JP2000018346A - オートテンショナ - Google Patents
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- F16H2007/084—Means for varying tension of belts, ropes, or chains with vibration damping means having vibration damping characteristics dependent on the moving direction of the tensioner
Abstract
ンショナを得る。 【解決手段】 カップ21をエンジンブロックに固定す
る。カップ21のボルト係合部24にピボット軸30を
固定する。ピボット軸30をピボット軸受56に挿入
し、アーム50を回動可能に取付ける。ねじりコイルス
プリング40によってアーム50をベルトを緊張させる
方向に回転付勢する。ボルト係合部24の外周面にスリ
ーブ28を取付ける。巻ばね80の一端をアーム50の
ピボット軸受56に巻付け、他端をスリーブ28に巻付
ける。アーム50の回転により巻ばね80およびスリー
ブ28が微小変形し、ダンピング力を発生させる。ベル
トを緊張させる時にアーム50に作用するダンピング力
は、ベルトが弛緩する時にアーム50に作用するダンピ
ング力より小さい。
Description
ナは、自動車用エンジンのタイミングベルト、あるいは
オルタネータやコンプレッサ等の補機を駆動するための
ベルトに適性な張力を付与するために用いられる。
単一のベルトで複数の装置に伝達する伝動装置に用いら
れる。オートテンショナはベルトに適度な張力を付与す
ると共に、エンジン回転数や負荷の変動により発生する
ベルトの振動を減衰させる。これによりエンジンの駆動
力が各装置に確実に伝達される。
に固定され、例えばカップが形成された固定部材と、カ
ップに対して回転自在に軸支されるアームと、このアー
ムの先端に取付けられたプーリとを備える。アームはそ
の回転中心と略同心に設けられたねじりコイルスプリン
グによってベルトを押圧する方向に回転付勢され、これ
によりベルトに適正な張力が付与される。またベルトの
振動を減衰させるダンピング機構として、摩擦部材がア
ームとカップとの間に設けられる。この摩擦部材によっ
てアームの回転時に回転抵抗、即ちダンピング力が生
じ、アームの回転が制動され、ベルトの振動が減衰され
る。
当接させてベルトの振動を効果的に減衰させるために、
アームはベルトが緊張する方向には相対的に早く、ベル
トが弛緩する方向には相対的に遅く回転することが求め
られる。しかし、上述の摩擦式ダンピング機構は両方向
に関して同じダンピング力を付与するように構成され、
アームはベルトが緊張する方向には早く回転できない。
ベルトを素早く緊張させるダンピング機構として、例え
ば摩擦部材の代わりに油圧式のシリンダを設け、ベルト
が弛緩する方向にのみ油の粘性抵抗を生じさせる油圧式
ダンピング機構が知られている。
ンピング機構に比べて、部品点数が多く構成が複雑なた
め、コストが高くなる。また油の粘性は環境温度に依存
し、高温領域では常温時に比べてダンピング力が減少
し、低温領域では粘性抵抗が高くなりダンピング力が増
大する。さらに、油漏れを防止するために取りつける方
向が制限されるため、オートテンショナ全体の設計の自
由度がなくなり、小型化が困難となる。
駆動ベルト等の緩みの発生を確実に防止すると共にベル
トの振動を効果的に減衰して、ベルトを常に最適な緊張
状態に保持でき、かつ小型で構造の簡単なオートテンシ
ョナを得ることを目的とする。
ショナは、第1ボス部を有する固定部材と、第1ボス部
に対して同軸的に配置された第2ボス部を有し、先端に
プーリが取付けられ、第2ボス部の周りにおいて第1回
転位置と第2回転位置との間で回転するアームと、アー
ムを第2回転位置から第1回転位置に向かう第1方向に
回転付勢することによりプーリを介してベルトを緊張さ
せる付勢手段と、2つの端部が第1および第2ボス部に
それぞれ嵌合することにより、固定部材とアームとを連
結する巻ばねを有し、アームの回転に対する抵抗である
第1ダンピング力とこの第1ダンピング力より大きい第
2ダンピング力とを発生させることによりベルトの振動
を減衰させるダンピング手段とを備え、アームが第1方
向に回転するときに比較的小さい第1ダンピング力がア
ームに作用し、第1方向の逆方向である第2方向にアー
ムが回転するときに大きい第2ダンピング力がアームに
作用することを特徴としている。
1ダンピング力の絶対値が実質的に0である。
ームが第2回転位置側から第1方向に回転するときに、
第1回転位置と第2回転位置との間の所定の回転範囲に
おいて、アームの回転により生じる第1摩擦力が第1ダ
ンピング力として作用し、アームが第1回転位置側から
第2方向に回転するときに、回転範囲において第1摩擦
力より大きくアームの回転により生じる第2摩擦力が第
2ダンピング力として作用する。
くは、所定の回転範囲内において、第1摩擦力と第2摩
擦力との絶対値の大きさがそれぞれ一定であり、第1摩
擦力の絶対値の大きさと第2摩擦力の絶対値の大きさと
が所定の回転角範囲内の各角度位置において非対称であ
る。この所定の回転範囲は、第1回転位置と第2回転位
置との間に位置する第3回転位置と、この第3回転位置
と第2回転位置との間に位置する第4回転位置との間の
範囲である。通常オートテンショナは、第1回転位置と
第3回転位置との間の回転範囲、および第2回転位置と
第4回転位置との間の回転範囲が微小角度範囲になるよ
うに設計されるが、種々の要求に応じて適切な回転範囲
になるよう適宜設計変更される。
アームが第1回転位置側から第3回転位置までの微小角
度範囲内において、第2方向に回転するときに、アーム
