JP2000026759A - 滑水性皮膜を形成可能な被覆組成物 - Google Patents

滑水性皮膜を形成可能な被覆組成物

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JP2000026759A
JP2000026759A JP10193867A JP19386798A JP2000026759A JP 2000026759 A JP2000026759 A JP 2000026759A JP 10193867 A JP10193867 A JP 10193867A JP 19386798 A JP19386798 A JP 19386798A JP 2000026759 A JP2000026759 A JP 2000026759A
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Kotaro Morimoto
好太郎 森本
Yasuhiko Haruta
泰彦 春田
Makoto Mizutani
誠 水谷
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Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微細な結露水が形成された上でも水滴の滑落
性が優れ、かつ黴の発生や冬季におけるフィン表面の氷
結を解決できる皮膜を形成可能な被覆組成物を得る。 【解決手段】 (A)水酸基含有ビニルポリマー、
(B)特定の官能基両末端シロキサンポリマー及び
(C)ブロックされていてもよいポリイソシアネート化
合物及びメラミン樹脂から選ばれる少なくとも1種の架
橋剤成分を含有する滑水性皮膜を形成可能な被覆組成
物、及びこの被覆組成物をアルミニウムフィン材上に塗
装して、最上層皮膜として滑水性皮膜を形成することを
特徴とするアルミニウムフィン材の塗装方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、付着水滴が容易に
滑落することができる滑水性皮膜を形成可能な被覆組成
物、及びこの被覆組成物を用いたアルミニウムフィン材
の塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
エアコンなどの熱交換器のアルミニウムフィンとして
は、親水性塗膜を形成したフィンが実用化されており、
このフィンにおいては、冷房時に凝縮する水がフィン間
に水滴ブリッジを形成することがなく、熱交換効率に優
れていることが知られている。
【0003】しかしながら、親水性塗膜を形成したフィ
ンは、表面に水を保持しやすいためフィン表面に黴が発
生しやすく、特に運転開始時の送風が黴臭いという問題
があり、また、暖房を行う冬季には気温が0℃以下とな
ると室外機の熱交換器のフィン表面についた霜が氷結し
それが成長し、熱交換効率が低下するという問題があっ
た。
【0004】また、熱交換器のアルミニウムフィン表面
を濡れにくくする、すなわち、撥水性を付与するため
に、表面を例えばシリコン樹脂、フッ素系樹脂、ポリオ
レフィン系樹脂などの疎水性材料で被覆することも検討
されている。疎水性材料で被覆された表面に水が付着す
ると、水は弾かれて球状の水滴となり、大きい水滴は自
重により落下するが、小さい水滴は表面に付着したまま
であり、付着表面を垂直に傾けても落下しないという現
象がしばしばみられる。
【0005】そのため、表面の疎水性をできるだけ高く
して水との接触角を増加させることによって、付着水滴
を転がり落としやすくするための高疎水性材料の開発研
究が種々行われている。さらに、表面粗面化やせん毛状
突起を表面に形成する物理的な方法も検討されている。
【0006】しかしながら、上記提案されている疎水性
材料、疎水化方法は、水滴の転落のしやすさが十分でな
かったり、特に、微細な結露水が形成された上での水滴
の滑落性が劣っていたり、機械的性質が劣っていたり、
形成方法自体が困難であったりして、実用性のあるもの
は見出されていない。
【0007】そこで、本発明者らは、微細な結露水が形
成された上でも水滴の滑落性が良好でフィン間に水滴ブ
リッジを形成することがなく、かつ親水性塗膜を形成し
たフィンにおける、塗膜に付着した水分による、黴の発
生や冬季におけるフィン表面の氷結を解決できる皮膜を
形成可能な被覆組成物、及びこの組成物を用いた塗装ア
ルミニウムフィンを得るために鋭意研究を行った。
【0008】その結果、水酸基含有ビニルポリマーと、
特定の官能基を両末端に有する官能基両末端シロキサン
ポリマーと、架橋剤成分とを混合してなる被覆組成物
が、水滴を転落させやすい皮膜を形成でき上記目的を達
成できることを見出し本発明を完成できたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、
(A)水酸基含有ビニルモノマー及びこれらと共重合可
能な他の不飽和モノマーの共重合により得られる水酸基
含有ビニルポリマー、(B)下記式(1)
【0010】
【化5】
【0011】(式中、kの平均数は6〜250であり、
m及びnはそれぞれ0〜6の数であり、R1 及びはR2
は同一又は異なって、アミノ基、カルボキシル基又はグ
リシジルオキシ基を示す)で表される官能基両末端シロ
キサンポリマー、(C)ブロックされていてもよいポリ
イソシアネート化合物及びメラミン樹脂から選ばれる少
なくとも1種の架橋剤成分を含有することを特徴とする
滑水性皮膜を形成可能な被覆組成物を提供するものであ
る。
【0012】また本発明は、アルミニウムフィン材上
に、プライマ塗膜を介して又は介さずに、上記の被覆組
成物を塗装して、最上層皮膜として滑水性皮膜を形成す
ることを特徴とするアルミニウムフィン材の塗装方法を
