JP2000034175A - 耐熱材料およびそれを用いた施工方法 - Google Patents

耐熱材料およびそれを用いた施工方法

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JP2000034175A
JP2000034175A JP10213504A JP21350498A JP2000034175A JP 2000034175 A JP2000034175 A JP 2000034175A JP 10213504 A JP10213504 A JP 10213504A JP 21350498 A JP21350498 A JP 21350498A JP 2000034175 A JP2000034175 A JP 2000034175A
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Junichi Ogawa
純一 小川
Toshiyuki Anji
敏行 安治
Kenichi Takahiro
憲一 高広
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱衝撃や物理的衝撃に対する耐性が大きく、
施工対象の形状に応じて容易に施工できる耐熱材料を提
供する。 【解決手段】 耐熱長繊維の補強材と、耐熱性粉末およ
び燐酸アルミニウムから調製したマトリックス材とを構
成素材とする未焼成の柔軟性を有する耐熱材料で形成し
たライナー部材1をバーナー構造体の空洞部3内に、無
機質繊維ブランケット4を介して挿入配置して構成す
る。ライナー部材1はバーナー構造体の使用の際に加熱
焼成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼炉の内壁やバ
ーナータイル等への使用に好適な耐熱材料およびそれを
用いた施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】耐熱材料としては各種セラミックス材料
が知られている。特に、SiC、Si3N4、ZrO2、Al2O3、Mg
O、ムライト等の硬質の焼成セラミックス材料が耐熱材
料として良く知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した硬質の焼成セ
ラミックス材料は、必要とする形状のものを得ることが
できるという優位性を有しているが、(イ)物理的な衝
撃に弱い、(ロ)熱衝撃に弱く、クラック(ヒビ)が発
生し易いという問題がある。
【0004】熱衝撃というのは、例えば燃焼炉等におい
て、燃焼の開始時において、燃焼炉の内壁が急激に加熱
されるような状態をいう。即ち、極めて短時間に急激な
熱変化が加わる場合のことをいう。この熱衝撃によって
上述した各種硬質セラミックス材料にクラックが発生し
てしまうのは、硬いが故に材質的に粘りがなく、熱衝撃
に際しての急激な熱膨張に耐えられないからである。
【0005】また、上述した各種硬質セラミックス材料
は、その硬質さ故に厚さを薄くすると、クラックや欠け
が発生しやすくなり、取り扱いが困難になる。そこで必
然的に厚く、そして重いものになってしまうという傾向
がある。しかし、重くなれば、取り扱い時に大きな物理
的衝撃が加わる頻度も多くなり、取り扱い時における破
損の発生を誘発してしまう要因ともなる。また、重くな
れば、取り扱いや施工性が低下してしまう。また、複雑
な形状のものを作製した場合、その施工が困難になると
いう問題もある。また、施工現場での加工が困難である
という問題もある。
【0006】本発明は、前述した従来の各種硬質セラミ
ックス材料の欠点を解消するためになされたものであっ
て、(イ)熱衝撃に対する耐性が大きい、(ロ)物理的
衝撃に対する耐性が大きい、(ハ)取り扱いや施工が容
易である、(ニ)軽量である、といった特徴を有する耐
熱性材料およびそれを用いた施工方法を提供することを
主たる目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では、耐熱材料と
して、耐熱性長繊維でなる補強材と、耐熱性粉末および
