JP2000033696A - 印字ヘッドおよびプリンタ - Google Patents

印字ヘッドおよびプリンタ

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JP2000033696A
JP2000033696A JP20170398A JP20170398A JP2000033696A JP 2000033696 A JP2000033696 A JP 2000033696A JP 20170398 A JP20170398 A JP 20170398A JP 20170398 A JP20170398 A JP 20170398A JP 2000033696 A JP2000033696 A JP 2000033696A
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Japan
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ink
chamber
orifice
print head
common
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Withdrawn
Application number
JP20170398A
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English (en)
Inventor
Shigemi Togashi
▲茂▼美 富樫
Toshimasa Shiobara
利昌 塩原
Toshiyuki Asaka
俊行 浅香
Takanori Mimura
隆則 三村
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Data Corp
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  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク加圧室内に残存している空気を除去す
ることで、印字品質の向上を図ることを目的とする。 【解決手段】 インクを吐出するためのオリフィス5お
よびインク加圧室4とは別に、共同インク室3と外界と
をつなぐ空導管11を設ける。インク加圧室4へのイン
ク充填の際には、この空導管11を通じて空気を吸引す
ることで、共同インク室3内の空気(気泡)を排出でき
る。空導管11と共同インク室3とは共同インク室3の
最上部において連通するようにしておく。これにより共
同インク室3内の空気はこの最上部すなわち連通部に集
中するため、空気を残すことなく完全に排出できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット方式
の印字ヘッドおよびこれを使用するためのプリンタに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット方式のプリンタは、印字
ヘッドに設けられた微小なオリフィスから印字データに
応じてインクの微小な液滴を噴出することで、紙等の媒
体に画像を印刷する。以下、このインクジェット方式の
プリンタにおける印字ヘッドへのインクの供給機構およ
び印字ヘッドを説明する。
【0003】まず、インクの供給機構を図12を用いて
説明する。
【0004】なお、図12は、インクタンクから印字ヘ
ッドへインクを供給する機構の概要を示す図であり、
(a)は側面側から見た様子を示す模式図、(b)は正
面側から見た様子を示す模式図である。
【0005】インクタンク101に充填されているイン
クは流路102を通じて印字ヘッド110の共同インク
室103へ導かれ、その後さらにインク加圧室104へ
と導かれるようになっている。印字ヘッド110の先端
には、インクを吐出するオリフィス105が各インク加
圧室104ごとに形成されたオリフィスプレート106
が取り付けられている。さらに、印字ヘッド110の下
方には、必要に応じてこのオリフィスプレート106に
接続され、オリフィス105を通じて空気およびインク
を吸引する吸引機構(キャップ部107、吸引ポンプ1
08等)が設けられている。
【0006】次に、インクタンク101を新たに装填し
た場合における、インクの供給動作を説明する。
【0007】まず、キャップ部107をオリフィスプレ
ート106に密着させる。このキャップ部107には、
吸引ポンプ8と連通する孔が形成されている。従って、
この状態で吸引ポンプ108を作動させて吸引すること
で、インクタンク101内のインクを、流路102およ
び共同インク室103を通じて、インク加圧室104ま
で導く。最終的には、オリフィス105においてインク
がメニスカスを形成した状態となるまで、各インク加圧
室104内にインクを充填する。この過程において、流
路102および共同インク室103にもインクが充填さ
れる。
【0008】印字は、印字データに応じて各インク加圧
室104内のインクを吐出することで行われる。インク
を吐出させる方式には様々あるが、圧電方式において
は、各インク加圧室104の容積を変化させることによ
って吐出させている。
【0009】次にこの圧電方式の印字ヘッドについて図
13および図14を用いて説明する。
【0010】図13は圧電方式の印字ヘッドの内部構成
を示す正面側透視図、図14は圧電方式の印字ヘッドの
内部構成を示す側面側透視図である。
【0011】圧電方式の印字ヘッドは、分極された圧電
体に溝状のインク加圧室104を設けるとともに、各溝
壁には電極を設けた構造となっている。この電極に電圧
を印加し電界を発生させることで溝壁のせん断モードの
変形を生じさせ、インク加圧室104のインクを加圧し
てからインクを噴出させることができる。この圧電方式
では、電圧を加減し圧電体の変形を制御することにより
インクの加圧量及びインク噴出滴量をコントロールでき
