JP2000032692A - アウタロータ形モータのステータ - Google Patents
アウタロータ形モータのステータInfo
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Abstract
性を確保しながらも、製造工程の簡単化を図る。 【解決手段】 冷蔵庫のファン駆動用のアウタロータ形
モータ1を、ケーシング2、このケーシング2に取付け
られる後部軸受組立3、この後部軸受組立3に取付けら
れるステータ4、このステータ4に取付けられる前部軸
受組立5、両軸受組立3,5に回転自在に支持される回
転軸6を有するファン一体形のロータ7から構成する。
ステータ4を、ステータコア17に絶縁体30を介して
巻線31を巻装すると共に、コネクタ部18を一体的に
有する端子台32を取付け、その後、ステータコア17
の中心孔17aを除くほぼ全体を、熱可塑性樹脂からな
るモールド層33により一体的にモールドして構成す
る。モールド層33はステータコア17の外周部を薄肉
状に覆い、防錆効果を得ることができる。
Description
周部及び巻線をモールド層にてモールドするようにした
アウタロータ形モータのステータに関する。
駆動用のアウタロータ形モータにおいては、結露環境
(湿度環境)に耐えるように、ステータの巻線部分を、
ステータコアの外周面を除いて樹脂モールドすることが
行われている(例えば実開昭57−139263号参
照)。この場合、樹脂モールドには、ヒートショック性
等に優れる不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂が用い
られており、この種熱硬化性樹脂は、流動性に劣るた
め、ステータコアの外周面に薄肉状にモールド層を形成
することが不可能であった。このため、モールド樹脂に
覆われていないステータコアの外周面については、防錆
剤を薄く塗布することが行われていた。
の外周面に防錆剤を塗布する構成なので、組立作業の工
程が多くなり、製造コストが高価となる不具合がある。
このとき、モールド樹脂によりステータコアの外周面も
一体にモールドしてしまえば、防錆剤の塗布を不要とす
ることができると考えられるが、上述のように、熱硬化
性樹脂によりステータコアの外周面にモールド層を形成
するには、どうしても厚肉とならざるを得なくなり、そ
の分ロータとのギャップが大きくなってモータの特性
(効率)が悪化してしまうことになる。
で、その目的は、十分な防錆効果を得、且つモータの良
好な特性を確保しながらも、製造工程の簡単化を図るこ
とができるアウタロータ形モータのステータを提供する
にある。
ータの巻線を樹脂モールドする場合、耐熱性や耐ヒート
ショック性等に優れる熱硬化性樹脂を用いることが通常
であり、また、アウタロータ形モータにあっては、ロー
タと対向するステータコアの外周部までモールドするこ
とは行われていなかった。これに対し、本発明者は、熱
可塑性樹脂を用いることにより、ステータコアの外周部
も含めて一体的に樹脂モールドすることを試み、これに
よっても、十分な耐熱性や耐ヒートショック性を得るこ
とができると共に、ステータコアの外周部に十分に薄い
モールド層を均等に形成することができて、十分高いモ
ータ効率を確保できることを確認し、本発明を成し遂げ
たのである。
テータは、ステータコアと、このステータコアに絶縁体
を介して巻装された巻線と、前記絶縁体に設けられ前記
巻線の端部が接続されるピンと、基端側が前記ピンに電
気的に接続され先端側に外部接続用のコネクタ部を有す
る端子台と、前記巻線及びステータコアの外周部並びに
端子台の基端部を一体的にモールドする熱可塑性樹脂か
らなるモールド層とを具備するところに特徴を有する
(請求項1の発明)。
ルド層は、ステータコアの外周部をも覆うように設けら
れているので、湿度環境で使用される場合であっても、
十分な防錆効果を得ることができ、別途に防錆剤を塗布
する等の作業を不要とすることができる。このとき、熱
可塑性樹脂を用いたことにより、ステータコアの外周部
のモールド層を十分に薄いものとすることができる。ま
た、十分な耐熱性や耐ヒートショック性を得ることがで
きることも確認されている。そして、巻線及びステータ
コアの外周部並びに端子台の基端部が一体的にモールド
されるので、ステータとしての取扱い性が良好となって
