JP2000026298A - 選択的エストロゲンレセプタ―モジュレ―タ―及びプロスタグランジンe2を含む治療用組合せ - Google Patents

選択的エストロゲンレセプタ―モジュレ―タ―及びプロスタグランジンe2を含む治療用組合せ

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JP2000026298A
JP2000026298A JP11167503A JP16750399A JP2000026298A JP 2000026298 A JP2000026298 A JP 2000026298A JP 11167503 A JP11167503 A JP 11167503A JP 16750399 A JP16750399 A JP 16750399A JP 2000026298 A JP2000026298 A JP 2000026298A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 選択的エストロゲンレセプターモジュレータ
ー及びプロスタグランジンE2を含む治療用組合せを提
供する。 【解決手段】 (a)(−)−シス−6−フェニル−5
−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フ
ェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−
2−オール又は薬剤学的に許容することのできるその塩
である第1の化合物と(b)PGE2又は薬剤学的に許
容することのできるその塩である第2の化合物との組合
せ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、骨形成を刺激し、
骨質量を増加させ、そしてPGE2の骨回復効果を向上
する、選択的エストロゲンレセプターモジュレーター
(SERM:selective estrogen
receptor modulator)とPGE2又
は薬剤学的に許容することのできるそれらの塩との薬剤
学的組合せに関する。また、本発明は、前記組合せを含
むキット、及び哺乳動物(ヒトを含む)における筋骨格
脆性(musculoskeletal frailt
y)(例えば、骨粗しょう症、骨粗しょう症骨折、低骨
質量、及び脆性など)治療への前記組合せの使用に関す
る。本発明は、特に、(−)−シス−6−フェニル−5
−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フ
ェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−
2−オール又は薬剤学的に許容することのできるその塩
とPGE2又は薬剤学的に許容することのできるその塩
との組合せ、前記組合せを含むキット、及び哺乳動物
(ヒトを含む)における筋骨格脆性(例えば、骨粗しょ
う症、骨粗しょう症骨折、低骨質量、及び脆性など)治
療への前記組合せの使用に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】骨粗し
ょう症は、低骨質量及び骨組織の劣化(その結果として
骨の脆さを増し、そして骨折しやすくなる)を特徴とす
る、全身性の骨格疾病である。米国では毎年2500万
を超える人が前記の状態に罹病しており、そして前記の
状態によって、脊椎骨折50万人、股関節部骨折25万
人、及び手首骨折24万人を含む130万を超える人が
毎年骨折している。股関節部の骨折が最も重篤であり、
5〜20%の患者が1年以内に死亡し、そして50%を
超える生存者が無能力(incapacitated)
になっている。
【0003】老人は、骨粗しょう症の危険性が最も高
く、従って人口の高齢化に伴って、その問題の重要性が
増すと予測されている。全世界における骨折の発生は、
今後の60年で3倍に増加することが予想されている。
また、或る研究では、2050年には、全世界での股関
節骨折が450万人になると予想している。
【0004】男性及び女性のいずれも筋骨格脆性(骨粗
しょう症を含む)に罹病する可能性があるが、女性は男
性よりも骨粗しょう症の危険性が高い。女性は、月経終
了直後から、骨欠損が急速に加速されることを経験す
る。骨欠損及びそれによって誘導される骨粗しょう症を
高める他の要因としては、喫煙、アルコールの乱用、座
りがちの生活様式、及びカルシウム摂取不足を挙げるこ
とができる。
【0005】エストロゲンは、骨粗しょう症、又は女性
における月経終了後の骨欠損の予防に選択される薬剤で
ある。更に、Blackらが、欧州特許出願第0605
193A1号公報中において、エストロゲンが、特に経
口摂取する場合に、LDLの血しょうレベルを下降さ
せ、そして有益な高密度リポタンパク(HDL)の血し
ょうレベルを上昇させることを報告している。しかしな
がら、長期にわたるエストロゲン治療は、多様な障害
(子宮癌、子宮内膜癌、及び場合により乳癌、の危険性
を増すことを含む)に関係してきており、多くの女性が
この治療を避けるか、あるいは短期間のみ投薬を実施し
ている。子宮内膜癌の危険性は、プロゲステロンの同時
使用によって減少すると考えられているが、エストロゲ
ンの使用によって乳癌の危険性が増加する可能性につい
ていまだに心配されている。癌の危険性の軽減を追求し
て最近示唆されたレジメン(例えば、プロゲステロン及
びエストロゲンの組合せの投与)は、患者に、許容する
ことのできない出血を経験させる。更に、プロゲステロ
ンをエストロゲンと組み合わせると、エストロゲンの血
清コレステロール低減効果を弱めるように思われる。エ
ストロゲン治療は前記の重要な望ましくない効果と関係
するので、血清LDLにおける所望の有利な効果を有す
るが、望ましくない副作用を起こすことのない、骨粗し
ょう症の治療方法の開発が必要とされている。
【0006】最近、多くの選択的エストロゲンレセプタ
ーモジュレーターが、骨粗しょう症の治療用として提案
されている。ラロキシフェン〔6−ヒドロキシ−2−
(4−ヒドロキシフェニル)−3−[4−(2−ピペリ
ジノエトキシ)ベンゾイル]ベンゾ[b]チオフェン〕
は、骨及び脂質上でエストロゲンの好都合な作用をまね
るが、エストロゲンとは異なり、子宮刺激効果は最小の
ものであると報告されている(Osteoporosi
s Conference Scrip No.181
2/13 April 16/20,1993,p.2