るため、階調印刷が容易であるという特徴がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来のインク供給機構
には以下のような問題があった。
【0013】先に述べたとおり、上記従来技術において
は流路102からインク加圧室104までインクが充填
されていない場合(例えば、インクタンク101を交換
した場合)には、オリフィスプレート106にキャップ
部107を密着させた状態で吸引することで、流路10
2、共同インク室103およびインク加圧室104にイ
ンクを充填している。この場合、上記従来技術において
は、共同インク室103がインクで満たされていない状
態でインクがインク加圧室104へ流入するため、共同
インク室103内にインクが完全に充填されず、気泡や
空気のスペースが残ってしまうことがあった。また、オ
リフィス105から気泡がインク加圧室104へ進入す
ることもある。さらには、インク中にも微小な気泡が含
まれておりこれがインクと共にインク加圧室104へ進
入することもある。気泡、空気は、液体であるインクに
較べて体積変化が容易である。そのため、気泡あるいは
空気が共同インク室103やインク加圧室104に残留
していると、インク加圧室104の容積変化に起因して
生じる圧力変化が、これらによって吸収されてしまう。
すなわち、インクを十分に加圧できず、インクの吐出が
不安定になるという問題があった。具体的には、吐出す
る液滴の速度が遅くなったり、吐出不良を起こしてい
た。
【0014】このような問題を解決するべく、共同イン
ク室106からオリフィス105までインクの通路の内
壁面に親水化処理を施すことで、気泡の進入を抑制する
とともに気泡を排出し易くしていた。親水化処理として
は、例えば、親水性の樹脂等を化学蒸着等によってコー
ティングする処理が挙げられる。より具体的には、Si
2を化学蒸着させる方法が一般的である。
【0015】しかし、このような対策だけでは十分とは
いえず、印字ヘッド内部のさまざまな部分に点在浮遊す
る微小な気泡に起因した、印字品位の悪化を完全には解
決できてはいなかった。
【0016】また、別の問題として、上記構成の印字ヘ
ッドでは、共同インク室103から各インク加圧室10
4へインクが流れ込むまでの吸引量にばらつきが大き
く、インクの無駄が大きいという問題があった。つま
り、あるインク加圧室104には既にインクが充填され
ていたとしても、インクがまだ充填されていないインク
加圧室104が一つでも残っている限りは吸引を続けな
ければならない。そのため、最終的にすべてのインク加
圧室104にインクが充填されるまで、先にインクが充
填されてしまっているインク加圧室104からはそのオ
リフィス105からインクが排出され続けることにな
る。そして、これはインクの消費量の増大、ランニング
コストの増大につながっていた。なお、流路2からイン
ク加圧室104までインクを充填するために必要な吸引
インク体積(V)は、式(1)で示される。式(1)に
おいて、v1は流路102の容積、v2は共同インク室
103の容積、v3はインク加圧室104の総容積であ
る。また、v4は、すべてのインク加圧室104がイン
クで充填されるまでに、オリフィス105から排出され
てしまう排出インク体積である。先に述べたとおり従来
技術においては、この排出インク体積(v4)が大きい
という問題があった。
【0017】 V=v1+v2+v3+v4 ・・・(1) 本発明は、インクタンクの交換の際等におけるインクの
無駄が少ないインクジェット方式の印字ヘッドおよびプ
リンタを提供することを目的とする。
【0018】本発明は、インクタンクの交換の際等にお
ける、インクの流路等への空気の混入を防止することで
インクの安定した吐出が可能な、インクジェット方式の
印字ヘッドおよびプリンタを提供することを目的とす
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになされたものであり第1の態様としては、印
字データに応じた電圧が印加されてインクの液滴を噴出
する印字ヘッドにおいて、インクの液滴を噴出するオリ
フィスが形成されたオリフィス構成部材と、インクが充
填されるインク加圧室をオリフィスごとに形成するとと
もに、電圧の印加に応じて所定のインク加圧室内に充填
されたインクを当該インク加圧室に対応したオリフィス
を通じて噴出させる加圧室構成部材と、複数のインク加
圧室と連通し、前記インク加圧室に供給されるインクが
溜められる共同インク室を形成する、共同インク室構成
部材と、前記共同インク室の天井面において前記共同イ
ンク室と連通した、該共同インク室と外界とを連通する
連通路とを有することを特徴とする印字ヘッドが提供さ
れる。
【0020】前記連通路は、前記オリフィスが形成され
ている面に形成された開口を通じて外界と連通している
ことが好ましい。
【0021】本発明の第2の態様としては、前述した第
1の態様の印字ヘッドが装着されて使用されるプリンタ
において、前記印字ヘッドのオリフィスと該印字ヘッド
の共同インク室と外界とをつなぐ連通路とのいずれか一
方を選択し、選択した方についてはこれを塞ぎ、選択し
なかった方からは吸引を行う選択吸引手段を有すること
を特徴とするプリンタが提供される。
【0022】前記選択吸引手段は、前記インク加圧室へ
のインクの充填の際には、まず、オリフィスを選択し、
その後、前記連通路を選択するものであることが好まし
い。本発明の第3の態様としては、インクの液滴を噴出
するオリフィスが形成されたオリフィス構成部材と、イ
ンクが充填されるインク加圧室をオリフィスごとに形成
するとともに、電圧の印加に応じて所定のインク加圧室
内に充填されたインクを当該インク加圧室に対応したオ
リフィスを通じて噴出させる加圧室構成部材と、前記イ
ンク加圧室に充填するインクを溜めるための共同インク
室を構成すると共に、該共同インク室にインクを導入す
る導入部と、該共同インク室を前記インク加圧室に連通
させる導出部とが形成された共同インク室構成部材とを
