JP2000028009A - １つの操作軸による２軸回転装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 操作順序を考慮せず、単に、１つの操作軸の
回転方向を特定するだけで、自動的に適正な操作順序に
基づいて２軸を回転させることができる１つの操作軸に
よる２軸回転装置を提供する。 【解決手段】 １つの操作軸４０を弁開方向Ｒ１に回転
させると、まず、副軸側回転部材３４の歯車部３４Ｃに
より副軸側ピニオン３２および軸１４を回転して、副弁
体３を弁開する。ついで第１旋回アーム部３４Ｃ側の一
方の連繋部３５を主軸側回転部材３３における第２旋回
アーム部３３Ｂ側の他方の連繋部３６に干渉して、歯車
部３３Ａにより主軸側ピニオン３１および上弁棒４を回
転して、軸主弁体２を弁開する。また、操作軸４０を弁
閉方向Ｒ２に回転させ、一方の連繋部３５を他方の連繋
部３６に干渉させることで、逆方向に上弁棒４を回転さ
せて主弁体２を弁閉する。ついで第１旋回アーム部３４
Ｃの逆旋回に伴う副軸側回転部材３４の逆回転で副弁体
３を弁閉する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、副弁内蔵形バタフ
ライ弁の開閉装置などに好適な１つの操作軸による２軸
回転装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】副弁内蔵形バタフライ弁は、図１１ない
し図１３に示すように、弁箱１と、この弁箱１に開閉自
在に収容された主弁体２と、主弁体２に開閉自在に収容
された副弁体３を備えている。主弁体２には上弁棒４と
下弁棒５が固着されている。上弁棒４は軸線Ｃ方向の貫
通孔６を設けた筒状のもので、弁箱１の上側軸支部７に
よって軸線Ｃまわりの回転自在、かつ気密に支持されて
上側軸支部７の上方に突出している。下弁棒５は弁箱１
の下側軸支部８によって軸線Ｃまわりの回転自在、かつ
気密に支持されており、上弁棒４および下弁棒５の軸線
Ｃまわりの正逆方向の回転によって、主弁体２が弁箱１
の通路を開閉する。

【０００３】副弁体３には上弁棒９と下弁棒１０が固着
され、上弁棒９は主弁体２に設けた副弁箱１１の上側軸
支部１２によって軸線Ｃまわりの回転自在、かつ気密に
支持されて上側軸支部１２の上方に突出している。下弁
棒１０は副弁箱１１の下側軸支部１３によって軸線Ｃま
わりの回転自在、かつ気密に支持されている。

【０００４】主弁体２の上弁棒４に設けた軸線Ｃ方向の
貫通孔６には、上端部を上弁棒４の上方に突出させた軸
１４が軸線Ｃまわりの回転自在に挿通され、この軸１４
の下端部と副弁体３の上弁棒９の上端部がカップリング
１５を介して同時回転可能に互いに連結されている。

【０００５】弁箱１における上側軸支部７にはスタンド
１６を介して２軸回転装置１７が載置される。２軸回転
装置１７は、２つの操作軸１８、１９により、主弁体２
の上弁棒４と副弁体３側の軸１４との２軸を回転させる
ためのもので、前記軸線Ｃと同心の軸線を有する第１ギ
ヤケース２０と、この第１ギヤケース２０の一側に取付
けられた第２ギヤケース２１とを有し、第１ギヤケース
２０の下端部がスタンド１６に固定され、第１ギヤケー
ス２０の上端開口部はカバー２２によって着脱可能に閉
塞されている。