の回転角に比例して増大する第3ダンピング力がアーム
に作用する。
第1または第2ボス部と巻ばねとの間にスリーブが設け
られ、アームが第1回転位置側から第2方向に回転する
ときに第3回転位置から第2回転位置までの範囲におい
て、巻ばねとスリーブとが巻ばねクラッチとして作動
し、巻ばねとスリーブとの間、またはスリーブと第1ま
たは第2ボス部との間で摩擦摺動が生じる。
断面を有する線材により成形されてもよい。
第1および第2ボス部がそれぞれアームの回転軸を軸心
とする第1および第2円筒面を備える。
ダンピング手段が、第1円筒面と巻ばねとの間に設けら
れアーム回転軸を軸心とする第1スリーブ、または第2
円筒面と巻ばねとの間に設けられアーム回転軸を軸心と
する第2スリーブの少なくとも一方を備える。第1およ
び第2スリーブは、アーム回転軸に平行な開口部を備え
てもよく、またポリエーテルサルフォンを主成分とする
樹脂、またはナイロン等のプラスチック材料、または含
油軸受に代表される合金材料により成型されてもよい。
第1または第2円筒面がそれぞれ第1または第2ボス部
の外周面である。この場合、巻ばねが第1円筒面または
第1スリーブの外周面と、第2円筒面または第2スリー
ブの外周面との双方に密着することにより、第1ボス部
または第1スリーブと、第2ボス部または第2スリーブ
とが連結される。さらに巻ばねが一定の曲率で巻回さ
れ、巻ばねの両端が曲率と同じ曲率を有する円弧状を呈
している。
ばねが一定の曲率で巻回され、第1円筒面の半径または
第1スリーブの外周面の半径と、第2円筒面の半径また
は第2スリーブの外周面の半径とが、巻ばねの内側の半
径とほぼ同じ長さである。
ばねが、前記第1円筒面または第1スリーブの外周面に
おいて少なくとも1巻が密着し、前記第2円筒面または
前記第2スリーブの外周面において少なくとも1巻が密
着している。
は、巻ばねの一端が、第1ボス部に形成された環状のば
ね受座または第1スリーブのフランジに密着し、巻ばね
の他端が、第2ボス部に形成された環状のばね受座また
は第2スリーブのフランジに密着してもよい。
は、付勢手段がアーム回転軸周りに巻回されたねじりコ
イルスプリングであってもよく、この場合巻ばねとねじ
りコイルスプリングとの巻方向が共に同じ巻方向であ
る。
2円筒面がそれぞれ第1または第2ボス部の内周面であ
ってもよい。さらに付勢手段がアーム回転軸周りに巻回
されたねじりコイルスプリングであってもよく、この場
合巻ばねとねじりコイルスプリングとの巻方向が互いに
反対の巻方向である。
ョナの実施形態について添付図面を参照して説明する。
ナを利用した自動車用エンジンのベルトシステムを示す
図である。駆動プーリ11はエンジンの出力軸に取り付
けられ、エンジンによって回転駆動される。このベルト
システムは、駆動プーリ11の他に、エアコンディショ
ナ、パワーステアリング装置、オルタネータ用の各従動
プーリ12、13、14と、アイドラプーリ15、1
6、そしてオートテンショナ(以下、テンショナとい
う)10とを備える。各プーリには無端のベルト17が
巻回される。
周り(矢印C方向)に駆動され、これにより他のプーリ
12、13、14、15、16、およびテンショナ10
のプーリ60が回転させられる。
され、アーム50はピボット軸30回りに回転可能であ
る。アーム50の一端にはプーリ60が回転自在に固定
され、このプーリ60の外周面にベルト17が巻回され
る。
(図示せず)によって時計周り(矢印A方向)に常時付
勢され、ベルト17の駆動時には実線の位置により示さ
れるようにベルト17を緊張させる。ベルト17が振動
すると、プーリ60およびアーム50はベルト17に追
随してピボット軸30回りに回転する。この時、アーム
50はプーリ60がベルト17を緊張させる矢印A方向
には相対的に早く回転し、ベルト17を弛緩させる方
向、即ち反時計回り(矢印B方向)には相対的に遅く回
転する。
ンチ等の標準工具によって、プーリ60は矢印A方向の
付勢力に抗して、ピボット軸30を中心に実線の位置か
らへ矢印B方向に回転せしめられ、破線の位置に退避さ
せられる。
成を説明する。図2はテンショナ10の断面図、図3は
テンショナ10の部品を分解して示す断面図である。
けられる板状の取付部22と、取付部22の一方の面か
ら突出する円筒状のカップ21とを備える。カップ21
の底面21aの中央には、カップ21内に向けて立ち上
がるボルト係合部24が形成される。ボルト係合部24
とピボット軸30の下端に形成されたネジ部32とが螺
合し、これによりピボット軸30が固定部材20に一体
的に固定される。ボルト係合部24にはスリーブ28が
取付けられる。スリーブ28の内周面28cはボルト係
合部24の外周面24cに密着している。カップ底面2
1aには、ねじりコイルスプリング40の端部44が係
合する溝部26が形成される。
有する金属線から形成され、螺旋状に巻回された螺旋部
42と、螺旋軸(図3中、一点鎖線Lで示される)に垂
直な平面内において螺旋部42から螺旋内に向かって直
線状に延びる2つの端部44、46とを有する。端部4
4はカップ21の溝部26の壁面に係合する。もう一方
の端部46はアーム50の下面53aに係合する。
られた状態でカップ21とアーム50との間に比較的軽
い圧縮状態で介装される。これにより、アーム50はね
じりコイルスプリング40がねじられた状態から戻る方
向、即ち矢印A方向(図1)に付勢され、これによりア
ーム50と共にプーリ60が矢印A方向に付勢される。
とを一体的に結合して構成される。プーリ取付部52の
中央には筒状のプーリ軸受54が形成される。プーリ軸
受54とプーリ60との間にはボールベアリング66が
介装される。ボルト62はプーリ軸受54内に螺合固定
され、ボールベアリング66はボルト62によってプー
リ取付部52に固定される。ボルト62の頭部とボール
ベアリング66との間にダストシールド64が設けら
