JP2000024779A - 溶接チップの寿命評価方法および装置 - Google Patents

溶接チップの寿命評価方法および装置

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JP2000024779A
JP2000024779A JP10193494A JP19349498A JP2000024779A JP 2000024779 A JP2000024779 A JP 2000024779A JP 10193494 A JP10193494 A JP 10193494A JP 19349498 A JP19349498 A JP 19349498A JP 2000024779 A JP2000024779 A JP 2000024779A
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Shoichi Kitagawa
彰一 北側
Kazuhiko Tani
和彦 谷
Morihiko Osawa
守彦 大澤
Mitsuyoshi Nakatani
光良 中谷
Shinnosuke Takeda
慎之助 武田
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Hitachi Zosen Corp
Original Assignee
Hitachi Zosen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接チップの交換時期を正確に判断する。 【解決手段】 溶接電流の変化を数ヘルツ以下の変化を
通すフィルタ15を介して検出し、電流周期特定部16
により溶接電流の変化の第1周期を特定し、チップ診断
部17で第1周期の変動間にあらわれる第2周期の発生
頻度を計測し、溶接チップ2が使用限界にあるかどうか
を判断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動的に溶接を実
施する自動アーク溶接装置における溶接チップの寿命を
判断するための溶接チップの寿命評価方法および装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】溶接チップは長時間使用すると、溶接チ
ップのチップ穴が摩耗、侵食されて内径が大きくなるこ
とが分かっている。半自動で溶接する場合では、溶接士
が溶接心線の狙い位置のずれを修正しながら溶接を行う
ため、溶接チップの寿命は問題とならない。しかし自動
溶接の場合には、ワークの狙い位置を溶接心線の先端を
使用してセンシングしており、溶接心線の支点である溶
接チップの穴径が摩耗によりいびつに侵食され大きくな
ると、支点が位置ずれしてセンシングに誤差が生じ、狙
い位置のずれやワイヤの送給むらが発生し、溶接アーク
が不安定になる。
【0003】このため、従来では、作業者がアーク不良
状態を視覚的に判断したり、一定の使用時間が経過する
と、溶接チップを新しいものと交換していた。このた
め、無人運転なども困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、材質や使用電
流、溶接条件などの違いで溶接チップの穴径の拡大速度
が違い、一定の時間で溶接チップを交換した場合には、
まだ使用可能な溶接チップもあり、また反対に穴径が早
く拡大されたために否許容の溶接欠陥が発生したり、ス
パッタの付着による商品価値の低下を生じるという問題
があった。
【0005】本発明のうち請求項1記載の発明は、上記
問題点を解決して、溶接チップの交換時期を正確に検知
できる溶接チップの寿命評価方法および装置を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の溶接チップの寿命評価方法は、溶接用
定電圧電源装置から溶接トーチに供給される溶接電流ま
たは溶接電圧の変化を検出し、溶接電流または溶接電圧
の変化が所定条件となった時に、溶接チップが使用限界
にあることを判断するものである。
【0007】上記請求項1記載の方法によれば、溶接電
