JP2000018486A - 断熱箱体及びその製造方法 - Google Patents

断熱箱体及びその製造方法

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JP2000018486A
JP2000018486A JP10182667A JP18266798A JP2000018486A JP 2000018486 A JP2000018486 A JP 2000018486A JP 10182667 A JP10182667 A JP 10182667A JP 18266798 A JP18266798 A JP 18266798A JP 2000018486 A JP2000018486 A JP 2000018486A
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heat insulating
vacuum
temperature
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JP10182667A
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Yoshio Nishimoto
芳夫 西本
Masanori Tsujihara
雅法 辻原
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空断熱パネルを保持する充填用発泡樹脂に
よる発泡圧と反応熱による断熱箱体の収縮変形を防止す
る。 【解決手段】 樹脂組成物を芯材として用いた真空断熱
パネルと、それを保持する充填用発泡樹脂から成る断熱
箱体において、発泡樹脂を、その発泡成型時の真空断熱
パネル表面における最高温度が芯材の熱変形温度以下に
なる室温以下の沸点を有する発泡剤を含んだものとす
る。また、芯材を、連通気泡を有するポリスチレン発泡
体で構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、発泡樹脂を充填
して真空断熱パネルを保持してなる冷蔵庫等に使用され
る断熱箱体に係り、さらに詳しくは、真空断熱パネルの
断熱性能の向上を図りつつ断熱箱体の外観の変形防止を
行うことに関するするものである。
【0002】
【従来の技術】図10は、例えば特開平7−10364
0号公報に示された冷凍冷蔵庫の断熱箱体の断面構造図
である。断熱箱体1は外装材である外箱2と内装材であ
る内箱3とを備える。外箱2には真空断熱パネル5を両
面テープ等を用いて固定配設し、この外箱2と内箱3お
よび真空断熱パネル5の間隙には、断熱材として独立気
泡を有する発泡ウレタン4等の発泡樹脂が充填されてい
る。また、真空断熱パネル5の芯材には、連通気泡の発
泡ウレタンの板状成形品が使用されている。
【0003】真空断熱パネル5の芯材に用いている連通
気泡の発泡ウレタン成形品は、ベルトコンベアー上に2
液に分けた反応性の原料を混合して散布することによっ
て連続して発泡させたブロック状の成型品を得た後、こ
れの独立した気泡が残存しやすい上下部分を削除して独
立気泡の無い部分のみを採取し、これを所定の大きさに
切断することによって得たものである。従って、連続し
て大量に製造することが可能であることから量産性に優
れるとともに、発泡に伴う流動も最小限に抑制している
ことから品質安定性に優れるという特長を有している。
【0004】真空断熱パネル5は、三方向が予め熱シー
ルされた包装材内に、前記の連通気泡を有する発泡ウレ
タンなどで構成された芯材を挿入した後、1×10-1
1×10-3torr程度の真空雰囲気を確保する「真空
引き」を行った後、挿入口である残った一方向を熱シー
ルによって接着することによって得られる。
【0005】包装材は、端辺のシールに供する内面層に
は熱溶着の可能な熱可塑性樹脂、最外層には傷つき等に
耐性のあるナイロンやポリエステルなどの樹脂、その間
にある中間層には外気の侵入を完全に遮断するためのア
ルミなどの金属箔を用いて成り、一般には、発泡剤や大
気中のガスを透過し難い多層シートである。この包装材
は、内面層に接着が可能な部材を用いているので、その
面を重ね合わせ、その三方の端辺を線状に熱融着させて
シールを行うことによって袋状に成形されて成るもので
ある。
【0006】芯材の挿入には、作業性と過剰なシワの発
生を抑止するための適度な裕度を包装材に設けているこ
とが必要であり、それは芯材の挿入とその次の「真空引
き」工程を効率的に行う上で有効となる。「真空引き」
工程では、真空包装機に芯材を挿入した包装材を固定し
て真空雰囲気を形成し、芯材の気孔内に残存する空気等
のガスを排気する。真空度は1torr以下、好ましく
は5×10-2torrを確保する。また、気孔内にある
ガスの排気のために包装材と芯材の間に隙間を設けて、
挿入口端部のみならず芯材の表面からも排気を行い、真
空度への到達を容易にしている。
【0007】さらに、芯材の挿入口をシールした後、内
面層に用いている熱可塑性樹脂の融点以下にまで冷却
後、真空包装機内部の真空を解除して常圧に戻せば、真
空断熱パネルが得られる。このときに用いる包装材は、
例えば金属箔の両面にプラスチックスフィルムを貼り合
わせたラミネートシートを用い、表面にある熱融着フィ
ルムを重ね合わせてその端辺を熱融着すると、真空断熱
パネルが完成する。
【0008】次に、真空断熱パネルを用いて図10で示
したような断熱箱体1を作り、さらにその断熱箱体1に
より冷蔵庫を作る工程を、図11の工程図に基づいて説
明する。まず、背面パネルを含む外箱2の任意の場所に
真空断熱パネル5を配設して貼付ける(S−11)。次
に、これに内箱3を挿入し(S−12)、外殻の構成に
関連する各種部材を装着し断熱箱体の外殻を組立てる
(S−13)。組立てられた断熱箱体1の外殻は、背面
を上にして、発泡ウレタン4による断熱層を形成する際
に受ける圧力によって変形するのを防止する目的でジグ
に挿入して固定する。その後、二液に分けて安定な状態
が確保された原料を高圧発泡機などを用いて混合するこ
とによって得た発泡ウレタン4の原料液を、背面に設け
た注入口から断熱箱体の両側壁に注入した後、高圧発泡
機の混合機を注入口から取り除けば、注入口封止弁が注
入口である開口部を塞ぐ。原料液は、やがて発泡を開始
して注入直下の両側壁を起点として放射状に広がりなが
ら天井面、底面、さらに背面を充填して、外殻内の残っ
た空隙を全て埋めることとなる。
【0009】発泡ウレタン4は充填の際、原料の反応熱
による発泡剤の気化や副生成物として生成されたガスに
よる発泡に伴って膨張する泡の状態で隅々まで流動す
る。このとき、元来、外殻の空隙内にあった空気と発泡
に寄与しなかったガス状の発泡剤も背面部分に集中する
ので、これを外部に排出するための空気抜き孔を用意す
ることが重要となる。原料液の注入から4〜8分後に
