JP2000024799A - 磁性粉体成形装置及び磁性粉体成形方法 - Google Patents

磁性粉体成形装置及び磁性粉体成形方法

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JP2000024799A
JP2000024799A JP10193975A JP19397598A JP2000024799A JP 2000024799 A JP2000024799 A JP 2000024799A JP 10193975 A JP10193975 A JP 10193975A JP 19397598 A JP19397598 A JP 19397598A JP 2000024799 A JP2000024799 A JP 2000024799A
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篤史 小川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 上パンチを油圧シリンダで個々に作動する構
成に替わる構成を採用して、複数の磁性粉体を均一な圧
力で圧縮成形することのできる磁性粉体成形装置及びこ
の成形装置を使用した磁性粉体成形方法を提供するこ
と。 【解決手段】 複数個の磁性粉体を圧縮成形するための
複数の成形空間部3aを有するダイス3と、成形空間部
3a内に上方から挿入され、その下端面1aにて磁性粉
体を圧縮させる複数の上パンチ1と、成形空間部3a内
に下方から挿入され、その上端面2aにて磁性粉体を圧
縮させる複数の下パンチ2と、複数の下パンチ2の下端
面2bに共通に作用する圧力媒体5と、圧力媒体5を収
納保持する保持空間4a、及び、複数の下パンチ2の下
端面側を案内保持する下パンチ案内部4bを設けた圧力
媒体保持体4とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の磁性粉体を
同時に圧縮成形するに当たり、各磁性粉体に作用する圧
力を均一にすることのできる磁性粉体成形装置並びに磁
性粉体成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】永久磁石を製造するプロセスの一つとし
て次のような工程が知られている。即ち、 1)原料を高温で溶解し所定の成分の原料合金を作る。 2)この原料合金を粉砕して微小な磁性粉体にする。 3)磁性粉体を磁界中プレスにより粒子の方向をそろえ
て、所定の形状の圧縮体を作る。 4)この圧縮体を1000℃以上の高温で焼結して磁石
素材にする。 5)磁気特性を高めるために時効処理と呼ばれる熱処理
を行う。 6)研磨による仕上げ加工を行い寸法と形状を整える。
【0003】以上のような工程を経て製造されるが、本
発明はそのうちの所定の形状の圧縮体を作る工程で用い
られる磁性粉体成形装置に関するものである。この装置
の基本構成は、ダイスに成形空間 (キャビティ) を設け
て、この成形空間内に磁性粉体を投入し下パンチと上パ
ンチとにより磁性粉体を圧縮して成形する。そして生産
効率を向上させるため多数個取りを行うようにしてい
る。つまり、ダイスに複数の成形空間を形成し、成形空
間の数に対応した複数の上パンチと下パンチとを設けて
いる。多数個取りを行う場合の重要なポイントは、各成
形空間において磁性粉体を圧縮する場合に、均一な圧力
で密度が一定になるように圧縮成形されることである。
これにより各成形空間で成形される製品品質を所定のも
のにして歩留まりを向上することができる。
【0004】しかし、各成形空間内に充填される磁性粉
体の量を正確に同一量にすることは困難であり、そのた
め各成形空間において均一な圧力にて圧縮成形すること
が困難であった。この問題を解決した従来技術として特
開平9−168899号公報に開示される粉末成形プレ
ス装置がある。
【0005】この装置は複数の上パンチを個々に動作す
るように構成し、同時に同一圧力で粉末成形体を圧縮成
形させる加圧力一定化手段を備えており、これにより複
数の粉末成形体の密度を一定に保つようにしている。具
体的には、油圧シリンダと、その中に並設した複数のピ
ストンと、各ピストンの先端に上パンチを夫々設ける。
各ピストンには一定の圧力が加えられて同一圧力で同時
に押圧されるようになっており、各粉末成形体は均一な
圧力で成形される。そのため上パンチは個別に動くこと
が可能となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術には次に説明するような問題点があった。まず第
1に、複数の上パンチのそれぞれを個々にシリンダーで
駆動するため、上パンチにガタが発生しやすい。そのた
め、上パンチがダイス内に入り込んでいく際に、ダイス
と上パンチが接触して上パンチに欠けが生じたり、ダイ
スの成形空間の内面に焼き付きや傷が生じると言う問題
が発生する。
【0007】第2に、複数の上パンチを個々に油圧シリ
ンダによる流体圧でバックアップする構成では、複数の
上パンチ同士をできるだけ近づけるためには流体圧の作
用するピストン作用面の大きさに制限があり (あまり大
きくすることができない。)、そのため作用面に高圧が
かかってしまう。つまり、同一の荷重を上パンチに与え
