JP2000026758A - 滑水性皮膜を形成可能な被覆組成物 - Google Patents

滑水性皮膜を形成可能な被覆組成物

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JP2000026758A
JP2000026758A JP10192235A JP19223598A JP2000026758A JP 2000026758 A JP2000026758 A JP 2000026758A JP 10192235 A JP10192235 A JP 10192235A JP 19223598 A JP19223598 A JP 19223598A JP 2000026758 A JP2000026758 A JP 2000026758A
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JP
Japan
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integer
water
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hydroxyl group
sulfonic acid
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JP10192235A
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English (en)
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Kotaro Morimoto
好太郎 森本
Yasuhiko Haruta
泰彦 春田
Makoto Mizutani
誠 水谷
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微細な結露水が形成された上でも水滴の滑落
性が初期及び経時において優れ、かつ黴の発生や冬季に
おけるフィン表面の氷結を解決できる皮膜を形成可能な
被覆組成物を得る。 【解決手段】 (A)水酸基含有ビニルポリマー、
(B)特定のエポキシ末端シロキサンポリマー、(C)
スルホン酸化合物及び(D)ブロックされていてもよい
ポリイソシアネート化合物及びメラミン樹脂から選ばれ
る少なくとも1種の架橋剤成分及び(E)特定のジアル
キルスルホコハク酸塩及びアルキレンオキシドシランか
ら選ばれる界面活性剤を含有する滑水性皮膜を形成可能
な被覆組成物、及びこの被覆組成物をアルミニウムフィ
ン材上に塗装して、最上層皮膜として滑水性皮膜を形成
することを特徴とするアルミニウムフィン材の塗装方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、付着水滴が容易に
滑落することができる滑水性皮膜を形成可能な被覆組成
物、及びこの被覆組成物を用いたアルミニウムフィン材
の塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
エアコンなどの熱交換器のアルミニウムフィンとして
は、親水性塗膜を形成したフィンが実用化されており、
このフィンにおいては、冷房時に凝縮する水がフィン間
に水滴ブリッジを形成することがなく、熱交換効率に優
れていることが知られている。
【0003】しかしながら、親水性塗膜を形成したフィ
ンは、表面に水を保持しやすいためフィン表面に黴が発
生しやすく、特に運転開始時の送風が黴臭いという問題
があり、また、暖房を行う冬季には気温が0℃以下とな
ると室外機の熱交換器のフィン表面についた霜が氷結
し、それが成長し熱交換効率が低下するという問題があ
った。
【0004】また、熱交換器のアルミニウムフィン表面
を濡れにくくする、すなわち、撥水性を付与するため
に、表面を例えばシリコン樹脂、フッ素系樹脂、ポリオ
レフィン系樹脂などの疎水性材料で被覆することも検討
されている。疎水性材料で被覆された表面に水が付着す
ると、水は弾かれて球状の水滴となり、大きい水滴は自
重により落下するが、小さい水滴は表面に付着したまま
であり、付着表面を垂直に傾けても落下しないという現
象がしばしばみられる。
【0005】そのため、表面の疎水性をできるだけ高く
して水との接触角を増加させることによって、付着水滴
を転がり落としやすくするための高疎水性材料の開発研
究が種々行われている。さらに、表面粗面化やせん毛状
突起を表面に形成する物理的な方法も検討されている。
【0006】しかしながら、上記提案されている疎水性
材料、疎水化方法は、水滴の転落のしやすさが十分でな
かったり、特に、微細な結露水が形成された上での水滴
の滑落性が劣っていたり、機械的性質が劣っていたり、
形成方法自体が困難であったりして、実用性のあるもの
は見出されていない。
【0007】そこで、本発明者らは、微細な結露水が形
成された上でも水滴の滑落性が初期及び経時においても
良好でフィン間に水滴ブリッジを形成することがなく、
かつ親水性塗膜を形成したフィンにおける、塗膜に付着
した水分による、黴の発生や冬季におけるフィン表面の
氷結を解決できる皮膜を形成可能な被覆組成物、及びこ
の組成物を用いた塗装アルミニウムフィンを得るために
鋭意研究を行った。
【0008】その結果、水酸基含有ビニルポリマーと、
水酸基含有ポリシロキサン又はエポキシ末端シロキサン
ポリマーとスルホン酸化合物との付加物と、架橋剤成分
と、特定の界面活性剤とを含有してなる被覆組成物が、
初期及び経時においても水滴を転落させやすい皮膜を形
成でき上記目的を達成できることを見出し本発明を完成
できたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、
(A)水酸基含有ビニルモノマー及びこれらと共重合可
能な他の不飽和モノマーの共重合により得られる水酸基
含有ビニルポリマー、(B)下記式(1)
