JP2000019467A - コンタクトレンズ用洗浄シート - Google Patents

コンタクトレンズ用洗浄シート

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JP2000019467A
JP2000019467A JP10185231A JP18523198A JP2000019467A JP 2000019467 A JP2000019467 A JP 2000019467A JP 10185231 A JP10185231 A JP 10185231A JP 18523198 A JP18523198 A JP 18523198A JP 2000019467 A JP2000019467 A JP 2000019467A
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contact lens
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sheet
fiber
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Takahiro Otaguro
隆浩 大田黒
Toshinobu Kashiwada
利信 柏田
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Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンタクトレンズに強く沈着乃至付着したタ
ンパク質汚れや水に落ちにくい化粧品由来の油脂類など
の汚れ等を簡単に、軽い力で除去できると共に、コンタ
クトレンズの変色及び変形を防止することができ、並び
に、長期保存でも洗浄シートに含まれる洗浄液のpH変
化が少なく、かつ、洗浄力の低下もないコンタクトレン
ズ用洗浄シート洗浄シートを提供する。 【解決手段】 非イオン界面活性剤を主活性剤とし、か
つ水溶液中(25℃)における酸解離定数pKa値が2
〜13を示す緩衝剤を配合した洗浄液を含有した繊維か
らなることを特徴とするコンタクトレンズ用洗浄シー
ト。また、非イオン界面活性剤を主活性剤とし、かつ有
機イオンと金属錯体を形成する剤の安定度定数(Ksta
b)が、2〜30までを示す剤を配合した洗浄液を含有
した繊維からなることを特徴とするコンタクトレンズ用
洗浄シート。更に、非イオン界面活性剤を主活性剤と
し、かつ無機塩を配合した洗浄液を含有した繊維からな
ることを特徴とするコンタクトレンズ用洗浄シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンタクトレンズ
用洗浄シートに関し、更に具体的には、洗浄シート上で
コンタクトレンズを軽くこするだけで、コンタクトレン
ズ表面上に沈着乃至付着したタンパク質を吸着除去し、
更にその他の汚れも同時に除去することができ、しか
も、コンタクトレンズの変色及び変形を防止することが
できるコンタクトレンズ用洗浄シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、コンタクトレンズに沈着等し
たタンパク質汚れの除去には、通常、濃縮タイプの液状
酵素洗浄剤が多く使われている。また、コンタクトレン
ズは、長期間使用していると、装着期間と共にレンズに
タンパク質が沈積するため、週1回の割合で錠剤タイプ
の専用タンパク質除去剤が用いられている。
【0003】これらのタンパク分解酵素の使い方は、酵
素溶液に4〜6時間、あるいは一晩レンズを浸漬してお
く必要があるので、コンタクトレンズ表面上に沈着等し
たタンパク質汚れの除去には数時間が必要で洗浄が面倒
であった。また、タンパク質汚れ以外にも最近、水に落
ちにくい化粧品の発売により、化粧品由来の油脂類がレ
ンズに付着し、その除去が困難であることが現状であ
る。
【0004】そこで、これらのタンパク質汚れ等の洗浄
を改善するため、コンタクトレンズの清浄化用のパッケ
ージ(特公平1−46047号公報)やコンタクトレン
ズ清拭用組成物及びその使用法(特開平6−31776
9号公報)が提案されている。しかしながら、これらの
公報に記載される技術では、界面活性剤を含む洗浄液を
含浸した繊維を密封系で長期間高温(45℃)条件下で
保存すると、洗浄液のpHが変化し、洗浄力が低下し、
コンタクトレンズ表面上に沈着等したタンパク質汚れ等
が、十分に除去できないことがわかった。特に、強く沈
着等している場合、さらにタンパク質汚れ等の除去が困
難である。
【0005】また、これらの公報に記載される技術で
は、イオン交換水以外の水、例えば、鉄イオンやカルシ
ウムイオンを標準より多く含む水を配合した洗浄液を使
用すると、洗浄シートが褐色になるなど変色を起こすこ
とがある。また、このような洗浄液を長期間使用してい
ると、金属イオン(カルシウムイオンや鉄イオン等)が
レンズに吸着してレンズが変色・変形を起こすことがわ
かった。このことは、目に対する安全性の面でも良くな
い。更に、界面活性剤を含む洗浄液を含浸した繊維を長
期間使用していると、コンタクトレンズが硬化し、変形
することがあり、また、場合によっては、洗浄時にレン
ズが破損してしまうことがわかった。このため、コンタ
クトレンズ表面上にタンパク質汚れ等が強く沈着等して
いる場合には、さらにタンパク質汚れ等の除去が困難
で、コンタクトレンズを洗浄シートに対して強くこすっ
たり、または、洗浄シートに対するコンタクトレンズの
こすり回数を多くすると、コンタクトレンズ表面を傷め
ることがあるという課題がある。
【0006】従って、今までのコンタクトレンズ用洗浄
シートは、近年における多様化した消費者ニーズ等に応
えるには至らず、更なる手軽に、軽い力で、簡単にタン
パク質汚れ等が除去できると共に、しかも、コンタクト