は、樹脂が硬化して断熱層が形成され断熱箱体1の形成
が完了するので、そこで治具を開いて断熱箱体1を取り
出す(S−14)。
【0010】このようにして得られた断熱箱体1に、内
装部品と冷媒回路部品を取り付けて製品組立を行い(S
−15)、製品検査を経て(S−16)、冷蔵庫が完成
する(S−17)。
【0011】上記の工程で注入した発泡ウレタン4の原
料液は、原料の反応熱によって発泡剤の沸点以上に達し
て発泡剤を気化させるとともに、副生成物として炭酸ガ
ス(CO2 )などのガスを取り込むことによって発泡し
て側面を立ち上がる。側面から立ち上がった発泡ウレタ
ンの泡は、直角に屈折して背面部と天面および底面を充
填するように拡散し、さらに天面および底面に移動した
泡も直角に屈折して背面部に拡散する。このとき、発泡
剤から気化熱を奪いながら発泡を継続するので、発泡ウ
レタンは、その中心部にあっても沸点よりも5〜20℃
程度の発熱温度、つまり、温度上昇しか来たさない。さ
らに、このときの充填途中における樹脂の重合に伴う粘
度上昇もわずかであることから、泡の流動時、つまり充
填するまでの治具内の発泡圧も数十g/cm2 と僅かで
ある。しかし、最終的に背面部分の空隙が充填された時
点で発泡が停止されるので発泡剤も気化しなくなる反
面、残りの樹脂化に寄与しなかった原料の反応も進行し
続け、従って、反応熱はそのまま蓄積されることとな
る。この様に、従来の断熱箱体には、真空断熱パネルの
保持に用いる断熱材である発泡ウレタンの発泡剤として
沸点が室温以上の物質、例えば特開平7−103640
号公報などでは沸点が40℃以上の発泡剤であるシクロ
ペンタン(沸点49℃)が用いられているので、約50
mmの厚さを有する冷蔵庫断熱壁の中心部分における最
高温度は120〜140℃にも達し、それに伴う発泡ウ
レタン内にある気体の膨張圧力が1kg/cm2 近くに
も達する。
【0012】従って、真空断熱パネル5の芯材は、大気
圧を付加された状況にあることに加え、発泡ウレタンの
発泡時にかかる発泡圧によって更なる圧力が加わり、さ
らに充填用発泡ウレタン4の発泡時に発生する熱によっ
て表面が高温にさらされるなどの過酷な条件を考慮した
材料特性を必要とする。このため、真空断熱パネル5の
芯材には、密度を高くして、少なくとも大気圧を越えて
クリープ変形を来たすことのない圧縮強さを有する発泡
ウレタンが用いられている。
【0013】一方、真空断熱パネル5内にある芯材が有
する伝熱の構成要素としては、多孔体が保有するガスと
構成物質( 固体) を伝わる伝導熱、および輻射により伝
わる輻射熱から構成される伝熱の構成要素のうち、気孔
内にあるガスを伝わる伝熱要素が排除される。より優れ
た断熱性能を有する真空断熱パネルを得るには、気孔
(又は気泡)であるセルの大きさを極めて小さなものに
することが有効であるにもかかわらず、多孔体物質であ
る発泡樹脂の使用は、発泡剤によって樹脂を膨張させて
気孔を形成するのでセルを小さくすることには限界があ
り、より優れた断熱性能を得ることが困難であった。
【0014】このような課題を解決するために、特開平
6−213561号公報ではセル径0. 1〜1. 0mm
で厚みを0. 04mm以下に、特開平7−119888
号公報では1mm以下の気泡径を1/ 10以下に圧縮し
た発泡ウレタンを芯材に用いることを提案している。こ
れらの方法によれば、球状のセルを扁平状にすることに
よって熱の貫通方向の見かけのセル径が小さくなり、輻
射による熱の伝達を遮蔽する効果を増すことが出来るの
で、これを用いた真空断熱パネルは断熱性能の向上が達
成される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従来の断熱箱体は、上
述したように構成されていたので、真空断熱パネルを断
熱箱体の外殻内部に配設し独立気泡を有する発泡ウレタ
ンを充填する断熱箱体の製造時、発泡ウレタンの発泡時
の発熱による真空断熱パネルの表面温度が、真空断熱パ
ネルに用いられている芯材の熱変形温度以上になるとと
もに、発泡ウレタン内にある気体の膨脹による発泡圧が
付加されることによって収縮を来たし易くなり、これに
よって断熱箱体の外観の変形を招くという問題があっ
た。
【0016】しかも、断熱箱体の断熱性能を向上させる
ために真空断熱パネルの厚さを増したり、箱体の内容積
を大きくするために壁の厚さを薄くするなどにより、発
泡ウレタンの充填する厚さが薄くなった場合、発泡ウレ
タンを空隙に完全に充填させるために過剰に充填して流
動性の向上に寄与する発泡圧を高くする必要があり、発
泡時にかかる圧力と反応熱に基づく表面温度により芯材
の変形をより一層来たし易くなり、特に、気泡を扁平化
させて断熱性能を向上させた芯材を用いた場合には、冷
蔵庫等の断熱箱体に配設した部分の収縮が一層顕著にな
って、外観意匠の悪化を増幅させるという問題もあっ
た。
【0017】また、従来の真空断熱パネルは、例えば、
輻射伝熱を抑制するために芯材である連通気泡を有する
発泡ウレタンのセルを扁平化する場合に、プレス機など
を用いて連続気泡を有する発泡ウレタンの硬化直前また
は硬化後に、所定の圧縮率になるように圧縮して変形さ
せる方法がとられていた。しかし、この方法によれば、
十分な輻射伝熱の抑制効果を得るためには0. 04mm
以下のセル径を得るか、1mm以下のセルを1/10以
下に圧縮することが必要とされており、何れの場合にお
いてもセルを構成する樹脂構造体が座屈変形を来たすこ
とに伴って、歪みの残存に止まらずに欠陥部を多く生成
する。このことから、芯材である連通気泡を有する発泡
ウレタンの圧縮強度等の圧縮機械特性は大幅な低下を来
たし、従って、このような芯材を用いた真空断熱パネル
は経時的に変形を来たし易くなり、冷蔵庫等の断熱箱体
に適用した場合には壁面に凹みを発生して外観意匠に支
障を来たす。これを防止するため、従来は、芯材に高密
度の連通気泡を有する発泡ウレタンを用いることを余儀
なくされていた。
【0018】さらに、PCT公開公報WO96/340
39においてセルの大きさを大幅に減じた連続気泡を有
する発泡ポリスチレンの提案があり、これを応用するこ
とにより前記輻射伝熱の削減効果が期待できるうえ、製
造に係る容易性においても有効であることが予測されて
いる。しかし、この連続気泡を有する発泡ポリスチレン
によれば、押し出し成形によって得られたボード状の成
型品の気泡径を小さくすることができるので、輻射伝熱
を削減して断熱性能の向上が達成できることになる反
面、耐熱性や圧縮強度などの圧縮機械特性が低下して芯
材が変形を来たし易くなる。このことは、発泡ポリスチ
レンの気泡形状が輻射断熱効果を向上させるために微細
であることに伴ってセルの骨格構造が細くなるうえに、
伝熱係数の高い樹脂成分を可能な限り少なくするなどの
施策を施していることから、応力の付加によって変形を
来しやすいという問題を有し、高温雰囲気下においてこ