【0010】
【化6】
【0011】(式中、mの平均数は6〜150であり、
nは0〜6の数であり、R1 は炭素原子数1〜6のアル
キル基である)で表されるエポキシ末端シロキサンポリ
マー、(C)スルホン酸化合物及び(D)ブロックされ
ていてもよいポリイソシアネート化合物及びメラミン樹
脂から選ばれる少なくとも1種の架橋剤成分(E)下記
式(2)、(3)、(4)又は(5)
【0012】
【化7】
【0013】(式中、R2 及びR3 は同一又は異なって
炭素原子数1〜18のアルキル基を示し、M1 はリチウ
ム、ナトリウムもしくはカリウムであるアルカリ金属、
又はアンモニウム基もしくはアミンを示す)、
【0014】
【化8】
【0015】(式中、uは0〜100の整数、vは1〜
10の整数、wは0〜10の整数、aは3〜45の整
数、bは0〜15の整数、kは2〜12の整数、R4
炭素原子数1〜6の低級アルキル基を表し、Gは−Si
OR(式中、Rは炭素原子数1〜6のアルキル基を表
す)、水酸基、カルボキシル基又はグリシジル基を表
す)、
【0016】
【化9】
【0017】(式中、xは5〜20の整数、a、b及び
4 はいずれも前記と同じ意味を有する)又は
【0018】
【化10】
【0019】(式中、yは5〜20の整数、zは1〜2
0の整数、cは5〜20の整数、dは0〜15の整数、
5 は炭素原子数1〜6の低級アルキル基を表し、R6
及びR7 はいずれも同一又は異なって直接結合又は炭素
原子数1〜6の低級アルキレン基を表し、a、b及びR
4 はいずれも前記と同じ意味を有する)で表される少な
くとも1種の界面活性剤を含有し、且つスルホン酸化合
物(C)の量が、エポキシ末端シロキサンポリマー
(B)中のエポキシ基/スルホン酸化合物(C)中のス
ルホン酸基の当量比が1/1〜10/1の範囲内となる
割合であることを特徴とする滑水性皮膜を形成可能な被
覆組成物を提供するものである。
【0020】また本発明は、アルミニウムフィン材上
に、プライマ塗膜を介して又は介さずに、上記の被覆組
成物を塗装して、最上層皮膜として滑水性皮膜を形成す
ることを特徴とするアルミニウムフィン材の塗装方法を
提供するものである。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の滑水性皮膜を形成可能な
被覆組成物について、以下に詳細に説明する。
【0022】本発明の滑水性皮膜を形成可能な被覆組成
物(以下、「滑水組成物」と略称することがある)は、
水酸基含有ビニルポリマー(A)と、エポキシ末端シロ
キサンポリマー(B)と、スルホン酸化合物(C)と、
架橋剤成分(D)と、界面活性剤(E)とを必須成分と
して含有する被覆組成物である。
【0023】水酸基含有ビニルポリマー(A) 本発明における水酸基含有ビニルポリマー(A)は、水
酸基含有ビニルモノマー及びこのモノマーと共重合可能
なその他の不飽和モノマー(以下、「その他モノマー」
と略記することがある)の共重合体である。
【0024】上記水酸基含有ビニルポリマー(A)の製
造に使用される水酸基含有ビニルモノマーとしては、例
えば、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプ
ロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテ
ル、ヒドロキシペンチルビニルエーテル、ヒドロキシヘ
キシルビニルエーテル等の水酸基含有ビニルエーテル
類;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロ
キシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタク
リレート等のアクリル酸又はメタクリル酸のC2 〜C12
−アルキルエステル等を挙げることができる。
【0025】上記水酸基含有ビニルモノマーと共重合せ
しめられるその他モノマーとしては、例えば、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリ
レート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘ
キシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレ
ート、ドデシル(メタ)アクリレートなどの炭素数1〜
18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル
エステル;メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、イ
ソブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ラウリル等の
アルキル基やシクロブチル、シクロペンチル、シクロヘ
キシル、アダマンチル、ボルニル等の脂環式基を有する
ビニルエーテル;スチレン、α−メチルスチレン等の芳
香族ビニルモノマー;ヘキサフルオロプロペン、テトラ
フルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン、
ジクロロジフルオロエチレン、1,2−ジフルオロエチ
レン、フッ化ビニリデン、モノフルオロエチレン等のフ
ルオロオレフィン;パーフルオロブチルエチル(メタ)
アクリレート、パーフルオロイソノニルエチル(メタ)
アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)ア
クリレートなどのパーフルオロアルキル(メタ)アクリ
レート;サイラプレンFM−0701、同FM−071
1、同FM−0721、同FM−0725(以上、いず
れもチッソ(株)製)などのジメチルシリコン鎖を有す
る重合性不飽和化合物;アクリル酸、メタクリル酸、イ
タコン酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有重合性
