JP2000017663A - 軽量盛土構造 - Google Patents

軽量盛土構造

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JP2000017663A JP10190535A JP19053598A JP2000017663A JP 2000017663 A JP2000017663 A JP 2000017663A JP 10190535 A JP10190535 A JP 10190535A JP 19053598 A JP19053598 A JP 19053598A JP 2000017663 A JP2000017663 A JP 2000017663A
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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
  • Road Paving Structures (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 舗装路を施工する際の施工時間の短縮,施工
効率の改善を図ることができ、かつ十分な強度を有し、
しかも硬質発泡層の形成に要するコストを抑えることが
できる舗装路の軽量盛土構造を提供する。 【解決手段】 発泡樹脂原料の発泡硬化により地盤11
上に形成された硬質発泡層20によって嵩上げする舗装
路Sの軽量盛土構造において、前記硬質発泡層20が圧
縮強度の異なる2以上の層21,25からなり、かつ該
硬質発泡層20の上方層21の圧縮強度が下方層25の
圧縮強度よりも大とされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、舗装路の軽量盛
土構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、舗装路の拡幅工事や急傾斜地にお
ける舗装路の建設等に際して、地盤上に土や砂利等を敷
設する盛土がなされていた。しかし、この砂や砂利を用
いる盛土構造においては、材料の密度が高いため土圧が
大きくなり圧密沈下を生じたり、滑りが生じたりすると
いう問題点があった。
【0003】そこで、最近では、図3に示すように、土
や砂利の代わりに硬質のウレタンフォーム等からなる硬
質発泡層61を地盤51上に形成し、該硬質発泡層61
により嵩上げする軽量盛土構造が提案されている。な
お、図では拡幅した舗装路S1の構造を表し、符号51
aは地盤上面、52は斜面、53は前記地盤上面51a
を水平にするための基礎平面、54は前記地盤上面51
aと斜面52とで硬質発泡層形成用の空間を区画する壁
面、55は舗装構成層、56は前記硬質発泡層61の上
面に打設されたコンクリート床版、56aは前記コンク
リート床版56のアンカー部、57は前記コンクリート
床版56上に敷設された土等の路床、58は舗装層を形
成する砂利等の路盤、59はアスファルトやアスファル
トコンクリートやコンクリート等からなる表層、Cは舗
装路S1上を通行する自動車(10トントラック)であ
る。
【0004】前記硬質発泡層61は、地盤51上面51
a(図示の場合には基礎平面53上面)に液状発泡樹脂
原料の吐出・発泡硬化を行うことによって形成される。
また、一般に経験則から、前記舗装構成層55を支持す
る硬質発泡層61に求められる一軸圧縮強度は10〜2
0t/mである。この軽量盛土構造によれば、施工の
際に大型設備機械を必要とせず、施工者の負担を軽減で
き、しかも施工および原料の運搬を容易にすることがで
きる。
【0005】ところで、上記舗装路S1においては、施
工時間の短縮,施工効率の改善,舗装構成層55若しく
は硬質発泡層61を支持する支柱やアンカー部等の支持
部材の簡素化、舗装路S1全体の軽量化等の観点から、
前記硬質発泡層61上の舗装構成層55を薄く軽量にす
る要望が高まっている。特に、該舗装構成層55の路床
57や路盤58を薄くすることができれば、その路床5
7および路盤58のための土や砂利等を運搬する作業を
少なくでき、施工効率を大幅に向上することができる。
なお、軟弱地盤上に舗装路S1を建設する場合には、地
盤沈下のおそれがあるため、前記舗装路S1全体の重量
を軽量にすることが強く望まれている。
【0006】しかしながら、前記舗装構成層55が厚い
場合には、10トントラック等の重機が表層(路面)5
9上を移動する等して該舗装構成層55の一部に荷重が