ようとすると必然的に油圧を高くする必要が生じ、従っ
て、ピストン作用面とシリンダとの間のシールが困難と
なってしまうと言う問題が発生する。
【0008】第3に磁性粉体成形装置においては磁界中
成形を行うため、磁界中に複雑な構造のパンチを構成す
ることは困難である。従来技術の油圧シリンダにより個
々に上パンチを作動する機構は、上パンチを作動させる
ための機構を複雑化し磁性粉体の成形には好適であると
はいうことができない。
【0009】本発明は従来技術の上記問題点を解決する
ものであり、上パンチを油圧シリンダで個々に作動する
構成に替わる構成を採用することにより、油圧シリンダ
の採用に伴う問題点を解決し、複数の磁性粉体を均一な
圧力で圧縮成形することが可能な磁性粉体成形装置と磁
性粉体成形方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る磁性粉体成形装置は、複数個の磁性粉
体を圧縮成形するための複数の成形空間部を有するダイ
スと、前記成形空間部内に上方から挿入され、その下端
面にて前記磁性粉体を圧縮させる複数の上パンチと、前
記成形空間部内に下方から挿入され、その上端面にて前
記磁性粉体を圧縮させる複数の下パンチと、前記複数の
下パンチの下端面に共通に作用する圧力媒体と、前記圧
力媒体を収納保持する保持空間、及び、前記複数の下パ
ンチの下端面側を案内保持する下パンチ案内部を設けた
圧力媒体保持体とを備えたことを特徴とするものであ
る。
【0011】この構成によると、複数の下パンチの下端
面に共通に作用する圧力媒体が設けられ、この圧力媒体
が磁性粉体の圧縮成形の際に均一な圧力を与えるように
作用する。話を簡単にするために、磁性粉体を圧縮成形
する成形空間部が2つあるとする。2つの下パンチの下
端面は圧力媒体に支持されており、磁性粉体が成形空間
部に充填されて上パンチの押し込みで圧縮作用を受ける
と、下パンチの下端面は圧力媒体からの圧力が作用す
る。この時、充填された磁性粉体の量が2つの成形空間
において異なっており、圧縮量に差が出たとしても、圧
力媒体が変形して全てのパンチに作用する圧力が同一に
なるようにし、成形体の圧縮密度を同一にするのであ
る。
【0012】上記構成は下パンチの下端面に作用する圧
力媒体を設けるだけであるから、上パンチを油圧シリン
ダで駆動する構成に比べると、上パンチは従来と同じ構
成でよく、構造も簡単であり磁性粉体の圧縮成形には好
適であると言える。
【0013】本発明の好適な実施形態として、前記圧力
媒体保持体の前記下パンチ案内部には、前記下パンチの
上限移動位置を規制する規制部が設けられているものが
ある。
【0014】磁性粉体を成形空間内に供給するに、
(A)供給する粉体を各キャビティー毎に計量する定量
供給装置を使用するケース、(B)各キャビティーの容
量にて計量する摺り切り方式とするケース、の2通りが
ある。(A)の場合は、下パンチの上端面は必ずしもそ
ろう必要はないが、別途定量供給装置を設ける必要があ
る。これに対し(B)の場合は容易に定量できるが下パ
ンチの上端面をそろえる必要がある。ところが、圧力媒
体の上に下パンチを載せておくだけでは複数の下パンチ
の上端面の位置がそろわず、従って、充填深さが成形空
間毎に異なり、充填される磁性粉体の量にばらつきが生
じ易いと言う問題がある。成形空間へ磁性粉体を充填す
るときは下パンチの上限移動位置が規制部で規制される
位置にしておけば、上パンチの荷重が開放された状態で
は、圧力媒体の作用によって下パンチの上端面の位置を
あらかじめ定めた所定の位置に位置することができるの
で、充填される磁性粉体のばらつき要因を減少させるこ
とができる。
【0015】なお、磁性粉体を成形空間に供給する方式
としては、先にダイスと下パンチ上端で成形空間を形成
させた後に磁性粉体を供給する落とし込み方式、下パン
チをダイスと相対的に下方に移動させてその吸引力を利
用し、磁性粉体を供給する吸い込み方式等の公知の方式
は限定なく使用可能である。
【0016】本発明の別の好適な実施形態として、前記
磁性粉体の圧縮成形工程の際に、前記圧力媒体全体が前
記上パンチの圧縮作用により下方に移動する機構を備え
たものがある。上記説明した規制部が設けられ、上パン
チの圧力が作用しないときは常時圧力媒体が下パンチを
規制部に当接するように構成されていると、磁性粉体の
圧縮成形時は圧力媒体が圧縮されて、下パンチの少なく
とも1個は上記規制部との当接状態から下方に押し下げ
られ、全ての下パンチに同一の圧力が作用する。この実
施形態には、以下の問題がある。
【0017】イ)圧縮成形完了後に上パンチの荷重を所
定値に低下させ、同時に脱型のためにダイスを下方に移
動させると成形体が上パンチよりの圧力と圧力媒体のス
プリングバックによる圧力を受けたままダイスからの拘
束から開放される。この圧力媒体のスプリングバックに
よる力はかなり強く、上パンチの荷重調整が不十分であ
るとダイスの拘束がないため、成形体に亀裂が発生する
場合がある。
【0018】ロ)下パンチの移動は、圧力媒体の圧縮変
形による分に限定されるので、その移動ストロークは小
さい。そのために、成形体がダイスから完全に抜けるま
で下パンチのストロークが追随できず、上パンチが成形
体から離れてしまい、成形体自体のスプリングバックに
より成形体に亀裂が発生する場合がある。