流または溶接電圧の変動を検出して溶接チップのチップ
穴の消耗程度を知り、これにより溶接チップを交換する
ので、従来のように使用時間を基準とするのに比較し
て、否許容の溶接欠陥も生じにくく、また使用可能な溶
接チップを交換するおそれもない。
【0008】また請求項2記載の溶接チップの寿命評価
方法は、上記方法において、溶接電流または溶接電圧の
変化を数10ヘルツ以下の変化を通すフィルタを介して
検出するものである。
【0009】上記構成によれば、フィルタにより数10
ヘルツを越える小さい周期の変動を除去して大きい周期
の変動のみを取り出すので、大きい周期変動、たとえば
溶接線の巻きぐせに起因する溶接電流または溶接電圧の
変化の範囲を正確に検出できる。
【0010】さらに請求項3記載の溶接チップの寿命評
価方法は、上記方法において、溶接電流または溶接電圧
の変化において、変動が一定時間内に所定回数以上あら
われた時に、溶接チップが使用限界にあることを判断す
るものである。
【0011】上記構成によれば、通常あらわれる溶接電
流または溶接電圧の変化の他に、それを越える変動回数
をカウントすることで、溶接チップの摩耗状態を正確に
把握できる。
【0012】さらにまた請求項4記載の溶接チップの寿
命評価方法は、請求項3記載の方法の溶接電流または溶
接電圧の変化において、まず収納リールから溶接トーチ
のチップに繰出される収納リールでの溶接心線の1周の
長さを、溶接心線の送給速度で除した第1周期の変動
と、この第1周期の変動の中間にあらわれる第2周期の
変動とをカウントするものである。
【0013】上記構成によれば、溶接開始直後よりあら
われる第1周期の変動と、溶接チップのチップ穴のいび
つな楕円形状の摩耗によりあらわれる第2周期の変動と
をカウントすることで、より正確に溶接チップの摩耗状
態を検出できる。
【0014】また請求項5記載の溶接チップの寿命評価
方法は、溶接電流または溶接電圧の変化において、まず
収納リールから溶接トーチのチップに繰出される収納リ
ールでの溶接心線の1周の長さを、溶接心線の送給速度
で除した時間周期から演算される周期であらわれる変動
を第1周期として判定し、この第1周期の変動の中間に
あらわれる第2周期を検出し、この第2周期の変動の発
生頻度が、所定時間内に許容回数を越えた時に、溶接チ
ップが使用限界にあることを判断するものである。
【0015】上記構成によれば、使用時間の経過に従っ
て侵食部が増加し第1周期の変動の中間に引っ掛かりが
生じることで第2周期が検出されるが、摩耗のない新品
の溶接チップに溶接開始直後よりあらわれる第1周期の
変動を除外し、第2周期の変動のみを検出することで、
より正確な摩耗状態を検出でき正確な溶接チップの寿命
を判定できる。
【0016】さらに請求項6記載の溶接チップの寿命評
価方法は、請求項1記載の構成において、溶接電流の変
動幅が所定値以上となった時に、溶接チップが使用限界
にあることを判断するものである。
【0017】上記構成によれば、使用時間が経過するの
に伴ってチップ穴の侵食状態が深まり、チップにおける
ワイヤへの給電点の変動も大きくなって、溶接電流の変
動も大きくなる。これを検出することで、溶接チップの
寿命を判断することができる。
【0018】また請求項7記載の溶接チップの寿命評価
方法は、請求項2〜6の構成において、溶接電流または
溶接電圧の周期的な変化を目視可能な出力手段に表示さ
せ、作業員の目視により所定条件を判断するものであ
る。
【0019】上記構成によれば、オシログラフやペンレ
コーダーなどの出力手段に溶接電流または溶接電圧の変
動を表示させることで、作業員により溶接チップの摩耗
および寿命を判断させることができる。
【0020】さらに請求項8記載の溶接チップの寿命評
価装置は、溶接用定電圧電源装置から溶接トーチに供給
される溶接電流を検出する電流計を有する溶接電流検出
部を設け、前記溶接電流検出部により検出された溶接電
流値の変動が、所定時間内に許容回数を越えた時に、溶
接チップが使用限界にあると判断して限界信号を出力す
る寿命判断部を設け、この寿命判断部からの限界信号に