レンズの変色及び変形を防止することができ、並びに、
洗浄シートに含まれる洗浄液のpH変化が少なく、か
つ、洗浄力の低下もないコンタクトレンズ用洗浄シート
製品の開発が強く望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、コ
ンタクトレンズに強く沈着乃至付着したタンパク質汚れ
や水に落ちにくい化粧品由来の油脂類などの汚れ等を簡
単に、軽い力で除去できると共に、コンタクトレンズの
変色及び変形を防止することができ、並びに、長期保存
でも洗浄シートに含まれる洗浄液のpH変化が少なく、
かつ、洗浄力の低下もないコンタクトレンズ用洗浄シー
トを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上記従来の課題等に鑑み、繊維の持つ特異的な性質に着
目し、コンタクトレンズの洗浄時に繊維を利用して、コ
ンタクトレンズの汚れを除去でき、しかも、コンタクト
レンズの変形・変色等、並びに、洗浄シートに含まれる
洗浄液について鋭意検討した結果、特定物性の界面活性
剤と特定の化合物等を配合した洗浄液を含ませた繊維か
らなる洗浄シートにすることにより、上記目的のコンタ
クトレンズ用洗浄シートを得ることに成功し、本発明を
完成するに至ったのである。すなわち、本発明のコンタ
クトレンズ用洗浄シートは、次の(1)〜(3)に存する。 (1) 非イオン界面活性剤を主活性剤とし、かつ水溶液中
(25℃)における酸解離定数pKa値が2〜13を示
す緩衝剤を配合した洗浄液を含有した繊維からなること
を特徴とするコンタクトレンズ用洗浄シート。 (2) 非イオン界面活性剤を主活性剤とし、かつ有機イオ
ンと金属錯体を形成する剤の安定度定数(Kstab)が、
2〜30までを示す剤を配合した洗浄液を含有した繊維
からなることを特徴とするコンタクトレンズ用洗浄シー
ト。 (3) 非イオン界面活性剤を主活性剤とし、かつ無機塩を
配合した洗浄液を含有した繊維からなることを特徴とす
るコンタクトレンズ用洗浄シート。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。本発明の第1発明となるコンタクトレン
ズ用洗浄シート(以下、単に「洗浄シート」という)
は、非イオン界面活性剤を主活性剤とし、かつ水溶液中
(25℃)における酸解離定数pKa値が2〜13を示
す緩衝剤を配合した洗浄液を含有した繊維からなること
を特徴とするものである。本発明の第2発明となる用洗
浄シートは、非イオン界面活性剤を主活性剤とし、かつ
有機イオンと金属錯体を形成する剤の安定度定数(Kst
ab)が、2〜30までを示す剤を配合した洗浄液を含有
した繊維からなることを特徴とするものである。本発明
の第3発明となる洗浄シートは、非イオン界面活性剤を
主活性剤とし、かつ無機塩を配合した洗浄液を含有した
繊維からなることを特徴とするものである。なお、以下
において、「本発明」というときは、上記第1発明〜第
3発明を総称するものである。
【0010】本発明に用いることができる繊維として
は、特に限定されるものではないが、タンパク質に対し
て親和性のある繊維を使用することが好ましく、例え
ば、熱可塑性の重合体からなる繊維、イオン交換能を有
する繊維、タンパク質繊維、タンパク質系高分子繊維
(プロミックス繊維)から選択される少なくとも1種以
上が挙げられ、これらの繊維は、単独で、または、2種
以上を併用して使用することができる。熱可塑性の重合
体からなる繊維としては、例えば、ポリオレフィン(ポ
リエチレン繊維、ポリプロピレン繊維)、ポリスチレ
ン、ポリアルキレン、ポリアミド(ナイロン)、ポリイ
ミド、ポリアリールスルホン、ポリスチレン、ポリビニ
ルアルコール(ビニロン)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化
ビニリデン(ビニリデン、塩化ビニリデン)、ポリエス
テル、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリロニト
リル(ポリアクリロニトリル繊維:アクリル繊維、モダ
クリル繊維:アクリル系繊維)、及びポリウレタンの繊
維、並びに、これらの組み合わせ、混合及び共重合体か
らなる繊維が挙げられる。
【0011】イオン交換能を有する繊維としては、イオ
ン官能基をもつものが好ましい。イオン官能基として
は、例えば、−COOH、−SO3H、−NH2、−CS
OH、−N(CH33、−COOM(M:金属塩、N
a,K等)、−SO2H、−NH3 +、−CONH−、−
COO−、−SOH、=NH、−OH、−SH、−CO
NH2、HO3S−NH−、−O−、−NHNH2、−H
O−SO2
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】 または、これらの金属塩が挙げられる。特に、イオン官
能基としては、−COOH、−COONa、−SO
3H、−SO3Na、−NH2
【化6】 または、これらの塩が好ましい。その中でも、特に、カ
ルボキシル基を有するアクリル酸繊維、アルギン酸繊
維、アミノ基を有する繊維が好ましい。
【0012】また、タンパク質繊維及びタンパク質系高
分子繊維としては、例えば、動物繊維では、絹(まゆ)
繊維、羊毛繊維(羊)等が挙げられる。また、再生繊維
(天然高分子)のタンパク質繊維では、トウモロコシ
(ゼイン)、大豆、ピーナッツ、カゼイン等の原料から
作製される、トウモロコシタンパク繊維、大豆タンパク
繊維、落花生タンパク質繊維、カゼイン繊維、シルク
(絹)繊維が挙げられ、そのほか、アルギン酸繊維、キ
チン繊維、マンナン繊維も含むものが挙げられる。更
に、半合成繊維(半合成高分子)では、タンパク質系の
プロミックス繊維が挙げられる。このプロミックス繊維
は、天然タンパクとポリアクリロニトリルを特殊な方法
