JP2000025135A - 機能性植毛物品及びその製造方法 - Google Patents

機能性植毛物品及びその製造方法

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JP2000025135A
JP2000025135A JP10198818A JP19881898A JP2000025135A JP 2000025135 A JP2000025135 A JP 2000025135A JP 10198818 A JP10198818 A JP 10198818A JP 19881898 A JP19881898 A JP 19881898A JP 2000025135 A JP2000025135 A JP 2000025135A
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fiber
functional
powder
flocking
electrodeposition
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JP10198818A
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Yukiyasu Sato
幸泰 佐藤
Norio Yamashita
典男 山下
Michiichi Kano
道一 加納
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KAWABOU KK
Gifu Prefecture
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KAWABOU KK
Gifu Prefecture
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 充分な量の機能性粉末を均一に担持すること
ができるとともに、機能性粉末の機能をより良好に、し
かもより均一に発揮させることができる機能性植毛物品
及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 機能性植毛物品11は、基材12上に設
けられた接着層13に電着用繊維14と機能性粉末15
とを植毛により接着したものである。電着用繊維14
は、単層構造の繊維16又は芯部が高融点で鞘部が低融
点である2層構造の熱融着繊維17が使用される。熱融
着繊維17が植毛された機能性植毛物品11は、植毛後
に熱融着繊維17の両融点間の温度まで加熱し、機能性
粉末15を鞘部に熱融着させる。機能性粉末15として
は、光触媒活性の高い酸化チタンの表面を、多数の細孔
を有し、かつ光触媒として不活性なセラミックス膜で被
覆した光触媒の凝集体である光触媒粉末20aが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、抗菌や消臭等の
機能を有する機能性植毛物品及びその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の機能性植毛物品及び
その製造方法としては、例えば特公昭50−7166号
公報において、複合繊維の表面に活性炭等の微粒吸着剤
又は活性化酸化マンガン等の粉末触媒である機能性粒子
を融着固定させた繊維吸着体が知られている。この繊維
吸着体は、鞘成分重合体として芯成分重合体よりも融点
が少なくとも100℃低く、繊維横断面において鞘成分
重合体が芯成分重合体を取り囲むようにした複合繊維の
表面に、機能性粒子を前記鞘成分重合体の融点以上乃至
融点より60℃高い温度以下で融着、固定することによ
って製造されるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来の
繊維吸着体は、複合繊維を所定の紡糸条件で紡糸し、鞘
成分重合体を溶融させて吸着剤又は触媒を融着させて形
成され、さらに織物や編物等に形成される。このため、
吸着剤又は触媒が融着された繊維を織機又は編み機を用
いて織物又は編物に形成する際に、繊維表面より突出し
ている吸着剤又は触媒が機械と接触することから、機械
の摩耗を促進させるおそれがあった。
【0004】さらに、機械との接触によって吸着剤又は
触媒が繊維表面から容易に剥離してしまうことから、多
くの吸着剤又は触媒を担持する繊維吸着体を得ることが
困難であるとともに、繊維表面には剥離によって凹凸が
形成されたりすることから、繊維が損傷されるおそれも
あった。しかも、吸着剤や触媒の微粒子を空気中に含有
させて、溶融した繊維表面に付着させると、吸着剤や触
媒の微粒子が繊維表面に均一に付着され難いという問題