不飽和モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリ
レートなどのエポキシ基含有重合性不飽和モノマー;酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン
酸ビニル、カプロン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、バー
サチック酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル等
のビニルエステル;エチレン、プロピレン、イソブチレ
ン、ブテン−1等のα−オレフィン等が挙げられる。上
記その他モノマーとしては、その一部として、フルオロ
オレフィンを含有することが好ましい。
【0026】水酸基含有ビニルポリマー(A)におけ
る、水酸基含有ビニルモノマーとその他モノマーとの共
重合割合は、両者の合計量を基準にして、一般には次の
範囲内とすることが望ましい。
【0027】水酸基含有ビニルモノマー:1〜80モル
%、特に5〜70モル%、 その他モノマー:20〜99モル%、特に25〜95モ
ル%。
【0028】上記その他モノマーがフルオロオレフィン
を含有する場合には、水酸基含有ビニルポリマー(A)
における、水酸基含有ビニルモノマーとフルオロオレフ
ィンとフルオロオレフィン以外のその他モノマーの共重
合割合は、上記3者の合計量に基づいて、一般には次の
範囲内とすることが望ましい。
【0029】水酸基含有ビニルモノマー:1〜80モル
%、特に5〜70モル%、 フルオロオレフィン:19〜80モル%、特に25〜7
5モル%、 フルオロオレフィンを除くその他モノマー:1〜80モ
ル%、特に5〜70モル%。
【0030】水酸基含有ビニルポリマー(A)を得るた
めの上記各モノマーの共重合は、通常、有機溶剤中で、
モノマー成分の合計100重量部当たり約0.01〜約
5重量部の重合開始剤の存在下に、約−20℃〜約15
0℃の温度で、常圧で又は場合により約30kg/cm
2 Gまでの加圧下に反応させることにより行うことがで
きる。
【0031】水酸基含有ビニルポリマー(A)として
は、上記のようにして得られる共重合体を更に二塩基性
酸無水物と反応せしめて共重合体の水酸基の一部にカル
ボキシル基を導入してなる変性共重合体も使用できる。
【0032】かくして得られる水酸基含有ビニルポリマ
ー(A)は、一般に2,000〜100,000、好ま
しくは5,000〜60,000の範囲内の数平均分子
量を有することができる。さらに、水酸基含有ビニルポ
リマー(A)は、一般に30〜400mgKOH/g、
好ましくは40〜300mgKOH/gの範囲内の水酸
基価を有することができる。また、得られる塗膜の密着
性の点からカルボキシル基を有することが好ましく、
0.1〜40mgKOH/g、さらには1〜20mgK
OH/gの範囲内の酸価を有することが好適である。
【0033】水酸基含有ビニルポリマー(A)として
は、なかでも、モノクロロトリフルオロエチレン、4−
ヒドロキシブチルビニルエーテル及びエチルビニルエー
テルの共重合体を二塩基性酸無水物と反応させて共重合
体の水酸基の一部にカルボキシル基を導入してなる変性
共重合体が好適である。
【0034】エポキシ末端シロキサンポリマー(B) 本発明の滑水組成物におけるエポキシ末端シロキサンポ
リマー(B)は、下記式(1)
【0035】
【化11】
【0036】で示されるものであり、ここで、mはジメ
チルシロキサン単位の平均重合度を意味し、6〜15
0、好ましくは6〜70の範囲内の数であり、また、n
は0〜6、好ましくは1〜5の整数であり、R1 は炭素
原子数1〜6、好ましくは1〜4のアルキル基である。
【0037】R1 で表される炭素原子数1〜6のアルキ
ル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプ
ロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ヘキシ
ル基などを挙げることができ、なかでもメチル基、n−
ブチル基が好適である。
【0038】シロキサンポリマー(B)は、一般に53
0〜11,400、好ましくは540〜5,500の範
囲内の数平均分子量を有することができる。
【0039】スルホン酸化合物(C) 本発明において使用されるスルホン酸化合物(C)は、
下記式 R8 −SO3 H (式中、R8 は有機残基、例えば、脂肪族炭化水素基、
芳香族炭化水素基などを表し、該脂肪族炭化水素基、芳
香族炭化水素基は場合によりハロゲン原子などにより置
換されていてもよい)で示されるものであり、具体的に
は、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、
2,4−もしくは2,5−ジメチルベンゼンスルホン
酸、ナフタリン−α−スルホン酸、ナフタリン−β−ス
ルホン酸などが挙げられ、中でもメタンスルホン酸が好
適である。
【0040】架橋剤成分(D) 本発明において、前記フルオロポリマー(A)を架橋硬
化させるための架橋剤成分として、ブロックされていて
もよいポリイソシアネート化合物及びメラミン樹脂から
選ばれる少なくとも1種が用いられる。
【0041】上記ポリイソシアネート化合物としては、
例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソ
シアネート、フェニレンジイソシアネート、ビス(イソ
シアナトメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジイ
ソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の
脂肪族、脂環式又は芳香族のポリイソシアネート化合
物、及びこれらのポリイソシアネート化合物の過剰量
