JP2000024735A - 脱気缶の製造方法 - Google Patents
脱気缶の製造方法Info
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Abstract
められた脱気缶を容易に製造することができる脱気缶の
製造方法を提供する。 【解決手段】内容物が充填された缶体1に缶蓋3を被冠
した後、缶体1に缶蓋3を仮止めする仮止め工程を行
い、次いで、缶体1内部の空気を吸引して脱気する脱気
工程及び缶蓋3を脱気された缶体1に巻き締める巻締工
程を行う。仮止め工程においては、缶蓋3の外周端部
に、缶体1のフランジ部2から間隙を存してフランジ部
2の先端縁より内方に向かって断面略円弧形状に巻き込
んだカール部5を形成し、缶蓋3の外周端部の一部にカ
ール部5より巻き込み量が小さい通気部8を形成する。
通気部8は、脱気工程の際にカール部5の先端部がフラ
ンジ部2の下側に当接されたときにフランジ部2と缶蓋
3の外周端部との間に間隙xを形成して缶体1の内部と
外部とを通気自在とする。
Description
存効果を高めるために缶内部の脱気が行われる脱気缶の
製造方法に関する。
する食缶においては、缶内部を真空として内容物の保存
効果を高めた脱気缶が知られている。
体に缶蓋を被冠し、クリンチャーによって缶蓋を仮止め
し、その後、バキュームシーマー(例えば、特開昭56
−36350号公報参照)によって缶内部を脱気して缶
蓋の巻締を行うことにより製造される。前記クリンチャ
ーは、缶蓋の外周端部に、缶体の上端縁に形成されてい
るフランジ部から間隙を存して該フランジ部の先端縁よ
り内方に向かって断面略円弧形状に巻き込んだカール部
を形成する。該カール部が形成されることによって缶蓋
は、缶体に固着されることなく該カール部によりフラン
ジ部に緩く掛止され、仮止めされた状態とされる。この
ように缶蓋が仮止めされた缶体は、前記バキュームシー
マーに備えれた真空室内に収容され、缶体のフランジ部
と缶蓋の外周端部との隙間から缶体内部の空気が吸引さ
れて脱気された状態で巻締が行われる。
と缶体内部との圧力差から、缶蓋が持ち上げられる。こ
れにより、フランジ部の下方に位置するカール部の先端
部がフランジ部の下面側に当接する。ここで、前記缶蓋
がブリキ製である場合には、カール部を成形した際にカ
ール部の先端部に細かい皺が生じてこれが通気自在の状
態となり、カール部の先端部がフランジ部の下面側に当
接しても皺によって両者は密着することがなく、カール
部の先端部の皺から缶体内部の空気を真空室内へ脱出さ
せることができた。ところが、近年、この種の缶蓋は簡
易に開口することができる所謂イージーオープン缶蓋と
され、そのためにアルミによって形成されている。前記
缶蓋がアルミ製である場合には、加工時の延展性が優れ
ているため、カール部の先端部における皺の発生もなく
高精度なカール部の成形が可能となる反面、カール部の
先端部がフランジ部の下面側に当接したときには両者が
密着して缶体内部が閉塞されてしまい、脱気が不充分と
なる不都合があった。
られるように、缶体のフランジ部に放射状の凹凸部を形
成して、脱気の際にカール部の先端部がフランジ部の下
面側に当接しても、凹凸部を介して缶体内部の空気を脱
出させることができるようにしたものが知られている。
成形するための工程を各別に設けなければならず、製造
工程が増加する不都合がある。また、缶体のフランジ部
に予め凹凸部を形成しておくと、例えば、該缶体を横倒
姿勢で転動させて搬送する場合に凹凸部により円滑な転
動が阻害され、搬送速度が低下する不都合がある。更
に、このような転動搬送時には、前記凹凸部が外部に不
均等に接触して凹凸部に施された塗装が傷つくおそれが
ある。また、フランジ部に凹凸部を形成しておくと、所
謂エアテスタによってフランジ部を介して缶体を閉塞し
該缶体の内部に空気圧をかけて漏洩検査をする際に、凹
凸部を介して缶体の内部から空気漏れが生じ、正確な漏
洩検査ができない不都合がある。また、前記凹凸部は巻
締の際のフランジ部の曲げ方向に直交して形成されてい
るため、該凹凸部によってフランジ部の曲げ強度が過剰