も存在していた。
【0005】この発明は、上記のような従来技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
するところは、充分な量の機能性粉末を均一に担持する
ことができるとともに、機能性粉末の機能をより良好
に、しかもより均一に発揮させることができる機能性植
毛物品及びその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の機能性植毛物品は、基材上に接
着層を設け、その接着層に電着用の繊維と機能性粉末と
を植毛により接着して構成したものである。
【0007】請求項2に記載の機能性植毛物品の製造方
法は、静電植毛装置の一方の電極上に電着用の繊維と機
能性粉末との混合物を配置し、他方の電極として接着層
を設けた基材を配置した後、両電極間に所定の電圧を印
加し、電着用の繊維を機能性粉末とともに基材上の接着
層に植毛するものである。
【0008】請求項3に記載の機能性植毛物品の製造方
法は、静電植毛装置の一方の電極上に、芯部が高融点の
繊維で鞘部が低融点の繊維である2層構造を有する電着
処理された熱融着繊維と機能性粉末との混合物を配置
し、他方の電極として接着層を設けた基材を配置した
後、両電極間に所定の電圧を印加し、電着用の繊維を機
能性粉末とともに基材上の接着層に植毛し、次いで前記
熱融着繊維をその両融点間の温度まで加熱し、低融点の
繊維を融解して機能性粉末を鞘部に融着させるものであ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明を具体化した実施
形態について詳細に説明する。機能性植毛物品11は、
図1(a)に示すように、基材12上に接着層13を設
け、その接着層13に電着用繊維14と機能性粉末15
とを接着して構成したものであり、さらに図1(b)に
示すように、電着用繊維14の表面に機能性粉末15を
担持させることもできる。
【0010】基材12は、布や紙等のシート状のもの、
或いは木材、陶磁器、置物等の立体的なもの等を任意に
選択して使用することができる。接着層13は、基材1
2の植毛表面に均一に接着剤を塗布することによって形
成される薄い層であり、基材12の植毛表面に公知の方
法によって均一に塗布される。この接着剤としては、例
えばゴム系やアクリル系等の接着剤が挙げられる。
【0011】電着用繊維14は、0.5〜5mmの長さ
に切断され、かつ1.5〜20デニールの太さの繊維が
好適に使用される。この電着用繊維14の長さが0.5
mm未満の場合、電着用繊維14に局所的に電荷が蓄積
され難くなり、静電植毛が効率的に行われない。逆に5
mmを越える場合、静電植毛する際に電着用繊維14に
充分な飛昇力を与えるために電極間距離を広くする必要
があるが、その場合には高い電圧を印加する必要があり
経済的でない。また、電着用繊維14の太さが1.5デ
ニール未満の場合、接着面積が小さいことから、植毛さ
れた電着用繊維14が機能性植毛物品11の使用中に接
着層13から脱離しやすくなる。逆に20デニールを越
える場合、電着用繊維14自体が重くなるために静電植
毛の効率が低下する。
【0012】ここで使用される電着用繊維14は、図2
(a)に示される機能性粉末15を繊維14表面に担持
させることを目的としない単層構造の繊維16、或いは
図2(b)に示される機能性粉末15の繊維14表面へ
の担持を目的とする2層構造の熱融着繊維17等が考え
られる。また、単層構造の繊維16及び2層構造の熱融
着繊維17を併用して使用することも可能である。単層
構造の繊維16としては、例えばレーヨン繊維、ポリエ
チレン(PE)繊維、ポリプロピレン(PP)繊維、ポ
リエステル(PET)繊維、ナイロン繊維等が挙げられ
る。
【0013】一方、2層構造の熱融着繊維17は、図2
(b)に示すように、高融点である芯部18及びその芯
部18を被覆し、低融点である鞘部19から構成される
繊維である。このような熱融着繊維17としては、例え
ば芯部18がPPで鞘部19がPE(以下、PP/PE
のように記載する)、ナイロン/PET、高融点のPE
T(融点は約250℃)/低融点のPET(融点は約1
10℃)等が挙げられる。
【0014】この熱融着繊維17は、図3(a)に示す
ように、機能性粉末15と充分に混合撹拌することによ
って、その鞘部19の表面に機能性粉末15を付着させ
た後、両融点間の任意の温度で加熱される。すると、熱
融着繊維17は、図3(b)に示すように、芯部18の
形状及び強度を維持しつつ、鞘部19の表面に機能性粉
末15の一部を熱融着によって担持させることができ
る。
【0015】電着処理は、電気抵抗を低下させて繊維表
面に電気が流れるように、電気を通す性質を有するケイ
