JP2000017828A - 仮設足場のはり出しステージ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 仮設足場のはり出しステージを組み上げる際
に、水平梁を設置する作業にあまり負担がかからないよ
うにする。 【解決手段】 足場板３２を支持する水平梁２の一端部
に嵌着用の短管６を備える。また、水平梁２を足場枠３
に固定する水平梁固定部材２２を足場枠３の脚柱３ａの
略２分の１の長さを有する垂直部材２３により形成す
る。垂直部材２３の上端部には足場枠３の横架材３ｂに
係止する係止金具２４を固着し、背面には足場枠３の脚
柱３ａに締結するクランプ金具１９を取り付ける。更
に、前記垂直部材２３の正面側に水平梁２の端部に備え
た短管６を嵌め入れる嵌着ピン２６を垂直部材２３の上
方に向けて配設する。そして、水平梁固定部材２２を介
して水平梁２を足場枠３に取り付ける際に、水平梁２を
水平方向に回動自在とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、建設現場の周囲に
組み上げられる仮設足場よりはり出させ、クレーンによ
り吊り上げられる建設機材や資材等を出し入れする仮設
足場のはり出しステージに関する。

【０００２】

【従来の技術】所定の高さを有するビルや建造物の建設
現場においては、建設中の建て物の周囲に仮設足場を組
み上げて各種作業を行っており、その作業の一つに、建
設機材や資材等をクレーンで吊り上げて仮設足場の高所
の一角より搬出入することがある。

【０００３】そして、このような作業を円滑に行うため
に、特開平９−１５８４６６号公報に記載されているよ
うに、足場板を支持する複数の水平梁を仮設足場より外
側に向けてはり出させ、その基端部を仮設足場に固定金
具により固定すると共に、水平梁の先端部と仮設足場と
を斜材により連結した仮設足場のはり出しステージが提
案されている。

【０００４】このはり出しステージの取り付け手順をみ
てみると、先ず、水平梁の一端部に備えた取付金具によ
り水平梁を足場枠の脚柱の一部に取り付ける。このと
き、水平梁と前記取付金具とは上下に回動自在となって
おり、水平梁は垂れ下がった状態となる。この垂れ下が
った水平梁の先端部に斜材の先端部を上下回動自在に取
り付ける。ついで、斜材を持ち上げるようにして垂れ下
がっている水平梁を押し上げて水平になると斜材の下端
部を取付金具を介して足場枠の脚柱に固着する。こうし
て、複数の水平梁が取り付けられると、この水平梁に足
場板を掛け渡してステージ部を形成すると共に、このス
テージ部の周囲に手摺枠等を取り付けてはり出しステー
ジの組み付けを完了するようにしている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
特開平９−１５８４６６号公報に記載のはり出しステー
ジでは、一端部を足場枠の脚柱の一部に取り付けた水平
梁を斜材により水平位置まで押し上げるのに、水平梁と
斜材の重量分持ち上げる必要があるうえ、水平梁が足場
枠よりかなり突き出る構造のため、斜材を斜め上に押し
上げるようにする必要が有り、押し上げるのにはかなり
の労力がいるものと思われる。

【０００６】本発明は上記の点に鑑み、水平梁の設置作
業にあまり負担のかからないようにした仮設足場のはり
出しステージを提供することを課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を達
成するために、請求項１記載の仮設足場のはり出しステ
ージにあっては、仮設足場より外側に向けてはり出させ
て足場板を支持する複数の水平梁と、水平梁の先端部と
仮設足場との間に掛け渡す斜材と、水平梁及び斜材を仮
設足場に固定する固定部材を備える仮設足場のはり出し
ステージにおいて、前記水平梁の端部に縦向きの短管を
備える一方、前記水平梁を固定する水平梁固定部材を足
場枠の脚柱の略２分の１の長さを有する垂直部材により
形成し、該垂直部材の上端部に足場枠の横架材に係止す
る係止金具を固着すると共に、垂直部材の正面側に前記
水平梁の短管を嵌着する嵌着ピンを垂直部材の上方に向
けて立設し、更に垂直部材の背面側には足場枠の脚柱に
締結する締結金具を配設したことを特徴としている。