で化学結合させた繊維で、分子中に天然タンパクが存在
している。また、タンパク質の含有量は、重量割合で3
0%以上60%未満含み、その他の成分としてビニル系
単位を含む長鎖状合成高分子からなる繊維と定義される
ものであるが、本発明では5%以上含まれていることが
好ましい。更に、天然タンパクとポリアクリロニトリル
以外の反応性化合物に化学結合させた繊維でもよく、天
然タンパクが繊維中に5%以上含有されていることが望
ましい。これらの中でも、特に、入手性や生産性の面よ
り、シルク(絹)繊維、アルギン酸繊維、プロミックス
繊維が好ましい。
【0013】特に、本発明に用いる繊維の中で好ましい
ものは、イオン官能基を有する繊維やタンパク質繊維、
タンパク質系高分子繊維(プロミックス繊維)である。
その中でも、アクリル酸繊維、シルク繊維、アルギン酸
繊維及びプロミックス繊維が好ましい。これらの繊維
は、高効率でタンパク質汚れを吸着除去するからであ
る。更に、本発明に用いる繊維には、繊維にイオン交換
能を有する化合物を架橋化などの化学的処理によって導
入された繊維も含むものである。すなわち、化学的処理
によって、繊維の一部又は全体をイオン交換能(基)を
もつように表面処理した繊維も使用することができる。
これらの繊維の繊維構造は、特に限定されるものではな
く、例えば、中空構造を有する繊維、分割繊維を有する
繊維、芯鞘構造を有する繊維、編心構造を有する繊維な
どが挙げられる。本発明に用いる繊維の平均直径は、
0.3〜50μm、好ましくは、0.5〜20μm、更
に好ましくは、0.5〜10μmであることが望まし
い。
【0014】本発明の洗浄シートは、上記各々の繊維を
加工処理してシート体とし、該シート体に洗浄液を含浸
処理等施すことにより製造される。このシートの形態
(シート体)としては、例えば、前記繊維の混紡(ミッ
クス)、前記繊維の不織布、前記繊維の多層構造を有す
る不織布又は前記繊維の編物布、織物布の編・織物布な
どのシート体が挙げられる。洗浄液をシート体に含浸処
理させる方法としては、例えば、洗浄液を直接シート体
にスプレーする方法や当該洗浄液にシート体を浸漬して
含浸させる方法が挙げられる。
【0015】本発明の洗浄シートとして、具体的には、
ポリエステル繊維の不織布からなるシート体に洗浄液を
含浸処理した洗浄シート、ポリエチレン繊維の不織布か
らなるシート体に洗浄液を含浸処理した洗浄シート、ポ
リプロピレン繊維とレーヨン繊維の混紡からなる不織布
のシート体に洗浄液を含浸処理した洗浄シートなどが挙
げられる。また、コンタクトレンズの洗浄時に、液未含
浸の洗浄シートに市販品の洗浄液を含浸させてから使用
してもよい。更に、使用時には、手のひらの上、あるい
はプラスチック容器の上に、洗浄シートをおき、コンタ
クトレンズのこすり動作を行うと便利である。
【0016】本発明の洗浄シートに含まれる洗浄液とし
ては、(第1発明)非イオン界面活性剤を主活性剤と
し、かつ水溶液中(25℃)における酸解離定数pKa
値が2〜13を示す緩衝剤を配合した洗浄液、(第2
発明)非イオン界面活性剤を主活性剤とし、かつ有機イ
オンと金属錯体を形成する剤の安定度定数(Kstab)
が、2〜30までを示す剤を配合した洗浄液、(第3
発明)非イオン界面活性剤を主活性剤とし、かつ無機塩
を配合した洗浄液が挙げられる。上記〜の洗浄液に
配合する界面活性剤は、共に非イオン界面活性剤を主活
性剤とするものであるが、本発明の効果を損なわない範
囲で、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤を配合する
ことができる。
【0017】非イオン界面活性剤としては、例えば、ポ
リオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレン
オレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエー
テル、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル、ポ
リオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキ
シエチレンデシルペンタデシルエーテル、ポリオキシエ
チレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンデシルテ
トラデシルエーテル、ポリオキシエチレンコレステリル
エーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレ
ンヘキシルデシルエーテル、モノステアリル酸エチレン
グリコール、モノステアリル酸ポリエチレングリコー
ル、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、
トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、
イソステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイ
ン酸ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンソル
ビタン脂肪酸エステル、モノステアリン酸ポリオキシエ
チレングリセリン、トリステアリン酸ポリオキシエチレ
ングリセリル、ポリオキシエチレントリステアリン酸ト
リメチロールプロパン、ポリオキシエチレンイソステア
リン酸トリメチロールプロパン、ポリオキシエチレン硬
化ヒマシ油、イソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化
ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ラウリン酸ポ
リオキシエチレン硬化ヒマシ油、ソルビタン脂肪酸エス