に大とされてしまい、巻締の際に良好なエンドフックが
形成されず、巻締不良が生じるおそれがある。
て、本発明は、缶体のフランジ部に凹凸部を形成してお
くことなく、缶体内部が確実に脱気され缶蓋が良好に巻
き締められた脱気缶を容易に製造することができる脱気
缶の製造方法を提供することを目的とする。
めに、本発明は、上端部にフランジ部を備える有底筒状
の缶体に内容物を充填して缶蓋を被冠し、該缶蓋の外周
端部に前記フランジ部から間隙を存して前記フランジ部
の先端縁より内方に向かって断面略円弧形状に巻き込ん
だカール部を形成して前記缶体に該缶蓋を仮止めする仮
止め工程と、仮止め状態の缶蓋と缶体のフランジ部との
間から缶体内部の空気を吸引して脱気する脱気工程と、
該缶蓋を脱気された缶体に巻き締める巻締工程とを備え
る脱気缶の製造方法において、前記仮止め工程は、前記
カール部が形成される前記缶蓋の外周端部の一部に、前
記脱気工程の際に前記カール部の先端部が前記フランジ
部の下側に当接されたときに該フランジ部と缶蓋の外周
端部との間に間隙を形成して缶体の内部と外部とを通気
自在とする通気部を、前記カール部より巻き込み量を小
として形成することを特徴とする。
て、前記缶蓋の外周端部に前記カール部と前記通気部と
を形成する。該通気部は、前記カール部より巻き込み量
を小として形成する。これにより、該通気部は前記カー
ル部よりも緩やかな円弧に形成され、前記カール部の先
端部が前記フランジ部の下側に当接したときにも通気部
の先端部はフランジ部の下側に当接しない。
の外周端部の一部に前記通気部を形成するだけで、前記
脱気工程の際に前記カール部の先端部が前記フランジ部
の下側に当接されても、該フランジ部と缶蓋の外周端部
との間に間隙を形成することができるので、缶体内部の
脱気を確実に行うことができる。
は、缶蓋の前記カール部に対応する形状のカール部成形
グルーブと、前記通気部の形成位置に対応して設けら
れ、該カール成形グルーブより缶蓋の外周端部の巻き込
み量を小とする通気部の形状に対応する通気部成形グル
ーブとを備えるカーリングレールに沿って、缶体に被冠
された缶蓋の外周端部を圧接転動させて該缶蓋に前記カ
ール部及び前記通気部を形成することを特徴とする。
沿って缶蓋の外周端部を圧接転動させたとき、該カーリ
ングレールのカール成形グルーブによりカール部が形成
されると共に、該カーリングレールの通気部成形グルー
ブにより前記カール部より巻き込み量が小さい通気部が
形成される。このように、該カーリングレールにより缶
蓋に前記カール部と前記通気部とを連続して形成するこ
とができ、工程数を増加させることなく通気部を形成す
ることができる。
いて説明する。図1は缶蓋が被冠された缶体の一部を示
す説明的断面図、図2はカーリングレールの説明的平面
図、図3(a)及び(b)はカーリングレールによる仮
止め工程を示す説明的断面図、図4は缶蓋が仮止めされ
た缶体を示す説明的斜視図、図5(a)は脱気工程時の
カール部の状態を示す説明的断面図、図5(a)は脱気
工程時の通気部の状態を示す説明的断面図である。
肉等の食物を内容物とする所謂食缶であり、缶内部の空
気を抜き取って真空とすることにより内容物の保存効果
を高めるものである。
方に向かって折り曲げたフランジ部2を備える金属製の
缶体、3は外周端部が前記フランジ部2より外方に延出
された金属製(本実施形態においてはアルミ製)の缶
蓋、4は缶蓋3の外周を当接して転動させることにより
後述する仮止め工程を行うカーリングレールである。
胴に底蓋が巻き締められて有底筒状に形成されており、
更に、前工程において内容物が充填されている。
ず、図1に示すように、缶体1に缶蓋3を被冠する。次
いで、図2に示すように、缶体1への被冠状態を維持し
た缶蓋3の外周端部をカーリングレール4に沿って圧接
転動して仮止め工程を行う。
すように、前記カーリングレール4によって、前記缶蓋
3の外周端部に、前記フランジ部2の下方側の内方に向
かって巻き込んだカール部5を形成して前記缶体1に該
缶蓋3を仮止めする。
に、缶蓋3が一回転して該缶蓋3の外周端部の全周に亘
って圧接可能な長さに延設されている。該カーリングレ