【０００８】また、請求項２記載の仮設足場のはり出し
ステージにあっては、前記水平梁の先端部に斜材の端部
を軸支して斜材を上下方向に回動自在とする斜材取付金
具を水平方向に回転自在に軸着したことを特徴としてい
る。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明に係る請求項１記載の仮設
足場のはり出しステージにあっては、足場板を支持する
水平梁を足場枠に固定する場合、先ず水平梁固定部材の
垂直部材の上端部に固着した係止金具を足場枠の横架材
に係止し、更に、垂直部材の背面に取り付けた締結金具
により垂直部材を足場枠の脚柱に締結する。そして、垂
直部材の正面側に配設した嵌着ピンに水平梁の短管の下
端部を嵌め入れて水平梁を水平方向に回動自在とする。
水平梁を足場枠側に回動して足場枠に掛け渡した足場板
の長手方向と同一方向に向ける。この状態で、水平梁の
先端部に斜材の一端部を取り付け、水平梁を再び水平方
向に回動させて水平梁を水平状態を保ちながら足場枠よ
り前方に突出させる。このとき、斜材の他端部を足場枠
側から保持していることで斜材も合わせて足場枠の前方
に向けて突出させることができる。このようにして水平
梁を突出させると前記斜材の他端部を足場枠に固着す
る。

【００１０】このように、水平梁を水平梁固定部材に取
り付けると、ほぼ水平状態を保持して水平方向に回動さ
せることができるので、あまり力を加えずして水平梁を
足場枠より突出させた状態に組み上げることができる。

【００１１】また、請求項２記載の仮設足場のはり出し
ステージにあっては、水平梁を水平梁固定部材の嵌着ピ
ンに嵌着した後、斜材の先端部を水平梁の先端部に上下
及び水平方向に回動自在の取り付ける。このことによっ
て、水平梁を水平方向に回動させて足場枠より突出させ
る場合に、斜材の他端部を掴持していても、水平梁の先
端部で斜材が上下及び水平方向に自在に回動して容易に
水平梁の回動に追従することができてきわめて容易に斜
材の組み上げも完了することができる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。

【００１３】図中の１は本発明に係る仮設足場のはり出
しステージを示すもので、３本の水平梁２を足場枠３よ
り外側に向けてはり出させている。該水平梁２は図３に
示すように上下２本の管体４をスペーサ５により平行に
維持すると共に、その両端を立設した短管６、６´に固
着して梁材を形成している。

【００１４】水平梁２の基端側の短管６には、後述する
固定部材と係合させるための係合用透孔７と締結用透孔
８を穿設している。

【００１５】また、水平梁２の先端側の短管６´の下端
部には、図４、図５に示すように軸体９を下方に向けて
固着してあり、該軸体９には略逆Ｌ字形状の斜材取付金
具１０の上辺に穿設した透孔１１を嵌入し、透孔１１よ
り下方突出した前記軸体９の先端に抜け止めピン１２を
貫通させて斜材取付金具１０の抜け止めを図ると共に、
水平方向に回転自在としている。また、該斜材取付金具
１０の略逆Ｌ字形状の内側には透孔１３を穿設した斜材
取付片１４を固着しており、該斜材取付片１４の透孔１
３に斜材１５の先端に穿設した透孔１６を臨ませ、斜材
取付片１４の透孔１３と斜材１５の透孔１６とを挿通状
に一致させボルト・ナット１７によって斜材１５を斜材
取付金具１０に上下方向に回動自在に取り付けるように
している。

【００１６】斜材１５の他端部には斜材１５の固定部材
としてコ字金具１８を回動自在に軸着すると共に、該コ
字金具１８の背面には足場枠３の脚柱３ａに締結するク
ランプ金具１９を取り付けている。また、斜材１５の下
方には筋交２０を取り付ける２個のブレースピン２１を
所定の間隔を開けて固着している。

【００１７】２２は水平梁２を固定する水平梁固定部材
であって、図６、図７に示すように、断面略コ字形状の
チャンネル材よりなり、足場枠３の脚柱３ａの略２分の
１程度の長さを有する垂直部材２３を主部材とし、該垂
直部材２３の上端部に足場枠３の横架材３ｂに係止する
断面略逆Ｊ字形状の係止金具２４を固着している。

【００１８】また、垂直部材２３の背面の中央部及び下
端部付近には足場枠３の脚柱３ａに締結する前記と同様
のクランプ金具１９を取り付けている。更に、垂直部材
２３の正面側には、垂直部材２３に沿って上下２か所に
支持片２５を突設し、該支持片２５にそれぞれ前記水平
梁２の短管６を嵌め入れる嵌着ピン２６を垂直部材２３
の上方に向けて立設している。