に、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリ
メチロールプロパン、ヘキサントリオール、ヒマシ油等
の低分子活性水素含有化合物を反応させて得られるイソ
シアネート末端プレポリマー等が挙げられる。
【0042】これらのポリイソシアネート化合物は、そ
のまま用いてもよく、或いは必要に応じて、イソシアネ
ート基がブロック剤でブロックされた形態で使用するこ
ともできる。
【0043】イソシアネートブロック剤としては、フェ
ノール、m−クレゾール、キシレノール、チオフェノー
ル等のフェノール類;メタノール、エタノール、ブタノ
ール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、
エチレングリコールモノエチルエーテル等のアルコール
類;アセトキシム、メチルエチルケトキシム、ベンゾフ
ェノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシ
ム類;ε−カプロラクタム、アセト酢酸エチル、マロン
酸ジエチル等の活性水素含有化合物等を挙げることがで
きる。これらのブロック剤を用いるポリイソシアネート
化合物のブロック化は、それ自体既知の方法に従って行
うことができる。
【0044】また、メラミン樹脂としては、トリアジン
環の数が1〜5個で、分子量が300〜3,000、特
に500〜2,000の範囲内にあるメラミン単体もし
くはその縮合物の部分メチロール化又は完全メチロール
化物、或いは更にそのメチロール基の一部又は全部を炭
素数1〜8の一価アルコール、例えば、メタノール、エ
タノール、プロパノール、n−ブタノール、イソブタノ
ールなどでエーテル化した部分アルキルエーテル化又は
完全アルキルエーテル化メチロールメラミン樹脂等を用
いることができる。
【0045】界面活性剤(D) 本発明の滑水組成物における界面活性剤(D)は、微細
な結露水が付着した状態における、表面の滑水性を向上
させるなどの目的で配合されるものであり、例えば、下
記式(2)、(3)、(4)又は(5)
【0046】
【化12】
【0047】(式中、R2 及びR3 は同一又は異なって
炭素原子数1〜18のアルキル基を示し、M1 はリチウ
ム、ナトリウムもしくはカリウムであるアルカリ金属、
又はアンモニウム基もしくはアミンを示す)、
【0048】
【化13】
【0049】(式中、uは0〜100の整数、vは1〜
10の整数、wは0〜10の整数、aは3〜45の整
数、bは0〜15の整数、kは2〜12の整数、R4
炭素原子数1〜6の低級アルキル基を表し、Gは−Si
OR(式中、Rは炭素原子数1〜6のアルキル基を表
す)、水酸基、カルボキシル基又はグリシジル基を表
す)、
【0050】
【化14】
【0051】(式中、xは5〜20の整数、a、b及び
4 はいずれも前記と同じ意味を有する)又は
【0052】
【化15】
【0053】(式中、yは5〜20の整数、zは1〜2
0の整数、cは5〜20の整数、dは0〜15の整数、
5 は炭素原子数1〜6の低級アルキル基を表し、R6
及びR7 はいずれも同一又は異なって直接結合又は炭素
原子数1〜6の低級アルキレン基を表し、a、b及びR
4 はいずれも前記と同じ意味を有する)で示されるジア
ルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキレンオキシド
シラン化合物を挙げることができる。
【0054】上記式で表される界面活性剤の市販品とし
ては、例えば、ニューコール290M、同290K、同
290P(以上、いずれも日本乳化剤(株)製、アルキ
レンオキシドシラン化合物);シルウェット(SILW
ET)L−77、同L−720、同L−722、同FZ
−2161、同SS−2801、FZ−2222、MA
C−2101(以上、いずれも日本ユニカー(株)製、
アルキレンオキシドシラン化合物)などを挙げることが
できる。
【0055】本発明に従う滑水性皮膜を形成可能な被覆
組成物 本発明の滑水組成物は、以上に述べた水酸基含有ビニル
ポリマー(A)、エポキシ末端シロキサンポリマー
(B)、スルホン酸化合物(C)、架橋剤成分(D)及
び界面活性剤(E)に、適宜、有機溶剤を混合すること
により調製することができる。
【0056】本発明の滑水組成物において、水酸基含有
ビニルポリマー(A)、シロキサンポリマー(B)、架
橋剤成分(D)及び界面活性剤(E)の配合割合は、特
に限定されるものではないが、通常、(A)成分100
重量部に対して、(B)成分が2〜30重量部、好まし
くは2〜20重量部であり、(D)成分が4〜100重
量部、好ましくは4〜60重量部、(E)成分が0.0
2〜30重量部、好ましくは0.1〜15重量部の範囲
内であることが好適である。また、スルホン酸化合物
(C)の量は、シロキサンポリマー(B)中のエポキシ
基/スルホン酸化合物(C)中のスルホン酸基の当量比
が1/1〜10/1、好ましくは1.5/1〜8/1の
範囲内となる割合であることが好適である。
【0057】エポキシ末端シロキサンポリマー(B)と
スルホン酸化合物(C)とは反応しやすく、本発明の滑
水組成物の製造時に、これらは前もって混合して反応さ
せてから他の成分と混合してもよく、また、他の成分と
別々に混合してもよい。別々に混合しても、滑水組成物
中においてエポキシ末端シロキサンポリマー(B)とス
ルホン酸化合物(C)とは短時間のうちに容易に反応す
る。
【0058】本発明滑水組成物において、エポキシ末端
シロキサンポリマー(B)とスルホン酸化合物(C)と
の配合割合は、エポキシ基がスルホン酸基に対して当量
ないしは大過剰となる割合であり、エポキシ末端シロキ
サンポリマー(B)とスルホン酸化合物(C)とから、
実質的にシロキサンポリマー(B)とスルホン酸化合物
(C)との付加物及び未反応のエポキシ末端シロキサン
ポリマー(B)が得られる。また未反応のスルホン酸化
合物(C)は実質的に含まれないことが望ましい。