ール4は、その長さ方向の範囲aと範囲cとに、カール
部成形グルーブ6を備え、範囲aと範囲cとの間の範囲
bに、通気部成形グルーブ7を備えている。カール部成
形グルーブ6は、図3(a)に示すように、前記カール
部5に対応して形成されており、該カール部成形グルー
ブ6に圧接された缶蓋3の外周端部には断面略円弧形状
のカール部5が形成されて、該カール部5の先端が前記
フランジ部2の先端より下方の内方に位置して缶体1に
仮止めされる。また、通気部成形グルーブ7は、図3
(b)に示すように、該カール部成形グルーブ6より缶
蓋3の外周端部の巻き込み量を小とする形状に形成され
ている(具体的には、両グルーブ6,7を断面視したと
き、図3(a)と図3(b)とを比較して明らかなよう
に、缶蓋3の外周端部に当接する湾曲形状の半径が、カ
ール部成形グルーブ6より通気部成形グルーブ7の方が
大きく緩やかとされている)。これにより、缶蓋3の外
周端部の一部にカール部5よりも巻き込み量の小さい通
気部8が形成される。該通気部8は、前記カール部5に
比べて、その先端が前記フランジ部2の先端側の外方に
位置し、詳しくは後述するが、前記カール部5の先端部
がフランジ部2の下側に当接しても該通気部8の先端部
はフランジ部2に当接することなく通気自在の間隔がフ
ランジ部2との間に保持される形状に形成される。な
お、通気部成形グルーブ7の両端のカール部成形グルー
ブ6との境界部分は段差が生じることのないように連続
して形成されている。
ル4への圧接転動によって、缶体1に仮止めされた缶蓋
3は、図4に示すように、該缶蓋3の略全周にカール部
5が形成され、その一部に外方に突出状態の通気部8が
形成される。この状態の缶蓋3は、缶体1に対して強固
に被冠された状態ではなく、カール部5によって缶体1
からの外れが防止された状態で、該缶体1に対して上下
方向に僅かに動くように取り付けられている。
部の空気を取り除く脱気工程を行う。該脱気工程は、図
示しないが、缶蓋3が仮止めされた缶体1を真空状態に
維持された真空室に収容して該真空室によって缶体1内
部の空気を脱出させ、次いで、該真空室内で缶蓋3の巻
き締めを行う所謂バキュームシーマ等によって行われ
る。このとき、真空室に収容された缶体1は、真空室内
の空気圧よりも缶体1内部の空気圧が高いために、缶体
1内部の空気が缶体1外部に抜け出ようとして缶蓋を押
し上げる。これにより、図5(a)に示すように、缶蓋
3が缶体1に対して上方に動き、カール部5の先端部が
フランジ部2の下側に密着する。一方、缶蓋3の外周の
一部には前記通気部8が形成されているので、図5
(b)に示すように、缶蓋3が缶体1に対して上方に動
いても、通気部8とフランジ部2との間に間隙xが形成
される。そして、この間隙xを介して缶体1内部の空気
が缶体1外部に抜け出し、脱気が確実に行われる。
には、缶蓋3の巻き締めが施され食缶に好適な脱気缶が
製造される。このとき、缶蓋3の外周の一部に前記通気
部8が形成されていても、該通気部8はカール部5と同
様に、巻き締めの際に押圧成形される方向に沿って大略
円弧形状に形成されているので、該通気部8によって巻
き締め加工が阻害されることなく高精度な巻き締めを行
うことができる。
周端部の一箇所に前記通気部8を形成した例を示した
が、これに限ることなく、缶蓋3の外周に沿って複数箇
所に前記通気部8を形成しても前述したものと同様な効
果を得ることができる。この場合には、図示しないが、
前記カーリングレール4に複数の通気部成形グルーブ7
を設ければ複数の通気部8を容易に形成することができ
る。
図。
ーブによる仮止め工程を示す説明的断面図、(b)は通
気部成形グルーブによる仮止め工程を示す説明的断面
図。
明的断面図、(b)は脱気工程時の通気部の状態を示す
説明的断面図。
レール、5…カール部、6…カール部成形グルーブ、7
…通気部成形グルーブ、8…通気部。
Claims (2)
- 【請求項1】上端部にフランジ部を備える有底筒状の缶
体に内容物を充填して缶蓋を被冠し、該缶蓋の外周端部
に前記フランジ部から間隙を存して前記フランジ部の先
端縁より内方に向かって断面略円弧形状に巻き込んだカ
