JP2000018158A - クライオポンプおよびクライオポンプによるキセノンガスの凝縮方法 - Google Patents

クライオポンプおよびクライオポンプによるキセノンガスの凝縮方法

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JP2000018158A
JP2000018158A JP10183977A JP18397798A JP2000018158A JP 2000018158 A JP2000018158 A JP 2000018158A JP 10183977 A JP10183977 A JP 10183977A JP 18397798 A JP18397798 A JP 18397798A JP 2000018158 A JP2000018158 A JP 2000018158A
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cryopump
gas
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Yuichi Kita
雄一 喜多
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キセノンガスを第2クライオパネルでのみ凝
縮する。 【解決手段】 コントローラ41は、第2ヒータ31,
第1ヒータ32,窒素パージバルブ34,排気バルブ3
5,粗引きバルブ36,粗引きポンプ,圧力センサ37,第
2温度センサ39,第1温度センサ40および圧縮機4
2を制御して、第1クライオパネル27の温度T1を8
0K<T1<120Kに保つ一方、第2クライオパネル
28の温度T2をT2≦20Kに保つ。こうして、総ての
キセノンガスを第2クライオパネル28のみで凝縮させ
る。したがって、キセノンガスの離脱に起因する真空チ
ャンバ内の真空度のふらつきをなくすことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、キセノンガスを
効率よく排気できるクライオポンプ、および、クライオ
ポンプによるキセノンガスの凝縮方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体製造装置等における真
空チャンバ内の真空引きに、図6に示すようなクライオ
ポンプが用いられている。このクライオポンプ1は、2
段の膨張シリンダを備えた2段膨張式冷凍機2の1段目
の膨張シリンダ(以下、第1膨張シリンダと言う)3に第
1クライオパネル5を取り付け、さらに2段目の膨張シ
リンダ(第2膨張シリンダと言う)4に第2クライオパネ
ル6を取り付け、この第2クライオパネル6の内側に活
性炭7を張り付け、第1,第2クライオパネル5,6全体
をケーシング8を覆って形成されている。このような構
成を有するクライオポンプ1は、ケーシング8先端の開
口部がゲートバルブ11を介して真空チャンバ9の排気
口に取り付けられる。そして、50K〜120Kに冷却
された第1クライオパネル5およびバッフル10で真空
チャンバ9内の水蒸気を凍結捕集して排気し、10K〜
20Kに冷却された第2クライオパネル6で真空チャン
バ9内の窒素ガスや酸素ガスやアルゴンガス等を凝縮し
て排気し、活性炭7で真空チャンバ9内の水素ガス等を
吸着して排気する。
【0003】ところで、上記半導体製造装置では、プロ
セスガスとしてキセノンガスを用いる場合がある。この
キセノンガスの凝縮温度は、従来よりクライオポンプで
排気しているヘリウムガス,水素ガス,アルゴンガス,窒
素ガス,酸素ガスよりも高く、水蒸気よりも低い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のクライオポンプにおいては、以下のような問題があ
る。すなわち、上記クライオポンプにおいては、排気対
象のガスの凝縮温度に応じて各ガスを溜め込むパネルを
以下のように設定している。 第2クライオパネル6の活性炭7(20K以下)→ 水素
ガス,ヘリウムガス,ネオンガスを吸着 第2クライオパネル6(20K以下)→ 窒素ガス,酸素ガ