【0019】これらの問題を解決するため、圧縮成形工
程の際に、前記圧力媒体全体が前記上パンチの圧縮作用
により下方に移動するようにしておくのである。そうす
ると、この下方に移動できる分だけ確実に圧力媒体のス
プリングバックの作用を低減することができ、また下パ
ンチの移動ストロークを十分に長くとることができる。
その結果、上下のパンチにより、成形体自体のスプリン
グバックを防止するに十分な所定圧力で成形体を保持し
ながらダイスより取り出すことが可能となり、成形体に
亀裂が生じるのを防止することができ、成形体の不良を
確実に低減させることができる。
【0020】本発明の更に別の好適な実施形態として、
前記下パンチの下端面の外周に、前記下パンチ案内部と
前記下パンチとの隙間をシールするシール部材を設けた
ものがある。これにより、下パンチ案内部と下パンチと
の隙間に圧力媒体が入り込んで下パンチの動きが悪くな
るのを防止すると共に、圧力媒体の損耗を防止すること
ができる。
【0021】本発明に係るもう1つの磁性粉体成形装置
は、複数個の磁性粉体を圧縮成形するための複数の成形
空間部を有するダイスと、前記成形空間部内に上方から
挿入され、その下端面にて前記磁性粉体を圧縮させる複
数の上パンチと、前記成形空間部内に下方から挿入さ
れ、その上端面にて前記磁性粉体を圧縮させる複数の下
パンチと、前記複数の下パンチの下端面に設けられた中
間部材と、前記中間部材を介して前記複数の下パンチの
下端面に共通に作用する圧力媒体と、前記圧力媒体を収
納保持する保持空間、及び、前記中間部材を案内保持す
る中間部材案内部を設けた圧力媒体保持体と、前記圧力
媒体保持体の上方に設けられており、前記複数の下パン
チの下端面側を案内保持する下パンチ案内部を有する下
パンチ保持体とを備えたことを特徴とするものである。
【0022】この構成の大きな特徴はやはり圧力媒体を
設けたことである。ただし、圧力媒体が直接下パンチの
下端面に対して作用するのではなく、中間部材を介して
作用する。この中間部材は圧力媒体保持体により案内保
持され、一方下パンチは下パンチ保持体により案内保持
される。この構成を採用する理由は次のとおりである。
【0023】すなわち、磁性粉体の圧縮成形体のサイズ
や断面形状を変更する場合には、上パンチ、下パンチ、
ダイスを交換する必要があり、交換作業も容易な構成に
しておく必要がある。特に、下パンチを直接圧力媒体保
持体で案内保持してその案内部に規制部を設ける機構を
採用すると、下パンチを交換するのに圧力媒体まで取り
外す作業が必要になってくるので非常に煩雑となるか、
もしくは成形体の形状、大きさ毎に成形装置全体を準備
する必要がある。そこで、下パンチの保持は圧力媒体保
持体とは別の下パンチ保持体で保持するようにすれば圧
力媒体には手をかけることなく下パンチ等の交換が可能
になり、成形体のサイズ、形状の変更に容易にかつ簡便
に対応することができる。
【0024】以上のように、下パンチは下パンチ保持体
で案内保持する場合には、下パンチの上限移動位置を規
制する規制部は、下パンチ保持体の下パンチ案内部に設
けることになる。
【0025】また本発明の好適な実施形態として、前記
磁性粉体の圧縮成形工程の際に、前記圧力媒体全体が前
記上パンチの圧縮作用により下方に所定量移動する機構
を備えておけば、下パンチは上下方向のいずれにも動け
る状態となり均一な圧力を確実に実現可能となる。な
お、「均一」とは全ての下パンチに作用する力が、ほぼ
均一である範囲も含む。
【0026】この場合に、前記圧力媒体の下面全体を支
持する上下方向に移動可能な支持体と、前記支持体を上
方向に付勢する付勢機構を備えておくのが好ましい。こ
のような機構を採用すると、磁性粉体を充填するときに
圧力媒体を上方向に付勢しておいて下パンチを規制部に
て規制された状態としておくのである。これにより、各
成形空間内への磁性粉体の充填深さの均一化をはかるこ
とができる。
【0027】さらに、前記支持体の下面に流体圧を作用
させるための空間部を備えておれば、支持体の下面の広
い面積にわたって流体圧を作用させることができ、流体
圧が低くても支持体には望ましい付勢力を作用させるこ
とができ、上下のパンチによる成形体の保持力の調整も
容易である。しかも、下パンチの移動ストロークが十分
大きくできるため、成形体の亀裂発生を防止しつつ容易
に脱型することも可能である。
【0028】また、前記中間部材の下端面の外周に、前
記中間部材案内部と前記中間部材との隙間をシールする
シール部材を設けておくのが好ましい。これにより、中
間部材案内部と中間部材の隙間に圧力媒体が入り込むの
を防止することができる。
【0029】圧力媒体の具体例としては、架橋構造を有
するショア−A硬度50以下の樹脂を選択するのが好ま
しい。これにより、下パンチと下パンチ案内部とのクリ
アランスからの圧力媒体の漏洩を容易に防止できると同
時に、磁性粉体の充填のばらつきによる成形圧力の不均
一を効果的に解消することができる。
【0030】本発明の磁性粉体成形方法は、複数個の磁
性粉体を圧縮成形するための複数の成形空間部を有する
ダイスを備え、前記成形空間部に前記磁性粉体を充填す
る工程と、前記複数の成形空間部内の上方から複数の上
パンチを挿入する工程と、前記上パンチの下端面と、前