提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の滑水性皮膜を形成可能な
被覆組成物について、以下に詳細に説明する。
【0014】本発明の滑水性皮膜を形成可能な被覆組成
物(以下、「滑水組成物」と略称することがある)は、
水酸基含有ビニルポリマー(A)と、特定の官能基を2
個有する官能基両末端シロキサンポリマー(B)と、架
橋剤成分(C)とを必須成分として混合してなる被覆組
成物である。
【0015】水酸基含有ビニルポリマー(A) 本発明における水酸基含有ビニルポリマー(A)は、水
酸基含有ビニルモノマー及びこのモノマーと共重合可能
なその他の不飽和モノマー(以下、「その他モノマー」
と略記することがある)の共重合体である。
【0016】上記水酸基含有ビニルポリマー(A)の製
造に使用される水酸基含有ビニルモノマーとしては、例
えば、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプ
ロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテ
ル、ヒドロキシペンチルビニルエーテル、ヒドロキシヘ
キシルビニルエーテル等の水酸基含有ビニルエーテル
類;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロ
キシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタク
リレート等のアクリル酸又はメタクリル酸のC2 〜C12
−アルキルエステル等を挙げることができる。
【0017】上記水酸基含有ビニルモノマーと共重合せ
しめられるその他モノマーとしては、例えば、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリ
レート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘ
キシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレ
ート、ドデシル(メタ)アクリレートなどの炭素数1〜
18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル
エステル;メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、イ
ソブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ラウリル等の
アルキル基やシクロブチル、シクロペンチル、シクロヘ
キシル、アダマンチル、ボルニル等の脂環式基を有する
ビニルエーテル;スチレン、α−メチルスチレン等の芳
香族ビニルモノマー;ヘキサフルオロプロペン、テトラ
フルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン、
ジクロロジフルオロエチレン、1,2−ジフルオロエチ
レン、フッ化ビニリデン、モノフルオロエチレン等のフ
ルオロオレフィン;パーフルオロブチルエチル(メタ)
アクリレート、パーフルオロイソノニルエチル(メタ)
アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)ア
クリレートなどのパーフルオロアルキル(メタ)アクリ
レート;サイラプレンFM−0701、同FM−071
1、同FM−0721、同FM−0725(以上、いず
れもチッソ(株)製)などのジメチルシリコン鎖を有す
る重合性不飽和化合物;アクリル酸、メタクリル酸、イ
タコン酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有重合性
不飽和モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリ
レートなどのエポキシ基含有重合性不飽和モノマー;酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン
酸ビニル、カプロン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、バー
サチック酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル等
のビニルエステル;エチレン、プロピレン、イソブチレ
ン、ブテン−1等のα−オレフィン等が挙げられる。上
記その他モノマーとしては、その一部として、フルオロ
オレフィンを含有することが好ましい。
【0018】水酸基含有ビニルポリマー(A)におけ
る、水酸基含有ビニルモノマーとその他モノマーとの共
重合割合は、両者の合計量を基準にして、一般には次の
範囲内とすることが望ましい。
【0019】水酸基含有ビニルモノマー:1〜80モル
%、特に5〜70モル%、 その他モノマー:20〜99モル%、特に25〜95モ
ル%。
【0020】その他モノマーがフルオロオレフィンを含
有する場合には、水酸基含有ビニルポリマー(A)にお
ける、水酸基含有ビニルモノマーとフルオロオレフィン
とフルオロオレフィン以外のその他モノマーの共重合割
合は、上記3者の合計量を基準にして、一般には次の範
囲内とすることが望ましい。
【0021】水酸基含有ビニルモノマー:1〜80モル
%、特に5〜70モル%、 フルオロオレフィン:19〜80モル%、特に25〜7
5モル%、 フルオロオレフィンを除くその他モノマー:1〜80モ
ル%、特に5〜70モル%。
【0022】水酸基含有ビニルポリマー(A)を得るた
めの上記各モノマーの共重合は、通常、有機溶剤中で、
モノマー成分の合計100重量部当たり約0.01〜約
5重量部の重合開始剤の存在下に、約−20℃〜約15
0℃の温度で、常圧で又は場合により約30kg/cm
2 Gまでの加圧下に反応させることにより行うことがで
きる。