【０００６】一方の操作軸１８は、主弁体２の上弁棒４
を軸線Ｃまわりの正逆方向に回転させるためのもので、
図１３および図１５に示すように、第２ギヤケース２１
の一端部に設けた軸支部２３によって軸線Ｃ１まわりの
回転自在、かつ気密に支持されて軸支部２３の上方に突
出しており、一方の操作軸１８の軸線Ｃ１まわりの回転
は、ベベルピニオン２４Ａ、ベベルギヤ２４Ｂ、ピニオ
ン２４Ｃ、スパーギヤ２４Ｄなどの歯車列２４を介して
水平方向のウオーム軸２５に伝達され、ウオーム軸２５
の回転は該ウオーム軸２５に設けたウオーム２６を介し
て、軸線Ｃと同心の軸線を有するウオームホイール２７
に伝達される。ウオームホイール２７は第１ギヤケース
２０とカバー２２によって軸線Ｃまわりに回転自在に支
持されたホイールボス２８に固着され、このホイールボ
ス２８の中心孔２８Ａに主弁体２における上弁棒４の上
端部を嵌合して、たとえばキー（図示省略）により同時
回転可能に結合している。

【０００７】他方の操作軸１９は、軸１４およびカップ
リング１５を介して副弁体３の上弁棒９を軸線Ｃまわり
の正逆方向に回転させるためのもので、図１５に示すよ
うに、カバー２２の中心孔２２Ａを着脱可能に閉塞して
いるステムカバー２９によって軸線Ｃまわりの回転自
在、かつ気密に支持されてステムカバー２９の上方に突
出しており、他方の操作軸１９に設けた軸線Ｃ方向の盲
貫孔３０に軸１４の上端部を嵌合して、たとえばテーパ
ピン（図示省略）により同時回転可能に結合されてい
る。

【０００８】前記構成において、主弁体２と副弁体３が
全閉されている副弁内蔵形バタフライ弁の弁閉状態から
主弁体２と副弁体３とを全開した、副弁内蔵形バタフラ
イ弁の弁開状態を得る手順について説明する。

【０００９】まず、他方の操作軸１９を弁開方向（たと
えば、投影平面上で反時計まわり）に回転させる。この
回転は軸１４とカップリング１５を介して副弁体３の上
弁棒９に伝達され、該上弁棒９、副弁体３および下弁棒
１０を同時に弁開方向に回転させて、副弁体３を全開す
ることができる。

【００１０】副弁体３の全開によって、弁箱１の上流側
と下流側の差圧が小さくなった時点で、一方の操作軸１
８を弁開方向（たとえば、投影平面上で反時計まわり）
に回転させる。この回転はベベルピニオン２４Ａ、ベベ
ルギヤ２４Ｂ、ピニオン２４Ｃ、スパーギヤ２４Ｄなど
の歯車列２４→ウオーム軸２５→ウオーム２６→ウオー
ムホイール２７→ホイールボス２８の経路で主弁体２の
上弁棒４に伝達され、該上弁棒４、主弁体２および下弁
棒５を同時に弁開方向に回転させて、主弁体２を全開す
ることができる。

【００１１】つぎに、主弁体２と副弁体３が全開されて
いる副弁内蔵形バタフライ弁の弁開状態から主弁体２と
副弁体３とを全閉した、副弁内蔵形バタフライ弁の弁閉
状態を得る手順について説明する。

【００１２】まず、一方の操作軸１８を弁閉方向（たと
えば、投影平面上で時計まわり）に回転させる。この回
転はベベルピニオン２４Ａ、ベベルギヤ２４Ｂ、ピニオ
ン２４Ｃ、スパーギヤ２４Ｄなどの歯車列２４→ウオー
ム軸２５→ウオーム２６→ウオームホイール２７→ホイ
ールボス２８の経路で主弁体２の上弁棒４に伝達され、
該上弁棒４、主弁体２および下弁棒５を同時に弁閉方向
に回転させて、主弁体２を全閉することができる。

【００１３】主弁体２の全閉によって、弁箱１の上流側
から下流側への流体の通過を大幅に制限したのち、他方
の操作軸１９を弁閉方向（たとえば、投影平面上で時計
まわり）に回転させる。この回転は軸１４とカップリン
グ１５を介して副弁体３の上弁棒９に伝達され、該上弁
棒９、副弁体３および下弁棒１０を同時に弁閉方向に回
転させて、副弁体３を全閉状態することができる。

