JP2000016938A - メトトレキサート経皮適用剤 - Google Patents
メトトレキサート経皮適用剤Info
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- JP2000016938A JP2000016938A JP10222253A JP22225398A JP2000016938A JP 2000016938 A JP2000016938 A JP 2000016938A JP 10222253 A JP10222253 A JP 10222253A JP 22225398 A JP22225398 A JP 22225398A JP 2000016938 A JP2000016938 A JP 2000016938A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 慢性関節リウマチ(RA)に対し、現在最も
有効とされているメトトレキサートを、従来の経口剤よ
りも安全で、しかもコンプライアンスの高い経皮適用剤
として提供する。 【解決手段】 経皮適用剤の基剤にメトトレキサートと
ともに有機アミンを配合することにより、これまで困難
であったメトトレキサートの血中への送達を実現した。
軟膏剤、クリーム、ローション、ゲル、貼付剤等の剤型
が使用できるが、血中への薬物吸収を目的とした製剤で
あること及び、薬物吸収量の制御性や取扱い性の面か
ら、貼付剤がより好ましい剤型である。
有効とされているメトトレキサートを、従来の経口剤よ
りも安全で、しかもコンプライアンスの高い経皮適用剤
として提供する。 【解決手段】 経皮適用剤の基剤にメトトレキサートと
ともに有機アミンを配合することにより、これまで困難
であったメトトレキサートの血中への送達を実現した。
軟膏剤、クリーム、ローション、ゲル、貼付剤等の剤型
が使用できるが、血中への薬物吸収を目的とした製剤で
あること及び、薬物吸収量の制御性や取扱い性の面か
ら、貼付剤がより好ましい剤型である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】慢性関節リウマチ(以下RA)に
対し、現在最も有効とされているメトトレキサートを、
従来の経口剤よりも安全で、しかもコンプライアンスの
高い経皮適用剤として提供するものである。
対し、現在最も有効とされているメトトレキサートを、
従来の経口剤よりも安全で、しかもコンプライアンスの
高い経皮適用剤として提供するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、RAは病因が不明なため、適切な
予防法も根治的な治療法もない、いわゆる難病である。
慢性の全身性炎症性疾患で特徴的な関節病変を呈する。
多くのRAは関節痛から始まるが、持続すると関節破壊
や変形を伴い、運動機能障害をもたらす。皮膚・血管・
神経・心・肺等の関節外病変を伴うことも多く、病変が
関節にとどまらない全身性系統的疾患である。我が国に
おける患者数は少なく見積もっても30万人といわれ
る。
予防法も根治的な治療法もない、いわゆる難病である。
慢性の全身性炎症性疾患で特徴的な関節病変を呈する。
多くのRAは関節痛から始まるが、持続すると関節破壊
や変形を伴い、運動機能障害をもたらす。皮膚・血管・
神経・心・肺等の関節外病変を伴うことも多く、病変が
関節にとどまらない全身性系統的疾患である。我が国に
おける患者数は少なく見積もっても30万人といわれ
る。
【0003】現在の主たる治療は非ステロイド抗炎症剤
(NSAIDs)と疾患修飾性抗リウマチ薬(DMAR
Ds)であるが、それで十分に効果の得られない場合に
免疫抑制剤が用いられる。
(NSAIDs)と疾患修飾性抗リウマチ薬(DMAR
Ds)であるが、それで十分に効果の得られない場合に
免疫抑制剤が用いられる。
【0004】RAに対する第一選択薬としては、サリチ
ル酸系、アントラニール酸系、フェニル酢酸系、インド
ール酢酸系、プロピオン酸系、ピラゾロン系、フェナセ
チン系、オキシカム系、ソランタール(塩基性)等の非
ステロイド抗炎症剤が用いられている。第二選択薬とし