備え、前記導入部は、前記導出部よりも低い位置に形成
されていることを特徴とする印字ヘッドが提供される。
【0023】前記導出部は前記共同インク室の最上部に
位置することが好ましい。
【0024】前記共同インク室の天井面は、前記導出部
に向けて傾斜していることが好ましい。
【0025】前記導出部の幅は、前記インク加圧室の幅
よりも狭いことが好ましい。
【0026】本発明の第4の態様としては、印字データ
に応じた電圧が印加されてインクの液滴を噴出する印字
ヘッドにおいて、インクの液滴を噴出するオリフィスが
形成されたオリフィス構成部材と、インクが充填される
インク加圧室をオリフィスごとに形成するとともに、電
圧の印加に応じて所定のインク加圧室内に充填されたイ
ンクを当該インク加圧室に対応したオリフィスを通じて
噴出させる加圧室構成部材と、複数のインク加圧室と連
通し、前記インク加圧室に供給されるインクが溜められ
る共同インク室を形成する、共同インク室構成部材とを
備え、前記共同インク室の天井面は、部分ごとにその高
さ位置が異なることを特徴とする印字ヘッドが提供され
る。
【0027】前記インク加圧室の内壁面は親水性であ
り、前記共同インク室の内壁面は、少なくともその天井
面の高さ位置が最も高い領域が、疎水性であることが好
ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を用い
て説明する。
【0029】実施の形態1.本実施の形態1におけるイ
ンクジェット方式のプリンタは、印字ヘッドへのインク
供給の際に、共同インク室内の空気を積極的に除去する
とともに、各インク加圧室へは同じタイミングで一斉に
インクを流入させることを主な特徴としている。具体的
には、共同インク室内の空気の除去は、共同インク室と
外界とを連通する専用の空導管を設け、ここを通じて空
気を吸引することで実現している。一方、インク加圧室
へのインクの流入開始のタイミングは、共同インク室に
インクが一杯に溜まるまでオリフィスを塞ぎインクの流
入を阻止することで制御している。以下、図1、図2、
図3および図4を用いて詳細に説明する。
【0030】図1は、本発明の実施の形態1におけるイ
ンクタンクから印字ヘッドへインクを供給する機構の概
要を示す図であり、(a)は側面側から見た様子を示す
模式図、(b)は正面側から見た様子を示す模式図であ
る。図2は印字ヘッド3の内部構成を斜め上方から見た
様子を示す透視図である。図3は、印字ヘッド3の内部
構成を斜め下方から見た様子を示す断面斜視図である。
図4は図1(b)におけるA−A矢視図である。
【0031】このインク供給機構は、インクタンク1に
充填されているインクを印字ヘッド10に導く流路2、
印字ヘッド10内に形成された共同インク室3、インク
加圧室4、オリフィス5を備えて構成されている。さら
には、オリフィス5および空気孔12を通じて空気およ
びインクを吸引する吸引機構(キャップ部7、吸引ポン
プ8等)を備えて構成されている。
【0032】流路2は上端吸入口部がインクタンク1の
底部に設けられた供出口と接合されている。この接合部
9には、インクの漏れを防止するため弾性部材が設置さ
れている。また、流路2は、その下流側端部開口部にお
いて印字ヘッド10内に形成された共同インク室3と連
通している。
【0033】印字ヘッド10には、図2および図3に示
すとおり、その上側から順に、共同インク室3、インク
加圧室4およびオリフィス5が形成されている。
【0034】共同インク室3は流路2を通じてインクタ
ンク1から供給されたインクを各インク加圧室4に供給
するためのものである。この共同インク室3は、その上
側壁部に形成された連通部10aにおいて流路2と連通
している。また、その最下部に各インク加圧室ごとに形
成された連通部においてインク加圧室4と連通してい
る。以下、共同インク室3と流路2との連通部を「イン
ク導入部」、共同インク室3とインク加圧室4との連通
部を「インク導出部」と呼ぶ。
【0035】さらに本実施の形態1における共同インク
室3は、この印字ヘッド10内に形成された空導管11
および後述する空気孔12を通じて大気と連通してい
る。この空導管11は共同インク室3の天井部分におい
てこの共同インク室3と連通している。この天井面は傾
斜しており、空導管11との連通部(開口)である空導
管連通部11aは、そのほぼ最も高い位置に形成されて
いる。また、この空導管11は、後述する空気孔12を
通じて外部と連通している。
【0036】インク加圧室4は、この印字ヘッドへの電
圧印加に応じてその容積が変更可能に構成されており、
この容積変化に伴ってインクを加圧するように構成され
ている。このインク加圧室4は、共同インク室3の下方
に形成されている。
【0037】インクが吐出されるオリフィス5は、印字
ヘッド10の先端に取り付けられたオリフィスプレート
6に各インク加圧室4ごとに形成されている。なお、こ
のオリフィスプレート6は、インク加圧室4の下側壁面
を構成している。オリフィス5は各インク加圧室4に対
して少なくとも1つ以上設けられている。流路2および
共同インク室3が1個だけ設けられているのに対し、こ
のインク加圧室4は複数個が設けられている。さらに、
本実施の形態におけるオリフィスプレート6には、前述
した空導管11に連通した空気孔12が形成されてい
る。
【0038】吸引機構は、オリフィス5あるいは空気孔
12を通じて空気およびインクを吸引するためのもので
あり、具体的には、キャップ部7、吸引ポンプ8、図示
しないキャップ駆動機構等を備えて構成されている。
【0039】キャップ部7は、吸引ポンプ8による吸引
の際にオリフィスプレート6に密着させられることで空
気の漏れを防止するためのものである。このキャップ部
7は、ゴム等の弾性材料で構成された、カップ状の凹部
を備えた部材であり、その底部には表裏を貫通した貫通
孔が設けられている。この貫通孔は吸引ポンプ8の吸引
口に接続されており、吸引ポンプ8を作動させるとキャ