組付性がより向上する。さらには、モールド層により、
巻線の保護、絶縁性や機械的強度の向上を図ることがで
きることは勿論である。
ルド層と同一種類のベース材料からなる熱可塑性樹脂か
ら構成することができる(請求項2の発明)。これによ
れば、モールド層の形成時に、モールド層を構成する樹
脂と絶縁体及び端子台の表面とが熱溶着しやすくなるの
で、モールド層と絶縁体及び端子台との接着性に優れる
ものとなると共に、それらの線膨脹係数も同等となるの
で、モールド層、絶縁体、端子台の三者が強固に一体化
されるようになる。
されるが、ステータコアの外周部のモールド層を薄く形
成するためには、材料となる樹脂を流動性の良いものと
することが必要となる。そこで、モールド層を構成する
熱可塑性樹脂を、ベース材料にゴム系のエラストマーを
添加して構成すれば(請求項3の発明)、材料の高い流
動性を得ることができる。尚、例えば冷蔵庫のファンモ
ータに使用する場合、ベース材料としては、PBT(ポ
リブタジエンテレフタレート)やPPS(ポリフェニレ
ンサルファイト)等の耐ヒートショック性に優れるもの
が好適する。
注入されるゲートの位置を、ステータコアのスロットオ
ープン部の隣合うティースの中間部分に配置するように
すれば(請求項4の発明)、ステータコアのゲートの反
対側の端面部まで樹脂が回りやすくなると共に、樹脂注
入圧力が巻線に直接的に作用することがなく、巻線にダ
メージを与えることを防止することができる。
のゲートの位置とは反対側の端面であって、絶縁体にス
テータコアの端面において径小となるように形成された
段差部に位置させれば(請求項5の発明)、渡り線にダ
メージを与えることを防止する効果に優れるものとな
る。
端子台の上面部に配置するようにしても良く(請求項6
の発明)、これによれば、樹脂注入圧力は直接的には端
子台に作用することになり、巻線にダメージを与えるこ
とを効果的に防止することができる。
れるモールド層は、その厚み寸法があまり大きくなる
と、ステータコアとロータとの間のギャップが大きくな
ってモータの効率が低下し、そうかといって、あまり薄
くし過ぎると、耐ヒートショック性が弱くなってしま
う。そこで、本発明者の研究によれば、モールド層のス
テータコアの外周部における厚み寸法は、ステータコア
のティースの磁極部の幅寸法の3〜9%とすることが好
ましく(請求項7の発明)、これにより、モータ効率及
び耐ヒートショック性の双方を満足する厚み寸法を得る
ことができる。
周部を、スロットオープン部のひけが成形型で補正され
ることにより、均一面とすることができ(請求項8の発
明)、これにより、ステータコアの外周部のモールド層
を均等に構成することができ、耐ヒートショック性を良
好とすることができる。
ータコアの端面からやや径小となって軸方向に延長する
と共に、その延長部の外周面にパーティングラインが位
置されるように構成しても良く(請求項9の発明)、こ
れにより、パーティングラインが、ステータコアの外周
部のモールド層に現れることがなくなり、耐ヒートショ
ック性などに対する悪影響を防止することができる。
エンドの外周側に立上がる外周壁部を一体に有するもの
とすると共に、その外周壁部の高さ寸法を厚み寸法の3
倍以下とすることができる(請求項10の発明)。これ
によれば、外周壁部によって巻線の巻装作業の作業性等
を向上させることに加え、その外周壁部が高さ寸法に対
し相対的にある程度の厚みを有することにより、樹脂注
入圧力によって変形するといったことを未然に防止する
ことができる。
の外周面に、凸部を設けるようにしても良く(請求項1
1の発明)、これにより、モールド成形時に凸部が成形
型の内面に当接することによって、外周壁部が樹脂注入
圧力により変形することを防止することができる。
された金属板を打抜いてなる導体をインサート成形する
ことにより構成でき、コネクタ部においてその導体の先
端部がコネクタピンとなるのであるが、導体の切断面は
防錆性に劣ることになる。そこで、導体に2個の折曲部
を設け、それら2個の折曲部において板面が90度ねじ
られる構成とすることができる(請求項12の発明)。
これによれば、コネクタピンの接触面を導体のメッキ面
とすることができ、コネクタピンの切断面が錆びること
による通電不良等の悪影響を未然に防止することができ
る。
動用に用いられるアウタロータ形のモータに適用した一
