JP2000017659A - 振動作業装置 - Google Patents

振動作業装置

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JP2000017659A
JP2000017659A JP10205831A JP20583198A JP2000017659A JP 2000017659 A JP2000017659 A JP 2000017659A JP 10205831 A JP10205831 A JP 10205831A JP 20583198 A JP20583198 A JP 20583198A JP 2000017659 A JP2000017659 A JP 2000017659A
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vibrator
flow rate
pressure
frequency
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JP10205831A
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Yukio Sakamoto
幸男 坂本
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
  • Placing Or Removing Of Piles Or Sheet Piles, Or Accessories Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加振機が振動するときの振幅を油圧源から供
給される圧油の流量と共に操作することにより、運転効
率、操作性を向上させる。 【解決手段】 加振機17の油圧シリンダ18を方向制
御弁28によって駆動し、作業具13のタンパ16を振
動させる。また、油圧ポンプ30から油圧シリンダ18
に供給する圧油の流量を流量制御弁34により変化さ
せ、この流量制御弁34を操作レバーによって操作す
る。そして、コントローラ40は、加振機17を周波数
設定器39により設定した周波数で振動させつつ、その
振幅を変位センサ26、圧力センサ35等により検出し
た前記操作レバーの操作量に応じて調整する。これによ
り、加振機17の振幅に応じて圧油の流量を増減させ、
運転効率を高めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建設機械に装備さ
れ、地固め作業、あるいは矢板、杭等の打込み、引抜き
作業等に好適に用いられる振動作業装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、建設機械に装備される振動作業
装置は、土木作業等において作業現場の地固め作業、あ
るいは矢板、杭等の打込み、引抜き作業等を行うときに
用いられている(例えば特開平8−184042号公
報、または「パワーデザイン」第30巻,第5号,10
3〜104頁等)。
【0003】この種の従来技術による振動作業装置は、
建設機械に設けられた作業具支持体としてのハウジング
と、該ハウジングに弾性部材等を介して振動可能に連結
されたタンパ等の作業具と、該作業具を任意の周波数お
よび振幅で振動させる加振機等とから構成されている。
【0004】また、加振機は、チューブ内にピストンが
摺動可能に挿嵌された油圧シリンダと、該油圧シリンダ
に設けられた電磁式の方向制御弁等とからなり、この方
向制御弁は、振動制御用のコントローラ等に接続されて
いる。そして、方向制御弁は、建設機械に設けられた油
圧ポンプ等の油圧源から前記油圧シリンダ内に圧油が給
排されるときに、この圧油の流れ方向をコントローラの
制御信号に応じて切換制御するものである。
【0005】さらに、コントローラには、例えば建設機
械の運転室内に配置された入力装置が接続され、この入
力装置には、加振機が振動するときの周波数と振幅とを
可変に設定操作する周波数設定器と振幅設定器とが設け
られている。
【0006】そして、振動作業装置を用いて土木作業等
を行うときには、作業者が入力装置の周波数設定器と振
幅設定器とを操作し、加振機を振動させる周波数と振幅
とを設定する。これにより、入力装置で設定された周波
数と振幅とを有する制御信号がコントローラから方向制
御弁に出力されると、油圧源から油圧シリンダ内に給排
される圧油の方向が方向制御弁によって切換えられる。
この結果、油圧シリンダのピストンはチューブ内で相対
的に振動し、この油圧シリンダからの反力によって作業
具も振動するようになる。
【0007】従って、作業者等は、入力装置の周波数設
定器と振幅設定器とを操作することにより、地固め、杭
打ち等の作業内容に応じて加振機の振動周波数と振幅と
を所望の大きさに設定することができる。
【0008】また、振動作業装置には、例えばタンパ、
チャック等からなる複数種類の作業具が作業内容に応じ
て着脱可能に取付けられるため、作業具を振動させるた
めに必要な圧油の最大流量は、その種類、重量等に応じ
て異なる場合がある。このため、油圧ポンプと加振機と
の間には流量調整用の操作弁が設けられ、作業者は、運
転室内に設けられた操作レバー等を必要に応じて操作す
ることにより、油圧ポンプから吐出される圧油のうち加
振機に供給される圧油の流量を前記操作弁によって調整
する構成としている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、入力装置の周波数設定器と振幅設定器とを
操作して加振機の振動周波数と振幅とを設定し、この周
波数と振幅とをもった制御信号をコントローラから方向
制御弁に出力することにより、加振機の振動周波数と振