ップ部7の凹部内の空気が吸引されるようになってい
る。このキャップ部7は、後述するキャップ駆動機構に
よってオリフィスプレート6に密着/離間可能に構成さ
れている。
【0040】さらに、本実施の形態におけるキャップ部
7は後述するキャップ駆動機構とともに、吸引の対象と
してオリフィス5と空気孔12とのいずれかを選択する
ための役割をも果たしている。すなわち、このキャップ
部7は、オリフィスプレート6に密着/離間可能なだけ
でなく、後述するキャップ駆動機構によってオリフィス
プレート6上における密着位置も変更可能に構成されて
いる。この密着位置を変更することで、オリフィス5
と、空気孔12とのいずれかを選択的に塞ぐことができ
る。また、いずれか一方を塞いでいる状態においては、
他方はこのキャップ部7の凹部内に位置するように、キ
ャップ部7の形状、大きさ、空気孔12の位置等が設定
されている。
【0041】吸引ポンプ8は、キャップ部7内に負圧を
発生させることでオリフィス5あるいは空気孔12から
インク、空気を吸引するものである。
【0042】キャップ駆動機構は、キャップ部7をオリ
フィスプレート6に密着/離間させるとともに、その密
着位置も変更できる構成となっている。既に述べたとお
り本実施の形態においては、この密着位置を変更するこ
とで、オリフィス5と空気孔12とのいずれかを選択的
に塞ぐことが可能になっている。
【0043】特許請求の範囲において言う「オリフィス
構成部材」とは、本実施の形態1においてはオリフィス
プレート6に相当する。「加圧室構成部材」は、インク
加圧室4を形成している部材、例えば、オリフィスプレ
ート6等に相当する。「共同インク室構成部材」は、共
同インク室3を形成している部材に相当する。「共同イ
ンク室と外界とを連通する連通路」とは、空導管11に
相当する。「選択吸引手段」とは、キャップ部7、吸引
ポンプ8,キャップ駆動機構に相当する。
【0044】次に、インクタンク1を新たに装填した場
合における、インクの供給動作を説明する。
【0045】ここでは初期状態において、流路2、共同
インク室3、インク加圧室4にはインクがないものとす
る。
【0046】この状態においてインクを供給するには、
まず、オリフィスプレート6にキャップ部7を密着させ
る。この場合、キャップ部7の位置を適当に調整するこ
とで、図4(a)に示すように、キャップ部7の縁部に
よってオリフィス5の全てを塞ぎ、一方、空気孔12が
キャップ部7の凹部空間と連通した状態にする。また、
この状態において、吸引ポンプ8を作動させて吸引を行
うことによりキャップ部7内に負圧を発生させる。する
と、キャップ部7内に生じた負圧が空気孔12および空
導管11を通じて印字ヘッド10、さらには、流路2、
インクタンク1に伝わる。その結果、インクタンク1内
のインクが、流路2へと流れ始める。
【0047】流路2に導かれたインクは、さらに後段の
共同インク室3内に流れ込む。この場合、オリフィス5
がキャップ部7によってすべて塞がれているため、イン
ク加圧室4内の空気は逃げ場がない。従って、この段階
で、共同インク室3に流入したインクがさらにインク加
圧室4へ流れ込むことはない。一方、共同インク室3に
はその上部に空導管11が設けられており、共同インク
室3内の空気はここを通じて外界に逃げることができ
る。従って、流路2から流入したインクは、そのままこ
の共同インク室3に溜まりつづけてゆく。そして最終的
には、共同インク室3に溜まったインクの液面は、空導
管11の位置にまで達する。なお、共同インク室3はそ
の天井部分が空導管11の空導管連通部11aに向かっ
て傾斜しているため、共同インク室3内に空気が残るこ
とはない。この天井部分が水平である場合には、インク
の液面が上昇し天井に達した時点でその上昇速度がいき
なりゼロになり、気泡が流れなくなりそのまま共同イン
ク室3内に残留してしまう可能性がある。
【0048】この後も更にインクが流入して行くと、共
同インク室3内をあふれたインクは、空導管11を通っ
て空気孔12まで達する。
【0049】このような状態に達した段階で次の段階に
進む。すなわち、次に図4(b)に示したように、キャ
ップ部7の位置をずらすことで、それまで開かれていた
空気孔12を塞ぎ、逆に、それまで塞いでいたオリフィ
ス5を開いた状態(キャップ部7内の空間部と連通させ
る)にする。また、吸引ポンプ8を作動させて吸引する
ことで、キャップ部7内に負圧を発生させる。すると、
共同インク室3に溜まっているインクが一斉にすべての
インク加圧室4に流れ込み、速やかにオリフィス5まで
インクが達する。
【0050】オリフィス5からキャップ部7内に排出さ
れたインクは吸引ポンプ8を通じて吸引ポンプ8の排出
側まで運ばれる。但し、各インク加圧室4にはほぼ同時
期にインクが満たされたため、印字に使用されることな
く排出されるインクの量は少ない。
【0051】以上説明したとおり本実施の形態1のプリ
ンタ、印字ヘッドでは、共同インク室3の上方部から共
同インク室3内の空気を抜くための空導管11および空
気孔12を設けたことで、気泡を残留させることなく共
同インク室3内に完全にインクを満たすことができる。
従って、インクをオリフィス5から安定的に吐出でき
る。
【0052】また、共同インク室3に十分インクが満た
された後に、キャップ部7によるオリフィス5の閉鎖を
放くことで、各インク加圧室4にはほぼ同時期に一斉に
インクが流れ込む。従って、各インク加圧室4が完全に
インクで満たされるタイミングのずれが小さい。すなわ
ち、すべてのインク加圧室4にインクが充填されるまで
にオリフィス5から排出されるインク量を低減できるた
め、インクタンク1の長寿命化、ランニングコストの低
減が可能となる。
【0053】実施の形態2.本実施の形態2は、共同イ
ンク室3にインクが流入する導入部を、共同インク室3
からインク加圧室4へインクが流出する導出部よりも低
い位置に設置することで、共同インク室3にインクが十
分溜まってからインク加圧室4へのインクの流入が開始