実施例(請求項1,2,3,4,5,7,8,9,1
1,12に対応)について、図1ないし図11を参照し
ながら説明する。まず、図3は、本実施例に係るアウタ
ロータ形モータ(ファンモータ)1の全体構成を示して
いる。尚、このモータ1は、センサレスDCブラシレス
モータとされている。
て、ケーシング2、このケーシング2に取付けられる後
部軸受組立3、この後部軸受組立3に取付けられる本実
施例に係るステータ4、このステータ4に取付けられる
前部軸受組立5、前記両軸受組立3,5に回転自在に支
持される回転軸6を有するファン一体形のロータ7を有
して構成されている。
のプラスチックからなり、後面(図3で右側の面)が開
放した薄形のほぼ円筒状をなすと共に、その前壁部の中
心部には、円形穴2aが形成されている。また、前壁部
の前面外周寄り部分にはリング状の凹溝部2bが形成さ
れており、ケーシング2の外周部には、前方(図で左
側)に延びる例えば3個の係止爪2c(1個のみ図示)
が120度間隔で形成されている。さらに、このケーシ
ング2の外周部には、放射方向に延びる例えば4本のス
ティ8(一部のみ図示)が90度間隔で一体に設けら
れ、それらスティ8の外周部には図示しないベルマウス
が一体に設けられている。
メッキ鋼板からなるブラケット9内に、球状焼結メタル
からなる軸受10を有して構成される。前記ブラケット
9は、後面が開放した薄形円筒状の主部から前方側(図
で左方)に一体に延びる突出管部9aを有して構成さ
れ、その突出管部9aの先端部には前記回転軸6が挿通
される穴9bが形成されている。このブラケット9内に
は、前記軸受10が、軸受押え11及びばね12より押
付けられて設けられると共に、含油フェルト13,14
が設けられている。さらに、ブラケット9の後面開口部
は、例えば亜鉛メッキ鋼板からなる蓋部材15により塞
がれて、その蓋部材15の内面中心部には、前記回転軸
6の先端を受けるスラスト板16が設けられている。
内に、後ろ側から密に嵌め込まれるようになっており、
このとき、ブラケット9の突出管部9aが円形穴2aを
通して前方側に突出するようになっている。尚、詳しく
図示はしないが、前記円形穴2aの内周面には複数の凸
部が形成されており、突出管部9aは、その凸部を潰す
ようにしながら圧入されるようになっている。また、ブ
ラケット9の主部の端縁部には、外周側に向けていわゆ
る返りが形成されており、その返りがケーシング2の内
周面に食込むようになっている。
するように、軸方向に貫通する中心孔17aを有するス
テータコア17を備え、前記中心孔17aの内周面に
は、周方向に3か所に凸部17b(図6参照)が形成さ
れている。これにて、ステータコア17の中心孔17a
の後半部に対して、前記ブラケット9の突出管部9aを
圧入するように嵌挿させることにより、後部軸受組立3
とステータ4とが、ケーシング2を両側から挟み付ける
ようにして固定されるようになっている。この場合、金
属同士の圧入により、軸心合わせ(いわゆる芯出し)が
容易且つ正確になされ、偏心することなく強固に固定さ
れるようになっている。また、このとき、ステータ4に
図で下方に延びて設けられたコネクタ部18が、1個
(下向き)のスティ8と重なるように位置されるように
なっている。
受組立3とほぼ同等の構成を有しており、従って、突出
管部19aを有するブラケット19、球状焼結メタルか
らなる軸受20、軸受押え21、ばね22、含油フェル
ト23,24、蓋部材25を備えて構成されている。こ
の場合、後部軸受組立3と異なる点として、前記蓋部材
25は中心に開口部25aが形成されており、また前記
突出管部19aは比較的短く構成されている。
3とは反対向きに、ステータコア17の中心孔17aの
前半部に対して、前記ブラケット19の突出管部19a
を圧入するように嵌挿させることにより、ステータ4に
固定されるようになっている。この場合にも、金属同士
の圧入により、軸芯合わせが容易且つ正確になされ、偏
心することなく強固に固定されるようになっている。こ
のとき、前記中心孔17a内には、前記突出管部9aと
突出管部19aとの先端面同士間に位置して、抜止め部
材26が配置されるようになっている。この抜止め部材
26は、例えばナイロン6からリング状に構成され、後
述する回転軸6の抜止めの機能を果たすようになってい
る。