テル、モノ脂肪酸グリセリン、ピログルタミン酸エステ
ルなどのポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポ
リエチレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリ
コール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂
肪酸モノグリセリドなどが挙げられる。また、非イオン
界面活性剤の形態は、EO(エチレンオキサイド)付加
体単独、あるいは、PO(プロピレンオキサイド)付加
物単独、あるいはEO付加体とPO付加物の混合体でも
良い。
【0018】陰イオン界面活性剤としては、例えば、ド
デシル硫酸ナトリウム、αオレフィンスルホン酸塩、高
級脂肪酸アルカリ塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテ
ル硫酸エステル塩、フェニルエーテル硫酸エステル塩、
メチルタウリン酸塩、アラニネート及びその塩、スルホ
コハク酸塩、エーテルスルホン酸塩、エーテルカルボン
酸及びその塩、アルキルスルホン酸、アルキルベンゼン
スルホン酸及びその塩等が挙げられる。そのほか、両性
界面活性剤では、特にアミノ酸系両性界面活性剤が好ま
しい。
【0019】本発明の洗浄シートに含有される洗浄液の
形態は、非イオン界面活性剤単独系、主剤となる非イオ
ン界面活性剤と陰イオン界面活性剤との併用系、主剤と
なる非イオン界面活性剤と両性界面活性剤の併用系が好
ましい。洗浄液中における界面活性剤の比率は、主剤と
なる非イオン界面活性剤と陰イオン界面活性剤との併用
系では、9/1から5/5である。また、主剤となる非
イオン界面活性剤と両性界面活性剤の併用系では、9/
1から5/5である。
【0020】上記〜の洗浄液に配合する主剤となる
非イオン界面活性剤の量、若しくは、主剤となる非イオ
ン界面活性剤及び陰イオン界面活性剤との併用の場合の
合計量、または、主剤となる非イオン界面活性剤及び両
性界面活性剤の併用の場合の合計量は、洗浄液全量に対
して、共に0.01重量%〜5重量%、好ましくは、
0.1重量%〜3.0重量%が望ましい。上記配合量が
0.01重量%未満であると、洗浄効果が低下し、汚れ
が充分に除去できないものとなり、また、5重量%を越
えても、洗浄効果は変わらないが、不経済となり、好ま
しくない。更に、界面活性剤のHLB値は、HLBが8
以上が良好であり、特に10以上のHLB値が好まし
い。更に好ましくは、HLB値が12以上の界面活性剤
である。また、洗浄液に用いる溶媒としては、主にイオ
ン交換水、蒸留水が使用される。その他、エタノール等
のアルコール類、エチレングリコール、グリセリン等の
グリコール類が挙げられる。
【0021】上記(第1発明)の非イオン界面活性剤
を主活性剤として配合した洗浄液は、水溶液中(25
℃)における酸解離定数pKa値が2〜13を示す緩衝
剤を配合した洗浄液であることが必要である。この洗浄
液を含有した洗浄シートにより、本発明の目的を達成す
ることができる。この洗浄液に配合する緩衝剤は、緩衝
能を示す酸解離定数(水溶液25℃)pKa値が2〜1
3、好ましくは、5〜13を示す緩衝剤の中から選ば
れ、洗浄液のpHは、長期保存における洗浄力の低下防
止の観点等から3〜9、好ましくは4〜8、更に、好ま
しくは5〜7が望ましい。pKa値が2未満を示す緩衝
剤(洗浄液のpHが3未満)であると、充分な洗浄効果
が得られず、汚れが除去できないものとなり、また、p
Ka値が13を越える緩衝剤(洗浄液のpHが9を超
過)であると、すすぎが不充分であると、目の安全性を
保つことができなくなり、好ましくない。
【0022】使用する緩衝剤は、有機酸及び有機塩より
選択され、pKa値が、2〜13を示す緩衝剤として
は、例えば、リン酸(I)〔pKa2.12〕、リン酸
(II)〔pKa7.20〕、リン酸(III)〔pKa1
2.36〕、また、クエン酸(I)〔pKa3.1
3〕、クエン酸(II)〔pKa4.76〕、クエン酸
(III)〔pKa6.40〕が挙げられる。なお、上記
I、II、IIIは、溶解したときの溶解段階を示す。具体
的な緩衝剤としては、リン酸、リン酸1水素2ナトリウ
ム、リン酸2水素1ナトリウムおよびクエン酸、クエン
酸、1ナトリウム、クエン酸2ナトリウム、クエン酸3
ナトリウムが挙げられる。
【0023】更に、酸解離定数pKa値が2〜13を示
す緩衝剤を配合した緩衝溶液として下記に示すものが挙
げられる。下記緩衝溶液(A液/B液)は、A液とB液
をいろんな割合で混合し、場合によっては更に水で希釈
すると上記範囲の好ましいpH範囲の溶液が得られるも
のであり、括弧内は、濃度を示し、単位はmol/dm
3である。例えば、フタル酸水素カリウム(0.2)/水酸
化ナトリウム(0.2)溶液系、リン酸二水素カリウム
(0.2)/水酸化ナトリウム(0.2)溶液系、ホウ酸(0.
2)と塩化カリウム(0.2)/水酸化ナトリウム(0.2)
溶液系、グリシン(0.1)と塩化ナトリウム(0.1)/塩
酸(0.1)溶液系、グリシン(0.1)と塩化ナトリウム
(0.1)/水酸化ナトリウム(0.1)溶液系、クエン酸ナ
トリウム(0.1)/塩酸(0.1)溶液系、クエン酸ナトリ
ウム(0.1)/水酸化ナトリウム(0.1)溶液系、四ホウ
酸ナトリウム(ホウ砂)(0.2)/塩酸(0.1)溶液系、
四ホウ酸ナトリウム(ホウ砂)(0.2)/水酸化ナトリ
ウム(0.1)溶液系、リン酸二水素ナトリウム(1/15)
/リン酸二水素ナトリウム(1/15)溶液系、クエン酸カ
リウム(0.1)/クエン酸(0.1)溶液系、クエン酸二水
素カリウム(0.1)/塩酸(0.1)溶液系、クエン酸二水
素カリウム(0.1)/水酸化ナトリウム(0.1)溶液系、
コハク酸(0.05)/四ホウ酸ナトリウム(ホウ砂)(0.