の傾向が顕著であることを示唆している。
【0019】この発明は、これらの問題点を解消するた
めになされたものであり、発泡ポリスチレン等の樹脂組
成物を芯材に用いた真空断熱パネルを壁内部に配設した
断熱箱体において、優れた断熱性能を確保するためにセ
ルを扁平化させる等した場合でも耐圧強度の低下が抑制
できる真空断熱パネルを得るとともに、発泡時における
発泡圧と反応熱の付加による収縮変形を軽減することに
よって、外観の変形を抑制できる断熱箱体、およびその
製造方法を得ることを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】この発明の断熱箱体は、
樹脂組成物を芯材として用いた真空断熱パネルと、それ
を保持する発泡樹脂から成る断熱箱体において、前記発
泡樹脂が、室温以下の沸点を有する発泡剤を含んだもの
である。
【0021】また、前記発泡剤が、発泡成型時の真空断
熱パネル表面における最高温度が前記芯材の熱変形温度
以下になるように調整したものである。
【0022】また、前記芯材を、連通気泡を有するポリ
スチレン発泡体で構成したものである。
【0023】さらに、前記ポリスチレン発泡体が、連通
した扁平形状の気泡を備えたものである。
【0024】この発明の断熱箱体の製造方法は、樹脂組
成物を芯材として用いた真空断熱パネルを備えた箱体に
発泡樹脂を充填する断熱箱体の製造方法において、前記
真空断熱パネルの表面における最高温度が芯材の熱変形
温度以下になるように発泡剤の沸点および樹脂の反応速
度を調整した発泡樹脂を充填するようにしたものであ
る。
【0025】また、前記発泡樹脂の充填を、泡状の発泡
樹脂を注入して行うようにしたものである。
【0026】また、前記発泡剤に、室温以下の沸点を有
するハイドロフルオロカーボン類および炭酸ガスを含め
るようにしたものである。
【0027】さらに、前記樹脂組成物にポリスチレン発
泡体を使用し、該ポリスチレン発泡体を圧縮応力の負荷
によって扁平状にした後にアニーリングするようにした
ものである。
【0028】
【発明の実施の形態】実施の形態1.この発明の実施の
形態1である断熱箱体の断面形状は、図10にて示した
真空断熱パネルを備えた断熱箱体と基本的に同様である
が、真空断熱パネルを保持する充填用発泡樹脂が室温以
下の沸点を有する発泡剤を含んで成る点で従来のものと
相違している。この断熱箱体の製造方法を以下に示す。
【0029】(1)真空断熱パネルの作成 (a)芯材の作成 真空断熱パネルの芯材には連通気泡を有する発泡樹脂を
用いるものとし、従来から用いられている発泡ウレタン
のほか、気泡径の小さい発泡ポリスチレンを用いた。連
通気泡を有する発泡ポリスチレンの製造方法について
は、PCT公開公報WO96/07942(特表平8−
503720)およびPCT公開公報WO96/168
76(特表平8−505895)に記載のように、平均
分子量が2×105 のポリスチレンに、主発泡剤である
炭酸ガスと、ハイドロフルオロカーボン類である例えば
HFC−134a(1,1,1,2-tetrafluoroetane)やHFC
−152a(1,1-difluoroetane) 等の補助発泡剤を好適
に用いて、押出し混合、発泡、フォームの急冷、によっ
て連通気泡の含有率が100%に近く、しかも気泡径の
小さな発泡ポリスチレンを得ることが可能である。
【0030】このようにして得られた発泡ポリスチレン
の押出し成型品は、内部が融点以下で熱変形温度以上の
温度を十分に保持しているので、圧縮応力を付加するこ
とによって気泡を容易に扁平化することができる。気泡
の扁平化に伴って樹脂内に発生した応力を除去するため
に、この圧縮された状態を維持しながら熱変形温度以上
を維持してアニールした後、成型品を熱変形温度以下、
好ましくはガラス転移温度以下に冷却する。こうして得
られたブロック状の成型品から外周を裁断し、所望の大
きさを有する板状の芯材を得た。
【0031】また、連通気泡を有する発泡ウレタンを使
用する場合について、図1の工程図により説明する。ま
ず、ポリオール液、触媒、連通化剤、発泡剤等から調製
したプレミックス液と、イソシアネート液とを混合する
ことによって発泡した成型品(S−21)から表面層を
削除した(S−22)後に、外周を切断して板状の芯材
を得る(S−23)。
【0032】上記芯材の作製に使用される発泡ウレタン
の原料液には、ポリオールを中心に、触媒、整泡剤、破
泡剤、発泡剤などが混合されているプレミックス液とイ
ソシアネートが主成分であるイソシアネート液の2液が
あり、各々の規定量を混合することによって発泡が開始
するので、これらの原料をインペラー式のミキサーを用
いて混合し、数秒後に開始される発泡に間に合うように
上面を解放した金型内に投入する。このときの金型内の
形状は薄板状、具体的には一辺が350cmで深さが4
0mmのアルミ製であり、温度は30℃〜60℃が好ま
しく、40℃〜50℃が特に好ましい。原料の混合液を
投入して完全硬化するまで静置する。5分以上放置する
と硬化が完了しボード状の成型品が得られる。
【0033】また、上記の表面層の削除は、得られた発
泡成型品の表面にはスキン層と称する薄い樹脂膜や連通
せずに独立したままの気泡が多く残存しているのを排除
することを目的とし、削除の厚さは5mm以上が好まし
く、10mm以上が特に好ましい。
【0034】(b)包装材の成形 次に、真空断熱パネルの内部の真空度を維持する役割を
担う包装材について説明する。ポリエチレンテレフタレ
ート等のフィルムに、場合によってはアルミ蒸着等を施
した基材とラミネートシートの表面を保護するために例
えばナイロン等の耐傷性に優れたフィルムを接着剤等を
用いて貼り付けたものを表面層とし、その反対面にガス
バリヤー層(中間層)となるアルミ箔を配設した多層シ
ートを作製しておく。さらに、ガスバリヤー層であるア
ルミ箔上には、内面層となる熱融着が可能な熱可塑性樹
脂として高密度ポリエチレンのフィルムを貼合わせる。
このようにして得られた各種フィルムをラミネートした
多層シートは、内面層を向かい合わせて挟み込んだ後、
三方の端辺を線状に加熱しながら加圧することによって
シールし袋状に成形する。
【0035】(c)真空断熱パネルの作製 真空断熱パネルの作製の説明は図1と図2を参照しなが
ら行う。真空断熱パネル5は、(a)で作成した芯材6
を(b)で作成した包装材7に挿入(S−24)した
後、図2で示す真空包装機8内に固定し、芯材6の気泡
内に残存する空気などのガスを排気して真空雰囲気を形
成する(S−25a)。真空度は1torr以下、好ま
しくは10-2torrを確保する。気泡内にあるガスの
排気には包装材7と芯材6の間に隙間を設けてあるの
で、挿入口端部のみならず芯材6の表面からも排気が出
来、前記真空度への到達が容易に行われる。そして、芯
材6の挿入口9を加圧シリンダ10によって密閉加圧し