れ、これにより外部からボールベアリング66等への塵
埃の浸入が防止される。
半径を有する円板部材であり、ピボット軸30によって
カップ開口部21bに取り付けられる。蓋部53とカッ
プ開口部21bとの間には樹脂等から成型される環状の
ダストカバー68が介装される。ダストカバー68によ
ってカップ21内部が略密閉され、カップ21内への塵
埃の侵入が防止される。
成され、ピボット軸受56は下面53aからカップ21
内に突出している。ピボット軸受56内には軸受ブッシ
ング70が圧入固定され、ピボット軸30は軸受ブッシ
ング70内に挿入される。ピボット軸30の雄ねじ部3
4と雌ねじ部材36とが螺合し、蓋部53、即ちアーム
50はカップ21に対して軸方向に固定される。なお軸
受ブッシング70とピボット軸30とは比較的小さい回
転抵抗で摺動し、アーム50はカップ21に対してピボ
ット軸30周りに回転自在である。
面56d、56eが形成される。内周面56dには軸受
ブッシング70が嵌合される。内周面56eは内周面5
6dよりカップ底面21a側に設けられ、内周面56d
より大きい内径を有する。また、ピボット軸受56のカ
ップ側底面56fは、ボルト係合部24およびスリーブ
28に対して所定の距離をもって離れている。以上の構
成により、アーム50がカップ21に取付けられた状態
において、ピボット軸受56がピボット軸30の六角形
状部38に干渉することが防止される。
一定の径の金属線を螺旋状に巻回して形成される巻ばね
80が設けられる。巻ばね80は、螺旋軸を上下方向に
定めたときに金属線の傾きが右上がりである右巻きばね
である。なおねじりコイルスプリング40も巻ばね80
と同様、右巻ばねである。巻ばね80が一定の曲率で巻
回され、巻ばね80の両端は巻ばね80の曲率と同じ曲
率を有する円弧状を呈している。巻ばね80の一端側は
少なくとも1巻分がアーム50のピボット軸受56に嵌
合し、他端側は少なくとも1巻分がボルト係合部24に
取付けられたスリーブ28に嵌合する。即ち、ピボット
軸受56とスリーブ28とは巻ばね80によって連結さ
れる。巻ばね80の両端面は、ピボット軸受56および
スリーブ28への密着性を向上させるために、軸に垂直
な平面に研削されてもよい。
ーブ28は下端にフランジ29を備えた環状部材であ
る。スリーブ28は、熱変形が少なく耐摩耗性の優れた
材料、例えばポリエーテルサルフォンを主成分とする樹
脂や、ナイロン等のプラスチック材料、あるいは含油軸
受に代表される合金材料等により成型される。
形成され、これによりスリーブ28は軸方向から見てC
字状を呈している。スリット28aにより、熱変形時、
組立時、あるいは巻ばね80による締付け時等における
スリーブ28の変形、撓み等が吸収される。スリーブ2
8の外径は巻ばね80の内径と略等しいが、スリット2
8aにより周方向における微小変形が可能である。巻ば
ね80およびスリーブ28は、次に述べるように「巻ば
ねクラッチ」として作動する。
理および作用について説明する。図5は2本の軸F、G
を右巻ばねHで連結した構成を示す図であり、一部が破
断して示される。固定軸Fは軸心L方向及び周方向に関
して固定される。駆動軸Gは固定軸Fに対して軸心L方
向に関して所定距離だけ離れた位置に配設され、軸心L
回りに回転自在である。
および駆動軸Gにそれぞれ嵌合固定される。即ち、右巻
ばねHは、上端内周面H1において駆動軸Gの外周面G
1に、下端内周面H2において固定軸Fの外周面F2
に、それぞれ所定の押圧力で密着しており、固定軸Fと
駆動軸Gとは右巻ばねHによってのみ連結される。
と、右巻ばねHはその径が大きくなる方向にわずかに変
形する。これにより、外周面F2への右巻ばねHの押圧
力が減少し、右巻ばねHは固定軸Fに対して摺動する。
即ち固定軸Fに対して、駆動軸Gと右巻ばねHとが一体
的に矢印A方向に相対回転する。
駆動されると、右巻ばねHはその径が小さくなる方向に
わずかに変形し、この変形量分だけ駆動軸Gは矢印B方
向へ回転する。しかし、駆動軸Gがさらに回転駆動され
ると、外周面G1および外周面F2への右巻ばねHの押
圧力が増大する。従って右巻ばねHは、上端内周面H1
において駆動軸Gの外周面G1に強固に密着固定され、
また下端内周面H2において固定軸Fの外周面F2に強
固に密着固定される。即ち、固定軸Fと駆動軸Gとが右
巻ばねHによって一体的に連結され、駆動軸Gは右巻ば
ねHの変形量分だけしか相対回転できない。
駆動軸Gの相対回転を許容し、駆動軸Gは矢印B方向へ
は実質的に相対回転できない。巻ばねの巻方向が逆、即
ち左巻きばねの場合、作用する方向は反対になるが同様
の作用が生じる。即ち右巻ばねHを左巻きばねに代える
と、駆動軸Gは矢印B方向には相対回転するが、矢印A
方向にはほとんど回転できない。第1実施形態のダンピ
ング機構は、このような「巻ばねクラッチ」の原理を用
いて構成される。
によるカップ21とアーム50との連結構造を示す側面
図であり、一部破断して示される。図5に示される固定
軸F、駆動軸G、右巻ばねHは、図6に示されるカップ
21のボルト係合部24、アーム50のピボット軸受5
6、巻ばね80に相当する。図5と異なる構成は、ボル
ト係合部24と巻ばね80との間に介装されるスリーブ
28である。
されると、巻ばね80がその径が大きくなる方向にわず
かに変形する。巻ばね80の変形に伴ってスリット28
aがスリーブ28の復元力によって周方向にわずかに拡
大し、スリーブ28の径はわずかに大きくなる。即ち、
巻ばね80およびスリーブ28の変形により、スリーブ
28によるボルト係合部24への押圧力が減少する。こ
れにより、ピボット軸受56、即ちアーム50は矢印A
方向へ比較的小さな回転抵抗PA で回転可能となる。
向に回転駆動されると、巻ばね80はその径が小さくな
る方向にわずかに変形し、この変形量分だけピボット軸
