JP2000015844A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP2000015844A
JP2000015844A JP19968498A JP19968498A JP2000015844A JP 2000015844 A JP2000015844 A JP 2000015844A JP 19968498 A JP19968498 A JP 19968498A JP 19968498 A JP19968498 A JP 19968498A JP 2000015844 A JP2000015844 A JP 2000015844A
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tube
ink
pump
negative pressure
recording
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JP19968498A
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Toshiro Sugiyama
敏郎 杉山
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】インク供給用及び吸引回復用の両負圧発生手段
を押圧コロでポンプチューブを順次押しつぶしていくチ
ューブポンプで構成したものにおいて、ポンプチューブ
が押圧コロの幅からはみ出すことを防止してエアリーク
を防ぐことにより確実に負圧を発生させ、押圧コロの幅
を最小限に小さくして負圧発生手段の横幅を小さくす
る。 【構成】インク供給用及び吸引回復用の両負圧発生手段
504a、504bを回転自在の押圧コロ13でポンプ
チューブ11を順次押しつぶしていくチューブポンプで
構成し、各チューブポンプの複数の押圧コロの略中間位
置にポンプチューブに接触して該ポンプチューブの蛇行
を補正する突起部6bを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吐出口から被記録
材へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機
能を有する記録装置、あるいはコンピューターやワード
プロセッサ等を含む複合型電子機器やワークステーショ
ンなどの出力機器として用いられる記録装置は、記録情
報に基づいて紙、布、プラスチックシート、OHP用シ
ート等の被記録材(記録媒体)に画像(文字や記号等を
含む)を記録していくように構成されている。前記記録
装置は、記録方式により、インクジェット式、ワイヤド
ット式、サーマル式、レーザービーム式等に分けること
ができる。
【0003】被記録材の搬送方向(紙送り方向、副走査
方向)と交叉する方向に主走査しながら記録するシリア
ルタイプの記録装置においては、被記録材に沿って移動
するキャリッジ上に搭載した記録手段によって画像を記
録(主走査)し、1行分の記録を終了した後に所定量の
紙送り(副走査としてのピッチ搬送)を行い、その後に
再び停止した被記録材に対して次の行の画像を記録(主
走査)するという動作を繰り返すことにより、被記録材
全体の記録が行われる。一方、被記録材の搬送方向の副
走査のみで記録するラインタイプの記録装置において
は、被記録材を所定の記録位置にセットし、一括して1
行分の記録を行った後、所定量の紙送り(ピッチ送り)
を行い、さらに次の行の記録を一括して行うという動作
を繰り返すことにより、被記録材全体の記録が行われ
る。
【0004】そのうち、インクジェット式の記録装置
(インクジェット記録装置)は、記録手段(記録ヘッ
ド)から被記録材へインクを吐出して記録を行うもので
あり、記録手段のコンパクト化が容易であり、高精細な
画像を高速で記録することができ、普通紙に特別の処理
を必要とせずに記録することができ、ランニングコスト
が安く、ノンインパクト方式であるため騒音が少なく、
しかも、多種類のインク(例えばカラーインク)を使用
してカラー画像を記録するのが容易であるなどの利点を
有している。
【0005】インクジェット記録ヘッドの吐出口からイ
ンクを吐出するために利用されるエネルギーを発生する
エネルギー発生素子としては、ピエゾ素子等の電気機械
変換体を用いるもの、レーザー等の電磁波を照射して発
熱させ、この発熱作用によってインク滴を吐出させるも
の、あるいは発熱抵抗体を有する電気熱変換体によって
液体を加熱するものなどがある。その中でも、熱エネル
ギーを利用してインクを滴として吐出するインクジェッ
ト式の記録手段(記録ヘッド)は、吐出口を高密度に配
列することができるため高解像度の記録をすることが可
能である。特に、その中でも、電気熱変換体素子をエネ
ルギー発生素子として用いる記録ヘッドは、小型化が容
易であり、かつ最近の半導体分野における技術の進歩と
信頼性の向上性が著しいIC技術やマイクロ加工技術の
長所を十分に活用でき、高密度実装化が容易で製造コス