P2O5の供給源である燐酸アルミニウムから調製したマト
リックス材とを構成要素とするセラミックス複合材料を
用いる。
【0008】このセラミックス複合材料は、未焼成状態
で柔軟性を有しており、セラミックス複合体として成就
していない状態(これを中間状態と定義する)で所要の
形状の耐熱材料として施工し、その後に炎や高温ガスに
曝すことによって、使用状態において焼成し、高強度の
焼成セラミックス複合材料として成就させられることを
特徴とする。
【0009】また、本発明は、上記の中間状態における
柔軟性を下記式[1]で定義される含水率によって制御
することを特徴の一つとする。 含水率=(耐熱材料を1000℃で1時間加熱した時の脱水重量/耐熱材料 中に含まれるP2O5の重量)×100 ………[1]
【0010】即ち、施工時に変形が行なえるような柔軟
性が必要な場合には、その含水率を高くし、施工時に自
己の形状を維持できる程度の強度が必要な場合には、そ
の含水率を低くするというような選択を必要に応じて行
なうことを特徴の一つとする。
【0011】含水率の選択は、前記耐熱材料を用いて行
なう施工形態によって、選択することができる。中間状
態としては、上記式[1]で示される含水率(重量%)
が40重量%〜200重量%、好ましくは80〜120
重量%である状態が選択される。この状態は、人手によ
り変形ができる高い柔軟性と弾力性を有している状態で
ある。
【0012】上記式[1]で定義される含水率の範囲を
有する中間状態(40〜200重量%)は、変形できる
柔軟性を有している。したがって、耐熱材料を使用する
際の施工時に、形状を変形させることができる。例え
ば、複雑な形状を有する燃焼炉の内壁に上記中間状態の
耐熱材料を押し付けるようにして施工することで、施工
時に複雑な形状に追従させて成形を行なうようなことが
可能である。なお、その場合含水率が40重量%以下だ
と、変形できる程度の柔軟性が発現せず、また含水率が
200重量%以上であると、粘着性を示すようになり、
取り扱いが困難になるため好ましくない。
【0013】前記中間状態は未だ焼成がなされておら
ず、セラミックス複合材料として成就はしていない。セ
ラミックス複合材料として成就させるには、施工後に耐
熱性材料として機能させ、その際に焼成させればよい。
例えば、燃焼炉の内壁に使用するのであれば、燃焼炉内
に配置した状態で燃焼炉を運転すればよい。そうすれ
ば、炉内で燃焼が起こり、中間状態にある耐熱材料は焼
成され、セラミックス複合材料として成就される。必要
に応じて予め加熱してセラミックス複合材料としておく
ことを妨げるものではない。
【0014】本発明の耐熱材料は、最終状態(複合セラ
ミックス材料となった状態)においても中間状態ほどで
はないにしろ、従来の硬質セラミックス材料に比較すれ
ば遥かに高い柔軟性や弾力性を有しており、かつそれと
同時に高い強度を有している。したがって、物理的な衝
撃や熱的な衝撃に対する耐性が非常に強い複合セラミッ
クス材料を得ることができる。
【0015】耐熱性長繊維でなる補強材としては、Al2O
3が60重量%以上のアルミナ長繊維で構成されたクロ
スが好適である。また上記補強材としては、Al2O3を主
成分とし、さらにSiO2やB2O3等を添加したものを用いて
もよい。特にB2O3を少量含ませることは、高温における
強度が大きくなるので好ましい。アルミナ長繊維の平均
繊維径は、5μm〜20μmであることが好ましく、さ
らには7μm〜12μmであることがより好ましい。
【0016】耐熱性粉末としては、実質的に平均粒径が
10μm以下で、1500℃以上の溶融温度を有する非
塩基性粒子が好ましい。非塩基性とは、アルカリ金属、
アルカリ土類金属を実質的に含まないもののことをい
う。
【0017】耐熱性粉末としては、アルミナ、水酸化ア
ルミニウム、珪砂、ムライト、硼酸アルミニウム、高ア
ルミナ質シャモット、ジルコニア、ジルコン等から選ば
れた一種または複数種類のものを用いることができる。
なお、耐熱性粉末の平均粒径が10μm以上となると、
マトリックス材に亀裂が生じやすくなり、また耐熱性長
繊維でなる補強材を傷つけ強度を低下させる傾向がある