【００１４】このように、副弁内蔵形バタフライ弁で
は、主弁体２と副弁体３の弁閉状態から弁開状態への操
作順序は、．他方の操作軸１９の回転操作による副弁
体３の弁開、．一方の操作軸１８の回転操作による主
弁体２の弁開によってなされ、主弁体２と副弁体３の弁
開状態から弁閉状態への操作順序は、．一方の操作軸
１８の回転操作による主弁体２の弁閉、．他方の操作
軸１９の回転操作による副弁体３の弁閉によってなされ
れる。

【００１５】

【発明が解決しようとする課題】このため、２つの操作
軸を有する従来の２軸回転装置では、主弁体と副弁体の
弁開と弁閉に際して、その都度、２つの操作軸を特定し
た順序で弁開または弁閉方向に回転操作しなければなら
ず、操作が煩わしい欠点を有しているとともに、操作順
序を誤ると弁開時および弁閉時の操作力が著しく増大し
て、スムーズな弁開と弁閉が妨げられる難点を有してい
る。

【００１６】そこで、本発明は、操作順序を考慮するこ
となく、単に、１つの操作軸の回転方向を特定するだけ
で、自動的に適正な操作順序に基づいて２軸を回転させ
るようにして、操作を容易にするとともに操作順序の誤
りを避けることができる１つの操作軸による２軸回転装
置を提供することを目的としている。

【００１７】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明に係る１つの操作軸による２軸回転装置は、
主軸と、この主軸の軸線に沿って該主軸に挿通された副
軸との２軸を、１つの操作軸の回転によって前記主軸の
軸線まわりに正逆方向のそれぞれに特定した順序で回転
させる２軸回転装置であって、前記主軸と同時回転可能
に設けられている主軸側ピニオンと、この主軸側ピニオ
ンに対向して前記副軸に同時回転可能に設けられている
副軸側ピニオンと、主軸側支軸の軸まわりに回転可能に
設けられた主軸側回転部材と、副軸側支軸の軸まわりに
回転可能に設けられた副軸側回転部材と、主軸および副
軸の軸線に交差する軸線を有して回転自在に支持されて
いるとともに、駆動歯車を設けた１つの操作軸と、前記
副軸側回転部材に設けられて前記駆動歯車に噛み合い可
能な従動歯車部と、前記副軸側回転部材に設けられて前
記副軸側ピニオンに噛み合い可能な副軸側歯車部と、前
記副軸側回転部材に設けられた第１旋回アーム部と、前
記主軸側回転部材に設けられて前記主軸側ピニオンに噛
み合い可能な主軸側歯車部と、前記主軸側回転部材に設
けられた第２旋回アーム部と、前記第１旋回アーム部に
設けた一方の連繋部とを備え、前記第２旋回アーム部に
は、前記１つの操作軸の第１回転方向の回転に追従して
前記第１旋回アーム部が旋回開始位置から旋回終了位置
の途中まで旋回する間は前記一方の連繋部に干渉せず、
前記第１旋回アーム部が前記旋回の途中から旋回終了位
置まで旋回する間は、前記一方の連繋部に干渉して前記
第２旋回アーム部の旋回により前記主軸側回転部材を回
転させ、同時に前記主軸を回転させるとともに、前記１
つの操作軸の第２回転方向の回転に追従して前記第１旋
回アーム部が前記旋回終了位置から前記旋回開始位置の
途中まで逆旋回する間は前記一方の連繋部に干渉して前
記第２旋回アーム部の逆旋回により前記主軸側回転部材
を逆回転させ、同時に前記主軸を逆回転させるととも
に、前記第１旋回アーム部が前記逆旋回の途中から前記
旋回開始位置まで逆旋回する間は、前記一方の連繋部に
干渉しない他方の連繋部が前記第２旋回アーム部に設け
られていることを特徴としている。