集中して加わる際にも、舗装構成層55が剛体として作
用し、舗装構成層55の下の硬質発泡層61に前記荷重
を均一に分散して伝えることができるのに対し、舗装構
成層55を薄くした場合には、舗装構成層55が剛体と
して作用せず、その下の硬質発泡層61に局部的に大な
る応力が作用することがある。このように舗装構成層5
5の下の硬質発泡層61に局部的に大なる応力が作用す
ると、舗装構成層55と硬質発泡層61間に隙間を生じ
たり、あるいは硬質発泡層61が過剰に歪んだりする等
の不具合を生じることがある。すなわち、当該軽量盛土
構造の強度が不十分になって該舗装構成層55の陥没等
を誘発する心配がある。
【0007】前記舗装構成層55を薄くすることによっ
て生じる不具合を解消する手段として、前記硬質発泡層
61の密度を均一に大にして、硬質発泡層61全体の圧
縮強度を均一に高めることが考えられる。しかしなが
ら、この場合には、硬質発泡層61のコストが増大した
り、硬質発泡層61を含む舗装路S1全体の重量が増大
するという新たな問題が発生し、前記舗装構成層55を
薄くすることによって得られる利点が十分に生かされな
くなってしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、このよう
な状況に鑑み提案されたものであって、舗装路を施工す
る際の施工時間の短縮や施工効率の改善を図ることがで
き、かつ十分な強度を有し、しかも硬質発泡層の形成に
要するコストを抑えることができる舗装路の軽量盛土構
造を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、発泡
樹脂原料の発泡硬化により地盤上に形成された硬質発泡
層によって嵩上げする舗装路の軽量盛土構造において、
前記硬質発泡層が圧縮強度の異なる2以上の層からな
り、かつ該硬質発泡層の上方層の圧縮強度が下方層の圧
縮強度よりも大なることを特徴とする。
【0010】請求項2の発明は、請求項1において、前
記硬質発泡層が2層からなって上方層の圧縮強度が15
〜25tf/mとし、下方層の圧縮強度が10〜15
tf/mとされたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下添付の図面に従ってこの発明
を詳細に説明する。図1はこの発明に係る軽量盛土構造
の一実施例を適用して拡幅した舗装路を示す断面図、図
2は図1のZ部分の拡大断面図である。
【0012】この発明に係る舗装路の軽量盛土構造の一
実施例を、図1および図2に示す舗装路Sの盛土構造を
例にして説明する。前記軽量盛土構造は、地盤11上に
発泡樹脂原料をスプレー式注入機等により吐出し発泡硬
化させて形成した硬質発泡層20によって嵩上げし、該
硬質発泡層20上に舗装構成層30を設けて舗装路Sと
するものである。この実施例では、前記硬質発泡層20
は、地盤11上面11aと斜面12と壁面13で囲まれ
た空間内に形成されているが、この発明はそれに限るも
のではない。例えば、前記斜面12あるいは壁面13が
存在しない地盤(平地)上に当該硬質発泡層20が形成
されることもある。なお、前記壁面13は地盤に立設し
た支柱(図示せず)によって固定されている。図中の符
号14は地盤11上面11aを水平にするための基礎平
面である。
【0013】前記硬質発泡層20の形成に用いる発泡樹
脂原料としては、施工現場で発泡可能なポリウレタン樹
脂,ポリイソシアヌレート,ポリアミド,ポリイミド,
ウレア等が挙げられ、特には吐出成形(スプレー成形)
可能な硬質ウレタンフォームを用いるのが望ましい。前
記硬質ウレタンフォームは、ウレタン変性,カルボジイ
ミド変性他TDIプレポリマー,クルードTDI,ポリ
メリックMDI,各種変性MDI等のイソシアネート
と、ポリエーテルポリオール,ポリエステルポリオール
の双方あるいは何れか一方からなるポリオールと、アミ
ン触媒等の触媒と、水,フレオン,代換えフレオン等の
発泡剤とで構成される。なお、主要ポリオールとして
は、3官能以上短鎖多官能の水酸基価が350〜550
のものが好ましく、さらには反応性が早いアミンベース
ポリオールが好ましい。また、前記硬質ウレタンフォー
ムに、モノアミン,ジアミン化合物等を架橋剤として添
加してもよい。
【0014】前記硬質発泡層20は、圧縮強度の異なる
2以上、この実施例では2の層21,25からなり、か
つ該硬質発泡層20の上方層21の圧縮強度が下方層2
5の圧縮強度よりも大となっている。好ましくは、請求
項2の発明のように、前記上方層21の圧縮強度を15