幅とを電気的に調整する構成としている。
【0010】しかし、油圧ポンプから加振機に供給され
る圧油の流量が操作弁によって小さく設定されている場
合には、入力装置を振動の最大側に操作しているにも拘
らず、加振機が圧油の流量不足によって大きく振動しな
いことがある。従って、例えば作業中に加振機の振動周
波数や振幅を広い範囲に亘って使用するときには、作業
の途中で圧油の流量不足によって操作弁を操作する煩わ
しさを避けるため、作業者が操作弁を最大流量側に保持
し、油圧ポンプから加振機に向けて常に最大流量の圧油
が供給されるようにした状態で作業を行うことになり易
い。
【0011】この結果、加振機を小さく振動させた状態
で作業を行う場合でも、油圧ポンプは加振機に向けて余
分な圧油を供給し、この圧油はタンクへと無駄に還流さ
れることが多くなる。このため、従来技術では、加振機
を油圧ポンプにより効率よく振動させることができず、
操作弁を用いて振動作業装置の運転性を低下させない限
りは、例えば油圧ポンプから他の駆動部等に供給される
圧油の流量が低下したり、燃費の悪化等を招いたりする
という問題がある。
【0012】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明の目的は、加振機を振動させる周
波数と振幅とを容易に設定操作でき、その設定内容に応
じて加振機を油圧源により効率よく振動させることがで
きると共に、作業中の操作性、燃費等を確実に向上でき
るようにした振動作業装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために請求項1の発明は、建設機械に設けられた作業具
支持体と、該作業具支持体により振動可能に支持された
作業具と、該作業具に設けられ油圧源から供給される圧
油によって該作業具を任意の周波数および振幅で振動さ
せる加振機と、該加振機に設けられ該加振機の振幅を検
出する振幅検出手段と、前記油圧源から加振機に供給さ
れる圧油の流量を可変に設定する流量設定手段と、該流
量設定手段より設定された圧油の圧力を検出する圧力検
出手段と、加振機が振動するときの周波数を可変に設定
する周波数設定手段と、前記流量設定手段により設定さ
れた圧油の流量に応じて加振機の振幅を変化させるた
め、該周波数設定手段により設定した周波数の設定値、
前記振幅検出手段により検出した振幅の検出値および前
記圧力検出手段により検出した圧油の圧力値を用いて前
記加振機の振幅を調整する振幅調整手段と、該振幅調整
手段により調整した振幅の調整値と前記周波数設定手段
により設定した周波数の設定値とを用いて前記加振機を
振動させる周波数と振幅とをもった目標信号を生成し、
この目標信号を前記加振機に出力する目標信号出力手段
とからなる構成を採用している。
【0014】このように構成することにより、加振機が
振動するときの周波数を周波数設定手段によって所望の
大きさに設定でき、振幅調整手段では、この周波数で加
振機を振動させつつ加振機の振幅を流量設定手段により
設定した圧油の流量に応じて調整することができる。即
ち、油圧源から加振機に供給される圧油の流量を流量設
定手段によって設定でき、このときの圧油の圧力値を圧
力検出手段によって検出できると共に、振幅調整手段で
は、前記圧油の圧力値、振幅の検出値および周波数の設
定値を用いて加振機の振幅を調整することができる。
【0015】また、請求項2の発明では、前記流量設定
手段は、前記加振機と油圧源との間に設けられ前記油圧
源から加振機に供給される圧油の流量を設定する流量制
御弁により構成している。
【0016】これにより、例えばレバー、ペダル等から
なる操作機構を用いて流量制御弁を開,閉操作でき、こ
の流量制御弁により油圧源から加振機に供給される圧油
の流量を可変に設定できると共に、振幅調整手段では、
加振機が振動するときの振幅を操作機構の操作量に応じ
て調整することができる。
【0017】さらに、請求項3の発明では、前記圧力検
出手段は前記加振機と油圧源との間に位置して前記流量
設定手段と並列に設けられた圧力センサからなり、該圧
力センサは前記流量制御手段の前,後の差圧を検出する
構成としている。
【0018】これにより、油圧源から加振機に供給され
る圧油の流量が流量制御弁によって変化したときには、
該流量制御弁の前,後で圧油に生じる差圧を圧力センサ
によって検出でき、振幅調整手段では、この差圧の検出
値と、振幅の検出値および周波数の設定値とを用いて加
振機の振幅を調整することができる。
【0019】また、請求項4の発明では、前記振幅調整
手段には、前記加振機が周波数設定手段により設定した
周波数で振動するときに発生可能な振幅の最大値を予め
定められた前記油圧源の定格流量と前記周波数設定手段
により設定した周波数の設定値とを用いて演算する最大
振幅演算手段と、前記振幅検出手段により検出した振幅
の検出値と前記周波数設定手段により設定した周波数の
設定値とを用いて前記油圧源から加振機に供給される圧
油の流量を演算する流量演算手段と、該流量演算手段に
より演算した流量の演算値と前記圧力検出手段により検
出した圧油の圧力値とを用いて前記流量設定手段により
流量を設定操作したときの操作量を演算する操作量演算
手段と、該操作量演算手段により演算した操作量の演算
値と予め定められた操作量の最大値との比率を前記振幅
の最大値に乗算することによって前記振幅の調整値を演
算する振幅演算手段とを設ける構成としている。
【0020】これにより、最大振幅演算手段は、加振機
が周波数設定手段により設定した周波数で振動するとき
に発生可能な振幅の最大値を演算でき、流量演算手段
は、油圧源から加振機に供給される圧油の流量を演算で
きると共に、操作量演算手段は、流量設定手段により流
