JP2000026708A - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

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JP2000026708A
JP2000026708A JP11123554A JP12355499A JP2000026708A JP 2000026708 A JP2000026708 A JP 2000026708A JP 11123554 A JP11123554 A JP 11123554A JP 12355499 A JP12355499 A JP 12355499A JP 2000026708 A JP2000026708 A JP 2000026708A
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epoxy resin
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resin composition
molecular weight
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JP11123554A
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English (en)
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Tokumasa Higuchi
徳昌 樋口
Koji Futatsumori
浩二 二ッ森
Chiatto Fui Kyo
チアット フイ キョー
Fui Ten Teo
フイ テン テオ
Toshio Shiobara
利夫 塩原
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 エポキシ樹脂、硬化剤及び無機質充填剤
を必須成分とするエポキシ樹脂組成物において、(A)
エポキシ樹脂と硬化剤の少なくとも一方が、重量平均分
子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnが1.6
より小さい平均分子量分布を有すると共に、2核体の量
が8重量%より少なく、且つ7核体以上の合計量が32
重量%より少ない分子量分布を有し、(B)無機質充填
剤含有量が組成物全体の70重量%以上であり、(C)
組成物を180℃で90秒間硬化させた硬化物のガラス
転移温度Tg1とこの硬化物を更に180℃で5時間ポ
ストキュアした後のガラス転移温度Tg2とが、 (Tg2−Tg1)/Tg2<0.1 の関係を有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。 【効果】 本発明のエポキシ樹脂組成物は、速硬化性、
成形性に優れ、特にノンポストキュアで用いても信頼性
に問題のない良好な硬化物を与えることができ、従って
この硬化物で封止された半導体装置は信頼性の高いもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、速硬化性及び成形
性に優れ、特にノンポストキュアで用いても信頼性に問
題のない優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物、及
び該組成物の硬化物で封止した半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】現在、
半導体産業の中で樹脂封止型のダイオード、トランジス
タ、IC、LSI、超LSIが主流となっており、この
封止樹脂としてエポキシ樹脂は一般に他の熱硬化性樹脂
に比べて成形性、接着性、電気特性、機械特性、耐湿性
等に優れているため、エポキシ樹脂組成物で半導体装置
を封止することが多く行われている。
【0003】最近においては、低コスト化のため及び省
エネルギー化のために速硬化性を含めた優れた成形性を
有し、かつノンポストキュアで使用可能な信頼性の高い
エポキシ樹脂組成物に対する要求が強くなっている。
【0004】しかしながら、速硬化性を付与するために
触媒量を増やした場合、ゲル化時間が短くなったり、溶
融粘度が高くなったりして成形時に未充填、ボイド、金
線流れが発生したり、エポキシ樹脂組成物の保存安定性
が悪くなったり、得られた半導体装置の信頼性が悪くな
るといった欠点があった。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、成形性に優れたノンポストキュア可能なエポキシ樹
脂組成物、及び該組成物の硬化物で封止した信頼性に優
れた半導体装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結
果、エポキシ樹脂、硬化剤及び無機質充填剤を必須成分
とし、無機質充填剤を高充填したエポキシ樹脂組成物に
おいて、エポキシ樹脂と硬化剤のいずれか一方又は双方
が下記特定の平均分子量及び分子量分布を有するものを
使用すると共に、硬化物のガラス転移温度の変動を成形
直後とポストキュア後とで少なくすることにより、成形
性及び保存安定性に優れたノンポストキュア可能なエポ
キシ樹脂組成物が得られることを知見し、本発明をなす
に至った。
【0007】即ち、本発明は、エポキシ樹脂、硬化剤及
び無機質充填剤を必須成分とするエポキシ樹脂組成物に
おいて、(A)エポキシ樹脂と硬化剤の少なくとも一方
が、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw
/Mnが1.6より小さい平均分子量分布を有すると共
に、2核体の量が8重量%より少なく、且つ7核体以上
の合計量が32重量%より少ない分子量分布を有し、