されるようにしたことを主な特徴とするものである。以
下、図5を用いて詳細に説明する。
【0054】図5は、本発明の実施の形態2におけるイ
ンクタンクから印字ヘッドへインクを供給する機構の概
要を示す図であり、(a)は側面側から見た様子を示す
模式図、(b)は正面側から見た様子を示す模式図であ
る。
【0055】このインク供給機構は、インクタンク1に
充填されているインクを印字ヘッド10に導く流路2、
印字ヘッド10内に形成された共同インク室3、インク
加圧室4、オリフィス5を備えて構成されている。さら
には、オリフィス5を通じて空気およびインクを吸引す
る吸引機構(キャップ部7、吸引ポンプ8等)を備えて
構成されている。
【0056】流路2は上端吸入口部がインクタンク1の
底部に設けられた供出口と接合されている。この接合部
9には、インクの漏れを防止するため弾性部材が設置さ
れている。また、流路2は、その下流側端部開口部にお
いて印字ヘッド10内に形成された共同インク室3と連
通している。
【0057】印字ヘッド10には、図5に示すとおり、
その上側から順に、共同インク室3、インク加圧室4お
よびオリフィス5が形成されている。
【0058】共同インク室3は流路2を通じてインクタ
ンク1から供給されたインクを各インク加圧室4に供給
するためのものである。本実施の形態における共同イン
ク室3は、その下側壁部に形成された連通部において流
路2と連通している。また、その最上部に形成された連
通部においてインク加圧室4と連通している。以下、共
同インク室3と流路2との連通部を「インク導入部」、
共同インク室3とインク加圧室4との連通部を「インク
導出部」と呼ぶ。
【0059】インク加圧室4は、その容積が変更可能に
構成されており、この容積変化に伴ってインクを加圧す
るように構成されている。本実施の形態2におけるイン
ク加圧室4は、共同インク室3とほぼ同じ高さ位置に並
べて配置されている。また、先に述べたとおり、共同イ
ンク室3とは共同インク室3およびインク加圧室4の最
上部に各インク加圧室ごとに形成された連通部(インク
導出部)において連通している。さらに、本実施の形態
2においては、共同インク室3内の空気、気泡が容易に
インク加圧室4へ流出しやすくするため、特に、図6に
示すように、このインク加圧室4と共同インク室3との
連通部(インク導出部)における流路の幅bを、インク
加圧室4内の流路の幅aよりも狭くしている。
【0060】インクが吐出されるオリフィス5は、印字
ヘッド10の先端に取り付けられたオリフィスプレート
6に各インク加圧室4ごとに形成されている。オリフィ
ス5は各インク加圧室4に対して少なくとも1つ以上設
けられている。
【0061】吸引機構は、既に述べたとおりオリフィス
5を通じて空気およびインクを吸引するためのものであ
り、キャップ部7、吸引ポンプ8、図示しないキャップ
駆動機構等を備えて構成されている。この吸引機構は実
施の形態1における吸引機構と同様のものである。但
し、実施の形態1とは異なり、本実施の形態2における
オリフィスプレート6には空気孔12が形成されていな
いことに対応して、キャップ部7の密着位置を変更する
機能は備えていない。
【0062】特許請求の範囲において言う「オリフィス
構成部材」とは、本実施の形態2においてはオリフィス
プレート6に相当する。同様に、「加圧室構成部材」
は、インク加圧室4を形成している部材、例えば、オリ
フィスプレート6等に相当する。「共同インク室構成部
材」は、共同インク室3を形成している部材に相当す
る。「導入部」とは、共同インク室3と流路2との連通
部(インク導入部)に相当する。「導出部」とは、共同
インク室3とインク加圧室4との連通部(インク導出
部)に相当する。
【0063】インク供給動作を説明する。
【0064】ここでは初期状態において、流路2、共同
インク室3、インク加圧室4にはインクがないものとす
る。
【0065】この状態においてインクを供給するには、
まず、キャップ部7の凹部がオリフィス5のすべてを覆
うようにオリフィスプレート6にキャップ部7を密着さ
せる。また、この状態において、吸引ポンプ8を作動さ
せて吸引を行うことによりキャップ部7内に負圧を発生
させる。すると、キャップ部7内に生じた負圧がオリフ
ィス5を通じて印字ヘッド10、さらには、流路2、イ
ンクタンク1に伝わる。その結果、インクタンク1内の
インクが、流路2へと流れ始める。
【0066】流路2に導かれたインクは、さらに後段の
共同インク室3内に流れ込む。この場合、インク導入部
は共同インク室3の最下部に設けられており、一方、イ
ンク導出部は共同インク室3の最上部に設けられている
ため、共同インク室3に溜まったインクはすぐにはイン
ク加圧室4へは流出しない。
【0067】この後、さらにインクが流入し共同インク
室3が完全にインクで満たされると、あふれたインクが
インク加圧室4へと流出しはじめる。この場合、共同イ
ンク室3と各インク加圧室4との各導出部は、いずれも
同じ高さ位置にあるため、インクの流出は各インク加圧
室4に対して一斉に開始される。従って、この後は、す
べてのオリフィス5に速やかにインクが達する。
【0068】共同インク室3の天井部分が水平である場
合には、インクの液面が上昇してゆき天井に達した時点
でその上昇速度がいきなりゼロになり、気泡が流れなく
なる。その結果、気泡がそのまま共同インク室3内に残
留してしまう可能性がある。しかし、本実施の形態にお
いては共同インク室3はその天井部分が導出部に向かっ
て傾斜しているため、共同インク室3内に空気が残るこ
とはない。さらには、仮に共同インク室3内の上部に空
気、気泡が残っていたとしても、インク導出部における
インクの流路の幅bは、インク加圧室4内の幅aよりも
狭くされているため、インク加圧室4へと流出しやす
い。また、aとbを略等しくしても、bが極端に大きく
なければ同様の効果を得ることができる。
【0069】オリフィス5からキャップ部7内に排出さ
れたインクは吸引ポンプ8を通じて吸引ポンプ8の排出