【００１９】嵌着ピン２６の下端部にはには前記水平梁
２の短管６の外径とほぼ等しい管体よりなるカラー体２
７を固着する一方、水平梁２の短管６と嵌着ピン２６と
の係合手段として軸体を略コ字形状に折曲して係合ピン
２８を形成し、該係合ピン２８の一端側を前記カラー体
２７に貫通させ、他端部の係合端を嵌着ピン２６の前記
短管６に穿設した係合用透孔７に合致する位置に穿設し
た透孔２９に出没自在としている。そして、該係合ピン
２８には係合ピン２８の係合端が透孔２９に没するよう
に付勢するバネ体（図示せず）を前記カラー体２７内に
装着している。更に、前記透孔２９の上位には前記短管
６に穿設した締結用透孔８に合致するように透孔３０を
穿設し、ボルトナット３１により締結するようにしてい
る。

【００２０】３２は水平梁２に掛け渡してステージとな
る足場板であり、また、３３は連結ピン３４を介して取
り付ける手摺枠である。また、３５は同様に連結ピン３
４を介して取り付ける手摺柱であって、前記手摺枠３３
と該手摺柱３５との間には手摺３６及び前記筋交２０を
ブレースピン２１を介して取り付けるようになってい
る。更に、手摺枠３３と手摺柱３５との下部には幅木３
７を取り付けるようになっている。

【００２１】次に、上記はり出しステージの組み上げ手
順について説明する。

【００２２】先ず、はり出しステージを取り付けようと
する仮設足場の一角を決める。そして、図７に示すよう
に水平梁固定部材２２の垂直部材２３上端部に固着した
係止金具２４を取り付け位置にあたる足場枠３の横架材
３ｂに係止する。また、垂直部材２３の背面に取り付け
たクランプ金具１９を脚柱３ａに取り付けて仮り締めし
ておく。このとき、２スパンのステージを形成する場合
には水平梁固定部材２２を隣り合うそれぞれの足場枠３
にも取り付けて３基の水平梁固定部材２２を取り付け
る。

【００２３】ついで、水平梁固定部材２２の垂直部材２
３に取り付けた嵌着ピン２６に水平梁２の短管６の下端
部を嵌め入れ、水平梁２を図８に示すように足場枠３に
掛け渡した足場板の長手方向に回動しておく。

【００２４】該水平梁２の先端下部に配設した斜材取付
金具１０に斜材１５の先端部を軸着する一方、斜材１５
の下端部に配設したクランプ金具１９を足場枠３の脚柱
３ａの適宜位置に仮り止めする。

【００２５】こうして、水平梁固定部材２２に水平梁２
を、水平梁２に斜材１５を取り付けた後、水平梁２を嵌
着ピン２６を中心にして水平方向に回動させ、水平梁２
が足場枠３の横架材３ｂと同一方向にまで回動した時点
で嵌着ピン２６の透孔２９を短管６の係合用透孔７に、
また透孔３０を締結用透孔８に合致させ、嵌着ピン２６
に配設した係合ピン２８の係合端を前記透孔２９及び係
合用透孔７に嵌め入れて水平梁２の回動を規制すると共
に抜脱を防止する。

【００２６】このようにして水平梁２を水平方向に回動
させると斜材１５も追従して水平方向に回転して前方に
張り出すようになる。

【００２７】水平梁２をほぼ所定の方向へのはり出しが
終了すると、図１、図２に示すように、斜材１５の下端
部のクランプ金具１９を増し締めすると共に、斜材１５
の基端部に固着した上下のブレースピン２１に筋交２０
を装着し、更に、水平梁２の間に３枚ずつ計６枚の足場
板３２を掛け渡して２スパンのステージの床部分を形成
する。

【００２８】次いで、両側の水平枠２の両端部の短管
６、６´にそれぞれ連結ピン３４を介して手摺枠３３を
立設すると共に、中央の水平梁２の先端側の短管６´に
同様に連結ピン３４を介して今度は手摺柱３５を立設す
る。そして、前記手摺枠３３のブレースピン２１と手摺
柱３５のブレースピン２１とに筋交２０及び手摺３６を
掛け渡して水平梁２及び手摺枠３３等を自立させる。更
に、手摺枠３３及び手摺柱３５の下部に幅木３７を取り
付けてステージ部分を組み立てる。