9)。また、Black,L.J.ら,Raloxif
ene(LY139481 Hcl) Prevent
s Bone Loss and Reduces S
erumCholesterol Without C
ausing UterineHypertrophy
in Ovariectomized Rats,
J.Clin.Invest.,1994,93:63
−69、及びDelmas,P.D.ら,Effect
s of Raloxifene on BoneMi
neral Density,Serum Chole
sterol Concentration,and
Uterine Endometriumin Pos
tmenopausal Women,New Eng
landJounal of Medicine,19
97,337:1641−1647を参照されたい。
【0007】例えば、ドロロキシフェン(米国特許第5
254595号)などの薬剤は、骨欠損を予防し、従っ
てエストロゲンの副作用なしで骨折の危険性を減少す
る。しかしながら、エストロゲン又はエストロゲンアゴ
ニスト単独では、骨折の危険性を約50%減少させるこ
としか期待できず、約50%のオステオペニック女性に
は、骨粗しょう症骨折に対する危険性が残る。
【0008】米国特許第5552412号明細書は、
式:
【化1】 (式中の各記号の定義は、前記明細書を参照されたい)
で表されるSERM化合物を開示している。(−)−シ
ス−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−
イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テト
ラヒドロナフタレン−2−オールは、経口的に活性で、
高い能力を有するSERMであり、卵巣摘出(OVX)
ラットにおいて、骨欠損を予防し、全血清コレステロー
ルを減少するが、エストロゲンのような子宮刺激効果を
持たない。PGE2は、骨形成及び骨吸収の両方を刺激
することによって、骨質量を回復する。しかしながら、
卵巣摘出ラット骨格において、PGE2は、骨吸収より
も骨形成に対して有利に作用する。
【0009】「Tangら,Restoring an
d Maintaining Bone in Ost
eogenic Female Rat Skelet
on:I.Changes in Bone Mass
and Structure,J.Bone Min
eral Research 7(9),p1093−
1104,1992」には、存在している骨粗しょう症
を逆転するための現実的なアプローチとして、欠失(l
ose)、回復(restore)、及び維持(mai
ntain)コンセプト(LRMコンセプト)に対する
データを開示している。前記LRMコンセプトは、同化
剤を使用して骨質量及び構造を回復し(+フェーズ)、
次に骨質量を維持する能力が証明されている試薬に切り
換えて新しい骨を維持する(+/−フェーズ)。前記の
ラット研究では、PGE2及びライズドロネート(ri
sedronate:ビスホスホネートの一種)を用い
て、PGE2によって誘導された新しい海面質及び緻密
質の骨の大部分を、ライズドロネートの投与によってP
GE2投与の継続を終了した後の少なくとも60日間維
持することができることを示した。「Shenら,Ef
fects of Reciprocal Treat
ment with Estrogen and Es
trogen plusParathyroid Ho
rmone on Bone Structure a
nd Strength in Ovariectom
ized Rats,J.Clinical Inve
stigation,1995,96:2331−23
38」は、骨粗しょう症の治療に対する抗吸収剤及び同
化剤の組合せ及び/又は連続的使用に関するデータを開
示している。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)(−)
−シス−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリジン−
1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−
テトラヒドロナフタレン−2−オール又は薬剤学的に許
容することのできるその塩である第1の化合物;及び (b)PGE2又は薬剤学的に許容することのできるそ
の塩である第2の化合物を含む医薬組成物に関する。
【0011】更に、本発明は、薬剤学的に許容すること
のできる担体又は希釈剤を更に含む、直前の段落に記載
の医薬組成物に関する。
【0012】また更に、本発明は、第1の化合物が
(−)−シス−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリ
ジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,
7,8−テトラヒドロナフタレン−2−オールD−タル
トレート(tartrate)であり、そして第2の化
合物がPGE2又は薬剤学的に許容することのできるそ
の塩である、直前の2段落に記載の医薬組成物に関す
る。
【0013】また更に、本発明は、筋骨格脆性に罹病し
ている哺乳動物治療用の、直前の3段落のいずれか1段
落に記載の医薬組成物に関する。また更に、本発明は、
筋骨格脆性に罹病している哺乳動物に、前記医薬組成物
を投与することを含む、前記哺乳動物における筋骨格脆
性の治療方法(方法Aと称する)に用いることができ
る。
【0014】また、本発明は、骨粗しょう症に罹病した
哺乳動物治療用の、前記医薬組成物に関する。前記方法
Aにおける好ましい方法は、前記哺乳動物が、骨粗しょ
う症に罹病している前記方法(方法Bと称する)であ
る。
【0015】また、本発明は、前記哺乳動物が骨切り
術、小児期特発骨、又は歯周炎に関係する骨欠損に罹病
している、前記医薬組成物に関する。前記方法Aにおけ
る好ましい別の方法は、哺乳動物が骨切り術、小児期特
発骨、又は歯周炎に関係する骨欠損に罹病している前記
方法(方法Cと称する)である。
【0016】また更に、本発明は、(a)(−)−シス
−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イ
ル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラ
ヒドロナフタレン−2−オール又は薬剤学的に許容する
ことのできるその塩である第1の化合物;及び (b)PGE2又は薬剤学的に許容することのできるそ
の塩である第2の化合物を、筋骨格脆性に罹病している
哺乳動物に投与することを含む、前記哺乳動物における
筋骨格脆性の治療方法(方法A1と称する)に用いるこ
とができる。
【0017】本発明は、具体的には、第1の化合物及び
第2の化合物を、実質的に同時に投与する、前記医薬組
成物に関する。本発明は、具体的に、第1の化合物及び
第2の化合物を、実質的に同時に投与する、前記方法A
1の治療方法に用いることができる。
【0018】また本発明は、具体的には、第2の化合物
を約3ヶ月間〜約3年間投与する、前記医薬組成物に関
する。また本発明は、具体的に、第2の化合物を約3ヶ
月間〜約3年間投与する、前記方法A1の治療方法(以
下、方法Dと称する)に用いることができる。
【0019】本発明は、より具体的には、直前の段落に
記載の前記医薬組成物における前記投与に続いて、第1
の化合物を約3ヶ月間〜約3年間投与し、その約3ヶ月
間〜約3年間の期間に第2の化合物を投与しない、前記
医薬組成物に関する。本発明は、更に具体的には、方法
Dを実施し、続いて第1の化合物を約3ヶ月間〜約3年
間投与し、その約3ヶ月間〜約3年間の期間に第2の化
合物を投与しない、前記治療方法に用いることができ
る。
【0020】本発明は、また更に具体的には、2つ前の
段落に記載の前記医薬組成物における前記投与に続い
て、第1の化合物を約3年間より長い期間投与し、その
約3年間より長い期間に第2の化合物を投与しない、前
記医薬組成物に関する。本発明は、また更に具体的に
は、方法Dを実施し、続いて第1の化合物を約3年間よ
り長い期間投与し、その約3年間より長い期間に第2の
化合物を投与しない、前記治療方法に用いることができ
る。
【0021】また、本発明は、「課題を解決するための
手段」の欄の最初の3段落のいずれか1段落に記載の医
薬組成物の治療有効量を、筋骨格脆性に罹病している哺
乳動物に投与することを含む、前記哺乳動物における筋
骨格脆性の治療方法(以下、方法Eと称する)に用いる
ことができる。
【0022】また、本発明は、骨折、又は顔の再建、上
顎骨の再建、若しくは下顎骨の再建後の骨治癒の治療;
脊髄骨結合の誘発若しくは長骨伸長の向上;骨移植の治
癒速度の向上;又は補てつ内部成長の向上用の、前記組
成物に関する。方法Eにおける好ましい方法は、顔の再
建、上顎骨の再建、又は下顎骨の再建後の骨治癒の向
上;脊髄骨結合の誘発;長骨伸長の向上;骨移植の治癒
速度の向上;又は補てつ内部成長の向上の方法である。
【0023】本発明のあらゆる方法において、好ましい
哺乳動物は、ヒト又はコンパニオンアニマルである。
「コンパニオンアニマル」とは、家で飼うペット又はそ
の他の家畜、例えば、以下に限定せずに、ウシ、ヒツ
ジ、フェレット、ブタ、ウマ、家禽、魚、ウサギ、ヤ
ギ、イヌ、及びネコなどを挙げることができる。特に好
ましいコンパニオンアニマルとしては、イヌ及びネコを
挙げることができる。本発明のあらゆる方法において、
特に好ましい哺乳動物は、ヒトである。
【0024】また、本発明は、(a)第1単位投与形態
の、(−)−シス−6−フェニル−5−[4−(2−ピ
ロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,
6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−オール又は
薬剤学的に許容することのできるその塩、及び薬剤学的
に許容することのできる担体又は希釈剤; (b)第2単位投与形態の、PGE2又は薬剤学的に許
容することのできるその塩、及び薬剤学的に許容するこ
とのできる担体又は希釈剤;及び (c)容器;を含むキットに関する。
【0025】本発明は、具体的には、前記第1単位投与
形態が(−)−シス−6−フェニル−5−[4−(2−
ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,
6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−オールD−
タルトレートを含み、そして前記第2単位投与形態がP
GE2である、直前の段落に記載のキットに関する。本
発明によるあらゆる組成物、方法、及びキットにおい
て、(−)−シス−6−フェニル−5−[4−(2−ピ
ロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,
6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−オールのD
−タルトレート塩を用いることが特に好ましい。
【0026】「低骨質量の状態」とは、骨質量のレベル
が、世界保健機関による標準[Assessment
of Fracture Risk and its
Application to Screening
for Postmenopausal Osteop
orosis(1994),Report of aW
orld Health Organization
Study Group.World Health
Organization Technical Se
ries 843]の中で規定される年齢特異的健常を
下回る状態を意味する。小児期特発性及び一次骨粗しょ
う症も、「低骨質量の状態」に含まれる。骨粗しょう症
の治療には、長期合併症(例えば、脊椎の湾曲、身長の
低下、及び補てつ手術)の予防又は減衰、並びに前立腺
機能不全の予防を含む。また、骨粗しょう症の治療に
は、骨折治癒速度の増加、及び骨移植の成功率の向上も
含む。また、歯周病、及び歯槽骨欠損も含む。
【0027】また、「低骨質量の状態」とは、前記の疾
病(骨粗しょう症を含む)を発病する機会が平均よりも
有意に高いことが知られている哺乳動物〔例えば、月経
終了後の女性、60歳より年輩の男性、及び副作用とし
て骨粗しょう症を起こすことが知られている薬剤(例え
ば、グルココルチコイド)で治療されている人〕に対し
ても用いる。
【0028】当業者であれば、前記の骨質量という用語
が、単位領域当たりの骨質量〔これは、骨鉱物密度(厳
密に正しいわけではない)を意味することがある〕を意
味するものであることが認められよう。「筋骨格脆性」
(musculoskeletal frailty)
