JP2000031304A - メモリ素子およびメモリアレイ - Google Patents

メモリ素子およびメモリアレイ

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JP2000031304A
JP2000031304A JP10197817A JP19781798A JP2000031304A JP 2000031304 A JP2000031304 A JP 2000031304A JP 10197817 A JP10197817 A JP 10197817A JP 19781798 A JP19781798 A JP 19781798A JP 2000031304 A JP2000031304 A JP 2000031304A
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JP10197817A
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Kazumasa Nomoto
和正 野本
Ichiro Fujiwara
一郎 藤原
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 消費電力が小さく、高速で情報の書き込みお
よび消去をすることができるメモリ素子を提供する。 【解決手段】 伝導領域13の上に絶縁層14aを介し
て電荷蓄積層15を形成する。電荷蓄積層15の上には
絶縁層14bを介してゲート電極16を形成し、電荷蓄
積層15の側部には絶縁層14dを介して確率変調電極
17を形成する。絶縁層14aの厚さは電荷がトンネル
可能な厚さとし、絶縁層14bおよび絶縁層14dの厚
さは電荷が容易にトンネルできない厚さとする。情報の
書き込みおよび消去の際には、ゲート電極16と共に確
率変調電極17にも電位を印加する。これにより、伝導
領域13と電荷蓄積層15間における電荷のトンネル確
率が空間的に変調され、電荷のトンネル確率が大幅に増
大する。よって、低い電圧で高速に情報の書き込みおよ
び消去を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電荷蓄積層に電荷を
蓄積することにより情報を保持するメモリ素子およびそ
れを集積したメモリアレイに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のEEPROM(Electric Erasabl
e-Programable Read Only Memory)やフラッシュメモリ
などに代表されるメモリ素子は、MOS(Metal-Oxide-
Semicondtor )トランジスタのゲート電極と伝導領域と
の間に、絶縁層(例えば二酸化ケイ素層)により囲まれ
た電荷蓄積層を備えている。このメモリ素子では、ソー
ス電極とドレイン電極との間およびゲート電極に高電圧
が印加されると、伝導領域から電化蓄積層にトンネル効
果により電荷(すなわち電子または正孔)が遷移して電
荷蓄積層に蓄積され、その個数の違いを情報の違いとし
て保持するようになっている。保持された情報は、電荷
蓄積層に蓄積された電荷の個数によりソース電極とドレ
イン電極との間に流れる電流の大きさが変化することを
利用して読み出すことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
メモリ素子では、電荷蓄積層に蓄積された電荷を長時間
保持するために絶縁層の厚さが一般的には10〜20n
m程度と厚くなっていた。また、ゲート電極により電荷
蓄積層と伝導領域との間に一様に電場をかけるようにな
っていたので、絶縁層のポテンシャル障壁高さも空間的
に一様であった。そのため、情報の書き込みや消去を実
用的な時間で行うには10V以上の大きなゲート電圧を
印加しなければならず、書き込みや消去に要する時間も
短くするには限界があった。よって、従来のメモリ素子
では、素子を微細化することができず、高集積化したメ
モリアレイを作製することができないという問題があっ
た。また、大きな消費電力が必要であると共に、動作を
高速化することができないという問題もあった。
【0004】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、消費電力が小さく、高速で情報の書
き込みおよび消去ができ、かつ高集積化することができ
るメモリ素子およびそれを集積したメモリアレイを提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によるメモリ素子
は、電流の通路としての伝導領域と、この伝導領域から
トンネル効果により遷移された電荷を蓄積する電荷蓄積
層と、伝導領域と電荷蓄積層との間における電荷のトン
ネル確率を空間的に変調する確率変調電極とを備えたも
のである。
【0006】本発明によるメモリアレイは、本発明のメ
モリ素子を集積したものである。
【0007】本発明によるメモリ素子では、伝導領域と
電荷蓄積層との間に電圧が印加されると、伝導領域の電
荷がトンネル効果により電荷蓄積層に遷移する。これに
より、電荷蓄積層に電荷が蓄積され、情報が保持され
る。また、伝導領域と電荷蓄積層との間に逆方向の電圧
が印加されると、電荷蓄積層に蓄積された電荷がトンネ
ル効果により伝導領域に遷移する。これにより、情報が
消去される。ここでは、この情報の書き込みおよび消去
の際に、確率変調電極に電位が印加され、伝導領域と電
荷蓄積層との間における電荷のトンネル確率が空間的に
変調される。よって、電荷はトンネル確率の高い部分を
通って伝導領域から電荷蓄積層に遷移する。従って、低
い電圧で高速に情報の書き込みおよび消去が行われる。
【0008】本発明によるメモリアレイは本発明のメモ
リ素子を用いたものであり、情報の書き込みおよび消去
は確率変調電極に電圧が印加されることにより、高速か
つ低い電圧で行われる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0010】(第1の実施の形態)図1は本発明の第1
の実施の形態に係るメモリ素子の上部から見た構造を表
すものである。図2は図1に示したメモリ素子のI−I
線に沿った断面構造を表すものである。このメモリ素子
