JP6552335B2 - クライオポンプの再生方法 - Google Patents
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Description
またスパッタリング、蒸着、イオン注入等を行う真空処理装置では処理に必要なガラス基板や樹脂基板及びそのキャリアが加熱され、その際に水蒸気等が大量に発生することがある。これらによる水蒸気の分圧が高いと真空処理によって得られる製品の品質の歩留まりが悪くなることがあり、水蒸気分圧を低くすることが通常行われている。
そのため、凍結した後もしくは凍結する前に一旦ガスパージによりポンプ内の圧力を大気圧に戻すことによって解氷し、再び粗引きポンプで減圧する操作を繰り返す手法も従来行われているが、水の量が多い場合、このような操作を行っても圧力上昇工程に合格するまでに数時間必要とする場合があった。
さらに、従来の再生方法では、溜め込む水の量が不明である場合に、どの程度パージを行ったらよいか判らず、数時間にわたりパージすることがあった。
本発明では、前記ポンプ容器の内部の温度が予め定めた温度範囲の上限値になった時点で前記粗引きポンプによる前記ポンプ容器内の粗引きを開始し、前記ポンプ容器の内部の温度が予め定めた温度範囲の下限値になった場合に前記粗引きポンプによる前記ポンプ容器内の粗引きを停止し、その後、前記ポンプ容器の内部の温度が前記予め定めた温度範囲の上限値になった時点で前記粗引きポンプによる前記ポンプ容器内の粗引きを再び開始し、前記ポンプ容器の内部の温度が前記予め定めた温度範囲の下限値になった場合に前記粗引きポンプによる前記ポンプ容器内の粗引きを停止する工程を繰り返す場合にも効果的である。
本発明では、前記ポンプ容器の内部の圧力が3000Pa以上になるように制御する場合にも効果的である。
本発明では、前記ポンプ容器の内部の温度が、273Kより高く、かつ、当該ポンプ容器内において予め定めた水蒸気圧差が存在する範囲となるように制御する場合にも効果的である。
本発明では、前記制御部が、前記粗引きポンプに接続された粗引きバルブを、前記温度センサにおいて測定された温度に基づいてオープン又はクローズするように構成されている場合にも効果的である。
特に、本発明では、ポンプ容器の圧力が予め定めた圧力以上の下においてガスパージしながら粗引きを行うことにより、より効率良く水蒸気の蒸発を行うことができる。
図1は、本発明に係るクライオポンプの例を示す概略構成図である。
図1に示すように、本例のクライオポンプ1は、図示しない真空(処理)装置の真空槽2に図示しない仕切り弁を介して取り付けられるもので、冷凍機3と、冷凍機3の1段ステージ4及び2段ステージ5が配置されるポンプ容器6を有している。
また、シールド8の開口部側である例えば上部には、バッフル9が設けられている。
そして、この温度計10は、後述する制御部20に接続されており、温度センサ4aによって測定された冷凍機3の1段ステージ4の温度情報と、温度センサ5aによって測定された冷凍機3の2段ステージ5の温度情報が、それぞれ制御部20に送られるようになっている。
また、ポンプ容器6内の例えば上部の開口部側には、水分を含んだ湿潤な気体をポンプ容器6の外部に排出するための排出ノズル12が設けられている。
このパージガス導入ノズル14は、ポンプ容器6の外部において導入配管25及びパージバルブ15を介してパージガス供給源16に接続されている。
この粗引き排出口17は、ポンプ容器6の外部において粗引き配管26と、例えば速度制御弁からなる粗引きバルブ18を介して粗引きポンプ19に接続されている。
もっとも、油水分離器を併用すればメカニカルブースターポンプやロータリーポンプを用いることもでき、また機種も限定されない。
さらに、本例では、ポンプ容器6の外面に、例えば正の温度係数を有する抵抗体を用いたバンドヒータからなる外部ヒータ21が設けられている。
また、図3は、本例におけるポンプ容器内の圧力の推移と温度の推移を示すグラフである。
また、パージガスの温度は、室温で使用することも加熱機構により温めて使用することもできる。
これにより、図3の圧力推移曲線に示すように、ポンプ容器6内の圧力は大気圧になるとともに、温度推移曲線に示すように、ポンプ容器6内の温度は時間の経過とともに上昇する。
すなわち、この時点から、ポンプ容器6内にパージガスを導入するとともに、粗引きポンプ19によってポンプ容器6内の粗引きを行う(パージ粗引き工程)。
したがって、この条件を満たせば、290Kと異なる温度でもよい。
まず、前提として、図1に示すように、本例の冷凍機3の1段ステージ4は、ポンプ容器6の下部に位置するシールド8の底部を冷却するものであるから、温度センサ4aによって測定された冷凍機3の1段ステージ4の温度情報は、シールド8の底部の温度即ちシールド8の底部に溜まった水分の温度を示すものとみなすことができる。