ス,アルゴンガスを凝縮 第1クライオパネル5およびバッフル10(50K〜1
20K付近)→ 水蒸気を凝縮 ところが、キセノンガスの凝縮温度は、第1クライオパ
ネル5の温度および第2クライオパネル6の温度に対し
て中途半端な温度であるために、総てのキセノンガスが
第2クライオパネル6に凝縮されずに、一部は第1クラ
イオパネル5やバッフル10に凝縮される。
【0005】ところで、上記第1クライオパネル5やバ
ッフル10の温度は、下記の点で不安定である。 水蒸気の凝縮量が増えると温度が上昇する。 上記第1クライオパネル5はバッフル10と熱接触
しており、バッフル10に対する真空チャンバ9からの
熱負荷の変動または真空チャンバ9内のランプのオン/
オフによってバッフル10の温度が大きく変動する。そ
のため、第1クライオパネル5の温度もその影響を受け
て不安定になる。 上記バッフル10は、たいていニッケルメッキ等で
輻射熱や光の影響を跳ね返すようになっているのではあ
るが、半導体製造工程において生ずる各種生成物がバッ
フル10を汚すことによって反射率が低下して温度が上
昇する。
【0006】したがって、1度上記第1クライオパネル
5上で凝縮したキセノンガスは、第1クライオパネル5
の温度が上昇した際には再度離脱して、真空チャンバ9
内を遊離することになる。そのために、真空チャンバ9
内の真空度がふらつくという問題がある。
【0007】そこで、この発明の目的は、キセノンガス
を第2クライオパネルにのみ凝縮できるクライオポン
プ、および、クライオポンプによるキセノンガスの凝縮
方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、2段冷凍機の1段目のヒー
トステージに取り付けられた第1クライオパネルと2段
目のヒートステージに取り付けられた第2クライオパネ
ルとに,真空チャンバ内のプロセスガスを凍結捕集して,
上記真空チャンバを真空排気するクライオポンプにおい
て、上記第1クライオパネルの温度は73.5K以上で
あり、上記第2クライオパネルの温度は20K以下であ
ることを特徴としている。
【0009】温度73.5Kでのキセノンガスの蒸気圧
は10-1Paである。したがって、キセノンガスを凝縮
させるには温度を73.5Kより低くする必要がある。
上記構成によれば、第1クライオパネルの温度は73.
5K以上である。したがって、キセノンガスは上記第1
クライオパネルで凝縮することはない。一方、第2クラ
イオパネルの温度は20K以下である。したがって、キ
セノンガスは上記第2クライオパネルで凝縮される。つ
まり、キセノンガスは上記第2クライオパネルで選択的
に凍結捕集されて真空排気される。
【0010】また、請求項2に係る発明は、2段冷凍機
の1段目のヒートステージに取り付けられた第1クライ
オパネルと2段目のヒートステージに取り付けられた第
2クライオパネルとに,真空チャンバ内のプロセスガス
を凍結捕集して,上記真空チャンバを真空排気するクラ
イオポンプにおいて、上記第1クライオパネルの温度を
検知して検知信号を出力する第1温度センサと、上記第
2クライオパネルの温度を検知して検知信号を出力する
第2温度センサと、上記第1クライオパネルを加熱する
ヒータと、上記第1温度センサおよび第2温度センサか
らの検知信号に基づいて,上記ヒータを制御して,上記第
1クライオパネルの温度を73.5K以上にする一方,上
記第2クライオパネルの温度を20K以下にする制御手
段を備えたことを特徴としている。
【0011】上記構成によれば、制御手段によって、第
1,第2クライオパネルの温度を検知する第1,第2温度
センサからの検知信号に基づいて、上記第1クライオパ
ネルを加熱するヒータが制御されて、上記第1クライオ
パネルの温度が73.5K以上に保たれる一方、上記第
2クライオパネルの温度が20K以下に保たれる。した
がって、キセノンガスは上記第1クライオパネルで凝縮
することはなく、上記第2クライオパネルで凝縮され
る。つまり、キセノンガスは上記第2クライオパネルで
選択的に凍結捕集されて真空排気される。