は、図2に示したように、基板10の表面に間隔を開け
て形成されたソース領域11とドレイン領域12とを有
している。基板11は、例えば、ボロン(B)などのp
型不純物が添加された単結晶のp型シリコン(Si)に
より構成されている。ソース領域11およびドレイン領
域12は、例えば、基板11にリン(P)またはヒ素
(As)などのn型不純物が導入されることにより形成
されており、導電型はn型となっている。ソース領域1
1とドレイン領域12との間における基板10の表面
は、電流の通路としての伝導領域13として機能する。
【0011】ソース領域11とドレイン領域12との間
の基板10の上には、第1の絶縁層としての絶縁層14
aを介して、伝導領域13から遷移された電荷を蓄積す
る電荷蓄積層15が形成されている。なお、ここでは、
電荷として電子が蓄積されるようになっている。絶縁層
14aは、二酸化ケイ素(SiO2 )などの絶縁体によ
り構成されている。電荷蓄積層15は、例えば、シリコ
ンにより構成されている。このシリコンは不純物が添加
されていないものでもよく、また、ボロンなどのp型不
純物が添加されたp型の導電性を有するものでも、リン
またはヒ素などのn型不純物が添加されたn型の導電性
を有するものでもよい。また、この電荷蓄積層15は、
多結晶膜により構成されてもよく、微結晶の集合体によ
り構成されてもよい。伝導領域13と電荷蓄積層15と
の間の距離(すなわち、絶縁層14aの厚さ)toxは、
電荷がトンネリング可能な距離(例えば、50nm未
満)とされている。電荷蓄積層15のうち伝導領域13
と対向する面の面積は、1μm2 以下となっている。
【0012】電荷蓄積層15の伝導領域13と反対側に
は、第2の絶縁層としての絶縁層14bを介して、電荷
蓄積層15と対応する位置に、伝導領域13の伝導度お
よび電荷蓄積層15の電荷量を制御する制御電極として
のゲート電極16が形成されている。絶縁層14bは、
絶縁層14aと同様に、二酸化ケイ素などの絶縁体によ
り構成されている。ゲート電極16は、例えば、アルミ
ニウム(Al)または銅(Cu)などの低抵抗の金属、
あるいは不純物の添加により低抵抗化されたシリコンな
どの半導体により構成されている。電荷蓄積層15とゲ
ート電極16との間の距離(すなわち、絶縁層16の厚
さ)dは、電荷が容易にトンネリングできない距離(例
えば、50nm以上)とされている。なお、このゲート
電極16と絶縁層14bは非オーミック接触状態となっ
ている。
【0013】基板10の上には、また、絶縁層14cを
介して確率変調電極17が形成されている。絶縁層14
cは、絶縁層14aと同様に、二酸化ケイ素などの絶縁
体により構成されている。確率変調電極17は、伝導領
域13との間に電圧を印加することにより伝導領域13
と電荷蓄積層15との間における電荷のトンネル確率を
空間的に変調するためのものである。確率変調電極17
は、図1に示したように、約U字型となっており、その
一端部17aはソース領域11と電荷蓄積層15との間
の領域に位置し、他端部17bはドレイン領域12と電
荷蓄積層15との間の領域に位置している。また、確率
変調電極17は、例えば、アルミニウムまたは銅などの
低抵抗の金属、あるいは不純物の添加により低抵抗化さ
れたシリコンなどの半導体により構成されている。な
お、確率変調電極17は、電荷蓄積層15がp型シリコ
ンよりなる場合にはそれと導電型が異なるn型半導体に
より構成され、電荷蓄積層15がn型シリコンよりなる
場合にはそれと導電型が異なるp型半導体により構成さ
れることが好ましい。伝導領域13と電荷蓄積層15と
の間におけるトンネル確率の空間的な変調を大きくする
ことができるからである。
【0014】伝導領域13と確率変調電極17との間の
距離は短い方が(すなわち、絶縁層14cの厚さは薄い
方が)伝導領域13と電荷蓄積層15との間におけるト
ンネル確率の空間的な変調が大きくなるので好ましい。
但し、あまり短いとトンネル電流が増大してしまうので
好ましくない。なお、確率変調電極17と絶縁層14c
とは非オーミック接触状態となっている。
【0015】確率変調電極17と電荷蓄積層15との間
には、図2に示したように、第3の絶縁層としての絶縁
層14dが形成されている。絶縁層14dは、絶縁層1
4aと同様に、二酸化ケイ素などの絶縁体により構成さ
れている。確率変調電極17と絶縁層14dとは非オー
ミック接触状態となっている。確率変調電極17と電荷
蓄積層15との間の距離aは、電荷が容易にトンネリン
グできない距離とされている。なお、ここでは、電荷蓄
積層15の一部と確率変調電極17の一部とが基板10
の表面に対して平行な同一の面内に位置しているので、
絶縁層14dの厚さが確率変調電極17と電荷蓄積層1
5との間の距離aに該当している。この確率変調電極1
7と電荷蓄積層15との間の距離aは、ゲート電極16
と電荷蓄積層15との間の距離dよりも短くなってい
る。ゲート電極16と電荷蓄積層15との間の距離dよ
りも長い場合には、伝導領域13と電荷蓄積層15との
間におけるトンネル確率を空間的に変調することができ
ないからである。
【0016】ソース領域11の上にはソース電極18が
形成され、ドレイン領域12の上にはドレイン電極19
が形成されている。ソース電極18およびドレイン電極
19は、アルミニウム(Al)または銅(Cu)などの
低抵抗の金属によりそれぞれ構成されている。これらソ
ース電極18およびドレイン電極19と伝導領域13と
はオーミック接触している。なお、伝導領域13の周り
の基板10の表面には、このメモリ素子を他の素子と分
離するための二酸化ケイ素よりなる素子分離領域10a
が形成されている。
【0017】このような構成を有するメモリ素子は、次
のように作用する。
【0018】このメモリ素子では、例えば、ソース電極
18およびドレイン電極19の電位を0Vとし、ゲート
電極16および確率変調電極17の電位を1V以上とす
ることにより、電荷が伝導領域13から電荷蓄積層15
に遷移し情報が書き込まれる。図3は、このときのポテ
ンシャルの状態を表すものである。図3中において点線
はポテンシャルの等高線であり、点線の太さが太いほど
ポテンシャルが低いことを表している。すなわち、ここ
では、ゲート電極16と共に確率変調電極17にも電位