(B)無機質充填剤含有量が組成物全体の70重量%以
上であり、(C)組成物を180℃で90秒間硬化させ
た硬化物のガラス転移温度Tg1とこの硬化物を更に1
80℃で5時間ポストキュアした後のガラス転移温度T
2とが、 (Tg2−Tg1)/Tg2<0.1 の関係を有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物、
及び、この組成物の硬化物で封止された半導体装置を提
供する。
【0008】以下、本発明を更に詳述すると、本発明の
エポキシ樹脂組成物を構成するエポキシ樹脂としては、
1分子中にエポキシ基を少なくとも2個以上有するエポ
キシ樹脂であればいずれのものでもよく、具体的にはビ
スフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エ
ポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノ
ールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック
型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、トリフ
ェノールアルカン型エポキシ樹脂及びその重合物、ビフ
ェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェ
ノールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキ
ル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹
脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、グリシジルエステ
ル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環型エポ
キシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂などを用いることができ
る。
【0009】これらのエポキシ樹脂の中で、コスト、成
形性を考慮した場合、エポキシクレゾールノボラック樹
脂等のノボラック型エポキシ樹脂の使用が好ましい。
【0010】なお、上記エポキシ樹脂は、軟化点が50
〜120℃でエポキシ当量が100〜400を有するも
のが好ましい。軟化点が50℃より低いエポキシ樹脂を
用いた場合、硬化物のガラス転移温度が低下するばかり
か、成形時にバリやボイドが発生し易くなり、軟化点が
120℃より高い場合には、粘度が高くなりすぎて成形
できなくなることがある。
【0011】また、上記エポキシ樹脂を半導体装置封止
用に用いる場合、加水分解性塩素が1000ppm以
下、特に500ppm以下、ナトリウム及びカリウムは
それぞれ10ppm以下とすることが好適である。加水
分解性塩素が1000ppmを超えたり、ナトリウム及
びカリウムが10ppmを超える樹脂で半導体装置を封
止し、長時間高温高湿下に該半導体装置を放置すると、
耐湿性が劣化する場合がある。
【0012】次に、エポキシ樹脂の硬化剤としては、1
分子中にフェノール性水酸基を少なくとも2個以上有す
るフェノール樹脂が好ましい。このような硬化剤として
具体的には、ビスフェノールA、ビスフェノールF等の
ビスフェノール型フェノール樹脂、フェノールノボラッ
ク樹脂、クレゾールノボラック樹脂等のノボラック型フ
ェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、フェノール
アラルキル樹脂、ビフェニル型フェノール樹脂、ビフェ
ニルアラルキル型フェノール樹脂、トリフェノールアル
カン型樹脂及びその重合体等のフェノール樹脂、ナフタ
レン環含有フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性
フェノール樹脂などが例示される。
【0013】これらのフェノール樹脂の中で、コスト、
成形性を考慮した場合、フェノールノボラック樹脂等の
ノボラック型フェノール樹脂の使用が好ましい。
【0014】また、アミン系硬化剤や酸無水物系硬化剤
を上記フェノール樹脂と併用してもよい。
【0015】なお、これらの硬化剤は、軟化点が60〜
150℃、特に70〜130℃であるものが好ましい。
また、フェノール性水酸基当量としては90〜250の
ものが好ましい。更に、このようなフェノール樹脂を半
導体装置封止用に用いる場合、ナトリウム、カリウムは
10ppm以下とすることが好ましく、10ppmを超
える樹脂で半導体装置を封止し、長時間高温高湿下で半
導体装置を放置した場合、耐湿性の劣化が促進される場
合がある。
【0016】上記硬化剤の配合量は、特に制限されず、
上記エポキシ樹脂を硬化させる有効量であるが、上述し
たフェノール樹脂を用いる場合は、エポキシ樹脂中のエ
ポキシ基に対するフェノール樹脂中のフェノール性水酸
基のモル比を0.5〜1.5の範囲、特に0.8〜1.
2の範囲とすることが好適である。
【0017】ここで、本発明においては、上記したエポ
キシ樹脂及び硬化剤のいずれか一方、好ましくは双方
が、(1)重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(M
n)<1.6の平均分子量分布を有すると共に、(2)
2核体の量<8重量%、且つ7核体以上の合計量<32
重量%の分子量分布を有することが、成形性が良好でノ
ンポストキュア化を達成するために必要である。
【0018】平均分子量分布Mw/Mnが1.6より小
さくとも、2核体の量が8重量%以上の場合は成形後の
ガラス転移温度が十分に上がらず、また7核体以上の合
計量が32重量%以上の場合は溶融粘度が高くなり、ワ
イヤ流れ等の不具合を生じる。一方、Mw/Mnが1.