トも安価なことから、有利である。
【0006】また、被記録材の材質に対する要求も様々
なものがあり、近年では、これらの要求に対する開発が
進み、通常の被記録材である紙(薄紙や加工紙を含む)
や樹脂薄板(OHP等)などの他に、布、皮革、不織
布、さらには金属等を被記録材として用いる記録装置も
使用されるようになっている。
【0007】上記インクジェット記録装置においては、
記録手段(記録ヘッド)の正常なインク吐出状態を維持
するため、あるいは吐出口に目詰まりが生じた場合に正
常なインク吐出状態に回復させるために回復用のポンプ
を配設し、ポンプの負圧によって吐出口からインクを吸
い出す回復系が使用されている。また、記録ヘッドにイ
ンクを安定して供給するためのインク溜まりを設け、イ
ンクタンクから前記インク溜まりにインクを送り込むた
めにもポンプを使用することが行われている。そして、
これら回復用及びインク供給用のポンプとして、可撓性
チューブ内の体積変化を利用して負圧を発生させる吸引
ポンプ(チューブポンプ)を使用することが可能であ
る。
【0008】この負圧発生手段としてのチューブポンプ
は、コロ保持部材の同一円上の等間隔位置に回転自在に
軸支された複数の押圧コロをチューブ受け部材に案内支
持されたポンプチューブ(可撓性チューブ)に押圧する
ことにより該ポンプチューブを押しつぶし、その状態で
前記コロ保持部材を回動させて前記押圧コロを移動させ
ることにより前記ポンプチューブをしごき、それによっ
て、ポンプチューブ内の物質(空気や液等)を下流側へ
送り出するとともに上流側に負圧を発生させるように構
成されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、インク
ジェット記録装置に使用されるチューブポンプにあって
は、チューブ受け部材のポンプチューブ案内支持面と押
圧ころの押圧円筒面(チューブ押圧面)との平行度の誤
差により、押圧コロでポンプチューブを押しつぶすにつ
れて、該ポンプチューブがしごき方向(スラスト方向)
と直角な方向に蛇行して押圧コロからはみ出してしまう
ことがある。そして、ポンプチューブが押圧コロからは
み出してしまうと、該ポンプチューブを確実に押しつぶ
すことができない状態になり、つぶれていない範囲でエ
アリークが起こり、負圧を発生できなくなる。
【0010】このような不都合を解決するために、チュ
ーブ受け部材の両側に設けた突出壁部によりポンプチュ
ーブのヨレを規制するものが提案されている。この構成
によれば、ポンプチューブのヨレはある程度規制され
る。しかし、押圧コロの押圧円筒部の両端と両側の前記
突出壁部の内面との間の隙間の寸法を零(0)にするこ
とは困難であり、そのため、ポンプチューブの一部がこ
の隙間に入り込んでその部分でつぶれなくなり、結局エ
アリークが起こり、負圧を発生できなくなる。従って、
結果的には、実験的にポンプチューブ(可撓性チュー
ブ)の蛇行量をつかみ、押圧コロ(押圧部材)の長さ及
びチューブ受け部材の幅をその蛇行量以上に大きくする
ことにより、上記問題に対処している。しかし、このよ
うな対処方法では、押圧コロの長さ及びチューブ受け部
材の幅を必要以上に大きくせねばならず、負圧発生手段
としてのチューブポンプが大型化してしまい、特に、並
列配置された複数のチューブポンプ(負圧発生手段)を
備えた供給・回復ユニットでは大型化の程度が大きくな
ってしまい、当該供給・回復ユニットを備えたインクジ
ェット記録装置の大型化が避けられないという問題があ
る。
【0011】本発明はこのような技術的課題に鑑みてな
されたものであり、本発明の目的は、可撓性チューブが
押圧部材の幅からはみ出すことを防止でき、それにより
負圧発生手段のエアリークを防いで確実に負圧を発生さ
せることができ、さらに、押圧部材の幅を最小限に小さ
くすることができ、それにより負圧発生手段の横幅を小
さくすることができるインクジェット記録装置を提供す
ることである。
【0012】
【課題解決のための手段】本発明(請求項1)は、上記
目的を達成するため、吐出口から被記録材へインクを吐
出して記録を行う記録手段と、該記録手段の吐出口から
吸引を行う第1の負圧発生手段と、該記録手段にインク
を供給するためのインク溜まりと、着脱可能なインクタ
ンクと、該インクタンクから前記インク溜まりにインク
を送り込むための第2の負圧発生手段とを備えたインク
ジェット記録装置において、前記第1及び第2の負圧発
生手段は、可撓性チューブと、該可撓性チューブに接触
する複数の押圧部材と該可撓性チューブに該押圧部材を
付勢するための付勢手段とを有し、前記押圧部材が前記
可撓性チューブを押しつぶすことにより該可撓性チュー
ブ内の容積を変化させて負圧を発生させる負圧発生機構
であって、前記複数の押圧部材の略中間位置に設けられ
た複数の突起部を有し、該突起部が前記可撓性チューブ
に接触することにより該可撓性チューブの蛇行を補正す
るように構成されていることを特徴とする。