た後、ヒータ11により挿入口9の密閉部分を加熱して
シールする(S−25b)。最後に、ヒータ11を切っ
て冷却した後、真空包装機の内部の真空を解除して常圧
に戻せば、完成した真空断熱パネルを取り出せる(S−
26)。なお、芯材は、厚さが20mm、面が200×
200mmのものを用いた。また、芯材である連通した
気泡を有する発泡ウレタンまたは発泡ポリスチレンと、
包装材である各種フィルムをラミネートした多層シート
は100℃以上の温度で乾燥した後に使用した。
【0036】芯材6である連通した気泡を有する発泡ウ
レタンは約100μmであるのに対し、発泡ポリスチレ
ンのそれは約70μmと気泡径を小さくしたことによっ
て、図3の概念図に示す気泡を構成する要素のうち、最
も圧縮強度を醸し出すうえで影響の大きな気泡12の柱
に相当する部分13が細くなるため、変形を来しやすく
なる。その変形を避けるためは、密度を高くすることに
よって柱に相当する部分13を太くして所望の圧縮強度
にする方が、樹脂の組成を剛直なものに変性するよりも
効果的であることから、ここでは密度を高くして対処し
た。すなわち、発泡ウレタンとしては70kg/m3
ものを、発泡ポリスチレンとしては85kg/m3 のも
のを、各々用いた。
【0037】(2)充填用発泡ウレタンの調整 断熱箱体の内壁に真空断熱パネルを固定するために、独
立気泡を有する発泡ウレタンを用いる。しかし、それで
箱体内を充填する際および充填した直後に発生する原料
の反応熱による樹脂温度の上昇と、泡状態の樹脂の流動
および充填完了後の急な樹脂温度の上昇に起因する発泡
圧の上昇によって、真空断熱パネルの芯材に収縮を伴う
大きな変形を発生させる。
【0038】このため、ここでは、芯材が急激に熱変形
を来し易くなる温度である耐熱温度を検出し、その温度
を大きく越えないように発泡ウレタンの発熱温度を抑制
して、芯材の変形防止を達成した。発泡ウレタンの発熱
温度は、発泡剤の沸点および反応速度に依存するので、
沸点の低い適当な発泡剤および反応の活性を抑制できる
触媒を選定すれば、発泡ウレタンの原料を混合した後の
反応による発熱を用いた発泡剤の気化に要する樹脂の発
熱を低く抑制できる。これによって、泡化して膨張を伴
う流動時の温度、および樹脂の発熱を抑制する働きを有
していた発泡剤の気化が停止して過剰な温度上昇を来す
完全充填後の温度上昇の何れもを低く抑制できることに
なる。
【0039】発泡ウレタンの充填時および充填完了後の
発熱を抑制できる発泡剤としては室温以下の沸点を有す
るものがよく、例えば、沸点が15℃の1, 1, 1,
3, 3- ペンタフルオロプロパン(HFC245f
a)、沸点が6℃の1, 1, 1, 2, 3, 3- ヘキサフ
ルオロプロパン(HFC236ea)、沸点が−27℃
の1, 3, 3, 3- テトラフルオロエタン(HFC13
4a)等がある。
【0040】また、発泡や硬化の速度を調整する触媒に
ついても、公知のアミン系触媒、金属系触媒を単独ある
いは混合して使用してよい。具体的には、アミン系触媒
としては第3級アミンであるトリメチルアミン、トリエ
チレンジアミン、N−エチルモルフォリン、トリメチル
アミノエチルピペラジン、N,N’−ジメチルアミノエ
チルエーテル、ペンタメチルジエチレントリアミン、テ
トラメチルヘキサメチレンジアミン等である。また、金
属系触媒としては有機金属塩であるジブチル錫ジラウレ
ート、ラウリン酸錫ジクロリド、オクタン酸鉛、ナフテ
ン酸コバルト、ナフテン酸ニッケル等がある。
【0041】ここで、充填用発泡ウレタンの反応熱によ
ってもたらされる温度を、真空断熱パネルに芯材として
使用される発泡ポリスチレン又は発泡ウレタン等の耐熱
温度以下とすることが必要であり、そのためには、発泡
剤と触媒の最適な選択を行うことが肝要である。
【0042】従って、低沸点の発泡剤を用いることによ
って発泡剤の気化を促進するための反応熱を抑制するよ
う、また、触媒の種類および量を調整して反応活性を低
下させ発泡完了以降に過度の高活性な反応物が残余する
ことのないように量比を調整した。
【0043】具体的には、図4に示す如く、発泡ウレタ
ンの原料で樹脂原料であるポリオール、泡の形状を整え
る整泡剤、およびイソシアネートと反応して炭酸ガスを
生成する発泡補助剤である水を予め混合しておき(S−
31)、これに触媒を添加し(S−32)、次いで発泡
剤を添加し(S−33)プレミックスして作製したR液
と、イソシアネート液であるP液とを高圧発泡機を用い
て両液の衝突によって混合させる(ステップS−3
4)。さらに、この原料混合液を縦、横、高さの何れも
が20cmの内寸である箱内に、発泡完了後の高さが2
0〜25cmになるように投入した(S−35)。
【0044】この箱形に成形する過程で、発泡体の中心
部における発熱温度を測定した。すなわち、底面中央部
における50mmの高さ方向の位置に熱電対を設置し、
この位置での原料混合液の発泡開始から箱形の成型品に
おける内部温度が低下して樹脂の硬化が完了するまでの
温度変化を測定した(S−36)。ここで得られた温度
が、後に述べる真空断熱パネルの芯材に用いる連続した
気孔を有する樹脂発泡体の耐熱温度以下になるまで、触
媒の種類や量を変えて反応の活性を調整したり、異なる
発泡剤を混合する等して沸点を低下させる等を繰り返し
た。ただし、冷蔵庫等への適用においては、一定水準以
上の生産性を確保するための反応速度と、寸法の変化を
来して意匠性を損なわないようにするための密度につい
て制限を設けた。
【0045】このうち、反応速度の制限に対しては触媒
の種類や量による調整を重視し、その調整の範疇で発熱
温度が高い場合には発泡剤の沸点を低下させるために、
さらに低沸点の発泡剤と混合する手段を用いた。
【0046】以下に、反応速度と密度の測定方法と制限
の内容について示す。 反応速度;発泡途中の泡を棒でつついて、樹脂が急激
に粘度を増して糸を引くような状態になった段階の時間
であるゲルタイム(GTと略す)、平滑な金属面を当て
てそれがくっつかなくなる時間であるタックフリータイ
ム(TFTと略す)として示した。GTとTFTを遅く
することが発熱温度の抑制に効果はあるが、樹脂の硬化
速度が遅くなるので、原料混合液の投入から脱型までの
時間を遅延させることになる。両特性を両立させるうえ
で、GTとTFTは、各々、30〜50秒、60〜90
秒の範囲に収めることが好ましい。 密度;成型品の中心部分から各辺が100mmを採取
した正立方体について、ノギスによる外寸から求めた見
掛けの体積と重量から求めた見掛けの密度として求め
た。密度を低くすることは発熱温度の抑制に効果がある
ものの、独立気泡の内部が減圧状態であるから、大気圧
に押されて収縮する可能性を有する。このため、一定以
上の密度を有することによって耐圧(圧縮)強度を確保
している。現在、一般的に用いられている発泡剤であ
る、沸点が49℃のシクロペンタンを用いた場合には2