【0059】シロキサンポリマー(B)とスルホン酸化
合物(C)とを前もって混合して反応させる場合には、
その反応は、例えば、シロキサンポリマー(B)とスル
ホン酸化合物(C)との両者を、必要に応じて有機溶剤
の存在下で、室温で混合することによって行うことがで
きる。もちろん、両者を混合して加熱してもよい。上記
有機溶剤としては、シロキサンポリマー(B)、スルホ
ン酸化合物(C)、及び(B)成分と(C)成分との付
加物を溶解ないしは分散できるものを好適に使用するこ
とができ、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキサ
ン、石油エーテル、ガソリン、ケロシン、ナフサ、クロ
ロホルム、四塩化炭素、二塩化エチレン、2−エチルヘ
キサノール、ジエチルエーテル、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、イソプロピルアルコール、ブ
タノール、ジオキサン、鉱物油などを挙げることができ
る。
【0060】シロキサンポリマー(B)とスルホン酸化
合物(C)との付加物の一例としては、下記に示す、シ
ロキサンポリマー(B)中のエポキシ基とスルホン酸化
合物(C)中のスルホン酸基との等モル反応による付加
物を挙げることができる。
【0061】
【化16】
【0062】また、シロキサンポリマー(B)とスルホ
ン酸化合物(C)との付加物の一例としては、下記に示
す、上記等モル反応による付加物に、さらに、シロキサ
ンポリマー(B)が付加した付加物(シロキサンポリマ
ー(B)中のエポキシ基2モルとスルホン酸化合物
(C)中のスルホン酸基1モルとの付加物)を挙げるこ
とができる。
【0063】
【化17】
【0064】さらに、シロキサンポリマー(B)とスル
ホン酸化合物(C)との付加物の一例としては、上記シ
ロキサンポリマー(B)2モルとスルホン酸化合物
(C)1モルとの付加物の水酸基に、さらに、シロキサ
ンポリマー(B)が付加した付加物(シロキサンポリマ
ー(B)中のエポキシ基3モルとスルホン酸化合物
(C)中のスルホン酸基1モルとの付加物)が考えられ
る。
【0065】本発明者らの検討によると、シロキサンポ
リマー(B)とスルホン酸化合物(C)との付加物は、
使用する原料にもよるが、両者の付加反応物のゲル浸透
クロマトグラフィー(ゲルパーミュエーションクロマト
グラフィー)の測定結果から、通常、シロキサンポリマ
ー(B)とスルホン酸化合物(C)との等モル付加物及
び場合によって等モル付加物と2モル対1モル付加物と
の混合物である。
【0066】本明細書において、発明組成物は、
(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)成分を含有
するものであるとは、本発明組成物において、上記
(B)成分及び(C)成分が、それぞれが独立して存在
する場合、及び(B)成分と(C)成分とが反応して付
加物となった状態で存在する場合のいずれをも意味する
ものとする。
【0067】架橋剤成分(D)として、遊離のイソシア
ネート基を有するポリイソシアネート化合物のように、
水酸基含有ビニルポリマー(A)と比較的容易に反応し
やすいものを使用する場合には、本発明の滑水組成物
は、成分(A)、(B)、(C)及び(E)の混合物と
成分(D)とが分離した二液型にしておき、使用直前に
両成分を混合することが望ましい。
【0068】本発明の滑水組成物には、必要に応じて、
更に、例えば、有機溶剤、着色顔料、体質顔料、防錆顔
料、染料、防黴剤、その他通常塗料に用いられるそれ自
体既知の添加剤等を配合することができる。
【0069】本発明の滑水組成物においては、粘度調整
などのために、通常、有機溶剤が配合される。この有機
溶剤としては、本発明の滑水組成物の各成分を溶解ない
しは分散可能なものを好適に使用することができ、具体
例としては、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキ
サン、石油エーテル、ガソリン、ケロシン、ナフサ、石
油系炭化水素溶剤、クロロホルム、四塩化炭素、二塩化
エチレン、2−エチルヘキサノール、ジエチルエーテ
ル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン、イソプロピルアルコール、ブタノー
ル、ジオキサン、鉱物油などを挙げることができる。
【0070】かくして得られる本発明の滑水組成物は、
例えば、適当な型枠内に注入するか、適当な基体表面に
塗布して皮膜を形成した後、架橋硬化させることによ
り、滑水性に優れた表面を有する成形物(ここで、成形
物は、基体上に被覆された皮膜の形態の成形物も包含す
るものである)を得ることができる。
【0071】本発明の滑水組成物は、特に、被覆用組成
物として、ガラス(例えば、車両のフロントガラス、ウ
インドウガラス、窓ガラス、鏡など)、金属(例えば、
自動車、車両、アルミフィン、道路標識板、マイクロウ
エーブアンテナ、大型水道管パイプ、信号機など)、プ
ラスチック(施設園芸ハウス展張用フィルム又はシー
ト、人工臓器、便器、洗面器など)、無機材(便器、浴
槽、瓦など)、木材等の基材の表面に適用するのに有用
である。
【0072】これらの基材への本発明の滑水組成物の塗
布は、例えば、スプレー塗装、ハケ塗り、ローラー塗
装、ロールコート塗装、浸漬塗装、カーテンフローコー
タ塗装などのそれ自体既知の方法で行うことができる。
【0073】また、塗布された皮膜の厚さは、被塗物の
用途等に応じて変えることができるが、一般的には、硬
化後の膜厚で0.5〜100μm、とくに1〜50μm
程度が好適である。
【0074】本発明の滑水組成物の架橋硬化の条件は、
該組成物の調製に用いられた水酸基含有ビニルポリマー
(A)及び架橋剤成分(C)の種類等に応じて決定され
るが、通常、常温ないし約300℃、好ましくは80〜
250℃の温度で約15秒〜40分間の条件を用いるこ
とができる。