た円筒状をなす亜鉛メッキ鋼板製のロータヨーク27、
このロータヨーク27の内周面に取付けられた例えば1
2極(6対)のロータマグネット28、前記ロータヨー
ク27の外周部を覆うように設けられた例えばPBT製
のファンボス部29から構成されている。また、図示は
しないが、ファンボス部29の外周部には、4枚あるい
は3枚ファン(送風羽根)が一体に形成されている。
その途中部に、径小部6aを一体に有して構成されてい
る。この回転軸6の基端部(前端部)が、前記ロータヨ
ーク27の中心部に連結されている。尚、前記ファンボ
ス部29は、ロータヨーク27に対してインサート成形
により一体化されており、その材料の一部が、ロータヨ
ーク27に形成された孔27aを介してつながった状態
で、ロータヨーク27の端面の内面側に位置して、回転
軸6の周囲を覆うように設けられている。
6を、前記前部軸受組立5の蓋部材25の開口部25a
から挿入して軸受20に圧入し、さらに奥方まで挿入し
ていくことにより、後部軸受組立3の軸受10に先端が
スラスト板16に当接するまで圧入することにより組付
けられる。これにて、ロータ7は、2個の軸受20,1
0に回転可能に支持され、ロータマグネット28が前記
ステータ4に僅かなギャップを存して対向するように設
けられる。
造の球状メタルから構成されているので、回転軸6ひい
てはロータ7の軸芯合わせの精度を良好とすることがで
きる。また、このとき、回転軸6は、抜止め部材26の
開口部を押し広げながら挿入され、ロータ7の組付け状
態では、抜止め部材26が回転軸6の径小部6aに嵌合
した状態となり、もって一旦組付けてしまえば、抜止め
部材26による回転軸6の抜止めが図られるようになっ
ている。
ついて、以下詳述する。図1は、ステータ4の外観を示
し、図2,図4,図5等は、ステータ4のモールド層を
形成する前の様子を示している。尚、これら図1,図
2,図5等は、図3におけるステータ4を、後側(右
側)を上向きにした(軸方向を上下方向とした)状態で
示しており、以下、便宜上、図1,図2,図5に示す上
下方向をステータ4の上下方向として説明する。
7、絶縁体30、スター結線される三相の巻線31、前
記コネクタ部18を一体的に有する端子台32、熱可塑
性樹脂からなるモールド層33等から構成される。この
うちステータコア17は、鋼板を軸方向に積層して構成
され、図6等に示すように、円筒状のヨーク部17cの
外周に、この場合9本のティース17dを有して構成さ
れている。前記ヨーク部17cの内周部が前記中心孔1
7aとされている。また、各ティース17dの先端部に
は、円周方向に拡がる磁極部17eを有している。
ブタジエンテレフタレート)をベース材料とし、少量
(例えば15%)のガラス成分を含んでなる熱可塑性樹
脂の成型品から構成されている。この絶縁体30は、前
記ステータコア17の各スロットの内面に沿って薄肉状
に覆うような形状に設けられていると共に、図2,図
4,図5,図7に示すように、内周側に、ステータコア
17のヨーク部17cの上下両面から軸方向に立上がる
円筒状部30a,30bを一体に有している。
ティース17d(磁極部17b)の上下に立上がる外周
壁部30cを一体に有して構成されている。また、本実
施例では、図4,図7に示すように、前記各外周壁部3
0cの外周側の面には、縦方向に延びる凸部30dが一
体に形成されている。この凸部30dは、図7(a)に
示すように、ステータコア17(磁極部17e)の外面
よりも外周方向に、ほぼ寸法Pw だけ突出するように設
けられている。
部30aには、図2に示すように、三相の巻線31の通
電側の各端部が接続される3本のピン34が、比較的接
近した状態で、上方に突出するように取付けられている
と共に、そこからやや離れた位置に、各巻線31のコモ
ン側の端部が接続されるピン35がやはり上方に突出す
るように取付けられている。
示すように、ステータコア17の端面においてやや径小
となるように設けられ、これにより段差部30eが形成
されている。尚、絶縁体30の上部側のピン34の近傍
に位置する外周壁部30cの一部には、端子台32を固
定するための爪部30f(図3,図5参照)が設けられ
いる。また、詳しく図示はしないが、この絶縁体30
は、上下方向(軸方向)に2分割された状態で供され、
それらをステータコア17に上下方向から嵌め込むよう
にして装着されるようになっている。