【0012】また、請求項3に係る発明は、2段冷凍機
の1段目のヒートステージに取り付けられた第1クライ
オパネルと2段目のヒートステージに取り付けられた第
2クライオパネルとに,真空チャンバ内のプロセスガス
を凍結捕集して,上記真空チャンバを真空排気するクラ
イオポンプにおいて、上記1段目のヒートステージと上
記第1クライオパネルとの間に低熱伝導物を挿設したこ
とを特徴としている。
【0013】上記構成によれば、上記1段目のヒートス
テージと上記第1クライオパネルとの間に低熱伝導物が
挿設されている。したがって、上記1段目のヒートステ
ージと上記第1クライオパネルとの間の熱伝導率が低下
され、その結果上記第1クライオパネルの温度が上昇す
る。すなわち、上記低熱伝導物の材質や寸法を選ぶこと
によって、上記第1クライオパネルの温度が73.5K
以上に保たれる。
【0014】また、請求項4にかかる発明のクライオポ
ンプによるキセノンガスの凝縮方法は、請求項1に係る
発明のクライオポンプを用いて、真空チャンバ内のキセ
ノンガスを第2クライオパネルのみに凝縮させることを
特徴としている。
【0015】上記構成によれば、真空チャンバ内のキセ
ノンガスは第2クライオパネルのみに凝縮されて、温度
が不安定な第1クライオパネルには凝縮されない。した
がって、温度が20K以下である第2クライオパネルに
凝縮されキセノンガスは、第1クライオパネルの温度が
不安定になっても離脱することは無く、上記真空チャン
バ内の真空度がふらつくことはない。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図示の実施の形
態により詳細に説明する。図1は、本実施の形態のクラ
イオポンプにおける概略構成図である。クライオポンプ
21には、2段の膨張シリンダ23,24を備えた2段
膨張式冷凍機22が用いられている。
【0017】1段目の第1膨張シリンダ23におけるヒ
ートステージ(第1ヒートステージ)25には、有底の円
筒形を成す第1クライオパネル27の底面の中央を取り
付けている。また、2段目の第2膨張シリンダ24にお
けるヒートステージ(第2ヒートステージ)26には、第
2クライオパネル28の天面の中心を取り付けている。
【0018】そして、上記第1クライオパネル27やそ
の先端部に取り付けられたバッフル29で、バッフル2
9に接続され真空チャンバ(図示せず)内の水蒸気を凍結
捕集して排気する。一方、第2クライオパネル28によ
って、第1クライオパネル27で排気できない上記真空
チャンバ内の酸素ガス,窒素ガスおよびアルゴンガス等
を凍結捕集し、水素ガス,ヘリウムガス,ネオンガスは第
2クライオパネル28に一体に設けられた平板30に張
り付けられた活性炭(図示せず)に吸着して排気する。
【0019】上記第1ヒートステージ25及び第2ヒー
トステージ26には、両ヒートステージ25,26を加
熱して凍結補集されているガス分子を蒸発させるための
第1,第2ヒータ32,31が取り付けられている。ま
た、窒素パージバルブ34は、上記水素ガス等が吸着さ
れている活性炭を再生し、且つ、ケーシング33内の再
生ガスを排出する場合に開放されて、ケーシング33内
に窒素ガスを導入する。排気バルブ35は、蒸発または
離脱した上記再生ガスをクライオポンプ外に排気する場
合に開放される。粗引きバルブ36は、再生処理が終了
して上記クールダウンに移行する場合に、ケーシング3
3内を粗引きする際に開放される。圧力センサ37は、
ケーシング33内の圧力を検出して圧力信号を出力す
る。第1,第2ヒートステージ25,26に取り付けられ
た温度センサ40,39は、ヒートステージ温度を検出
して温度信号を出力する。
【0020】コントローラ41は、上記圧力センサ37
からの圧力信号および温度センサ39,40からの温度
信号に基づいて、ヒータ31・32,窒素パージバルブ3
4,排気バルブ35,粗引きバルブ36および圧縮機42
等を制御して、第1,第2クライオパネル27,28を加
熱して捕集/吸着されているガスを排出する再生処理、
および、再度第1,第2クライオパネル27,28を20
Kの低温まで冷却するクールダウンを行う。さらに、以