05)溶液系、クエン酸二水素カリウム(0.1)/四ホウ
酸ナトリウム(ホウ砂)(0.05)溶液系、リン酸二水素
カリウム(0.1)/四ホウ酸ナトリウム(ホウ砂)(0.0
5)溶液系、酒石酸(0.1)/酸石酸ナトリウム(0.
1)、乳酸(0.1)/乳酸ナトリウム(0.1)、酢酸(0.
1)/酢酸ナトリウム(0.1)、リン酸二水素カリウム
(1/30)/リン酸二水素ナトリウム(1/30)溶液系、リ
ン酸水素二ナトリウム(0.2)/クエン酸(0.1)溶液
系、クエン酸(0.0286)+リン酸二水素カリウム(0.02
86)+ホウ酸(0.0286)+ジエチルバルビツル酸(0.02
86)/リン酸三ナトリウム(0.1)溶液系、クエン酸
(0.05)+ホウ酸(0.05)/リン酸三ナトリウム(0.
1)溶液系、トリス(ヒドロシキメチル)アミノメタン
(Tris)(0.1)/塩酸(0.1)溶液系が挙げられる。緩
衝液の配合量は、洗浄液全量に対して、0.01重量%
〜10重量%、好ましくは、0.05重量%〜3重量%
である。
【0024】更にその他に使用できる上記特性の緩衝液
としては、フマル酸、酒石酸、コハク酸、酢酸、2−
(N−モルホリ)エタンスルホン酸、2−(N−モルホ
リ)プロパンスルホン酸、コリジン、イミダゾール、ア
ミノ酸(グリシン、アラニン等)、アミノエタンスルホ
ン酸、アミノプロパンスルホン酸、アミノ−2−ヒドロ
キシプロパンスルホン酸及びその誘導体などの有機酸と
その有機塩、並びに、トリエタノールアミン、更に、無
機物として、ホウ酸、アンモニアなどが挙げられる。
【0025】上記(第2発明)の非イオン界面活性剤
を主活性剤として配合した洗浄液は、有機イオンと金属
錯体を形成する剤の安定度定数(Kstab)が、2〜3
0、好ましくは、8〜27までを示す剤を配合した洗浄
液であることが必要である。この洗浄液を含有した洗浄
シートにより、本発明の目的を達成することができる。
使用する有機イオンと金属錯体を形成する剤の安定度定
数は、形成する金属錯体の安定性を示す値(安定度定数
Kstab)である。この2〜30までの金属捕捉能を示す
剤としては、例えば、キレート剤が挙げられる。具体的
には、エチレンジアミン、グリシナトイオン、シュウ酸
イオン、アセチルアセナトイオン、クエン酸及びクエン
酸イオン、リン酸及びリン酸イオン、ジエチレンジアミ
ン四酢酸(EDTA)、DTPA−5Na、NTA−3
Na、グルコン酸ナトリウム、ヒドロキシエタンスルホ
ン酸(CY−115)、ジエチレントリアミン、イミノ
二酢酸、メチオニン及びこれらの塩が挙げられる。特
に、EDTA、EDTA−2Na、EDTA−4Na、
クエン酸及びその塩、リン酸及びその塩、アミノ酸、グ
ルコン酸ナトリウム、ヒドロキシエタンスルホン酸(フ
エリオックスCY−115)、DTPA−5Naが好ま
しい。安定度定数(Kstab)が2未満であると、充分な
金属イオンの捕捉ができず、コンタクトレンズの変色、
変形を促進することとなり、また、30を越えても、金
属イオンの捕捉効果は変わらない。また、洗浄液への配
合量は、洗浄液全量に対して、0.001重量%〜1重
量%、好ましくは、0.005重量%〜0.5重量%で
あることが望ましい。
【0026】(第3発明)の非イオン界面活性剤を主
活性剤として配合した洗浄液は、無機塩を配合した洗浄
液であることが必要である。この洗浄液を含有した洗浄
シートにより、本発明の目的を達成することができる。
使用する無機塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリ
ウム塩、カルシウム塩の少なくとも1種以上(単独又は
2種以上の併用)が挙げられる。この中でも特に、塩化
ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウムが好まし
く、更に好ましくは、塩化ナトリウム、塩化カリウムで
ある。洗浄液への無機塩の配合量は、洗浄液全量に対し
て、0.01重量%〜5重量%、好ましくは、0.05
重量%〜3重量%が望ましい。無機塩の配合量が0.0
1重量%未満であると、コンタクトレンズが硬化して変
形及び破損する可能性がある。また、5重量%を越える
と、コンタクトレンズの変形や破損は発生しにくいが、
不経済であり、好ましくない。
【0027】なお、上記〜の洗浄液には、更に上記
非イオン界面活性剤などの他、本発明の効果及び人体
(目)に対する安全性を損なわない範囲内で、必要に応
じて、カビや細菌類などによる微生物汚染を防止して洗
浄シートの更なる保存性向上のために防腐剤、殺菌剤の
配合、タンパク質汚れ等に対する更なる洗浄力向上のた
めにタンパク溶解剤、タンパク軟化剤の配合、または、
平均粒径0.01〜50μmの高分子ポリマー微粒子、
無機微粒子等の研磨粒子の配合、更に、コンタクトレン
ズの変色、変形の抑制のために酵素、還元剤、過酸化物
等を適宜配合してもよい。また、上記の洗浄液におい
て、長期保存における洗浄力の低下防止の観点等からp
Hを3〜9(好ましくは4〜8、更に、好ましくは5〜
7)とすることを記載したが、上記又はの洗浄液の
pHをpH調整剤などにより夫々3〜9(好ましくは4
〜8、更に、好ましくは5〜7)としてもよいものであ