ール部を形成して前記缶体に該缶蓋を仮止めする仮止め
工程と、仮止め状態の缶蓋と缶体のフランジ部との間か
ら缶体内部の空気を吸引して脱気する脱気工程と、該缶
蓋を脱気された缶体に巻き締める巻締工程とを備える脱
気缶の製造方法において、 前記仮止め工程は、前記カール部が形成される前記缶蓋
の外周端部の一部に、前記脱気工程の際に前記カール部
の先端部が前記フランジ部の下側に当接されたときに該
フランジ部と缶蓋の外周端部との間に間隙を形成して缶
体の内部と外部とを通気自在とする通気部を、前記カー
ル部より巻き込み量を小として形成することを特徴とす
る脱気缶の製造方法。 - 【請求項2】前記仮止め工程においては、缶蓋の前記カ
ール部に対応する形状のカール部成形グルーブと、前記
通気部の形成位置に対応して設けられ、該カール成形グ
ルーブより缶蓋の外周端部の巻き込み量を小とする通気
部の形状に対応する通気部成形グルーブとを備えるカー
リングレールに沿って、缶体に被冠された缶蓋の外周端
部を圧接転動させて該缶蓋に前記カール部及び前記通気
部を形成することを特徴とする請求項1記載の脱気缶の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10198598A JP2000024735A (ja) | 1998-07-14 | 1998-07-14 | 脱気缶の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10198598A JP2000024735A (ja) | 1998-07-14 | 1998-07-14 | 脱気缶の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000024735A true JP2000024735A (ja) | 2000-01-25 |
Family
ID=16393867
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10198598A Pending JP2000024735A (ja) | 1998-07-14 | 1998-07-14 | 脱気缶の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000024735A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010514634A (ja) * | 2006-12-29 | 2010-05-06 | サンダルフォー・エ・シー・ソシエテ・パ・アクシオンス・シンプリフィエ | 包装装置及び包装方法 |
JP2017043393A (ja) * | 2015-08-27 | 2017-03-02 | 北海製罐株式会社 | 脱気缶及び脱気缶製造方法 |
JP2017042798A (ja) * | 2015-08-27 | 2017-03-02 | 北海製罐株式会社 | クリンチャーセグメント |
-
1998
- 1998-07-14 JP JP10198598A patent/JP2000024735A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010514634A (ja) * | 2006-12-29 | 2010-05-06 | サンダルフォー・エ・シー・ソシエテ・パ・アクシオンス・シンプリフィエ | 包装装置及び包装方法 |
JP2013082504A (ja) * | 2006-12-29 | 2013-05-09 | St Dalfour Sas | 包装装置及び包装方法 |
JP2017043393A (ja) * | 2015-08-27 | 2017-03-02 | 北海製罐株式会社 | 脱気缶及び脱気缶製造方法 |
JP2017042798A (ja) * | 2015-08-27 | 2017-03-02 | 北海製罐株式会社 | クリンチャーセグメント |
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