【0023】水酸基含有ビニルポリマー(A)として
は、上記のようにして得られる共重合体を更に二塩基性
酸無水物と反応せしめて共重合体の水酸基の一部にカル
ボキシル基を導入してなる変性共重合体も使用できる。
【0024】かくして得られる水酸基含有ビニルポリマ
ー(A)は、一般に2,000〜100,000、好ま
しくは5,000〜60,000の範囲内の数平均分子
量を有することができる。さらに、水酸基含有ビニルポ
リマー(A)は、一般に30〜400mgKOH/g、
好ましくは40〜300mgKOH/gの範囲内の水酸
基価を有することができる。また、得られる塗膜の密着
性の点からカルボキシル基を有することが好ましく、
0.1〜40mgKOH/g、さらには1〜20mgK
OH/gの範囲内の酸価を有することが好適である。
【0025】水酸基含有ビニルポリマー(A)として
は、なかでも、モノクロロトリフルオロエチレン、4−
ヒドロキシブチルビニルエーテル及びエチルビニルエー
テルの共重合体を二塩基性酸無水物と反応させて共重合
体の水酸基の一部にカルボキシル基を導入してなる変性
共重合体が好適である。
【0026】官能基両末端シロキサンポリマー(B) 本発明において使用される官能基両末端シロキサンポリ
マー(B)は、下記式(1)
【0027】
【化6】
【0028】で示されるものであり、ここで、kはジメ
チルシロキサン単位の平均重合度を意味し、6〜25
0、好ましくは6〜170の範囲内の数であり、m及び
nはそれぞれ0〜6、好ましくは1〜5の整数であり、
1 及びはR2 は同一又は異なって、アミノ基、カルボ
キシル基又はグリシジルオキシ基である。
【0029】官能基両末端シロキサンポリマー(B)の
市販品としては、アミノ基(−NH2 基)を有するもの
として、サイラプレン(SILAPLANE)FM−3
311、同FM−3321、同FM−3325(以上、
いずれもチッソ(株)製、以下同様)が挙げられ、カル
ボキシル基(−COOH基)を有するものとして、サイ
ラプレンFM−6611、同FM−6621、同FM−
6625が挙げられ、グリシジルオキシ基
【0030】
【化7】
【0031】を有するものとして、サイラプレンFM−
5511、同FM−5521、同FM−5525などを
挙げることができる。
【0032】官能基末端シロキサンポリマー(B)は、
一般に490〜11,400、好ましくは540〜5,
500の範囲内の数平均分子量を有することができる。
【0033】架橋剤成分(C) 本発明において、前記水酸基含有ビニルポリマー(A)
を架橋硬化させるための架橋剤成分として、ブロックさ
れていてもよいポリイソシアネート化合物及びメラミン
樹脂から選ばれる少なくとも1種が用いられる。
【0034】上記ポリイソシアネート化合物としては、
例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソ
シアネート、フェニレンジイソシアネート、ビス(イソ
シアナトメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジイ
ソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の
脂肪族、脂環式又は芳香族のポリイソシアネート化合
物、及びこれらのポリイソシアネート化合物の過剰量
に、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリ
メチロールプロパン、ヘキサントリオール、ヒマシ油等
の低分子活性水素含有化合物を反応させて得られるイソ
シアネート末端プレポリマー等が挙げられる。
【0035】これらのポリイソシアネート化合物は、そ
のまま用いてもよく、或いは必要に応じて、イソシアネ
ート基がブロック剤でブロックされた形態で使用するこ
ともできる。
【0036】イソシアネートブロック剤としては、フェ
ノール、m−クレゾール、キシレノール、チオフェノー
ル等のフェノール類;メタノール、エタノール、ブタノ
ール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、
エチレングリコールモノエチルエーテル等のアルコール
類;アセトキシム、メチルエチルケトキシム、ベンゾフ
ェノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシ
ム類;ε−カプロラクタム、アセト酢酸エチル、マロン
酸ジエチル等の活性水素含有化合物等を挙げることがで
きる。これらのブロック剤を用いるポリイソシアネート
化合物のブロック化は、それ自体既知の方法に従って行
うことができる。
【0037】また、メラミン樹脂としては、トリアジン
環の数が1〜5個で、分子量が300〜3,000、特
に500〜2,000の範囲内にあるメラミン単体もし
くはその縮合物の部分メチロール化又は完全メチロール
化物、或いは更にそのメチロール基の一部又は全部を炭
素数1〜8の一価アルコール、例えば、メタノール、エ
タノール、プロパノール、n−ブタノール、イソブタノ
ールなどでエーテル化した部分アルキルエーテル化又は
完全アルキルエーテル化メチロールメラミン樹脂等を用
いることができる。
【0038】本発明に従う滑水性皮膜を形成可能な被覆
組成物 本発明の滑水組成物は、以上に述べた水酸基含有ビニル
ポリマー(A)、官能基両末端シロキサンポリマー
(B)及び架橋剤成分(C)に、適宜、有機溶剤を混合
することにより調製することができる。
【0039】本発明の滑水組成物は、以上に述べた水酸
基含有ビニルポリマー(A)、官能基両末端シロキサン
ポリマー(B)及び架橋剤成分(C)に、適宜、有機溶
剤を混合することにより調製することができる。
【0040】本発明の滑水組成物において、水酸基含有
ビニルポリマー(A)、シロキサンポリマー(B)及び