【0075】このようにして本発明の滑水組成物を用い
て形成される皮膜の表面は滑水性に優れており、例え
ば、従来のフッ素化エチレン系樹脂で被覆した物体表面
は水滴化した水の接触角は約108度であるが、質量1
0mgの水滴を載せた皮膜を90度に傾けても水滴は停
止したままであって自重によって落下しないが、本発明
の滑水組成物から形成された皮膜は、水滴の接触角が、
通常、ほぼ65〜85度の範囲内にあり、それほど大き
くはないけれども、該皮膜に付着させた質量10mgの
水滴は、皮膜を水平面から30度以内の角度で傾けただ
けで自重によって滑り始めて落下するという優れた滑水
性を示す。また、本発明の滑水組成物から形成された皮
膜に付着させた質量10mgの水滴は、該皮膜を水平に
保ったままで空気を吹き付けた場合、空気の速度が1m
/秒又はそれ以下で移動し滑落させることができる。
【0076】さらに本発明の滑水組成物を用いて形成さ
れる皮膜は、その上に微細な結露水が形成された上での
水滴の滑落性にも優れている。
【0077】以下に、滑水性皮膜を形成する方法の一例
として、本発明の滑水組成物を用いてアルミニウムフィ
ン材上に滑水性皮膜を形成する方法について述べる。
【0078】アルミニウムフィン材上に、プライマ塗膜
を介して又は介さずに、上記滑水組成物を塗装すること
によって最上層皮膜として滑水性皮膜を有する塗装アル
ミニウムフィンを製造することができる。
【0079】上記アルミニウムフィン材としては、熱交
換器のフィン材として従来使用されている、それ自体既
知のアルミニウムフィン材を挙げることができ、表面が
化成処理されていても無処理であってもよく、無処理で
も充分な塗膜密着性、耐食性を有する塗装アルミニウム
フィンを得ることができるが、高度な塗膜の密着性や耐
食性を必要とする場合には化成処理されていることが好
ましい。上記化成処理としては、燐酸クロメート処理、
塗布型クロメート処理などが挙げられる。
【0080】上記プライマ塗膜を形成するプライマ塗料
としては、フィン材及び滑水性皮膜との密着性、耐食
性、加工性などの塗膜物性が良好で、かつ塗装性のよい
ものであれば特に制限なく使用することができる。プラ
イマ塗料としては、例えば、アクリル−アミノ樹脂、エ
ポキシ−アミノ樹脂、エポキシ−ウレタン樹脂、ポリエ
ステル−アミノ樹脂、アクリル−ウレタン樹脂、エチレ
ン−不飽和カルボン酸共重合体、エチレンアイオノマー
樹脂、塩化ビニル樹脂などの樹脂系の塗料を挙げること
ができる。
【0081】プライマ塗料は、通常、乾燥膜厚が0.2
〜20μm、好ましくは0.5〜10μm程度となるよ
うに塗装され、焼付けなどによって硬化される。硬化条
件は塗料種、塗装法などに応じて適宜設定することがで
きる。
【0082】アルミニウムフィン材上への滑水組成物の
塗装方法は、アルミニウムフィン材の形状に応じて適宜
選択することができ、アルミニウムフィン材がシート状
である場合には、ロールコータ塗装、絞り塗装などの方
法が好適であり、一方、アルミニウムフィン材がフィン
に成型加工され組立てられたものである場合には、浸漬
塗装、スプレー塗装、シャワー塗装などの方法が好適で
ある。
【0083】滑水組成物の塗布量は、特に限定されるも
のではないが、通常、乾燥膜厚で0.5〜50μm、特
に1〜15μm程度となる範囲が好適である。
【0084】アルミニウムフィン材がシート状である場
合には、該フィン材上にプライマ塗膜を介して又は介さ
ずに滑水組成物を塗装し硬化させて滑水性皮膜を形成し
た後、フィン形状に成型加工することによって塗装アル
ミニウムフィンを製造することができる。フィンに成型
加工する方法は、特に限定されるものではなく、金型を
用いたドローレス法、ドロー法などを挙げることができ
る。アルミニウムフィン材がシート状であってロールコ
ート塗装法などによって連続的に塗装される場合には、
滑水組成物の硬化条件は、通常、素材到達最高温度が8
0〜250℃、焼付け時間が約15秒間〜約90秒間の
条件が好適である。
【0085】アルミニウムフィン材がフィンに成型加工
され組立てられたものである場合には、滑水組成物を塗
装し硬化させたものをそのまま塗装アルミニウムフィン
として使用できる。
【0086】上記のようにして得られる塗装アルミニウ
ムフィンは、最上層として本発明の滑水組成物からの滑
水性皮膜を有しており、フィン表面に微細な結露水が付
着した状態においても、そのフィン表面は優れた滑水性
を示す。塗装アルミニウムフィン表面に水滴が付着して
もすぐにフィン表面から脱落するのでフィン間における
水滴ブリッジの形成をなくすことができ、熱交換器のフ
ィンとして好適なものである。
【0087】かくして、本発明の滑水組成物は、水滴の
付着をきらう物体の被覆材、その物体の表面処理剤とし
て極めて有用である。
【0088】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限され
るものではない。以下、部及び%は特に断らない限り重
量基準によるものとする。
【0089】水酸基含有ビニルポリマーの製造 製造例1 温度計、還流冷却器、撹拌機及び滴下装置を備えた4つ
口フラスコにキシレン53.8部及びメチルイソブチル
ケトン28部を仕込み、撹拌下で加熱し、115℃に保
った。次いで同温度にて、「サイラプレンFM−071
1」(チッソ(株)製、メタクロイル基含有ポリシロキ
サン鎖含有モノマー、分子量約1,000)5部、2−
ヒドロキシエチルメタクリレート14部、スチレン30
部、n−ブチルメタクリレート20部、イソブチルメタ
クリレート30部、アクリル酸1部及びアゾビスイソブ
チロニトリル4.2部からなる混合物を3時間かけて滴
下した。滴下終了後、115℃で2時間熟成し、不揮発
分55%の水酸基含有ビニルポリマー(A)−1溶液を
得た。得られた樹脂は、数平均分子量12,000、水
酸基価60KOHmg/gを有していた。
【0090】製造例2 製造例1において、5部の「サイラプレンFM−071