側まで運ばれる。但し、各インク加圧室4にはほぼ同時
期にインクが満たされたため、印字に使用されることな
く排出されるインクの量は少ない。
【0070】以上説明した通り本実施の形態2では、共
同インク室3と流路2との連通部(インクの導入部)
を、共同インク室3とインク加圧室4の連通部(インク
の導出部)よりも低い位置に設けている。このような構
成では、共同インク室3がインクで満たされた後にイン
ク加圧室4へのインクの流入が開始されるため、共同イ
ンク室3内に気泡が残留することがない。従って、印字
ヘッドのインク滴の安定吐出が維持できる。
【0071】また、このような構成を採用することで、
共同インク室3から各インク加圧室4へインクが流れ込
む時期がほぼ同時になる。従って、すべてのインク加圧
室4にインクが充填されるまでにオリフィス5から排出
されるインク量が少なくて済む。すなわち、インクタン
ク1の長寿命化が図れる。
【0072】本実施の形態2では、流路から共同インク
室3との連通部(インク導入部)を共同インク室3の最
下部に設けていた。しかし、このインク導入部は必ずし
も最下部である必要はない。例えば、図7に示した例の
ように、共同インク室3とインク加圧室4との連通部
(インク導出部)よりも低い位置にありさえすれば本実
施の形態2と同様の効果を期待できる。
【0073】実施の形態3 本実施の形態3は、共同インク室60内にエア溜り部6
00を形成するとともに、ここに気泡が集まりやすくな
るように、共同インク室60等の内壁面の親水性(ある
いは、疎水性)を適当に設定したことを主な特徴とす
る。さらには、このエア溜り部600に集まった気泡を
排出するための排出溝590を備えたこと等を主な特徴
とする。以下、図8および図9を用いて詳細に説明す
る。
【0074】図8は本実施の形態3における印字ヘッド
の内部構成を示す正面側透視図、図9は本実施の形態3
における印字ヘッドの内部構成を示す側面側透視図であ
る。
【0075】この印字ヘッド50は、圧電体べース5
1、圧電体52、カバー部材53、オリフィスプレート
54等によって構成されている。
【0076】圧電体ベース51は、圧電体52、オリフ
ィスプレート54等とともにインク加圧室59を形成す
るものであり、その一面にはインク加圧室59の一部を
形成する溝が、等間隔、等幅に形成されている。また、
その上面には、電極51aが形成されている。なお、こ
の溝は、ダイシングソー等によって作成されている。こ
の圧電体ベース51には、その両面に電極を備えた薄板
状の圧電体52が導電性接着剤によって接着されてい
る。この圧電体52は、圧電体ベース51とともに溝が
形成されており、圧電体52のさらに上側には、その下
面に電極を備えたカバー部材53が、導電性接着剤によ
って接着されている。また、圧電体ベース51、圧電体
52およびカバー部材53の図8、図9における下側端
面には、インクを噴出するオリフィス55が形成された
オリフィスプレート54が、非導電性接着剤によって接
着されている。このような構成を採ることでインク加圧
室59は、圧電体ベース51と圧電体52によって構成
される溝およびカバー部材53、オリフィスプレート5
4によって形成されている。圧電体ベース51および圧
電体52は所定の方向に分極処理されており、電極51
aへの電圧印加に応じてインク加圧室59を構成する壁
が変形し、この変形に伴うインク加圧室59の容積変動
を利用してインクの吸入、噴出を行うようになってい
る。
【0077】さらに本実施の形態3においては後述する
エア溜り部600に気泡が移動するのを容易とするため
に、このインク加圧室59の内壁面が親水性にされてい
る。具体的には、内壁面を構成する樹脂等が化学蒸着等
でコーティングされている。
【0078】インク加圧室59の両側には、エア溜り部
600と、オリフィスプレート54に形成された排出孔
550とを繋ぐ流路590(以下「排出溝590」と呼
ぶ)が設けられている。
【0079】図9からわかるように、圧電体52は、圧
電体ベース51よりもその上下方向における長さが短く
されており、圧電体ベース51の上端領域には達してい
ない。同様に、カバー部材53は、圧電体52よりもそ
の上下方向における長さが短くされており、圧電体52
の上端部領域には達していない。そして、圧電体ベース
51の上端領域には、共同インク室60を構成する共同
インク室構成部材56が、圧電体52およびカバー部材
53の図9における上端部を被うようにして設置されて
いる。共同インク室構成部材56とカバー部材53等と
は、封止材58a,58bによって密閉固着されている
ため、接合部からインクが漏れることはない。
【0080】共同インク室60はその天井面の高さ位置
が場所によって異なっており、最も高い領域に空気、気
泡が集まるようにされている。以下、この最も高い領域
を「エア溜り部600」と呼ぶ。この共同インク室60
の天井面は、気泡がエア溜り部600に集まりやすくす
る一方で、エア溜り部600に既に集まっている気泡が
印字ヘッドの移動動作等に伴ってエア溜り部600の外
側に出てしまうのが困難な構造とされている。すなわ
ち、印字動作時における印字ヘッドの移動方向から見た
場合、共同インク室60の天井面が中央から側面にかけ
てテーパ状に高くなっており、エア溜り部600とその
外側領域とはなめらかな曲面でつながっている(図8参
照)。一方、印字ヘッドの移動方向に垂直な側の内壁面
は略鉛直面とされており、このエア溜り部600とその
外側領域との境界には段差が形成されている(図9参
照)。さらには、同様の目的から共同インク室構成部材
56は、例えばPBT等の樹脂で成形されている。つま
り、樹脂表面は一般的に疎水性であり、共同インク室6
0の内壁面も疎水性とされている(少なくとも親水性で
はない)。
【0081】既に述べたとおりこのエア溜り部600は
排出溝590と連通しており、ここに集まった気泡はこ
の排出溝590を通じて排出可能になっている。
【0082】なお、この印字ヘッドの装着されるプリン