ては、金製剤(オーラノフィン、金チオマレートN
a)、SH剤(ブシラミン、D−ペニシラミン)、CC
A(ロベンザリット2ナトリウム)、サルファ剤(スル
ファサラジン)等のDMARDsが用いられている。第
三選択薬には各種ステロイド薬が選択される。そして第
四選択薬としては、ミゾリビン、アザチオプリン、シク
ロホスファミド、メトトレキサート、タクロリムス水和
物等の免疫抑制剤が用いられる。
ル酸系、アントラニール酸系、フェニル酢酸系、インド
ール酢酸系、プロピオン酸系、ピラゾロン系、フェナセ
チン系、オキシカム系、ソランタール(塩基性)等の非
ステロイド抗炎症剤が用いられている。第二選択薬とし
ては、金製剤(オーラノフィン、金チオマレートN
a)、SH剤(ブシラミン、D−ペニシラミン)、CC
A(ロベンザリット2ナトリウム)、サルファ剤(スル
ファサラジン)等のDMARDsが用いられている。第
三選択薬には各種ステロイド薬が選択される。そして第
四選択薬としては、ミゾリビン、アザチオプリン、シク
ロホスファミド、メトトレキサート、タクロリムス水和
物等の免疫抑制剤が用いられる。
【0005】これらの中で極めて有用と指摘されている
のがメトトレキサートで、RAに対し少量の投与で、比
較的早期より抗炎症効果もみられ、しかも長期寛解維持
も可能ではないかということが指摘されている。通常
2.5〜7.5mg/週で投与する方法が用いられてい
る。なお、欧米ではメトトレキサートが第一選択薬とさ
れている。しかし、第四選択薬の免疫抑制剤の中で現在
RAを適応としてもつもの(保険適用)はミゾリビンの
みである。
のがメトトレキサートで、RAに対し少量の投与で、比
較的早期より抗炎症効果もみられ、しかも長期寛解維持
も可能ではないかということが指摘されている。通常
2.5〜7.5mg/週で投与する方法が用いられてい
る。なお、欧米ではメトトレキサートが第一選択薬とさ
れている。しかし、第四選択薬の免疫抑制剤の中で現在
RAを適応としてもつもの(保険適用)はミゾリビンの
みである。
【0006】メトトレキサートは、元来悪性腫瘍の治療
剤として開発された代謝拮抗剤で、1951年に初めて
RAに使用され、有効性のあることが発表された。アメ
リカでは既にRAの治療薬として承認され(1988
年)、以来、海外17カ国においてRA治療薬としての
承認を受けている。日本では1994年から臨床治験が
開始されている段階で、未だ正式にはRAに対しての適
応がないものの、主治医の裁量権ですでに臨床の場で広
く使用されているのが現状である。しかし、白血球・血
小板の減少、肝臓障害、消化器潰瘍、下痢、粘膜びら
ん、紅斑及び脱毛等の各種の障害を誘発することがよく
知られており、また骨髄抑制や間質性肺炎等の重篤な副
作用の発現が特に問題となっている。
剤として開発された代謝拮抗剤で、1951年に初めて
RAに使用され、有効性のあることが発表された。アメ
リカでは既にRAの治療薬として承認され(1988
年)、以来、海外17カ国においてRA治療薬としての
承認を受けている。日本では1994年から臨床治験が
開始されている段階で、未だ正式にはRAに対しての適
応がないものの、主治医の裁量権ですでに臨床の場で広
く使用されているのが現状である。しかし、白血球・血
小板の減少、肝臓障害、消化器潰瘍、下痢、粘膜びら
ん、紅斑及び脱毛等の各種の障害を誘発することがよく
知られており、また骨髄抑制や間質性肺炎等の重篤な副
作用の発現が特に問題となっている。
【0007】この薬物を患者に投与するにあたっては、
従来より錠剤、カプセル剤といった経口剤による投与が
行われている。しかし、経口剤には肝初回通過効果、す
なわち薬物が血中へ到達する前に肝臓を通過する際に薬
物の多くがそこで消費されてしまうことが避けられない
といった問題がつきまとう。また、メトトレキサートは
薬効が強力である反面、前述のような副作用発現のおそ
れがあり、その使用には十分な注意が必要となってい
る。また、そのため本剤の投与による有用性が副作用発
現のリスクを上回ると判断された時にのみ使用されてい
る。
従来より錠剤、カプセル剤といった経口剤による投与が
行われている。しかし、経口剤には肝初回通過効果、す