6kg/ m3 以上の密度を有することが必要とされる。
本実施の形態にて適正な比較を行う際には、何れの発泡
剤を用いた場合においても、この密度を確保した。
【0047】ここで、本実施例にて用いるその他の発泡
ウレタンの原料組成物については、特に制限を付与せ
ず、以下の一般的な原料から適時、選択すればよい。
【0048】つまり、硬化性樹脂原料である有機イソシ
アネ−ト類としては、4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネ−トの粗製品(ポリメッリクMDI)、トルエ
ンジイソシアネ−ト(TDI)およびこれの変性品等、
従来から一般的に用いられているものの単独または混合
物を使用してもよいが、ポリメチレンポリフェニルポリ
イソシアネート、またはポリメチレンポリフェニルポリ
イソシアネートとジフェニルメタンジイソシアネートの
変性体の混合物、またはポリメチレンポリフェニルポリ
イソシアネートとポリメチレンポリフェニルポリイソシ
アネートの変性体の混合物が特に好ましく、その混合量
は特に限定する必要もない。
【0049】一方、プレミックス液の主成分であるポリ
オ−ル類は、通常ウレタン原料として使用される殆ど全
てのポリオールが使用できる。そのなかでも、多価アル
コ−ル類であるエチレングリコ−ル、グリセリン、トリ
メチロ−ルプロパン、ビスフェノ−ルA等を出発原料と
して、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイドを付
加重合させたものでもよいが、ペンタエリスリト−ル、
ソルビト−ル、シュクロ−ズ、脂肪族アミン類であるエ
チレンジアミン、芳香族アミン類であるトリレンジアミ
ン等を出発原料として付加重合させたもの、さらにエス
テル類にグリセリンを付加重合させたもの、が特に好ま
しい。また、上記ポリオ−ルは、2種以上の混合物とし
て使用してもよい。
【0050】有機イソシアネ−トとポリオ−ルを混合反
応後の膨張時の泡の安定性を確保したり、形や大きさを
整える役割を担う整泡剤としては、公知の有機ケイ素化
合物系の界面活性剤を用いることができる。具体的に
は、例えば、信越シリコーン(株)社製のF−230、
F−305、F−341、F−348等、日本ユニカー
(株)社製のL−544、L−5310、L−532
0、L−5420、L−5720等、東レシリコーン
(株)社製のSH−193、SH−195、SH−20
0、SRX−253等、東芝シリコーン(株)社製のT
FA−4200、TFA−4202等がある。
【0051】次に、本発明の芯材に用いる充填用発泡ウ
レタンの試料1〜5について説明する。これに使用する
原料には、発泡剤を混合したときに原液が均質で安定な
状態が得られるように、完全に相溶して透明になるポリ
オールや整泡剤等の原料系を選択した。表1に上記試料
1〜5の原料処方を示す。ポリオール類の総量を100
部としてポリオールの官能基数の異なる系とし、発泡剤
としては室温以下の沸点を有するものとして、沸点が1
5℃のHFC245fa、沸点が6℃のHFC236e
a、沸点が−27℃のHFC134aの三種を用いた。
【0052】表1には、本発明との比較のために使用し
た比較試料1、比較試料2および比較試料3の発泡ウレ
タンの原料処方も併せて示す。なお、比較試料1と比較
試料2に使用した発泡剤は、室温以上の沸点を有する一
般的に用いられている沸点が49℃のシクロペンタンで
ある。また、比較試料3は、基本的に試料4と同じ構成
であるが、触媒の構成を比較試料1や比較試料2と同じ
にして、反応速度を速くしたものである。
【0053】
【表1】
【0054】これらの各原料処方は、ポリオール、整泡
剤、触媒、水、発泡剤、を均一に混合して成るR液と、
イソシアネートであるP液の2種類の原料液に分別して
用いることによって、安定状態を保持して貯蔵すること
ができる。ここで用いる発泡剤は室温以下の沸点を有す
るものとして、貯蔵や送液等の取り扱いに係るタンク、
および配管類が密閉状態で少なくとも発泡剤の蒸気圧以
上の耐圧を有していることが必要である以外は、通常の
発泡剤と何らの変わりないものでよい。これら両原料液
は、その後の混合によって得られる原料混合液の状態に
て反応が進行し、樹脂化に至ることとなる。
【0055】(3)断熱板の作成 真空断熱パネルと、それを固定する充填用発泡ウレタン
を利用して断熱板を形成し、固定された真空断熱パネル
の変形を観察した。断熱板は、幅600mm、高さ60
0mm、厚さが40mmであって、50℃に保温した発
泡治具の内壁の両面に厚さ0. 3mmの鋼板を配設し、
さらに何れか一方の面の鋼板上に真空断熱パネルを載置
して固定した後、残りの空隙に充填用発泡ウレタンを充
填することによって得たものである。ここで用いた充填
用発泡ウレタンは、原料混合液を間隙に注入することに
よって発泡し空隙内を充填するものである。
【0056】両原料液(P液、R液)を混合した後、そ
れを真空断熱パネルを配設した発泡治具の空隙内に注入
すれば、数秒後に発泡が開始するので、混合液を注入し
た部位を密閉する。混合液の注入量は、過不足無く充填
する量に対して15%だけ過剰することが、発泡ウレタ
ンの諸物性を飛躍的に向上、均質化させると共に、製造
時における注入量のバラツキによる影響を無くするうえ
でも有効である。混合液の注入から約5分間の静置を行
った後、治具を開放して成型品を取り出せば、真空断熱
パネルと充填用発泡ウレタンが一体化した断熱板を得る
ことができる。
【0057】(4)評価 (a)真空断熱パネルの熱伝達率 真空断熱パネルの熱伝達率は、包装材および芯材を構成
する樹脂による熱伝導、物質を貫通する輻射伝熱から構
成され、汎用の発泡樹脂に含まれるガスによる熱伝達の
構成要素は排除される。このうち、芯材を構成する樹脂
成分による熱伝達量は大気圧を受けたときに発生する変
形量を抑制する強度を確保するために必要な密度によっ
て決定され、その密度、つまり樹脂容量は樹脂の種類が
同じであれば大きく変動しないので、熱伝達率に影響を
与えることが少ない。しかし、輻射伝熱は芯材に用いる
発泡樹脂のセル(気泡)の大きさに依存し、それが小さ
いほど伝熱量も小さくなる。従って、同じセルの大きさ
であっても、断熱方向に短軸を有する扁平形状を有すれ
ば、特別に小さなセルを形成することもなく、材料処方
に特別な工夫を要することもないので、コストを低く抑
えることができる。
【0058】前述した方法によって得られた真空断熱パ
ネルの断熱性能を評価するため、熱伝達率の測定を行っ
た。熱伝達率は、温度差のある両熱板の温度を均一にす
るために要する電流値から熱板間を流れる熱量を求める
熱伝達率測定装置(英弘精機(株)社製・オートラム
ダ)を用いて行い、高温側熱板の温度を40℃、低温側
熱板の温度を10℃に設定したときの測定値とした。