酸ソーダ等の導電性物質を含有する薄膜で繊維表面を被
覆する処理であり、公知の方法によって行われる。ま
た、電着処理された繊維14の漏洩抵抗は、1〜1×1
10Ω、好ましくは1×103 〜1×109 Ωであるこ
とが望ましい。この繊維の漏洩抵抗を1Ω未満とするの
は技術的に困難である。逆に1×1010Ωを越える場
合、静電植毛が効率的に行われない。
【0016】機能性粉末15は、抗菌や消臭等の機能を
有する粉末であり、図3(a)及び(b)に示される光
触媒粉末20a、活性炭、トルマリン、ゼオライト等が
挙げられる。この機能性粉末15は、前処理としての充
分な混合撹拌によって電着用繊維14に軽く付着されて
おり、静電植毛する際にそのままの状態を保ちつつ、電
着用繊維14に同伴して移動するような形態で電極間を
移動する。この機能性粉末15の平均粒子径は、1nm
〜100μm、好ましくは1〜20μmであることが望
ましい。この平均粒子径が1nm未満の機能性粉末を製
造するのは技術的に困難である。逆に100μmを越え
る場合、電着用繊維14の直径を上回るとともに、重量
が大きくなることから、静電植毛の際に電着用繊維14
と同時に飛翔し難くなり、機能性植毛物品11に担持さ
れ難くなる。
【0017】これらの機能性粉末15のうち、光触媒粉
末20aは、機能性植毛物品11の使用期間全体を通し
て常に高い抗菌や消臭等の効果を発揮させることができ
る。この光触媒粉末20aは、図4に示される光触媒2
0が堅く凝集された凝集体である。光触媒20は、酸化
チタン等の光触媒粒子21から構成され、その表面に光
を照射することによって、非常に強力な酸化還元反応を
引き起こし得る正孔及び電子が発生し、抗菌や消臭等の
様々な効果を同時に発揮するものである。光触媒20と
しては、図4に示すように、光触媒活性が高い酸化チタ
ンである球状の光触媒粒子21の表面を、多数の細孔2
2を有し、かつ光触媒として不活性なセラミックス膜2
3で被覆したものが好適に使用される。
【0018】次に、上記の機能性植毛物品11の製造方
法について説明する。図1(a)に示すような機能性植
毛物品11は、図5に示すように、静電植毛装置24の
一方の電極上に電着用繊維14と機能性粉末15との混
合物を配置し、他方の電極として接着層13を設けた基
材12を配置した後、両電極間に所定の電圧を印加し、
電着用繊維14を機能性粉末15とともに基材12上の
接着層13に植毛することによって製造される。また、
図1(b)に示すような機能性植毛物品11は、上記と
同様な方法によって基材12上の接着層13に植毛され
た熱融着繊維17を、さらにその両融点間の温度まで加
熱し、低融点の鞘部19を溶融して機能性粉末15を鞘
部19に融着させることによって製造される。
【0019】先ず、1重量部の機能性粉末15と、1〜
50重量部の一定の長さに切断された電着処理済みの繊
維14とを収容容器内に投入して、撹拌機で充分に混合
撹拌する。この配合割合において、1重量部の機能性粉
末15に対して電着用繊維14が1重量部未満の場合、
機能性粉末15が過剰であることから経済的でない。逆
に1重量部の機能性粉末15に対して電着用繊維14が
50重量部を越える場合、充分な量の機能性粉末15を
機能性植毛物品11に担持させることが困難である。
【0020】この電着用繊維14及び機能性粉末15の
混合物を、必要に応じてふるい等を使用して、図5に示
される下部電極板25上にできる限り均一に散布させ
る。次に、適当な粘度に調整された接着剤を均一に塗布
することによって接着層13を形成させた基材12を、
上部電極板26の下面に、接着層13が下になるように
保持させる。
【0021】その後、下部電極板25を+電極、上部電
極板26を−電極として、両電極間に所定の電圧を印加
すると、コンデンサーに電圧を印加した場合とほぼ同様
に、基材12に−電荷が蓄積されるとともに、下部電極
板25に散布された電着用繊維14の最上部に+電荷が
蓄積される。この所定の電圧は、主として両電極間の距
離、電着用繊維14の長さ及び静電植毛装置24の湿度
によって決定されるものであるが、1×104 〜1×1
5 V、好ましくは1.5×104 〜7×10 4 Vの範
囲で行われるのが望ましい。この電圧が1×104 V未
満の場合、両電極間の電界によって発生する静電気力が
小さいことから、静電植毛が効率的に行われない。逆に
1×105 Vを越える場合、静電植毛装置24内でスパ
ークが発生しやすくなることから、静電植毛を行うのが
困難になる。
【0022】そして、機能性粉末15が吸着された電着
用繊維14に加わる重力よりも、両電極間の電界によっ
て発生する静電気力が上回るように電圧が印加されるこ
とから、下部電極板25上に存在する電着用繊維14の