なわち薬物が血中へ到達する前に肝臓を通過する際に薬
物の多くがそこで消費されてしまうことが避けられない
といった問題がつきまとう。また、メトトレキサートは
薬効が強力である反面、前述のような副作用発現のおそ
れがあり、その使用には十分な注意が必要となってい
る。また、そのため本剤の投与による有用性が副作用発
現のリスクを上回ると判断された時にのみ使用されてい
る。
【0008】そこで、血中への薬物吸収が可能となる経
皮適用剤が開発できれば、経口剤では避けられない肝初
回通過効果を回避することができ、さらに消化器障害等
の副作用を回避することが可能となる。また、特に貼付
剤にはそれに加えていくつか利点がある。例えば、薬物
の経皮吸収性をコントロールすることで、長期間にわた
り一定の薬物血中濃度を維持することが可能であり、経
口投与のような、薬物の短時間の急激な吸収により起こ
る副作用を防ぐことが可能となる。また、もし障害が発
生した場合でも、製剤を除去することにより薬物の供給
を直ちに中止することが可能なこと、投与忘れや重複投
与のおそれがないといった点である。しかし、メトトレ
キサートは分子量が大きく、極性も高いため、通常の経
皮適用剤の基剤からの経皮吸収性が悪く、未だ血中への
薬物吸収を目的とした経皮吸収型の製剤は開示されてい
なかった。
皮適用剤が開発できれば、経口剤では避けられない肝初
回通過効果を回避することができ、さらに消化器障害等
の副作用を回避することが可能となる。また、特に貼付
剤にはそれに加えていくつか利点がある。例えば、薬物
の経皮吸収性をコントロールすることで、長期間にわた
り一定の薬物血中濃度を維持することが可能であり、経
口投与のような、薬物の短時間の急激な吸収により起こ
る副作用を防ぐことが可能となる。また、もし障害が発
生した場合でも、製剤を除去することにより薬物の供給
を直ちに中止することが可能なこと、投与忘れや重複投
与のおそれがないといった点である。しかし、メトトレ
キサートは分子量が大きく、極性も高いため、通常の経
皮適用剤の基剤からの経皮吸収性が悪く、未だ血中への
薬物吸収を目的とした経皮吸収型の製剤は開示されてい
なかった。
【0009】なお、メトトレキサートには乾せんに対し
て治療効果のあることが確認され、局所適用剤が開示さ
れている(特開昭63−27432)。しかし、あくま
でも薬物の投与された患部局所のみへの作用であり、そ
れ以上の吸収は達せられていなかった(局所的な治療が
目的である)。また、特開昭55−149212には、
特定の水不溶性親水ポリマー中にメトトレキサートを含
有させ、含水率により薬剤溶出速度を制御できるとして
おり、子宮腔へ局所投与する絨毛性腫瘍治療剤として有
用な徐放化剤を開示しているが、同様に血中への薬物吸
収を目的としてはおらず、全身への吸収は達せられてい
ない。
て治療効果のあることが確認され、局所適用剤が開示さ
れている(特開昭63−27432)。しかし、あくま
でも薬物の投与された患部局所のみへの作用であり、そ
れ以上の吸収は達せられていなかった(局所的な治療が
目的である)。また、特開昭55−149212には、
特定の水不溶性親水ポリマー中にメトトレキサートを含
有させ、含水率により薬剤溶出速度を制御できるとして
おり、子宮腔へ局所投与する絨毛性腫瘍治療剤として有
用な徐放化剤を開示しているが、同様に血中への薬物吸
収を目的としてはおらず、全身への吸収は達せられてい
ない。
【0010】現在の外用製剤は局所作用が中心であり、
RAのように炎症巣が多数にわたる場合には物理的に不
可能というのが現状である。それが全身レベルで薬物を
有効濃度に至らせることができれば、臨床での有用性も
確かなものとなる。また特に今後は社会の高齢化が進む
ので、どうしても腎機能、肝機能が悪い人が多くなるた
め、ここでも経皮適用剤化のメリットが出てくる。
RAのように炎症巣が多数にわたる場合には物理的に不
可能というのが現状である。それが全身レベルで薬物を
有効濃度に至らせることができれば、臨床での有用性も
確かなものとなる。また特に今後は社会の高齢化が進む
ので、どうしても腎機能、肝機能が悪い人が多くなるた