量を設定操作したときの操作量を演算できる。従って、
振幅演算手段では、振幅がその最大値に対して操作量の
演算値と操作量の最大値との比率分だけ小さくなるよう
に振幅の調整値を演算することができる。
【0021】さらに、請求項5の発明では、前記加振機
は、チューブ内にピストンが摺動可能に挿嵌され該チュ
ーブとピストンのうちいずれか一方が前記作業具に固定
される油圧シリンダと、該油圧シリンダに設けられ油圧
源から該油圧シリンダ内に給排される圧油の方向を切換
える方向制御弁とからなり、前記振幅検出手段は油圧シ
リンダのチューブに対するピストンの相対変位を検出す
る変位センサによって構成し、かつ前記目標信号出力手
段と方向制御弁との間には、前記目標信号出力手段から
出力される目標信号と前記変位センサから出力される検
出信号との差に応じて前記方向制御弁に制御用の信号を
出力する差動増幅手段を設けている。
【0022】これにより、加振機を振動させるときに
は、目標信号出力手段で生成した目標信号を差動増幅し
て方向制御弁に出力でき、該方向制御弁により油圧シリ
ンダを目標信号に応じて振動させることができる。ま
た、変位センサから出力される検出信号を用いて油圧シ
リンダの駆動量をフィードバック制御できる。
【0023】また、請求項6の発明では、前記加振機
は、チューブ内にピストンが摺動可能に挿嵌され該チュ
ーブとピストンのうちいずれか一方が前記作業具に固定
される油圧シリンダと、該油圧シリンダに設けられ前記
油圧源から該油圧シリンダ内に給排される圧油の方向を
切換える方向制御弁とからなり、前記油圧シリンダのチ
ューブ、ウエイトおよび方向制御弁によって構成される
第1の慣性体の質量は、前記油圧シリンダのピストン、
ロッドおよび前記作業具によって構成される第2の慣性
体の質量よりも大きく設定している。
【0024】これにより、第1の慣性体と第2の慣性体
とが油圧シリンダによって振動するときには、第1の慣
性体に生じる大きな慣性力を相対的な質量が小さい第2
の慣性体に反力として加えることができ、第2の慣性体
に大きな振動を発生させることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
振動作業装置を図1ないし図7を参照しつつ詳細に説明
する。
【0026】1は後述の振動作業装置11が装備された
建設機械で、該建設機械1は、下部走行体2と、該下部
走行体2に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、該上
部旋回体3上に設けられた運転室4と、上部旋回体3に
俯仰動可能に取付けられた作業用フロント5等とからな
り、該作業用フロント5は、上部旋回体3に俯仰動可能
に設けられたブーム6と、該ブーム6の先端側に回動可
能に設けられたアーム7と、該アーム7の先端側に揺動
可能に設けられ、揺動シリンダ8により揺動される振動
作業装置11とから構成されている。
【0027】11はアーム7の先端側に設けられた本実
施の形態による振動作業装置で、該振動作業装置11
は、図2ないし図4に示す如く、後述のハウジング1
2、作業具13、加振機17等によって構成されてい
る。
【0028】12は作業用フロント5の先端側に設けら
れた作業具支持体としてのハウジングで、該ハウジング
12は、図3中の左,右両側に配設された略コ字状の取
付側板12A,12Aと、該各取付側板12Aの上端側
を連結した連結板12B等とからなり、各ブラケット1
2Cを用いてアーム7の先端側に揺動可能に連結されて
いる。
【0029】13はハウジング12により振動可能に支
持された作業具で、該作業具13は、図3に示す如く、
上部側が連結ゴム14を介してハウジング12の各取付
側板12Aに支持された支持ブラケット15,15と、
該各支持ブラケット15の下端側に固着された鋼板等の
タンパ16とからなり、各連結ゴム14は作業具13
(加振機17)の振動が建設機械1側に伝わるのを防止
している。
【0030】17は作業具13に設けられた加振機で、
該加振機17は、図4に示す如く、後述の油圧シリンダ
18、ウエイト27、方向制御弁28等によって構成さ
れている。そして、加振機17は、後述の油圧ポンプ3
0から供給される圧油によって駆動され、作業具13を
図1中の矢示A方向に対して任意の周波数および振幅で
振動させるものである。
【0031】18は加振機17の一部を構成する油圧シ
リンダで、該油圧シリンダ18は、内周側にロッドガイ
ド19A,19Bが嵌合された筒状のチューブ19と、
該チューブ19内に摺動可能に挿嵌された短尺な円柱状
のピストン20と、該ピストン20の上端側、下端側に
それぞれ固着された上側ロッド21、下側ロッド22等
とから構成されている。そして、チューブ19は上端側
がキャップ23によって施蓋されている。また、ピスト
ン20はチューブ19内に上,下の油室24,25を画
成している。さらに、下側ロッド22はチューブ19か
ら下向きに突出し、下端側がタンパ16に固着されてい
る。
【0032】26は加振機17に設けられた振幅検出手
段としての変位センサで、該変位センサ26は、図4に
示す如く、キャップ23に固定された円筒状のコイル2
6Aと、上側ロッド21に固定された棒状のコア26B
等とから構成されている。そして、変位センサ26は、
チューブ19に対するピストン20等の相対変位を上,
下方向で検出し、この検出信号を後述の振幅検出器48
から振幅の検出値Wkとして出力するものである。
【0033】27,27はチューブ19の左,右両側に
取付けられたウエイトで、該各ウエイト27は直方体状
をなす重量の金属体等からなり、後述するようにチュー
ブ19、方向制御弁28等と共に質量M1 を有してい
る。