受56は矢印B方向へ回転する。しかし、ピボット軸受
56がさらに回転駆動されると、ピボット軸受56の外
周面56aおよびスリーブ28の外周面28bへの巻ば
ね80の押圧力が増大する。従って巻ばね80は、内周
面80aにおいてピボット軸受56の外周面56aに密
着固定され、内周面80bにおいてスリーブ28の外周
面28bへ密着固定される。
リーブ28のスリット28aが周方向にわずかに縮小
し、スリーブ28はその径が小さくなる方向に変形す
る。従って、巻ばね80のスリーブ28への押圧力、ま
たはスリーブ28によるボルト係合部24への押圧力が
増大する。
あるいはスリーブ28とボルト係合部24との摩擦限界
を超えると、スリーブ28とボルト係合部24との間で
回転抵抗PA よりも大きな回転抵抗PB を生じながら摺
動する。従って、ピボット軸受56、即ちアーム50は
矢印B方向へ比較的大きな回転抵抗PB で回転可能とな
る。
ように巻ばね80の作用によりピボット軸受56は矢印
B方向には回転できない。しかし、スリーブ28を介在
させたことにより、摩擦限界以上の荷重がピボット軸受
56に作用すると、ピボット軸受56の矢印B方向への
回転が可能となる。これによりベルト17を取付ける位
置(図1の破線の位置)までアーム50を回転させるこ
とができる。またこのとき、巻ばね80とスリーブ28
との間、またはスリーブ28とボルト係合部24との間
には第2摩擦力である一定の回転抵抗が生じ、これによ
りアーム50の矢印B方向への回転時には一定の第2ダ
ンピング力PB がアーム50に作用する。
PB よりはるかに小さいため、アーム50はベルト17
を緊張させる矢印A方向には容易に回転できるが、ベル
ト17を緩める矢印B方向へは回転しにくい。従ってテ
ンショナ10によってベルト17は素早く緊張させら
れ、かつ弛緩しにくくなる。
は、ピボット軸受56のばね受座58から、スリーブ2
8のフランジ29までの距離と略等しく、巻ばね80は
ばね受座58とフランジ29とにより軸方向の位置が規
制される。また、巻ばね80の内径KD は、ピボット軸
受56の外径およびスリーブ28の外径のそれぞれに略
等しい。
スリーブ28との間、あるいはスリーブ28とボルト係
合部24との間のどちらの間で摺動するかは、スリーブ
28、巻ばね80等の材質、大きさ等の設計により適宜
選択される。巻ばね80の嵌合する部分の巻数を増加さ
せることにより、回転抵抗を増大させることができる。
ンショナ10の作用について説明する。テンショナ10
によってベルト17に作用する荷重の要因は主に2つあ
り、1つはねじりコイルスプリング40による反発力で
あり、もう1つはダンピング機構によるダンピング力で
ある。この2つの付勢力が作用して、ベルト17を緊張
あるいは弛緩させる。
コイルスプリング40のみを備えたテンショナ10の出
力特性を示すグラフである。図7(a)においてアーム
50の所定の初期位置からの回転角を横軸、テンショナ
10の出力荷重を縦軸とする。
角D1 まで徐々に回転駆動させた場合における、初期位
置からの回転角と出力荷重との関係を示す。直線CA は
回転角D1 まで回転したアーム50が、ねじりコイルス
プリング40の反発力により矢印A方向に沿って初期位
置まで戻った場合における、初期位置からの回転角と出
力荷重との関係を示す。
する出力荷重は、アーム50の回転角の大きさ、即ちね
じりコイルスプリング40のねじり角に比例して増大ま
たは減少する。出力荷重にはピボット軸30とピボット
軸受70との回転抵抗が含まれ、ねじりコイルスプリン
グ40単体による測定結果に対し、ヒステリシス幅P c
が生じている。なお、直線CA と直線CB は略平行であ
り、各傾きはねじりばね定数に一致する。
イルスプリング40を除去し巻ばね80とスリーブ28
とを備えたテンショナ10の出力特性を示すグラフであ
る。図7(b)において、縦軸はテンショナ10の出力
荷重を示し、横軸はアーム50の初期位置からの矢印A
方向に沿った回転角を示す。図7(c)において、縦軸
はテンショナ10の出力荷重を示し、横軸はアーム50
の矢印B方向に沿った初期位置からの回転角を示す。
PA を生じながら矢印A方向に回転することを示す。回
転抵抗PA はアーム50が矢印A方向に回動したとき、
即ち巻ばね80の押圧力が減少したときに作用する第1
ダンピング力である。
で矢印B方向に回動する状態を示し、回転角に比例して
出力荷重が増大する。この回転角に比例して増大する出
力荷重は、アーム50がベルト17を弛緩させる方向で
ある矢印B方向に沿って微小回転角D2 まで回動したと
きに作用する第3ダンピング力である。
め付けることにより、スリーブ28とボルト係合部24
との間に一定の回転抵抗PB を生じながら、アーム50
が矢印B方向に回転することを示す。回転抵抗PB はア
ーム50が微小回転角D2 から矢印B方向に回動したと
きに作用する第2ダンピング力である。
50が、ねじられた巻ばね80の反動により回転角D3
までアーム50が矢印A方向に戻ることを示す。
50は初期位置から微小回転角D2までの領域では巻ば
ね80がねじられることにより回転し、微小回転角D2
以上の領域では一定の第2ダンピング力PB で矢印B方
向に回転する。また第2ダンピング力PB の絶対値は第
1ダンピング力PA の絶対値より大きい値を示し、アー
ム50は矢印A方向には回転しやすく、矢印B方向へは
回転しにくいことが示される。
と巻ばね80を共に備えたテンショナ10の出力特性を
示す図である。横軸はアーム50の回転角、縦軸はテン
ショナ10の出力荷重である。一点鎖線CB 、CA は図
7(a)の直線CB 、CA と同一である。直線TB1およ
びTB2はアーム50が矢印B方向に回転したときのテン
ショナ10の出力荷重を示し、直線TA1およびTA2はア
ーム50が矢印A方向に回転したときのテンショナ10
の出力荷重を示す。