架橋剤成分(C)の配合割合は、特に限定されるもので
はないが、通常、(A)成分100重量部に対して、
(B)成分が2〜30重量部、好ましくは2〜20重量
部であり、(C)成分が4〜100重量部、好ましくは
4〜60重量部の範囲内であることが好適である。
【0041】架橋剤成分(C)として、遊離のイソシア
ネート基を有するポリイソシアネート化合物のように、
水酸基含有ビニルポリマー(A)と比較的容易に反応し
やすいものを使用する場合には、本発明の滑水組成物
は、成分(A)及び成分(B)の混合物と成分(C)と
が分離した二液型にしておき、使用直前に両成分を混合
するようにすることが望ましい。
【0042】本発明の滑水組成物には、必要に応じて、
更に、例えば、有機溶剤、エポキシ末端シロキサンポリ
マーとスルホン酸化合物との付加物(D)、水酸基含有
シロキサンポリマー(E)、界面活性剤、着色顔料、体
質顔料、防錆顔料、染料、防黴剤、その他通常塗料に用
いられるそれ自体既知の添加剤等を配合することもでき
る。
【0043】本発明の滑水組成物においては、粘度調整
などのために、通常、有機溶剤が配合される。この有機
溶剤としては、本発明の滑水組成物の各成分を溶解ない
しは分散可能なものを好適に使用することができ、具体
例としては、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキ
サン、石油エーテル、ガソリン、ケロシン、ナフサ、石
油系炭化水素溶剤、クロロホルム、四塩化炭素、二塩化
エチレン、2−エチルヘキサノール、ジエチルエーテ
ル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン、イソプロピルアルコール、ブタノー
ル、ジオキサン、鉱物油などを挙げることができる。
【0044】本発明の滑水組成物に、必要に応じて配合
できる上記エポキシ末端シロキサンポリマーとスルホン
酸化合物との付加物(D)(以下、「付加物(D)」と
略称することがある)は、滑水性の経時での保持性の向
上などのために配合されるものであり、下記式(3)
【0045】
【化8】
【0046】(式中、rの平均数は6〜150、好まし
くは6〜70の範囲内の数であり、また、sは0〜6、
好ましくは1〜5の数であり、R3 は炭素原子数1〜
6、好ましくは1〜4のアルキル基又は下記式
【0047】
【化9】
【0048】(式中、qは0〜6、好ましくは1〜5の
数である)で示される基である)で表される分子の片末
端又は両末端にエポキシ基を有するエポキシ末端シロキ
サンポリマーとスルホン酸化合物との付加物である。
【0049】R3 で表される炭素原子数1〜6のアルキ
ル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプ
ロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ヘキシ
ル基などを挙げることができ、なかでもメチル基、n−
ブチル基が好適である。上記エポキシ末端シロキサンポ
リマーは、一般に530〜11,400、好ましくは5
40〜5,500の範囲内の数平均分子量を有すること
ができる。
【0050】上記スルホン酸化合物としては、例えば、
メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベ
ンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、2,4−
もしくは2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸、ナフタ
リン−α−スルホン酸、ナフタリン−β−スルホン酸な
どが挙げられ、中でもメタンスルホン酸が好適に使用さ
れる。
【0051】上記付加物(D)は、スルホン酸化合物の
スルホン酸基1モルに対して、エポキシ末端シロキサン
ポリマーのエポキシ基が1モルとなる量付加したもの
(等モル付加物)、2モルとなる量付加したもの(2モ
ル付加物)、3モルとなる量付加したもの(3モル付加
物)のいずれであってもよい。上記付加物(D)は、使
用する原料にもよるが、ゲル浸透クロマトグラフィー
(ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー)の測定
結果から、通常、等モル付加物であり、場合によって等
モル付加物と2モル付加物との混合物であることが一般
的である。
【0052】エポキシ末端シロキサンポリマーとスルホ
ン酸化合物とは、混合することによって容易に反応でき
るので前もって両者を混合して反応させてから添加して
もよいし、両者をそれぞれ別々に、本発明組成物中に配
合して、本発明組成物中で付加物(D)が生成するよう
にしてもよい。付加物(D)を生成させる場合、スルホ
ン酸化合物が残存しないようにすることが好ましく、エ
ポキシ末端シロキサンポリマーの一部は未反応のまま残
存してもよい。付加物(D)を生成させる際の両者の配
合比率は、エポキシ末端シロキサンポリマー中のエポキ
シ基/スルホン酸化合物中のスルホン酸基の当量比が1
/1〜20/1、好ましくは1.5/1〜16/1の範
囲内となる割合であることが好適である。付加物(D)
を生成させる際に、エポキシ末端シロキサンポリマーと
して、両末端にグリシジル基を有する前記式(1)に相
当するものを使用した場合、本発明の組成物中に未反応
で残存する該両末端にグリシジル基を有するエポキシ末
端シロキサンポリマーは、本発明においては、官能基両
末端シロキサンポリマー(B)として計算するものとす
る。
【0053】付加物(D)を配合する場合には、その配
合量は、水酸基含有ビニルポリマー(A)100重量部
に基づいて2〜30重量部、好ましくは2〜20重量部
の範囲内であることが好適である。
【0054】本発明の滑水組成物に、必要に応じて配合