【００１８】本発明によれば、１つの操作軸を第１回転
方向に回転させることで、駆動歯車と従動歯車部との噛
合により、副軸側回転部材が副軸側支軸の軸まわりに回
転する。副軸側回転部材の回転により副軸側歯車部と噛
合っている副軸側ピニオンが回転し副軸を同時に回転さ
せるとともに、第１旋回アーム部が旋回する。第１旋回
アーム部が旋回開始位置から旋回終了位置の途中まで旋
回する間は一方の連繋部に第２旋回アーム部の他方の連
繋部が干渉しないので、主軸側回転部材および主軸は停
止している。

【００１９】１つの操作軸の第１回転方向への回転を継
続することにより、副軸は継続して回転するとともに、
第１旋回アーム部の旋回途中から旋回終了位置まで旋回
する間に一方の連繋部に第２旋回アーム部の他方の連繋
部が干渉して、主軸側回転部材および主軸は回転する。

【００２０】前記の状態において、１つの操作軸を第２
回転方向に回転させることで、駆動歯車と従動歯車部と
の噛合により、副軸側回転部材が副軸側支軸の軸まわり
に逆回転する。副軸側回転部材の逆回転により副軸側歯
車部と噛合っている副軸側ピニオンが逆回転し副軸を同
時に逆回転させるとともに、第１旋回アーム部が逆旋回
する。第１旋回アーム部が逆旋回開始位置から逆旋回終
了位置の途中まで逆旋回する間は一方の連繋部に第２旋
回アーム部の他方の連繋部が干渉して、主軸側回転部材
および主軸は逆回転して元位置に復帰する。

【００２１】さらに１つの操作軸の第２回転方向への回
転を継続することにより、副軸側回転部材は継続して逆
回転して元位置に復帰する。第１旋回アーム部が逆旋回
の途中から逆旋回終了位置まで旋回する間は、一方の連
繋部に第２旋回アーム部の他方の連繋部が干渉しないの
で、主軸側回転部材および主軸は停止している。

【００２２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面に基づいて前記従来の技術と同様に副弁内蔵形バタフ
ライ弁の開閉装置に適用した形態で説明する。したがっ
て、弁箱１、主弁体２、副弁体３、上弁棒４，９、下弁
棒５，１０、軸１４などの構造は従来例と同一であるの
で、図示を省略し、かつ図１１ないし図１５の従来例と
同一もしくは相当部分には同一符号を付す。

【００２３】図１は本発明の一実施の形態を示す縦断側
面図、図２は図１のＡ−Ａ線断面図、図３は図１のＢ−
Ｂ線断面図、図４は図１のＤ−Ｄ線断面図である。これ
らの図において、２軸回転装置１７は、主軸側セクタピ
ニオン３１と、副軸側ピニオン３２と、主軸側回転部材
３３と、副軸側回転部材３４と、上弁棒４および軸１４
の軸線に交差する軸線を有してケーシング４１に回転自
在に支持されているとともに、ウオーム４０Ａを設けた
１つの操作軸４０とを備えている。

【００２４】主軸側セクタピニオン３１には、主弁体２
における上弁棒４の上端部を嵌合してキー３７Ａにより
同時回転可能に互いに結合している。また、副軸側ピニ
オン３２には、軸１４の上端部を嵌合して同時回転可能
に結合している。

【００２５】主軸側回転部材３３は、主軸側回転軸３８
にキー３７Ｂにより同時回転可能に結合された主軸側歯
車部３３Ａと、主軸側回転軸３８にキー３７Ｃにより同
時回転可能に結合された第２旋回アーム部３３Ｂとから
なり、副軸側回転部材３４は、副軸側支軸３９に対して
筒状の基部３４ａを外嵌することで、副軸側支軸３９に
軸まわりの回転自在に取付けられた第１旋回アーム部３
４Ａと、この第１旋回アーム部３４Ａの筒状の基部３４
ａにキー３７Ｄにより同時回転可能に結合されていると
ともに、前記ウオーム４０Ａと噛合うウオームホイール
３４Ｂおよびウオームホイール３４Ｂの上側で筒状の基
部３４ａにキー３７Ｅにより同時回転可能に結合された
副軸側歯車部３４Ｃとからなる。