ィース17dに対して、絶縁体30の外面に巻装されて
設けられる。このとき、各相の巻線31の端部は、ピン
34,35に接続されるようになっている。そして、図
4に示すように、巻線31の渡り線31aは、ステータ
コア17の下面側(ピン34,35とは反対側)におい
て段差部30e部分を通されるようになっている。
電気的に接続される基端部側の主部から、外周方向(図
5で右方)に突出すると共に、上方に膨らんで高さを確
保するメス形のコネクタ部18とを一体に有してなり、
図3,図5等に示すように、この場合PBTをベース材
料とし、比較的多量(例えば30%)のガラス成分を含
んだ熱可塑性樹脂から成るベース32aに、3本の導体
36をインサート成形して構成されている。これら導体
36は、メッキ鋼板を切断して構成され、基端部側(主
部側)では、ある程度の幅を有する板状をなしていると
共に、前記ピン34が挿通される孔36a(図5参照)
を有している。ベース32aは、この孔36a部分にて
導体36を露出させるように設けられている。
延び、その先端部が、コネクタ部18のハウジング内に
突出してコネクタピン36bとされるのであるが、基端
部から先端部のコネクタピン36bまで、2個の折曲部
にていわゆる稲妻形に折曲げられている。このとき、図
10に示すように、2個の折曲部にて折曲げられる際
に、併せてひねりが加えられ、基端部と先端部との間
で、90度ねじられるようになっている。これにより、
導体36は、そのメッキ面が、基端部にて上下方向を向
き、先端部(コネクタピン36b)部分で、側方を向く
(切断面が上下を向く)ように構成されている。尚、図
10では、便宜上、切断面をハッチングを付して示して
いる。
主部が、ステータコア17の上部側の絶縁体30に嵌込
み取付けされ、このとき、前記3本のピン34が、夫々
導体36の孔36aを貫通するようになっている。そし
て、この部分でピン34と導体36とが半田付けされる
ことにより、電気的な接続がなされるようになってい
る。
巻線31を巻装し端子台32を取付けたステータコア1
7を、成形型37(図11に一部のみ図示)内に収容
し、PBTをベース材料とした溶融樹脂を注入すること
に基づいて成形される。このモールド層33は、図1,
図3に示すように、ステータコア17のうち、中心孔1
7a及び上下両端面のうち中心孔17a周囲部分を除く
全体を、ほぼ円柱状にモールドするように形成されてい
る。従って、モールド層33は、前記ステータコア17
の外周面、巻線31、絶縁体30、各ピン34,35、
端子台32のうちコネクタ部18を除く主部を一体的に
覆うように設けられている。
33はステータコア17(ティース17dの磁極部17
e)の外周部を薄肉状に覆うようになり、この薄肉部の
厚み寸法Mw は、ティース17d(磁極部17e)の幅
寸法Tw の3〜9%とされている。具体的には、ティー
ス17d(磁極部17e)の幅寸法Tw が8.89mmに
対し、薄肉部の厚み寸法Mw が、0.35mmとされてい
る。尚、前記絶縁体30の凸部30dの突出寸法Pw
は、寸法Mw と同等あるいは僅かに小さく構成されてい
る。
ルド層33には、ステータコア17の上面側において、
前記ケーシング2の凹溝部2bに対応したリング状の凸
部33aが一体に形成されていると共に、外周の3か所
に位置して前記係止爪2cが係止される被係止部33b
(1個のみ図示)が一体に形成されている。一方、モー
ルド層33は、ステータコア17の下面側において、軸
方向に円筒状に延び下面側にて開口する延出部33cが
一体に形成されている。
モールド層33のうちステータコア17の外周部を覆う
部分の外形寸法よりもごく僅かに小さく構成され、図1
に示すように、この延長部33cの外周面(段差となる
部分)にパーティングラインPが現れるようになってい
る。また、図3に示すように、この延長部33の内周部
には、前記前部軸受組立5のブラケット19の外周部が
ほぼ密に嵌合するようになっている。
のように、ケーシング2を挟み付けるようにして後部軸
受組立3と結合され、このとき、図3に示すように、モ
ールド層33のリング状の凸部33aがケーシング2の
凹溝部2bに嵌合し、位置決め及び水の侵入が防止され
るようになっている。これと共に、被係止部33bが、
ケーシング2の係止爪2cに係止されるようになってい