できる前記水酸基含有シロキサンポリマー(E)は、上
記付加物(D)と同様に、滑水性の経時での保持性の向
上などのために配合されるものであり、下記式(3)
【0055】
【化10】
【0056】(式中、tの平均数は6〜210であり、
4 は炭素原子数1〜6のアルキル基又は炭素原子数1
〜12の水酸基含有有機基であり、R5 は炭素原子数1
〜12の水酸基含有有機基である)で表される水酸基含
有シロキサンポリマーである。R4 で表される炭素原子
数1〜6のアルキル基としては、メチル、エチル、n−
プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t
−ブチル、ヘキシル基などを挙げることができ、なかで
もn−ブチル基が好適である。
【0057】R4 又はR5 で表される炭素原子数1〜1
2の水酸基含有有機基としては、例えば下記式で表され
る基を挙げることができる。
【0058】
【化11】
【0059】上記水酸基含有シロキサンポリマー(E)
の市販品としては、例えば、サイラプレンFM−041
1、同FM−0421、同FM−0425、同FM−4
411、同FM−4421、同FM−4425、同FM
−D411、同FM−D421、同FM−D425、同
FM−DA11、同FM−DA21、同FM−DA2
5、同FM−DA26(以上、いずれもチッソ(株)
製)などを挙げることができる。水酸基含有シロキサン
ポリマー(E)を配合する場合には、その配合量は、水
酸基含有ビニルポリマー(A)100重量部に基づいて
2〜30重量部、好ましくは2〜20重量部の範囲内で
あることが好適である。
【0060】本発明の滑水組成物に、必要に応じて配合
できる前記界面活性剤は、微細な結露水が付着した状態
における、表面の滑水性をさらに向上させるなどの目的
で配合するものであり、例えば、下記式
【0061】
【化12】
【0062】(式中、uは0〜100の整数、vは1〜
10の整数、wは0〜10の整数、aは3〜45の整
数、bは0〜15の整数、kは2〜12の整数、R6
炭素原子数1〜6の低級アルキル基を表し、Gは−Si
OR(式中、Rは炭素原子数1〜6のアルキル基を表
す)、水酸基、カルボキシル基又はグリシジル基を表
す)、
【0063】
【化13】
【0064】(式中、xは5〜20の整数、a、b及び
6 はいずれも前記と同じ意味を有する)、
【0065】
【化14】
【0066】(式中、yは5〜20の整数、zは1〜2
0の整数、cは3〜45の整数、dは0〜15の整数、
7 は炭素原子数1〜6の低級アルキル基を表し、R8
及びR9 はいずれも同一又は異なって直接結合又は炭素
原子数1〜6の低級アルキレン基を表し、a、b及びR
6 はいずれも前記と同じ意味を有する)又は
【0067】
【化15】
【0068】(式中、R10及びR11は同一又は異なって
炭素原子数1〜18のアルキル基を示し、M1 はリチウ
ム、ナトリウムもしくはカリウムであるアルカリ金属、
又はアンモニウム基もしくはアミンを表す)で示される
アルキレンオキシドシラン化合物、ジアルキルスルホコ
ハク酸エステル塩を挙げることができる。
【0069】上記式で表される界面活性剤の市販品とし
ては、例えば、シルウエット(SILWET)L−7
7、同L−720、同L−722、同FZ−2161、
同SS−2801、FZ−2222、MAC−2101
(以上、いずれも日本ユニカー(株)製、アルキレンオ
キシドシラン化合物);ニューコール290M、同29
0K、同290P(以上、いずれも日本乳化剤(株)
製、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩)などを挙げ
ることができる。上記界面活性剤を配合する場合には、
その配合量は、水酸基含有ビニルポリマー(A)100
重量部に基づいて、0.02〜30重量部、好ましくは
0.1〜15重量部の範囲内であることが好適である。
【0070】かくして得られる本発明の滑水組成物は、
例えば、適当な型枠内に注入するか、適当な基体表面に
塗布して皮膜を形成した後、架橋硬化させることによ
り、滑水性に優れた表面を有する成形物(ここで、成形
物は、基体上に被覆された皮膜の形態の成形物も包含す
るものである)を得ることができる。
【0071】本発明の滑水組成物は、特に、被覆用組成
物として、ガラス(例えば、車両のフロントガラス、ウ
インドウガラス、窓ガラス、鏡など)、金属(例えば、
自動車、車両、アルミフィン、道路標識板、マイクロウ
エーブアンテナ、大型水道管パイプ、信号機など)、プ
ラスチック(施設園芸ハウス展張用フィルム又はシー
ト、人工臓器、便器、洗面器など)、無機材(便器、浴
槽、瓦など)、木材等の基材の表面に適用するのに有用
である。
【0072】これらの基材への本発明の滑水組成物の塗
布は、例えば、スプレー塗装、ハケ塗り、ローラー塗
装、ロールコート塗装、浸漬塗装、カーテンフローコー
タ塗装などのそれ自体既知の方法で行うことができる。
【0073】また、塗布された皮膜の厚さは、被塗物の
用途等に応じて変えることができるが、一般的には、硬
化後の膜厚で0.5〜100μm、とくに1〜50μm
程度が好適である。
【0074】本発明の滑水組成物の架橋硬化の条件は、
該組成物の調製に用いられた水酸基含有ビニルポリマー
(A)及び架橋剤成分(C)の種類等に応じて決定され
るが、通常、常温ないし約300℃、好ましくは80〜
250℃の温度で約15秒〜40分間の条件を用いるこ
とができる。
【0075】このようにして本発明の滑水組成物を用い
て形成される皮膜の表面は滑水性に優れており、例え
ば、従来のフッ素化エチレン系樹脂で被覆した物体表面
は水滴化した水の接触角は約108度であるが、質量1
0mgの水滴を載せた皮膜を90度に傾けても水滴は停
止したままであって自重によって落下しないが、本発明