基づいて使用限界を告知する出力部を設けたものであ
る。
【0021】さらにまた請求項9記載の溶接チップの寿
命評価装置は、溶接用定電圧電源装置から溶接トーチに
印加される溶接電圧を検出する電圧計を有する溶接電圧
検出部を設け、前記溶接電圧検出部により検出された溶
接電圧値の変動が、所定時間内に許容回数を越えた時
に、溶接チップが使用限界にあると判断して限界信号を
出力する寿命判断部を設け、この寿命判断部からの限界
信号に基づいて使用限界を告知する出力部を設けたもの
である。
【0022】上記請求項9,10記載の構成によれば、
溶接心線のチップ孔内で溶接心線が旋回する時に引っ掛
かる侵食部によりあらわれる溶接電流または溶接電圧の
変動を溶接電流検出部または溶接電圧検出部で検出し、
この検出値により、溶接チップのチップ穴の消耗変形程
度を判断する寿命判断部を設けたので、溶接チップの交
換時期をより適正に判断することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】ここで、本発明に係る溶接チップ
の寿命評価装置の実施の形態を図1〜図9に基づいて説
明する。
【0024】図1において、1は自動溶接装置または自
動溶接ロボットの溶接トーチに着脱可能に取付けられた
溶接チップで、溶接心線送給装置7により一定の送給力
で溶接心線3が溶接チップ1に供給される。前記溶接心
線供給装置7は、溶接心線3が巻回された収納リール4
と、心線矯正器5と、一定の送給力で溶接心線3を供給
する送給ローラ6とが具備され、溶接用直流定電圧電源
8から電源ケーブル9を介してワーク10と溶接トーチ
に溶接電流が供給されている。
【0025】次に、図2〜図6を参照して、溶接チップ
1の使用時間経過に伴うチップ穴2の変化を説明する。
すなわち、溶接チップ穴2は、新品の場合、図3に実線
で示すようにたとえば真円であるが、溶接使用時間の経
過とともに消耗し、略楕円形状となる。そしてこの形状
の変化は、図6に示すように、チップ穴2の長径と短径
とでは広がる量が異なり、長径側が短径側より早く摩
耗、侵食される。また長時間使用したチップ穴2は、図
3に仮想線で示すように、いびつな楕円形となって長径
端に溶接心線3が引っ掛かりやすい侵食部a,bが発生
する。また図5に示すように、チップ穴2は先端開口部
側ほど内径が大きく摩耗、侵食される。
【0026】ところで、溶接心線3は収納リール4に巻
回されており、巻きぐせを消去するために心線矯正器5
に導入されるが、完全に直線となることはなく、弧が巻
きピッチ毎に繰り返され、溶接チップ1の通過後も、図
4に示すように、円弧cを描く。この円弧の周期は収納
リール4に巻かれた巻きぐせの周期と一致する。
【0027】このため、溶接心線3が溶接チップ1のチ
ップ穴2に導入されると、溶接心線3はチップ穴2の内
周面に沿って周回移動し、長径位置の最初の第1侵食部
aで溶接心線3とチップ穴2との摩擦抵抗が増大して、
一定の送給力で送られても実際の溶接心線3の送給速度
は少し遅くなり、第1侵食部aを過ぎると摩擦力が減少
して送給速度が回復される。これに伴ってアーク長さに
変化が生じて溶接因子である溶接電流、溶接電圧が変化
する。このようにチップ孔2に、最初に引っ掛かりやす
い第1侵食部aが長径端に形成されると、溶接電流(溶
接電圧)にあらわれる第1周期は収納リール4に巻回さ
れた円周の長さを送給速度vで除した時間周期とほぼ一
致する。ここで「ほぼ一致」とは、収納リール4には内
外径差があるため、その分の変動範囲が存在するためで
あり、ここでは前記時間周期のたとえば20%以内の誤
差の範囲で一致するものが第1周期に判定される。さら
に使用時間が経過すると、他方の長径端にも引っ掛かり
やすい第2侵食部bが成形されて、第1周期の中間部に
さらに溶接電流(溶接電圧)が変化する第2周期があら
われるようになる。
【0028】本発明に係る寿命評価装置11は、溶接電
流検出部12と寿命判断部13とで構成されており、溶
接電流検出部12には、電源ケーブル9に介在されて溶
接用定電圧電源装置8からの溶接電流を検出する電流計
14と、電流計14の検出値の変化を数10ヘルツ以下