め、ここでも経皮適用剤化のメリットが出てくる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記経口剤の欠点を解
消するために、メトトレキサートを経皮適用剤化するに
あたって問題となっていた血中へのメトトレキサートの
送達技術を完成させることが本発明の課題であり、RA
に有効な経皮適用剤を得ることが目的である。
消するために、メトトレキサートを経皮適用剤化するに
あたって問題となっていた血中へのメトトレキサートの
送達技術を完成させることが本発明の課題であり、RA
に有効な経皮適用剤を得ることが目的である。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで発明者らは、経皮
吸収型製剤に関して鋭意研究した結果、メトトレキサー
トに加え、有機アミンを外用剤の基剤中に含ませること
により、これまで困難であったメトトレキサートの血中
への送達が実現するという知見を得るに至った。
吸収型製剤に関して鋭意研究した結果、メトトレキサー
トに加え、有機アミンを外用剤の基剤中に含ませること
により、これまで困難であったメトトレキサートの血中
への送達が実現するという知見を得るに至った。
【0013】本発明者らは、メトトレキサートを配合し
た外用製剤において、基剤中に有機アミンを添加するこ
とにより、メトトレキサートの薬物吸収性が著しく向上
することを見いだした。
た外用製剤において、基剤中に有機アミンを添加するこ
とにより、メトトレキサートの薬物吸収性が著しく向上
することを見いだした。
【0014】本発明に用いる有機アミンとしては、ジエ
チルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミンや、
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプ
ロパノールアミンといったアルカノールアミンあるいは
エチレンジアミン、塩酸トリエタノールアミン等が挙げ
られる。
チルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミンや、
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプ
ロパノールアミンといったアルカノールアミンあるいは
エチレンジアミン、塩酸トリエタノールアミン等が挙げ
られる。
【0015】本発明の経皮適用剤は、軟膏剤、クリー
ム、ローション、ゲル、貼付剤等の剤型が使用できる。
血中への薬物吸収を目的とした製剤であること及び、薬
物吸収量の制御性や取扱い性の面を考慮すると、貼付剤
がより好ましい剤型である。
ム、ローション、ゲル、貼付剤等の剤型が使用できる。
血中への薬物吸収を目的とした製剤であること及び、薬
物吸収量の制御性や取扱い性の面を考慮すると、貼付剤
がより好ましい剤型である。
【0016】軟膏剤、クリーム、ローションとして配合
される基剤成分としては、基剤、乳化剤、保存剤が挙げ
られ、基剤としては白色ワセリン、流動パラフィン等の
炭化水素、大豆等の油脂類、ミツロウ、ラノリン等のロ
ウ類、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸、ラノリン
アルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコ
ール及びそのエステル類、マクロゴール類等が挙げら
れ、乳化剤としては、非イオン性界面活性剤等が挙げら
れ、保存剤としては、チモール、パラオキシ安息香酸メ
チル、パラオキシ安息香酸プロピル等が挙げられる。
される基剤成分としては、基剤、乳化剤、保存剤が挙げ
られ、基剤としては白色ワセリン、流動パラフィン等の
炭化水素、大豆等の油脂類、ミツロウ、ラノリン等のロ
ウ類、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸、ラノリン
アルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコ
ール及びそのエステル類、マクロゴール類等が挙げら