下に述べるような真空排気処理を行う。
【0021】図2は、上記コントローラ41によって実
行される真空排気処理動作のフローチャートである。以
下、図2にしたがって、本実施の形態における真空排気
処理動作について説明する。
【0022】ステップS1で、以下のようにしてクライ
オポンプ21が起動される。先ず、粗引きバルブ36が
開放される一方、粗引きポンプ(図示せず)が駆動され
て、ケーシング33内を粗引きする。そして、ケーシン
グ33内の圧力が所定圧になると圧縮機42が起動され
て、第1,第2クライオパネル27,28を20Kの低温
まで冷却するクールダウンが行われる。
【0023】ステップS2で、第2温度センサ39から
の温度信号に基づいて、第2クライオパネル28の温度
が20Kに到達したか否かが判別される。その結果、2
0Kに到達したと判別されるとステップS3に進む。ス
テップS3で、第1温度センサ40からの温度信号に基
づいて、第1クライオパネル27の温度が80Kより低
下したか否かが判別される。その結果、80Kより低下
したと判別されるとステップS4に進み、そうでなけれ
ばステップS4をスキップする。
【0024】ここで、温度73.5Kにおけるキセノン
ガスの蒸気圧は10-1Pa(≒10-3Torr)であり、上記
真空チャンバのベース圧(10-4Torr)に比較しても十
分に低い。したがって、キセノンガスを上記第2クライ
オパネル28にのみ選択的に凝縮させる場合には、第1
クライオパネル27の温度は73.5Kより高くする一
方、第2クライオパネル28の温度は73.5Kより低
くする必要がある。さらに、温度120Kにおける水の
蒸気圧は10-9Pa(≒10-11Torr)である。したがっ
て、第1クライオパネル27の温度は120K以下であ
ればよい。そこで、本実施の形態においては、第1クラ
イオパネル27の温度T1を80K<T1<120Kとす
る。一方、第2クライオパネル28の温度T2をT2≦2
0Kとするのである。
【0025】ステップS4で、上記第1クライオパネル
27の温度T1が80Kより低下したので、第1ヒータ
32をオンして第1クライオパネル27を加熱する。ス
テップS5で、第1温度センサ40からの温度信号に基
づいて、第1クライオパネル27の温度T1が120K
より上昇したか否かが判別される。その結果、120K
より上昇したと判別されるとステップS6に進み、そう
でなければステップS6をスキップする。ステップS6
で、第1クライオパネル27の温度T1が120Kより
上昇したので、第1ヒータ32をオフして第1クライオ
パネル27の加熱を停止する。ステップS7で、上記第
2温度センサ39からの温度信号に基づいて、第2クラ
イオパネル28の温度T2が20Kより上昇したか否か
が判別される。その結果、20Kより上昇したと判別さ
れるとステップS8に進む一方、そうでなければステッ
プS3に戻って第1クライオパネル27の温度T1が80
Kより低下した場合の処理に移行する。こうして、上記
ステップS3〜ステップS7によって、上記第1クライオ
パネル27の温度T1を80K<T1<120Kに保つの
である。
【0026】ステップS8で、上記圧力センサ37から
の圧力信号および温度センサ39,40からの温度信号
に基づいて、ヒータ31・32,窒素パージバルブ34,
排気バルブ35,粗引きバルブ36および圧縮機42等
を制御して、上記再生処理が行われる。ステップS9
で、圧力センサ37からの圧力信号に基づいて、ケーシ
ング33内の再生ガスが排気されて圧力が所定圧力まで
低下したか否かを判別することによって、再生が完了し
たか否かが判別される。そして、再生が完了したと判別
されると、上記ステップS1に戻ってクライオポンプが
起動されてクールダウンが行われる。こうして、第2ク
ライオパネル28の温度T2をT2≦20Kに保つのであ
る。
【0027】上述のように、本実施の形態においては、
上記コントローラ41によって、第1ヒータ32,第2
ヒータ31,窒素パージバルブ34,排気バルブ35,粗
引きバルブ36,上記粗引きポンプ,圧力センサ37,第
2温度センサ39,第1温度センサ40及び圧縮機42