を印加することにより、電荷蓄積層15,絶縁層14a
および伝導領域13のポテンシャルが確率変調電極17
に近いほど低くなっている。よって、図3において矢印
で示したように、伝導領域13のうちポテンシャルが高
い領域(図3においては中央付近)に存在する電荷が絶
縁層14aのうちポテンシャルが低い領域をトンネルし
て電荷蓄積層15のうちポテンシャルが低い領域に遷移
する確率が高くなる。
【0019】ここで、このトンネル確率をWKB近似に
より求めると数1に示したようになる。数1において、
Eは一般に電子の持っているエネルギー、Vは絶縁層1
4aのポテンシャルバリア高さ、toxは絶縁層14aの
厚さ(すなわち伝導領域13と電荷蓄積層15との間の
距離)、mは電子の有効質量、hはプランク定数6.6
26×10-34 J・sである。なお、図4に以下の計算
に用いる構造パラメータを示す。
【0020】
【数1】
【0021】また、確率変調電極17から遠いポテンシ
ャルの最も大きい位置における絶縁層14aの電位φma
x は、数2に示したように近似される。数2において、
Vgはゲート電極16の電位、dは絶縁層14bの厚さ
(すなわち電荷蓄積層15とゲート電極16と間の距
離)、toxは絶縁層14aの厚さ(すなわち伝導領域1
3と電荷蓄積層15との間の距離)である。
【0022】
【数2】
【0023】同じく、電荷蓄積層15の端に対応する絶
縁層14aの電位φmin は、数3に示したように近似さ
れる。数3において、Vsgは確率変調電極17の電位、
lはポテンシャルバリアの中心から電荷蓄積層15の端
までの距離、aは電荷蓄積層15の端と確率変調電極1
7との間の距離である。
【0024】
【数3】
【0025】よって、伝導領域13のうちポテンシャル
が最も大きい位置に存在する電荷が、絶縁層14aのう
ち最大のポテンシャルバリアを有する領域をトンネル効
果によって遷移する確率を数4に示したようにすると、
同じ電荷が電荷蓄積層15の端に対応する絶縁層14a
をトンネル効果によって遷移する確率は数5に示したよ
うになる。数5においてeは素電荷1.6×10-19
である。
【0026】
【数4】
【数5】
【0027】例えば、電荷蓄積層15をシリコンにより
構成し、絶縁層14aを二酸化ケイ素により構成し、絶
縁層14の厚さtoxを10nm、絶縁層14bの厚さd
を100nm、電荷蓄積層15と確率変調電極17との
間の距離aを30nm、ポテンシャルバリアの中心から
電荷蓄積層15の端までの距離lを50nm、ゲート電
極16の電位Vg を5V、確率変調電極の電位Vsgを5
Vとすると、ポテンシャルの最も大きい位置における絶
縁層14aの電位φmax は0.23V、電荷蓄積層15
の端に対応する絶縁層14aの電位φmin は3.21V
となる。よって、数4から、伝導領域13のうちポテン
シャルが最も大きい位置に存在する電荷が、絶縁層14
aのうち最大のポテンシャルバリアを有する領域をトン
ネル効果によって遷移する確率pmin は、数6に示した
ようになり、同じ電荷が電荷蓄積層15の端に対応する
絶縁層14aをトンネル効果によって遷移する確率pma
xは、数7に示したようになる。
【0028】
【数6】pmin =1.4×10-8
【数7】pmax =2.8×10−2
【0029】すなわち、このように、確率変調電極17
を利用することにより、電荷のトンネル確率が大幅に増
加する。よって、このメモリ素子では、低いゲート電圧
で伝導領域13から電荷蓄積層15に電荷が高速で遷移
する。
【0030】また、このメモリ素子では、例えば、ソー
ス電極18およびドレイン電極19の電位を0Vとし、
ゲート電極16および確率変調電極17の電位を−1V
以下とすることにより、電荷が電荷蓄積層15から伝導
領域13に遷移し情報が消去される。この時にも、ゲー
ト電極16と共に確率変調電極17にも電位を印加する
ことにより、電荷蓄積層15と伝導領域13との間にお
ける電荷のトンネル確率が空間的に変調され、電荷のト
ンネル確率が大幅に増加する。よって、低いゲート電圧
で電荷蓄積層15から伝導領域13に電荷が高速で遷移
する。
【0031】更に、このメモリ素子では、ゲート電極1
6,確率変調電極17,ソース電極18およびドレイン
電極19の電位をすべて0Vにした状態で、あるいはそ
れぞれに書き込み時および消去時の印加電位の絶対値よ
りも小さい電位が印加された状態で情報が保持される。
【0032】加えて、このメモリ素子では、電荷蓄積層
15における電荷量の変化をゲート電極16の電位に対
する伝導領域13の伝導度または電流値の変化から検出
することにより、あるいは電荷蓄積層15における電荷
量の変化をゲート電極16および確率変調電極の電位に
対する伝導領域の伝導度又は電流値の変化から検出する
ことにより、保持された情報が読みだされる。
【0033】なお、このようなメモリ素子は、例えば、
NAND方式,NOR方式またはAND方式などの回路
アーキテクチャを用いて集積化され、メモリアレイとし
て用いられる。
【0034】また、このメモリ素子は、次のようにして
製造することができる。
【0035】図5はその各製造工程を図1におけるI−
I線に沿った断面図により表すものである。まず、図5
(A)に示したように、単結晶のp型シリコンよりなる
基板10の上に、例えば、LOCOS(Local O
xidation of Silicon)法などによ
り素子分離形成領域を選択的に酸化して、二酸化ケイ素
よりなる素子分離領域10aを形成する。次いで、同じ
く図5(A)に示したように、例えば、熱酸化法により
基板10の表面を酸化し、酸化膜21を形成する。この
酸化膜21の厚さは、伝導領域13と電荷蓄積層15と
の間の距離toxに合わせて決定する。
【0036】続いて、図5(B)に示したように、例え
ば、酸化膜21の上にCVD(Chemical Vapor Deposit
ion )法によりシリコン膜を形成したのち、それを選択
的にエッチングして電荷蓄積層15を形成する。電荷蓄
積層15を形成したのち、同じく図5(B)に示したよ
うに、全面に、例えば、CVD法あるいはプラズマエン
ハンスド化学堆積法(PECVD)法あるいはスパッタ
リング法により酸化膜22を形成する。この酸化膜22
の厚さは、電荷蓄積層15とゲート電極16との間の距