ので注意が必要である。
【0018】燐酸アルミニウムは、Al2O3とP2O5とのモ
ル比が1:2.5〜1:5のものを用いることが好まし
い。Al2O3とP2O5とのモル比が1:2.5〜1:5の範囲
より小さいと得られるセラミックス複合体の強度が低下
する傾向があり、また、Al2O3とP2O5とのモル比が1:
2.5〜1:5の範囲より大きいと得られるセラミック
ス複合体の作製中間状態で得られるペースト状のマトリ
ックスの粘度が高くなり、セラミックス複合体を形成す
る際の作業性が低下する。
【0019】燐酸アルミニウムを得る具体的な方法とし
ては、第1燐酸アルミニウムに必要量の燐酸を添加する
方法が好適である。第1燐酸アルミニウムは、液状ある
いは粉末状のものを用いることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施の形態とし
ては、アルミナ粉末と燐酸アルミニウム液に水を加えて
ペースト状に調製したマトリックス材をアルミナ長繊維
クロスに所要の割合で均一に塗布し、これを所望の含水
率(式[1]で定義される)となるように加熱乾燥し、
中間状態のセラミックス複合体を得る。
【0021】前記複合体の加熱乾燥の温度は150℃以
下、好ましくは100℃以下であることが望ましい。所
望の含水率を得るには、乾燥条件と得られる含水率との
関係を予め実験的に求めておき、そのデータを用いれば
よい。なお、含水率の調整は、燐酸の配合量を変化させ
ることでも調整することができる。また、乾燥温度が2
00〜300℃以下の場合には、一旦含水率を40%以
下とさせた後でも、高湿度の雰囲気中で吸湿させたり、
水をスプレーなどの方法で与えて暫時保存するなどの手
段で柔軟性を回復させることができる。
【0022】上記加熱乾燥によって得られるセラミック
ス複合体における耐熱性長繊維と耐熱性粉末および燐酸
アルミニウムとの割合は、耐熱性長繊維が6〜30重量
%、耐熱性粉末および燐酸アルミニウムとを合計したも
のの割合が70〜94重量%とすることが好ましい。
【0023】上記セラミックス複合体において、耐熱性
長繊維の割合が全体の6重量%以下であると、セラミッ
クス複合体の強度や耐衝撃性が小さくなる。耐熱性長繊
維の割合が全体の30重量%以上であると、マトリック
ス材の割合が少なすぎ、複合体に成形することが困難と
なる。
【0024】また、耐熱性長繊維の割合が全体の30重
量%以上であると、骨格となる耐熱性長繊維間における
マトリックス材料の存在が不均一になるので、外力や熱
衝撃が加わった際にエネルギーが複合体全体に分散せず
(換言すれば、局所的にエネルギーが集中し)局部的な
破壊が生じやすくなってしまう。具体的には、セラミッ
クス複合体の強度が低下し、またクラック等が発生しや
すいものとなってしまう。なお、セラミックス複合体の
成形時における取り扱いを容易にするために硬化促進材
として、少量のアルカリ土類金属化合物を添加してもよ
い。硬化促進材としては、アルミナセメント、酸化マグ
ネシウム、ワラストナイトなどを挙げることができる。
【0025】耐熱性粉末と燐酸アルミニウムの配合量に
関しては、目的とするところによって適宜選択すること
ができる。一般的には、耐熱性粉末に対して6〜30重
量%の燐酸アルミニウムを使用することが好ましい。こ
れは、耐熱性粉末に対して燐酸アルミニウムの割合が6
重量%以下であると、得られるセラミックス複合体の強
度が低下する傾向があり、他方で耐熱性粉末に対して燐
酸アルミニウムの割合が30重量%以上であると、得ら
れるセラミックス複合体の加熱された時の収縮が大きく
なる傾向があるからである。
【0026】
【実施例】以下に、本発明の各種の実施例を示す。
【0027】実施例1 ここでは、施工時に変形が可能な程度の柔軟性を有する
耐熱性材料を得る場合の例を示す。本実施例では、中間
状態として、前記式[1]で示される含水率が100重
量%である複合材料を作製し、この複合材料を施工後に
使用状態において焼成し、セラミックス複合材料として
成就させる場合の例を示す。まず、マトリックス材を調