の比較的周期の大きい変動のみを取り出す高周波数除去
手段であるフィルタ15が設けられている。また寿命判
断部13には、溶接電流検出部12で得られた検出信号
をデジタル処理し、その変動状態から溶接チップ1が使
用限界にあると判断するチップ診断部17と、チップ診
断部17から出力されるチップの使用限界信号により点
灯される出力部であるたとえば限界表示ランプ18が設
けられている。なお、高周波数除去手段をフィルタ15
に替えて数10ヘルツ以上の変動を除去する回路や、信
号データを処理し高周波成分を取り除くソフトウェアに
よるデータ処理手段を使用してもよく、さらにペンレコ
ーダーの応答特性を利用して数10ヘルツ以上の変動を
実質的にあらわれないようにしてもよい。
【0029】チップ診断部17の判断基準として、下記
の〜から選択される。 .溶接電流の変化において、第1周期の変動と第2周
期の変動が一定時間内に所定回数以上あらわれた時に、
溶接チップが使用限界にあることを判断する。
【0030】.溶接電流の変化において、あらわれる
変動のうち、まず第1周期を判定してこれを除外し、次
いで第1周期の変動の中間にあらわれ所定以上の変動幅
を有する変動を第2周期として判定し、この第2周期の
変動が所定時間内にあらわれる回数が許容回数を越えた
時に、この溶接チップを使用限界にあると判定する。
【0031】.第1周期の電流の変動を監視し、溶接
電流の変動幅が所定値以上となった時に、溶接チップが
使用限界にあると判断する。
【0032】次にこの寿命評価装置11による上記を
基準とする溶接チップ1の寿命評価方法を説明する。 1.溶接ロボットが駆動されて、直流定電圧電源8から
電源ケーブル9を介して溶接チップ1に溶接電流が供給
され、溶接心線3とワーク10との間にアークが形成さ
れて溶接される。たとえばここで実験された溶接施工
は、Arガス80%−CO2 20%の混合ガスシールド
アーク溶接で、溶接電流は300Aである。この時、溶
接心線3は、送給ローラ6により収納リール4から一定
の送給力で繰出されて溶接チップ1のチップ穴2に送給
速度vで供給されている。ここで、溶接心線3の送給速
度と溶接電流は比例関係にある。
【0033】2.溶接電流検出部12で電流計14によ
り溶接電流が検出される。この時、フィルタ15を介し
て検出される電流波形は、溶接チップ1が新しくチップ
穴2が消耗していない場合、図7(a)に示すように、
変動が小さく、顕著な周期的な変化は少ない。
【0034】3.しかし、使用時間が長くなりチップ穴
2が消耗してくると、図7(b)に示すように、電流波
形に周期的な変化が顕著にあらわれる。図7(b)の第
1周期T1の変動時間は約11秒で、この第1周期T1
の周期は、収納リール4の巻回直径から溶接心線3の1
周の長さを求め、この値を送給速度vで除した時間周期
と一致し、予め知ることができる。
【0035】4.使用時間が経過すると、図7(c)に
示すように、第1周期T1の中間位置にも変動周期があ
らわれ出し、チップ診断部17では通常の変動幅を越え
る変動を第2周期T2と判定する。さらにチップ診断部
17における判断基準として、この第2周期T2の発生
頻度が所定時間内に許容回数を越えた時に溶接チップ1
の使用限界を判断する。ここではたとえば1分間に3回
の頻度である。たとえばここでカウントする第2周期T
1の所定変動幅は、ここではたとえば12Aである。
【0036】なお、ここで判断基準を選択した場合に
は、第1周期T1の変動と第2周期T2の変動の合計を
カウントすることになる。また、判断基準を選択した
場合には、第1周期の電流の変動を監視する。
【0037】5.このようにチップ診断部17では溶接
チップ1の使用限界を判断し、限界にあることが判断さ
れると、限界表示ランプ18に限界信号を出力して点灯
させ、作業員に溶接チップ1の交換を知らせる。
【0038】また、上記判断基準のを採用する場合、
図8の累積使用時間と溶接電流の変動量に示すように、
第1周期の電流の変動を監視すると、使用時間に比例し
て溶接電流の変動量が増大するのがわかっている。した