【0059】(b)真空断熱パネルの耐熱温度の検出 試料温度の上昇に連れてわずかであった変形量の増加
が、特定の温度以上で急激に大きな変形量の増加を呈す
るようになる。この変形量の増加が急激に変化する温度
を耐熱温度とし、この温度以下であれば、真空断熱パネ
ルを配設した鋼板などの面材が陥没する等の変形の程度
が軽微ですみ、その意匠性に大きな支障を来たすことが
ない。
【0060】図5に示す機械的熱分析装置(TMA)を
用いて試料寸法が急変する温度を求めた。試料皿14上
に約6mmの直径で約5mmの厚さを有する試料15を
載せ、その上に6mmの直径の平板を利用してに約5g
の荷重下で押圧を架け、これを恒温槽16内に入れて2
℃/分の昇温速度で加熱を行なったときの変形(膨張−
収縮)量を、温度依存曲線17として求めた。この結果
は図6の変形量の温度依存曲線17に示され、その曲線
の微分曲線18における急激な変化を示す点19は、前
記押圧の抗圧力を下回って試料が急激に収縮した点であ
る。この点で内部が真空に維持された真空断熱パネルが
収縮して、意匠上大きな支障を来すことを示唆してお
り、従って、この点19での温度を耐熱温度20とし
た。
【0061】(c)箱体に配設した真空断熱パネルの表
面の温度測定 内箱と外箱の空隙内にある真空断熱パネルを覆うように
充填用発泡ウレタンで充填する際に、その反応熱を蓄積
して真空断熱パネルの表面温度が上昇する。このため、
常に大気圧の負荷を受けている真空断熱パネルの芯材が
前記の耐熱温度以上に達することによって変形し易くな
る。耐熱温度以上の領域が芯材の深部にまで達すれば、
真空断熱パネルの収縮量による断熱壁の収縮変形を目視
で観測できるほどになる。
【0062】このような収縮変形の発生を抑制する要素
となる真空断熱パネル表面の温度は、図7に示す位置に
て測定した。すなわち、断熱壁の充填に用いる発泡ウレ
タン4が到達した真空断熱パネル5の表面部分に熱電対
21を配し、発泡ウレタン4の発泡開始から硬化完了に
至るまでを、その起電力の測定値を換算して温度を連続
して測定し、その最大値を求めた。
【0063】(d)真空断熱パネルの変形量測定 包装材の内部が真空状態であるから、真空断熱パネルの
芯材には常に大気圧相当の負荷がかかっており、保有す
る強度および剛性が不足すると、経時的に変形を来たす
こととなる。この強度および剛性は芯材の温度に依存し
て変化し、芯材温度が高くなると小さくなり、変形を来
たし易くなる。
【0064】真空断熱パネルを載置した鋼板を含む空隙
内に発泡ウレタンを注入して発泡させることによって充
填させた断熱板の発泡直後と、一昼夜放置後における鋼
板面の外観変形、特に収縮の発生状態を目視にて観察
し、凹凸の発生状態を以下の判定基準に基づいて表記し
た。 ○;凹凸がみられない △;凹凸が散見されるが実用上の問題はない ×;実用に不適な凹凸がある さらに、この断熱板を解体して真空断熱パネルを取り出
し、予め測定していた芯材の厚さとの差からその変形量
を求めた。
【0065】(e)結果 芯材として従来から用いていた発泡ウレタンと、本発明
に係る発泡ポリスチレンの耐熱温度と、それらを用いた
真空断熱パネルの熱伝達率について、先に説明した評価
の方法に基づいて測定した結果を表2に示す。また、表
面板として配設した鋼板間に発泡ウレタンを充填した断
熱板に関して、表1の各発泡ウレタンの充填に要する原
料混合液の量、発泡時の最高表面温度、さらに真空断熱
パネルの芯材の変形量および断熱板の外観変形の測定結
果を表3に示した。なお、発泡ポリスチレンが芯材であ
る場合を3−1の表に、発泡ウレタンが芯材である場合
を3−2の表に分けて各々示す。
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】試料1〜3と比較試料1、および試料4〜
5と比較試料2において比較されるものであるが、充填
用発泡樹脂である発泡ウレタンの発泡剤として沸点が室
温以下のものを用いることにより、注入時における発泡
ウレタンの原料混合液は、発泡剤がすでに気化を開始し
て泡状態を呈する。このため、泡状態で注入が完了した
状態から充填を完了するまでに要する流動距離が短いう
え、充填に要する注入量も少なくできるので、流動抵抗
や樹脂重量等の負荷がほとんどかからない。20cmの
内寸を有する箱内で発泡した場合の密度を同じにして
も、前記負荷の程度が軽減されるので、用いる樹脂の量
を少なくできるとともに、真空断熱パネルにかかる発泡
圧も小さくできるいう利点が確認できた。
【0069】つまり、充填用発泡ウレタンの発泡剤とし
て沸点が室温以下のものを用いれば、樹脂化反応におけ
る樹脂の活性化度を、試料1〜3及び比較試料1と試料
4〜5及び比較試料2〜3との比較における樹脂組成
や、試料4〜5と比較試料2及び比較試料3との比較に
おける触媒の種類、量を調整して抑制し、発熱量を少な
くしても断熱板の鋼板間隙への充填が十分可能な状態で
あるうえ、真空断熱パネルの表面における温度が低くな
るので収縮を伴う真空断熱パネルの変形を来たし難くで
き、また、真空断熱パネル表面にかかる発泡圧も小さく
なって芯材の変形量を小さくできる。すなわち、本発明
に係る試料1〜5の発泡ウレタンで充填した断熱板は、
室温以上の沸点を有する発泡剤を用いた比較試料1、2
や反応速度を速くした比較試料3の発泡ウレタンで充填
した場合に比べて、外観に実用に不適な変形を生ずるこ
とがなかった。
【0070】このように、外殻面上に真空断熱パネルを
備えた断熱壁内に充填して該真空断熱パネルを固定する
発泡ウレタンに沸点が室温以下の発泡剤を用いることに
よって、充填用発泡ウレタンの発泡時および充填後の反
応熱を抑制できるので、真空断熱パネルの表面に係る温
度および発泡圧が軽減でき、収縮変形すること無く、高
品質な断熱箱体を得ることが可能となった。
【0071】また、芯材に関しては、表2に示したよう
に、連通気法を有する発泡ウレタンに比較して気泡の大
きさがより小さな発泡ポリスチレンを用いることによっ
て、熱伝達率について優位な差異である4ポイントの低
下を確認できた。
【0072】実施の形態2.ここでは、芯材に用いる発
泡ポリスチレンに関し、そのセル形状を扁平にした場合
の断熱性能の有効性について確認した。
【0073】まず、密度が60kg/m3 であって、厚
さが40mmである連続した気泡を有する発泡ポリスチ
レンについて、これを45%の厚さにまで加熱が可能な
プレスを用いて圧縮することによって、気泡形状を扁平
の状態にした。この状態のままでは、成型品内部には変
形に伴う歪みが残存して強度の低下を来たすことにな
る。従って、この圧縮した状態を維持したままで125
℃にまで昇温して3時間保持することにより、残存した
歪みを緩和させ、さらに室温まで除冷した後にプレスを
解放するアニーリングを行うようにして、厚さを20m
mに圧縮し、扁平形状の気泡を有する発泡ポリスチレン
成形板を得た。この発泡ポリスチレン成形板の面が20