製する。マトリックス材としては、以下の材料を混 練してペースト状にしたものを調製した。 (1)アルミナ粉末(昭和電工社製A42−2:平均粒径4.6μm)100g (2)アルミナ粉末(昭和電工社製AL−160SG−4: 平均粒径0.6μm)20g (3)シリカ粉末 10g (4)燐酸アルミニウム液(多木化学社製第一リン酸アルミ100L)30g (5)水 40g なお、燐酸アルミニウム液は、Al2O3:P2O5のモル比が
1:2.8のものである。ペースト状のマトリックス材
が得られたら、次にこれをアルミナ長繊維クロス(ニチ
アス社製ルビロンクロスCP−20)に0.2g/cm2
の割合で均一に塗布した。そして、必要に応じて、この
マトリックス材が塗布された長繊維クロスを積層させ、
所定の厚さのものを作製した。
【0028】次にこのマトリックス材を塗布したアルミ
ナ長繊維クロスを乾燥器を用いて加熱乾燥させ、含水率
が100%となる状態(中間状態)とした。なお、乾燥
温度は80℃とした。この状態(中間状態)は、未焼成
状態の耐熱性の複合材料であり、さらに焼成を行なうこ
とで、耐熱性セラミックス複合材料と成り得る状態であ
る。未焼成状態(中間状態)の複合材料を得たら、これ
を耐熱性材料として必要とする場所や部分に施工する。
例えば、燃焼炉や高温ガスの通過する経路の内部等に耐
熱性材料として配置した。この際、この中間状態の複合
材料は、変形可能な程度の柔軟性を有しており、施工上
において形状を変形させることが可能である。例えば、
燃焼炉の内壁が曲面であるような場合に、この中間状態
の複合材料を施工場所に押し当てて変形させて、その曲
面形状に合わせて形状を整えるような施工を行なうこと
ができる。
【0029】次に施工対象を実際の状態で使用する。こ
の際、中間状態にある耐熱性材料は加熱焼成される。例
えば、燃焼炉であれば、その内部で燃焼を行なわせる。
この際、上記未焼成状態(中間状態)の複合材料が焼成
温度として必要とされる温度に加熱されることが必要と
なる。
【0030】具体的には、燐酸アルミが不可逆的な反応
を起こす500℃以上の温度、好ましくは700℃、よ
り好ましくは900℃以上の温度で加熱されることが望
ましい。こうして実際の使用状態におくことで焼成が行
なわれ、中間状態から最終状態へと状態が変化し、耐熱
性の焼成セラミックス複合材料が得られる。即ち、中間
状態で施工し、使用状態で焼成することで、最終状態で
ある焼成セラミックス複合材料を施工状態において得る
ことができる。
【0031】この最終状態は、(イ)軽量である、
(ロ)十分な機械的な強度を有している、(ハ)ある程
度の弾力性や柔軟性を有している、(ニ)物理的な衝撃
に対する耐性が高い、(ホ)熱的な衝撃に対する耐性が
高い、という特徴を有している。上記耐熱材料を焼成し
て得られたセラミックス複合体は、例えば1200℃の
急加熱冷却を10回繰り返してもクラックの発生は認め
られず、また、1500℃の高温雰囲気中で3時間加熱
しても加熱収縮率は0.8%と小さいことが確認されて
いる。
【0032】実施例2 本実施例では、本発明による耐熱材料を用いて燃焼炉に
火炎や燃焼によって得た高温ガスを導くためのバーナー
構造体(一般にバータナータイルと呼称されている)を
構成する場合の例を示す。図1〜図2にバーナー構造体
の概要を示す。同図において、1は本発明の耐熱材料を
用いて作製したライナー部材である。このライナー部材
の内部で燃料が燃焼し、矢印で示すように火炎が流れ、
さらに燃焼炉(図示してない)内に火炎が導かれる。2
はバーナー構造体を構成する囲壁部、2aは囲壁部を形
成する無機質繊維成形ボード、2bはボードの接着剤、
3は囲壁部内に形成した空洞部、4は柔軟性を有する無
機質繊維ブランケットである。
【0033】図1に示すバーナー構造体の構成工程を以
下に示す。まず、実施例1に記載したペースト状のマト
リックス材を調製し、それを耐熱性長繊維からなる補強
材に塗布し、これをライナー部材の形状を有した型に巻
き付け、さらに乾燥器を用いて乾燥させた。ここでは、
前述した数式[1]で示される含水率が5%となるよう
に乾燥条件を設定した。次にライナー部材を型から外し