がって、ここでのチップ診断部17における判断基準と
して、この最大変動範囲が許容範囲を越えた時に溶接チ
ップの使用限界を判断してもよい。ここでの許容範囲は
8%以下が望ましく、溶接電流300Aに対して図8で
は23Aを許容範囲としている。ここで23Aの変動が
予想されるまでの累積使用時間(アークタイム)はおよ
そ87分である。
【0039】なお、ここでチップ診断部17による判断
を採用せず、溶接電流検出部12から出力される電流波
形を出力手段であるペンレコーダーやオシログラフに表
示させて、作業員により上記〜を選択的に判断基準
としてチップの寿命を判断することもできる。
【0040】上記実施の形態によれば、溶接電流の変化
から、溶接チップ1のチップ穴2の消耗拡大を正確に検
知することができるので、適正な溶接チップ1の交換時
期を知ることができる。また、フィルタ15を介して溶
接電流の比較的周期の大きい第1周期T1を検出し、第
1周期T1間に発生する第2周期の発生頻度が所定時間
内に許容回数を超えた時に、溶接チップ1の使用限界を
判断し、限界表示ランプ18により作業員に溶接チップ
1の交換時期を知らせるので、従来の交換時期を勘に頼
る使用時間経過で判断するのに比べて、合理的な溶接チ
ップ1の交換が行え、また使用可能な溶接チップを交換
してしまうこともなく、使用限界を越えて溶接チップ1
を使用し否許容の溶接欠陥を出すこともない。
【0041】また、判断基準のを採用して、第1周期
T1と第2周期T2の所定時間内の発生頻度をカウント
して、溶接チップ1の使用限界を判断しても同様の効果
を奏することができる。
【0042】さらに、判断基準のを採用して、溶接チ
ップ1の使用時間に比例して溶接電流の変動量が増大す
るのを利用し、溶接電流の変動量の大きさから、溶接チ
ップ1の使用限界を判断しても同様の効果を奏すること
ができる。なおここで、溶接電流の変動を説明すると、
図9に示すように、溶接心線3が湾曲している場合、チ
ップ孔2内で複数個所で強く接触して給電され、出口近
くの接触ポイントが給電点Poとなるが、溶接心線3の
給送に伴って接触ポイントがPiとPoとの範囲で変化
する。そして累積使用時間(アークタイム)の経過でチ
ップ孔2が広がることにより、PiとPoの距離が延長
されてこれにより溶接電流の変動量が増大するためであ
る。
【0043】また、上記実施の形態では、検出する溶接
因子として溶接電流を採用したが、図10に示すよう
に、溶接電圧を採用して溶接チップの寿命評価装置を構
成することもできる。ここで、先の実施の形態と同一の
部材には同一の符号を付して説明は省略する。
【0044】すなわち、この寿命評価装置21は、溶接
電圧検出部22と寿命判断部23とで構成されており、
溶接電圧検出部22には、電源ケーブル9間に配設され
た電圧計24と、電圧計24の検出値の変化を数10ヘ
ルツ以下の比較的周期の大きい変動のみを取り出すフィ
ルタ25が設けられている。また寿命判断部23には、
溶接電圧検出部22で得られた検出信号をデジタル処理
して第1周期および第2周期を判定する電圧周期判定部
26と、溶接チップ1が使用限界にあると判断するチッ
プ診断部27と、限界表示ランプ18とが設けられてい
る。
【0045】この溶接電圧は、直流定電圧電源8を使用
することから、溶接電流の逆数として図11(a)〜
(c)に示すようにあらわれ、先の実施の形態の電流を
電圧に替えて説明することができ、同一の効果を奏する
ことができる。
【0046】
【発明の効果】以上に述べたごとく本発明の請求項1記
載の溶接チップの寿命評価方法によれば、溶接電流また
は溶接電圧の変動を検出して溶接チップのチップ穴の消
耗程度を知り、これにより溶接チップを交換するので、
従来のように使用時間を基準とするのに比較して、否許
容の溶接欠陥も生じにくく、また使用可能な溶接チップ
を交換するおそれもない。
【0047】また請求項2記載の溶接チップの寿命評価
方法によれば、フィルタにより数10ヘルツを越える小
さい周期の変動を除去して大きい周期の変動のみを取り
出すので、大きい周期変動、たとえば溶接線の巻きぐせ
に起因する溶接電流または溶接電圧の変化の範囲を正確