離dに合わせて決定する。
【0037】酸化膜22を形成したのち、酸化膜22お
よび酸化膜21を選択的にエッチングし、絶縁層14
a,14b,14c,14dをそれぞれ形成する。その
のち、この絶縁層14a,14b,14c,14dをマ
スクとして、例えば、基板10にリンやヒ素などのp型
不純物をイオン注入により導入し、ソース領域11およ
びドレイン領域12を形成する。
【0038】そののち、例えば、真空蒸着法あるいはス
パッタリング法あるいはCVD法により、ソース電極1
8,ドレイン電極19,ゲート電極16および確率変調
電極17をそれぞれ選択的に形成する。これにより、図
1および図2に示したメモリ素子が形成される。
【0039】このように本実施の形態に係るメモリ素子
によれば、伝導領域13と電荷蓄積層15との間におけ
る電荷のトンネル確率を空間的に変調する確率変調電極
17を備えるようにしたので、情報の書き込みおよび消
去の際に、ゲート電極16と共に確率変調電極17にも
電位を印加することにより、電荷のトンネル確率を大幅
に増大させることができる。よって、情報の書き込みお
よび消去を低い電圧で行うことができ、素子を微細化
(具体的には、電荷蓄積層15のうち伝導領域13と対
向する面の面積を1μm2 以下と)することができると
共に、消費電力を小さくすることができる。従って、メ
モリアレイを高集積化することができる。また、情報の
書き込みおよび消去を高速で行うことができる。
【0040】また、電荷蓄積層15をp型シリコンによ
り構成する場合には、確率変調電極17をn型半導体に
より構成し、電荷蓄積層15をn型シリコンにより構成
する場合には、確率変調電極17をp型半導体により構
成するようにすれば、伝導領域13と電荷蓄積層15と
の間における電荷のトンネル確率の空間的な変調を大き
くすることができる。よって、情報の書き込みおよび消
去をより低い電圧で高速に行うことができる。
【0041】なお、上記第1の実施の形態では、絶縁層
14a,14b,14c,14dをそれぞれ構成する絶
縁体として二酸化ケイ素を例に挙げて説明したが、絶縁
層14a,14b,14c,14dを窒化ケイ素(Si
3 4 )あるいは酸化窒化ケイ素などの他の絶縁体によ
りそれぞれ構成するようにしてもよい。ここで、酸化窒
化ケイ素というのは、酸素(O)と窒素(N)とケイ素
とからなる化合物のことを言う。また、上記第1の実施
の形態では、絶縁層14a,14b,14c,14dを
それぞれ同一の材料により構成するようにしたが、それ
らを互いに異なる材料によりそれぞれ構成するようにし
てもよい。
【0042】また、上記第1の実施の形態では、電荷蓄
積層15をシリコンにより構成する場合について説明し
たが、シリコン・ゲルマニウム(SiGe)またはゲル
マニウム(Ge)などにより構成するようにしてもよ
い。これらは、上記第1の実施の形態と同様に、不純物
が添加されていないものでもよく、ボロンなどのp型不
純物が添加されたp型の導電性を有するものでも、リン
またはヒ素などのn型不純物が添加されたn型の導電性
を有するものでもよい。電荷蓄積層15は多結晶膜によ
り構成されてもよく、微結晶の集合体により構成されて
もよい。また、この場合も、上述のように、絶縁層14
a,14b,14c,14dを窒化ケイ素あるいは酸化
窒化ケイ素などの他の絶縁体によりそれぞれ構成するよ
うにしてもよく、互いに異なった材料によりそれぞれ構
成するようにしてもよい。
【0043】更に、電荷蓄積層15を窒化ケイ素により
構成するようにしてもよい。この場合も、上述のよう
に、絶縁層14a,14b,14c,14dを酸化窒化
ケイ素などの他の絶縁体によりそれぞれ構成するように
してもよく、互いに異なった材料によりそれぞれ構成す
るようにしてもよい。
【0044】加えて、上記第1の実施の形態では、伝導
領域13の導電型がp型のエンハンスメント型とするよ
うにしたが、伝導領域にn型の不純物を導入することに
より伝導領域の導電型をn型とし、デプレッション型と
するようにしてもよい。
【0045】更にまた、上記第1の実施の形態では、基
板10をp型シリコンにより構成し、ソース領域11お
よびドレイン領域12の導電型をn型とするようにした
が、基板10をn型シリコンにより構成し、ソース領域
11およびドレイン領域12の導電型をp型とするよう
にしてもよい。この場合、第1の実施の形態とは異な
り、電荷蓄積層15に蓄積される電荷は正孔となる。従
って、情報の書き込みおよび消去の動作においては、第
1の実施の形態と電位の符号が逆になる。なお、この場
合も、エンハンスメント型に限らず、デプレッション型
とするようにしてもよい。
【0046】(第2の実施の形態)図6は本発明の第2
の実施の形態に係るメモリ素子の断面構造を表すもので
ある。本実施の形態は、メモリ素子を構成する材料につ
いて第1の実施の形態とは異なる例を示すものである。
【0047】このメモリ素子は、絶縁性のガリウムヒ素
(GaAs)よりなる基板30を備えている。基板30
の表面にはソース領域31とドレイン領域32とが間隔
を開けて形成されている。これらソース領域31および
ドレイン領域32は、例えば、GaAsと金属とが合金
化された合金層によりそれぞれ構成されている。ソース
領域31とドレイン領域32との間における基板30の
表面には、基板30と後述する絶縁層34aとのヘテロ
接合により二次電子ガス(2DEG)が蓄積しており、
電流の通路としての伝導領域33が形成されている。
【0048】ソース領域31とドレイン領域32との間
の基板30の上には、第1の絶縁層としての絶縁層34
aを介して、電荷蓄積層35が形成されている。この絶
縁層34aはアルミニウム・ガリウムヒ素(AlGaA
s)混晶により構成されたことを除き、第1の実施の形
態における絶縁層14aと同一の構成を有している。電
荷蓄積層35はGaAsにより構成されたことを除き、
第1の実施の形態における電荷蓄積層15と同一の構成
を有している。
【0049】電荷蓄積層35の伝導領域33と反対側に
は、第2の絶縁層としての絶縁層34bを介して、制御
電極としてのゲート電極36が形成されている。絶縁層
34bはAlGaAs混晶により構成されたことを除
き、第1の実施の形態における絶縁層14bと同一の構
成を有している。ゲート電極36は、例えば、アルミニ
