JP2000027881A - 摺動式等速ジョイント - Google Patents

摺動式等速ジョイント

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JP2000027881A
JP2000027881A JP20093698A JP20093698A JP2000027881A JP 2000027881 A JP2000027881 A JP 2000027881A JP 20093698 A JP20093698 A JP 20093698A JP 20093698 A JP20093698 A JP 20093698A JP 2000027881 A JP2000027881 A JP 2000027881A
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JP20093698A
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Hiroshi Tone
宏 登根
Tatsuro Sugiyama
達朗 杉山
Hisaaki Kura
久昭 藏
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NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のTJ系ジョイントの機構上不可避であ
った誘起力の回転次数成分の影響を少なくし、かつ、低
スライド抵抗の特性を実現し、自動車の動力伝達系に適
用した場合にNVH特性に及ぼす影響を少なくする。 【解決手段】 連結すべき2軸が作動角θをなした状態
でも等速度で回転運動を伝えることのできる、相対的軸
方向移動(プランジング)が可能な摺動式等速ジョイン
トであって、駆動軸または従動軸と結合する外輪部材10
と、従動軸または駆動軸と結合する内輪部材20と、偶数
の円周方向等分位置にて内・外輪部材間に介在してトル
クを伝達するトルク伝達部30とからなり、内輪部材20に
対するトルク伝達部30の傾きを可能とする。また、駆動
軸と従動軸とのなす角θが0°の時すべてのトルク伝達
部30がジョイント軸線に対して垂直な平面内に位置する
ようにトルク伝達部30を配向させるためのコントローラ
46を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車や各種産業
機械の動力伝達系において使用される等速ジョイントに
関するもので、より詳しくは、連結すべき駆動軸と従動
軸とが角度をなした状態でも等速度で回転運動を伝える
ことのできる、駆動軸と従動軸との間で相対的に軸方向
移動(プランジング)が可能な摺動式等速ジョイントに
関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば自動車の動力伝達系に使用され
る摺動式等速ジョイントとしては、いわゆるトリポード
型等速ジョイント(以下、TJ系ジョイントという。)
が各種知られている(特公平3−1529号公報等)。
TJ系ジョイントは、図9(A)(B)に例示するよう
に、円周方向等分位置で半径方向に突出した3本のジャ
ーナル(4)にそれぞれ球面ローラ(5)を回転自在に
担持させてなるトラニオン部材(3)と、内周面の円周
方向三等分位置に軸方向に延びるトラック溝(7)を形
成した外輪部材(6)とを備え、ローラ(5)を外輪部
材(6)のトラック溝(7)に収容させた状態でトラニ
オン部材(3)を外輪部材(6)内に挿入する。そし
て、連結すべき2つの回転軸(1,2)のうちの一方
(1)を外輪部材(6)と結合し、他方(2)をトラニ
オン部材(3)と結合する。なお、自動車の動力伝達系
の場合、プロペラシャフトやドライブシャフトがここで
いう回転軸に該当する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上に述べたような構造
であるため、TJ系ジョイントでは、特に2軸(1,
2)が角(作動角)をなした状態で回転すると、各ロー