る。これにて、ステータコア17の内周部と後部軸受組
立3のブラケット9とが固定されることと併せて、ケー
シング2、後部軸受組立3、ステータ4の三者が、強固
に固定されると共に、軸心合わせが容易且つ正確になさ
れるようになっている。
に、前部軸受組立5が嵌合することによって、ステータ
コア17の内周部と前部軸受組立5のブラケット19と
が固定されることと併せて、前部軸受組立5も、強固に
固定されると共に、軸心合わせが容易且つ正確になされ
るようになっている。そして、このとき、ステータコア
17の外周面(モールド層33を除く)と、ロータマグ
ネット28との間に形成されるギャップ寸法は、0.5
〜1mmとされるようになっている。
をベース材料とし、強度向上のための少量のガラス成分
を含むと共に、ゴム系のエラストマーを添加した熱可塑
性樹脂から構成されている。ゴム系のエラストマーを添
加することによって、溶融材料の流動性をより向上する
ことができ、これにて、ステータコア17の外周部を十
分薄くモールドすることが可能となるのである。
絶縁体30及び端子台32とは、ゴム系エラストマーの
添加の有無や、含有されるガラス成分の量が異なるだけ
で、同一種類のベース材料(PBT)から構成されるこ
とになる。これにて、モールド成形時に、モールド層3
3を形成する樹脂と絶縁体30及び端子台32の表面と
が熱溶着しやすくなり、モールド層33と絶縁体30及
び端子台32との接着性に優れるものとなると共に、そ
れらの線膨脹係数も同等となるので、モールド層33、
絶縁体30、端子台32の三者が強固に一体化されるよ
うになる。
3の外形に対応したキャビティを有しており、このとき
図11に示すように、キャビティのうちステータコア1
7の外周部に対応する部分には、ステータコア17の外
周に現れる各スロットオープン部(隣合う磁極部17e
同士間の隙間)に対応して凹部37aが形成されてい
る。この凹部37aは、樹脂硬化時のいわゆるひけを考
慮して設けられている。また、キャビティ内に樹脂を注
入するゲート37bは、ステータコア17の上面側の、
スロットオープン部の隣合うティース17dの中間部分
に位置されている。図1には、モールド層33のゲート
部33dが示されている。さらに、図示はしないが、上
述のように、成形型37は、パーティングラインPが、
モールド層33の延長部33cの段差部分に位置される
ように設けられている。
31を巻装し端子台32を取付けたステータコア17
が、位置決め状態で成形型37内に収容される。このと
き、前記絶縁体30の外周壁部30cの外面に設けられ
た凸部30dは、ステータコア17の外周に突出してい
るので、凸部30dが成形型37にほぼ当接するように
なる。そして、この状態からゲート37bを通して溶融
樹脂が注入されると共に、成形型37のキャビティ内が
真空引きされる。
れてステータコア17等が樹脂によりモールドされるの
であるが、溶融樹脂の流動性が十分に高いものとなって
いるので、ステータコア17の外周部の薄い隙間部分に
も良好に樹脂が注入されるようになる。また、このと
き、ゲート37bの位置を上記のようにしたことによ
り、巻線31のコイル辺同士間を通して、下面側の端面
部分へ樹脂が回りやすくなると共に、樹脂の注入圧力が
直接的に巻線31に作用することはなく、巻線31にダ
メージを与えることも未然に防止できる。さらには、巻
線31の渡り線31aがゲート37bとは反対側の絶縁
体30の段差部30eに位置しているので、渡り線31
aにダメージが作用することも防止できるのである。
30dが成形型37の内面にほぼ当接しているので、外
周壁部30cが樹脂注入圧力により外側へ倒れ変形する
ことも未然に防止される。その後、樹脂が冷却硬化して
モールド層33となる際の収縮によって、モールド層3
3の表面にいわゆるひけが生ずるが、そのひけが成形型
37に形成された凹部37aによりいわば補正されるよ
うになり、ステータコア17の外周部のモールド層33
を均等に構成することができ、耐ヒートショック性を良
好とすることができる。しかも、パーティングラインP
を延長部33cの外周面に来るように設定したので、耐
ヒートショック性などに対する悪影響を与えることを防
止することができるのである。
は、例えば冷蔵庫の庫内(冷凍室,冷蔵室)への冷気供
給用のファン(あるいは機械室のコンプレッサ冷却用の
ファン)として用いられる。この場合、通常時には例え