た。こうして、本発明で定義する中間状態(未焼成状
態)を得た。この状態のライナー部材は、自己の形状を
保持し、手で持った程度では変形しない強度を有してい
た。
【0034】次に図2に示すように、中間状態を有する
ライナー部材1の外側に前記柔軟性を有する無機質繊維
ブランケット4を巻き付け、紙テープなどの高温で焼失
する緊縛材5を用いて20体積%ほど圧縮させた状態と
し、ライナー部材を無機質繊維ブランケット4の圧縮力
によって保持させた状態とした。そして、図2に示す無
機質繊維ブランケット4を巻き付けたものを囲壁部1の
空洞部3に装填した。なお、空洞部の径寸法とライナー
部材に巻き付けた繊維ブランケットの外径の寸法とが概
略一致するように調整した。
【0035】こうして構成したバーナー構造体を燃焼炉
に付設した。燃焼炉としては、各種焼成用の燃焼炉、暖
房用の燃焼炉、焼却炉等を挙げることができる。そして
燃焼炉に前記バーナー構造体を付設した状態において、
燃焼を行なう。この際、ライナー部材1の内部で燃料の
燃焼が行なわれ、火炎がライナー部材から燃焼炉内に導
かれる。この時にライナー部材1の焼成が行なわれる。
また、紙テープの緊縛材は焼失する。こうして、耐熱性
のセラミックス複合材料からなるライナー部材1が得ら
れると共に、圧縮された状態の無機質繊維ブランケット
4の復元力によって囲壁部2の空洞部3にライナー部材
を保持させた構造が得られた。この構造では、燃焼開始
時において、機械的および熱的な衝撃を受けるライナー
部材1を無機質繊維ブランケット4の復元力によって保
持しているので、機械的な衝撃、熱衝撃が緩和され、ラ
イナー部材の局所的な部分に無理な力が加わってしまう
ことを防ぐことができる。上記耐火材料で形成したライ
ナー部材は、燃焼と消火を10回繰り返す試験を行なっ
てもクラック等の発生が全く認められず、また100m
/s以上の流速の燃焼ガスを繰り返し流す実験を行なっ
ても特に問題が発生しないことが確認されている。
【0036】実施例3 本実施例では、マトリックス材として、以下の材料を混
練してペースト状にしたものを用いる場合の例を示す。 (1)アルミナ粉末(昭和電工社製A43−M:平均粒径1.8μm)200g (2)アルミナ粉末(昭和電工社製AL−160SG−4: 平均粒径0.6μm)20g (3)燐酸アルミニウム液(多木化学社製アシドホス75)50g (4)水 50g なお、燐酸アルミニウム液は、Al2O3:P2O5のモル比が
1:4である。
【0037】上記材料を混練して得たペースト状マトリ
ックス材を、補強材であるアルミナ連続繊維クロスに塗
布し、100℃の乾燥機中で乾燥した後、約27℃の温
度、約70%RHの温度、約70%RHの湿度の空気中
に放置して、含水率が110重量%の柔軟なシート材と
した。この柔軟なシート材を、セラミックファイバーブ
ロック(ニチアス(株)製ファインブロック−M、厚さ
250mm)の表面に取り付け、ファイバー質断熱材と
して加熱炉炉壁の一部に施工した。シート材は柔軟であ
るため、割れや欠け等の破損は一切見られず、容易に施
工が可能であった。
【0038】施工後加熱炉を稼働させ、内部温度125
0℃で運転した後の点検では、シート材は何らの損傷も
みられず硬化しており、シート材を付けないファイバー
ブロックの場合にはその表面が粉っぽくなっているのと
比較して、触れても粉体の付着がなく固いセラミック質
の断熱壁が形成されていた。
【0039】図3および図4に、その概要を示す。同図
において、6は炉体、7はセラミックファイバーブロッ
ク、8はシート材、8aはシート材にあけたブロック取
付け用ボルト孔である。図3〜図4は前記シート材8で
セラミックファイバーブロック7の高温面と側面の一部
をを被覆した例を示し、図5は、セラミックファイバー
ブロック7を包むように被覆した例を示している。前記
シート状複合材からなるシート材8は、炉の実際の使用
状態におくことで焼成が行なわれ、中間状態から最終状
態へと状態が変化し、耐熱性の焼成セラミックス複合材
料が得られる。
【0040】工業炉の断熱材に用いた無機繊維質断熱材
は、レンガなどの重質材料に比較して熱容量が小さいた