ラ(5)は外輪部材(6)のトラック溝(7)に沿って
ジョイントの軸方向に往復スライド運動をし、このロー
ラ(5)の往復スライド運動に伴ってジョイント内部に
軸方向力が誘起される。しかも、ローラ(5)が円周方
向に120度の位相で配置されていることから、当該軸
方向誘起力が回転三次振動を発生させる原因となる。し
たがって、従来のTJ系ジョイントを自動車の動力伝達
系に用いた場合にはNVH特性の面で問題がある。
【0004】すなわち、外輪部材(6)とトラニオン部
材(3)とが作動角をとる状態で回動力を伝達する場合
を考えると、各球面ローラ(5)と円筒形トラック溝
(7)のローラ案内面(8)とは、図9(C)に示すよ
うに互いに斜交する関係となり、球面ローラ(5)に正
しい転がり運動をさせることはできない。球面ローラ
(5)は図9(A)の矢印イで示す方向に転がり移動し
ようとするのに対し、トラック溝(7)は円筒形で、外
輪部材(6)の軸芯に平行であるため、球面ローラ
(5)はトラック溝(7)に拘束されながら移動するこ
とになるからである。この結果、トラック溝(7)のロ
ーラ案内面(8)と球面ローラ(5)相互間において、
滑りが生じて発熱し、さらに、この滑りが軸方向のスラ
スト力を誘起し、振動発生の原因となる。
【0005】図11はジョイントの位相角と誘起スラス
ト力との関係を示すグラフである。この誘起スラスト力
発生のメカニズムを図10に従って説明する。同図は外
輪部材(6)とトラニオン部材(3)が作動角をとった
状態で回動力を伝達する場合の各部材の位置関係を示
し、図10(B)は図10(A)の構成を模式的に表し
たものである。
【0006】ジョイントが回転すると、トラニオン部材
(3)のジャーナル(4)に支持された球面ローラ
(5)が外輪部材(6)のローラ案内面(8)に拘束さ
れながら外輪部材(6)の軸方向に往復運動を繰り返
す。このとき3個の各球面ローラ(5)は図10(B)
において、点Pから点P’、点Qから点Q’、点Rから
点R’へとそれぞれ摺動し、次いでその反対方向へと方
向を変え、1回転でローラ案内面(8)上を1往復す
る。このような運動をするローラ案内面(8)と球面ロ
ーラ(5)間で、動力伝達継手として当然のことながら
作用している接触力により、軸方向にスラスト力を誘起
する。ジョイント回転時にそれぞれの球面ローラ(5)
によって発生するスラスト力の方向およびその大きさは
回転位相によって変動し、図11に示すように、2個の
球面ローラ(5)は、外輪部材(6)の左方向に、ま
た、1個の球面ローラ(5)は右方向に、それぞれ引っ
張り、圧縮のスラスト力を誘起させる。
【0007】このように3個の球面ローラ(5)により
発生するスラスト力の総和は図11に示すようにジョイ
ント1回転により3回の周期をもって正逆変動し、その
変動の振幅が大きいことにより、当該ジョイントを採用
する自動車に種々の振動問題を発生させる。
【0008】本発明の主たる目的は、低振動で小型・軽
量の摺動式等速ジョイントを提供することにあり、より
詳しくは、従来のTJ系ジョイントの機構上不可避であ
った上述の問題点を除去して、軸方向誘起力の回転次数
成分の影響を少なくし、かつ、低スライド抵抗の特性を
実現することにより、自動車の動力伝達系に適用した場
合にはNVH特性に及ぼす影響を低減させることであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、内周
面の円周方向等分位置に軸方向に延びるトラック溝を備
えた外輪部材と、外周面の円周方向等分位置に軸方向に
延びるトラック溝を備えた内輪部材と、内・外輪部材の
トラック溝間に介在するトルク伝達部とを有し、トルク
伝達部を、ギア部を備えたジャーナル部材と、ジャーナ
ル部材に回転自在に担持されたローラーとで構成し、ロ
ーラーを外輪部材のトラック溝に収容させ、内輪部材の
トラック溝の底面にギア部を設けるとともにジャーナル
部材のギア部を内輪のギア部と噛み合わせることにより
ジャーナル部材が内輪に対して傾くことを可能にした摺
動式等速ジョイントである。具体的にはギア部はラック