鎖線CB で示されるねじりコイルスプリング40による
出力荷重と、直線SB1で示される巻ばね80による出力
荷重とを加算した値と略一致し、巻ばね80が微小回転
角D2 までねじられることにより増大する第3ダンピン
グ力がねじりコイルスプリング40のねじり力に付与さ
れることが示される。
鎖線CB で示されるねじりコイルスプリング40による
出力荷重と、直線SB2で示される巻ばね80による出力
荷重とを加算した値と略一致し、巻ばね80が微小回転
角D2 から回転角D1 まで回転するときに生じる一定の
回転抵抗PB が第2ダンピング力としてねじりコイルス
プリング40のねじり力に付与されることが示される。
られた巻ばね80の反動により、アーム50が回転角D
1 から回転角D3 まで戻るときに徐々に増大するダンピ
ング力が、ねじりコイルスプリング40のねじり力に抗
して作用することが示される。
鎖線CA で示されるねじりコイルスプリング40の出力
荷重から直線SA で示される巻ばね80の出力荷重を減
算した値と略一致し、巻ばね80が回転角D3 から初期
位置にまで回転するときに生じる一定の回転抵抗PA が
第1ダンピング力として、ねじりコイルスプリング40
のねじり力に抗して作用することが示される。。
期位置から回転角D1 まで回動させると、微小回転角D
2 から回転角D3 までの領域において、アーム50が矢
印B方向に回転するときには第2ダンピング力PB が作
用し(直線TB2)、アーム50が矢印A方向に回転する
ときには絶対値が第2ダンピング力PB より小さい第1
ダンピング力PA のみが作用する(直線TA2)。従っ
て、テンショナ10のプーリ60は矢印B方向には相対
的に遅く移動し、矢印A方向には相対的に早く移動す
る。
までの領域、即ちアーム50の変動が大きい場合には大
きな第1ダンピング力PB が作用する。これに対して、
初期位置から微小回転角D2 までの領域、即ちアーム5
0の変動が小さい場合において、アーム50は巻ばね8
0のばね特性により第3ダンピング力が作用し、振動が
減衰される。さらに、アーム50が矢印B方向に一定の
角度、例えば回転角D 1 まで回転駆動された後矢印A方
向に戻るときには、直線TA1で示すように巻ばね80の
反発力が作用するため、プーリ60は矢印A方向により
早く戻ることができる。
の大きさ、および回転角D1 と回転角D3 との間の角度
の大きさは微小になるように設計されるが、種々の要求
に応じて適切な角度になるよう設計変更が可能である。
0は、従来の油圧式ダンピング機構を備えたテンショナ
と同等の機能を有し、ベルト17を緊張させる方向には
アームの回転抵抗を小さくすることにより、ベルト17
を素早く緊張させることができる。さらに、ダンピング
機構が巻ばね80及びスリーブ28を用いた簡単な構成
であり、従来の油圧式ダンピング機構に比べて部品点数
および組付け工数が減少し、コストの低下、および耐久
性の向上が可能となる。また、油圧式ダンピング機構が
環境温度に依存するのに対し、第1実施形態においては
環境温度に依存することなく、特に高温環境下でも摩擦
力を確実に作用させることができる。
たテンショナの場合、ベルトを緊張させる方向にも、ベ
ルトを弛緩させる方向と同じ荷重の回転抵抗、即ちダン
ピング力が作用するため、ダンピング力を高く設定する
とベルトを素早く緊張させることができなくなるという
問題が生じる。この問題を解決するためにはねじりコイ
ルスプリングのねじり力を高く設定する必要があるが、
ねじり力を高くすると必然的にベルト張力も高くなり、
ベルトの耐久性の低下が問題となる。
おいては、ベルトを緊張させる方向に作用する第1ダン
ピング力PA が、ベルトを弛緩させる方向に作用する第
2ダンピング力PB よりはるかに小さいため、ねじりコ
イルスプリング40のねじり力を高く設定する必要がな
く、上述の問題が解消される。
あり、テンショナの部分断面図である。第1実施形態に
おいてスリーブ28はボルト係合部24に設けられてい
るが、第2実施形態においてスリーブ102はピボット
軸受156に設けられる。第2実施形態において、第1
実施形態と同じ構成には同符号を付し、その説明は省略
する。
備えたスリーブ102がピボット軸受156に設けられ
る。巻ばね80の一端は、内周面80aにおいてスリー
ブ102の外周面102aに密着し、他端側の内周面8
0bにおいてボルト係合部124の外周面124bに密
着している。ボルト係合部124の外径とスリーブ10
2の外径とは、それぞれ巻ばね80の内径に略等しい。
と、巻ばね80がその径が拡大する方向に変形し、スリ
ーブ102の内周面102cはボルト係合部156の外
周面156cに対して摺動する。これによりアーム50
がカップ21に対して矢印A方向へ比較的小さい回転抵
抗、即ちダンピング力を生じながら相対回転する。
回転駆動されると、巻ばね80はその径が縮小する方向
に変形し、巻ばね80の内周面80aがスリーブ102
の外周面102aに対して、あるいはスリーブ102の
内周面102cがピボット軸受156の外周面156c
に対して摺動する。これにより、アーム50がカップ2
1に対して矢印B方向へ比較的大きいダンピング力を生
じながら相対回転する。
様、巻ばねおよびスリーブを備えたダンピング機構が設
けられることにより、テンショナがベルトを緊張させる
方向に生じるダンピング力が小さくなり、テンショナは
ベルトを素早く緊張させることができる。
あり、テンショナの部分断面図である。第1実施形態に
おいてスリーブ28はボルト係合部24に設けられてい
るが、第3実施形態において2つのスリーブ28、20
2がピボット軸受256とボルト係合部24の双方に設
けられる。第3実施形態において、第1実施形態と同じ
構成には同符号を付し、その説明は省略する。
備えた第1スリーブ28がボルト係合部24に設けら