とは、患者が低骨質量及び/又は低筋肉質量を有する状
態を意味し、例えば、以下に限定せずに、低骨質量の状
態、骨粗しょう症、低筋肉質量の状態、骨切り術、小児
期特発性骨欠損、歯周炎に関係する骨欠損、並びに顔の
再建、上顎骨の再建、又は下顎骨の再建後の骨治癒の治
療、及び骨折後の骨治癒を挙げることができる。更に、
筋骨格脆性には、例えば新たに取り付けた補てつと骨の
内部成長が必要な骨との間の界面の状態も含む。
【0029】本明細書において、「治療する」、「治
療」、及び「治療すること」には、予防的(preve
ntative)[例えば、予防(prophylac
tic)]及び緩和的治療(処置)を含む。本明細書に
おいて、命名において用いているカッコ内のマイナス記
号及びプラス記号は、特定の立体異性体において平面偏
光の方向が回転していることを意味する。本発明の組成
物は、それらの中で用いる化合物の水和物を含むことが
できる。
【0030】「薬剤学的に許容することのできる塩」と
は、無毒のカチオン塩、例えば(以下に限定せずに)ナ
トリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アン
モニウム若しくはプロトン化ベンザチン(N,N’−ジ
ベンジルエチレンジアミン)、コリン、エタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグラミ
ン(N−メチル−グルカミン)、ベネタミン(N−ベン
ジルフェネチルアミン)、ピペラジン、又はトロメタミ
ン(2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロ
パンジオール)を意味する。
【0031】本発明の組成物及び方法によると、前記
(−)−シス−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリ
ジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,
7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール単独又
は前記PGE2若しくは薬剤学的に許容することのでき
るその塩単独の同じ投与量によって達成することのでき
る骨質量よりも更に大きな骨質量を得ることになる。前
記化合物の本発明による組合せは骨質量を増加するの
で、いずれかの試薬の単独使用によって達成されるより
も、大幅に骨折の割合を減少することができるであろ
う。本発明は、骨質量を増加及び維持し、結果として骨
粗しょう症及び関連する骨障害を予防、遅延、及び/又
は後退することになる組成物及び方法を提供することに
よって、当業界に大きく貢献する。別の特徴及び利点
は、本発明を記載した明細書(及び特許請求の範囲)か
ら明らかになるであろう。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明の第1の化合物は、式
(I):
【化2】 で表される(−)−シス−6−フェニル−5−[4−
(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]
−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オ
ール又は薬剤学的に許容することのできるその塩であ
る。(−)−シス−6−フェニル−5−[4−(2−ピ
ロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,
6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール及
び薬剤学的に許容することのできるその塩は、前出の米
国特許第5552412号明細書中に記載ているとおり
に調製する。
【0033】(−)−シス−6−フェニル−5−[4−
(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]
−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オ
ールD−タルトレートは、直前の段落に記載のとおりに
調製するか、あるいは国際特許出願公開WO97/16
434号公報中に記載のとおりに調製する。
【0034】本発明の第2の化合物は、PGE2(Si
gma Chemical Company,3050
Spruce Street,St.Louis,ミ
ズーリ州,63103)又は薬剤学的に許容することの
できるその塩である。PGE2が酸性であって、薬剤学
的に許容することのできるカチオンと塩を形成すること
が認められるであろう。前記塩の全部が本発明の範囲内
であり、それらは従来の方法で調製することができる。
前記のカチオン性塩を形成するのに用いられる典型的な
塩基としては、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシ
ド、ナトリウムエトキシド、水素化ナトリウム、カリウ
ムメトキシド、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウ
ム、ベンザチン、コリン、ジエタノールアミン、ピペラ
ジン、及びトロメタミンを挙げることができる。前記カ
チオン性塩は、例えば、前記の酸と塩基物質とを、適当
な場合には水性、非水性、又は部分的水性媒体中で、通
常、化学量論的割合で接触させることによって簡単に調
製することができる。前記塩を、適当な場合には、ろ過
するか、非溶媒で沈殿させて続いてろ過するか、溶媒を
留去するか、あるいは水溶液の場合には凍結乾燥するこ
とによって回収する。
【0035】更に、本発明の組成物及び方法において用
いる前記化合物及び薬剤学的に許容することのできるそ
の塩が水和物又は溶媒和物を形成する場合には、前記水
和物又は溶媒和物も本発明の範囲に含まれる。本発明の
医薬組成物及び方法は、哺乳動物(特にヒト)におい
て、骨交代(ターンオーバー)を活性化するか、骨吸収
を予防するか、又は骨形成を増加するいずれかの試薬と
しての治療用途に適している。これらの機能は骨粗しょ
う症及び骨関連障害の発展に密接に関係しているので、
前記化合物の本発明の組合せは、骨におけるそれらの作
用の効能によって、骨粗しょう症を予防、停止、後退、
又は逆転する。
【0036】哺乳動物(例えばヒト)での筋骨格脆性
(例えば、骨粗しょう症を含む、低骨質量の状態又は低