6以上の場合は、上記(2)の条件を満足しても、硬化
反応が不均一となり、反応性が低下し、結果としてガラ
ス転移温度(Tg)の低下や耐湿性の低下を招いてしま
う。なお、Mw/Mnのより好ましい範囲は1.0≦M
w/Mn≦1.5であり、2核体量は7重量%以下、7
核体以上の合計量は30重量%以下であることがより好
ましい。
【0019】なお、エポキシ樹脂、フェノール樹脂硬化
剤における“核”とは、エポキシ樹脂、硬化剤としての
フェノール樹脂それぞれにおいて、分子中に含まれるベ
ンゼン環骨格を意味するものであり、例えばビフェニル
骨格、ナフタレン骨格などは“2核”としてカウントす
る。
【0020】無機質充填剤としては、通常エポキシ樹脂
組成物に配合されるものを全組成物の70重量%以上使
用することが必要である。この無機質充填剤は、封止材
の膨張係数を小さくし、半導体素子に加わる応力を低下
させるために配合され、具体的には、破砕状や球状の形
状を有する溶融シリカ、結晶性シリカが主に用いられ、
この他にはアルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミなども使
用可能である。
【0021】これら無機質充填剤の平均粒径としては3
〜30μm、特に5〜20μmのものが好ましく、その
充填量は全組成物に対して70重量%以上必要であり、
通常70〜92重量%、特に75〜90重量%とするこ
とが好ましい。充填量が70重量%未満では膨張係数が
大きくなって半導体素子に加わる応力が増大し、素子特
性の劣化を招く場合があるばかりでなく、得られたエポ
キシ樹脂組成物の成形直後のガラス転移温度が無機質充
填剤を多量に用いた場合に比べて低くなってしまうから
である。ここで、この平均粒径は、例えばレーザー光回
折法による重量平均値(又はメジアン径)等として求め
ることができる。
【0022】なお、硬化物の低膨張化と成形性とを両立
させるために、球状品と破砕品のブレンド、あるいは球
状品のみを用いることが推奨される。また、上記無機質
充填剤は、予めシランカップリング剤、チタンカップリ
ング剤等のカップリング剤で表面処理して使用すること
が好ましい。
【0023】本発明の組成物には、硬化促進剤として有
機リン系誘導体や有機窒素系誘導体等の従来既知の各種
のものを使用することができる。特には、硬化促進剤と
して潜在性触媒を使用することが好ましい。潜在性がな
い硬化促進剤を用いた場合、速硬化性を付与できる量を
用いると成形性が悪くなったり、保存安定性が悪くなる
ためである。この潜在性触媒としては、従来既知の各種
のものを用いることができ、3級アミン化合物及び有機
リン化合物などが挙げられる。
【0024】3級アミン化合物としては、トリエチルア
ミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジ
メチルアミン等の窒素原子に結合する置換基としてアル
キル基やアラルキル基を有するアミン化合物、1,8−
ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7及びその
フェノール塩、オクチル酸塩、オレイン酸塩などのシク
ロアミジン化合物やその有機酸との塩、あるいは下記式
の化合物などのシクロアミジン化合物と4級ホウ素化合
物との塩又は錯塩などが挙げられる。
【0025】
【化1】
【0026】有機リン化合物としては、トリフェニルホ
スフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−トルイ
ル)ホスフィン、トリ(p−メトキシフェニル)ホスフ
ィン、トリ(p−エトキシフェニル)ホスフィン、トリ
フェニルホスフィン・トリフェニルボレートなどの有機
ホスフィン化合物及びその塩、テトラフェニルホスホニ
ウム・テトラフェニルボレートなどの4級ホスホニウム
化合物及びその塩等を用いることができる。