に検出できる。
【0048】さらに請求項3記載の溶接チップの寿命評
価方法によれば、通常あらわれる溶接電流または溶接電
圧の変化の他に、それを越える変動回数をカウントする
ことで、溶接チップの摩耗状態を正確に把握できる。
【0049】さらにまた請求項4記載の溶接チップの寿
命評価方法によれば、溶接開始直後よりあらわれる第1
周期の変動と、溶接チップのチップ穴のいびつな楕円形
状の摩耗によりあらわれる第2周期の変動とをカウント
することで、より正確に溶接チップの摩耗状態を検出で
きる。
【0050】また請求項5記載の溶接チップの寿命評価
方法によれば、使用時間の経過に従って侵食部が増加し
第1周期の変動の中間に引っ掛かりが生じることで第2
周期が検出されるが、摩耗のない新品の溶接チップに溶
接開始直後よりあらわれる第1周期の変動を除外し、第
2周期の変動のみを検出することで、より正確な摩耗状
態を検出でき正確な溶接チップの寿命を判定できる。
【0051】さらに請求項6記載の溶接チップの寿命評
価方法によれば、使用時間が経過するのに伴ってチップ
穴の侵食状態が深まり、チップにおけるワイヤへの給電
点の変動も大きくなって、溶接電流の変動も大きくな
る。これを検出することで、溶接チップの寿命を判断す
ることができる。
【0052】また請求項7記載の溶接チップの寿命評価
方法によれば、オシログラフやペンレコーダーなどの出
力手段に溶接電流または溶接電圧の変動を表示させるこ
とで、作業員により溶接チップの摩耗および寿命を判断
させることができる。
【0053】さらに請求項8,9記載の溶接チップの寿
命評価装置によれば、溶接心線のチップ孔内で溶接心線
が旋回する時に引っ掛かる侵食部によりあらわれる溶接
電流または溶接電圧の変動を溶接電流検出部または溶接
電圧検出部で検出し、この検出値により、溶接チップの
チップ穴の消耗変形程度を判断する寿命判断部を設けた
ので、溶接チップの交換時期をより適正に判断すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る溶接チップの寿命評価装置の実施
の形態を示す構成図である。
【図2】同溶接チップの縦断面図である。
【図3】同溶接チップの先端面拡大図である。
【図4】同溶接心線の動きを示す説明図である。
【図5】同溶接チップのチップ穴径の奥行き方向の変化
を示すグラフである。
【図6】同溶接チップのチップ穴径の使用時間による変
化を示すグラフである。
【図7】(a)〜(e)はそれぞれ実験により計測した
溶接電流の変化を示し、(a)は新しい溶接チップによ
る溶接電流を示すグラフ、(b)は第1周期が明瞭にあ
らわれた溶接電流を示すグラフ[累積使用時間:85
分]、(c)は使用限界に近づき第2周期があらわれた
溶接電流を示すグラフ、(d)は第2周期が顕著にあら
われた溶接電流を示すグラフ、(e)は(d)から数分
後、否許容の溶接欠陥が多発する時の溶接電流を示すグ
ラフである。
【図8】実験により得られた累積使用時間(アークタイ
ム)と溶接電流の変動値の関係を示すグラフである。
【図9】溶接電流の変動を説明するチップ穴の断面図で
ある。
【図10】本発明に係る溶接チップの寿命評価装置の他
の実施の形態を示す構成図である。
【図11】(a)〜(c)はそれぞれ実験により計測し
た溶接電圧の変化を示し、(a)は新しい溶接チップに
よる溶接電圧を示すグラフ、(b)は使用限界が近づき
第1周期があらわれた溶接電圧を示すグラフ、(c)は
使用限界となり第2周期があらわれた溶接電圧を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1 溶接チップ 2 チップ穴 3 溶接心線 4 収納リール 5 心線矯正器 6 送給ローラ 8 溶接用直流定電圧電源 11 寿命評価装置 12 溶接電流検出部 13 寿命判断部 14 電流計 15 フィルタ 16 電流周期判定部 17 チップ診断部 18 限界表示ランプ 21 寿命評価装置 22 溶接電圧検出部 23 寿命判断部 24 電圧計 25 フィルタ 26 電圧期判定部 27 チップ診断部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大澤 守彦 大阪府大阪市住之江区南港北1丁目7番89 号 日立造船株式会社内 (72)発明者 中谷 光良 大阪府大阪市住之江区南港北1丁目7番89 号 日立造船株式会社内 (72)発明者 武田 慎之助 大阪府大阪市住之江区南港北1丁目7番89 号 日立造船株式会社内 Fターム(参考) 4E001 LH01 LH03 MB01 MB10 4E082 AA01 EA20 EB11 EC03 EC13 EF02 EF07