記各成形空間部内に下方から挿入されている複数の下パ
ンチの上端面にて前記磁性粉体を圧縮させる工程と、前
記複数の下パンチの下端面に共通に作用する圧力媒体に
より、前記各成形空間内の前記磁性粉体の圧縮力を均一
にする工程とを備えたことを特徴とするものである。
【0031】また、上述の磁性粉体成形方法は、前記磁
性粉体を充填する工程に先立ち、前記各成形空間内に挿
入されている前記複数の下パンチの上端面をそろえる工
程をさらに備えていること、さらには、前記磁性粉体の
圧縮成形工程の際に、前記圧力媒体全体が前記上パンチ
の圧縮作用により下方に移動する工程を備えていること
が好ましい。これらの方法は、請求項1〜11記載の成
形装置を使用したものであり、上述の効果が得られる。
【0032】
【発明の実施の形態】<第1実施形態の構成>まず、基
本的な磁性粉体成形装置の実施形態の概念図を図1によ
り説明する。この装置は、上パンチ1と、下パンチ2
と、ダイス3と、圧力媒体保持体4と、圧力媒体5とを
備えている。上パンチ1は上パンチ固定座金6に固定し
て取り付けられている。複数の上パンチ1は個々に動く
のではなく一体的に同時に動くように構成されている。
ダイス3には複数の成形空間3aが形成され、この空間
に磁性粉体が充填されて圧縮される。磁性粉体は上パン
チ1の下端面1aと下パンチ2の上端面2aにより圧縮
される。圧力媒体保持体4には、圧力媒体5が充填され
て保持される収納空間4aと、下パンチ2の下端面2b
側を案内保持する下パンチ案内部4bとが設けられてい
る。下パンチ2の下端面2bが圧力媒体5により下方か
ら支持される構成になっている。図1(イ)のような状
態で成形空間3aに所定量の磁性粉体を充填し、図1
(ロ)のように上方から上パンチ1を降下させて圧縮す
る。
【0033】磁性粉体の例としては希土類元素、鉄、ボ
ロンを主成分とするものがあげられるが、流動性が悪
く、多数個取りする場合のダイス3の各成形空間3aに
均一に充填することが難しいということがある。焼結磁
石は圧縮成形の後、焼結処理を行うのであるが、成形空
間3aの充填された磁性粉体の量が少なく、弱い圧縮力
で成形されたものを焼結すると収縮率が高くなり、予定
した寸法のものが得られず歩留まりが低下するという問
題がある。従って、成形圧力を均一にして歩留まりを向
上させることは重要である。
【0034】ここで図1において、右側の成形空間3a
のほうに磁性粉体が多めに充填されたとすると、圧力媒
体の作用で右側の下パンチ2のほうが左側の下パンチよ
りも下がる。これにより、左右両側の磁性粉体は同じ圧
力で圧縮されるので密度が均一になる。
【0035】<圧力媒体の具体例>本発明に使用する圧
力媒体としては、ある成形空間の磁性粉体の充填量が相
対的に多く、この下パンチに作用する圧縮力が高くなっ
た場合、その圧力が充填量が相対的に少ない他の下パン
チ下部に伝わって、均一化するように変形するものは特
に限定なく使用できる。特に低硬度の弾性体ないしは粘
弾性体、高粘度流体の使用が容易であり、好適である。
【0036】低硬度の弾性体ないしは粘弾性体として
は、有機高分子量化合物が好適であり、高分子量化合物
自体が低硬度である材料、高分子量化合物を可塑剤等の
添加物により低硬度化した材料が使用可能である。
【0037】高分子量化合物自体が低硬度である材料と
しては、ガラス転移温度が室温以下、好ましくは0℃以
下であって、使用温度である室温における弾性率が低い
重合体の使用が好適であり、具体的には、シリコンゴ
ム、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル等が例示される。
【0038】分子量化合物を可塑剤等の添加物により低
硬度化した材料としては、可塑剤等の添加により使用温
度である室温における弾性率が低い重合体が使用可能で
ある。具体的には、ジオクチルフタレート(DOP)、
ジオクチルアジペート(DOA)、ジブチルフタレート
(DBP)等のフタル酸エステル系の可塑剤を添加した
ポリウレタンやポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化
ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール等
が例示される。またナフテン系、アロマ系等のプロセス
オイルを充填して、必要に応じて架橋反応させたポリノ
ルボルネンゴム、エチレンプロピレンゴム等のジエン系
ないしオレフィン系ゴム材料も使用可能である。可塑剤
やプロセスオイル等の種類、添加量は重合体との相溶
性、可塑化性能、要求される弾性体の硬度等を考慮して
適宜選択される。
【0039】高粘度流体としては、高粘度の機械油、液
状ポリブタジエン、液状ポリイソプレン等の低分子量重
合体等が例示できる。
【0040】上記の圧力媒体は、下パンチ2と下パンチ
案内部4bとのクリアランスからの漏洩を容易に防止で
きることが好ましく、部分的に分子が架橋されているも
の、いわゆる柔軟なゲル状体がであることが好適であ
る。上記弾性率の低い重合体、可塑化した重合体、柔軟
なゲル状体などは硬度はショアA硬度にて50以下であ
る。
【0041】なお、上記の圧力媒体に加えて、可とう性
を有する中空皮膜内に液体を封入した液封タイプの圧力
媒体の使用も好適である。かかる液封タイプの圧力媒体