【0027】これらの中で、特に好ましくはトリフェニ
ルホスフィン及びその誘導体、3級アミンのフェノール
塩、4級ホスホニウム塩及びその誘導体である。
【0028】上記硬化促進剤の配合量は、エポキシ樹脂
100重量部に対して通常10重量部以下であり、好ま
しくは0.001〜10重量部、特に0.1〜4重量部
とすることが好ましい。0.001重量部未満では短時
間で硬化させることができない場合があり、10重量部
を超えると硬化速度が速すぎて良好な成形品が得られな
いことがある。
【0029】更に、本発明の組成物には、該組成物の硬
化物に可撓性や強靭性を付与させたり、接着性を付与す
るため、オルガノポリシロキサンとエポキシ樹脂とのブ
ロック共重合体、オルガノポリシロキサンとフェノール
樹脂とのブロック共重合体などのシリコーン変性芳香族
樹脂の共重合体、各種有機合成ゴム、メタクリル酸メチ
ル−スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−エチレ
ン−ブテン−スチレン共重合体などの熱可塑性樹脂、シ
リコーンゲルやシリコーンゴムなどの微粉末を添加する
ことができる。また、二液タイプのシリコーンゴムやシ
リコーンゲルで無機質充填剤の表面を処理してもよい。
なお、上述したシリコーン変性芳香族樹脂共重合体やメ
タクリル酸メチル−スチレン−ブタジエン共重合体はエ
ポキシ樹脂の低応力化に効果を発揮する。
【0030】上述した低応力化剤としてのシリコーン変
性芳香族樹脂共重合体及び/又は熱可塑性樹脂の使用量
は、通常エポキシ樹脂組成物全体の10重量%以下であ
り、好ましくは0.2〜10重量%、特に0.5〜5重
量%とすることが好ましい。0.2重量%より低い配合
量では十分な耐熱衝撃性を付与することができない場合
があり、一方、10重量%を超える配合量では機械的強
度が低下する場合がある。
【0031】更に、本発明の組成物には、必要に応じて
耐湿性、高温保管特性を改良するため、変性カルナバワ
ックス、高級脂肪酸、合成ワックス類などの離型剤、更
にシラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、
酸化アンチモン、リン化合物などを配合してもよい。
【0032】本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記した
各成分を加熱ロール、ニーダー、連続押出機による溶融
混練などにより製造することができる。なお、各成分の
配合順序に特に制限はない。
【0033】この場合、本発明のエポキシ樹脂組成物
は、ノンポストキュアとする点から、成形直後の硬化物
のガラス転移温度Tg1と、ポストキュア後の硬化物の
ガラス転移温度Tg2とのTg変動率〔(Tg2−T
1)/Tg2〕が、 (Tg2−Tg1)/Tg2<0.1 であることが必要である。
【0034】ここで、成形直後の硬化物のTg1とは、
トランスファー成形機を用いて180℃で90秒間硬化
させた試験片(5×5×15mm)をTMA(Ther
mal Mechanical Analysis)法
により測定したガラス転移温度であり、ポストキュア後
の硬化物のTg2とは、成形直後の試験片を更に180
℃で5時間ポストキュアした試験片のガラス転移温度で
ある。
【0035】Tg変動率が0.1以上では成形直後とポ
ストキュア後のガラス転移温度の差が大きすぎるため、
ノンポストキュア可能なエポキシ樹脂組成物を得ること
ができない。エポキシ樹脂組成物によって封止された半
導体装置は、通常、作動環境下で発熱したりして高温環
境にさらされる場合が多いため、Tg変動率が0.1よ
りも大きい組成物を用いた場合、使用環境下で徐々にガ
ラス転移温度が変化してきて、各種の特性変動、特には
半導体装置に反りが生ずるという不利が発生するためで
ある。なお、上記Tg変動率のより好適な値は0〜0.