れ、上端にフランジを備えた第2スリーブ202がピボ
ット軸受256に設けられる。巻ばね80の一端は、内
周面80aにおいて第2スリーブ202の外周面202
aに密着し、他端側の内周面80bにおいて第1スリー
ブ28の外周面28bに密着している。第1スリーブ2
8の外径と第2スリーブ202の外径とは、それぞれ巻
ばね80の内径に略等しい。
リーブ28の他に第2スリーブ202を新たに設けた構
成と同じ構成を備えている。これにより、第1実施形態
の構成では対応できない様々な要求、例えばピボット軸
受56と巻ばね80との固着力をより強固にする、ある
いは緩やかにする等の要求に対応することができる。さ
らに材質を変更することにより摩擦係数および強度を変
化させ、さらに多様な設計の要求に応じることができ
る。
態においてスリーブ102の他に第1スリーブ28を新
たに設けた構成としてみなすこともでき、上述の第1実
施形態の場合と同様、第2実施形態の構成では対応でき
ない様々な要求に対応することができる。
施形態と同様、巻ばねおよびスリーブを備えたダンピン
グ機構が設けられることにより、テンショナがベルトを
緊張させる方向に生じるダンピング力が小さくなり、テ
ンショナはベルトを素早く緊張させることができる。
ンショナが示される。第1実施形態と同じ構成には同符
号を付し、説明を省略する。
10を利用した自動車用エンジンのベルトシステムを示
す図である。図1に示す第1実施形態のテンショナ10
と異なる点は、取付位置と付勢方向である。テンショナ
410は矢印B方向にベルト17を付勢する。ベルト1
7の取付時には、アーム50およびプーリ60は矢印A
方向に付勢され、破線の位置に退避させられる。
る。第1実施形態においてはねじりコイルスプリング4
0および巻ばね80は右巻きであったが、第4実施形態
のねじりコイルスプリング440および巻ばね480は
左巻きである。従ってベルト17の付勢方向が、第1実
施形態の矢印A方向とは反対方向である矢印B方向とな
る。
ルスプリング440および巻ばね480の他、ピボット
軸430、プーリ軸受456、スリーブ428の形状で
ある。ピボット軸430はワッシャ438を介してボル
ト係合部24に螺合固定される。ワッシャ438は第1
実施形態の六角形状部38(図2参照)に比べて軸方向
長さが短いため、第1実施形態に比べボルト係合部24
からピボット軸受456までの軸方向の距離が短く設定
できる。
の雌ねじ部材36がプーリ60に干渉しないように、内
周壁の外側に雌ねじ部材36が配設されるが、第4実施
形態においては、ピボット軸430の頭部がフラットに
形成されるため、蓋部53からの突出量が小さくなり、
プーリ460の内周壁460aと干渉しない。従ってボ
ルト62とピボット軸430との軸間距離をより小さく
設定できる。以上の構成により、第1実施形態に比べて
より小型化したテンショナが得られる。
巻ばね480の曲率とほぼ同じ曲率を有する曲面に形成
される。同様に、スリーブ428のフランジの肩部42
9は、巻ばね480の曲率とほぼ同じ曲率の曲面に形成
される。これらの構成により、巻ばね480は両端面の
研削加工を施すことなく、確実にピボット軸受456お
よびスリーブ428に係止される。
トを緊張させる矢印B方向には比較的小さい回転抵抗、
即ちダンピング力を生じながら相対的に早く回転する
が、ベルトを弛緩させる矢印A方向には比較的大きいダ
ンピング力により相対的に遅く回転する。
態と同様、巻ばねおよびスリーブを備えたダンピング機
構が設けられることにより、テンショナがベルトを緊張
させる方向に生じるダンピング力が小さくなり、ベルト
を素早く緊張させることができる。
される。第1実施形態と同じ構成には同符号を付し、説
明を省略する。
て、巻ばね580はねじりコイルスプリング80の外側
に設けられる。ねじりコイルスプリング80は右巻きで
あるが、巻ばね580は左巻きである。アーム550
は、蓋部553の外縁からカップ21側に延びる外周壁
554を備える。外周壁554とカップ開口21bとの
間にはスリーブ528が設けられる。スリーブ528は
円筒部材530と、円筒部材530の一端から軸心から
離れる方向に延びる第1フランジ532と、円筒部材の
他端から軸心に向かって延びる第2フランジ534とを
備える。スリーブ528は、ダンピング機能を有すると
共に、カップ21内への防塵の機能をも有する。
リーブ528の円筒部材530の内径とは、共に巻ばね
580の外径とほぼ同じである。また、アーム550の
蓋部下面553aから第2フランジ534までの距離
は、巻ばね580の軸長さとほぼ同じである。巻ばね5
80は蓋部下面553aと第2フランジ534との間に
設けられ、その外周面はそれぞれ外周壁554の内周面
と円筒部材530の内周面とに密着している。
方向にアーム550が回転すると、巻ばね580はその
径が拡大する方向に変形し、円筒部材530とカップ開
口21bとが密着固定し、巻ばね580とスリーブ52
8とが摺動する。即ち、アーム550と巻ばね580の
みが一体的に回転する。これに対して、ねじりコイルス
プリング80がねじられ状態から戻る方向にアーム55
0が回転すると、巻ばね580は縮小変形し、円筒部材
530とカップ開口21bとが摺動する。即ち、アーム
550と巻ばね580およびスリーブ528とが一体的
に回転する。
およびカップ21に対する摺接面を外側に設けると、巻
ばね580が拡大変形する時に比較的大きな回転抵抗が
発生し、第1実施形態の巻ばね80による作用とは逆に
なる。従って、右巻きのねじりコイルスプリング80の
巻方向と逆方向に巻回された、即ち左巻きの巻ばね58
0を使用することによって、第1実施形態と同様の効果
が得られる。
周面において回転抵抗が発生する場合には、ねじりコイ
ルスプリングと巻ばねのねじり方向は同一である。これ
に対して、第5実施形態のように巻ばねの外周面におい