0×200mmのものを芯材に使い、図2に示す真空包
装機を用いて、内部真空度を1×10-2torrとして
真空断熱パネルを成形した。ここでは、この真空断熱パ
ネルを試料6とし、一方、圧縮変形を行わずに、密度が
120kg/m3 、厚さが20mm、面が200×20
0mmの発泡ポリスチレン成形板を芯材として使い、内
部真空度を10-2torrとして成形した真空断熱パネ
ルを比較試料4として得た。
【0074】得られた真空断熱パネルについて、断熱性
能の評価として熱伝達率を測定した。熱伝達率は、実施
の形態1と同じ方法を用いて行った。すなわち、熱伝達
率測定装置を用いて、高温側熱板の温度を40℃、低温
側熱板の温度を10℃に設定したときの値を測定した。
その結果を表4に示す。
【0075】
【表4】
【0076】連続した扁平形状の気泡を備えた発泡ポリ
スチレンの芯材は、断熱方向である厚さ方向における見
掛けの気泡の大きさが比較試料4の芯材に比して約50
%にまで縮小されたことにより、輻射伝熱量の抑制効果
があることがこの比較実験から確認できた。つまり、表
4に示すように、試料6の真空断熱パネルは、比較試料
4の真空断熱パネルに比べて8ポイントの熱伝達率の低
下、つまり断熱性能の向上を実現できた。
【0077】実施の形態3.ここでは、気泡が扁平形状
の発泡ポリスチレンの成形板を芯材に用いた真空断熱パ
ネルおよび沸点が室温以下の発泡剤を含んだ充填用発泡
ウレタンを断熱壁に備えた冷蔵庫の断熱箱体の断熱性能
と外観意匠性についての確認した。
【0078】(1)断熱箱体の作製 上記真空断熱パネルおよび充填用発泡ウレタンを使っ
て、図11の製造工程に沿って製造された断熱箱体を図
8に、図8の側面部イの内部構成を図9にそれぞれ示し
た。本実施例の製造の要点を説明すると、外箱2に真空
断熱パネル5を貼り付けた後、内箱3を外箱2の嵌合部
に挿入して合体し、その他の部材も含めて箱体の外殻を
組み立てる。次に、外箱2と内箱3の間の空隙に充填用
発泡ウレタン4の原料混合液を注入して発泡充填させる
ことにより断熱層を形成して、450Lの内容積を有す
る断熱箱体を成形した。
【0079】このときに用いた充填用発泡ウレタン4
は、試料3および比較試料1と同じものである。また、
このときに用いた真空断熱パネル5の芯材は、実施の形
態1や試料6に用いた発泡ポリスチレンに準じた仕様の
ものである。ただし、比較試料5にあっては、芯材に用
いる発泡ポリスチレンの気泡を扁平化する際に熱変形温
度以下で行うとともに、型内での保持を行わずに除冷し
た成型品から切り出したものを用いた。これら各材料の
組み合わせによって得られた本発明に係る断熱箱体の試
料7とする。また、試料7との比較に用いるため、充填
用発泡ウレタン及び芯材用発泡ポリスチレンの構成を変
化させた断熱箱体として、比較試料5〜7を用意した。
これらの各構成は表5に示される。
【0080】
【表5】
【0081】(2)断熱箱体の断熱性及び外観の測定 断熱箱体の断熱性の評価方法として、JIS−C960
7に示すB法に準じてその消費電力量を測定した。消費
電力の測定は試料である断熱箱体に冷媒配管や電装品、
内装品を装着して冷却運転が可能な冷蔵庫の状態したも
のを用い、各食品貯蔵室(冷蔵室、冷凍室、野菜室等)
ごとに設定された特定の温度条件を形成するための運転
に要する電力量を測定するものである。従って、各試料
間の比較を行う上で、十分な測定の精度を確保するため
に、圧縮機と扉は各試料で同じものを使い回し、また、
一定量の冷凍機油を含有した冷媒の圧縮機への注入量
も、運転性能に影響を及ぼさない精度範囲とした。
【0082】断熱箱体は、図9の縦断面図に示す如く、
真空断熱パネル5と発泡ウレタン4の複素構造を成して
いる。従って、真空断熱パネルが収縮変形を来すことに
よって、真空断熱パネルを有する壁面部分に段差を生じ
させ、この部分が凹凸となって現れ、外観意匠を損なう
こととなる。
【0083】断熱箱体の外観は、主に側板の変形状態を
目視観察し、この変形程度を以下の基準に基づいて表記
した。 外観の程度に関する評価基準 ○;ほぼ全面が平滑である △;中央部分の大半が平滑であり、注視することによっ
てのみ凹凸部を識別できる ×;ぼぼ全面にわたって凹凸部があり、一見して識別で
きる 前記評価基準に基づけば、△印のものまでは実用の域に
あるが、×印のものは実用に耐えられない意匠上の損傷
を負っていることとなる。
【0084】(3)結果 発熱温度を抑制した充填用発泡ウレタンが、発泡ポリス
チレンを芯材とした真空断熱パネルの収縮変形に及ぼす
影響を調べるため、表5の各試料について、目視による
外観の観察結果および消費電力量の測定結果を行い、表
6に併記した。
【0085】
【表6】
【0086】表6に示すように、真空断熱パネルを備え
た冷蔵庫の断熱壁内に充填する充填用発泡ウレタンに用
いる発泡剤が、室温を大きく越える49℃の沸点を有す
るシクロペンタンを用いた比較試料6、7の場合には、
芯材である発泡ポリスチレンに及ぼす反応熱の影響から
変形を来し、外観に凹凸を発生させて、外観の程度を損
なわせる結果となった。なお、比較試料5、6に対して
比較試料7の外観の程度が良好であったのは、芯材であ
る発泡ポリスチレンの気泡の形状が球状化しており、機
械的な圧縮変形に耐性を有していたためであると推測さ
れる。
【0087】これに対し、本発明に係る試料7では、室
温より低い沸点を有するHFC134aが発泡剤である
充填用発泡ウレタンを用いたことによって、芯材が同様
の気泡形状を有する比較試料6と比べて、凹凸の発生が
大幅に緩和されて外観変形が少ない、良好な意匠性を維
持できることが確認できた。しかし、比較試料5のよう
に、芯材が扁平形状の気泡を得る際にアニールを行わな
かった場合には、芯材自体の強度不足によって、充填お
よび充填後にかかる発泡圧によって変形を来たし、外観
変形の程度に劣ることを確認した。
【0088】また、試料7は芯材に用いる発泡ポリスチ
レンの気泡形状を扁平化することによって真空断熱パネ
ルの断熱性能が向上したため、芯材の気泡が球状をなす
比較試料7に比べて、4. 1%の消費電力量の抑制効果
を確認できた。
【0089】以上の通り、本発明によれば、扁平のセル
を有してアニールされた芯材を内部に備えた真空断熱パ
ネルを断熱壁内に配設した後、沸点が室温以下である発
泡剤を用いた充填用発泡ウレタンを充填することによ
り、得られた断熱箱体の外壁における外観が平滑性を維
持して、意匠性におよび断熱性に優れた箱体を提供でき
ることが確認できた。
【0090】以上述べた本発明の断熱箱体は、上記実施
の形態の中で示した冷蔵庫用に限定されるものではな
く、例えば、車載用小型冷蔵庫やプレハブ式簡易冷蔵
庫、保冷車やパイプや建築物の保温材等、保温および保
冷用製品の断熱用部品としての応用も可能であり、その
要旨を脱し得ない範囲で種々変形して実施することがで