〜25t/m、前記下方層の圧縮強度を10〜15t
/mとする。具体的には、前記上方層21の密度を3
5〜45kg/mとし、下方層25の密度を25〜3
5kg/mとすることによって、各層21,25を上
記圧縮強度に設定し、硬質発泡層20全体が重くなり過
ぎないようにするのが好ましい。その際、上方層21と
下方層25のための発泡樹脂原料を同質のものとして上
方層21と下方層25の接着性を良好とするのが好まし
い。
【0015】舗装構成層30は、前記硬質発泡層20の
上面に打設されたコンクリート床版31と、該コンクリ
ート床版31上に敷設された土等の路床32と、舗装層
を形成する砂利等の路盤33と、アスファルトやアスフ
ァルトコンクリートやコンクリート等からなる表層34
等からなる。図示の符号31aは前記コンクリート床版
31のアンカー部、Cは舗装路上を通行する自動車(1
0トントラック)である。
【0016】上記軽量盛土構造においては、硬質発泡層
20の上方層21を下方層25よりも圧縮強度(耐圧性
能)の高いものとしているので、舗装構成層30の厚み
を薄くしても、該舗装構成層30を硬質発泡層20の上
層によって均一に支持でき、該硬質発泡層20と舗装構
成層30間に隙間を生じたり、あるいは硬質発泡層20
が過剰に歪んだりする等の不具合を防ぐことができるよ
うになる。すなわち、後述するように当該軽量盛土構造
の強度を十分なものとすることができ、舗装構成層30
が陥没する等の心配がなくなる。
【0017】このように、舗装構成層30を薄くできる
ため、舗装路Sを施工する際の施工時間の短縮や施工効
率の改善,舗装構成層30若しくは硬質発泡層20を支
持する前記支柱やアンカー部等の支持部材の簡素化を図
ることができる。また、硬質発泡層20の上方層21の
み圧縮強度を従来に比し大にし、硬質発泡層20全体の
圧縮強度を高める必要がないので、硬質発泡層20用発
泡原料の使用量が全体としてそれほど増大せず、硬質発
泡層20の形成に要するコストを抑えることができると
ともに、該硬質発泡層20の重量が過大とならない。
【0018】以下、この実施例の軽量盛土構造の強度
(耐圧性能)が理論的に十分であること、すなわち従来
構造と実質的に代替可能であることを、硬質発泡層20
(上面)に要求される圧縮強度(一軸圧縮強度)の算出
に基づき説明するとともに、該圧縮強度の算出法を併せ
て説明する。この実施例においては、前記舗装構成層3
0全体の厚みhを500mm、コンクリート床版31の
厚みhを150mm、路床32の厚みhを200m
m、路盤33の厚みhを100mm、表層34の厚み
を50mmとするとともに、前記硬質発泡層20の
上方層21の圧縮強度を20t/m(密度40kg/
)、該上方層21の厚みkを600mm、下方層
25の圧縮強度を12t/m(密度33kg/
)、該下方層25の厚みkを9900mmとす
る。また、前記要求される硬質発泡層20の圧縮強度の
算出は、10トントラックが舗装路S上を通行した場合
を想定して行う。
【0019】〈硬質発泡層20に要求される圧縮強度の
算出法〉硬質発泡層20全体に要求される圧縮強度の算
出においては、まず、10トントラックが通行した際の
輪荷重による硬質発泡層20上面(上方層上面21a)
に作用する活荷重Fを次式〔1〕により求める。 F=q×(1+i)/(B×L) 〔1〕 上の式〔1〕において符号qは輪荷重、つまり10トン
トラックが通行する時に作用する荷重で10トンとし、
iは衝撃係数で0.3とする。また、B×Lは活荷重作
用面積で、Bは舗装路横断方向の活荷重作用幅、Lは舗
装路縦断(進行)方向の活荷重作用幅である。前記各活
荷重作用幅B,Lは、10トントラックのタイヤCtの
前記表層34に対する接地面のタイヤ幅方向(舗装路横
断方向)長さを0.2m、タイヤ周方向(舗装路縦断方
向)長さを0.5mとし、舗装構成層30における圧力
分散を考慮して次式〔2〕,〔3〕により算出される。 B=2×h×tanθ+0.2 〔2〕 L=2×h×tanθ+0.5 〔3〕 上式〔2〕,〔3〕の符号θは舗装構成層30における
荷重分散角度であり(図2参照)、ここでは該角度θは
45°とする。
【0020】次いで、舗装構成層30の重量による荷重
(鉛直土圧)Vを求める。この荷重Vは一般に均一な圧
力分布で硬質発泡層20上面に作用すると考えられるか
ら、次式〔4〕により算出できる。 V=α×γ×h 〔4〕 上式〔4〕において、αは圧密沈下を考慮した定められ
る係数であって、ここでは1とし、γは舗装構成層30
の単位体積重量〔t/m〕である。また、この荷重V