ウムまたは銅などの低抵抗の金属、あるいは不純物の添
加により低抵抗化されたGaAsなどの半導体により構
成されていることを除き、第1の実施の形態におけるゲ
ート電極16と同一の構成を有している。
【0050】基板30の上には、また、絶縁層34cを
介して確率変調電極37が形成されている。絶縁層34
cはAlGaAs混晶により構成されたことを除き、第
1の実施の形態における絶縁層14cと同一の構成を有
している。確率変調電極37は、例えば、アルミニウム
または銅などの低抵抗の金属、あるいは不純物の添加に
より低抵抗化されたGaAsなどの半導体により構成さ
れていることを除き、第1の実施の形態におけるゲート
電極16と同一の構成を有している。確率変調電極37
と電荷蓄積層35との間には、第3の絶縁層としての絶
縁層34dが形成されている。絶縁層34dはAlGa
As混晶により構成されたことを除き、第1の実施の形
態における絶縁層14dと同一の構成を有している。
【0051】また、ソース領域31の上にはソース電極
38が形成され、ドレイン領域32の上にはドレイン電
極39が形成されている。ソース電極38およびドレイ
ン電極39は、金(Au)とゲルマニウムとの合金層
と、ニッケル(Ni)層と、金層とを基板30の側から
順次積層し、加熱処理により合金化した構造を有してい
ることを除き、第1の実施の形態におけるソース電極1
8およびドレイン電極19と同一の構成をそれぞれ有し
ている。なお、伝導領域33の周りの基板30の表面に
は、段差部よりなる素子分離領域30aが形成されてい
る。
【0052】このような構成を有するメモリ素子は、第
1の実施の形態と同様に作用し、同様にして用いられ
る。
【0053】また、このメモリ素子は、次のようにして
製造することができる。
【0054】図7はその各製造工程を表す断面図であ
る。まず、図7(A)に示したように、絶縁性のGaA
sよりなる基板30の上に、例えば、分子線エピタキシ
ー(Molecular Beam Epitaxy;MBE)法,有機金属気
相成長(Metal Organic Chemcal Vapor Deposition;M
OCVD)法あるいは有機金属分子線エピタキシー(Me
tal Organic Molecular Beam Epitaxy;MOMBE)法
により、AlGaAs層41およびGaAs層42を順
次積層する。AlGaAs層41の厚さは、伝導領域3
3と電荷蓄積層35との間の距離toxに合わせて決定す
る。
【0055】次いで、図7(B)に示したように、Ga
As層42を選択的にエッチングして電荷蓄積層35を
形成する。続いて、電荷蓄積層35およびAlGaAs
層41の上に、例えば、MBE法,MOCVD法あるい
はMOMBE法によりAlGaAs層43を積層する。
AlGaAs層43の厚さは、電荷蓄積層35とゲート
電極36との間の距離dに合わせて決定する。
【0056】AlGaAs層43を積層したのち、Al
GaAs層43,41および基板30をエッチングによ
り選択的に除去し、素子分離領域30aを形成する。そ
ののち、AlGaAs層43をエッチングにより選択的
に除去し、絶縁層34a,34b,34c,34dをそ
れぞれ形成する。
【0057】そののち、例えば、真空蒸着法あるいはス
パッタリング法により、ソース電極38およびドレイン
電極39を選択的にそれぞれ形成し、加熱処理によりソ
ース領域31およびドレイン領域32をそれぞれ形成す
る。また、例えば、真空蒸着法,スパッタリング法,M
BE法,MOCVD法あるいはMOMBE法により、ゲ
ート電極36および確率変調電極37をそれぞれ選択的
に形成する。これにより、図6に示したメモリ素子が形
成される。
【0058】このように本実施の形態に係るメモリ素子
によれば、第1の実施の形態とは異なる材料により第1
の実施の形態と同様に構成するようにしたので、第1の
実施の形態と同一の効果を有する。すなわち、電荷のト
ンネル確率を大幅に増大させることができ、情報の書き
込みおよび消去を低い電圧で高速に行うことができる。
また、第1の実施の形態と同様に、確率変調電極37を
電荷蓄積層35を構成する半導体とは導電型が異なる半
導体により構成するようにすれば、その効果をより高め
ることができる。
【0059】なお、上記第2の実施の形態では、伝導領
域33および電荷蓄積層35をGaAsによりそれぞれ
構成し、絶縁層34a,34b,34c,34dをそれ
ぞれAlGaAs混晶により構成するようにしたが、I
II族元素のインジウム(In)およびガリウムからな
る群のうちの少なくとも1種とV族元素のヒ素とを含む
他のIII−V族化合物半導体により伝導領域33およ
び電荷蓄積層35をそれぞれ構成し、III族元素のイ
ンジウム,アルミニウムおよびガリウムからなる群のう
ちの少なくとも1種とV族元素のヒ素とを含む他のII
I−V族化合物半導体により絶縁層34a,34b,3
4c,34dをそれぞれ構成するようにしてもよい。
【0060】また、III族元素のインジウムおよびガ
リウムからなる群のうちの少なくとも1種とV族元素の
アンチモン(Sb)とを含むIII−V族化合物半導体
により伝導領域33および電荷蓄積層35をそれぞれ構
成し、III族元素のインジウム,アルミニウムおよび
ガリウムからなる群のうちの少なくとも1種とV族元素
のアンチモンとを含むIII−V族化合物半導体により
絶縁層34a,34b,34c,34dをそれぞれ構成
するようにしてもよい。
【0061】更に、シリコン・ゲルマニウムまたはゲル
マニウムにより伝導領域33および電荷蓄積層35をそ
れぞれ構成し、シリコン・ゲルマニウムまたはシリコン
により絶縁層34a,34b,34c,34dをそれぞ
れ構成するようにしてもよい。
【0062】加えて、上記第2の実施の形態では、伝導
領域33と電荷蓄積層35とを同一の材料によりそれぞ
れ構成し、絶縁層34a,34b,34c,34dを同
一の材料によりそれぞれ構成するようにしたが、それら
を互いに異なる材料によりそれぞれ構成するようにして
もよい。
【0063】更にまた、上記第2の実施の形態では、伝
導領域33を基板30の表面に形成された二次電子ガス
の蓄積層により構成するようにしたが、不純物を添加し
た半導体により構成するようにしてもよい。その際、伝