うち最上部に存在する繊維14及びその表面に付着して
いる機能性粉末15は、図5に示すように、繊維14の
方向を垂直方向に保持しながら基材12に向かって上方
へ垂直に移動する。そして、電着用繊維14の上端が接
着層13に衝突して接着されるとともに、その衝撃によ
って機能性粉末15の一部が電着用繊維14から離れて
接着層13に衝突して接着される。
【0023】このようにして得られた機能性植毛物品1
1は、必要に応じて常法によって接着層13を乾燥させ
ることも可能である。さらに、2層構造の熱融着繊維1
7を植毛した機能性植毛物品11の場合、熱融着繊維1
7をその両融点間の温度まで加熱し、低融点の鞘部19
を溶融して機能性粉末15を鞘部19の表面に融着させ
る。なお、無着色の熱融着繊維17を着色する場合、堅
牢度を高めるために加熱することが多いが、この着色時
の加熱温度が鞘部19の融点より高い場合は、原着繊維
を用いることも可能である。
【0024】最後に、機能性植毛物品11の植毛面を掃
除機のブラシ状吸引口等を用いて吸引し、接着されなか
った電着用繊維14及び融着されなかった機能性粉末1
5を除去する。
【0025】以上のように製造された機能性植毛物品1
1は、抗菌や消臭等の機能を有したカーテン、スリッ
パ、車内の内装品、植毛カレンダー、置物、敷物等の様
々な用途に使用することができる。さらに、2層構造の
熱融着繊維17を植毛した機能性植毛物品11は、機能
性粉末15が電着用繊維14の表面にも担持されている
ことより、単位面積当たりの基材12によって発揮され
る機能性粉末15の効果が非常に高くなっている。
【0026】次に、上記実施形態の機能性植毛物品及び
その製造方法の効果を説明する。 ・ 実施形態の機能性植毛物品11によれば、基材12
上の接着層13に電着用繊維14と機能性粉末15とを
担持することによって、充分な量の機能性粉末を均一に
担持することができるとともに、機能性粉末の機能をよ
り良好に、しかもより均一に発揮させることができる。
さらに、繊維14が損傷を受け難いことから、長期間に
渡って使用することが可能である。 ・ 実施形態の機能性植毛物品11によれば、熱融着繊
維17の表面に機能性粉末15を担持することによっ
て、単位面積当たりの基材12によって発揮される機能
性粉末15による効果をさらに向上させることができ
る。 ・ 実施形態の機能性植毛物品11によれば、電着用繊
維14の長さを0.5〜5mm、かつ太さを1.5〜2
0デニールとすることによって、確実に静電植毛するこ
とができるうえ、電着用繊維14を接着層13に強固に
接着させることができる。 ・ 実施形態の機能性植毛物品11によれば、機能性粉
末15の平均粒子径を1nm〜100μmとすることに
よって、静電植毛の際に機能性粉末15が電着用繊維1
4に付着して飛翔しやすいことから、機能性植毛物品1
1に機能性粉末15を効率的に担持させることができ
る。 ・ 実施形態の機能性植毛物品11によれば、機能性粉
末15として光触媒粉末20aを担持することによっ
て、機能性植毛物品11の使用期間全体を通して常に高
い抗菌や消臭等の効果を発揮させることができる。 ・ 実施形態の機能性植毛物品11によれば、表面に多
数の細孔22を有する光触媒20からなる光触媒粉末2
0aを担持することによって、表面に付着した微生物、
悪臭、有害物質等を光触媒作用によって分解除去するこ
とができる。さらに、この光触媒粉末20aは、電着用
繊維14、接着層13又は基材12を劣化させ難いこと
から、長期間に渡って使用することができる。 ・ 実施形態の機能性植毛物品11の製造方法によれ
ば、1重量部の機能性粉末15に対して電着用繊維14
を1〜50重量部の範囲で混合することによって、充分
な量の機能性粉末15を担持させることができるととも
に、経済的である。 ・ 実施形態の機能性植毛物品11の製造方法によれ
ば、機能性粉末15と電着用繊維14とを充分に混合撹
拌することによって、多量の機能性粉末15が電着用繊
維14の表面に均一に付着し、より多くの機能性粉末1
5を均一に機能性植毛物品11に担持させることができ
る。 ・ 実施形態の機能性植毛物品11の製造方法によれ
ば、1×104 〜1×10 5 Vの電圧を印加することに
よって、静電植毛を確実に行うことができる。 ・ 実施形態の機能性植毛物品11の製造方法によれ
ば、機能性粉末15を付着させた熱融着繊維17を両融
点間の温度で加熱することによって、機能性粉末15を
鞘部19の表面に容易かつ確実に担持させることができ
る。
【0027】
【実施例】以下、前記実施形態を具体化した実施例につ
いて説明する。 (実施例1)8重量部の電着処理済みの単層構造の繊維
16である植毛用6ナイロンパイル(3デニール×0.