る。
【0028】また、本発明の洗浄シートに含有される洗
浄液は、25℃における粘度が0.1〜200cP、好
ましくは、1cP〜50cP、更に好ましくは、3〜2
0cPに調整された洗浄液であることが望ましい。洗浄
液の粘度は、200cPを越える場合でもコンタクトレ
ンズ汚れの除去は可能であるが、洗浄液の高い粘性のた
め、すすぎが困難となる場合がある。また、洗浄液の粘
度が0.1cP未満であると、界面活性剤を含有する洗
浄液を含浸させた繊維からなる洗浄シートでは、使用時
にシートの下側に洗浄液が染み出したり、または、不織
布の一部に、あるいは、部分的に偏って存在する場合が
あり、コンタクトレンズを十分にこすることが困難とな
り、洗浄力が低下する場合がある。これらは、洗浄シー
トに含有する洗浄液の粘度の高低により起こるものであ
り、上記組成の洗浄液の粘度を0.1〜200cP(2
5℃)とすることにより、使用時にシートの下側に洗浄
液が染み出したり、または、不織布の一部にあるいは、
部分的に偏って存在し、コンタクトレンズの洗浄力が低
下することがなく、また、すすぎ性、こすり性も良好と
なる。従って、25℃における粘度が0.1〜200c
Pに調整された上記〜の洗浄液を含ませた繊維から
なる洗浄シートを用いて、コンタクトレンズを軽くこす
ることにより、洗浄液の染み出しや液が偏ることがな
く、洗浄シートの繊維に含浸される界面活性剤含有洗浄
液がシート全体に均一に保たれ、洗浄時では、コンタク
トレンズの接触を十分に、接触させることができること
となるので、コンタクトレンズに沈着等したタンパク質
汚れ等が簡単に除去できるものとなる。
【0029】洗浄液の粘度を確保するためは、洗浄液中
に水溶性高分子及び/又は界面活性剤を含有させること
が好ましい。使用できる水溶性高分子としては、例え
ば、ポリビニルアルコール(PVA)、メチルセルロー
ス、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース、その他セルロー
ス誘導体、ポリビニルピロリドン(PVP)、カルボキ
シメチルセルロース、キサンタンガム、アルギン酸又は
その塩、カラギーナンが挙げられる。この中でも、ポリ
ビニルアルコール(PVA)、メチルセルロース、エチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、
ポリビニルピロリドン(PVP)、アルギン酸、アルギ
ン酸ナトリウムが安全性の点から、より好ましい。
【0030】本発明の洗浄シートは、上述の如く、上記
各々の繊維を加工処理してシート体とし、該シート体
に、上記〜の組成となる界面活性剤等を配合した洗
浄液を含浸処理等施すことにより得られるものである
が、上記洗浄液の含有量は洗浄シート全量に対して、1
00〜1200重量%、好ましくは、300〜800重
量%、更に好ましくは、300〜500重量%であるこ
とが望ましい。洗浄液の含有量が100重量%未満であ
ると、コンタクトレンズの汚れが充分に除去できないも
のとなり、また、1200重量%を越えると、洗浄効果
は変わらないが、洗浄シートより洗浄液がしみ出し、不
経済で取り扱いにくいものとなり、好ましくない。ま
た、本発明の洗浄シートは、その形状、重量などはコン
タクトレンズの種類、形状、大きさ等により異なり、特
に限定されるものではないが、洗浄シートの形状等とし
ては、長方形、正方形、三角形などの方形状、円形状等
が挙げられ、また、シートは混紡及び/又は多層構造の
不織布であることが好ましい。更に、厚みは、0.4〜
5.0mm程度であることが好ましく、また、重量とし
ては、30〜300g/m2、好ましくは、80〜25
0g/m2であることが望ましい。また、本発明の洗浄
シートの空隙率は、70%〜97%までを有する繊維ウ
ェブが更に好ましい。更に、本発明の洗浄シートの保管
等にあたっては、洗浄液の蒸発等を防止する面等から単
品又は集団的に密閉性を有する包装材に包装することが
好ましい。
【0031】本発明の洗浄シートで洗浄できるコンタク
トレンズは、特に限定されるものではなく、一般に使用
されているハード用コンタクトレンズ(酸素透過性タイ
プ及び非酸素透過性タイプ)及びソフト用コンタクトレ
ンズ(非含水タイプ、低含水タイプ、高含水タイプ)で
あれば、その種類は問わない。ハード用コンタクトレン
ズの非酸素透過性タイプでは、例えば、PMMA(ポリ
メチルメタクリレート)、酸素透過性タイプでは、CA
B(セルロースアセテートブチレート)、シリコン/ア
クリレート共重合体、フルオロシリコン/アクリレート
樹脂、スチレン樹脂、含フッ素重合体、フマル酸系共重
合体からなるものが挙げられる。また、ソフト用コンタ
クトレンズ(非含水タイプ、含水タイプ)では、例え
ば、含水タイプでは、水を吸収するヒドロゲルタイプの
ソフトコンタクトレンズ、HEMA(2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート)系共重合体、アクリルアミド系共
重合体、NVP(N−ビニル−2−ピロリドン)系共重
合体からなるものが挙げられ、また、ビニルピロリド
ン、グリセリンメタクリレートモノマーを必須モノマー