【００２６】一方、第１旋回アーム部３４Ａの先端部に
は、上方向に突設したピンによってなる一方の連繋部３
５が設けられている。また、第２旋回アーム部３３Ｂに
は、一方の連繋部３５を摺動自在に挿通するスリットに
よってなる他方の連繋部３６が厚さ方向に貫通して設け
られている。この他方の連繋部３６は、第２旋回アーム
部３３Ｂの先端から途中まで円弧状に延びる第１部位３
６Ａと、この第１部位３６Ａの後端部から第２旋回アー
ム部３３Ｂの基部中心に向かって真直に延びる第２部位
３６Ｂとを備え、図２の実線および図５に示す主弁体２
と副弁体３が全閉している状態では、他方の連繋部３６
における第１部位３６Ａの先端部に一方の連繋部３５が
位置している。

【００２７】前記構成において、主弁体２と副弁体３が
全閉している副弁内蔵形バタフライ弁の弁閉状態から主
弁体２と副弁体３とを全開する手順について説明する。

【００２８】図２の実線で示す位置に第２旋回アーム部
３３Ｂがあり、一点鎖線で示す位置に第１旋回アーム部
３４Ａがあるとともに、図５に示す主弁体２と副弁体３
が全閉している状態では、主軸側回転部材３３における
第２旋回アーム部３３Ｂに設けた他方の連繋部３６の第
１部位３６Ａの先端部に一方の連繋部３５が位置して、
第２旋回アーム部３３Ｂの旋回および主軸側歯車部３３
Ａの回転を拘束するセルフロック機能を発揮し、流体の
負荷による主弁体２の揺動を防止している。なお、副軸
側回転部材３４におけるウオームホイール３４Ｂはウオ
ームと噛み合っているので、副弁体３が流体の負荷によ
って揺動することはない。

【００２９】この状態で、図１および図４の１つの操作
軸４０を弁開方向Ｒ１に回転させると、ウオーム４０Ａ
とウオームホイール３４Ｂとの噛合により、副軸側回転
部材３４を構成しているウオームホイール３４Ｂおよび
副軸側歯車部３４Ｃが図３と図４の副軸側支軸３９の軸
まわりでＲＸ１方向に回転し、副軸側ピニオン３２と軸
１４を軸まわりに９０度回転させ、図６のように副弁体
３を弁開する。前記１つの操作軸４０の弁開方向Ｒ１の
回転によって第１旋回アーム部３４Ａが図２のＳＲ１方
向に旋回する。第１旋回アーム部３４Ａが図２の一点鎖
線で示す旋回開始位置から実線で示す旋回途中の位置ま
で移動している間は、一方の連繋部３５が他方の連繋部
３６における第１部位３６Ａに沿って旋回移動する。つ
まり、一方の連繋部３５に他方の連繋部３６が干渉しな
いので、主軸側回転部材３３および上弁棒４は停止して
いる。しかも、他方の連繋部３６における第１部位３６
Ａと第２部位３６Ｂの境界部に一方の連繋部３５が位置
して、第２旋回アーム部３３Ｂの旋回および主軸側歯車
部３３Ａの回転を拘束するセルフロック機能を発揮する
ので、流体の負荷による主弁体２の揺動を防止すること
ができる。また、副軸側回転部材３４におけるウオーム
ホイール３４Ｂはウオームと噛み合っているので、副弁
体３が流体の負荷によって揺動することはない。