8mm)及び2重量部の平均粒子径5μmの光触媒粉末
20aをビーカーに入れて充分に混合撹拌した。なお、
ここで使用された光触媒粉末20aは、光触媒活性を有
する光触媒粒子21である酸化チタン(日本アエロジル
社製のP−25)の表面を、多数の細孔22を有し、か
つ光触媒として不活性なセラミックス膜23で被覆した
ものの凝集体であり、以下マスクメロン型光触媒粉末2
0aと記載する。この混合物を20メッシュのふるいを
通過させながら、図5に示される静電植毛装置24の下
部電極板25上にできる限り均一に散布させた。
【0028】一方、基材12である綿布の表面に、アル
カリ増粘型アクリル系接着剤(日本NSC社製のヨドゾ
ールA−4540)に適量のアンモニア水溶液を加えて
粘度を調整し、200μmの厚さでバーコート塗布して
接着層13を形成した。そして、上部電極板26の下面
に、接着層13が下になるように基材12を保持させた
うえ、基材12を挟む形で両電極板25、26を平行に
10cm離して配置した。
【0029】上部電極板26を−電極、下部電極板25
を+電極として、両電極間に30000Vの定電圧を3
0秒間印加することによって、接着層13にナイロンパ
イル16を植毛させるとともに、光触媒粉末20aが接
着層13に接着された機能性植毛物品11である植毛シ
ートが作製された。
【0030】恒温乾燥機を用いて、得られた植毛シート
11を80℃で10分間予備乾燥させた後、130℃で
5分間乾燥させて接着剤の硬化(キュアリング)処理を
行った。この植毛シート11の植毛面を、掃除機(市販
品)のブラシ状吸引口で吸引し、接着されなかったナイ
ロンパイル16及び光触媒粉末20aを除去した。
【0031】以上のように製造された機能性植毛物品1
1は、図1(a)に示されるように、綿布12にナイロ
ンパイル16が強固に植毛されるとともに、光触媒粉末
20aが接着層13の表面に露出された状態で存在し、
容易に剥離しないものであった。 (実施例2)レギュラータイプのPET繊維(融点は2
50℃)を芯部18、融点が110℃のPET繊維を鞘
部19とする太さ4デニールの2層構造の熱融着繊維1
7のノンクリンプ状のトウを、トウカッターを用いて1
mmの長さに切断した。この切断された繊維17を1重
量部及び水20重量部をミキサー内で充分に撹拌分散さ
せた後、繊維17を通過させない金網上に拡げて水分を
軽く除去した。
【0032】水100重量部、界面活性剤1重量部、ケ
イ酸ソーダ2重量部及びコロイダルシリカ3重量部を混
合した混合液に、酢酸を適量加えてpH4.5〜5.0
の電着処理液を作製した。前記2層構造の熱融着繊維1
7を電着処理液中に約5分間軽く撹拌分散させて、繊維
17表面を電着処理液で被覆した。その後、再び金網上
に拡げて余分な電着処理液を軽く除去した。
【0033】50℃前後の温度に保たれた恒温乾燥機を
用いて、電着処理液で薄く被覆された繊維17を充分に
乾燥させた後、20メッシュのふるいにかけ、ふるいを
通過した繊維17を20℃、湿度65%の雰囲気下で5
0時間調湿することによって、電着処理された植毛用パ
イル17が得られた。この植毛用パイル17の漏洩抵抗
を大まかに調べたところ、100MΩ以下であった。
【0034】以上のようにして得られた植毛用パイル1
7を植毛用6ナイロンパイル16の代わりに使用して、
実施例1と同様に機能性植毛物品11を作製した。以上
のように製造された機能性植毛物品11は、図1(b)
に示されるように、綿布12に植毛用パイル17が強固
に植毛されるとともに、光触媒粉末20aが植毛用パイ
ル17及び接着層13の表面に露出された状態で存在
し、容易に剥離しないものであった。 (実施例3)図6に示すように、基材12としての達磨
の置物の表面に、前記の適当な粘度に調整されたアルカ
リ増粘型アクリル系接着剤を刷毛塗りして接着層13を
形成し、−電極とした。実施例2で作製された植毛用パ