を制御して、第1クライオパネル27の温度T1を80
K<T1<120Kに保つ一方、第2クライオパネル2
8の温度T1をT1≦20Kに保つようにしている。した
がって、第1クライオパネル27およびバッフル29に
は、水蒸気は凝縮されるがキセノンガスは凝縮されな
い。また、第2クライオパネル28には、キセノンガ
ス,窒素ガス,酸素ガス,アルゴンガスが凝縮される。ま
た、上記活性炭には、窒素ガス,ヘリウムガス,ネオンガ
スが吸着される。
【0028】したがって、本実施の形態によれば、総て
のキセノンガスは第2クライオパネル28で凝縮するこ
とになる。したがって、例え第1クライオパネル27お
よびバッフル29の温度が不安定であっても1度第2ク
ライオパネル28上に凍結捕集されたキセノンガスが再
度離脱することはなく、上記真空チャンバ内の真空度が
ふらつくことは無いのである。
【0029】上記実施の形態においては、上記第1ヒー
トステージ25に第1ヒータ32を設けることによっ
て、第1クライオパネル27が80K以下まで冷却され
ないようにしている。ところが、第1クライオパネル2
7の温度を80Kより高く保つ方法はこれに限定される
ものではなく、第1ヒートステージ25と第1クライオ
パネル27との間の熱伝導率を低下させる方法や、第1
ヒートステージ25の冷熱量を減らす方法や、第1ヒー
トステージ25の輻射熱量を増加する方法等がある。
【0030】第2実施の形態は、上記第1ヒートステー
ジと第1クライオパネルの間の熱伝導率を低下させる実
施の形態である。図3は、本実施の形態のクライオポン
プにおける第1ヒートステージ51近傍の拡大図であ
る。本実施の形態においては、第1ヒートステージ51
における第1クライオパネル52取り付け用のフランジ
53と第1クライオパネル52との間に、板状のステン
レスやプラスチック等の低熱伝導物質54を鋏み込むの
である。こうして、第1ヒートステージ51と第1クラ
イオパネル52との間の熱伝導率を低下させることによ
って、第1クライオパネル52が80K以下まで冷却さ
れないようにし、第1クライオパネル52でキセノンガ
スが凝縮しないようにするのである。
【0031】尚、上記第1ヒートステージと第1クライ
オパネルの間の熱伝導率の低下は、第1ヒートステージ
と第1クライオパネルとの間の接触面積を減らすことに
よっても得られる。その場合における第1ヒートステー
ジと第1クライオパネルとの間の接触面積を減らす方法
としては、 (a) 上記第1ヒートステージと第1クライオパネルと
の接触面における何れか一方の粗度を十点平均粗さRZ
100以上にする。 (b) 上記第1ヒートステージと第1クライオパネルと
の間に板ばねや多孔板を挿入する。 等が考えられる。
【0032】第3実施の形態は、上記第1ヒートステー
ジの冷熱量を減らすことによって第1クライオパネルの
温度を80Kより高く保つ実施の形態である。図4は、
本実施の形態のクライオポンプにおける2段膨張式冷凍
機のディスプレーサの断面、および、このディスプレー
サの長さ方向の各位置と温度との関係を示す。ディスプ
レーサ61は、上記2段膨張式冷凍機の1段目の膨張シ
リンダ内に摺動可能に収納されて蓄熱材64を収納して
いる第1ディスプレーサ62と、上記2段膨張式冷凍機
の2段目の膨張シリンダ内に摺動可能に収納されて蓄熱
材65を収納している第2ディスプレーサ63とが、一
体に連結されて構成される。
【0033】本実施の形態においては、上記第1ディス
プレーサ62内の蓄熱材64として鉛スクリーン(また
は、銅スクリーンやSUSスクリーン)を用い、第2デ
ィスプレーサ63内の蓄熱材65として鉛球を用いてい
る。上記2段膨張式冷凍機においては、圧縮機から供給
された高圧冷媒は、第1ディスプレーサ62における反
第2ディスプレーサ63側の給排口62aから室66内
に進入し、室66内の蓄冷材64と熱交換を行いながら
給排口62bから排出される。したがって、第1ディス
プレーサ62内には、図4に示すように給排口62aか
ら給排口62bに向かって一様に低下する温度勾配が生
ずる。
【0034】そこで、本実施の形態においては、上記第