【００３０】図２の実線および図６に示す副弁体３のみ
が弁開している状態において、１つの操作軸４０の弁開
方向Ｒ１の回転を継続すると、軸１４は継続して回転
し、かつ第１旋回アーム部３４Ａが図７の位置に到達す
るとともに、一方の連繋部３５が他方の連繋部３６にお
ける第２部位３６Ｂに干渉して、第２旋回アーム部３３
Ｂを図７の位置まで旋回させ、図８のように主弁体２を
中間開度に弁開する。第２旋回アーム部３３Ｂが図２の
実線で示す位置から図７の位置まで旋回している間に、
軸１４はさらに９０度回転して副弁体３を図８のように
中間開度で弁開する。この状態は、前記セルフロック機
能およびウオームホイール３４Ｂとウオームの噛み合い
によって保持される。

【００３１】図７および図８に示す主弁体２と副弁体３
が中間開度で弁開している状態において、１つの操作軸
４０の弁開方向Ｒ１の回転を継続すると、軸１４は継続
して回転し、かつ一方の連繋部３５が他方の連繋部３６
における第２部位３６Ｂに干渉して、第１旋回アーム部
３４Ａおよび第２旋回アーム部３３Ｂを図２の二点鎖線
で示す旋回終了位置まで旋回させ、上弁棒４が回転して
図９のように主弁体２を弁開する。第２旋回アーム部３
３が図７の位置から図２の二点鎖線で示す位置まで旋回
している間に、軸１４はさらに９０度回転して副弁体３
を図９のように弁閉する。この状態は、前記セルフロッ
ク機能およびウオームホイール３４Ｂとウオームの噛み
合いによって保持される。

【００３２】前記の状態において、図１および図４の１
つの操作軸４０を弁閉方向Ｒ２に回転させると、ウオー
ム４０Ａとウオームホイール３４Ｂとの噛合により、副
軸側回転部材３４を構成しているウオームホイール３４
Ｂおよび副軸側歯車部３４Ｃが図３と図４の副軸側支軸
３９の軸まわりでＲＸ２方向に逆回転し、副軸側ピニオ
ン３２と軸１４を軸まわりに９０度逆回転させ、図８の
ように副弁体３を中間開度で弁開するとともに、第１旋
回アーム部３４Ａが図２のＳＲ２方向に逆旋回する。第
１旋回アーム部３４Ａが図２の二点鎖線で示す逆旋回開
始位置から図７の位置まで逆旋回している間は、一方の
連繋部３５が他方の連繋部３６における第１部位３６Ａ
に干渉する。このため、第２旋回アーム部３３Ｂは図２
の二点鎖線で示す逆旋回開始位置から図７の位置まで逆
旋回して、図８のように主弁体２を中間開度にする。

【００３３】この状態から弁閉方向Ｒ２の回転を継続す
ると、第１旋回アーム部３４Ａおよび第２旋回アーム部
３３Ｂが図２の実線位置まで逆旋回し、かつ図６に示す
ように主弁体２が弁閉し、副弁体３が弁開した状態にな
り、さらに、１つの操作軸４０の弁閉方向Ｒ２への回転
を継続すると、第１旋回アーム部３４Ａの逆旋回が継続
し、副軸側歯車部３４Ｃと副軸側ピニオン３２がＲＸ２
方向に逆回転して、軸１４を軸まわりに９０度逆回転さ
せ、副弁体３を図５のように弁閉するとともに、第１旋
回アーム部３４Ａは図２の実線で示す位置から一点鎖線
で示す逆旋回終了位置まで逆旋回して元位置に復帰す
る。第１旋回アーム部３４Ａが実線で示す位置から一点
鎖線で示す逆旋回終了位置まで逆旋回して元位置に復帰
する間は、一方の連繋部３５が他方の連繋部３６におけ
る第１部位３６Ａに沿って逆旋回移動する状態、つま
り、一方の連繋部３５に他方の連繋部３６が干渉しない
状態を呈するので、主軸側回転部材３３および上弁棒４
は停止している。