イル17を8重量部及び前記マスクメロン型光触媒粉末
20aを2重量部ビーカーに入れて充分に混合した混合
物を、振りかけ式静電植毛機27の+電極側である導電
性物質から構成されるふるい28内に投入した。
【0035】ふるい28と置物12表面とを約10cm
の距離に保ってふるい28を振動させながら、両電極間
に30000Vの定電圧を30秒間印加することによっ
て、接着層13に植毛用パイル17を均一に植毛させる
とともに、光触媒粉末20aを植毛用パイル17表面及
び接着層13表面に接着させた。さらに、二点鎖線で示
すように、ふるい28の位置を少しずつ移動させなが
ら、植毛用パイル17及び光触媒粉末20aを接着層1
3が形成されている置物12表面に均一に接着させた。
【0036】恒温乾燥機を用いて、植毛された置物12
を80℃で10分間予備乾燥させた後、130℃で5分
間乾燥させて接着剤のキュアリング処理を行うととも
に、光触媒粉末20aの熱融着を行った。この置物12
の植毛面を、掃除機のブラシ状吸引口で吸引し、接着又
は融着されなかった植毛用パイル17及び光触媒粉末2
0aを除去した。
【0037】以上のように製造された機能性植毛物品1
1は、基材12である置物に植毛用パイル17が強固に
植毛されるとともに、光触媒粉末20aが植毛用パイル
17表面及び接着層13表面に露出された状態で存在
し、容易に剥離しないものであった。
【0038】尚、前記実施形態を次のように変更して構
成することもできる。 ・ 機能性粉末15として、光触媒機能を発揮するとと
もに、基材12や電着用繊維14等を劣化させ難いもの
で、前記実施形態の光触媒粉末20a以外の構造を有す
るものを使用すること。 ・ 図7に示すように、格子状電極29を+電極とし、
その下方の下部電極板25に接着層13を形成した基材
12を配置して−電極とするとともに、格子状電極29
の上方のふるい28内には電着用繊維14と機能性粉末
15との混合物を投入し、それらの混合物をふるいにか
けながら静電植毛を行うこと。
【0039】このように構成した場合、機能性粉末15
が重力に従って電着用繊維14とともに下降することか
ら、下から上に向かって飛翔し難い粒子径の大きな機能
性粉末15を、機能性植毛物品11に容易に担持させる
ことができる。
【0040】次に、前記実施形態から把握できる技術的
思想について以下に記載する。 ・ 前記電着用の繊維は、芯部が高融点の繊維で鞘部が
低融点の繊維である2層構造を有する電着処理された熱
融着繊維であり、その熱融着繊維の表面に機能性粉末を
熱融着して構成した請求項1に記載の機能性植毛物品。
【0041】このように構成した場合、より多くの機能
性粉末を担持させることができることから、機能性粉末
の効果をさらに向上させることができる。 ・ 前記機能性粉末は、光触媒である請求項1に記載の
機能性植毛物品。
【0042】このように構成した場合、機能性植毛物品
に強力な抗菌や消臭等の機能を付与することができる。 ・ 前記機能性粉末は、光触媒活性を有する酸化チタン
の表面を、多数の細孔を有し、かつ光触媒として不活性
なセラミックス膜で被覆した光触媒の凝集体である請求
項1に記載の機能性植毛物品。
【0043】このように構成した場合、強力な抗菌や消
臭等の機能を有する機能性植毛物品を、長期間に渡って
使用することができる。 ・ 前記所定の電圧は、1×104 〜1×105 Vであ
る請求項2又は請求項3に記載の機能性植毛物品の製造
方法。
【0044】このように構成した場合、電着用繊維及び
機能性粉末を確実かつ均一に植毛することができる。
【0045】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るため、次のような効果を奏する。請求項1に記載の機
能性植毛物品の発明によれば、充分な量の機能性粉末を