て回転抵抗が発生する場合には、ねじりコイルスプリン
グと巻ばねのねじり方向は互いに反対方向になる。
形態と同様、巻ばねおよびスリーブを備えたダンピング
機構が設けられることにより、テンショナがベルトを緊
張させる方向に生じるダンピング力が小さくなり、ベル
トを素早く緊張させることができる。
あり、テンショナの部分断面図である。第1実施形態に
おいて巻ばね80の断面形状は円であったが、第6実施
形態において、巻ばね680の断面形状は矩形状を呈し
ている。第6実施形態において、第1実施形態と同じ構
成には同符号を付し、その説明は省略する。
の内周面680aはピボット軸受56の外周面56aに
密着し、内周面680bはスリーブ28の外周面28b
に密着する。
れる巻ばね80と同じであり、説明を省略する。即ち第
6実施形態においても、第1〜第5実施形態と同様、テ
ンショナによってベルトを緊張させる方向に生じるダン
ピング力が小さくなることにより、ベルトを素早く緊張
させることができる。
よびスリーブ28に密着する面積が第1実施形態の巻ば
ね80に比べて大きく、巻ばね80と同じ巻数でもより
大きい回転抵抗を発生させることができる。
トテンショナはアームを一方向にのみ変位自在にするダ
ンピング機構を備える。このダンピング機構によりアー
ムの変位が僅少ない場合には巻ばねの柔軟なばね特性が
作用し、アームの変位が大きく衝撃的な場合には大きな
ダンピング力が作用するので、効果的にベルトの振動を
抑止できる。またこのダンピング機構は環境温度に依存
することなく、特に高温環境下でもダンピング力を確実
に作用させることができる。
べたように作用するため、補機駆動ベルト等の緩みの発
生を確実に防止すると共にベルトの振動を効果的に減衰
して、ベルトを常に最適な緊張状態に保持できる。さら
に本発明によると、小型に設計することが容易となり、
また構成部品が少なく構造が簡単なため、信頼性の高い
安価なオートテンショナが得られる。
を示す図であり、オートテンショナを備えた自動車用エ
ンジンのベルトシステムを示す図である。
る。
示す断面図である。
上面図である。
ップとアームとの連結構造を示す側面図であり、一部を
破断して示す図である。
プリングおよび巻ばねの出力特性を示すグラフである。
近傍の構成を示す側面図であり、一部を破断して示す図
である。
近傍の構成を示す側面図であり、一部を破断して示す図
である。
図であり、オートテンショナを備えた自動車用エンジン
のベルトシステムを示す図である。
ある。
面図である。
ね近傍の構成を示す側面図であり、一部を破断して示す
図である。
7)
ショナは、第1ボス部を有する固定部材と、第1ボス部
に対して同軸的に配置された第2ボス部を有し、先端に
プーリが取付けられ、第2ボス部の周りにおいて第1回
転位置と第2回転位置との間で回転するアームと、アー
ムを第2回転位置から第1回転位置に向かう第1方向に
回転付勢することによりプーリを介してベルトを緊張さ
せる付勢手段と、アームの回転に対する抵抗である第1
ダンピング力とこの第1ダンピング力より大きい第2ダ
ンピング力とを発生させることによりベルトの振動を減
衰させるダンピング手段とを備え、アームが第1方向に
回転するときに第1ダンピング力がアームに作用し、第
1方向の逆方向である第2方向にアームが回転するとき
に第2ダンピング力がアームに作用する。このようなオ
ートテンショナにおいて、第1および第2ボス部がそれ
ぞれアームの回転軸を軸心とする第1および第2の円筒
面を備え、ダンピング手段が巻ばねとアーム回転軸を軸
心とする第1および第2スリーブの少なくとも一方とを
備え、巻ばねの2つの端部が第1および第2ボス部にそ
れぞれ嵌合することにより固定部材とアームとが連結さ
れ、第1スリーブは第1円筒面と巻ばねとの間に、また
第2スリーブは第2円筒面と巻ばねとの間に設けられる
ことが特徴とされる。
くは、所定の回転範囲内において、第1摩擦力と第2摩
擦力との絶対値の大きさがそれぞれ一定であり、第1摩
擦力の絶対値の大きさと第2摩擦力の絶対値の大きさと
が所定の回転角範囲内の各角度位置において異なる値で
ある。この所定の回転範囲は、第1回転位置と第2回転
位置との間に位置する第3回転位置と、この第3回転位
置と第2回転位置との間に位置する第4回転位置との間
の範囲である。通常オートテンショナは、第1回転位置
と第3回転位置との間の回転範囲、および第2回転位置
と第4回転位置との間の回転範囲が微小角度範囲になる
ように設計されるが、種々の要求に応じて適切な回転範
囲になるよう適宜設計変更される。
アームが第1回転位置側から第2方向に回転するときに
第3回転位置から第2回転位置までの範囲において、巻
ばねとスリーブとが巻ばねクラッチとして作動し、巻ば
ねと第1または第2スリーブとの間、または第1スリー
ブと第1ボス部との間、または第2スリーブと第2ボス
部との間で摩擦摺動が生じる。
2スリーブは、アーム回転軸に平行な開口部を備えても
よく、またポリエーテルサルフォンを主成分とする樹
脂、またはナイロン等のプラスチック材料、または含油
軸受に代表される合金材料により成型されてもよい。
Claims (21)
- 【請求項1】 第1ボス部を有する固定部材と、 前記第1ボス部に対して同軸的に配置された第2ボス部
を有し、先端にプーリが取付けられ、前記第2ボス部の
周りにおいて第1回転位置と第2回転位置との間で回転
するアームと、 前記アームを第2回転位置から第1回転位置に向かう第
1方向に回転付勢することにより前記プーリを介してベ
ルトを緊張させる付勢手段と、 2つの端部が前記第1および第2ボス部にそれぞれ嵌合
することにより、前記固定部材と前記アームとを連結す
る巻ばねを有し、前記アームの回転に対する抵抗である
第1ダンピング力とこの第1ダンピング力より大きい第
2ダンピング力とを発生させることにより前記ベルトの