この場合、ポンプ容器6の内部の基準圧力は、3000Pa以上となるようにすることが好ましく、より好ましくは、3000Pa以上4000Pa以下である。
この条件は、本発明者による実験によって見い出されたものである。
これにより、ポンプ容器6内の温度が上限値である290Kから低下する(図3の温度推移曲線の温度変化(1)参照)。
したがって、この条件を満たせば、280Kと異なる温度でもよいが、ポンプ容器6内において残存水分を確実に凍結させない観点からは、273Kより高い温度であることが必要である。
そこで、ステップS8において、ポンプ容器6内の圧力が大気圧になったか否かを判断し、ポンプ容器6内の圧力が大気圧になったと判断した時点で、ステップS9において、排出バルブ13をオープンにして湿潤な気体を排出する。
例えば、上記実施の形態においては、外部ヒータ21として、正の温度係数を有する抵抗体を用いたバンドヒータを用いたが、ポンプ容器6に表面温度を直接的ないしは間接的に温度制御する機構を具備したヒータであれば、ニクロム線に代表される発熱体を無機絶縁材と金属配管で被覆したシーズタイプのヒータでも、ニクロム線に代表される発熱体をシリコンゴムシートで挟み込んだシリコンラバーヒータでも、ニクロム線に代表される発熱体をガラスクロス(耐熱布)で保護した帯形状のヒータでもよい。
また、外部ヒータ21は通常は昇温工程から圧力上昇試験合格まで通電するが、省電力化の観点からガスパージ排気終了時点で停止してもよい。
また、開度の異なるバルブを2個以上設け、水が多い段階ではコンダクタンスが小さい側を、水が抜けてきたらコンダクタンスが大きい側を使用するといった使い分けを行ってもよい。
加えて、本発明は、スパッタリング、蒸着、イオンプレーティング、凍結乾燥など水分除去を目的とした種々のクライオポンプの再生過程に適用できるものである。
本発明の実施例として、口径20型のクライオポンプを用い、水の溜め込み量は100cc、200ccとした。
図5から理解されるように、本実施例によれば、圧力上昇工程に合格するまでの時間が短縮されている。
2…真空槽
3…冷凍機
4…1段ステージ
4a…温度センサ
5…2段ステージ
5a…温度センサ
6…ポンプ容器
7…クライオパネル
8…シールド
9…バッフル
10…温度計
11…真空計
12…排出ノズル
13…排出バルブ
14…パージガス導入ノズル
15…パージバルブ
16…パージガス供給源
17…粗引き排出口
18…粗引きバルブ
19…粗引きポンプ
20…制御部
21…外部ヒータ
22…温度センサ
Claims (5)
- 冷凍機によって冷却されるクライオ面が内部に設けられ、パージ用のガスが導入可能で且つ粗引きポンプに接続されるポンプ容器と、前記ポンプ容器内に設けられ、前記ポンプ容器の内部の温度を測定する温度センサと、前記温度センサによって測定された温度に基づいて前記粗引きポンプによる排気量を制御する制御部とを有し、前記ポンプ容器内に前記パージ用のガスを導入しつつ、前記温度センサによって測定された前記ポンプ容器の内部の温度に基づいて前記粗引きポンプによる前記ポンプ容器内の排気量を制御するように構成されているクライオポンプを再生する方法であって、
前記ポンプ容器の内部の温度を上昇させる昇温工程を開始した後、前記ポンプ容器内に前記パージ用のガスを導入しつつ、前記ポンプ容器の内部の温度を測定し、当該測定された温度に基づいて前記ポンプ容器内の粗引きを行うことにより、前記ポンプ容器の圧力が予め定めた圧力以上で、かつ、前記ポンプ容器の内部の温度が予め定めた温度範囲内となるように制御する工程を有するクライオポンプの再生方法。 - 前記ポンプ容器の内部の温度が予め定めた温度範囲の上限値になった時点で前記粗引きポンプによる前記ポンプ容器内の粗引きを開始し、前記ポンプ容器の内部の温度が予め定めた温度範囲の下限値になった場合に前記粗引きポンプによる前記ポンプ容器内の粗引きを停止し、その後、前記ポンプ容器の内部の温度が前記予め定めた温度範囲の上限値になった時点で前記粗引きポンプによる前記ポンプ容器内の粗引きを再び開始し、前記ポンプ容器の内部の温度が前記予め定めた温度範囲の下限値になった場合に前記粗引きポンプによる前記ポンプ容器内の粗引きを停止する工程を繰り返す請求項1記載のクライオポンプの再生方法。
- 前記ポンプ容器の内部の圧力が3000Pa以上になるように制御する請求項2記載のクライオポンプの再生方法。
- 前記ポンプ容器の内部の温度が、273Kより高く、かつ、当該ポンプ容器内において予め定めた水蒸気圧差が存在する範囲となるように制御する請求項1又は2のいずれか1項記載のクライオポンプの再生方法。
- 前記制御部は、前記粗引きポンプに接続された粗引きバルブを、前記温度センサにおいて測定された温度に基づいてオープン又はクローズするように構成されている請求項1乃至4のいずれか1項記載のクライオポンプの再生方法。
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