筋肉質量の状態)の治療における、本発明の組成物及び
方法の薬剤としての有用性は、従来のアッセイ(例え
ば、米国特許第5552412号明細書に記載のアッセ
イ)における本発明の化合物の活性によって示される。
本組合せの有用性の更なる証拠を、後記の実施例1に記
載する。また、前記アッセイは、本発明の化合物の活性
をそれらの間で比較することができ、そして別の公知の
化合物とも比較することができる方法も提供する。これ
らの比較結果は、哺乳動物(ヒトを含む)において前記
疾病を治療するための投与量レベルを決定するのに有用
である。
【0037】本発明の各化合物は、本発明の組合せの化
合物を全身的及び/又は局所的にデリバリーする任意の
方法で投与することができる。前記の方法としては、経
口経路、非経口経路、十二指腸内経路などを挙げること
ができる。一般的に、本発明の化合物は、経口で投与さ
れるが、しかし例えば、その対象にとって経口投与が不
適当な場合、又は患者が薬剤を経口摂取不可能な場合
に、非経口投与(例えば、静脈内投与、筋肉内投与、経
皮投与、皮下投与、又は骨髄内投与)を用いることもで
きる。本発明の2種の化合物は、同時に又は任意の順序
で連続して、一緒に投与することができる。あるいは、
薬剤学的に許容することのできる担体又は希釈剤中に前
記第1の化合物及び前記第2の化合物を含む単一の医薬
組成物を投与することができる。
【0038】当然のことながら、どのような場合におい
ても、化合物の投与量及び投与時期は、治療対象、病気
の重篤度、投与方法、及び処方する医師の判断に依存す
る。従って、患者には多様性があるので、後述する投与
量はガイドラインであり、そして医師は、個々の患者に
適当であるとその医師が考える治療(例えば、骨質量の
増大)を達成することための前記薬剤の投与量を決定す
ることができる。所望の活性程度をふまえて、医師は、
多様な要素[例えば、骨質量出発レベル、患者の年齢、
先に存在している疾病の存在、及び他の疾病(例えば、
心臓血管疾病)の存在]のバランスをとる必要がある。
例えば、(−)−シス−6−フェニル−5−[4−(2
−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−
5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−オール
の投与は、特に月経終了後の女性に対して、心臓血管の
利益を提供することができる。以下の段落は、本発明の
種々の成分の好ましい投与量範囲を提供する。
【0039】(−)−シス−6−フェニル−5−[4−
(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]
−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−オー
ルの有効投与量は、0.0001〜100mg/kg/
日、好ましくは0.001〜10mg/kg/日の範囲
である。PGE2の有効投与量は、0.0001〜10
mg/kg/日、好ましくは0.001〜1.0mg/
kg/日の範囲である。
【0040】本発明において、前記のいずれかの化合物
のD−タルトレート塩又は薬剤学的に許容することので
きる別の塩を用いる場合に、当業者は、塩形態の分子量
を計算し、単純な化学量論的割合とすることによって有
効投与量を計算することができる。本発明において、薬
剤学的に許容することのできるPGE2の塩を用いる場
合に、当業者は、塩形態の分子量を計算し、単純な化学
量論的割合とすることによって、有効投与量を計算する
ことができる。本発明の化合物は、一般的に、本発明の
化合物又は薬剤学的に許容することのできるその塩少な
くとも1種類、及び薬剤学的に許容することのできる担
体又は希釈剤を含む医薬組成物の形態で投与される。す
なわち、本発明の化合物及び薬剤学的に許容することの
できるその塩は、別々に又は一緒に、任意の従来の経
口、非経口、又は経皮投与形態で投与することができ
る。別々に投与する場合の、本発明のもう一方の化合物
又は薬剤学的に許容することのできるその塩の投与は、
後から行う。
【0041】経口投与用に、医薬組成物は、溶液、懸濁
液、錠剤、丸剤(ピル)、カプセル、及び粉剤などの形
態にすることができる。種々の賦形剤、例えば、クエン
酸ナトリウム、炭酸カルシウム、及びリン酸カルシウム
を含む錠剤を、種々の崩壊剤、例えば、デンプン(好ま
しくは、ポテト又はタピオカのデンプン)、及び或る種
のコンプレックスシリケート(complex sil
icate)、並びに結合剤、例えば、ポリビニルピロ
リドン、スクロース、ゼラチン、及びアラビアゴムと一
緒に用いることができる。更に、潤滑剤、例えば、ステ
アリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、及び
タルクが、錠剤化の目的に、しばしば非常に有用であ
る。また、同様のタイプの固体組成物は、軟質及び硬質
充填ゼラチンカプセル中の充填剤として用いることもで
きる;また、これに関連する好ましい材料には、ラクト
ース(又は乳糖)及び高分子ポリエチレングリコールも
挙げることができる。経口投与用に水性懸濁液及び/又
はエリキシルが望ましい場合には、種々の甘味料、香味
料、着色剤、乳化剤及び/又は懸濁剤、並びに希釈剤
(例えば、水、エタノール、プロピレングリコール、グ
リセリン、及び種々のそれらの組合せ)と本発明の化合
物又は薬剤学的に許容することのできるその塩とを組み
合わせることができる。
【0042】非経口投与用に、ゴマ油若しくはピーナッ
ツ油、又は水性プロピレングリコール中の溶液、あるい
は相当する水溶性塩の滅菌水溶液を用いることができ
る。前記の水溶液は、必要に応じて適当に緩衝化するこ
とができ、そして液体希釈剤は、充分な塩水又はグルコ
ースで最初に等張にする。これらの水溶液は、静脈注
射、筋肉内注射、皮下注射、及び腹腔内注射の目的に適
している。これに関連して使用する前記の滅菌水性媒体
は、当業者に周知の標準的技術によって容易に得ること
ができる。経皮(例えば局所)投与の目的に、希釈滅菌
した水溶液又は部分水性溶液(通常は、約0.1%〜5
%の濃度)(その他は前記の非経口投与用溶液と同じで
ある)を調製する。
【0043】それぞれの活性成分を或る量で有する種々
の医薬組成物の調製方法は、公知であるか、又は本明細
書による開示内容を鑑みれば、当業者に対して明らかに