1ディスプレーサ62の長さを短くすることによって、
第1ディスプレーサ62の先端温度を80K以上にする
のである。通常、第1ディスプレーサ62の長さAと第
2ディスプレーサ63の長さBとの比はA:B=1:
0.5〜1:1.2であるものを、本実施の形態において
は、A:B=1:1.2〜1:2にする。こうして、相
対的に第1ディスプレーサ62の長さを短くすることに
よって、図4に実線Cで示すように第1ディスプレーサ
62の先端温度は80K以上になる(一点鎖線Dは、従
来のディスプレーサによる温度曲線)。したがって、上
記第1クライオパネルではキセノンガスが凝縮せず、上
記第2クライオパネルのみで凝縮させることができる。
尚、上述の効果は、上記第1ディスプレーサ62の室6
6の長さを、第2ディスプレーサ63の室67の長さに
対して相対的に短くしても得ることができる。
【0035】さらに、上記第1ヒートステージの冷熱量
を減らすことは、上記第1ディスプレーサの蓄冷材とし
て、従来から使用されている鉛,銅あるいはSUSのス
クリーンよりも低熱伝導率または低比熱のナイロンやテ
トロン等の高分子物質を使用しても可能である。
【0036】図5は、上記第1ディスプレーサ71,7
5の蓄冷材として、銅スクリーンとナイロンとの2種類
を用いた場合の温度曲線を示す。図5(a)は、第1ディ
スプレーサ71の先端側から銅スクリーン層72とナイ
ロン層73との2層に形成した場合であり、図5(b)
は、第1ディスプレーサ75の先端側からナイロン層7
6と銅スクリーン層77との2層に形成した場合であ
る。何れの場合にも、ナイロン層73,76における温
度曲線の傾きが緩やかになり、第1ディスプレーサ7
1,75の先端温度を80K以上にすることが可能にな
る。
【0037】第4実施の形態においては、上記第1ヒー
トステージの輻射熱量を増加することによって、第1ク
ライオパネルの温度を80Kより高く保つのである。
尚、上記第1ヒートステージの輻射熱量を増加する方法
としては特に限定するものではないが、例えば上記第1
ヒートステージを黒く塗る方法等が考えられる。
【0038】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1に係
る発明のクライオポンプにおける第1クライオパネルの
温度は73.5K以上であり、第2クライオパネルの温
度は20K以下であるので、キセノンガスは上記第1ク
ライオパネルで凝縮することはなく、上記第2クライオ
パネルのみで凝縮できる。したがって、キセノンガスを
上記第2クライオパネルで選択的に凍結捕集できる。す
なわち、本実施の形態によれば、温度が20K以下であ
る上記第2クライオパネルに凍結捕集されたキセノンガ
スは、上記第1クライオパネルの温度が不安定であって
も離脱することは無く、上記キセノンガスの離脱に起因
する上記真空チャンバ内の真空度のふらつきを防止でき
る。
【0039】また、請求項2に係る発明のクライオポン
プは、制御手段によって、上記第1クライオパネルの温
度を検知する第1温度センサ、及び、上記第2クライオ
パネルの温度を検知する第2温度センサからの検知信号
に基づいて、上記第1クライオパネルを加熱するヒータ
を制御して、上記第1クライオパネルの温度を73.5
K以上にする一方、上記第2クライオパネルの温度を2
0K以下にするので、キセノンガスは上記第1クライオ
パネルで凝縮することなく、上記第2クライオパネルの
みで凝縮する。したがって、キセノンガスを温度が20
K以下の上記第2クライオパネルで選択的に凍結捕集す
ることができ、キセノンガスの上記クライオパネルから
の離脱に起因する上記真空チャンバ内の真空度のふらつ
きを防止できる。
【0040】また、請求項3に係る発明は、1段目のヒ
ートステージと第1クライオパネルとの間に低熱伝導物
を挿設したので、上記1段目のヒートステージと上記第
1クライオパネルとの間の熱伝導率を低下させて、上記
第1クライオパネルの温度を上昇できる。したがって、
この発明によれば、上記低熱伝導物の材質や寸法を選ぶ
ことによって、上記第1クライオパネルの温度を73.