08である。
【0036】更に、本発明においては、ノンポストキュ
ア特性をより確実に達成する点から、エポキシ樹脂組成
物は下記式で示される反応率を有することが好ましい。
【0037】 成形直後の硬化物のΔH1/未硬化物のΔH0<0.05 ΔHは、エポキシ樹脂組成物又はその1次硬化物をDS
C測定した際に得られるエンタルピー変化、即ち反応エ
ネルギーを示す。未硬化物のΔH0とは未硬化の組成物
をDSC測定した際のΔHを示し、成形直後の硬化物の
ΔH1とは180℃で90秒間成形した硬化物(1次硬
化物)のΔHを示す。
【0038】DSC測定による未硬化の組成物が完全に
硬化するまでのエンタルピー変化量ΔH0が反応率10
0%であるとした場合、上記式は180℃で90秒間成
形した硬化物の未反応率が5%未満であることを示して
いる。上記式ΔH1/ΔH0の値が0.05以上である場
合には、1次硬化物の硬化反応が十分に進んでいないた
め、この状態でポストキュアなしに用いた場合、熱劣化
を受けた際の特性変化が起こり、好ましくないことが多
い。なお、より好ましい未反応率(上記式ΔH1/ΔH0
の値)は4.5%以下、特に0〜4.2%である。
【0039】上記Tg変動率は、エポキシ樹脂及び/又
は硬化剤の平均分子量分布及び分子量分布を上述した範
囲で選定し、無機質充填剤の配合量を組成物全体の70
重量%以上とすることにより上記値とすることができ、
また上記未反応率は、これに加えて2核体の量を8重量
%より少なくすることにより上記値とすることができ
る。
【0040】かくして得られる本発明のエポキシ樹脂組
成物は、DIP型、フラットパック型、PLCC型、S
O型等の半導体パッケージの封止に有効であり、この場
合、従来より採用されている成形法、例えばトランスフ
ァー成形、インジェクション成形、注型法等により行う
ことができる。なお、本発明のエポキシ樹脂組成物の成
形温度は150〜190℃が好ましく、ポストキュアは
基本的に不要であるが、必要に応じて150〜185℃
で30分間〜16時間行うことは何ら問題はない。
【0041】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂組成物は、速硬化
性、成形性に優れ、特にノンポストキュアで用いても信
頼性に問題のない良好な硬化物を与えることができ、従
ってこの硬化物で封止された半導体装置は信頼性の高い
ものである。
【0042】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。なお、以下の例において部はいずれも重
量部を示す。
【0043】〔実施例1〜4,比較例1〜3〕表1に示
すエポキシ樹脂、表2に示すフェノール樹脂を表3に示
す組合せで使用し(各成分の数値はいずれも部を示
す)、混合シリカ400部(平均粒径10μmの溶融破
砕シリカ20%,平均粒径30μmの溶融球状シリカ7
5%,平均粒径0.5μmの溶融球状シリカ5%からな
る混合物)、三酸化アンチモン10部、ワックスE1.
5部、カーボンブラック1.0部、臭素含有量35.5
%,エポキシ当量283の臭素化エポキシフェノールノ
ボラック樹脂10部、3−グリシジルオキシプロピルト
リメトキシシラン1.0部を加え、得られた配合物を熱
二本ロールで均一に溶融混練し、更に硬化促進剤として
表3に示す量のトリフェニルホスフィンを均一に溶融混
練して、7種のエポキシ樹脂組成物を製造した。得られ
たエポキシ樹脂組成物について、以下の(イ)〜(ト)
の諸特性を評価した。結果を表3に併記する。ここで、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、臭素化エポキシフェノ
ールノボラック樹脂の合計量は100部であり、かつエ
ポキシ樹脂の合計中におけるエポキシ基に対するフェノ
ール樹脂中のフェノール性水酸基のモル比は1.0であ
る。
【0044】(イ)スパイラルフロー(SF) EMMI規格に準じた金型を使用して180℃,70k
gf/cm2の条件で測定した。 (ロ)熱時硬度 180℃,70kgf/cm2,成形時間90秒間の条
件で100×10×4mmの棒を成形し、金型から取り
出した直後の硬度をバーコール硬度計で測定した。 (ハ)ガラス転移温度 180℃,70kgf/cm2,成形時間90秒間の条
件で5×5×15mmの試験片を成形し、ディラトメー
ターにより毎分5℃で昇温させることにより測定したも
のをTg1、成形後に180℃で5時間ポストキュアし
たものを用いて測定したものをTg2とした。 (ニ)未反応率 DSCを用いて〔成形直後の硬化物のΔH1/未硬化物
のΔH0〕の値を得、これを未反応率とした。ここで、
ΔHはエポキシ樹脂組成物又はその1次硬化物をDSC
測定した際に得られるエンタルピー変化を示し、未硬化
物のΔH0とは未硬化の組成物をDSC測定した際のΔ
Hを示し、成形直後の硬化物のΔH1とは180℃で9
0秒間成形した硬化物のΔHを示す。 (ホ)パッケージボイド 180℃,70kgf/cm2,成形時間90秒間の条
件で14×20×2mmのQFPを6個成形し、超音波
探傷試験装置により内部ボイドを調べ、0.5mm以上
の大きさのボイドの総数を求めた。 (ヘ)耐湿性 180℃,70kgf/cm2,成形時間90秒間の条
件でIC回路を含んだ100pinQFPを成形し、1
21℃のPCT中で1500時間劣化させた後の抵抗値