れ、乳化剤としては、非イオン性界面活性剤等が挙げら
れ、保存剤としては、チモール、パラオキシ安息香酸メ
チル、パラオキシ安息香酸プロピル等が挙げられる。
【0017】貼付剤のうちパップ剤の場合に配合される
基剤成分としては、増粘剤、保湿剤、充填剤、架橋剤、
溶解剤、乳化剤等が挙げられ、具体的には、増粘剤とし
てはアルギン酸ナトリウム、ゼラチン、メチルセルロー
ス、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリ
ウム等、保湿剤としてはグリセリン、マクロゴール類
等、充填剤としてはカオリン、二酸化チタン、亜鉛華
等、架橋剤としては、アセトアルデヒド、ジメチルケト
ン、硫酸アルミニウム等、溶解剤としては、エタノー
ル、2−プロパノール等のアルコール類、マクロゴール
類等、乳化剤としては、陰イオン性界面活性剤、非イオ
ン性界面活性剤等が各々例示される。
基剤成分としては、増粘剤、保湿剤、充填剤、架橋剤、
溶解剤、乳化剤等が挙げられ、具体的には、増粘剤とし
てはアルギン酸ナトリウム、ゼラチン、メチルセルロー
ス、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリ
ウム等、保湿剤としてはグリセリン、マクロゴール類
等、充填剤としてはカオリン、二酸化チタン、亜鉛華
等、架橋剤としては、アセトアルデヒド、ジメチルケト
ン、硫酸アルミニウム等、溶解剤としては、エタノー
ル、2−プロパノール等のアルコール類、マクロゴール
類等、乳化剤としては、陰イオン性界面活性剤、非イオ
ン性界面活性剤等が各々例示される。
【0018】硬膏剤においては、その粘着基剤として、
ゴム系エラストマー、アクリル系粘着剤等が使用される
が、具体的なゴム系エラストマーとしては、天然ゴム、
イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(S
IS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重
合体(SBS)、ブチルゴム、ポリイソブチレン等が挙
げられる。また、アクリル系粘着剤としては、(メタ)
アクリル酸アルキルエステル(共)重合体、ポリアクリ
ル酸エステル、メタクリル酸エステル等が挙げられる。
ゴム系エラストマー、アクリル系粘着剤等が使用される
が、具体的なゴム系エラストマーとしては、天然ゴム、
イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(S
IS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重
合体(SBS)、ブチルゴム、ポリイソブチレン等が挙
げられる。また、アクリル系粘着剤としては、(メタ)
アクリル酸アルキルエステル(共)重合体、ポリアクリ
ル酸エステル、メタクリル酸エステル等が挙げられる。
【0019】また、前記例示のゴム系エラストマーには
流動パラフィンなどの可塑剤等を含浸させ、これに粘着
付与樹脂や充填剤などを混練して調製することができ
る。
流動パラフィンなどの可塑剤等を含浸させ、これに粘着
付与樹脂や充填剤などを混練して調製することができ
る。
【0020】本発明に用いるメトトレキサートの量は、
製剤を皮膚に適用した際に薬物が無駄なく吸収され、か
つ良好な薬効を得るために高い吸収性が得られる量がよ
く、0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%であ
る。
製剤を皮膚に適用した際に薬物が無駄なく吸収され、か
つ良好な薬効を得るために高い吸収性が得られる量がよ
く、0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%であ
る。
【0021】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0022】(硬膏剤)表1に示す処方に基づき、以下
の方法により硬膏剤を製造した。
の方法により硬膏剤を製造した。
【0023】
【表1】
【0024】有機アミンをエタノール中に溶解し、これ