【００２９】各部材の組み上げが完了すると、各部材間
の歪等を修正し、最後に水平梁２の短管６の締結用透孔
８及び嵌着ピン２６の透孔３０に貫入したボルトナット
３１により水平梁２の短管６と嵌着ピン２６とを締結す
る。

【００３０】なお、本実施例で垂直部材２３の上下２か
所に水平梁２の短管６を嵌め入れる嵌着ピン２６を立設
しているのは、水平梁２の取付位置を上下の２か所につ
いて選択可能とするもので、この嵌着ピン２６の数や位
置は本実施例によって制約されるものでなく、本発明の
要旨を逸脱しない範囲においてその数や位置を適宜変更
可能なことは勿論である。

【００３１】

【発明の効果】以上のように本発明に係る請求項１記載
の仮設足場のはり出しステージによれば、仮設足場のは
り出しステージにおいて、水平梁の端部に水平梁嵌着用
の短管を備え、一方、前記水平梁を固定する水平梁固定
部材を足場枠の脚柱の略２分の１の長さを有する垂直部
材により形成し、垂直部材の上端部に足場枠の横架材に
係止する係止金具を固着し、垂直部材の正面側に前記水
平梁の短管を嵌着する嵌着ピンを配設すると共に、垂直
部材の背面側に足場枠の脚柱に締結する締結金具を配設
したので、水平梁を足場枠に組み付ける場合、水平梁固
定部材に取り付けた時点でほぼ水平状態を保持し、しか
も水平方向に回動させることができるので、過大な労力
を加えずして水平梁を足場枠より突出させた状態に組み
上げることができて組み付けが容易となる。

【００３２】また、本発明に係る請求項２記載の仮設足
場のはり出しステージによれば、水平梁の先端部に斜材
の端部を軸支して斜材を上下方向に回動自在とする斜材
取付金具を水平方向に回転自在に軸着したので、水平梁
を水平方向に回動させて足場枠より突出させる場合に、
斜材の他端部を掴持していても、水平梁の先端部で斜材
が上下及び水平方向に自在に回動して容易に水平梁の回
動に追従することができてきわめて容易に斜材の組み上
げを行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るはり出しステージの正面図であ
る。

【図２】図１の側面図である。

【図３】水平梁を示す正面図である。

【図４】図２の一部を切り欠いた要部拡大図である。

【図５】図４の斜材を分離した状態を示す図である。

【図６】図２の要部拡大図である。

【図７】図６の水平梁を分離した状態を示す図である。

【図８】本発明に係るはり出しステージの水平梁及び斜
材を組み込む様子を示す正面図である。

【符合の説明】

１…はり出しステージ ２…水平梁 ３…足場枠 ３ａ…脚柱 ３ｂ…横架材 ６…短管 ７…係合用透孔 ８…締結用透孔 ９…軸体 １０…斜材取付金
具 １１…透孔 １３…透孔 １４…斜材取付片 １５…斜材 １９…クランプ金具（固定部材） ２０…筋交 ２２…水平梁固定部材 ２３…垂直部材 ２４…係止金具 ２６…嵌着ピン ２７…カラー体 ２８…係合ピン ３０…透孔 ３２…足場板 ３３…手摺枠 ３５…手摺柱 ３７…幅木

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】仮設足場より外側に向けてはり出させて足
   場板を支持する複数の水平梁と、水平梁の先端部と仮設
   足場との間に掛け渡す斜材と、水平梁及び斜材を仮設足
   場に固定する固定部材を備える仮設足場のはり出しステ
   ージにおいて、前記水平梁の端部に縦向きの短管を備え
   る一方、前記水平梁を固定する水平梁固定部材を足場枠
   の脚柱の略２分の１の長さを有する垂直部材により形成
   し、該垂直部材の上端部に足場枠の横架材に係止する係
   止金具を固着すると共に、垂直部材の正面側に前記水平
   梁の短管を嵌着する嵌着ピンを垂直部材の上方に向けて
   立設し、更に垂直部材の背面側には足場枠の脚柱に締結
   する締結金具を配設したことを特徴とする仮設足場のは
   り出しステージ。
2. 【請求項２】前記水平梁の先端部に斜材の端部を軸支し
   て斜材を上下方向に回動自在とする斜材取付金具を水平
   方向に回転自在に軸着したことを特徴とする請求項１記
   載の仮設足場のはり出しステージ。