きるものである。
【0091】
【発明の効果】請求項1の発明に係る断熱箱体は、樹脂
組成物を芯材として用いた真空断熱パネルとそれを保持
する発泡樹脂から成る断熱箱体において、室温以下の沸
点を有する発泡剤を含んだ発泡樹脂を用いたものである
から、発泡成形による発熱温度を抑制して真空断熱パネ
ルの変形を防止し、これによって断熱箱体の変形を防止
する。
【0092】請求項2の発明に係る断熱箱体は、真空断
熱パネルを保持する発泡樹脂に用いる発泡剤が、発泡成
型時の真空断熱パネル表面における最高温度が芯材の熱
変形温度以下になるように調整した室温以下の沸点を有
するものとしたものであるから、反応熱による真空断熱
パネルへの影響を抑制して、断熱箱体の変形を防止す
る。
【0093】請求項3の発明に係る断熱箱体は、真空断
熱パネルの芯材を連通気泡を有するポリスチレン発泡体
で構成したものであるから、気泡の大きさが小さくなっ
て、断熱性能に優れた真空断熱パネルを得、ひいては断
熱性能に優れた断熱箱体が得られる。
【0094】請求項4の発明に係る断熱箱体は、芯材で
あるポリスチレン発泡体が連通した扁平形状の気泡を備
えたものであるから、輻射熱の遮蔽効果に優れ、断熱性
能に優れた真空断熱パネルを得、ひいては断熱性能に優
れた断熱箱体が得られる。
【0095】請求項5の発明に係る断熱箱体の製造方法
は、樹脂組成物を芯材として用いた真空断熱パネルを備
えた箱体に発泡樹脂を充填する断熱箱体の製造方法にお
いて、前記真空断熱パネルの表面における最高温度が芯
材の熱変形温度以下になるように発泡剤の沸点および樹
脂の反応速度を調整した発泡樹脂を充填するものである
から、発熱温度の過度な上昇が防止されて真空断熱パネ
ルの変形が抑制され、従って、断熱箱体の変形が防止さ
れる。
【0096】請求項6の発明に係る断熱箱体の製造方法
は、発泡樹脂の充填を、泡状の発泡樹脂を注入して充填
するものであるから、充填性に優れ過度な発泡圧の上昇
を抑制して、真空断熱パネルに変形を来さずに成形で
き、従って、断熱箱体の変形が防止される。
【0097】請求項7の発明に係る断熱箱体の製造方法
は、真空断熱パネルを保持する発泡樹脂に用いる発泡剤
が、室温以下の沸点を有するハイドロフルオロカーボン
類および炭酸ガスを含んでなるものであるから、環境へ
の悪影響を来さずに成形できる。
【0098】請求項8の発明に係る断熱箱体の製造方法
は、樹脂組成物にポリスチレン発泡体を使用し、該ポリ
スチレン発泡体を圧縮応力の負荷によって扁平状にした
後にアニーリングすることで、断熱性能に優れ、かつ押
圧力に対して変形しにくい真空断熱パネルが得られ、従
って、断熱箱体も変形に強くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 真空断熱パネルの製造工程図である。
【図2】 真空包装機の機構を示す説明図である。
【図3】 芯材用発泡樹脂の気泡の微細化に伴う構造変
化を説明する概念図である。
【図4】 充填用発泡樹脂の製造における触媒と発泡剤
の選択手順を示す工程図である。
【図5】 機械的熱分析装置の機構を示す説明図であ
る。
【図6】 耐熱温度を求めるための変形量の温度依存曲
線図である。
【図7】 真空断熱パネルの表面を求める熱電対の配設
状態を示す断面図である。
【図8】 断熱箱体における真空断熱パネルの配設状態
を示す斜視図である。
【図9】 図8の断熱箱体の側面部イの構造を示す拡大
図である。
【図10】 従来の断熱箱体の部分構造図である。
【図11】 断熱箱体の製造工程図である。
【符号の説明】
1 断熱箱体、2 外箱、3 内箱、4 発泡ウレタン
(充填用)、5 真空断熱パネル、6 芯材、7 包装
材、8 真空包装機、17 変形量の温度依存曲線、1
9 変形量の変化点、20 耐熱温度。
フロントページの続き Fターム(参考) 3E067 GA14 GA18 3H036 AA08 AB18 AB25 AC01 AE11 3L102 JA01 LB31 MA01 MB12 MB17 MB22 MB30 4F100 AA08A AA08H AB10 AB33 AH05A AH05H AK01A AK05 AK12A AK42 AK48 AK51 AL05A AT00B AT00C BA03 BA05 BA06 BA10B BA10C BA41A CA01A CB00 DA01 DJ01A DJ03A EC032 EH172 EH312 EH661 EJ022 EJ172 EJ422 EJ472 EJ502 EJ592 GB48 JA04A JA20A JA20H JD10 JJ02A JL00 JL04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂組成物を芯材として用いた真空断熱
    パネルと、それを保持する発泡樹脂から成る断熱箱体に
    おいて、 前記発泡樹脂が、室温以下の沸点を有する発泡剤を含ん
    だものであることを特徴とする断熱箱体。
  2. 【請求項2】 前記発泡剤が、発泡成型時の真空断熱パ
    ネル表面における最高温度が前記芯材の熱変形温度以下
    になるように調整したものであることを特徴とする請求
    項1に記載の断熱箱体。
  3. 【請求項3】 前記芯材を、連通気泡を有するポリスチ
    レン発泡体で構成したことを特徴とする請求項1又は2
    に記載の断熱箱体。
  4. 【請求項4】 前記ポリスチレン発泡体が、連通した扁
    平形状の気泡を備えたことを特徴とする請求項3に記載
    の断熱箱体。
  5. 【請求項5】 樹脂組成物を芯材として用いた真空断熱
    パネルを備えた箱体に発泡樹脂を充填する断熱箱体の製
    造方法において、 前記真空断熱パネルの表面における最高温度が芯材の熱
    変形温度以下になるように発泡剤の沸点及び樹脂の反応
    速度を調整した発泡樹脂を充填する断熱箱体の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記発泡樹脂の充填を、泡状の発泡樹脂
    を注入して行うことを特徴とする請求項5に記載の断熱
    箱体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記発泡剤に、室温以下の沸点を有する
    ハイドロフルオロカーボン類及び炭酸ガスを含めること
    を特徴とする請求項6に記載の断熱箱体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記樹脂組成物にポリスチレン発泡体を
    使用し、該ポリスチレン発泡体を圧縮応力の負荷によっ
    て扁平状にした後にアニーリングすることを特徴とする
    請求項7に記載の断熱箱体の製造方法。
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