タは、前述したオリフィス5および排出溝590を通じ
て吸引を行う吸引機構を備えているものとする。この吸
引機構は、ポンプ等を備えて構成されている。
【0083】特許請求の範囲において言う「オリフィス
構成部材」とは、本実施の形態3においてはオリフィス
プレート54に相当する。同様に、「加圧室構成部材」
は、インク加圧室59を形成している部材、例えば、オ
リフィスプレート54等に相当する。「共同インク室構
成部材」は、共同インク室60を形成している部材に相
当する。「共同インク室と外界とを連通する連通路」と
は、排出溝590、排出孔550に相当する。
【0084】作用を説明する。
【0085】インクを充填する際には、図示しない吸引
機構によってオリフィス55および排出孔550を通じ
て吸引を行う。すると、共同インク室60からは排出溝
590を通じて空気が排出されて行く。またこれと並行
して、インク吸入口605からは、共同インク室60、
インク加圧室59へとインクが供給され充填されてゆ
く。
【0086】インクが充填されて行くにつれて、共同イ
ンク室60に残存する空気は少なくなってくる。この残
存している空気はエア溜り部600に集中する。排出溝
590はこのエア溜り部600に連通しているため、こ
の空気(気泡)を残すことなくすべて排出できる。
【0087】印字ヘッド50はオリフィス55を下側に
向けて垂直な姿勢状態にプリンタに装着されているた
め、インク充填の際にインク加圧室59に混入した気泡
もエア溜り部600に移動する。エア溜り部600とそ
の周囲の領域とは傾斜を有するなめらかな曲面で繋がっ
ているためこの移動は速やかに行われる(図8参照)。
インク加圧室59の内壁面は親水性であるため気泡が吸
着しにくい。従って、エア溜り部600への移動途中
に、気泡がインク加圧室59の内壁に吸着してしまうこ
ともない。一方、共同インク室60の内壁面は疎水性で
あるため、気泡が比較的強く吸着する。また、エア溜り
部600の印字動作時における印字ヘッドの移動方向に
垂直な側の内壁面が切り立った状態となっている(図9
参照)。従って、エア溜り部600内の気泡が印字動作
に伴ってエア溜り部600から飛び出し再びインク加圧
室59にもどるようなことはない。
【0088】印字の際にオリフィス55からインク加圧
室59へ進入した微小な気泡も同様にエア溜り部600
に移動しここに吸着する。エア溜り部600はインク加
圧室59に対してオリフィス55とは反対側にあるた
め、ここに気泡が存在していても印字の際インクの吐出
にはほとんど影響しない。
【0089】インク充填時以外にも必要に応じて排出溝
590を通じて吸引を行ってもよい。エア溜り部600
に溜まっている気泡を、同様に排出できる。
【0090】以上説明したとおり本実施の形態の印字で
は、エア溜り部600を設けると共に、インク加圧室5
9を親水化し、また、共同インク室60を疎水性にする
ことで、空気、気泡が確実にエア溜り部600に集まる
ようにしていた。さらには、排出溝590等を設けるこ
とで、エア溜り部600に集まった気泡を確実に排出で
きるようにしていた。そのため、印字ヘッド内から気泡
を完全に排除することができ、よって印字不良を大幅に
削減することが出来る。
【0091】本実施の形態では、共同インク室60を構
成する材料として、疎水性の強いものを採用することで
共同インク室60の内壁を疎水性に保っていた。しか
し、より積極的に共同インク室60の内壁面に撥水処理
を施してもよい。
【0092】本実施の形態3では排出溝590を設け、
ここを通じて吸引を行うことでエア溜り部600に溜ま
っている気泡を排出していた。しかし、多数個の微小な
気泡が結合してできた大きな気泡については、オリフィ
ス55を通じてポンプ等によって強力に吸引すれば、少
しずつではあるがインク加圧室59およびオリフィス5
5を通じて排出することが出来る。従って、微小な気泡
まで完全に排出する必要がない場合には、排出溝590
は省略することも可能である。このような構成を図10
および図11に示した。印字に対する影響が大きいの
は、インク加圧室59内に存在する気泡である。共同イ
ンク室60(エア溜り部600を含む)内に存在する気
泡がインク加圧室59における圧力に与える影響は小さ
いため、このような構成でも高い印字品質が得られる。
【0093】
【発明の効果】以上説明したとおり本発明によれば印字
ヘッド内に気泡が混入したままの状態となり難い。従っ
て、気泡の影響を排して常に高品質な印字が可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1におけるインクタンク
から印字ヘッドに至るインクの供給系の構成概要を示す
模式図であり、(a)は側面側から見た様子を示す模式
図、(b)は正面側から見た様子を示す模式図である。
【図2】 本発明の実施の形態1における印字ヘッド3
の内部構成を示す透視図である。
【図3】 実施の形態1における印字ヘッド3の内部構
成を示す断面透視図である。
【図4】 図1(b)におけるA−A矢視図であり、
(a)はキャップ部によってオリフィスを塞いだ状態、
(b)はキャップ部によって空気孔を塞いだ状態であ
る。
【図5】 本発明の実施の形態2におけるインクタンク
から印字ヘッドに至るインクの供給系の構成概要を示す
模式図であり、(a)は側面側から見た様子を示す模式
図、(b)は正面側から見た様子を示す模式図である。
【図6】 実施の形態2における印字ヘッド内の構成を
示す模式図である。
【図7】 実施の形態2の変形例の概要構成を示す模式
図であり、(a)は側面側から見た様子を示す模式図、
(b)は正面側から見た様子を示す模式図である。
【図8】 本発明の実施の形態3における印字ヘッドの
内部構成を示す上面透視模式図である。
【図9】 本発明の実施の形態3における印字ヘッドの
内部構成を示す側面透視模式図である。
【図10】 実施の形態3の変形例における上面透視模
式図である。