成分とするソフトコンタクトレンズが挙げられる。非含
水タイプでは、ポリジメチルシロキサン、ブチルアクリ
レート/ブチルメタクリレート共重合体からなるものが
挙げられる。
【0032】このように構成される本発明の洗浄シート
は、前記各種の繊維を加工処理してシート体とし、該シ
ート体に上記〜の界面活性剤等を配合した洗浄液を
含浸処理等を施すことにより得られるものであり、これ
により、洗浄シート上でコンタクトレンズを軽くこする
ことにより、タンパク質やその他の汚れが簡単に除去で
きると共に、コンタクトレンズの変色及び変形を防止す
ることができ、並びに、長期保存でも洗浄シートに含ま
れる洗浄液のpH変化が少なく、かつ、洗浄力の低下も
ないものとなる。本発明の洗浄シートによるコンタクト
レンズの洗浄方法を詳述すれば、洗浄液を含有せしめな
る洗浄シート上でコンタクトレンズを接触させて十分に
こすり、コンタクトレンズ表面上のタンパク質汚れ及び
その他の汚れを除去し、次いで、すすぎ水により、コン
タクトレンズの汚れをすすぐことにより、コンタクトレ
ンズを洗浄するものである。上記すすぎ水は、コンタク
トレンズを清浄するものであり、主に水道水又は精製水
を用いることができる。好ましくは、この中に、特に、
コンタクトレンズの保存・維持のため、塩化ナトリウ
ム、塩化カリウム等の塩類を溶解させたものが望まし
い。
【0033】
【実施例】次に、実施例及び比較例により、本発明(第
1発明〜第3発明)を更に詳細に説明するが、本発明は
これらの実施例に限定されるものではない。
【0034】〔(第1発明)実施例1〜4及び比較例1
〜3〕洗浄シートは、ポリエステル繊維からなる不織布
全体(5cm×6cm×0.28cm、重量0.67
g)に、表1及び表2に示すリン酸緩衝液でpH調整さ
れた洗浄液(pH=7)と未調整の1%溶液の界面活性
剤(ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、E
O付加物40モルと20モル)4gをそれぞれ繊維に含
浸させて調製した。次いで、袋形態の密封系条件〔アル
ミニウムの積層ピロパック(アルミニウムと熱接着性フ
ィルムからなる袋状形態を熱シールして洗浄シートを密
封した〕で洗浄シート(45℃で30日間)を保存した
後、下記評価法により洗浄力テストを行った。表2で
は、増粘条件下、上記と同様に保存した後、下記評価法
により洗浄力テスト及び下記評価法により安全性テスト
を行った。これらの結果を下記表1及び表2に示す。
【0035】(洗浄力テスト)洗浄力の評価法は、洗浄
シート上で、下記方法により作製した汚れた人工モデル
混合汚れのコンタクトレンズを左右及び前後に指でこす
る操作を行い、汚れが取れるまでのこすり回数を比較し
た。こすった後、すすぎ水によりコンタクトレンズをす
すいで、清浄し、レンズの透明性評価を行った。 (安全性テスト)安全性の評価法は、コンタクトレンズ
表面における洗浄液の付着性(あるいは脱液性)を評価
するため(上記洗浄力テストにおける)洗浄後のコンタ
クトレンズを精製水(10cc)の入ったバイヤル瓶に
入れて、その液pHを測定した。その液pHにより、コ
ンタクトレンズにおける洗浄液の付着性を参考にして目
の安全性を予測した。
【0036】(人工モデル混合汚れコンタクトレンズの
作製)人工モデル混合汚れのコンタクトレンズを作製す
るため、下記組成となる人工涙液(8ml)をバイヤル
瓶の中に入れた後、市販品の含水率40%のソフトコン
タクトレンズ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)
直径約13mmを入れて、12日間浸漬して作製した。 人工涙液(人工モデル混合汚れ液、100ml) 塩化ナトリウム 0.90g 塩化カルシウム 0.01g リン酸ナトリウム 0.14g グルタミン酸 0.01g リゾチーム(鶏卵白) 0.25g 牛血清アルブミン 0.50g γ−グロブリン(牛) 0.20g ムチン 0.05g 精製水 バランス
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】(表1及び表2の考察)上記表1の結果か
ら明らかなように、本発明範囲となる実施例1及び2
は、本発明の範囲外となる比較例1に較べ、45℃、3
0日間の保存後においても優れた洗浄力を有することが
判明した。また、表2の結果から明らかなように、本発
明範囲となる実施例3及び4は、本発明の範囲外となる
比較例2及び3に較べ、増粘条件下及び45℃、30日
間の保存後においても優れた洗浄力及び安全性を有する
ことが判明した。
【0040】〔(第2発明)実施例5〜6及び比較例4
〜5〕洗浄シートに含浸させる洗浄液は、下記表3及び
表4に示す成分を使用し、予め金属イオン(カルシウ
ム、鉄イオン)を含む水を用いて、界面活性剤溶液(1
%溶液のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル)(EO付加物20モル、40モル)、金属捕捉剤を
配合して調整を行った。その後、上記洗浄液をポリエス
テル繊維からなる不織布全体(5cm×6cm×0.3
0cm、重量0.65g)にそれぞれ4。0g含浸させ