にメトトレキサートを添加して混合した。この混合液を
それそれの実施例及び比較例に記載された基剤成分(ゴ
ム系エラストマー、粘着付与樹脂及び可塑剤等)のトル
エン溶液と混合した。次いで剥離シート上に展延した後
乾燥し、塩化ビニル支持体を膏体面に貼り合わせて貼付
剤を製造した。比較例1は、実施例1のジイソプロパノ
ールアミンを流動パラフィンに変えて実施例と同様に製
造した。
にメトトレキサートを添加して混合した。この混合液を
それそれの実施例及び比較例に記載された基剤成分(ゴ
ム系エラストマー、粘着付与樹脂及び可塑剤等)のトル
エン溶液と混合した。次いで剥離シート上に展延した後
乾燥し、塩化ビニル支持体を膏体面に貼り合わせて貼付
剤を製造した。比較例1は、実施例1のジイソプロパノ
ールアミンを流動パラフィンに変えて実施例と同様に製
造した。
【0025】(パップ剤)表2に示す処方に基づき、以
下の方法により実施例7及び比較例4のパップ剤を製造
した。
下の方法により実施例7及び比較例4のパップ剤を製造
した。
【0026】
【表2】
【0027】有機アミン及びメトトレキサートを精製水
に混合した。この混合液を実施例に記載された基剤成分
(ポリアクリル酸ナトリウム、ゼラチン及びグリセリ
ン)の水溶液と混合した。次いで剥離シート上に展延し
た後、不織布支持体を膏体面に貼り合わせてパップ剤を
製造した。
に混合した。この混合液を実施例に記載された基剤成分
(ポリアクリル酸ナトリウム、ゼラチン及びグリセリ
ン)の水溶液と混合した。次いで剥離シート上に展延し
た後、不織布支持体を膏体面に貼り合わせてパップ剤を
製造した。
【0028】(軟膏剤)表3に示す処方に基づき、以下
の方法により実施例8及び比較例5の軟膏剤を製造し
た。
の方法により実施例8及び比較例5の軟膏剤を製造し
た。
【0029】
【表3】
【0030】有機アミン及びメトトレキサートをゲル化
炭化水素と混合撹拌し、軟膏剤を製造した。
炭化水素と混合撹拌し、軟膏剤を製造した。
【0031】(クリーム)表4に示す処方に基づき、以
下の方法により実施例9及び比較例6のクリームを製造
した。
下の方法により実施例9及び比較例6のクリームを製造
した。
【0032】
【表4】
【0033】有機アミン及びメトトレキサートを精製水
の一部と混合し、この混合液をステアリン酸、ベヘニル
アルコール、スクワラン、ポリエチレングリコールモノ
ステアリン酸、グリセリンモノステアリン酸、ブチルパ
ラベンの混合液及びメチルパラベン、1,3−ブチレン
グリコール、精製水の混合液と加温混合した後、冷却
し、クリームを製造した。
の一部と混合し、この混合液をステアリン酸、ベヘニル
アルコール、スクワラン、ポリエチレングリコールモノ
ステアリン酸、グリセリンモノステアリン酸、ブチルパ
ラベンの混合液及びメチルパラベン、1,3−ブチレン
グリコール、精製水の混合液と加温混合した後、冷却
し、クリームを製造した。
【0034】(ローション)表5に示す処方に基づき、
以下の方法により実施例10及び比較例7のローション
を製造した。
以下の方法により実施例10及び比較例7のローション
を製造した。
【表5】
【0035】有機アミン及びメトトレキサートを精製水
の一部と混合し、この混合液をステアリン酸、ベヘニル
アルコール、ポリオキシエチレンソルビタンモノステア
リン酸、グリセリンモノステアリン酸、ブチルパラベン
の混合液及びメチルパラベン、1,3−ブチレングリコ
ール、精製水の混合液と加温混合した後、冷却した。そ
の後、カルボキシビニルポリマーの水分散液と混合撹拌
し、ローションを製造した。
の一部と混合し、この混合液をステアリン酸、ベヘニル
アルコール、ポリオキシエチレンソルビタンモノステア
リン酸、グリセリンモノステアリン酸、ブチルパラベン
の混合液及びメチルパラベン、1,3−ブチレングリコ
ール、精製水の混合液と加温混合した後、冷却した。そ
の後、カルボキシビニルポリマーの水分散液と混合撹拌
し、ローションを製造した。
【0036】(試験例1)皮膚透過試験 ヘアレスマウス摘出背部皮膚を用いた皮膚透過試験を行
い、各製剤のメトトレキサートの皮膚透過性を比較し
た。
い、各製剤のメトトレキサートの皮膚透過性を比較し