が3倍以上となったものの比率を求めた。 (ト)ワイヤ流れ 上記(ヘ)で用いたと同じ100pinQFPを同条件
で10個成形し、金線の流れ率を求め、各パッケージご
との最大ワイヤ流れ率の平均値を求め、%表示した。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】表3の結果より、本発明のエポキシ樹脂組
成物(実施例)は、従来のもの(比較例)と比較して、
硬化性、成形性に優れ、ノンポストキュアで用いても信
頼性の高い成形品を与えることが確認された。
【0049】比較例1では、成形直後の未反応率が高い
ため成形直後のTgが低く、また流動性が悪いため、ワ
イヤ流れが大きくなっている。比較例2では、硬化促進
剤の量を増やしたため硬化性は改善されているが、ワイ
ヤ流れ、断線が生じている。比較例3では、流動性を改
善するため低粘度樹脂を用いているが、硬化性が更に悪
化するという欠点があった。
【0050】〔実施例5〜7,比較例4〕実施例1にお
いて混合シリカの配合量を表4のように変更する以外は
すべて実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得、
その評価結果を表4に示した。
【0051】
【表4】
【0052】表4の結果より、無機質充填剤を多く用い
たものは成形直後のTgが高くなり、ノンポストキュア
可能な組成物として最適であることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 23/31 (72)発明者 二ッ森 浩二 マレーシア国 セランゴール州,40000 シャアラム,ハイコム インダストリアル エステイト,ジャラン セレンダ26 /17,ロット50 信越エレクトロニクスマ レーシア内 (72)発明者 キョー チアット フイ マレーシア国 セランゴール州,40000 シャアラム,ハイコム インダストリアル エステイト,ジャラン セレンダ26 /17,ロット50 信越エレクトロニクスマ レーシア内 (72)発明者 テオ フイ テン マレーシア国 セランゴール州,40000 シャアラム,ハイコム インダストリアル エステイト,ジャラン セレンダ26 /17,ロット50 信越エレクトロニクスマ レーシア内 (72)発明者 塩原 利夫 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂、硬化剤及び無機質充填剤
    を必須成分とするエポキシ樹脂組成物において、(A)
    エポキシ樹脂と硬化剤の少なくとも一方が、重量平均分
    子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnが1.6
    より小さい平均分子量分布を有すると共に、2核体の量
    が8重量%より少なく、且つ7核体以上の合計量が32
    重量%より少ない分子量分布を有し、(B)無機質充填
    剤含有量が組成物全体の70重量%以上であり、(C)
    組成物を180℃で90秒間硬化させた硬化物のガラス
    転移温度Tg1とこの硬化物を更に180℃で5時間ポ
    ストキュアした後のガラス転移温度Tg2とが、 (Tg2−Tg1)/Tg2<0.1 の関係を有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 エポキシ樹脂がエポキシクレゾールノボ
    ラック樹脂であり、硬化剤がフェノールノボラック樹脂
    である請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 組成物をDSC測定した際に得られるエ
    ンタルピー変化ΔH 0と、この組成物を180℃で90
    秒間硬化した硬化物をDSC測定した際に得られるエン
    タルピー変化ΔH1とが、 ΔH1/ΔH0<0.05 の関係を有する請求項1又は2記載のエポキシ樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3記載のエポキシ樹脂
    組成物の硬化物で封止された半導体装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000297199A (ja) * 1999-04-14 2000-10-24 Shin Etsu Chem Co Ltd エポキシ樹脂組成物並びにこのエポキシ樹脂組成物を用いた積層フィルム及び半導体装置
KR100364244B1 (ko) * 2000-12-18 2002-12-12 제일모직주식회사 반도체 소자 밀봉용 에폭시 수지 조성물
JP2010251555A (ja) 2009-04-16 2010-11-04 Toshiba Corp 半導体装置
JP7411587B2 (ja) 2018-03-16 2024-01-11 ハンツマン・アドヴァンスト・マテリアルズ・ライセンシング・(スイッツランド)・ゲーエムベーハー 貯蔵安定及び硬化性樹脂組成物

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KR100364244B1 (ko) * 2000-12-18 2002-12-12 제일모직주식회사 반도체 소자 밀봉용 에폭시 수지 조성물
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