【００３４】このように、主弁体２と副弁体３の開閉操
作順序を考慮することなく、１つの操作軸４０の回転方
向を特定するだけで、自動的に開閉操作順序に基づいて
主弁体２の上弁棒４と軸１４を介して副弁体３の上弁棒
９の２軸を回転させて、特定した順序で主弁体２と副弁
体３を開閉させることができるので、従来の２つの操作
軸を有する２軸回転装置のように、主弁体２と副弁体３
の弁開と弁閉に際して、その都度、２つの操作軸を特定
した順序で弁開または弁閉方向に回転させる煩雑な操作
が不要になって、容易に操作することができるととも
に、操作順序の誤りが生じることもない。

【００３５】なお、主軸側回転部材３３における第２旋
回アーム３３Ｂと、副軸側回転部材３４における第１旋
回アーム３４Ａを図１０のような形状にしてもよい。

【００３６】また、前記実施の形態では、本発明に係る
１つの操作軸による２軸回転装置を副弁内蔵形バタフラ
イ弁の開閉装置に適用しているが、本発明の適用範囲は
副弁内蔵形バタフライ弁の開閉装置のみに限定されるも
のではなく、軸まわりに回転する２つの部材を特定した
順序で正方向および逆方向に回転させる装置に適用する
ことができる。

【００３７】さらに、別個の主軸側歯車部３３Ａと第２
旋回アーム部３３Ｂによって主軸側回転部材３３を構成
して主軸側回転軸３８に同時回転可能に取付けている
が、主軸側歯車部３３Ａと第２旋回アーム部３３Ｂの一
体形成により主軸側回転部材３３を構成し、これを主軸
側回転軸３８に同時回転可能に取付けてもよい。主軸側
歯車部３３Ａと第２旋回アーム部３３Ｂの一体形成によ
り主軸側回転部材３３を構成した場合は、主軸側回転軸
３８に対して主軸側回転部材３３を軸まわりの回転自在
に取付けてもよい。

【００３８】また、別個に形成し、かつ同時に回転する
第１旋回アーム部３４Ａ、ウオームホイール３４Ｂおよ
び副軸側歯車部３４Ｃによって副軸側回転部材３４を構
成して、副軸側支軸３９に対して副軸側回転部材３４を
軸まわりの回転自在に取付けているが、第１旋回アーム
部３４Ａ、ウオームホイール３４Ｂおよび副軸側歯車部
３４Ｃの一体形成により副軸側回転部材３４を構成し、
これを副軸側支軸３９に対して軸まわりの回転自在に取
付けてもよい。さらに、副軸側支軸３９を回転自在に設
け、この副軸側支軸３９に副軸側回転部材３４を同時回
転可能に取付けてもよい。

【００３９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は、主軸と
副軸との２軸の開閉操作順序を考慮することなく、１つ
の操作軸の回転方向を特定するだけで、自動的に適正な
開閉操作順序に基づいて２軸を回転させることができる
ので、従来の２つの操作軸を有する２軸回転装置のよう
に、２軸の回転に際して、その都度、２つの操作軸を特
定した順序で正方向または逆方向に回転させる煩雑な操
作が不要になって、容易に操作することができるととも
に、操作順序に誤りを生じないので、信頼性を向上させ
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態を示す縦断側面図であ
る。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図３】図１のＢ−Ｂ線断面図である。