は圧縮率が高く、下パンチ位置の調整が容易で、精度を
高めることができるというメリットがある。さらに液体
の粘度が低いために圧力媒体収容空間の高さを低くする
ことも可能であり、コンパクトな成形装置とすることが
できる。液封タイプの圧力媒体は、圧力媒体収容空間に
沿った形状に成形されていることが好適である。
【0042】液封タイプの圧力媒体を構成する中空皮膜
を構成する可とう性の材料としては、可とう性皮膜を形
成する合成樹脂が好適であり、ポリエチレン、ポリブテ
ン等のポリオレフィン類、ポリウレタンエラストマー
類、スチレンブタジエンゴム、天然ゴム、ポリブタジエ
ン等のゴム類、SBS、SES等の熱可塑性エラストマ
ー等が例示される。これらの樹脂・ゴム類は、圧縮成
形、射出成形、ブロー成形、真空成形等の公知の手段に
よって、中空体に成形される。なお、中空体とはシーム
レスの中空体である必要はなく、複数の形状に成形した
後、後述の液体を収容した後に封止することによって形
成されてもよい。
【0043】液封タイプの圧力媒体に使用される液体と
しては、常温常圧で液状のものは限定なく使用でき、各
種のオイル類、油脂類等の有機化合物、水銀、水等が例
示される。これらの液体は、好ましくは、若干の加圧
下、即ちこれを収容する中空体が伸張された状態で封入
されることが好ましい。
【0044】<パンチ、ダイス>本発明の成形装置に使
用されるダイスやパンチは、全体が同一の材料で構成さ
れていてもよく、複数部材から構成されたものでもよ
い。例えば、磁性粉体と接触する部分のみを耐摩耗性に
優れた材料とし、圧力媒体接触部とは別部材としてもよ
い。
【0045】<第2実施形態の構成>次に第2実施形態
の概念図を説明する。第2実施形態の特徴は、第1の実
施形態における下パンチ案内部4bに規制部4cを形成
した点にある。下パンチ2は圧力媒体5から微少な圧力
を受けており、下パンチ2の段部2cは規制部4cに当
接した状態にある。つまり、下パンチ2の上端面2aが
成形空間3a内に挿入される高さがそろうことになり、
磁性粉体の充填を摺り切り方式による場合、充填深さの
ばらつきをなくすことに有効である。
【0046】図1の構成では下パンチ2の下端面2bが
圧力媒体5の上に載っているだけであるから、下パンチ
2の上端面2aの位置が圧力媒体の永久歪み等により成
形後とに変動する場合もあり、安定しない。つまり、下
パンチ2の上端面2aを等しい高さにそろえることが難
しい。これは、定量供給装置ではなく摺り切り方式で充
填するときは、各成形空間3aの充填深さのばらつきが
発生するが、第2実施形態はかかる課題を解決するもの
である。
【0047】図2(ロ)は磁性粉体を圧縮した状態を示
す。左右どちらの下パンチ2の段部2cは規制部4cか
ら離れた状態にあり圧力媒体5が圧縮され、その変形に
より左右の磁性粉体は同一の圧力で圧縮される。
【0048】<第2実施形態の問題点>第2実施形態の
ように規制部4cを設ける構成は充填深さをそろえると
言う利点があるが別の問題点が発生することがある。そ
れを図3で説明する。
【0049】図3(イ)はすでに圧縮された状態を示し
ているが右側のほうが左側の成形空間3aよりも磁性粉
体の充填量が多くなっているケースであり、共に圧力媒
体5の作用により同一荷重にて圧縮成形されている。
【0050】圧縮成形終了後、上パンチの荷重を調整す
る圧力を所定値に低下させ、同時に脱型のためにダイス
を下方に移動させると、成形された磁性体が(ロ)のよ
うにダイスより露出する。この際に、圧力媒体が元の体
積に戻る際のスプリングバックによる荷重により、成形
された磁性粉体が圧縮力を受け、ダイスよりの拘束から
開放された部分において上下のパンチによる圧縮力のみ
を受けたり、下パンチの移動ストロークの不足により上
パンチの荷重の開放が急速に起こる場合もあり、成形体
に亀裂が生じてしまうのである。これは製品の歩留まり
を低下させる大きな原因となる。
【0051】このような現象を回避するために上パンチ
に負荷する荷重を、成形体が破損しない程度に調節する
ことも可能であるが、圧力媒体のスプリングバックによ
る力を逐一検出して制御する必要が有り、装置が高価で
複雑なものとなる。またこの構成のみでは下パンチのス
トロークの変更はできない。
【0052】<第3実施形態の構成>成形体に亀裂の入
る問題点を解決した第3実施形態の概念図を図4に示
す。第2実施形態と異なる構成のみ説明する。圧力媒体
5の下面全面にわたって支持板11が設けられ圧力媒体
5全体が図4(イ)に示すように寸法hだけ下方に移動
できるように構成されている。また圧力媒体5全体を上
方に持ち上げるように作用する機構が設けられている。
すなわち、流体供給手段13と供給される流体圧を支持
板11の下面に作用させるための空間部12が設けられ
ている。
【0053】図4(ロ)は圧縮成形を行っている状態を
示すものであり、上パンチ1による圧縮力のほうが流体
供給手段13による流体圧よりも大きいため、圧力媒体
5は確実に寸法hだけ下に下げられる。その結果下パン
チ2も確実に寸法hだけ下に下げられるから下パンチ2
の段部2cと規制部4cとは確実に離れる。従って、上
パンチの荷重を所定値に低下させ、同時にダイスを下方
に移動させても圧力媒体のスプリングバック作用は圧力