は、舗装構成層30がこの実施例のようにコンクリート
床版31,路床32,路盤33,表層34の4層からな
る場合は次式〔5〕,〔6〕により求められる。 V=V+V+V+V 〔5〕 V1〜4=γ1〜4×h1〜4 〔6〕 次式〔5〕,〔6〕において、Vはコンクリート床版
31の重量による荷重、Vは路床32の重量による荷
重、Vは路盤33の重量による荷重、Vは表層34
の重量による荷重で、γはコンクリート床版31の単
位体積重量、γ は路床32の単位体積重量、γは路
盤33の単位体積重量、γは表層34の単位体積重量
である。
【0021】上記活荷重Fと舗装構成層30の重量によ
る荷重Vを次式〔7〕のように合計することによって、
硬質発泡層20上面にかかる全圧力Pを求める。 P=F+V 〔7〕 この全圧力Pよりも硬質発泡層20の許容圧縮応力値が
大きくなければならない。すなわち、該全圧力Pが、硬
質発泡層20に要求される許容圧縮応力値となる。そし
て、安全係数を1/2として次式〔8〕により要求され
る硬質発泡層の圧縮強度σが算出される。 σ=P×2 〔8〕
【0022】〈参考比較例〉参考比較例として、図3に
示した従来の軽量盛土構造を適用した舗装路S1におい
て、上式〔1〕ないし〔8〕により各値を算出すると、
活荷重は4.276tf/m、舗装構成層55の重量
による荷重は1.490tf/m、コンクリート床版
56の重量による荷重は0.375tf/m、路床5
7の重量による荷重は0.800tf/m、路盤58
の重量による荷重は0.200tf/m、表層59の
重量による荷重は0.115tf/m、硬質発泡層6
1上面にかかる全圧力(要求される硬質発泡層61の許
容圧縮応力値)は5.766tf/mとなり、安全係
数1/2を考慮すると、硬質発泡層61に要求される圧
縮強度は11.53tf/m以上となる。なお、この
参考比較例では、舗装構成層55全体の厚みを700m
m、コンクリート床版56の厚みを150mm、路床5
7の厚みを400mm、路盤58の厚みを100mm、
表層59の厚みを50mm、硬質発泡層(単層)61の
圧縮強度を12tf/m(密度を33kg/m)、
該硬質発泡層61の厚みを10300mmとする。した
がって、この参考例の軽量盛土構造においては、前記の
ように硬質発泡層61の圧縮強度は12tf/mに設
定され、該設定値は要求値(11.53tf/m
上)を満たしているので、強度が十分であることが分か
る。
【0023】〈この実施例の軽量盛土構造の強度が十分
であるか否かの検討〉上記参考比較例に対してこの実施
例においては、上式〔1〕〜〔8〕により各値を算出す
ると、活荷重Fは7.222tf/m、舗装構成層3
0の重量による荷重Vは1.090、コンクリート床版
31の重量による荷重Vは0.375tf/m、路
床32の重量による荷重Vは0.400tf/m
路盤33の重量による荷重Vは0.200tf/
、表層34の重量による荷重V は0.115tf
/mとなり、硬質発泡層20上面にかかる全圧力(要
求される硬質発泡層20全体の許容圧縮応力値)Pは
8.312tf/mとなる。したがって、安全係数1
/2を考慮すると、硬質発泡層20全体の圧縮強度σは
16.624tf/m以上であることが要求される。
【0024】すなわち、硬質発泡層20の圧縮強度を前
記要求値σ以上とすれば、前記舗装構成層30の厚みh
を0.5mとしても、当該軽量盛土構造の強度は十分で
あると言える。しかしながら、従来技術の項でも述べた
ように硬質発泡層20を前記要求値σ以上の均一な圧縮
強度を有する単一層とする場合には、該硬質発泡層20
の形成にかかるコストが増大してしまい、過剰品質とな
る。そこで、この実施例においては、当該硬質発泡層2
0における圧力分布が減衰して、要求される一軸圧縮強
度が10tf/mで十分となる境界線Rを想定し、該
境界線Rより上方に位置する部分、つまり前記上方層2
1の圧縮強度のみを前記要求値σ以上の20tf/m
とし、他方、前記境界線Rより下の下方層21の圧縮強
度を12tf/mとした。なお、この実施例において
は、前記境界線Rから硬質発泡層20上面までの距離、
すなわち前記上方層21の厚みkを0.6mとし、そ
の場合における硬質発泡層20の下方層25に要求され
る圧縮強度(一軸圧縮強度)を算出することにより当該
軽量盛土構造の強度が十分であるか否かについて次に述
べる。
【0025】前記要求される下方層25の圧縮強度は、
上述した硬質発泡層20全体に要求される圧縮強度の算
出と同様に算出される。すなわち、まず、前記輪荷重に