導領域33をn型半導体により構成した場合には、電荷
蓄積層35に蓄積される電荷は電子となり、伝導領域3
3をp型半導体により構成した場合には、電荷蓄積層3
5に蓄積される電荷は正孔となる。よって、この場合も
第1の実施の形態と同様に作用するが、電荷蓄積層35
に蓄積される電荷が電子の場合には、書き込みおよび消
去における電位の符号が上記第1の実施の形態と逆にな
る。
【0064】(第3の実施の形態)図8は本発明の第3
の実施の形態に係るメモリ素子の断面構造を表すもので
ある。このメモリ素子は、基板50の構成が異なること
を除き、第1の実施の形態と同一の構成,作用および効
果を有している。また、第1の実施の形態と同様にして
用いられ、同様にして製造することができる。よって、
ここでは、同一の構成要素には同一の符号を付し、その
詳細な説明を省略する。
【0065】基板50は、サファイア,適宜なガラスあ
るいはプラスチックなどよりなる基板本体50bの表面
にアモルファスあるいは多結晶のシリコン膜50cが形
成されたSOI(Silicon-On-Insulator)基板あるいは
SOS(Silicon-On-Sapphire )基板などにより構成さ
れている。素子分離領域50aは、シリコン膜50cが
除去されることにより形成されている。なお、このシリ
コン膜50cの除去は、SF6 (六フッ化硫黄),Cl
2 (塩素)あるいはCF4 (四フッ化炭素)を用いたプ
ラズマエッチングあるいはフッ化水素(HF)を用いた
ウエットエッチングにより行われる。
【0066】なお、本実施の形態においても、第1の実
施の形態で説明したように、絶縁層14a,14b,1
4c,14dおよび電荷蓄積層15を他の材料によりそ
れぞれ構成することができる。また、伝導領域13の導
電型はp型でもn型でもよく、エンハンスメント型でも
デプレッション型でもよい。
【0067】(第4の実施の形態)図9は本発明の第4
の実施の形態に係るメモリ素子の断面構造を表すもので
ある。このメモリ素子は、伝導領域13と電荷蓄積層1
5との間に形成された遷移層61を備えたことを除き、
第1の実施の形態と同一の構成,作用および効果を有し
ている。また、第1の実施の形態と同様にして用いら
れ、同様にして製造することができる。よって、ここで
は、同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な
説明を省略する。
【0068】遷移層61は、伝導領域13の電荷を電荷
蓄積層15に遷移させるものであり、絶縁層14aに埋
め込まれている。遷移層61は少なくとも1つ(図9に
おいては伝導領域13の表面に対して垂直な方向に2
つ)形成されている。最も伝導領域13に近い遷移層6
1と伝導領域13との間の距離および互いに隣接する各
遷移層61の間の距離および最も電荷蓄積層15に近い
遷移層61と電荷蓄積層15との間の距離は、それぞれ
電荷がトンネル可能な距離となっている。なお、伝導領
域13の表面に対して垂直な方向における遷移層61の
数は、多い方が伝導領域13と電荷蓄積層15との間の
距離を遠くすることができ、伝導領域13と確率変調電
極17との間の距離も遠くすることができるので好まし
い。
【0069】このように本実施の形態によれば、遷移層
61を設けるようにしたので、伝導領域13と電荷蓄積
層15との間の距離を遠くすることができ、それにより
伝導領域13と確率変調電極17との間の距離も遠くす
ることができる。よって、伝導領域13と電荷蓄積層1
5との間における電荷のトンネル確率を空間的に変調す
る効果を確保しつつ、伝導領域13から確率変調電極1
7にトンネル電流が流れることを防止することができ
る。
【0070】なお、本実施の形態においても、第1の実
施の形態で説明したように、絶縁層14a,14b,1
4c,14dおよび電荷蓄積層15を他の材料によりそ
れぞれ構成することができる。また、伝導領域13の導
電型はp型でもn型でもよく、エンハンスメント型でも
デプレッション型でもよい。また、本実施の形態は、第
1の実施の形態のみならず、第2および第3の実施の形
態についても同様に適用することができる。その際、第
2の実施の形態において説明したように、伝導領域3
3,電荷蓄積層35および絶縁層34a,34b,34
c,34dを他の材料によりそれぞれ構成することもで
き、伝導領域33を不純物を添加した半導体により構成
することもできる。
【0071】(第5の実施の形態)図10は本発明の第
5の実施の形態に係るメモリ素子を上から見た構造を表
すものである。図11は図10に示したメモリ素子のI
I−II線に沿った断面構造を表すものである。このメ
モリ素子は、確率変調電極77の形状が異なることを除
き、第1の実施の形態と同一の構成,作用および効果を
有している。また、第1の実施の形態と同様にして用い
られ、同様にして製造することができる。よって、ここ
では、同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細
な説明を省略する。
【0072】確率変調電極77は、ソース領域11とド
レイン領域12との間においてゲート電極16を覆うよ
うに形成されており、II−II線に沿った断面におい
ても伝導領域13の方が開放された約U字型となってい
る。なお、ゲート電極16と確率変調電極77との間に
は、二酸化ケイ素などの絶縁体よりなる絶縁層74が形
成されている。この絶縁層74の厚さは、電荷が容易に
トンネリングできない距離とされていることが好まし
い。このように本実施の形態によれば、確率変調電極7
5によりゲート電極16を覆うようにしたので、確率変
調電極77を少ない工程で容易に形成することができ
る。
【0073】なお、本実施の形態においても、第1の実
施の形態で説明したように、絶縁層14a,14b,1
4c,14dおよび電荷蓄積層15を他の材料によりそ
れぞれ構成することができる。また、伝導領域13の導
電型はp型でもn型でもよく、エンハンスメント型でも
デプレッション型でもよい。また、本実施の形態は、第
1の実施の形態のみならず、第2乃至第4の実施の形態
についても同様に適用することができる。その際、第2
の実施の形態において説明したように、伝導領域33,
電荷蓄積層35および絶縁層34a,34b,34c,