なるであろう。例えば、「Remington’s P
harmaceuticalSciences,Mac
k Publishing Company,East
on,ペンシルバニア州,19版(1990)」を参照
されたい。本発明による医薬組成物は、本発明の化合物
又は薬剤学的に許容することのできるその塩の組合せを
0.1%〜95%、好ましくは1%〜70%の量で含む
ことができる。いずれにしても、投与する組成物又は製
剤は、治療される対象の疾病/状態の治療に有効な量
で、本発明の化合物又は薬剤学的に許容することのでき
るその塩を含む。
【0044】本発明は、別々に投与することのできる2
種類の活性成分の組合せによる治療に関するので、本発
明は、キット形態の分割医薬組成物の組合せにも関す
る。前記キットは、2つに分かれた医薬組成物:すなわ
ち、(−)−シス−6−フェニル−5−[4−(2−ピ
ロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,
6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−オール又は
薬剤学的に許容することのできるその塩、及びPGE2
又は薬剤学的に許容することのできるその塩を含む。前
記キットは、前記の分かれた組成物を収容する容器(例
えば、分割瓶又は分割ホイルパケット)を含有するが、
前記の分かれた組成物は、単独の分割していない容器に
収容することもできる。典型的には、前記のキットに
は、前記の分かれた成分の投与に関する指示書も含まれ
る。前記キット形態が特に有利な場合は、前記の分かれ
た成分を、異なる投与形態(例えば、経口的及び非経口
的)若しくは異なる投与間隔で投与することが好ましい
場合、又は組合せの個々の成分の決定(titrati
on)を処方医が行うことが望ましい場合である。
【0045】前記キットの例としては、いわゆるブリス
ターパック(blister pack)を挙げること
ができる。ブリスターパックは、包装産業において周知
であり、医薬的単位投与形態(錠剤、及びカプセルな
ど)の包装用に広く使用されている。一般的に、ブリス
ターパックは、ホイル(好ましくは透明プラスチック材
料製)で覆われた比較的硬い材料製のシートからなる。
前記の包装工程の間に、前記プラスチックホイル中に窪
みが形成される。前記の窪みは、包装される錠剤又はカ
プセルの大きさ及び形状を有している。次に、前記の錠
剤又はカプセルを前記窪みの中に置き、そして前記の比
較的硬い材料製のシートを、前記の窪みが形成されてい
るのと反対方向のホイルの面において、前記プラスチッ
クホイルで密封する。その結果、前記の錠剤又はカプセ
ルは、前記プラスチックホイルと前記シートとの間の窪
み中に密封される。前記シートの強度は、好ましくは、
手で窪みに圧力を加えることによって、シートの窪みの
位置に開口部を形成して、ブリスターパックから錠剤又
はカプセルを取り出すことができる強度である。こうし
て、錠剤又はカプセルは、前記の開口孔から取り出すこ
とができる。
【0046】前記キットは、カード挿入物上に、記憶補
助(memory aid)、例えば、錠剤又はカプセ
ルに隣接する数字を提供することが望ましい。この数字
は、それによって特定された錠剤又はカプセルを摂取す
べき日にに相当する。前記記憶補助の他の例は、カード
上に印刷したカレンダー、例えば「第1週:月曜日、火
曜日、・・・中略・・・・第2週:月曜日、火曜日、・
・・」などである。記憶補助の別のバリエーションは、
自明であろう。「1日の投与量」は、その日に摂取べき
単独の錠剤若しくはカプセル、又はいくつかの丸剤若し
くはカプセルであることができる。また、SERMの1
日の投与量を、1つの錠剤又はカプセルからなるように
して、PGE2又は薬剤学的に許容することのできるそ
の塩の1日の投与量を、複数の錠剤又はカプセルからな
るようにすることもできる。前記記憶補助は、このこと
を反映することが好ましい。
【0047】他の本発明の特定の態様では、意図した用
途順に、1日の投与量を1回ずつ、1度で調薬するよう
に設計した調薬器(ディスペンサー)を提供する。前記
ディスペンサーに、記憶補助を装備させると、より容易
にレジメンに従うことができるので好ましい。前記記憶
補助は、例えば、調薬された1日の投与量の数を表示す
る機械的計数機である。前記記憶補助の他の例は、例え
ば、最後の「1日の投与量」が摂取される日を読み取
り、及び/又はいつ次の投与量を摂取すべきかを通知す
る、液晶読取装置又は可聴通知信号と組み合わせた、電
池で作動するマイクロチップメモリーである。
【0048】
【実施例】
【実施例1】3ヶ月齢の雌性S−Dラットを、疑似手術
(22匹)又は卵巣摘出(OVX,42匹)した。手術
の5週間後から、OVXラットを、ベヒクル、プロスタ
グランジンE2〔PGE2,20%エタノール/水の中
1mg/kg/d(皮下投与)〕、(−)−シス−6−
フェニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エ
トキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロ
ナフタレン−2−オール〔0.1mg/kg/d(経口
投与)〕、又はPGE2〔1mg/kg/d(皮下投
与)〕と(−)−シス−6−フェニル−5−[4−(2
−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−
5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−オール
〔0.1mg/kg/d(経口投与)〕との組合せを用
いて、5週間治療した。標準的静的及び動的組織形態計
測技術(Parfitt A.M.ら,Bone hi
stomorphometry:Standardiz
ation of nomenclature,sym
bols,and units.J Bone Min
er Res 2:595−610,1997)によっ
て、近位脛骨骨幹端中で、小柱骨容量(TBV)、パー
セント標識周囲長(L.Pm)、骨表面(mm)当たり
の破骨細胞数(Oc.N)を決定した。遠位大腿骨骨幹
端小柱骨の初期最大負荷及び堅牢度を、公知の方法(M
eng,X.W.ら,Temporal expres
sion of the anabolic acti
on of PTH in cancellous b