と歯車の形態とすることができる。たとえば、ジャーナ
ル部に歯車(の一部を構成する歯)を設け、内輪部材に
軸方向のラックを設ける。
【0010】ジョイントが作動角をとった状態でトルク
を伝達するとき、外輪部材側ではジャーナル部材のロー
ラーが外輪部材のトラック溝内で転がり作動し、内輪部
材側ではジャーナル部材のギア部が内輪のギア部と噛み
合い作動する。ギア歯の噛み合いにより、ジョイントが
作動角をとるとジャーナル部材が内輪に対して傾き、ロ
ーラー中心はほぼジョイント二等分面上に保持される。
したがって、当該摺動式等速ジョイントで連結される2
軸の回転速度がほぼ等しい疑似等速ジョイントが成立す
る。
【0011】請求項2の発明は、ギア部の噛み合い中心
を内輪部材の中心とローラー中心の中間に位置させたこ
とを特徴とするものである。内輪部材の中心とローラー
中心の中間にギア部を設けることにより、ジョイントが
屈曲した状態で回転駆動される場合に、ローラー中心が
ほぼジョイント二等分面上に位置するため、疑似等速ジ
ョイントとして成立する。
【0012】請求項3の発明のように、ローラー中心と
ギア中心をオフセットさせて球面中心を内輪部材側寄り
に配置することにより、外輪部材の外径を小さくするこ
とが可能となる。ただし、それにより球面中心は回転中
外輪部材の円周方向に少しずれるため、トラック間すき
まをつけてガタを少し許容する。
【0013】請求項4の発明は、ギア歯を1枚にしてロ
ーラー中心とギア中心を一致させ、ジャーナル部材が傾
くことを可能としたものであって、球面ローラー中心が
ジョイント二等分面上に位置し、がたを設けなくても外
輪部材の外径を小さくすることが可能である。
【0014】請求項5の発明は、連結すべき2軸のうち
の一方の回転軸と結合する外輪部材と、他方の回転軸と
結合する内輪部材と、内・外輪部材間でトルクを伝達す
るためのトルク伝達部材とで構成された摺動式等速自在
継手であって、外輪部材の内周面に円周方向の等分位置
に軸方向に延びるトラック溝を設け、内輪部材の外周面
に円周方向等分位置に軸方向に延びるトラック溝を設
け、トルク伝達部材を一方では外輪部材のトラック溝に
相対的に回転可能に、かつ、トラック溝に沿って移動可
能に収容させ、他方では内輪部材のトラック溝に収容さ
せ、かつ、内輪部材に対して傾斜可能となしたことを特
徴とする摺動式等速ジョイントである。
【0015】トルク伝達部材は、請求項6の発明のよう
に、トルク伝達部材が、一端に形成した部分球面状の外
周面を有する大径部と、他端に形成した円筒形の軸部と
を備えたジャーナル部材と、ジャーナル部材の軸部に相
対回転自在に嵌合したスライダーとで構成し、スライダ
ーと外輪部材のトラック溝の側壁面との間にボールを介
在させたものとすることができる。
【0016】あるいは、請求項7の発明のように、トル
ク伝達部材を、一端に形成した部分球面状の外周面を有
する大径部と、他端に形成した円筒形の軸部とを備えた
ジャーナル部材と、ジャーナル部材の軸部に相対回転自
在に嵌合した球面ローラーとで構成し、球面ローラーを
収容する外輪部材のトラック溝の側壁面の横断面形状を
円筒状とすることもできる。
【0017】さらに、請求項8の発明のように、部分球
面状外周面を備えた外輪側接触部と、部分球面状外周面
を備えた内輪側接触部とを一体的に有するトルク伝達部
材を採用することもできる。
【0018】請求項9の発明のように、ジャーナル部材
と内輪部材との間に、弾性体で付勢されたコントローラ
部材を配置することによって、ジョイントの作動角が0
°の時、ジャーナル部材がセンター位置にコントロール
され、その結果、すべてのジャーナル部材がほぼ同一平
面上に保持される。また、ジョイントが作動角をとった
ときは、コントローラ部材が一種の関節の作用をして、
内輪部材に対するジャーナル部材の傾きを許容して、す
べてのジャーナル部材をジョイント二等分面上に配向せ
しめる。このようにして、ジャーナル部材を常にジョイ
ント二等分面上に配向させて等速性を保つための機構を
構成している。
【0019】請求項10の発明のように、外輪部材の大