34dを他の材料によりそれぞれ構成することもでき、
伝導領域33を不純物を添加した半導体により構成する
こともできる。
【0074】以上、各実施の形態を挙げて本発明を説明
したが、本発明は上記各実施の形態に限定されるもので
はなく、種々変形可能である。例えば、上記各実施の形
態においては、確率変調電極17,37,77の形状お
よび形成位置について具体的な例を挙げて説明したが、
確率変調電極はゲート電極16,36よりも電荷蓄積層
15,35の近くに位置していればよく、他の形状およ
び他の位置に形成することもできる。例えば、確率変調
電極を、伝導領域13,33の表面に対して垂直な方向
において電荷蓄積層15,35とゲート電極16,36
との間に位置するように形成してもよい。また、電荷蓄
積層15,35の全体を囲むように形成してもよい。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように請求項1乃至24の
いずれか1に記載のメモリ素子によれば、伝導領域と電
荷蓄積層との間における電荷のトンネル確率を空間的に
変調する確率変調電極を備えるようにしたので、情報の
書き込みおよび消去の際に確率変調電極に電位を印加す
ることにより、電荷のトンネル確率を大幅に増大させる
ことができる。よって、情報の書き込みおよび消去を低
い電圧で行うことができ、素子を微細化することができ
ると共に、消費電力を小さくすることができる。従っ
て、メモリアレイを高集積化することができるという効
果を奏する。また、情報の書き込みおよび消去を高速で
行うことができるという効果も奏する。
【0076】また、請求項3記載のメモリ素子によれ
ば、確率変調電極を電荷蓄積層とは導電型が異なる半導
体により構成するようにしたので、伝導領域と電荷蓄積
層との間における電荷のトンネル確率の空間的な変調を
大きくすることができる。よって、情報の書き込みおよ
び消去をより低い電圧で高速に行うことができるという
効果を奏する。
【0077】更に、請求項23記載のメモリ素子によれ
ば、遷移層を備えるようにしたので、伝導領域と電荷蓄
積層との間の距離を遠くすることができ、それにより伝
導領域と確率変調電極との間の距離も遠くすることがで
きる。よって、伝導領域と電荷蓄積層との間における電
荷のトンネル確率を空間的に変調する効果を確保しつ
つ、伝導領域から確率変調電極にトンネル電流が流れる
ことを防止することができるという効果を奏する。
【0078】加えて、請求項25記載のメモリアレイに
よれば、本発明のメモリ素子を用いるようにしたので、
高集積化することができると共に、消費電力を小さくす
ることができるという効果を奏する。また、高速で動作
させることができるという効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るメモリ素子の
構成を表す平面図である。
【図2】図1に示したメモリ素子の構成を表すI−I線
に沿った断面図である。
【図3】確率変調電極に正の電荷を印加した場合におけ
る電子に対するポテンシャルの状態を表す模式図であ
る。
【図4】伝導領域と電荷蓄積層との間における電荷のト
ンネル確率を計算する際に用いる構造パラメータを説明
する断面図である。
【図5】図1および図2に示したメモリ素子の各製造工
程を表す断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るメモリ素子の
構成を表す断面図である。
【図7】図6に示したメモリ素子の各製造工程を表す断
面図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係るメモリ素子の
構成を表す断面図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係るメモリ素子の
構成を表す断面図である。
【図10】本発明の第5の実施の形態に係るメモリ素子
の構成を表す平面図である。
【図11】図10に示したメモリ素子の構成を表すII
−II線に沿った断面図である。
【符号の説明】
10,30,50…基板、10a,30a,50a…素
子分離領域、11,31…ソース領域、12,32…ド
レイン領域、13,33…伝導領域、14a,14b,
14c,14d,34a,34b,34c,34d,7
4…絶縁層、15,35…電荷蓄積層、16,36…ゲ
ート電極(制御電極)、17,37,77…確率変更電
極、18,38…ソース電極、19,39…ドレイン電
極、21,22…酸化膜、41,43…AlGaAs
層、42…GaAs層、50b…基板本体、50c…シ
リコン膜、61…遷移層
フロントページの続き Fターム(参考) 5F001 AA06 AA09 AA13 AA34 AA62 AB02 AB07 AC02 AD08 AD20 AD52 AD53 AD62 AD70 AD80 AE02 AE03 AE08 AG27 5F083 EP02 EP09 EP17 EP22 EP24 EP30 EP44 EP52 EP76 EP77 EP79 ER09 ER19 ER21 GA01 GA05 HA02 HA06 HA10 JA01 JA04 JA05 JA19 JA31 JA36 JA37 PR21

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電流の通路としての伝導領域と、 この伝導領域からトンネル効果により遷移された電荷を
    蓄積する電荷蓄積層と、 前記伝導領域と前記電荷蓄積層との間における電荷のト
    ンネル確率を空間的に変調する確率変調電極とを備えた
    ことを特徴とするメモリ素子。
  2. 【請求項2】 前記伝導領域および前記電荷蓄積層は半
    導体によりそれぞれ構成され、前記確率変調電極は半導
    体または金属により構成されたことを特徴とする請求項
    1記載のメモリ素子。
  3. 【請求項3】 前記電荷蓄積層は不純物を添加しない半
    導体または第1導電型の半導体により構成され、前記確
    率変調電極は第1導電型とは導電型が異なる第2導電型
    の半導体により構成されたことを特徴とする請求項1記
    載のメモリ素子。
  4. 【請求項4】 前記電荷蓄積層は多結晶膜よりなること
    を特徴とする請求項2記載のメモリ素子。