one of ovariectomized rat
s,J.Bone Miner Res 11:421
−429,1996)に従って、10週間の時点で殺し
たラットに対するへこみ(indentation)試
験によって決定した。
【0049】
【実験結果及び検討】手術後5週間の時点で、卵巣摘出
ラットは、疑似手術対照と比較すると、TBVが有意に
減少(−33%)し、そしてL.Pm及びOc.Nが有
意に増加(それぞれ+48%及び+39%)していた。
手術後5週間〜10週間にかけて、TBVの継続的な減
少が、卵巣摘出ラットにおいて示された(−20%)。
1mg/kg/dのPGE2は、TBVを有意に、すな
わち予備治療卵巣摘出対照と比較して+22%、そして
卵巣摘出対照と比較して+54%増加した。しかしなが
ら、PGE2で治療した卵巣摘出ラットにおけるTBV
は、疑似手術対照におけるTBVよりも有意に低かった
(−22%)。
【0050】(−)−シス−6−フェニル−5−[4−
(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]
−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−オー
ルによる治療は、卵巣摘出対照と比較して、L.Pm及
びOc.Nが有意に減少した。(−)−シス−6−フェ
ニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキ
シ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロナフ
タレン−2−オールで治療したラットにおけるTBV
は、卵巣摘出対照におけるTBVよりも有意に高く、予
備治療卵巣摘出対照と変わらない。このことは、(−)
−シス−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリジン−
1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−
テトラヒドロナフタレン−2−オールが、手術後5週間
〜10週間の間に卵巣摘出によって誘発される小柱骨の
更なる欠損を予防することを示している。PGE2と
(−)−シス−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリ
ジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,
7,8−テトラヒドロナフタレン−2−オールとの組合
せは、疑似手術対照のレベルまでTBVを増加した。こ
れは、PGE2又は(−)−シス−6−フェニル−5−
[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェ
ニル]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2
−オール単独で治療した群におけるTBVよりも有意に
高かった。組合せ治療群では、PGE2単独群と比較し
て、L.Pmが有意に15%減少し、そしてOc.Nが
69%減少した。このことは、(−)−シス−6−フェ
ニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキ
シ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロナフ
タレン−2−オールが、卵巣摘出及びPGE2に関連す
る骨形成よりも更に骨の吸収を阻害し、その結果、PG
E2単独な場合と比較して、卵巣摘出ラットにおける骨
質量が更に増加することを示している。
【0051】10週間の時点で、卵巣摘出ラットにおけ
る遠位大腿骨の初期最大負荷及び堅牢度は、疑似手術対
照におけるものと比べたところ、有意に減少(それぞれ
−66%及び−56%)していた。PGE2又は(−)
−シス−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリジン−
1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−
テトラヒドロナフタレン−2−オール単独では、骨の強
度を、卵巣摘出対照と比較すると有意に増加させるが、
それでも疑似手術対照よりも有意に低い。しかしなが
ら、PGE2と(−)−シス−6−フェニル−5−[4
−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニ
ル]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−
オールとの組合せ治療を用いると、疑似手術対照のレベ
ルまで完全に骨の強度が回復した。
【0052】これらのデータは、(−)−シス−6−フ
ェニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エト
キシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロナ
フタレン−2−オールが、卵巣摘出ラットにおいて、骨
の吸収及び骨交代(turnover)を阻害し、更な
る骨の欠損を予防し、そして骨の強度を保つことを示し
ている。更に、(−)−シス−6−フェニル−5−[4
−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニ
ル]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−
オールは、確立されているオステオペニック卵巣摘出ラ
ットにおけるPGE2の骨回復効果を向上する。従っ
て、(−)−シス−6−フェニル−5−[4−(2−ピ
ロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,
6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−オールとP
GE2との組合せは、閉経後骨欠損の治療に有用であ
る。本発明は、本明細書に記載した特定の態様に限定さ
れるものでなく、本明細書の特許請求の範囲に記載の新
規コンセプトの幅及び範囲内で、種々の変更及び変形を
行うことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/40 601 A61K 31/40 601