ば−10℃の冷気に晒され、また、除霜運転時には例え
ば30℃程度の高温に晒されるといった、多湿環境、結
露,氷結環境で使用されることになる。
タコア17の中心孔17aを除くほぼ全体、巻線31、
ピン34,35を有する絶縁体30、半田付け部分を含
む端子台29の基端部の全体が、熱可塑性樹脂からなる
モールド層33により一体的にモールドされているの
で、多湿環境で使用される場合であっても、十分な防錆
効果を得ることができる。特に、ステータコア17の外
周部をもモールド層33により覆う構成としたので、別
途に防錆剤を塗布することを不要としながらも十分な防
錆効果を得ることができるものである。
ールド層33を十分に薄いものとすることができ、十分
な耐熱性や耐ヒートショック性を得ることができること
も確認されている。そして、モールド層33により覆う
ことにより、ステータ4としての取扱い性が良好となっ
て組付性がより向上する。さらには、モールド層33に
より、巻線31の保護や、絶縁性の向上、機械的強度の
向上を図ることができることは勿論である。
ータコア17とロータマグネット28との間のギャップ
を小さく、つまりロータコア17の外周部のモールド層
33の厚みをできるだけ薄くすることが望ましく、また
モールド層33の材質に熱可塑性樹脂を採用したことに
よって、実際にモールド層33を十分薄く形成すること
が可能となったのであるが、ロータコア17の外周部の
モールド層33の厚み寸法Mw をあまりに小さくし過ぎ
ると、耐ヒートショック性の低下を招くことになる。
効率及び耐ヒートショック性の双方を満足するには、モ
ールド層33のステータコア17の外周部における厚み
寸法Mw を、ステータコア17のティース17dの磁極
部17eの幅寸法Tw の3〜9%とすれば良いことが確
認できたのである。図9は、本発明者による、モールド
層33のステータコア17の外周部における厚み寸法に
対する、耐ヒートショック性(曲線A)及びモータ効率
(曲線B)の関係を調べた試験結果を示している。
の磁極部17eの幅寸法Tw に対するモールド層33の
厚み寸法Mw の比率(Mw /Tw )を%で示しており、
また、耐ヒートショック性の加速度試験では、−30度
で1時間保持、80度で1時間保持のサイクルを連続的
に繰返した際の、割れが発生するまでの回数を示してい
る。この図9からも理解できるように、モールド層33
のステータコア17の外周部における厚み寸法Mw を、
ステータコア17のティース17dの磁極部17eの幅
寸法Tw の3〜9%とすれば、高いモータ効率(40%
以上)が得られると共に、耐ヒートショック性の試験で
も約200回以上耐え得るものとなり、モータ効率及び
耐ヒートショック性の双方を満足するものとなるのであ
る。
にオス側のコネクタが接続されてインバータ駆動回路に
接続されるようになっている。ここで、前記端子台32
にインサートされているメッキ鋼板からなる導体36の
先端部がコネクタ部18のコネクタピン36bとなるの
であるが、このコネクタピン36bは、板面が90度ね
じられていて、オス側コネクタとの接触面が切断面でな
くメッキ面とされているので、コネクタピン36bの切
断面が錆びることによる通電不良等の悪影響を未然に防
止することができるものである。
線を樹脂モールドする場合には熱硬化性樹脂を用いる、
あるいはステータコアの外周部までモールドすることは
行わないといった従来の常識に反して、ステータ4を、
熱可塑性樹脂からなるモールド層33によってステータ
コア17の外周部をも一体的にモールドするように構成
した。これにより、多湿環境、結露,氷結環境で使用す
る場合でも十分な防錆効果が得られ、従来必要であった
防錆剤の塗布を不要とすることができて製造工程の簡単
化を図ることができ、しかも、モールド層33の厚み寸
法を適切なものとして、耐ヒートショック性に優れなが
らも、モータ1の十分に高い効率を確保することができ
る等の優れた効果を得ることができるものである。
0に対応)を示している。この実施例では、上記実施例
における絶縁体30の外周壁部30cに凸部30dを形
成したことに代えて、絶縁体41の外周壁部41aの高
さ寸法aを厚み寸法bの3倍以下とした、言換えれば厚
み寸法を比較的大きいものとしたものである。この場
合、具体的には、高さ寸法aが3mm、厚み寸法bを1.