均一に担持することができるとともに、機能性粉末の機
能をより良好に、しかもより均一に発揮させることがで
きる。
【0046】請求項2又は請求項3に記載の機能性植毛
物品の製造方法の発明によれば、充分な量の機能性粉末
を均一に担持することができるとともに、機能性粉末の
機能をより良好に、しかもより均一に発揮させることが
できる機能性植毛物品を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は実施形態の単層構造の繊維を植毛し
た機能性植毛物品を示す正面図、(b)は熱融着繊維を
植毛した機能性植毛物品を示す正面図。
【図2】 (a)は実施形態の単層構造の繊維を示す部
分斜視図、(b)は熱融着繊維を示す部分斜視図。
【図3】 (a)は実施形態の光触媒粉末が付着した熱
融着繊維を示す部分斜視図、(b)は光触媒粉末が融着
された熱融着繊維を示す部分斜視図。
【図4】 実施形態の光触媒粒子を膜で被覆した光触媒
を示す正面図。
【図5】 実施形態の電圧を印加した静電植毛装置の概
略を示す正面図。
【図6】 実施形態の振りかけ式静電植毛機の概略を示
す斜視図。
【図7】 実施形態以外の静電植毛装置の概略を示す斜
視図。
【符号の説明】
11…機能性植毛物品、12…基材、13…接着層、1
4…電着用繊維、15…機能性粉末、17…熱融着繊
維、18…芯部、19…鞘部、24…静電植毛装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 典男 岐阜県羽島郡笠松町北及47 岐阜県繊維試 験場 内 (72)発明者 加納 道一 岐阜市正木1880番地 カワボウ 株式会社 内 Fターム(参考) 3B154 AA05 AA08 AB04 AB07 BA25 BA48 BB11 BB25 BB63 BF01 DA15 4C058 AA03 AA08 AA30 BB07 JJ04 JJ05 JJ23 4C080 AA01 AA05 BB02 BB04 BB05 BB06 CC01 HH05 JJ03 JJ05 KK01 KK08 MM01 MM02 MM04 MM05 QQ03 4D075 AF02 AF08 AF13 BB21Y BB26Y BB29Y BB81Y DA04 DB20 DB33 EA02 EA03 EA35 EB22 EC02 EC22 EC37 4F100 AA21 AK25G AK48 AT00A BA02 CB00 DE01B DG01B EC182 EH762 EJ422 EJ642 GB07 GB33 GB51 GB72 GB81 JC00 JG03B

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に接着層を設け、その接着層に電
    着用の繊維と機能性粉末とを植毛により接着して構成し
    た機能性植毛物品。
  2. 【請求項2】 静電植毛装置の一方の電極上に電着用の
    繊維と機能性粉末との混合物を配置し、他方の電極とし
    て接着層を設けた基材を配置した後、両電極間に所定の
    電圧を印加し、電着用の繊維を機能性粉末とともに基材
    上の接着層に植毛する機能性植毛物品の製造方法。
  3. 【請求項3】 静電植毛装置の一方の電極上に、芯部が
    高融点の繊維で鞘部が低融点の繊維である2層構造を有
    する電着処理された熱融着繊維と機能性粉末との混合物
    を配置し、他方の電極として接着層を設けた基材を配置
    した後、両電極間に所定の電圧を印加し、電着用の繊維
    を機能性粉末とともに基材上の接着層に植毛し、次いで
    前記熱融着繊維をその両融点間の温度まで加熱し、低融
    点の繊維を融解して機能性粉末を鞘部に融着させる機能
    性植毛物品の製造方法。
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