の滑水組成物から形成された皮膜は、水滴の接触角が、
通常、ほぼ65〜85度の範囲内にあり、それほど大き
くはないけれども、該皮膜に付着させた質量10mgの
水滴は、皮膜を水平面から30度以内の角度で傾けただ
けで自重によって滑り始めて落下するという優れた滑水
性を示す。また、本発明の滑水組成物から形成された皮
膜に付着させた質量10mgの水滴は、該皮膜を水平に
保ったままで空気を吹き付けた場合、空気の速度が1m
/秒又はそれ以下で移動し滑落させることができる。
【0076】さらに本発明の滑水組成物を用いて形成さ
れる皮膜は、その上に微細な結露水が形成された上での
水滴の滑落性にも優れている。
【0077】以下に、滑水性皮膜を形成する方法の一例
として、本発明の滑水組成物を用いてアルミニウムフィ
ン材上に滑水性皮膜を形成する方法について述べる。
【0078】アルミニウムフィン材上に、プライマ塗膜
を介して又は介さずに、上記滑水組成物を塗装すること
によって最上層皮膜として滑水性皮膜を有する塗装アル
ミニウムフィンを製造することができる。
【0079】上記アルミニウムフィン材としては、熱交
換器のフィン材として従来使用されている、それ自体既
知のアルミニウムフィン材を挙げることができ、表面が
化成処理されていても無処理であってもよく、無処理で
も充分な塗膜密着性、耐食性を有する塗装アルミニウム
フィンを得ることができるが、高度な塗膜の密着性や耐
食性を必要とする場合には化成処理されていることが好
ましい。上記化成処理としては、燐酸クロメート処理、
塗布型クロメート処理などが挙げられる。
【0080】上記プライマ塗膜を形成するプライマ塗料
としては、フィン材及び滑水性皮膜との密着性、耐食
性、加工性などの塗膜物性が良好で、かつ塗装性のよい
ものであれば特に制限なく使用することができる。プラ
イマ塗料としては、例えば、アクリル−アミノ樹脂、エ
ポキシ−アミノ樹脂、エポキシ−ウレタン樹脂、ポリエ
ステル−アミノ樹脂、アクリル−ウレタン樹脂、エチレ
ン−不飽和カルボン酸共重合体、エチレンアイオノマー
樹脂、塩化ビニル樹脂などの樹脂系の塗料を挙げること
ができる。
【0081】プライマ塗料は、通常、乾燥膜厚が0.2
〜20μm、好ましくは0.5〜10μm程度となるよ
うに塗装され、焼付けなどによって硬化される。硬化条
件は塗料種、塗装法などに応じて適宜設定することがで
きる。
【0082】アルミニウムフィン材上への滑水組成物の
塗装方法は、アルミニウムフィン材の形状に応じて適宜
選択することができ、アルミニウムフィン材がシート状
である場合には、ロールコータ塗装、絞り塗装などの方
法が好適であり、一方、アルミニウムフィン材がフィン
に成型加工され組立てられたものである場合には、浸漬
塗装、スプレー塗装、シャワー塗装などの方法が好適で
ある。
【0083】滑水組成物の塗布量は、特に限定されるも
のではないが、通常、乾燥膜厚で0.5〜50μm、特
に1〜15μm程度となる範囲が好適である。
【0084】アルミニウムフィン材がシート状である場
合には、該フィン材上にプライマ塗膜を介して又は介さ
ずに滑水組成物を塗装し硬化させて滑水性皮膜を形成し
た後、フィン形状に成型加工することによって塗装アル
ミニウムフィンを製造することができる。フィンに成型
加工する方法は、特に限定されるものではなく、金型を
用いたドローレス法、ドロー法などを挙げることができ
る。アルミニウムフィン材がシート状であってロールコ
ート塗装法などによって連続的に塗装される場合には、
滑水組成物の硬化条件は、通常、素材到達最高温度が8
0〜250℃、焼付け時間が約15秒間〜約90秒間の
条件が好適である。
【0085】アルミニウムフィン材がフィンに成型加工
され組立てられたものである場合には、滑水組成物を塗
装し硬化させたものをそのまま塗装アルミニウムフィン
として使用できる。
【0086】上記のようにして得られる塗装アルミニウ
ムフィンは、最上層として本発明の滑水組成物からの滑
水性皮膜を有しており、フィン表面に微細な結露水が付
着した状態においても、そのフィン表面は優れた滑水性
を示す。塗装アルミニウムフィン表面に水滴が付着して
もすぐにフィン表面から脱落するのでフィン間における
水滴ブリッジの形成をなくすことができ、熱交換器のフ
ィンとして好適なものである。
【0087】かくして、本発明の滑水組成物は、水滴の
付着をきらう物体の被覆材、又はその物体の表面処理剤
として極めて有用である。
【0088】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限され
るものではない。以下、部及び%は特に断らない限り重
量基準によるものとする。
【0089】水酸基含有ビニルポリマーの製造 製造例1 温度計、還流冷却器、撹拌機及び滴下装置を備えた4つ
口フラスコにキシレン53.8部及びメチルイソブチル
ケトン28部を仕込み、撹拌下で加熱し、115℃に保
った。次いで同温度にて、「サイラプレンFM−071
1」(チッソ(株)製、メタクロイル基含有ポリシロキ
サン鎖含有モノマー、分子量約1,000)5部、2−
ヒドロキシエチルメタクリレート14部、スチレン30
部、n−ブチルメタクリレート20部、イソブチルメタ
クリレート30部、アクリル酸1部及びアゾビスイソブ
チロニトリル4.2部からなる混合物を3時間かけて滴
下した。滴下終了後、115℃で2時間熟成し、不揮発
分55%の水酸基含有ビニルポリマー(A)−1溶液を
得た。得られた樹脂は、数平均分子量12,000、水
酸基価60KOHmg/gを有していた。
【0090】製造例2 製造例1において、5部の「サイラプレンFM−071
1」のかわりに、5部のメチルメタクリレートを使用す
る以外は製造例1と同様に行い、不揮発分55%の水酸
基含有ビニルポリマー(A)−2溶液を得た。得られた
樹脂は、数平均分子量約11,000、水酸基価60K