【0034】28は油圧ポンプ30から油圧シリンダ1
8に給排される圧油の方向を切換制御する方向制御弁
で、該方向制御弁28は、図4および図5に示す如く、
電磁アクチュエータ28Aを有するスプール弁等からな
り、マニホールド29を介して油圧シリンダ18のチュ
ーブ19に取付けられている。
【0035】そして、方向制御弁28は、後述の目標信
号出力器45から正弦波状の目標信号が出力されると、
この目標信号に対応して図5中の中立位置(イ)から切
換位置(ロ),(ハ)へと連続的に切換わる。これによ
り、油圧ポンプ30から吐出される圧油はチューブ19
の油室24,25内へと交互に給排され、ピストン20
はチューブ19内で振動する構成となっている。
【0036】ここで、油圧シリンダ18のチューブ1
9、各ウエイト27、方向制御弁28、マニホールド2
9等は質量M1 をもった第1の慣性体を構成し、作業具
13、ピストン20、上側ロッド21、下側ロッド22
等は質量M2 をもった第2の慣性体を構成すると共に、
その質量M2 は第1の慣性体の質量M1 よりも小さく形
成されている(M1 >M2 )。
【0037】そして、油圧シリンダ18の作動時には、
チューブ19側に位置した第1の慣性体とピストン20
側に位置した第2の慣性体とが相対的に振動し、このと
き第1の慣性体はハウジング12、作業具13等に支持
されない自由状態で振動すると共に、その反力が起振力
となってタンパ16に伝わる。これにより、振動作業装
置の運転中には、タンパ16を大きく振動させて地固め
等の作業を行うことができる。
【0038】次に、油圧シリンダ18を駆動するための
駆動回路について図5を参照しつつ説明する。
【0039】30はタンク31と共に油圧源を構成する
油圧ポンプで、該油圧ポンプ30、タンク31は一対の
主管路32A,32Bを介して油圧シリンダ18に接続
され、これらの主管路32A,32Bの途中には、方向
制御弁28、マニホールド29等が設けられている。ま
た、油圧ポンプ30は、タンク31内の作動油を油圧シ
リンダ18に向けて主管路32Aに吐出し、このとき主
管路32Aを流通する圧油の流量は定格流量Qs として
予め定められている。
【0040】33は振動作業装置11に設けられた流量
設定手段としての流量設定装置で、該流量設定装置33
は、後述の流量制御弁34と、操作レバー49(図1参
照)とからなり、油圧ポンプ30から油圧シリンダ18
に供給される圧油の流量を可変に設定操作するものであ
る。
【0041】34は流量設定装置33の一部を構成する
流量制御弁で、該流量制御弁34は、油圧ポンプ30の
吐出側と方向制御弁28との間に位置して主管路32A
の途中に接続されている。そして、流量制御弁34は、
油圧ポンプ30から油圧シリンダ18に供給される圧油
の流量を操作レバー49の操作量Zに応じて変化させる
ものである。
【0042】35は圧油の圧力を検出する圧力検出手段
としての圧力センサで、該圧力センサ35は、油圧ポン
プ30の吐出側と方向制御弁28との間に設けられ、主
管路32Aに対して流量制御弁34と並列に接続されて
いる。そして、圧力センサ35は、流量制御弁34の
前,後で圧油の生じる圧力差を差圧ΔPとして検出し、
後述のコントローラ40に検出信号を出力する構成とな
っている。
【0043】36は建設機械1の運転室4内に設けられ
た入力装置で、該入力装置36は、振動作業装置11を
始動させるための始動スイッチ37と、振動作業装置1
1を停止させるための停止スイッチ38と、後述の周波
数設定器39等とから構成されている。
【0044】39は例えば可変抵抗器等からなる周波数
設定手段としての周波数設定器で、該周波数設定器39
は、加振機17が振動するときの周波数を可変に設定
し、その設定値Fset をコントローラ40に出力するも
のである。
【0045】40は振動作業装置11を制御するコント
ローラで、該コントローラ40は、後述の演算器41、
目標信号出力器45、オペアンプ46、振幅検出器48
等によって構成されている。
【0046】41は記憶装置42、A/D変換器43、
D/A変換器44と共にマイクロコンピュータ等を構成
する演算器で、該演算器41には、始動スイッチ37と
停止スイッチ38とから出力されるディジタル信号が入
力され、圧力センサ35、周波数設定器39および振幅
検出器48から出力されるアナログ信号がA/D変換器
43を介して入力される。
【0047】そして、演算器41は、後述の目標周波数
F0 と目標振幅W0 とをD/A変換器44から目標信号
出力器45に出力する。また、演算器41は、周波数設
定器39から出力される周波数の設定値Fset と、変位
センサ26から振幅検出器48を通じて出力される振幅
の検出値Wk と、圧力センサ35から出力される差圧Δ
Pとを用いて、加振機17が振動するときの目標振幅W
0 を操作レバー49の操作量Zに応じて調整する振幅調
整手段を構成している。
【0048】さらに、記憶装置42はROM、RAM等
によって構成され、その内部には、図6に示す制御用の
プログラムと、油圧ポンプ30の定格流量Qs 、操作レ
バー49の最大操作量Zmax 、後述の定数C1 ,C2 等
とが予め記憶されている。
【0049】45は方向制御弁28を駆動する目標信号
出力手段としての目標信号出力器で、該目標信号出力器
45は、演算器41から出力される目標周波数F0 と目
標振幅W0 とを用いて、例えばこれらに対応する周波数
および振幅をもった正弦波状の目標信号Sを後述の如く
生成し、この目標信号Sをオペアンプ46を介して方向
制御弁28に出力する構成となっている。
【0050】46は目標信号出力器45と方向制御弁2
8との間に設けられた差動増幅手段としてのオペアンプ