【図４】図１のＤ−Ｄ線断面図である。

【図５】主弁体および副弁体の弁閉状態を示す説明図で
ある。

【図６】副弁体のみの弁開状態を示す説明図である。

【図７】第１旋回アームと第２旋回アームの旋回途中の
状態を示す図２相当図である。

【図８】主弁体および副弁体の中間開度状態を示す説明
図である。

【図９】主弁体の弁開状態を示す説明図である。

【図１０】第１および第２旋回アームの変形例を示す図
２相当図である。

【図１１】副弁内蔵形バタフライ弁に適用した従来例の
正面図である。

【図１２】図１１の平面図である。

【図１３】図１１の側面図である。

【図１４】図１２のＥ−Ｅ線に沿う拡大断面図である。

【図１５】図１２のＦ−Ｆ線に沿う拡大断面図である。

【符号の説明】

４ 上弁棒（主軸） １４ 軸（副軸） １７ ２軸回転装置 ３１ 主軸側セクタピニオン（主軸側ピニオン） ３２ 副軸側ピニオン ３３ 主軸側回転部材 ３３Ａ 主軸側歯車部 ３３Ｂ 第２旋回アーム部 ３４ 副軸側回転部材 ３４Ａ 第１旋回アーム部 ３４Ｂ ウオームホイール（従動歯車） ３４Ｃ 副軸側歯車部 ３５ ピン（一方の連繋部） ３６ スリット（他方の連繋部） ３８ 主軸側回転軸（主軸側支軸） ３９ 副軸側支軸 ４０ 操作軸 ４０Ａ ウオーム（駆動歯車） Ｒ１ 弁開方向（第１回転方向） Ｒ２ 弁閉方向（第２回転方向）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 3H052 AA02 BA01 BA21 BA35 CA04 CA12 CA13 CD01 CD03 DA05 3H063 AA02 BB12 BB15 BB18 CC03 CC06 DA02 DB06 DB32 DB34 DB38 DB39 EE07 FF04 3J009 DA20 EA05 EA11 EA19 EA25 EA35 EA44 EB01 ED03 FA30

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 主軸と、この主軸の軸線に沿って該主軸
   に挿通された副軸との２軸を、１つの操作軸の回転によ
   って前記主軸の軸線まわりに正逆方向のそれぞれに特定
   した順序で回転させる２軸回転装置であって、 前記主軸と同時回転可能に設けられている主軸側ピニオ
   ンと、 この主軸側ピニオンに対向して前記副軸に同時回転可能
   に設けられている副軸側ピニオンと、 主軸側支軸の軸まわりに回転可能に設けられた主軸側回
   転部材と、 副軸側支軸の軸まわりに回転可能に設けられた副軸側回
   転部材と、 主軸および副軸の軸線に交差する軸線を有して回転自在
   に支持されているとともに、駆動歯車を設けた１つの操
   作軸と、 前記副軸側回転部材に設けられて前記駆動歯車に噛み合
   い可能な従動歯車部と、 前記副軸側回転部材に設けられて前記副軸側ピニオンに
   噛み合い可能な副軸側歯車部と、 前記副軸側回転部材に設けられた第１旋回アーム部と、 前記主軸側回転部材に設けられて前記主軸側ピニオンに
   噛み合い可能な主軸側歯車部と、 前記主軸側回転部材に設けられた第２旋回アーム部と、 前記第１旋回アーム部に設けた一方の連繋部とを備え、 前記第２旋回アーム部には、前記１つの操作軸の第１回
   転方向の回転に追従して前記第１旋回アーム部が旋回開
   始位置から旋回終了位置の途中まで旋回する間は前記一
   方の連繋部に干渉せず、前記第１旋回アーム部が前記旋
   回の途中から旋回終了位置まで旋回する間は、前記一方
   の連繋部に干渉して前記第２旋回アーム部の旋回により
   前記主軸側回転部材を回転させ、同時に前記主軸を回転
   させるとともに、前記１つの操作軸の第２回転方向の回
   転に追従して前記第１旋回アーム部が前記旋回終了位置
   から前記旋回開始位置の途中まで逆旋回する間は前記一
   方の連繋部に干渉して前記第２旋回アーム部の逆旋回に
   より前記主軸側回転部材を逆回転させ、同時に前記主軸
   を逆回転させるとともに、前記第１旋回アーム部が前記
   逆旋回の途中から前記旋回開始位置まで逆旋回する間
   は、前記一方の連繋部に干渉しない他方の連繋部が前記
   第２旋回アーム部に設けられていることを特徴とする１
   つの操作軸による２軸回転装置。