内径部とジャーナル部材との間にもジャーナル部材の姿
勢制御を行うためのコントローラ部材を配置することが
できる。これにより、ジャーナル部材(トルク伝達部)
の姿勢が一層安定する。
【0020】請求項11の発明は、円周方向の等分位置
に偶数のトルク伝達部を配置したことを特徴とするもの
で、これにより、直径方向で対向するトルク伝達部の軸
方向誘起力を互いにキャンセルさせることができる。
【0021】そして、それらのトルク伝達部を円周等分
偶数個に設定することによって、外輪部材および内輪部
材に対するトルク伝達部の動きは、直径方向で対向する
トルク伝達部が相反した動きとなり、相対的に軸方向誘
起力のキャンセルがほぼ行なわれ、内・外輪部材に伝わ
る軸方向誘起力による振動が小さくなる。
【0022】請求項12の発明は、円周方向四等分位置
にトルク伝達部を配置したことを特徴とするものであ
る。この発明の摺動式等速ジョイントはトルク伝達部を
円周上2ヵ所以上設ければ成り立つが、4ヵ所にする
と、TJ系の三ヵ所で荷重を受ける場合に比べて高負荷
容量となり、あるいは、トルク伝達部当たりの荷重分担
を減らしてサイズダウンし、小型・軽量化を図ることが
できる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本
発明の実施の形態を説明する。
【0024】まず、図1〜図4に示す実施の形態につい
て述べると、図1に示す摺動式等速ジョイントは、連結
すべき2軸(1,2:図9参照)のうちの一方の回転軸
(1)と結合する外輪部材(10)と、他方の回転軸
(2)と結合する内輪部材(20)と、外輪部材(10)と
内輪部材(20)との間に介在してトルクを伝達するトル
ク伝達部(30)とによって構成されている。
【0025】外輪部材(10)は中空で、円筒状の内周面
(12)の円周方向の四等分位置に、軸方向に延びたトラ
ック溝(14)を備え、各トラック溝(14)の側壁面には
ローラー案内溝(16)が形成されている。
【0026】内輪部材(20)は回転軸(2)の端部にス
プラインにより結合し、止め輪で位置決めされている。
内輪部材(20)の球面状の外周面(22)には、円周方向
の四等分位置に、軸方向に延びるトラック溝(24)を形
成してあり、各トラック溝(24)の底面にはギア部(2
6)が形成されている。ギア部(26)はここでは軸方向
のラックの形態をとっている。内輪部材(20)の球面状
外周面(22)は外輪部材(10)の円筒状内周面(12)と
すべり接触状態で嵌合している。
【0027】トルク伝達部(30)はジャーナル部材(3
2)と球面ローラー(38)とで構成されている。ジャー
ナル部材(32)は軸部(34)とギア部(36)とからな
り、円筒形の軸部(34)にて針状ころ(39)を介して回
転自在に球面ローラー(38)を担持している。各球面ロ
ーラー(38)は外輪部材(10)のトラック溝(14)に収
容され、ローラー案内溝(16)に沿って転動しながら外
輪部材(10)の軸方向に移動することができる。球面ロ
ーラー(38)の曲率中心(P)は軸部(34)の軸線上に
位置する。ジャーナル部材(32)のギア部(36)は、球
面ローラー(38)の曲率中心(P)と同じ点にピッチ円
の中心を有する。
【0028】図1(B)に示すように、ギア部(26)
(36)の噛合い中心を、内輪部材(20)の中心(O)と
ローラー(38)の中心(P)の中間に位置させることに
より、図2に示すようにジョイントが作動角(θ)をと
った時、ギア部(26)(36)の噛み合いによってローラ
ー中心(P)がほぼジョイント二等分面(2軸のなす角
すなわち作動角(θ)を二等分する直線に垂直な平面)
上に配向せしめられ、疑似等速ジョイントが成立する。
【0029】図3は、図3(B)に符号Sで示すよう
に、球面ローラー(38)の中心(P)を内輪部材(20)
側へオフセットさせることによって、外輪部材(10)の
外径を小さくしたコンパクトタイプの実施の形態を示
す。このオフセットにより、機構的に球面中心(P)が
ジョイント回転中に外輪円周方向に少しずれるため、図