で、該オペアンプ46は、目標信号出力器45から出力
される目標信号と、変位センサ26から出力されアンプ
47により増幅された検出信号とを入力されることによ
り、これらの信号値の差を増幅して駆動用の増幅信号を
方向制御弁28の電磁アクチュエータ28Aに出力する
ものである。
【0051】これにより、油圧シリンダ18は、目標信
号出力器45から出力される目標信号と、変位センサ2
6から出力される検出信号とを用いてフィードバック制
御される。この結果、油圧シリンダ18のピストン20
は目標信号の波形に追従してチューブ19内で振動し、
このときの周波数と振動数とは、演算器41から出力さ
れる目標周波数F0 、目標振幅W0 に対応した大きさと
なる。
【0052】48はアンプ47の出力側に接続された振
幅検出器で、該振幅検出器48は、例えば変位センサ2
6から出力される信号波形の平均値(または実効値)を
振幅の検出値Wk として検出し、その検出信号をA/D
変換器43を通じて演算器41に出力するものである。
【0053】49は流量設定装置33の一部を構成する
操作機構としての操作レバーで、該操作レバー49は、
図1に示す如く、例えば建設機械1の運転室4内に操作
可能に設けられ、作業者により所望の操作量Zをもって
操作されると共に、その操作量Zに応じて流量制御弁3
4を開,閉操作するものである。そして、操作レバー4
9の操作量Zは、零から予め定められた最大操作量Zma
x までの間に設定されるように構成されている。
【0054】本実施の形態による振動作業装置11は上
述の如き構成を有するもので、次に図6を参照しつつコ
ントローラ40による制御処理について述べる。
【0055】まず、振動作業装置11の電源が投入され
ると、ステップ1では、作業者等により始動スイッチ3
7が閉成(ON)されたか否かを判定し、「NO」と判
定したときには、始動スイッチ37が閉成されるまでス
テップ1で待機する。
【0056】そして、ステップ1で「YES」と判定し
たときには、加振機17の作動を開始するため、ステッ
プ2で目標振幅W0 を予め定められた初期設定用の最大
値等に設定し、後述のステップ3〜10によって加振機
17の振動制御を行う。
【0057】ここで、作業者等が振動制御の実行中に停
止スイッチ38を閉成した場合には、コントローラ40
に割込み処理が発生する。この場合、実行中の制御処理
は直ちに中断され、ステップ1へと強制的に戻って待機
状態となり、加振機17の振動は停止した状態となる。
【0058】次に、ステップ3では、作業者が周波数設
定器39を用いて設定した周波数の設定値Fset を目標
周波数F0 に代入し、ステップ4では、この目標周波数
F0と、初期設定した目標振幅W0 とを目標信号出力器
45に出力する。これにより、目標信号出力器45は、
例えば下記数1の式により演算した正弦波状の目標信号
Sを方向制御弁28に出力する。
【0059】
【数1】S=W0 ×Sin(2π×F0 ×t) 但し、S :目標信号 W0 :目標振幅 F0 :目標周波数 t :時間
【0060】そして、この状態で作業者が操作レバー4
9を操作すると、油圧ポンプ30からの圧油が流量制御
弁34を通じて方向制御弁28に供給されるようにな
り、加振機17は、目標周波数F0 と目標振幅W0 とを
もった振動を作業具13に発生させる。
【0061】次に、ステップ5では、加振機17の目標
周波数F0 と、記憶装置42に記憶した油圧ポンプ30
の定格流量Qs および定数C1 とを用いて、加振機17
の最大振幅Wmax を下記数2の式により演算する。
【0062】
【数2】
【0063】ここで、最大振幅Wmax とは、加振機17
が目標周波数F0 で振動するときに該加振機17に発生
することが可能な振幅の最大値として定義されるもので
ある。また、定数C1 は、例えば油圧シリンダ18の断
面積等に応じて予め定められた固定値である。そして、
加振機17が周波数Fと振幅Wをもって振動していると
きには、油圧シリンダ18内に給排される圧油の流量Q
を下記数3の式のように表すことができる。
【0064】
【数3】Q=C1 ×F×W
【0065】従って、数3の式において周波数Fを一定
の目標周波数F0 に保持し、流量Qが最大となって定格
流量Qs に達したとすれば、このときの振幅Wが最大振
幅Wmax となるので、前記数2の式を導出することがで
きる。この結果、加振機17の振幅は、油圧ポンプ30
から供給される圧油の定格流量Qs により最大振幅Wma
x 以下の大きさに制限されることになる。
【0066】次に、ステップ6では、変位センサ26か
ら振幅検出器48を経由して出力される振幅の検出値W
k を読込み、ステップ7では、この振幅の検出値Wk
と、目標周波数F0 と、前記定数C1 とを前記数3の式
に代入することにより、油圧ポンプ30から流量制御弁
34を経由して方向制御弁28に供給される圧油の実流
量Qr を下記数4の式によって演算する。
【0067】
【数4】Qr =C1 ×F0 ×Wk
【0068】次に、ステップ8では、流量制御弁34の
前,後に生じた差圧ΔPを圧力センサ35から読込み、
ステップ9では、この差圧ΔPと、ステップ7で演算し
た圧油の実流量Qr と、記憶装置42に記憶した定数C
2 とを用いて、操作レバー49の操作量Zを下記数5の
式により演算する。
【0069】
【数5】
【0070】ここで、定数C2 は、例えば流量制御弁3
4内の構造、流路抵抗等により予め定められた固定値で
ある。また、圧油の実流量Qr は、流量制御弁34の流
路断面積と圧油の流速との積として表すことができ、こ
の圧油の流速は、流量制御弁34の前,後に生じる差圧
ΔPの平方根に比例する。
【0071】これにより、前記数5の式の右辺では、圧