よる硬質発泡層20の下方層25に作用する活荷重F’
を上式〔1〕により求める。ただし、前記舗装路横断方
向の活荷重作用幅Bおよび舗装路縦断(進行)方向の活
荷重作用幅Lは次式
〔9〕および〔10〕により算出す
る。 B=2×(h×tanθ+k×tanφ)+0.2
〔9〕 L=2×(h×tanθ+k×tanφ)+0.5 〔10〕 上式
〔9〕,〔10〕において符号θは舗装構成層30
における荷重分散角度で、ここでは45°とする。ま
た、符号φは硬質発泡層20の上方層21における荷重
分散角度で、ここでは15°とする。続いて、次式〔1
1〕のように、前記活荷重F’と前記舗装構成層30の
重量による荷重(鉛直土圧)Vと次式〔12〕により算
出される硬質発泡層20の上方層21の重量による荷重
(鉛直土圧)Wを合計することによって、硬質発泡層2
0の下方層25上面にかかる全圧力P’(要求される許
容圧縮応力値)を求める。 P’=F’+V+W 〔11〕 W=υ×k 〔12〕 上式〔12〕において、υは舗装構成層の単位体積重量
(密度)で、この実施例では0.04t/mである。
そして、上記硬質発泡層20全体に要求される圧縮強度
の算出と同様に、安全係数1/2を考慮して硬質発泡層
20の下方層25に要求される圧縮強度を算出する。
【0026】このように各値を算出すると、前記活荷重
F’は4.691tf/m、舗装構成層30の重量に
よる荷重Vは1.090tf/m、硬質発泡層20の
下方層21の重量による荷重Wは0.024tf/
、硬質発泡層20の下方層25上面にかかる全圧力
P’は5.805tf/m、硬質発泡層20の下方層
25に要求される圧縮強度は11.610tf/m
上となる。したがって、この実施例では下方層25の圧
縮強度が12tf/mに設定してあり、上記要求値を
満たすので、当該軽量盛土構造の強度が十分であり、従
来構造と実質的に代替可能であることが分かる。
【0027】なお、上記した実施例では、拡幅した舗装
路における盛土構造について述べたが、本発明はこれに
限定されることなく、例えば、急傾斜地における舗装路
のための盛土構造にも適用することができる。
【0028】
【発明の効果】以上図示し説明したように、この発明に
係る舗装路の軽量盛土構造においては、硬質発泡層の上
方層を下方層よりも圧縮強度の高いものとすることによ
って舗装構成層の支持作用を高めているので、前記硬質
発泡層と舗装構成層間に隙間が生じたり、あるいは硬質
発泡層が過剰に歪んだりする等の不具合が生じることな
く、前記硬質発泡層上の舗装構成層の厚みを薄くするこ
とができる。したがって、舗装路を施工する際の施工時
間の短縮,施工効率の改善を図ることができる。また、
当該軽量盛土構造では、硬質発泡層の上方層の圧縮強度
のみ従来に比し大にするので、硬質発泡層の形成に要す
るコストを抑えることができるとともに、該硬質発泡層
全体の重量が過大とならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る軽量盛土構造の一実施例を適用
した舗装路を示す断面図である。
【図2】図1のZ部分の拡大断面図である。
【図3】従来の軽量盛土構造を適用した舗装路を示す断
面図である。
【符号の説明】
11 地盤 20 硬質発泡層 21 硬質発泡層の上方層 25 硬質発泡層の下方層 S 舗装路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 敦夫 安城市今池町3丁目1番36号 イノアック 特材株式会社内 Fターム(参考) 2D043 EA07 EB06 2D044 CA08 2D051 AG12 AH01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡樹脂原料の発泡硬化により地盤上に
    形成された硬質発泡層によって嵩上げする舗装路の軽量
    盛土構造において、 前記硬質発泡層が圧縮強度の異なる2以上の層からな
    り、かつ該硬質発泡層の上方層の圧縮強度が下方層の圧
    縮強度よりも大なることを特徴とする舗装路の軽量盛土
    構造。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記硬質発泡層が2
    層からなって上方層の圧縮強度が15〜25tf/
    、下方層の圧縮強度が10〜15tf/mである
    ことを特徴とする舗装路の軽量盛土構造。
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