3(A)に符号Cで示すように、球面ローラ(38)とロ
ーラ案内溝(16)との間に隙間を設けてわずかな「が
た」を許容する構成となっている。
【0030】図4は、内輪部材(20)のギア部(26)の
歯を1枚にして、図1の場合と同様に球面ローラー(3
8)の中心(P)とギア部(36)の中心を一致させ、ジ
ャーナル部材(32)が内輪部材(20)に対して傾くこと
を可能とすることにより、球面ローラー(38)の中心
(P)をジョイント二等分面上に配向せしめるようにし
たもので、図3に関連して上に述べた「がた」を無くす
ることが可能となる。
【0031】次に、図5〜図8に示す実施の形態につい
て述べる。図5および図6に示す摺動式等速ジョイント
は、連結すべき2軸(1,2:図9参照)のうちの一方
の回転軸(1)と結合する外輪部材(10)と、他方の回
転軸(2)と結合する内輪部材(20)と、外輪部材(1
0)と内輪部材(20)との間でトルクを伝達するための
トルク伝達部(30)とで構成されている。
【0032】外輪部材(10)は中空で、円筒状の内周面
(12)の円周方向四等分位置に、それぞれ軸方向に延び
たトラック溝(14)を形成してある。トラック溝(14)
の側壁面には軸方向に延びた軌道面(16)を形成してあ
る。
【0033】内輪部材(20)は、回転軸(2)の端部に
スプラインにより結合し、止め輪で位置決めされてい
る。内輪部材(20)の外周面(22)の円周方向四等分位
置に、軸方向に延びたトラック溝(24)を形成してあ
る。トラック溝(24)の底面には軸方向に延びた凹部
(26)を形成してある。
【0034】トルク伝達部(30)はジャーナル部材(3
2)とスライダー(37)とで構成されている。ジャーナ
ル部材(32)は、部分球面状外周面を備えた大径部(3
3)と、円筒形の軸部(34)とを備えている。大径部(3
3)は、内輪部材(20)のトラック溝(24)にスライド
自在に収容されている。軸部(34)は、針状ころ(39)
を介してスライダー(37)と嵌合している。スライダー
(37)は矩形断面のブロックで、横断面(図5)におい
て、両側壁面に軌道面(37a)を形成してある。各軌道
面(37a)と、対向する外輪部材(10)の軌道面(16)
との間に、保持器(37c)で保持された複数のボール
(37b)を介在させ、スライダー(37)がトラック溝
(14)に沿って外輪部材(10)の軸方向にスライドでき
るように構成されている。
【0035】ジャーナル部材(32)に形成した穴(42)
に、弾性体(44)により付勢されたコントローラ部材
(46)を配置してある。図5(A)では、コントローラ
部材(46)としてボールを採用し、弾性体(44)として
圧縮コイルばねを採用した場合を例示してある。そし
て、ボール(46)は圧縮コイルばね(44)で押圧されて
大径部(33)の端面から部分的に突出し、内輪部材(2
0)のトラック溝(24)の底面に形成した凹部(26)に
係合している。
【0036】図5(B)に示すように、外輪部材(10)
の大内径部に軌道面(18)を形成し、この軌道面(18)
とジャーナル部材(32)の軸部(34)との間にボール
(48)等を配置することによって、トルク伝達部(30)
の安定化をさらに確保することができる。ここでも、図
5(A)の場合と同様に、一方または両方のボール(4
6)(48)をスプリングで弾性的に付勢することができ
る。
【0037】図6(A)に作動角θ=0°時の縦断面
を、図6(B)にθ=25°時の縦断面を示す。作動角
0°時には、外輪部材(10)と内輪部材(20)のトラッ
ク溝(14)(24)が平行になること、および、スライダ
ー(37)は外輪部材()の軸方向にスライド自在である
ことから、特段の規制が働かないとすれば、ジャーナル
部材(32)は任意の位置ないしは姿勢をとり得る。しか
し、ジャーナル部材(32)と内輪部材(20)の凹部(2
6)との間に、弾性体(44)で付勢されたコントローラ
部材(46)を配置したことによって、ジャーナル部材
(32)がセンター位置にコントロールされ、その結果、