油の実流量Qr を差圧ΔPの平方根によって除算した値
が流量制御弁34の流路断面積に対応する大きさとな
る。また、この流路断面積は操作レバー49の操作量Z
に応じて変化すると考えることができるので、適切な定
数C2 を用いることによって前記数5の式を成立させる
ことができる。
【0072】次に、ステップ10では、加振機17の振
幅を操作レバー49の操作量Zに対応した大きさに調整
するため、ステップ5で演算した最大振幅Wmax と、ス
テップ9で演算した操作量Zと、記憶装置42に記憶し
た最大操作量Zmax とを用いて、加振機17を振動させ
る目標振幅W0 を下記数6の式により演算する。
【0073】
【数6】
【0074】ここで、最大操作量Zmax とは、操作レバ
ー49を最大位置まで操作したときの操作量Zに対応す
る値であり、操作レバー49を最大位置まで操作したと
きに圧油の実流量Qr が定格流量Qs に達し、差圧ΔP
が最小値ΔPmin に減少したとすれば、これらを前記数
5の式に代入することによって最大操作量Zmax を導出
することができる。
【0075】これにより、加振機17が周波数設定器3
9により設定した目標周波数F0 (設定値Fset )で振
動するときには、このときの最大振幅Wmax に対して目
標振幅W0 が操作量Zと最大操作量Zmax との比率分だ
け小さくなるように調整され、この状態で目標振幅W0
は操作量Zにほぼ比例して増減する。
【0076】そして、ステップ10を終了した後にはス
テップ3〜10の処理を繰返し、これによって次回以降
のステップ4では、ステップ10で演算した目標振幅W
0 が目標周波数F0 と共に目標信号出力器45へと出力
される。
【0077】この結果、振動作業装置11の運転中に
は、作業者が周波数設定器39と操作レバー49とを操
作すると、加振機17が周波数設定器39によって設定
した周波数で振動しつつ、その振幅が操作レバー49の
操作量Zに応じて変化すると共に、油圧ポンプ30は、
操作レバー49の操作量Zに応じて最低限必要な量の圧
油だけを油圧シリンダ18に供給するようになる。
【0078】かくして、本実施の形態では、振動作業装
置11に流量制御弁34、圧力センサ35、周波数設定
器39、操作レバー49等を設け、加振機17が振動す
るときの振幅を操作レバー49により設定操作し、振動
の周波数を周波数設定器39によって設定する構成とし
たので、例えば地固め、杭打ち等の作業内容や作業現場
の土質、地固めの程度等に応じて加振機17の振動周波
数と振幅とをそれぞれ容易に設定でき、これらの設定内
容に対応して作業具13を確実に振動させることができ
る。
【0079】そして、周波数設定器39により設定した
目標周波数F0 と、油圧ポンプ30の定格流量Qs 等と
を用いて加振機17の最大振幅Wmax を演算器41によ
り演算でき、目標周波数F0 と、振幅の検出値Wk 等と
を用いて油圧シリンダ18に供給される圧油の実流量Q
r を演算できると共に、流量制御弁34の前,後で圧油
に生じる差圧ΔPを圧力センサ35によって確実に検出
することができる。
【0080】これにより、加振機17の振動周波数を所
望の大きさに設定した状態で発生可能な最大の振幅を最
大振幅Wmax として演算でき、また圧油の差圧ΔPと実
流量Qr 等とを用いて操作レバー49の操作量Zを確実
に演算することができる。
【0081】従って、操作レバー49の操作量Z、最大
操作量Zmax および加振機17の最大振幅Wmax を用い
て加振機17の目標振幅W0 を演算でき、この目標振幅
W0を操作レバー49の操作量Zに応じて適切に調整で
きると共に、地固め等の作業中には、操作レバー49を
操作して作業具13の振幅を簡単に変化させることがで
きる。
【0082】しかも、操作レバー49の操作量Zに応じ
て流量制御弁34により圧油の実流量Qr も増減させる
ことができ、加振機17の振動周波数および振幅に対応
して油圧ポンプ30から最低限必要な量の圧油だけを油
圧シリンダ18に供給できると共に、油圧ポンプ30を
用いて加振機17を効率よく駆動でき、燃費の向上等を
図ることができる。
【0083】また、操作レバー49の操作量Z、最大操
作量Zmax および加振機17の最大振幅Wmax を用いて
目標振幅W0 を演算することにより、作業者が操作レバ
ー49を操作するときには、最大振幅Wmax に対する現
在の振幅の割合を操作レバー49の最大操作量Zmax に
対する現在の操作量Zの比率として常に認識することが
できる。
【0084】これにより、加振機17を振動させるとき
には、その周波数を周波数設定器39によって任意の大
きさに設定した状態で、振幅の設定限界に余分な注意等
を払うことなく、操作レバー49により地固め等の作業
を効率よく行うことができ、加振機17の振幅と操作レ
バー49の操作量Zとの関係を容易に把握できると共
に、その操作性を向上させることができる。
【0085】また、加振機17を油圧シリンダ18、方
向制御弁28等によって構成し、油圧シリンダ18の駆
動量を目標信号出力器45の目標信号と変位センサ26
の検出信号とを用いてオペアンプ46により制御するよ
うにしたから、入力装置36、操作レバー49等の設定
内容に応じて油圧シリンダ18を安定的に駆動でき、そ
の駆動量を目標信号出力器45から出力される目標信号
Sに応じて正確にフィードバック制御することができ
る。
【0086】さらに、作業具13等からなる第2の慣性
体の質量M2 をウエイト27等からなる第1の慣性体の
質量M1 よりも小さく形成したので、第2の慣性体側に
大きな振動を発生させることができる。即ち、第1,第
2の慣性体が振動するときには、これらの間に作用する
力の大きさが互いに等しくなるので、このとき第1の慣