1」のかわりに、5部のメチルメタクリレートを使用す
る以外は製造例1と同様に行い、不揮発分55%の水酸
基含有ビニルポリマー(A)−2溶液を得た。得られた
樹脂は、数平均分子量約11,000、水酸基価60K
OHmg/gを有していた。
【0091】予備反応生成物の製造 製造例3 トルエン100部に、前記式(1)において、R1 がn
−ブチル基、mが63.9及びnが5である、エポキシ
末端シロキサンポリマー(エポキシ基当量約5,000
を有する、表1中において、「(B)−1」と略称す
る)98.1部を混合、撹拌して溶解し、均一になった
ところで、メタンスルホン酸1.9部を加えて室温(2
0℃)で1時間反応を行い、有効成分50%の予備反応
生成物(BC)−1溶液を得た。
【0092】製造例4〜14 製造例3において、エポキシ末端シロキサンポリマーの
種類及び配合量及びメタンスルホン酸の配合量を下記表
1に示すとおりとする以外は、製造例3と同様に行い、
固形分約50%の予備反応生成物(BC)−2〜(B
C)−12溶液を得た。製造例11〜14で得られた予
備反応生成物(BC)−9〜(BC)−12は、いずれ
も比較用の反応生成物である。
【0093】表1中に、配合組成におけるシロキサンポ
リマー中のエポキシ基/メタンスルホン酸中のスルホン
酸基の当量比も記載した。表1中におけるエポキシ末端
シロキサンポリマー(B)−2〜(B)−6は、それぞ
れ前記式(1)において、R1 、m及びnが下記表2に
示すとおりのエポキシ末端シロキサンポリマーである。
【0094】
【表1】
【0095】
【表2】
【0096】滑水組成物の製造 実施例1 ゼッフルGK−510(ダイキン工業(株)製、ポリマ
ーを構成するモノマー成分として、フルオロオレフィ
ン、水酸基含有ビニルモノマー及びその他の不飽和モノ
マーを含有する水酸基含有フルオロポリマー溶液、固形
分50%、ポリマー固形分において、水酸基価60mg
KOH/g、酸価10mgKOH/gを有する)200
部、タケネートB−820NSU(武田薬品工業(株)
製、ブロックポリイソシアネート化合物、固形分60
%)104.5部、フォーメートK(武田薬品工業
(株)製、有機錫系ブロック剤解離触媒、固形分10
%)10部、メタンスルホン酸0.57部、ニューコー
ル290M(日本乳化剤(株)製、ジアルキルスルホコ
ハク酸エステル塩の溶液、固形分75%)13.3部及
び前記式(1)において、R1 がn−ブチル基、mが6
3.9及びnが5である、エポキシ末端シロキサンポリ
マー(エポキシ当量約5,000、表1中において、こ
のシロキサンポリマーを「(B)−1」と略称する)2
9.43部を配合し、さらにトルエン/シクロヘキサノ
ン=1/1の混合溶媒を固形分が40%となる量加えて
撹拌し、滑水組成物を得た。
【0097】実施例2〜34及び比較例1〜13 エポキシ末端シロキサンポリマーとして表2に示すもの
を用い、実施例1において、後記表3に示すとおりの各
配合組成にて配合し、さらにトルエン/シクロヘキサノ
ン=1/1の混合溶媒を固形分が40%となる量加えて
撹拌し、各滑水組成物を得た。比較例2及び8で得た滑
水組成物は、塗料安定性が悪く製造直後にゲル化を起し
た。また、比較例5及び11で得た滑水組成物は、製造
直後に分離を起した。後記表3において、各組成におけ
る配合量は固形分重量部による表示とした。
【0098】塗装板の作成 上記実施例1〜34並びに比較例1、3、4、6、7、
9、10、12及び13で得た各滑水組成物を、アルカ
リ脱脂剤(日本シービーケミカル(株)製、商品名「ケ
ミクリーナー561B」)を溶解した濃度2%の水溶液
を使用して脱脂したアルミニウム板(A1050、板厚
0.1mm)に、乾燥膜厚で10ミクロンとなるように
塗布し、140℃で30分間焼付けし各塗装板を得た。
【0099】得られた各塗装板について、塗膜の密着性
及び滑水性の試験を行った。その試験結果を後記表3に
示す。試験は下記試験方法に基いて行った。
【0100】試験方法 塗膜の密着性:JIS K5400 8.5.2(19
90)碁盤目−テープ法に準じて、20℃の室内におい
て、1mm×1mmのマス目を100個作成し、その表
面にセロハン粘着テープを密着させ、急激に剥した後の
塗面に剥離せずに残ったマス目の数を記録した。
【0101】水滴の滑落性:室温での水滴の滑落性と結
露させた状態での水滴の滑落性を調べた。 室温での水滴の滑落性……協和界面科学(株)製のCA
−X型接触角計を用い、23℃、65%RHの雰囲気下
に、約10mgの脱イオン水をマイクロシリンジを用い
て傾けた塗装板の塗面上に滴下し、水滴が滑落する水平
面からの最小角度を調べた。塗装板の傾斜角は、水平面
から5度刻みとした。5度でも滑落する場合、5>と表
示し、90度でも滑落しない場合は90<と表示した。
傾斜角を調べる塗装板としては、塗装直後の塗装板(初
期の塗装板)、塗装後25℃の脱イオン水中に168時
間浸漬した浸漬処理板及び塗装後乾湿サイクル試験(2
5℃の水道水の流水中に7時間浸漬−引上げて80℃で
17時間乾燥する工程を1サイクルとする)を7サイク
ル行った乾湿サイクル試験板の3種類の処理条件の塗装
板を用いた。 結露させた状態での水滴の滑落性……上記室温での水滴
の滑落性の試験において、測定条件を23℃、65%R
Hの雰囲気で塗装板を2℃に冷却し約5分間放置して塗
装板表面に結露させた状態にて測定する以外は同様に行
い約10mgの脱イオン水の水滴が滑落する水平面から
の最小角度を調べた。
【0102】
【表3】
【0103】
【表4】
【0104】
【表5】
【0105】
【表6】
【0106】また、表3における(註)は、それぞれ以
下の意味を有する。
【0107】(*1)ルミフロンLF−554:水酸基
含有フルオロポリマー溶液、固形分40%、ポリマーの
水酸基価は53mgKOH/g、酸価は5mgKOH/
g。 (*2)タケネートB−870N:武田薬品工業(株)
製、ブロックポリイソシアネート化合物、固形分60