媒体5全体を上方に持ち上げるように作用する機構の作
用により吸収され、圧縮成形された成形体はダイスの拘
束から開放された部分においても上パンチ1と下パンチ
2に破壊されない程度の圧力にて保持された状態で成形
空間3aより亀裂が生じることなく脱型される。また下
パンチの移動ストロークも十分大きく、ダイスより取り
出すまで上下パンチの保持力が維持可能なために成形体
はそれ自体のスプリングバックによる亀裂の発生もなく
ダイスから容易に脱型される。
【0054】<第4実施形態の構成>図5は第4実施形
態の概念図である。この実施形態と図2の実施形態との
相違点は、下パンチと下パンチ保持材が、圧力媒体とそ
の収容部と分離自在に構成されている点にあり、このよ
うに構成することによって、成形体の段替えに容易に対
応することが可能となる。
【0055】具体的に説明すると、第4実施形態では下
パンチ2は下パンチ保持体8により支持されている。下
パンチ2の下端面2bには下パンチ固定座金7(中間部
材)の上端面7aが当接している。下パンチ保持体8に
は下パンチ案内部8aと規制部8bが形成されており、
下パンチ2の上方への移動は、下パンチ2の段部2cが
規制部8bに当接することで規制をされている。この規
制部8bを設けることにより、下パンチ2の上端面2a
の高さをそろえるようにしている。圧力媒体支持体4に
は圧力媒体5を収納する収納空間4aと、下パンチ固定
座金7を案内保持する案内部4dとが形成されている。
下パンチ保持体8は圧力媒体保持体4の上側に不図示の
ボルトなどにより締結固定されている。
【0056】また、下パンチ固定座金7の下端面7bは
圧力媒体5の上に載置された状態であり、圧力媒体5の
圧力は下パンチ固定座金7を介して下パンチ2に伝達さ
れる。さらに、下パンチ固定座金7の下端面7bの外周
にはシール材9が設けられており、案内部4dと下パン
チ固定座金7の間の隙間に圧力媒体5が入り込むのを防
止する。上パンチ1は上パンチ固定座金6に支持されて
おり、その上側及び圧力媒体保持体4の外周部に配向コ
イル10が設けられ、これは成形空間3aに充填された
磁性粉体に磁界を与えるものである。
【0057】シール材9としては、圧力媒体5から受け
る圧力によって変形して圧力媒体5が下パンチ固定座金
7とこれを摺動可能に案内支持する案内部4dとのクリ
アランス部に侵入することを防止する作用を有するもの
は特に限定なく使用可能である。ただし、圧力媒体5よ
り硬度が高いことが必要である。好ましくは、ショア−
A硬度が60以上、ショア−D硬度が60以下程度であ
ることが好ましい。具体的には、天然ゴム、スチレンブ
タジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、フッ素ゴム等
のゴム材料、ポリウレタンエラストマー、弾性エポキシ
樹脂等の熱硬化性樹脂、各種の熱可塑性エラストマー等
が例示される。
【0058】<第4実施形態の成形動作>次に、第4実
施形態の構成を採用した場合における成形動作を簡単に
説明する。図6(A)において上パンチ1、上パンチ固
定座金6、上側の配向コイル10を上方へ逃がす。そし
てダイス3を持ち上げて成形空間3aを形成する。この
とき圧力媒体5による微小な初期荷重により、下パンチ
固定座金7及び下パンチ2は上方に持ち上げられてお
り、下パンチ2の段部2cは規制部8bに当接してい
る。従って、成形空間3aにおける充填深さは一定高さ
となる。この状態でフィーダーを用い、落とし込み法に
て磁性粉体を充填する。この時充填される磁性粉体の量
は充填深さは一定であるが、成形空間3a毎にばらつき
が生じることがある。
【0059】図6(B)では上パンチ1、上パンチ支持
板6、上側の配向コイル10を一体的に下降させて、ダ
イス3の上面に上パンチ1が接触したあたりから配向コ
イル10に通電し成形空間3a内の磁性粉体に磁界を与
え、配向処理を行う。
【0060】図7(C)ではさらに下パンチ1を下降さ
せて磁性粉体に対して圧縮力を与える。これにより下パ
ンチ2と下パンチ固定座金7とが下げられて、下パンチ
2の段部2cが規制部8bから離れた状態となる。この
図では左側の成形空間3aのほうに多くの磁性粉体が充
填されており、左側の下パンチ2および下パンチ固定座
金7のほうが、右側よりもより下方に下がっている。こ
のとき圧力媒体5は少し収縮された状態であり、両方の
成形空間3a内に同一の圧力が作用するようになってい
る。さらに圧力が作用した状態で、シール材9により案
内部8aと下パンチ固定座金7との隙間に圧力媒体5が
入り込まないようにシールをしている。そして、所定の
成形密度に達すると配向コイル10に逆磁場を与えて磁
性粉体の成形体を脱磁して、その後配向コイル10への
通電を停止する。
【0061】図7(D)では、上パンチ1を上方に逃が
し、さらにダイス3を下方に下げることにより成形体を
取り出すことができる。なお、この状態では上パンチ1
による加圧力はない状態であるから、圧力媒体5の作用
により下パンチ2は規制部8bにより規制された状態に
ある。
【0062】<成形品のサイズ・ 形状を変更する場合
>この装置において、成形品のサイズ・ 形状などを変
更する場合には上パンチ1、下パンチ2、ダイス3を交
換する必要がある。特に下パンチ2を交換する場合には