振動を減衰させるダンピング手段とを備え、 前記アームが前記第1方向に回転するときに前記第1ダ
ンピング力が前記アームに作用し、前記第1方向の逆方
向である第2方向に前記アームが回転するときに前記第
2ダンピング力が前記アームに作用することを特徴とす
るオートテンショナ。 - 【請求項2】 前記第1ダンピング力の絶対値が実質的
に0であることを特徴とする請求項1に記載のオートテ
ンショナ。 - 【請求項3】 前記アームが第2回転位置側から前記第
1方向に回転するときに、前記第1回転位置と第2回転
位置との間の所定の回転範囲において、前記アームの回
転により生じる第1摩擦力が前記第1ダンピング力とし
て作用し、前記アームが前記第1回転位置側から前記第
2方向に回転するときに、前記回転範囲において前記第
1摩擦力より大きく前記アームの回転により生じる第2
摩擦力が前記第2ダンピング力として作用することを特
徴とする請求項1に記載のオートテンショナ。 - 【請求項4】 前記回転範囲内において、前記第1摩擦
力と前記第2摩擦力との絶対値の大きさがそれぞれ一定
であり、前記第1摩擦力の絶対値の大きさと前記第2摩
擦力の絶対値の大きさとが前記回転角範囲内の各角度位
置において非対称である請求項3に記載のオートテンシ
ョナ。 - 【請求項5】 前記回転範囲が、前記第1回転位置と第
2回転位置との間に位置する第3回転位置と、この第3
回転位置と第2回転位置との間に位置する第4回転位置
との間の範囲であることを特徴とする請求項4に記載の
オートテンショナ。 - 【請求項6】 前記アームが前記第1回転位置側から前
記第3回転位置まで前記第2方向に回転するときに、前
記アームの回転角に比例して増大する第3ダンピング力
が前記アームに作用することを特徴とする請求項5に記
載のオートテンショナ。 - 【請求項7】 前記第1または第2ボス部と前記巻ばね
との間にスリーブが設けられ、前記アームが前記第1回
転位置側から前記第2方向に回転するときに前記第3回
転位置から前記第2回転位置までの範囲において、前記
巻ばねと前記スリーブとが前記アームの回転を制動する
巻ばねクラッチとして作動し、前記巻ばねと前記スリー
ブとの間、または前記スリーブと前記第1または第2ボ
ス部との間で、摩擦摺動が生じることを特徴とする請求
項5に記載のオートテンショナ。 - 【請求項8】 前記巻ばねが矩形断面を有する線材によ
り成形されることを特徴とする請求項1に記載のオート
テンショナ。 - 【請求項9】 前記第1および第2ボス部が、それぞれ
前記アームの回転軸を軸心とする第1および第2円筒面
を備えることを特徴とする請求項1に記載のオートテン
ショナ。 - 【請求項10】 前記ダンピング手段が、前記第1円筒
面と前記巻ばねとの間に設けられ前記アーム回転軸を軸
心とする第1スリーブ、または前記第2円筒面と前記巻
ばねとの間に設けられ前記アーム回転軸を軸心とする第
2スリーブの少なくとも一方を備えることを特徴とする
請求項9に記載のオートテンショナ。 - 【請求項11】 前記第1および第2スリーブが前記ア
ーム回転軸に平行な開口部を備えることを特徴とする請
求項10に記載のオートテンショナ。 - 【請求項12】 前記第1および第2スリーブがポリエ
ーテルサルフォンを主成分とする樹脂や、少なくともナ
イロンを含むプラスチック材料、または含油軸受に用い
られる合金材料により成型されることを特徴とする請求
項10に記載のオートテンショナ。 - 【請求項13】 前記第1または第2円筒面が、それぞ
れ前記第1または第2ボス部の外周面であることを特徴
とする請求項11に記載のオートテンショナ。 - 【請求項14】 前記巻ばねが、前記第1円筒面または
前記第1スリーブの外周面と、前記第2円筒面または前
記第2スリーブの外周面との双方に密着することによ
り、前記第1ボス部または前記第1スリーブと、前記第
2ボス部または前記第2スリーブとが連結されることを
特徴とする請求項13に記載のオートテンショナ。 - 【請求項15】 前記巻ばねが、前記第1円筒面または
第1スリーブの外周面において少なくとも1巻が密着
し、前記第2円筒面または前記第2スリーブの外周面に
おいて少なくとも1巻が密着していることを特徴とする
請求項14に記載のオートテンショナ。 - 【請求項16】 前記巻ばねが一定の曲率で巻回され、
前記第1円筒面の半径または第1スリーブの外周面の半
径と、前記第2円筒面の半径または前記第2スリーブの
外周面の半径とが、前記巻ばねの内側の半径とほぼ同じ
長さであることを特徴とする請求項14に記載のオート
テンショナ。 - 【請求項17】 前記巻ばねの両端が前記曲率と同じ曲
率を有する円弧状を呈していることを特徴とする請求項
16に記載のオートテンショナ。 - 【請求項18】 前記巻ばねの一端が、前記第1ボス部
に形成された環状のばね受座または前記第1スリーブの
フランジに係合し、前記巻ばねの他端が、前記第2ボス
部に形成された環状のばね受座または前記第2スリーブ
のフランジに密着することを特徴とする請求項14に記
載のオートテンショナ。 - 【請求項19】 前記付勢手段が、前記アーム回転軸周
りに巻回されたねじりコイルスプリングであり、前記巻
ばねと前記ねじりコイルスプリングとの巻方向が共に同
じ巻方向であることを特徴とする請求項14に記載のオ
ートテンショナ。 - 【請求項20】 前記第1または第2円筒面が、それぞ
れ前記第1または第2ボス部の内周面であることを特徴
とする請求項11に記載のオートテンショナ。 - 【請求項21】 前記付勢手段が、前記アーム回転軸周
りに巻回されたねじりコイルスプリングであり、前記巻
ばねと前記ねじりコイルスプリングとの巻方向が互いに
反対の巻方向であることを特徴とする請求項20に記載
のオートテンショナ。
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