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)(−)−シス−6−フェニル−5
    −[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フ
    ェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−
    2−オール又は薬剤学的に許容することのできるその塩
    である第1の化合物;及び (b)PGE2又は薬剤学的に許容することのできるそ
    の塩である第2の化合物を含む医薬組成物。
  2. 【請求項2】 更に、薬剤学的に許容することのできる
    担体又は希釈剤を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 【請求項3】 第1の化合物が(−)−シス−6−フェ
    ニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキ
    シ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロナフ
    タレン−2−オールD−タルトレートであり、そして第
    2の化合物がPGE2である、請求項1に記載の医薬組
    成物。
  4. 【請求項4】 筋骨格脆性に罹病した哺乳動物治療用
    の、請求項1に記載の医薬組成物。
  5. 【請求項5】 第1の化合物が(−)−シス−6−フェ
    ニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキ
    シ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロナフ
    タレン−2−オールD−タルトレートであり、そして第
    2の化合物がPGE2である、請求項4に記載の医薬組
    成物。
  6. 【請求項6】 骨粗しょう症に罹病した哺乳動物治療用
    の、請求項4に記載の医薬組成物。
  7. 【請求項7】 前記哺乳動物が骨切り術、小児期特発
    骨、又は歯周炎に関係する骨欠損に罹病している、請求
    項4に記載の医薬組成物。
  8. 【請求項8】 骨折、又は顔の再建、上顎骨の再建、若
    しくは下顎骨の再建後の骨治癒の治療;脊髄骨結合の誘
    発若しくは長骨伸長の向上;骨移植の治癒速度の向上;
    又は補てつ内部成長の向上用の、請求項4に記載の医薬
    組成物。
  9. 【請求項9】 ヒトにおける骨折治療用の、請求項8に
    記載の医薬組成物。
  10. 【請求項10】 ヒトにおける骨粗しょう症治療用の、
    請求項6に記載の医薬組成物。
  11. 【請求項11】 第1の化合物及び第2の化合物を、実
    質的に同時に投与する、請求項4に記載の医薬組成物。
  12. 【請求項12】 第2の化合物を約3ヶ月間〜約3年間
    投与する、請求項4に記載の医薬組成物。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の投与に続いて、第
    1の化合物を約3ヶ月間〜約3年間投与し、その約3ヶ
    月間〜約3年間の期間は第2の化合物を投与しない、請
    求項12に記載の医薬組成物。
  14. 【請求項14】 請求項12に記載の投与に続いて、第
    1の化合物を約3年間より長い期間投与し、その約3年
    間より長い期間に第2の化合物を投与しない、請求項1
    2に記載の医薬組成物。
  15. 【請求項15】 (a)第1単位投与形態の、(−)−
    シス−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリジン−1
    −イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テ
    トラヒドロナフタレン−2−オール又は薬剤学的に許容
    することのできるその塩、及び薬剤学的に許容すること
    のできる担体又は希釈剤; (b)第2単位投与形態の、PGE2又は薬剤学的に許
    容することのできるその塩、及び薬剤学的に許容するこ
    とのできる担体又は希釈剤;及び (c)容器を含むキット。
  16. 【請求項16】 前記第1単位投与形態が(−)−シス
    −6−フェニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イ
    ル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラ
    ヒドロナフタレン−2−オールD−タルトレートを含
    み、そして前記第2単位投与形態がPGE2を含む、請
    求項15に記載のキット。
  17. 【請求項17】 筋骨格脆性に罹病した哺乳動物治療用
    の医薬調製への、請求項1に記載の医薬組成物の使用。
  18. 【請求項18】 第1の化合物が(−)−シス−6−フ
    ェニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エト
    キシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロナ
    フタレン−2−オールD−タルトレートであり、そして
    第2の化合物がPGE2である、請求項17に記載の使
    用。
  19. 【請求項19】 前記哺乳動物が、骨粗しょう症に罹病
    している、請求項17に記載の使用。
  20. 【請求項20】 前記哺乳動物が、骨切り術、小児期特
    発骨、又は歯周炎に関係する骨欠損に罹病している、請
    求項17に記載の使用。
  21. 【請求項21】 骨折、又は顔の再建、上顎骨の再建、
    若しくは下顎骨の再建後の骨治癒の治療;脊髄骨結合の
    誘発若しくは長骨伸長の向上;骨移植の治癒速度の向
    上;又は補てつ内部成長の向上に対する、請求項17に
    記載の使用。
  22. 【請求項22】 ヒトにおける骨折治療に対する、請求
    項21に記載の使用。
  23. 【請求項23】 ヒトにおける骨粗しょう症治療に対す
    る、請求項19に記載の使用。
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