下パンチ保持体8を圧力媒体保持体4から取り外せば良
く、圧力媒体保持体4の部分に手を付ける必要はない。
従って、交換作業が容易になるのである。
【0063】<第5実施形態>図8は第5実施形態を示
す図である。第5実施形態は、図5記載の例と、圧力媒
体5が支持体11並びに付勢手段としてのその下部への
流体供給手段13が設けられている点で相違する。この
ような構成により、圧力媒体のスプリングバックによる
成形体に発生する亀裂による不良を低減することができ
ると同時に支持体11の移動ストローク分だけ下パンチ
の移動ストロークが増加し、上下のパンチにより所定圧
力で保持したまま成形体を完全にダイスより取り出すこ
とができ、成形体自体のスプリングバックによる亀裂発
生を防止することが可能となる。すでに説明したものと
同じ部材には同じ図番を付けている。ここではダイス3
には成形空間3aが3個所形成されている。これに対応
して上パンチ1、下パンチ2、下パンチ固定座金7も3
つ備えられている。圧力媒体5は一体の部材で構成して
も良いが、本体部5aと突出部5b(3個所ある)とを
別体にして構成しても良い。また、ダイス3の成形空間
3aを構成する内面部分は耐久性を持たせるため硬質な
材料として、他の部分とは別体構成としても良い。同じ
理由で下パンチ2の先端部分も硬質材料として他の部分
とは別体構成としても良い。
【0064】<第5実施形態の成形動作>次に第5実施
形態による成形動作を説明する。図8において、上パン
チ1は上方に待避している。ダイス3が図の位置にまで
持ち上げられ成形空間3aが形成され、磁性粉体が充填
される。各成形空間3aに充填された量は左側が最も多
く、ついで真ん中、右側の順になっている。また、流体
供給手段13により流体(オイル又は空気)が空間部1
2に供給され、圧力媒体5を持ち上げるように圧力をか
ける。これにより下パンチ2の段部2cは下パンチ保持
体8の規制部8bに当接している。なお、流体供給手段
13による圧力は低圧で良い。
【0065】図9(A)では、上パンチ1が下降し磁性
粉体の圧縮を行う。この加圧力は流体供給手段13によ
る圧力よりも大きい。従って、圧力媒体5全体は支持体
11と共に寸法h(図8参照)だけ確実に下がる。ま
た、下パンチ2と下パンチ固定座金7はそれぞれの充填
量に応じて下降する。図に示されるように左側の下パン
チ2が最も下がっている。また、充填量の最も少なかっ
た右側の下パンチ2も下がっており、下パンチ2の段部
2cと規制部8bには確実に隙間ができる。圧縮された
状態では、各磁性粉体には同一の圧力が作用し、成形体
の密度がすべて等しくなる。
【0066】図9(B)に示すように上パンチ1を微量
上昇させる。右側の下パンチ2はその段部2cと規制部
8bとが当接した状態である。その他の下パンチ2も少
し上昇しているが規制部8bに当接するまでには至って
いない。また、下パンチ固定座金7と圧力媒体5と支持
体11も同様に微量上昇する。いずれにせよ、圧縮成形
された成形体は上パンチ1と下パンチ2の保持された状
態で微量上昇する。
【0067】次に図10(A)に示すように上パンチ1
の位置を保持したままダイスを下降させる。この時、流
体供給手段13からの圧力により成形体は上下のパンチ
により、調整された圧力にて保持され、成形体のつぶれ
やクラックの発生が防止される。
【0068】次に図10(B)に示すように上パンチ1
を完全に上方に待避させる。これにより流体供給手段1
3からの圧力により下パンチ2が規制部8bにより規制
される位置にまで持ち上げられ、成形体を取り出すこと
ができる。
【0069】
【発明の効果】磁性粉体成形空間を構成する複数の下パ
ンチ下端面が圧力媒体により下方から支持される構成に
なっていることによって、成形体の圧縮密度を同一にす
ることができるという効果が得られる。
【0070】下パンチ案内部に、前記下パンチの上限移
動位置を規制する規制部を設けることによって、摺り切
り方式によって磁性粉体を成形空間内に供給するに、下
パンチの上端面の位置をあらかじめ定めた所定の位置に
することができるので、充填される磁性粉体のばらつき
要因を減少させることができるという効果が得られる。
【0071】磁性粉体の圧縮成形工程の際に、圧力媒体
全体が前記上パンチの圧縮作用により下方に移動する機
構、特に好ましくは圧力媒体の下面全体を支持する上下
方向に移動可能な支持体と、前記支持体を上方向に付勢
する付勢機構を備えておくことによって、圧縮成形完了
後に圧力媒体のスプリングバックの作用を吸収して成形
体に亀裂が生じるのを防止することができる。さらに下
パンチの移動ストロークが十分に確保されるために、上
下のパンチの保持力を維持でき、成形体自体のスプリン
グバックにより発生する亀裂を生じることなくダイスよ
りの脱型が可能となる。以上の結果成形体の不良を確実
に低減させることができる。
【0072】本発明の製造方法は上記の構成を備えた成
形装置を備えたものであり、成形体の不良の低減効果を
有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の構成を示す概念図
【図2】第2実施形態の構成を示す概念図
【図3】第2実施形態の問題点を説明する概念図
【図4】第3実施形態の構成を示す概念図
【図5】第4実施形態の構成を示す概念図