OHmg/gを有していた。
【0091】エポキシ末端シロキサンポリマーとスルホ
ン酸化合物との付加物含有溶液の製造 製造例3 トルエン100部に、前記式(2)において、R3 がγ
−グリシジルオキシプロピル基であって、sが3であ
り、rの平均数が9.6である、エポキシ基両末端シロ
キサンポリマー(エポキシ基当量約500を有する)9
7.7部を混合、撹拌して溶解し、均一になったところ
で、メタンスルホン酸2.3部を加えて室温(20℃)
で1時間反応を行い、有効成分50%の付加物含有溶液
(D)−1を得た。この反応における(エポキシ基/ス
ルホン酸基)の当量比は8/1であり、得られた付加物
含有溶液(D)−1の有効成分は、エポキシ基両末端シ
ロキサンポリマー1分子中のエポキシ基の少なくとも1
個にスルホン酸が付加してなる付加物及び未反応のエポ
キシ基末端シロキサンポリマーからなり、両者の比率
は、前者/後者の重量比で、35/65であった。
【0092】製造例4 トルエン100部に、前記式(2)において、R3 がn
−ブチル基であって、sが3であり、rの平均数が1
0.4である、エポキシ基末端シロキサンポリマー(エ
ポキシ基当量約1,000を有する)98.4部を混
合、撹拌して溶解し、均一になったところで、メタンス
ルホン酸1.6部を加えて室温(20℃)で1時間反応
を行い、有効成分50%の付加物含有溶液(D)−2を
得た。この反応における(エポキシ基/スルホン酸基)
の当量比は6/1であり、得られた付加物含有溶液
(D)−2の有効成分は、エポキシ基末端シロキサンポ
リマー1分子中のエポキシ基にスルホン酸が付加してな
る付加物及び未反応のエポキシ基末端シロキサンポリマ
ーからなり、両者の比率は、前者/後者の重量比で、2
5/75であった。
【0093】滑水組成物の製造 実施例1 ゼッフルGK−510(ダイキン工業(株)製、ポリマ
ーを構成するモノマー成分として、フルオロオレフィ
ン、水酸基含有ビニルモノマー及びその他の不飽和モノ
マーを含有する水酸基含有フルオロポリマー溶液、固形
分50%、ポリマー固形分において、水酸基価60mg
KOH/g、酸価10mgKOH/gを有する)200
部、タケネートB−820NSU(武田薬品工業(株)
製、ブロックポリイソシアネート化合物、固形分60
%)104.5部、フォーメートK(武田薬品工業
(株)製、有機錫系ブロック剤解離触媒、固形分10
%)10部、及び前記式(1)において、R1 及びR2
のいずれもがグリシジルオキシ基、m及びnのいずれも
が3、kの平均数が62.5である、エポキシ両末端シ
ロキサンポリマー(エポキシ当量約2,500、表1中
において、このシロキサンポリマーを「(B)−1」と
略称する)30部を配合し、さらにトルエン/シクロヘ
キサノン=1/1の混合溶媒を固形分が40%となる量
加えて撹拌し、滑水組成物を得た。
【0094】実施例2〜36及び比較例1〜4 官能基両末端シロキサンポリマーとして下記表1に示す
ものを用い、実施例1において、後記表2に示すとおり
の各配合組成にて配合する以外は同様にして各滑水組成
物を得た。比較例3で得た滑水組成物は、製造直後に分
離を起した。後記表1において、各組成における配合量
は固形分重量部による表示とした。
【0095】表1中における官能基両末端シロキサンポ
リマー(B)−2〜(B)−6は、それぞれ前記式
(1)において、R1 、R2 m、n、kが表1に示すと
おりである官能基両末端シロキサンポリマーである。
【0096】
【表1】
【0097】塗装板の作成 上記実施例1〜36並びに比較例1、2及び4で得た各
滑水組成物を、アルカリ脱脂剤(日本シービーケミカル
(株)製、商品名「ケミクリーナー561B」)を溶解
した濃度2%の水溶液を使用して脱脂したアルミニウム
板(A1050、板厚0.1mm)に、乾燥膜厚で10
ミクロンとなるように塗布し、140℃で30分間焼付
けし各塗装板を得た。
【0098】得られた各塗装板について、塗膜の密着性
及び滑水性の試験を行った。その試験結果を後記表2に
示す。試験は下記試験方法に基いて行った。
【0099】試験方法 塗膜の密着性:JIS K5400 8.5.2(19
90)碁盤目−テープ法に準じて、20℃の室内におい
て、1mm×1mmのマス目を100個作成し、その表
面にセロハン粘着テープを密着させ、急激に剥した後の
塗面に剥離せずに残ったマス目の数を記録した。
【0100】水滴の滑落性:室温での水滴の滑落性と結
露させた状態での水滴の滑落性を調べた。 室温での水滴の滑落性……協和界面科学(株)製のCA
−X型接触角計を用い、23℃、65%RHの雰囲気下
に、約10mgの脱イオン水をマイクロシリンジを用い
て傾けた塗装板の塗面上に滴下し、水滴が滑落する水平
面からの最小角度を調べた。塗装板の傾斜角は、水平面
から5度刻みとした。5度でも滑落する場合、5>と表
示し、90度でも滑落しない場合は90<と表示した。
傾斜角を調べる塗装板としては、塗装直後の塗装板(初
期の塗装板)、塗装後25℃の脱イオン水中に168時
間浸漬した浸漬処理板及び塗装後乾湿サイクル試験(2
5℃の水道水の流水中に7時間浸漬−引上げて80℃で
17時間乾燥する工程を1サイクルとする)を7サイク
ル行った乾湿サイクル試験板の3種類の処理条件の塗装
板を用いた。 結露させた状態での水滴の滑落性……上記室温での水滴
の滑落性の試験において、測定条件を23℃、65%R
Hの雰囲気下で塗装板を2℃に冷却して約5分間放置し
て塗装板表面に結露させた状態にて測定する以外は同様
に行い約10mgの脱イオン水の水滴が滑落する水平面
からの最小角度を調べた。
【0101】水滴の滑落性については、一部、初期の塗
装板についてのみ試験を行った。
【0102】
【表2】
【0103】
【表3】
【0104】
【表4】
【0105】
【表5】
【0106】また、表2における(註)は、それぞれ以