性体に加速度a1 が生じ、第2の慣性体に加速度a2 が
生じるとすると、下記数7の式に示す関係が成立し、こ
の式から下記数8の式を導くことができる。
【0087】
【数7】M1 ×a1 =M2 ×a2
【0088】
【数8】
【0089】従って、第1の慣性体の質量M1 を大き
く、または第2の慣性体の質量M2 を小さく設定するこ
とによって加速度a2 を増大させることができ、作業具
13等からなる第2の慣性体側に大きな振動を発生させ
ることができる。
【0090】これにより、タンパ16が地面に押付けら
れた状態でも、タンパ16を確実に振動させることがで
き、この状態で第1の慣性体が振動するときの大きな反
力を地面に与えることができると共に、例えば粘土質等
からなる軟質の地面を地固めするときでも、この地固め
作業を効率よく行うことができる。
【0091】なお、前記実施の形態では、図6に示す流
れ図のうちステップ5が最大振幅演算手段の具体例を示
し、ステップ7が流量演算手段の具体例を示すと共に、
ステップ9が操作量演算手段、ステップ10が振幅演算
手段の具体例をそれぞれ示している。
【0092】また、前記実施の形態では、操作機構とし
て操作レバー49を設ける構成としたが、本発明はこれ
に限らず、例えば操作ペダル、ダイヤル等からなる操作
機構を操作レバー49に代えて用いる構成としてもよ
い。
【0093】さらに、前記実施の形態では、油圧シリン
ダ18のピストン20側に作業具13を固着し、チュー
ブ19側にウエイト27を設ける構成としたが、本発明
はこれに限らず、例えばピストン20に上側ロッド21
等を介してウエイトを設け、チューブ19の下部側を作
業具13に固着する構成としてもよい。
【0094】また、地固め作業用のタンパ16等によっ
て作業具13を構成したが、本発明はこれに限らず、例
えば図7に示す変形例のように、タンパ16に代えてチ
ャック51を用い、矢板52等を把持したチャック51
を加振機17によって振動させることにより、矢板52
を地中に打込む作業、または矢板52を地中から引抜く
作業を行う構成としてもよい。さらにまた、土砂等を掘
削するバケット(図示せず)をタンパ16に代えて用
い、このバケットを振動させつつ固い地面を掘削する作
業を行う構成としてもよい。
【0095】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1の発明によ
れば、振動作業装置を、作業具支持体、作業具、加振
機、振幅検出手段、流量設定手段、圧力検出手段、周波
数設定手段、振幅調整手段および目標信号出力手段とか
ら構成したので、加振機を周波数設定手段により設定し
た周波数で振動させつつ、流量設定手段により圧油の流
量を設定操作するときの操作量に応じて加振機の振幅を
適切に調整でき、例えば地固め、杭打ち等の作業内容に
応じて加振機の振動周波数と振幅とを容易に設定できる
と共に、設定時のの操作性を向上させることができる。
しかも、油圧源から加振機に供給される圧油の流量も流
量設定手段の操作量に応じて変化させることができ、加
振機の振動周波数および振幅に対応して油圧源から最低
限必要な量の圧油だけを加振機に供給することができ
る。これにより、油圧源を用いて加振機を効率よく駆動
でき、燃費の向上等を図ることができる。
【0096】また、請求項2の発明によれば、流量設定
手段を流量制御弁によって構成したので、流量制御弁を
開,閉操作することにより、油圧源から加振機に出力さ
れる圧油の流量と加振機の振幅とを流量制御弁の操作量
に応じて確実に変化させることができ、その操作性を向
上できると共に、油圧源を用いて加振機を効率よく駆動
することができる。
【0097】さらに、請求項3の発明によれば、圧力検
出手段を、流量設定手段の前,後の差圧を検出する圧力
センサによって構成したので、差圧の検出値と圧油の流
量等とを用いて流量設定手段の操作量を確実に演算で
き、この操作量の演算値に応じて加振機の振幅を適切に
調整することができる。
【0098】また、請求項4の発明によれば、振幅調整
手段には、最大振幅演算手段、流量演算手段、操作量演
算手段および振幅演算手段を設ける構成としたので、流
量設定手段の操作量および最大操作量と、加振機の最大
振幅とを用いて振幅の調整値を演算でき、流量設定手段
により圧油の流量を設定操作するときには、最大振幅に
対する振幅の調整値の割合を流量設定手段の最大操作量
に対する現在の操作量の比率として常に認識できる。こ
れにより、加振機の振幅と流量設定手段の操作量との関
係を容易に把握でき、その操作性を向上させることがで
きる。
【0099】さらに、請求項5の発明によれば、加振機
を油圧シリンダおよび方向制御弁によって構成し、目標
信号出力手段と方向制御弁との間には差動増幅手段を設
ける構成としたから、周波数設定手段、振幅調整手段等
の設定処理、調整処理に応じて油圧シリンダを安定的に
駆動でき、その駆動量を目標信号出力手段から出力され
る目標信号に応じて正確にフィードバック制御すること
ができる。
【0100】また、請求項6の発明によれば、第1の慣
性体の質量を第2の慣性体の質量よりも大きく設定する
構成としたから、第1の慣性体に生じる慣性力を用いて
第2の慣性体に大きな振動を発生させることができる。
これにより、作業具を例えば地面、矢板、杭等の対象物
に固定した状態でも、作業具を確実に振動させることが
でき、この状態で第1の慣性体が振動するときの大きな
反力を対象物に与えることができると共に、作業効率を
高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による振動作業装置を適用
した建設機械を示す正面図である。
【図2】図1中の振動作業装置を拡大して示す正面図で
ある。