図5(A)に示されるように、すべてのジャーナル部材
(32)がほぼ同一平面上に保持される。また、図6
(B)のように、ジョイントが作動角をとったときは、
コントローラ部材(46)が一種の関節の作用をして、内
輪部材(20)に対するジャーナル部材(32)の傾きを許
容して、すべてのジャーナル部材(32)をジョイント二
等分面上に配向せしめる。このようにして、ジャーナル
部材(32)を常にジョイント二等分面上に配向させて等
速性を保つための機構を構成している。
【0038】また、上述のスライダー(37)に代えて、
図7に示すように、球面ローラ(37’)を採用するとと
もに、外輪部材(10)のトラック溝(14)の側壁面に、
鍔付きのローラ案内面(16)を形成することによって、
部品点数の削減による低コスト化が図れる。さらに、図
8に示すように、トルク伝達部(30)の外輪部材(10)
側および内輪部材(20)側における接触部を一体化した
ジャーナル部材(32’)を用いることによって、一層シ
ンプルでコンパクトな構成が実現する。なお、図7およ
び図8では、上述のボールの形態をしたコントローラ
(46)に代えて、球形の先端部にて内輪部材(20)の凹
部(26)と係合するポペットの形態をしたコントローラ
部材(46’)を採用している。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来のTJ系ジョイントにおいてその機構上不可避であ
った誘起力による特異な回転次数成分の振動が相殺され
て減少し、スライド抵抗も低くなり、また、トルク伝達
部の数を増やすことで小型軽量化が図れる。ちなみに、
円周方向四等分位置にトルク伝達部を配置した場合、内
部容量的に従来のTJ系ジョイントに比べて外輪部材の
外径を小さくしたコンパクトな設計が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)はジョイントの端面図、(B)はジョイ
ントの縦断面図である。
【図2】作動角を取った状態のジョイントの縦断面図で
ある。
【図3】(A)はジョイントの端面図、(B)はジョイ
ントの縦断面図である。
【図4】(A)はジョイントの端面図、(B)はジョイ
ントの縦断面図である。
【図5】別の実施の形態を示すジョイントの横断面図で
ある。
【図6】図5(B)のジョイントの横断面図である。
【図7】(A)はジョイントの横断面図、(B)は縦断
面図である。
【図8】ジョイントの横断面図である。
【図9】(A)は従来のTJ系ジョイントの縦断面図、
(B)はトリポードユニットの斜視図、(C)は球面ロ
ーラの動きを説明する斜視図である。
【図10】(A)は従来のTJ系ジョイントの斜視図、
(B)は模式図である。
【図11】各ジャーナルにおける合成された誘起スラス
ト力を示すグラフである。
【符号の説明】
1 回転軸(駆動軸または従動軸) 2 回転軸(従動軸または駆動軸) 10 外輪部材 12 内周面 14 トラック溝 16 軌道面(ローラ案内溝) 18 軌道面(大内径面) 20 内輪部材 22 外周面 24 トラック溝 26 ギア部 30 トルク伝達部 32 ジャーナル部材 33 大径部 34 軸部 36 ギア部 37 スライダー 37’ 球面ローラー 38 球面ローラー 39 針状ころ軸受 42 穴 44 弾性体(圧縮コイルばね) 46 コントローラ部材(ボール) 46’ コントローラ部材(ポペット) 48 コントローラ部材(ボール)

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周面の円周方向等分位置に軸方向に延
    びるトラック溝を備えた外輪部材と、外周面の円周方向
    等分位置に軸方向に延びるトラック溝を備えた内輪部材
    と、内・外輪部材のトラック溝間に介在するトルク伝達
    部とを有し、トルク伝達部を、ギア部を備えたジャーナ
    ル部材と、ジャーナル部材に回転自在に担持されたロー
    ラーとで構成し、ローラーを外輪部材のトラック溝に収
    容させ、内輪部材のトラック溝の底面にギア部を設ける