た。
【0037】ヘアレスマウス摘出皮膚に各製剤を貼付
し、インビトロ膜透過試験器に装着、レセプター液にp
H7.4のリン酸塩緩衝液を使用し、レセプター液中へ
移行したメトトレキサート量を測定した。その結果を図
1に示す。
し、インビトロ膜透過試験器に装着、レセプター液にp
H7.4のリン酸塩緩衝液を使用し、レセプター液中へ
移行したメトトレキサート量を測定した。その結果を図
1に示す。
【0038】図1より明らかなように有機アミンを添加
した実施例1〜3及び実施例7の製剤は、有機アミンを
添加していない比較例1〜4の製剤よりも高い皮膚透過
性を示した。なお、実施例8〜9、比較例5〜7につい
ても皮膚透過性を調べたが、同様に有機アミンを添加し
た実施例は有機アミンを添加していない比較例よりも高
い皮膚透過性を示した。
した実施例1〜3及び実施例7の製剤は、有機アミンを
添加していない比較例1〜4の製剤よりも高い皮膚透過
性を示した。なお、実施例8〜9、比較例5〜7につい
ても皮膚透過性を調べたが、同様に有機アミンを添加し
た実施例は有機アミンを添加していない比較例よりも高
い皮膚透過性を示した。
【0039】(試験例2)経皮吸収試験 ラット(Wistar系、7週齢、雄、200g〜25
0g)の背部皮膚を除毛し、実施例1及び比較例の製剤
(4cm2)を貼付した。試験開始後一定時間後に採血
し、血中濃度を測定した。なお、48時間後に製剤を剥
離し、54時間後まで血中濃度を追跡した。その結果を
図2に示す。
0g)の背部皮膚を除毛し、実施例1及び比較例の製剤
(4cm2)を貼付した。試験開始後一定時間後に採血
し、血中濃度を測定した。なお、48時間後に製剤を剥
離し、54時間後まで血中濃度を追跡した。その結果を
図2に示す。
【0040】図2より明らかなように有機アミンを添加
した実施例1の製剤は、有機アミンを添加していない比
較例1の製剤よりも高い経皮吸収性を示し、血中濃度の
持続性も示した。また、製剤剥離後は速やかに血中濃度
が減少した。
した実施例1の製剤は、有機アミンを添加していない比
較例1の製剤よりも高い経皮吸収性を示し、血中濃度の
持続性も示した。また、製剤剥離後は速やかに血中濃度
が減少した。
【0041】(試験例3)薬効試験 RAのモデルとして用いられるラットのアジュバント関
節炎に対する浮腫抑制効果を実施した。ラット(Lew
is系、7週齢、雄、200g〜250g)の背部皮膚
を除毛し、実施例1及び比較例1の製剤(4cm2)を
貼付した。その後、アジュバント起炎を行い、経時的に
足浮腫容積を測定し、薬効を評価した。結果を図3に示
す。
節炎に対する浮腫抑制効果を実施した。ラット(Lew
is系、7週齢、雄、200g〜250g)の背部皮膚
を除毛し、実施例1及び比較例1の製剤(4cm2)を
貼付した。その後、アジュバント起炎を行い、経時的に
足浮腫容積を測定し、薬効を評価した。結果を図3に示
す。
【0042】図3より明らかなように有機アミンを添加
した実施例1の製剤は、有機アミンを添加していない比
較例1の製剤よりも強い浮腫抑制効果を示した。比較例
1の製剤はコントロール(無処置)とまったく差がなか
った。
した実施例1の製剤は、有機アミンを添加していない比
較例1の製剤よりも強い浮腫抑制効果を示した。比較例
1の製剤はコントロール(無処置)とまったく差がなか
った。
【0043】
【発明の効果】上述した通り本発明によれば、RAに対
し現在最も有効とされているメトトレキサートを、従来
の経口剤よりも安全で、しかもコンプライアンスの高い
経皮適用剤とすることができる。
し現在最も有効とされているメトトレキサートを、従来
の経口剤よりも安全で、しかもコンプライアンスの高い
経皮適用剤とすることができる。
【図1】ヘアレスマウス皮膚透過試験による実施例及び
比較例の皮膚透過性を示した図である。
比較例の皮膚透過性を示した図である。
【図2】ラットに実施例及び比較例の貼付剤を貼付した
時の血中濃度を示した図である。
時の血中濃度を示した図である。
【図3】実施例及び比較例を貼付したラットのアジュバ
ント関節炎浮腫率の推移を示した図である。