【図11】 実施の形態3の変形例における上面透視模
式図である。
【図12】 従来のインク供給系の機構の概要を示す図
であり、(a)は側面側から見た様子を示す模式図、
(b)は正面側から見た様子を示す模式図である。
【図13】 従来の圧電方式の印字ヘッドの内部構成
を、正面側から透視した様子を示す模式図である。
【図14】 従来の圧電方式の印字ヘッドの内部構成
を、側面側から透視した様子を示す模式図である。
【符号の説明】
1 インクタンク、 2 流路、 3 共同インク室、
4 インク加圧室、5 オリフィス、 6 オリフィ
スプレート、 7 キャップ部、 8 吸引ポンプ、
9接合部、10 印字ヘッド、 10a 連通部、 1
1 空導管、11a 空導管連通部、 12 空気孔、
50 印字ヘッド、 51 圧電体ベース、 51a
電極、 52 圧電体、 53 カバー部材、 54
オリフィスプレート、 55 オリフィス、 56
共同インク室構成部材、 59 インク加圧室、 60
共同インク室、 550 排出孔、 590 排出
溝、 600 エア溜り部、 605 インク吸入口。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅香 俊行 東京都港区芝浦4丁目11番地22号 株式会 社沖データ内 (72)発明者 三村 隆則 東京都港区芝浦4丁目11番地22号 株式会 社沖データ内 Fターム(参考) 2C056 EA15 EC03 EC16 EC51 FA04 2C057 AF62 AF78 AG44

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印字データに応じた電圧が印加されてイ
    ンクの液滴を噴出する印字ヘッドにおいて、 インクの液滴を噴出するオリフィスが形成されたオリフ
    ィス構成部材と、 インクが充填されるインク加圧室をオリフィスごとに形
    成するとともに、電圧の印加に応じて所定のインク加圧
    室内に充填されたインクを当該インク加圧室に対応した
    オリフィスを通じて噴出させる加圧室構成部材と、 複数のインク加圧室と連通し、前記インク加圧室に供給
    されるインクが溜められる共同インク室を形成する、共
    同インク室構成部材と、 前記共同インク室の天井面において前記共同インク室と
    連通した、該共同インク室と外界とを連通する連通路と
    を有することを特徴とする印字ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記連通路は、前記オリフィスが形成さ
    れている面に形成された開口を通じて外界と連通してい
    ることを特徴とする請求項1記載の印字ヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の印字ヘッドが装
    着されて使用されるプリンタにおいて、 前記印字ヘッドのオリフィスと該印字ヘッドの共同イン
    ク室と外界とをつなぐ連通路とのいずれか一方を選択
    し、選択した方についてはこれを塞ぎ、選択しなかった
    方からは吸引を行う選択吸引手段を有することを特徴と
    するプリンタ。
  4. 【請求項4】 前記選択吸引手段は、前記インク加圧室
    へのインクの充填の際には、まず、オリフィスを選択
    し、その後、前記連通路を選択するものであることを特
    徴とする請求項3記載のプリンタ。
  5. 【請求項5】 インクの液滴を噴出するオリフィスが形
    成されたオリフィス構成部材と、 インクが充填されるインク加圧室をオリフィスごとに形
    成するとともに、電圧の印加に応じて所定のインク加圧
    室内に充填されたインクを当該インク加圧室に対応した
    オリフィスを通じて噴出させる加圧室構成部材と、 前記インク加圧室に充填するインクを溜めるための共同
    インク室を構成すると共に、該共同インク室にインクを
    導入する導入部と、該共同インク室を前記インク加圧室
    に連通させる導出部とが形成された共同インク室構成部
    材とを備え、 前記導入部は、前記導出部よりも低い位置に形成されて
    いることを特徴とする印字ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記導出部は前記共同インク室の最上部
    に位置することを特徴とする請求項5記載の印字ヘッ
    ド。
  7. 【請求項7】 前記共同インク室の天井面は、前記導出
    部に向けて傾斜していることを特徴とする請求項6記載
    の印字ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記導出部の幅は、前記インク加圧室の
    幅よりも狭いことを特徴とする請求項5,6または7記
    載の印字へッド。
  9. 【請求項9】 印字データに応じた電圧が印加されてイ
    ンクの液滴を噴出する印字ヘッドにおいて、 インクの液滴を噴出するオリフィスが形成されたオリフ
    ィス構成部材と、 インクが充填されるインク加圧室をオリフィスごとに形
    成するとともに、電圧の印加に応じて所定のインク加圧
    室内に充填されたインクを当該インク加圧室に対応した
    オリフィスを通じて噴出させる加圧室構成部材と、 複数のインク加圧室と連通し、前記インク加圧室に供給
    されるインクが溜められる共同インク室を形成する、共
    同インク室構成部材とを備え、 前記共同インク室の天井面は、部分ごとにその高さ位置
    が異なることを特徴とする印字ヘッド。
  10. 【請求項10】 前記インク加圧室の内壁面は親水性で
    あり、 前記共同インク室の内壁面は、少なくともその天井面の
    高さ位置が最も高い領域が、疎水性であることを特徴と
    する請求項9記載の印字ヘッド。
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