%。
【0108】(*3)サイメル303:三井サイテック
(株)製、メチルエーテル化メラミン樹脂。 (*4)サイメル325:三井サイテック(株)製、イ
ミノ基含有メチルエーテル化メラミン樹脂、固形分約8
0%。
【0109】(*5)キャタリスト4040:三井サイ
テック(株)製、芳香族スルホン酸触媒溶液、固形分4
0%。 (*6)キャタリスト269−9:三井サイテック
(株)製、リン酸系触媒溶液、固形分50%。
【0110】(*7)シルウェットL−77:日本ユニ
カー(株)製、前記式(3)で表されるアルキレンオキ
シドシラン化合物。
【0111】(*8)シルウェットL−720:日本ユ
ニカー(株)製、前記式(4)で表されるアルキレンオ
キシドシラン化合物。
【0112】(*9)シルウェットSS−2801:日
本ユニカー(株)製、前記式(3)で表されるアルキレ
ンオキシドシラン化合物。
【0113】(*10)シルウェットFZ−2222:
日本ユニカー(株)製、前記式(5)で表されるアルキ
レンオキシドシラン化合物。
【0114】(*11)シルウェットMAC−210
1:日本ユニカー(株)製、前記式(3)で表されるア
ルキレンオキシドシラン化合物。
【0115】
【発明の効果】本発明の滑水組成物は、これまでになく
水滴の滑落性に優れ、微細な結露水が形成された上でも
水滴の滑落性が初期及び経時においても滑水性に優れた
皮膜を形成できる。
【0116】また、本発明の滑水組成物を塗装して得ら
れる最上層に滑水性塗膜を有する塗装アルミニウムフィ
ンは、微細な結露水が形成されていないフィン表面及び
微細な結露水が形成されたフィン表面のいずれの表面に
水滴が付着してもすぐにフィン表面から滑落するのでフ
ィン間における水滴ブリッジの形成がなく、かつ耐久性
にも優れた塗装アルミニウムフィンであり、熱交換器の
フィンとして好適なものである。また、本発明によって
得られる塗装アルミニウムフィンを用いた熱交換器は、
フィン表面に、黴の発生や冬季における氷結がないとい
う利点を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 3/18 104 C09K 3/18 104 Fターム(参考) 4H020 BA33 4J038 CB001 CD091 CE051 CF011 CG011 CG141 CH031 CH041 CH051 CH121 CH171 CH251 CJ011 CJ021 CJ061 CJ081 CJ091 CJ131 CJ181 DA162 DA212 DG272 DG282 DG302 DL052 DL152 JC13 KA03 KA09 NA06 PB09 PC02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)水酸基含有ビニルモノマー及びこ
    れらと共重合可能な他の不飽和モノマーの共重合により
    得られる水酸基含有ビニルポリマー、 (B)下記式(1) 【化1】 (式中、mの平均数は6〜150であり、nは0〜6の
    数であり、R1 は炭素原子数1〜6のアルキル基であ
    る)で表されるエポキシ末端シロキサンポリマー、 (C)スルホン酸化合物及び (D)ブロックされていてもよいポリイソシアネート化
    合物及びメラミン樹脂から選ばれる少なくとも1種の架
    橋剤成分 (E)下記式(2)、(3)、(4)又は(5) 【化2】 (式中、R2 及びR3 は同一又は異なって炭素原子数1
    〜18のアルキル基を示し、M1 はリチウム、ナトリウ
    ムもしくはカリウムであるアルカリ金属、又はアンモニ
    ウム基もしくはアミンを示す)、 【化3】 (式中、uは0〜100の整数、vは1〜10の整数、
    wは0〜10の整数、aは3〜45の整数、bは0〜1
    5の整数、kは2〜12の整数、R4 は炭素原子数1〜
    6の低級アルキル基を表し、Gは−SiOR(式中、R
    は炭素原子数1〜6のアルキル基を表す)、水酸基、カ
    ルボキシル基又はグリシジル基を表す)、 【化4】 (式中、xは5〜20の整数、a、b及びR4 はいずれ
    も前記と同じ意味を有する)又は 【化5】 (式中、yは5〜20の整数、zは1〜20の整数、c
    は5〜20の整数、dは0〜15の整数、R5 は炭素原
    子数1〜6の低級アルキル基を表し、R6 及びR7 はい
    ずれも同一又は異なって直接結合又は炭素原子数1〜6
    の低級アルキレン基を表し、a、b及びR4 はいずれも
    前記と同じ意味を有する)で表される少なくとも1種の
    界面活性剤を含有し、且つスルホン酸化合物(C)の量
    が、エポキシ末端シロキサンポリマー(B)中のエポキ
    シ基/スルホン酸化合物(C)中のスルホン酸基の当量
    比が1/1〜10/1の範囲内となる割合であることを
    特徴とする滑水性皮膜を形成可能な被覆組成物。
  2. 【請求項2】 水酸基含有ビニルポリマー(A)が、上
    記他の不飽和モノマーの一部としてフルオロオレフィン
    を用いてなるフッ素原子を有する水酸基含有ビニルポリ
    マーである請求項1記載の被覆組成物。
  3. 【請求項3】 水酸基含有ビニルポリマー(A)100
    重量部に基づいて、エポキシ末端シロキサンポリマー
    (B)の量が2〜30重量部、架橋剤成分(D)の量が
    4〜100重量部であり、かつ界面活性剤(E)の量が
    0.02〜30重量部であることを特徴とする請求項1
    又は2記載の被覆組成物。
  4. 【請求項4】 アルミニウムフィン材上に、プライマ塗
    膜を介して又は介さずに、請求項1記載の組成物を塗装
    して、最上層皮膜として滑水性皮膜を形成することを特
    徴とするアルミニウムフィン材の塗装方法。
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