5K以上に保つことができる。すなわち、この発明によ
れば、キセノンガスを上記第2クライオパネルで選択的
に凍結捕集することができ、キセノンガスのクライオパ
ネルからの離脱に起因する上記真空チャンバ内の真空度
のふらつきを防止できる。
【0041】また、請求項4にかかる発明のクライオポ
ンプによるキセノンガスの凝縮方法は、請求項1に係る
発明のクライオポンプを用いて、真空チャンバ内のキセ
ノンガスを第2クライオパネルのみに凝縮させるので、
真空チャンバ内のキセノンガスを第2クライオパネルで
選択的に凍結捕集できる。したがって、温度が20K以
下である第2クライオパネルに凍結捕集されキセノンガ
スは第1クライオパネルの温度が不安定になっても離脱
することが無く、上記離脱に起因する上記真空チャンバ
内の真空度のふらつきを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のクライオポンプにおける概略構成図
である。
【図2】図1におけるコントローラによって実行される
真空排気処理動作のフローチャートである。
【図3】図1とは異なるクライオポンプにおける第1ヒ
ートステージ近傍の拡大図である。
【図4】図1および図3とは異なるクライオポンプにお
けるディスプレーサ位置と温度との関係を示す図であ
る。
【図5】第1ディスプレーサの蓄冷材として銅スクリー
ンとナイロンとを用いた場合の温度曲線を示す図であ
る。
【図6】従来のクライオポンプにおける要部断面図であ
る。
【符号の説明】
21…クライオポンプ、 22…2段膨張
式冷凍機、25,51…第1ヒートステージ、 26
…第2ヒートステージ、27…第1クライオパネル、
28…第2クライオパネル、29…バッフル、
31,32…ヒータ、34…窒素
パージバルブ、 35…排気バルブ、36…
粗引きバルブ、 37…圧力センサ、3
9,40…温度センサ、 41…コントロー
ラ、54…低熱伝導物質、 61…ディ
スプレーサ、62,71,75…第1ディスプレーサ、6
3…第2ディスプレーサ、 64,65…蓄熱
材、66,67…室、 72,76
…銅スクリーン、73,77…ナイロン。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2段冷凍機(22)の1段目のヒートステ
    ージ(25)に取り付けられた第1クライオパネル(27)
    と2段目のヒートステージ(26)に取り付けられた第2
    クライオパネル(28)とに、真空チャンバ内のプロセス
    ガスを凍結捕集して、上記真空チャンバを真空排気する
    クライオポンプ(21)において、 上記第1クライオパネル(27)の温度は73.5K以上
    であり、 上記第2クライオパネル(28)の温度は20K以下であ
    ることを特徴とするクライオポンプ。
  2. 【請求項2】 2段冷凍機(22)の1段目のヒートステ
    ージ(25)に取り付けられた第1クライオパネル(27)
    と2段目のヒートステージ(26)に取り付けられた第2
    クライオパネル(28)とに、真空チャンバ内のプロセス
    ガスを凍結捕集して、上記真空チャンバを真空排気する
    クライオポンプ(21)において、 上記第1クライオパネル(27)の温度を検知して検知信
    号を出力する第1温度センサ(40)と、 上記第2クライオパネル(28)の温度を検知して検知信
    号を出力する第2温度センサ(39)と、 上記第1クライオパネル(27)を加熱するヒータ(32)
    と、 上記第1温度センサ(40)および第2温度センサ(39)
    からの検知信号に基づいて、上記ヒータ(32)を制御し
    て、上記第1クライオパネル(27)の温度を73.5K
    以上にする一方、上記第2クライオパネル(28)の温度
    を20K以下にする制御手段(41)を備えたことを特徴
    とするクライオポンプ。
  3. 【請求項3】 2段冷凍機(22)の1段目のヒートステ
    ージ(51)に取り付けられた第1クライオパネル(52)
    と2段目のヒートステージに取り付けられた第2クライ
    オパネルとに、真空チャンバ内のプロセスガスを凍結捕
    集して、上記真空チャンバを真空排気するクライオポン
    プにおいて、 上記1段目のヒートステージ(51)と上記第1クライオ
    パネル(52)との間に低熱伝導物(54)を挿設したこと
    を特徴とするクライオポンプ。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のクライオポンプを用い
    て、真空チャンバ内のキセノンガスを第2クライオパネ
    ル(28)のみに凝縮させることを特徴とするクライオポ
    ンプによるキセノンガスの凝縮方法。
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