て、下記評価法により実施例5及び比較例4においては
洗浄シートの変色性評価(下記表3)、実施例6及び比
較例5においてはコンタクトレンズの金属イオンの付着
性評価を行うと共に、これら実施例5〜6及び比較例4
〜5の洗浄シートについて、上記実施例1と同様に洗浄
力テストを行った。これらの結果を下記表3及び表4に
示す。
【0041】(洗浄シートの変色性の評価法)肉眼によ
り、洗浄シートの変色性について評価した。 (コンタクトレンズの金属イオンの付着性の評価法)洗
浄液に10日間、浸漬してソフトコンタクトレンズ(含
水率38%)への付着性(金属イオン)を評価した下記
表4に示す評価基準により評価した。
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】(表1及び表2の考察)上記表3の結果か
ら明らかなように、本発明範囲となる実施例5は、本発
明の範囲外となる比較例4に較べ、洗浄力に優れ、洗浄
シートの変色がないことが判明した。また、表4の結果
から明らかなように、本発明範囲となる実施例6は、本
発明の範囲外となる比較例5に較べ、洗浄力に優れ、金
属イオンの付着性もないことが判明した。
【0045】〔(第3発明)実施例7〜8及び比較例
6〕使用した洗浄シートは、ポリプロピレン繊維からな
る不織布(5cm×6cm×0.25cm、重量0.7
0g)に下記表5に示す無機塩(塩化カリウム、塩化ナ
トリウム)と界面活性剤溶液(1%溶液のポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸エステル、EO付加物20モ
ル)からなる洗浄液を夫々4.0g含浸させて調製し
た。次いで、洗浄シート上で、コンタクトレンズを左右
及び前後に指で10回ずつこすった後、すすぎ水により
コンタクトレンズをすすいで、清浄し、下記評価法によ
りレンズの柔らかさを評価した。この操作は、1日あた
り3回を2ケ月繰り返してコンタクトレンズの柔らかさ
を評価した。比較例6(ブランク)は、無機塩を含有し
ない界面活性剤溶液を含浸した洗浄シート上で、コンタ
クトレンズを左右及び前後に指で10回ずつこすり、そ
の後、単に水道水で、コンタクトレンズをすすいで、清
浄し、レンズの柔らかさを評価した。同様にこの操作を
1日あたり3回を2ケ月繰り返して評価した。また、こ
れら実施例7〜8及び比較例6の洗浄シートについて、
洗浄シート調製後に洗浄力テストを行った。これらの結
果を下記表5に示す。
【0046】
【表5】
【0047】(表5の考察)上記表5の結果から明らか
なように、本発明範囲となる実施例7及び8は、本発明
の範囲外となる比較例6に較べ、洗浄力に優れ、コンタ
クトレンズの変形もないことが判明した。
【0048】
【発明の効果】請求項1の発明(第1発明)によれば、
洗浄シート上でコンタクトレンズを軽くこするだけで、
コンタクトレンズ表面上に沈着乃至付着したタンパク質
汚れを吸着除去し、更にその他の汚れも同時に除去する
ことができると共に、長期保存でも洗浄シートに含まれ
る洗浄液のpH変化が少なく、かつ、洗浄力の低下もな
く、安全性に優れたコンタクトレンズ用洗浄シートが提
供される。請求項2又は3の発明(第2発明又は第3発
明)によれば、洗浄シート上でコンタクトレンズを軽く
こするだけで、コンタクトレンズ表面上に沈着乃至付着
したタンパク質汚れを吸着除去し、更にその他の汚れも
同時に除去することができると共に、コンタクトレンズ
の変色及び変形を防止することができるコンタクトレン
ズ用洗浄シートが提供される。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非イオン界面活性剤を主活性剤とし、か
    つ水溶液中(25℃)における酸解離定数pKa値が2
    〜13を示す緩衝剤を配合した洗浄液を含有した繊維か
    らなることを特徴とするコンタクトレンズ用洗浄シー
    ト。
  2. 【請求項2】 非イオン界面活性剤を主活性剤とし、か
    つ有機イオンと金属錯体を形成する剤の安定度定数(K
    stab)が、2〜30までを示す剤を配合した洗浄液を含
    有した繊維からなることを特徴とするコンタクトレンズ
    用洗浄シート。
  3. 【請求項3】 非イオン界面活性剤を主活性剤とし、か
    つ無機塩を配合した洗浄液を含有した繊維からなること
    を特徴とするコンタクトレンズ用洗浄シート。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004302074A (ja) * 2003-03-31 2004-10-28 Toray Ind Inc コンタクトレンズの製造方法
WO2008152705A1 (ja) * 2007-06-13 2008-12-18 Menicon Co., Ltd. コンタクトレンズ用洗浄シート
JPWO2020066516A1 (ja) * 2018-09-28 2021-08-30 富士フイルム株式会社 前処理液、インクセット及び画像記録方法

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