【図3】振動作業装置を拡大して示す図2の右側面図で
ある。
【図4】図3中の矢示IV−IV方向からみた縦断面図であ
る。
【図5】振動作業装置の駆動回路等を示す構成図であ
る。
【図6】コントローラによる制御処理を示す流れ図であ
る。
【図7】本発明による振動作業装置の変形例を建設機械
と共に示す正面図である。
【符号の説明】
1 建設機械 11 振動作業装置 12 ハウジング(作業具支持体) 13 作業具 17 加振機 18 油圧シリンダ 19 チューブ 20 ピストン 22 下側ロッド(ロッド) 26 変位センサ(振幅検出手段) 27 ウエイト 28 方向制御弁 30 油圧ポンプ(油圧源) 31 タンク(油圧源) 33 流量設定装置(流量設定手段) 34 流量制御弁 35 圧力センサ(圧力検出手段) 39 周波数設定器(周波数設定手段) 41 演算器(振幅調整手段) 45 目標信号出力器(目標信号出力手段) 46 オペアンプ(差動増幅手段) 49 操作レバー

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建設機械に設けられた作業具支持体と、 該作業具支持体により振動可能に支持された作業具と、 該作業具に設けられ油圧源から供給される圧油によって
    該作業具を任意の周波数および振幅で振動させる加振機
    と、 該加振機に設けられ該加振機の振幅を検出する振幅検出
    手段と、 前記油圧源から加振機に供給される圧油の流量を可変に
    設定する流量設定手段と、 該流量設定手段より設定された圧油の圧力を検出する圧
    力検出手段と、 前記加振機が振動するときの周波数を可変に設定する周
    波数設定手段と、 前記流量設定手段により設定された圧油の流量に応じて
    前記加振機の振幅を変化させるため、該周波数設定手段
    により設定した周波数の設定値、前記振幅検出手段によ
    り検出した振幅の検出値および前記圧力検出手段により
    検出した圧油の圧力値を用いて前記加振機の振幅を調整
    する振幅調整手段と、 該振幅調整手段により調整した振幅の調整値と前記周波
    数設定手段により設定した周波数の設定値とを用いて前
    記加振機を振動させる周波数と振幅とをもった目標信号
    を生成し、この目標信号を前記加振機に出力する目標信
    号出力手段とから構成してなる振動作業装置。
  2. 【請求項2】 前記流量設定手段は、前記加振機と油圧
    源との間に設けられ前記油圧源から加振機に供給される
    圧油の流量を設定する流量制御弁により構成してなる請
    求項1に記載の振動作業装置。
  3. 【請求項3】 前記圧力検出手段は前記加振機と油圧源
    との間に位置して前記流量設定手段と並列に設けられた
    圧力センサからなり、該圧力センサは前記流量制御手段
    の前,後の差圧を検出する構成としてなる請求項1また
    は2に記載の振動作業装置。
  4. 【請求項4】 前記振幅調整手段には、前記加振機が周
    波数設定手段により設定した周波数で振動するときに発
    生可能な振幅の最大値を予め定められた前記油圧源の定
    格流量と前記周波数設定手段により設定した周波数の設
    定値とを用いて演算する最大振幅演算手段と、前記振幅
    検出手段により検出した振幅の検出値と前記周波数設定
    手段により設定した周波数の設定値とを用いて前記油圧
    源から加振機に供給される圧油の流量を演算する流量演
    算手段と、該流量演算手段により演算した流量の演算値
    と前記圧力検出手段により検出した圧油の圧力値とを用
    いて前記流量設定手段により流量を設定操作したときの
    操作量を演算する操作量演算手段と、該操作量演算手段
    により演算した操作量の演算値と予め定められた操作量
    の最大値との比率を前記振幅の最大値に乗算することに
    よって前記振幅の調整値を演算する振幅演算手段とを設
    ける構成としてなる請求項1,2または3に記載の振動
    作業装置。
  5. 【請求項5】 前記加振機は、チューブ内にピストンが
    摺動可能に挿嵌され該チューブとピストンのうちいずれ
    か一方が前記作業具に固定される油圧シリンダと、該油
    圧シリンダに設けられ前記油圧源から該油圧シリンダ内
    に給排される圧油の方向を切換える方向制御弁とからな
    り、前記振幅検出手段は前記油圧シリンダのチューブに
    対するピストンの相対変位を検出する変位センサによっ
    て構成し、かつ前記目標信号出力手段と方向制御弁との
    間には、前記目標信号出力手段から出力される目標信号
    と前記変位センサから出力される検出信号との差に応じ
    て前記方向制御弁に制御用の信号を出力する差動増幅手
    段を設けてなる請求項1,2,3または4に記載の振動
    作業装置。
  6. 【請求項6】 前記加振機は、チューブ内にピストンが
    摺動可能に挿嵌され該チューブとピストンのうちいずれ
    か一方が前記作業具に固定される油圧シリンダと、該油
    圧シリンダに設けられ前記油圧源から該油圧シリンダ内
    に給排される圧油の方向を切換える方向制御弁とからな
    り、前記油圧シリンダのチューブ、ウエイトおよび方向
    制御弁によって構成される第1の慣性体の質量は、前記
    油圧シリンダのピストン、ロッドおよび前記作業具によ
    って構成される第2の慣性体の質量よりも大きく設定し
    てなる請求項1,2,3,4または5に記載の振動作業
    装置。
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