下の意味を有する。
【0107】(*1)ルミフロンLF−554:水酸基
含有フルオロポリマー溶液、固形分40%、ポリマーの
水酸基価は53mgKOH/g、酸価は5mgKOH/
g。 (*2)タケネートB−870N:武田薬品工業(株)
製、ブロックポリイソシアネート化合物、固形分60
%。
【0108】(*3)サイメル303:三井サイテック
(株)製、メチルエーテル化メラミン樹脂。 (*4)サイメル325:三井サイテック(株)製、イ
ミノ基含有メチルエーテル化メラミン樹脂、固形分約8
0%。
【0109】(*5)キャタリスト4040:三井サイ
テック(株)製、芳香族スルホン酸触媒溶液、固形分4
0%。 (*6)キャタリスト269−9:三井サイテック
(株)製、リン酸系触媒溶液、固形分50%。
【0110】(*7)水酸基含有シロキサンE−1:前
記式(3)において、R4 がn−ブチル基、R5 がγ−
(2−ヒドロキシエチルオキシ)プロピル基、tの平均
数が64.5である数平均分子量約5,000の水酸基
含有シロキサンポリマー。 (*8)水酸基含有シロキサンE−2:前記式(3)に
おいて、R4 がn−ブチル基、R5 がγ−(2,2−ジ
メチロールブトキシ)プロピル基、tの平均数が19
8.4である、数平均分子量約15,000の水酸基含
有シロキサンポリマー。
【0111】(*9)ニューコール290M:日本乳化
剤(株)製、前記式(5)で示されるジアルキルスルホ
コハク酸エステル塩である界面活性剤。
【0112】(*10)シルウェットL−77:日本ユ
ニカー(株)製、前記式(4)で示されるアルキレンオ
キシドシラン化合物である界面活性剤。
【0113】
【発明の効果】本発明の滑水組成物は、これまでになく
水滴の滑落性に優れ、微細な結露水が形成された上でも
水滴の滑落性が優れた皮膜を形成できる。本発明組成物
中に、エポキシ末端シロキサンポリマーとスルホン酸化
合物との付加物や水酸基含有シロキサンポリマーを配合
した組成物は、経時における滑水性にも優れている。
【0114】また、本発明の滑水組成物を塗装して得ら
れる最上層に滑水性塗膜を有する塗装アルミニウムフィ
ンは、微細な結露水が形成されていないフィン表面及び
微細な結露水が形成されたフィン表面のいずれの表面に
水滴が付着してもすぐにフィン表面から滑落するのでフ
ィン間における水滴ブリッジの形成をなくすことができ
る塗装アルミニウムフィンであり、熱交換器のフィンと
して好適なものである。また、本発明によって得られる
塗装アルミニウムフィンを用いた熱交換器は、フィン表
面に、黴の発生や冬季における氷結がないという利点を
有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 183/06 C09D 183/06 183/08 183/08 C09K 3/18 104 C09K 3/18 104 F28F 1/32 F28F 1/32 H 13/18 13/18 A Fターム(参考) 4H020 BA32 BA34 4J038 CD091 CE051 CG141 CH121 DA162 DG262 DG302 DL032 GA03 GA06 GA07 GA09 KA03 PA07 PC02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)水酸基含有ビニルモノマー及びこ
    れらと共重合可能な他の不飽和モノマーの共重合により
    得られる水酸基含有ビニルポリマー、 (B)下記式(1) 【化1】 (式中、kの平均数は6〜250であり、m及びnはそ
    れぞれ0〜6の数であり、R1 及びはR2 は同一又は異
    なって、アミノ基、カルボキシル基又はグリシジルオキ
    シ基を示す)で表される官能基両末端シロキサンポリマ
    ー、 (C)ブロックされていてもよいポリイソシアネート化
    合物及びメラミン樹脂から選ばれる少なくとも1種の架
    橋剤成分を含有することを特徴とする滑水性皮膜を形成
    可能な被覆組成物。
  2. 【請求項2】 水酸基含有ビニルポリマー(A)が、上
    記他の不飽和モノマーの一部としてフルオロオレフィン
    を用いてなるフッ素原子を有する水酸基含有ビニルポリ
    マーである請求項1記載の被覆組成物。
  3. 【請求項3】 水酸基含有ビニルポリマー(A)100
    重量部に対して、官能基両末端シロキサンポリマー
    (B)の量が2〜30重量部であり、架橋剤成分(C)
    の量が4〜100重量部であることを特徴とする請求項
    1又は2記載の被覆組成物。
  4. 【請求項4】 さらに、(D)下記式(2) 【化2】 (式中、rの平均数は6〜150であり、sは0〜6の
    数であり、R3 は炭素原子数1〜6のアルキル基又は下
    記式 【化3】 (式中、qは0〜6の数である)で示される基である)
    で表されるエポキシ末端シロキサンポリマーとスルホン
    酸化合物との付加物及び/又は(E)下記式(3) 【化4】 (式中、tの平均数は6〜210であり、R4 は炭素原
    子数1〜6のアルキル基又は炭素原子数1〜12の水酸
    基含有有機基であり、R5 は炭素原子数1〜12の水酸
    基含有有機基である)で表される水酸基含有シロキサン
    ポリマーを含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載
    の被覆組成物。
  5. 【請求項5】 アルミニウムフィン材上に、プライマ塗
    膜を介して又は介さずに、請求項1記載の組成物を塗装
    して、最上層皮膜として滑水性皮膜を形成することを特
    徴とするアルミニウムフィン材の塗装方法。
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