熱処理を施して製品化することが一般的に行われている。
そのため、かような低温焼結を実施した場合であっても、あるいはその後の熱処理を省略したとしても、高強度の焼結部品が確保できる原料粉の開発が要望されている。
この点、特許文献2に記載のような、鉄粉に、NiやMo,Cu等の合金元素を部分合金化させた部分合金化合金鋼粉を用いた場合には、合金元素の酸化という問題はないが、この部分合金化合金鋼粉は、圧縮性が低いだけでなく、焼結後の熱処理によって高強度の確保を意図しているため、焼結のままでは引張強さ:800 MPa 以上の高強度を達成できないという問題があった。
また、いずれの文献でも、潤滑剤を 0.8質量%程度添加しているため、脱ろう時間の短い焼結条件では、焼結の初期段階まで脱ろうに費やされ、実質的な焼結時間が短くなるため、高強度の焼結体が得られないという問題があることも判明した。
すなわち、潤滑剤中に適量の極圧添加剤を含有させることにより、圧粉成形時における抜出力を上昇させることなしに、潤滑剤の添加量を効果的に低減することができ、その結果、圧粉体密度が向上するだけでなく、焼結時における潤滑剤の脱ろう効率も向上するため、焼結体の強度が有利に向上するとの知見を得た。
本発明は、上記の知見に基づき、さらに検討を加えた末に、完成されたものである。
また、本発明の鉄基粉末混合物は、比較的低い焼結温度でも焼結が促進されて高強度の焼結部品を得ることができる。
まず、本発明の主原料である合金鋼粉について説明する。本発明では、強度向上のための合金元素として、Ni,MoおよびCuを選択した。これら合金元素は、炭化水素変成ガス雰囲気中で焼結を行っても、酸化することがなく、強度を効率良く向上させることができる。
これらの合金元素のうち、Niは、焼結の活性化による空孔の微細化および基地強化のために、粉体による添加と予合金化による添加の両方とする。
また、Cuは、焼結時に液相を形成して焼結を促進させるために、粉体で添加する。
さらに、Moは、粉体で添加すると拡散し難いので高強度の合金を形成し難く、また予合金化しても圧縮性の低下が少ないため、予合金化により添加する。
Ni:0.5 〜3質量%
Niは、マルテンサイト変態開始温度を低温側に移行させることにより、基地組織を微細化して、強度を向上させる有用元素である。しかしながら、Niの予合金化率が 0.5質量%未満では強度の向上効果が充分ではなく、一方3質量%を超えて予合金化させると鋼粉が著しく硬化し、圧縮性が著しく低下して、強度および靭性がともに低下する。このため、Niの予合金化率は 0.5〜3質量%の範囲に限定した。好ましくは 0.5〜2質量%の範囲である。
Moは、固溶強化および変態強化により強度を向上させる有用元素であり、しかも予合金化しても圧縮性の低下は少ない。しかしながら、Moの予合金化率が 0.7質量%以下では強度を向上させる効果が十分でなく、一方4質量%を超えて予合金化させると鋼粉が硬化し、圧縮性が著しく低下して、強度および靭性がともに低下する。このため、Moの予合金化率は 0.7超〜4質量%の範囲に限定した。好ましくは 0.7超〜3質量%の範囲である。
また、Cは、鋼粉の硬化による圧縮性の低下を避けるために、0.02質量%以下が好適である。
なお、鉄基混合粉中における各粉体の混合割合は、合金鋼粉、Ni粉、Cu粉および黒鉛粉の合計量(混合粉全量)に対する質量%で表示する。
Ni粉は、焼結を活性化し、空孔を微細化して、強度を向上させるために添加する。しかしながら、Ni粉の混合割合が 0.5質量%に満たないと焼結を活性化させる効果が十分でなく、一方5質量%を超えると残留オーステナイトが著しく増加して、強度の低下を招く。このため、Ni粉の混合割合は 0.5〜5質量%の範囲に限定した。好ましくは2〜4質量%の範囲である。
なお、Ni粉としては、熱分解法により作成したカルボニルニッケル粉、Ni酸化物を還元して作成したNi粉など公知のものを用いればよい。
Cu粉は、焼結時に液相形成により空孔を球状化して焼結を促進し、強度を向上させるため添加する。しかしながら、Cu粉の混合割合が 0.5質量%未満では強度を向上させる効果が十分でなく、一方3質量%を超えると脆化する。このため、Cuの混合割合は 0.5〜3質量%の範囲とした。好ましくは1〜2質量%の範囲である。
なお、Cu粉としては、電解Cu粉やアトマイズCu粉など公知のものを用いればよい。