【図6】第4実施形態による成形動作を説明する図
【図7】第4実施形態による成形動作を説明する図
【図8】第5実施形態の構成を示す図
【図9】第5実施形態による成形動作を説明する図
【図10】第5実施形態による成形動作を説明する図
【符号の説明】
1 上パンチ 2 下パンチ 3 ダイス 4 圧力媒体保持体 5 圧力媒体 6 上パンチ固定座金 7 下パンチ固定座金(中間部材) 8 下パンチ支持体 9 シール材 10 配向コイル 11 支持板 12 空間部

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数個の磁性粉体を圧縮成形するための
    複数の成形空間部を有するダイスと、 前記成形空間部内に上方から挿入され、その下端面にて
    前記磁性粉体を圧縮させる複数の上パンチと、 前記成形空間部内に下方から挿入され、その上端面にて
    前記磁性粉体を圧縮させる複数の下パンチと、 前記複数の下パンチの下端面に共通に作用する圧力媒体
    と、 前記圧力媒体を収納保持する保持空間、及び、前記複数
    の下パンチの下端面側を案内保持する下パンチ案内部を
    設けた圧力媒体保持体とを備えた磁性粉体成形装置。
  2. 【請求項2】 前記圧力媒体保持体の前記下パンチ案内
    部には、前記下パンチの上限移動位置を規制する規制部
    が設けられている請求項1に記載の磁性粉体成形装置。
  3. 【請求項3】 前記磁性粉体の圧縮成形工程の際に、前
    記圧力媒体全体が前記上パンチの圧縮作用により下方に
    移動する機構を備えた請求項2に記載の磁性粉体成形装
    置。
  4. 【請求項4】 前記下パンチの下端面の外周に、前記下
    パンチ案内部と前記下パンチとの隙間をシールするシー
    ル部材を設けた請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁
    性粉体成形装置。
  5. 【請求項5】 複数個の磁性粉体を圧縮成形するための
    複数の成形空間部を有するダイスと、 前記成形空間部内に上方から挿入され、その下端面にて
    前記磁性粉体を圧縮させる複数の上パンチと、 前記成形空間部内に下方から挿入され、その上端面にて
    前記磁性粉体を圧縮させる複数の下パンチと、 前記複数の下パンチの下端面に設けられた中間部材と、 前記中間部材を介して前記複数の下パンチの下端面に共
    通に作用する圧力媒体と、 前記圧力媒体を収納保持する保持空間、及び、前記中間
    部材を案内保持する中間部材案内部を設けた圧力媒体保
    持体と、 前記圧力媒体保持体の上方に設けられており、前記複数
    の下パンチの下端面側を案内保持する下パンチ案内部を
    有する下パンチ保持体とを備えた磁性粉体成形装置。
  6. 【請求項6】 前記下パンチ保持体の前記下パンチ案内
    部には、前記下パンチの上限移動位置を規制する規制部
    が設けられている請求項5に記載の磁性粉体成形装置。
  7. 【請求項7】 前記磁性粉体の圧縮成形工程の際に、前
    記圧力媒体全体が前記上パンチの圧縮作用により下方に
    所定量移動する機構を備えた請求項6に記載の磁性粉体
    成形装置。
  8. 【請求項8】 前記圧力媒体の下面全体を支持する上下
    方向に移動可能な支持体と、前記支持体を上方向に付勢
    する付勢機構を備えた請求項7に記載の磁性粉体成形装
    置。
  9. 【請求項9】 前記付勢機構は、前記支持体の下面に流
    体圧を作用させるための空間部を備えている請求項8に
    記載の磁性粉体成形装置。
  10. 【請求項10】 前記中間部材の下端面の外周に、前記
    中間部材案内部と前記中間部材との隙間をシールするシ
    ール部材を設けた請求項5〜9のいずれか1項に記載の
    磁性粉体成形装置。
  11. 【請求項11】 前記圧力媒体は架橋構造を有するショ
    アA硬度50以下の樹脂である請求項1〜10のいずれ
    か1項に記載の磁性粉体成形装置。
  12. 【請求項12】 ダイスとこれに嵌合する下パンチによ
    って構成される成形空間部に前記磁性粉体を充填する工
    程と、 前記複数の成形空間部内の上方から複数の上パンチを挿
    入する工程と、 前記上パンチの下端面と、前記各成形空間部内に下方か
    ら挿入されている複数の下パンチの上端面にて前記磁性
    粉体を圧縮させる工程と、 前記複数の下パンチの下端面に共通に作用する圧力媒体
    により、前記各成形空間内の前記磁性粉体の圧縮力をほ
    ぼ均一にする工程とを備えた磁性粉体成形方法。
  13. 【請求項13】 前記磁性粉体を充填する工程に先立
    ち、前記各成形空間内に挿入されている前記複数の下パ
    ンチの上端面をそろえる工程をさらに備えている請求項
    12に記載の磁性粉体成形方法。
  14. 【請求項14】 前記磁性粉体の圧縮成形工程の際に、
    前記圧力媒体全体が前記上パンチの圧縮作用により下方
    に移動する工程を備えた請求項13に記載の磁性粉体成
    形方法。
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