ント関節炎浮腫率の推移を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C076 AA06 AA11 AA72 BB31 CC07 CC27 DD08 DD34 DD37 DD38 DD41 DD46 DD49N DD50N EE09 EE42 FF34 FF68 4C086 AA01 CB09 MA02 MA05 MA16 MA28 MA32 MA63 NA10 ZB15 ZB26
Claims (6)
- 【請求項1】 有機アミンを配合することを特徴とし
た、慢性関節リウマチに有効なメトトレキサート含有経
皮適用剤。 - 【請求項2】 有機アミンがアルカノールアミンまたは
アルキルアミンである請求項1の経皮適用剤。 - 【請求項3】 アルカノールアミンがモノエタノールア
ミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及び
ジイソプロパノールアミンからなる群から選ばれる請求
項2の経皮適用剤。 - 【請求項4】 アルキルアミンがエチルアミン、ジエチ
ルアミン、トリエチルアミンからなる群から選ばれる請
求項2の経皮適用剤。 - 【請求項5】 剤型が硬膏剤あるいはパップ剤であるこ
とを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3または請
求項4の経皮適用剤。 - 【請求項6】 剤型が軟膏、クリーム、ローション剤の
いずれかであることを特徴とする請求項1、請求項2、
請求項3または請求項4の経皮適用剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22225398A JP3527103B2 (ja) | 1998-06-30 | 1998-06-30 | メトトレキサート経皮適用剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22225398A JP3527103B2 (ja) | 1998-06-30 | 1998-06-30 | メトトレキサート経皮適用剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000016938A true JP2000016938A (ja) | 2000-01-18 |
JP3527103B2 JP3527103B2 (ja) | 2004-05-17 |
Family
ID=16779505
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22225398A Expired - Fee Related JP3527103B2 (ja) | 1998-06-30 | 1998-06-30 | メトトレキサート経皮適用剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3527103B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100439204B1 (ko) * | 2000-10-25 | 2004-07-07 | 주식회사 삼양사 | 메토트렉세이트를 유효성분으로 함유하는 경피투여용 조성물 |
-
1998
- 1998-06-30 JP JP22225398A patent/JP3527103B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100439204B1 (ko) * | 2000-10-25 | 2004-07-07 | 주식회사 삼양사 | 메토트렉세이트를 유효성분으로 함유하는 경피투여용 조성물 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3527103B2 (ja) | 2004-05-17 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040203 |
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