  5. 【請求項5】 前記電荷蓄積層は微結晶の集合体よりな
    ることを特徴とする請求項2記載のメモリ素子。
  6. 【請求項6】 更に、前記伝導領域と前記電荷蓄積層と
    の間に形成された第1の絶縁層を備えたことを特徴とす
    る請求項1記載のメモリ素子。
  7. 【請求項7】 前記電荷蓄積層はシリコンにより構成さ
    れ、前記第1の絶縁層は酸化ケイ素,窒化ケイ素または
    酸化窒化ケイ素のいずれかにより構成されたことを特徴
    とする請求項6記載のメモリ素子。
  8. 【請求項8】 前記電荷蓄積層は第1導電型のシリコン
    により構成され、前記確率変調電極は第1導電型とは導
    電型が異なる第2導電型のシリコンにより構成されたこ
    とを特徴とする請求項7記載のメモリ素子。
  9. 【請求項9】 前記電荷蓄積層はシリコン・ゲルマニウ
    ム(SiGe)またはゲルマニウムにより構成され、前
    記第1の絶縁層は酸化ケイ素,窒化ケイ素または酸化窒
    化ケイ素のいずれかにより構成されたことを特徴とする
    請求項6記載のメモリ素子。
  10. 【請求項10】 前記電荷蓄積層は窒化ケイ素により構
    成され、前記第1の絶縁層は酸化ケイ素または酸化窒化
    ケイ素により構成されたことを特徴とする請求項6記載
    のメモリ素子。
  11. 【請求項11】 前記伝導領域および前記電荷蓄積層は
    シリコン・ゲルマニウムまたはゲルマニウムにより構成
    され、前記第1の絶縁層はシリコン・ゲルマニウムまた
    はシリコンにより構成されたことを特徴とする請求項6
    記載のメモリ素子。
  12. 【請求項12】 前記伝導領域および前記電荷蓄積層は
    III族元素のインジウムおよびガリウムからなる群の
    うちの少なくとも1種とV族元素のヒ素とを含むIII
    −V族化合物半導体によりそれぞれ構成され、前記第1
    の絶縁層はIII族元素のインジウム,アルミニウムお
    よびガリウムからなる群のうちの少なくとも1種とV族
    元素のヒ素とを含むIII−V族化合物半導体によりそ
    れぞれ構成されたことを特徴とする請求項6記載のメモ
    リ素子。
  13. 【請求項13】 前記伝導領域および前記電荷蓄積層は
    III族元素のインジウムおよびガリウムからなる群の
    うちの少なくとも1種とV族元素のアンチモンとを含む
    III−V族化合物半導体によりそれぞれ構成され、前
    記第1の絶縁層はIII族元素のインジウム,アルミニ
    ウムおよびガリウムからなる群のうちの少なくとも1種
    とV族元素のアンチモンとを含むIII−V族化合物半
    導体によりそれぞれ構成されたことを特徴とする請求項
    6記載のメモリ素子。
  14. 【請求項14】 更に、前記電荷蓄積層の前記伝導領域
    と反対側に形成され、前記電荷蓄積層と前記伝導領域と
    の間に電圧を印加するための制御電極を備えたことを特
    徴とする請求項1記載のメモリ素子。
  15. 【請求項15】 前記制御電極は半導体または金属によ
    り構成されたことを特徴とする請求項14記載のメモリ
    素子。
  16. 【請求項16】 更に、前記電荷蓄積層と前記制御電極
    との間に形成された第2の絶縁層を備えたことを特徴と
    する請求項14記載のメモリ素子。
  17. 【請求項17】 前記制御電極および前記確率変調電極
    に前記伝導領域の電位よりも高い電位が印加されること
    により情報が書き込まれると共に、前記制御電極および
    前記確率変調電極に前記伝導領域の電位よりも低い電位
    が印加されることにより情報が消去されることを特徴と
    する請求項14記載のメモリ素子。
  18. 【請求項18】 前記制御電極および前記確率変調電極
    に前記伝導領域の電位よりも低い電位が印加されること
    により情報が書き込まれると共に、前記制御電極および
    前記確率変調電極に前記伝導領域の電位よりも高い電位
    が印加されることにより情報が消去されることを特徴と
    する請求項14記載のメモリ素子。
  19. 【請求項19】 情報は、前記制御電極および前記確率
    変調電極に情報の書き込み時および情報の消去時よりも
    絶対値で小さい電位が印加された状態で、または電位が
    印加されない状態で保持されることを特徴とする請求項
    14記載のメモリ素子。
  20. 【請求項20】 保持された情報は、前記電荷蓄積層に
    おける電荷量の変化を前記伝導領域の伝導度または電流
    値の変化から検出することにより読み出されることを特
    徴とする請求項14記載のメモリ素子。
  21. 【請求項21】 前記電荷蓄積層における前記伝導領域
    と対向する面の面積は1μm2 以下であることを特徴と
    する請求項1記載のメモリ素子。
  22. 【請求項22】 更に、前記電荷蓄積層と前記確率変調
    電極との間に形成された第3の絶縁層を備えたことを特
    徴とする請求項1記載のメモリ素子。
  23. 【請求項23】 更に、前記伝導領域と前記電荷蓄積層
    との間に形成され、前記伝導領域から前記電荷蓄積層に
    電荷を遷移させる少なくとも1層の遷移層を備えたこと
    を特徴とする請求項1記載のメモリ素子。
  24. 【請求項24】 更に、前記伝導領域と前記遷移層との
    間および前記各遷移層の間および前記遷移層と前記電荷
    蓄積層との間にそれぞれ形成された第4の絶縁層を備え
    たことを特徴とする請求項23記載のメモリ素子。
  25. 【請求項25】 複数のメモリ素子が集積されたメモリ
    アレイであって、 前記メモリ素子は、電流の通路としての伝導領域と、こ
    の伝導領域からトンネル効果により遷移された電荷を蓄
    積する電荷蓄積層と、前記伝導領域と前記電荷蓄積層と
    の間における電荷のトンネル確率を空間的に変調する確
    率変調電極とを備えたことを特徴とするメモリアレイ。
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