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶接用定電圧電源装置から溶接トーチに供
    給される溶接電流または溶接電圧の変化を検出し、 溶接電流または溶接電圧の変化が所定条件となった時
    に、溶接チップが使用限界にあることを判断することを
    特徴とする溶接チップの寿命評価方法。
  2. 【請求項2】溶接電流または溶接電圧の変化を数10ヘ
    ルツ以下の変化を通す高周波数除去手段を設けたことを
    特徴とする請求項1記載の溶接チップの寿命評価方法。
  3. 【請求項3】溶接電流または溶接電圧の変化において、
    変動が一定時間内に所定回数以上あらわれた時に、溶接
    チップが使用限界にあることを判断することを特徴とす
    る請求項1または2記載の溶接チップの寿命評価方法。
  4. 【請求項4】溶接電流または溶接電圧の変化において、
    まず収納リールから溶接トーチのチップに繰出される収
    納リールでの溶接心線の1周の長さを、溶接心線の送給
    速度で除した第1周期の変動と、この第1周期の変動の
    中間にあらわれる第2周期の変動とをカウントすること
    を特徴とする請求項3記載の溶接チップの寿命評価方
    法。
  5. 【請求項5】溶接電流または溶接電圧の変化において、
    まず収納リールから溶接トーチのチップに繰出される収
    納リールでの溶接心線の1周の長さを、溶接心線の送給
    速度で除した第1周期を判定し、 この第1周期の変動の中間にあらわれる第2周期を検出
    し、この第2周期の変動の発生頻度が、所定時間内に許
    容回数を越えた時に、溶接チップが使用限界にあること
    を判断することを特徴とする請求項1または2記載の溶
    接チップの寿命評価方法。
  6. 【請求項6】溶接電流の変動幅が所定値以上となった時
    に、溶接チップが使用限界にあることを判断することを
    特徴とする請求項1記載の溶接チップの寿命評価方法。
  7. 【請求項7】溶接電流または溶接電圧の周期的な変化を
    目視可能な出力手段に表示させ、作業員の目視により所
    定条件を判断することを特徴とする請求項2乃至6の何
    れかに記載の溶接チップの寿命評価方法。
  8. 【請求項8】溶接用定電圧電源装置から溶接トーチに供
    給される溶接電流を検出する電流計を有する溶接電流検
    出部を設け、 前記溶接電流検出部により検出された溶接電流値の変動
    が、所定時間内に許容回数を越えた時に、溶接チップが
    使用限界にあると判断して限界信号を出力する寿命判断
    部を設け、 この寿命判断部からの限界信号に基づいて使用限界を告
    知する出力部を設けたことを特徴とする溶接チップの寿
    命評価装置。
  9. 【請求項9】溶接用定電圧電源装置から溶接トーチに印
    加される溶接電圧を検出する電圧計を有する溶接電圧検
    出部を設け、 前記溶接電圧検出部により検出された溶接電圧値の変動
    が、所定時間内に許容回数を越えた時に、溶接チップが
    使用限界にあると判断して限界信号を出力する寿命判断
    部を設け、 この寿命判断部からの限界信号に基づいて使用限界を告
    知する出力部を設けたことを特徴とする溶接チップの寿
    命評価装置。
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