黒鉛粉は、焼結時に鉄粉中に拡散して固溶強化により強度を高くする元素である。しかしながら、黒鉛粉の混合割合が 0.2質量%未満では強度を向上させる効果が十分でなく、一方 1.0質量%を超えると、初析セメンタイトが粒界に析出し、強度が低下する。このため、黒鉛粉の混合割合は 0.2〜1.0 質量%の範囲とした。
さて、粉末成形において、潤滑剤は、成形時における粉末同士および粉末と金型との間の摩擦の低減、さらには成形後の金型からの抜出力の低下を目的として添加されるが、圧粉体密度を高める観点からは、むしろ逆効果であり、潤滑剤の添加量はできるかぎり低減した方が好ましい。
従って、できるだけ少ない潤滑剤添加量で、粉末同士および粉末と金型との間の摩擦を低減し、かつ成形後の金型からの抜出力を低下することができれば、圧粉体密度を有利に向上させることが可能になる。
その結果、潤滑剤の一部または全部について、極圧添加剤を利用すれば、潤滑剤の総添加量を有利に低減できることが究明されたのである。
具体的には、オレフィンポリサルファイド、ジペンジルジサルファイド、ジブチルジチオカルバミン酸モリブデンおよびジ−2−エチルヘキシルホスホロジチオエートモリブデン塩が挙げられる。なお、これらは、2種以上を混合して使用することもできる。
また、極圧添加剤以外の潤滑剤としては、ステアリン酸亜鉛およびオレイン酸などの公知の粉末成形用潤滑剤を好適に使用することができる。
一方、極圧添加剤の含有比率の上限は、引張強さをさらに大きくする観点から80質量%とする。
すなわち、本発明では、潤滑剤の添加量は、合金鋼粉、Ni粉、Cu粉および黒鉛粉の混合体である鉄基混合粉:100 質量部に対し、0.05〜0.5 質量部で済む。
この点、従来の潤滑剤の添加量は、粉末同士および粉末−金型間の摩擦の低減および金型からの抜出力の低下の面から約 0.8質量部であったことは、前述したとおりである。
また、前記の付着工程で、潤滑剤をバインダーとして、Ni粉、Cu粉および黒鉛粉を付着させてもよい。このようにすることにより、Ni粉、Cu粉および黒鉛粉の偏析を防止することができる。また、さらに粉末の潤滑剤を添加することもできる。
得られた鉄基粉末混合物を、日本粉末冶金工業会(JPMA )のM04-1992に準拠して、成形圧力:686 MPa で引張試験片形状に成形した。ついで、これらの成形体に、RXガス雰囲気中で、特に脱ろうのための保持はせずに、昇温速度:60℃/分、1130℃×20分、冷却速度:60℃/分の条件で焼結を施し、焼結体とした。焼結後、大気中にて 180℃、60分の焼戻し処理を施した。
かくして得られた焼結体の密度および引張強さについて調べた結果を、表1に併記する。
なお、焼結体の密度はJIS Z 2501、引張強さはJIS Z 2550に従い測定した。
得られた鉄基粉末混合物を、実施例1と同様にして成形、焼結して得た焼結体の密度および引張強さについて調べた結果を、表2に併記する。
これに対し、No.1, 5, 9, 14, 18の比較例はそれぞれ、合金鋼粉中のMo、Ni量、Ni粉量、Cu粉量、黒鉛粉量が少なく、強度向上の効果が小さいため、高強度焼結体が得られていない。
また、No.4, 8 はそれぞれ、Mo, Ni量が多すぎ、鋼粉粒子が硬化するため、焼結体密度が著しく低下し、高強度が得られていない。No.13 は、Ni粉量が多すぎ、残留オーステナイトが著しく多くなるため、高強度が得らていない。No.17 は、Cu粉量が多すぎるため、高強度が得られていない。
Claims (1)
- NiおよびMoを予合金化した合金鋼粉に、Ni粉、Cu粉および黒鉛粉を混合した鉄基混合粉:100 質量部に対し、極圧添加剤としてオレフィンポリサルファイド、ジペンジルジサルファイド、ジブチルジチオカルバミン酸モリブデンおよびジ−2−エチルヘキシルホスホロジチオエートモリブデン塩のうちから選んだ少なくとも1種を10〜80質量%の範囲で含有する潤滑剤が0.05〜0.5 質量部の割合で添加され、前記合金鋼粉におけるNiおよびMoの予合金化率が、Ni:0.5〜3質量%、Mo:0.7 超〜4質量%、また前記鉄基混合物におけるNi粉、Cu粉および黒鉛粉の混合割合が、Ni粉:0.5〜5質量%、Cu粉:0.5〜3質量%、黒鉛粉:0.2〜1.0質量%であることを特徴とする高強度焼結部品用の鉄基粉末混合物。
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