5mmとしている。かかる構成によっても、外周壁部41
aがある程度の厚みを有していることにより、樹脂注入
圧力によって変形するといったことを未然に防止するこ
とができる。
脂注入用のゲート37bを、スロットオープン部の隣合
うティース17dの中間部分に対応した位置に設けるこ
とに代えて、ゲートの位置を端子台32の主部の上面部
に対応した位置としても良く(請求項6に対応)、これ
によっても、樹脂注入圧力は直接的には端子台32に作
用することになり、巻線30にダメージを与えることを
効果的に防止することができる。
れるものではなく、例えばモールド層33を構成する熱
可塑性樹脂材料としては、PPS(ポリフェニレンサル
ファイト)等の各種材料を用いることが可能であり、ま
た、ステータの細部構成としても種々の変更が可能であ
り、さらには、モータの用途としても冷蔵庫用のファン
モータに限らず様々なものが考えられるなど、要旨を逸
脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
のアウタロータ形モータのステータによれば、巻線及び
ステータコアの外周部並びに端子台の基端部を、熱可塑
性樹脂からなるモールド層によって一体的にモールドす
るように構成したので、十分な防錆効果を得、且つモー
タの良好な特性を確保しながらも、製造工程の簡単化を
図ることができるという優れた実用的効果を奏するもの
である。
視図
示す斜視図
らの斜視図
図
面図
図(b)を並べて示す図
トショック性及びモータ効率との関係を示す図
び側面図(b)を並べて示す図
的に示す横断平面図
3は後部軸受組立、4はステータ、5は前部軸受組立、
6は回転軸、7はロータ、17はステータコア、17a
は中心孔、17dはティース、17eは磁極部、18は
コネクタ部、30,41は絶縁体、30c,41aは外
周壁部、30dは凸部、30eは段差部、31は巻線、
31aは渡り線、32は端子台、33はモールド層、3
3cは延長部、34はピン、36は導体、37は成形
型、37aは凹部、37bはゲート、Pはパーティング
ラインを示す。
Claims (12)
- 【請求項1】 ステータコアと、このステータコアに絶
縁体を介して巻装された巻線と、前記絶縁体に設けられ
前記巻線の端部が接続されるピンと、基端側が前記ピン
に電気的に接続され先端側に外部接続用のコネクタ部を
有する端子台と、前記巻線及びステータコアの外周部並
びに端子台の基端部を一体的にモールドする熱可塑性樹
脂からなるモールド層とを具備してなるアウタロータ形
モータのステータ。 - 【請求項2】 絶縁体及び端子台は、モールド層と同一
種類のベース材料からなる熱可塑性樹脂から構成されて
いることを特徴とする請求項1記載のアウタロータ形モ
ータのステータ。 - 【請求項3】 モールド層を構成する熱可塑性樹脂は、
ベース材料にゴム系のエラストマーを添加してなること
を特徴とする請求項1又は2記載のアウタロータ形モー
タのステータ。 - 【請求項4】 モールド層のゲートの位置を、ステータ
コアのスロットオープン部の隣合うティースの中間部分
に配置したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれ
かに記載のアウタロータ形モータのステータ。 - 【請求項5】 巻線の渡り線は、ステータコアのゲート
の位置とは反対側の端面であって、絶縁体にステータコ
アの端面において径小となるように形成された段差部に
位置されることを特徴とする請求項4記載のアウタロー
タ形モータのステータ。 - 【請求項6】 モールド層のゲートの位置を、端子台の
上面部に配置したことを特徴とする請求項1ないし3の
いずれかに記載のアウタロータ形モータのステータ。 - 【請求項7】 モールド層のステータコアの外周部にお
ける厚み寸法は、該ステータコアのティースの磁極部の
幅寸法の3〜9%とされていることを特徴とする請求項
1ないし6のいずれかに記載のアウタロータ形モータの
ステータ。 - 【請求項8】 モールド層のうちステータコアの外周部
は、スロットオープン部のひけが成形型で補正されるこ
とにより、均一面とされていることを特徴とする請求項
1ないし7のいずれかに記載のアウタロータ形モータの
ステータ。 - 【請求項9】 モールド層の外周面部は、スタータコア
の端面からやや径小となって軸方向に延長されていると
共に、その延長部の外周面にパーティングラインが位置
されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれ
かに記載のアウタロータ形モータのステータ。 - 【請求項10】 絶縁体は、巻線のコイルエンドの外周
側に立上がる外周壁部を一体に有し、その外周壁部の高
さ寸法が厚み寸法の3倍以下とされていることを特徴と
する請求項1ないし9のいずれかに記載のアウタロータ
形モータのステータ。 - 【請求項11】 絶縁体は、巻線のコイルエンドの外周
側に立上がる外周壁部を一体に有し、その外周壁部の外
周面に凸部が設けられていることを特徴とする請求項1
ないし10のいずれかに記載のアウタロータ形モータの
ステータ。 - 【請求項12】 端子台は、2個の折曲部を有する金属
板からなる導体をインサート成形して構成されると共
に、前記導体は、2個の折曲部において板面が90度ね
じられることを特徴とする請求項1ないし11のいずれ
かに記載のアウタロータ形モータのステータ。
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