め省エネルギーに貢献できる長所を有するが、その反
面、繊維材の飛散により炉内を汚染するという問題があ
る。このような場合、本発明による中間状態の耐熱材料
が柔軟であるという特長を生かし、繊維質断熱材への被
覆施工を容易に行なうことができる。
【0041】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
(イ)熱衝撃に強く、(ロ)物理的な衝撃にも強く、
(ハ)取り扱いが容易で、取り付け施工が容易であり、
(ニ)軽量である、といった特徴を有する耐熱性材料を
得ることができる。特に耐熱材料として用いる場合の取
り扱いの容易性や施工性に優れた耐熱性材料を得ること
ができる。加えて、含水率の選択によって、施工時に変
形させることができるような柔軟性を有した耐熱性材料
または、施工時に形状を保持する程度の強度を有する耐
熱材料を施工状況によって選択することができる。また
本発明による耐熱材料は、未焼成状態において、孔開け
や切断等を簡単に行なうことができる。
【0042】また、本発明による耐熱材料は、任意の形
状に施工できる点も特徴である。さらにまた、本発明に
よる耐熱材料は、その表面がセラミックス質の層で覆わ
れた状態を有しているので、繊維質の耐熱材料を用いる
際に問題となる繊維の飛散が問題とならない点も特徴で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐熱材料を用いて構成したバーナー構
造体の断面斜視図である。
【図2】耐熱材料で形成したライナー部材に無機質繊維
ブランケットを一体化させた状態の斜視図である。
【図3】本発明のシート状耐熱材料を用いて無機質繊維
ブロック表面を被覆した例を示す斜視図である。
【図4】本発明のシート状耐熱材料を用いて表面を被覆
した無機質繊維ブロックを炉体に取付けた状態の断面図
である。
【図5】本発明のシート状耐熱材料を用いて包み込むよ
うに被覆した無機質繊維ブロックを炉体に取付けた状態
の断面図である。
【符号の説明】
1 本発明の耐熱材料で形成したライナー部材 2a バーナー構造体を形成する無機質繊維成形ボード 2b 繊維成形ボードの接着剤 3 空洞部 4 無機質繊維ブランケット 5 緊縛材 6 炉体 7 セラミックファイバーブロック 8 本発明による耐熱材料で施工したシート材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性長繊維でなる補強材と、耐熱性粉
    末および燐酸アルミニウムから調製したマトリックス材
    とを構成要素とする耐熱材料であって、 含水率=耐熱材料を1000℃で1時間加熱した時の脱
    水重量/耐熱材料中に含まれるP2O5の重量 で定義される含水率を制御した柔軟性を有することを特
    徴とする耐熱材料。
  2. 【請求項2】 前記耐熱材料の含水率が40重量%〜2
    00重量%である請求項1に記載の耐熱材料。
  3. 【請求項3】 前記耐熱性長繊維としてアルミナ繊維が
    用いられる請求項1〜2のいずれかに記載の耐熱材料。
  4. 【請求項4】 耐熱性長繊維でなる補強材と、耐熱性粉
    末および燐酸アルミニウムから調製したマトリックス材
    とを構成要素とする耐熱材料であって、 含水率=耐熱材料を1000℃で1時間加熱した時の脱
    水重量/耐熱材料中に含まれるP2O5の重量 で定義される含水率を制御することで前記耐熱材料の柔
    軟性を制御する工程と、前記含水率に制御された耐熱材
    料を所要の形状に施工する工程と、施工された耐熱性材
    料を使用状態で焼成する工程とからなることを特徴とす
    る耐熱材料の施工方法。
  5. 【請求項5】 前記含水率を40重量%〜200重量%
    とすることで変形できる程度の柔軟性を有する耐熱材料
    を用いた請求項4に記載の耐熱材料の施工方法。
  6. 【請求項6】 前記耐熱性長繊維としてアルミナ繊維が
    用いられる請求項4に記載の耐熱材料の施工方法。
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