    とともにジャーナル部材のギア部を内輪のギア部と噛み
    合わせることによりジャーナル部材が内輪に対して傾く
    ことを可能にした摺動式等速ジョイント。
  2. 【請求項2】 ギア部の噛み合い中心を内輪部材の中心
    とローラー中心の中間に位置させたことを特徴とする請
    求項1の摺動式等速ジョイント。
  3. 【請求項3】 ローラー中心とギア中心をオフセットさ
    せて球面中心を内輪部材側寄りに配置したことを特徴と
    する請求項1の摺動式等速ジョイント。
  4. 【請求項4】 ギア歯を1枚にしてローラー中心とギア
    中心を一致させ、ジャーナル部材が傾くことを可能とし
    たことを特徴とする請求項1の摺動式等速ジョイント。
  5. 【請求項5】 連結すべき2軸のうちの一方の回転軸と
    結合する外輪部材と、他方の回転軸と結合する内輪部材
    と、内・外輪部材間でトルクを伝達するためのトルク伝
    達部とで構成された摺動式等速自在継手であって、外輪
    部材の内周面に円周方向の等分位置に軸方向に延びるト
    ラック溝を設け、内輪部材の外周面に円周方向等分位置
    に軸方向に延びるトラック溝を設け、トルク伝達部を一
    方では外輪部材のトラック溝に相対的に回転可能に、か
    つ、トラック溝に沿って移動可能に収容させ、他方では
    内輪部材のトラック溝に収容させ、かつ、内輪部材に対
    して傾斜可能となしたことを特徴とする摺動式等速ジョ
    イント。
  6. 【請求項6】 トルク伝達部が、一端に形成した部分球
    面状の外周面を有する大径部と、他端に形成した円筒形
    の軸部とを備えたジャーナル部材と、ジャーナル部材の
    軸部に相対回転自在に嵌合したスライダーとで構成し、
    スライダーと外輪部材のトラック溝の側壁面との間にボ
    ールを介在させたことを特徴とする請求項5の摺動式等
    速自在継手。
  7. 【請求項7】 トルク伝達部を、一端に形成した部分球
    面状の外周面を有する大径部と、他端に形成した円筒形
    の軸部とを備えたジャーナル部材と、ジャーナル部材の
    軸部に相対回転自在に嵌合した球面ローラーとで構成
    し、球面ローラーを収容する外輪部材のトラック溝の側
    壁面の横断面形状を円筒状としたことを特徴とする請求
    項5の摺動式等速ジョイント。
  8. 【請求項8】 トルク伝達部が、部分球面状外周面を備
    えた外輪側接触部と、部分球面状外周面を備えた内輪側
    接触部とを一体的に有することを特徴とする請求項5の
    摺動式等速ジョイント。
  9. 【請求項9】 ジャーナル部材と内輪部材との間に、弾
    性体で付勢されたコントローラ部材を配置したことを特
    徴とする請求項6,7または8の摺動式等速ジョイン
    ト。
  10. 【請求項10】 外輪部材の大内径部とジャーナル部材
    との間にジャーナル部材の姿勢制御を行うためのコント
    ローラ部材を配置したことを特徴とする請求項9の摺動
    式等速ジョイント。
  11. 【請求項11】 円周方向の等分位置に偶数のトルク伝
    達部を配置したことを特徴とする先行するいずれかの請
    求項の摺動式等速ジョイント。
  12. 【請求項12】 円周方向四等分位置にトルク伝達部を
    配置したことを特徴とする請求項11の摺動式等速ジョ
    イント。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20200324837A1 (en) * 2019-04-09 2020-10-15 Cnh Industrial America Llc Suspension system for a track-driven work vehicle with pivoting roller wheel assemblies

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