【0013】請求項7の発明は、上記目的を達成するた
め、吐出口から被記録材へインクを吐出して記録を行う
記録手段と、該記録手段の吐出口から吸引を行う第1の
負圧発生手段と、該記録手段にインクを供給するための
インク溜まりと、着脱可能なインクタンクと、該インク
タンクから前記インク溜まりにインクを送り込むための
第2の負圧発生手段とを備えたインクジェット記録装置
において、前記第1及び第2の負圧発生手段は、可撓性
チューブと、該可撓性チューブに接触する複数の押圧部
材と該可撓性チューブに該押圧部材を付勢するための付
勢手段と、該可撓性チューブを押しつぶす時のバックア
ップとなるチューブ受け部材とを有し、前記押圧部材が
前記可撓性チューブを押しつぶすことにより該可撓性チ
ューブ内の容積を変化させて負圧を発生させる負圧発生
機構であって、前記可撓性チューブの片側のみに当接し
かつ付勢するように該可撓性チューブの上流側及び下流
側に設けられたチューブガイドを有し、該チューブガイ
ドの当接及び付勢方向は上流側と下流側とで相反する方
向であることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1は本発明を適用したインクジ
ェット記録装置の一実施例を示す外観斜視図であり、図
2は図1のインクジェット記録装置のアッパーカバーを
取り外した状態を示す斜視図である。図1及び図2にお
いて、インクジェット装置の100の前面に手差し挿入
口150が設けられ、その下部に前面へ開閉可能なロー
ルユニット160が設けられており、記録紙等の被記録
材101は手差し挿入口150又はロールユニット16
0から記録部へ供給される。インクジェット装置100
は、2個の脚部180に支持された装置本体190、排
紙された記録紙等の被記録材101を積載するスタッカ
170、内部が透視可能な透明で開閉可能なアッパーカ
バー140を備えている。装置本体190の図示右側に
は、操作パネル120、供給・回復ユニット300及び
インクタンク130が配設されている。前記供給・回復
ユニット300は、インクタンク130内のインクを後
述するインク溜まり(サブタンク)に供給したり、記録
ヘッド201の吐出口からインクを吸引して吐出性能を
維持回復するためのユニットである。
【0015】図2において、インクジェット記録装置1
00は、さらに、記録紙等の被記録材101を矢印B方
向(副走査方向)に搬送するための搬送ローラ対110
と、被記録材101の幅方向(矢印A方向、主走査方
向)に往復移動可能に案内支持されたキャリッジ200
と、キャリッジ200を矢印A方向に往復移動させるた
めのキャリッジモータ(不図示)及びベルト伝動手段2
70と、キャリッジ200に装着された記録手段として
の記録ヘッド201と、キャリッジ200に装着された
インク貯留手段としてのインク溜まり(サブタンク)5
01(図3参照)と、インク溜まり501にインクを供
給するとともに記録ヘッド201の吐出口の目詰まりな
どによるインク吐出不良を解消させるための吸引式の前
記供給・回復ユニット300と、を備えている。
【0016】図示のインクジェット記録装置の場合、キ
ャリッジ200には、被記録材101にカラー記録を行
うための複数の記録ヘッド201が装着されている。こ
の複数の記録ヘッド201は、例えば、それぞれ異なっ
た色のインクに対応した4つの記録ヘッド201{例え
ば、Y(イエロー)用ヘッド、M(マゼンタ)用ヘッ
ド、C(シアン)用ヘッド、Bk(ブラック)用ヘッド}
で構成されている。以上の構成で記録紙等の被記録材1
01に記録を行う場合、搬送ローラ対110によって被
記録材101を所定の記録開始位置まで搬送した後、こ
こから記録ヘッド201による主走査及び搬送ローラ1
10による副走査を繰り返すことにより、被記録材全体
に対する記録が行われる。
【0017】すなわち、キャリッジベルト270および
キャリッジモータ(不図示)によってキャリッジ200
が図2中の矢印A方向に移動することにより、被記録材
101に記録が行われる。キャリッジ200が主走査さ
れる前の位置に戻されると、搬送ローラ対110によっ
て被記録材101が副走査方向(図2中の矢印B方向)
に搬送され、その後再び図2中の矢印A方向にキャリッ
ジ200の主走査が行なわれることにより、被記録材1
01に対する画像や文字等の記録が行なわれる。上記の
動作を繰り返し、被記録材101の1枚分の記録が終了
すると、該被記録材はスタッカ170内に排紙され、1
枚分の記録が完了する。なお、以下の説明における「記
録紙」は、プラスチック薄板や布等を含む被記録材の一
例を指すものである。
【0018】前記記録ヘッド(記録手段)201は、記
録信号に応じてエネルギーを印加することにより、複数
の吐出口からインクを選択的に吐出して記録するインク
ジェット記録ヘッドである。また、この記録ヘッド20
1は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインク
ジェット記録手段であって、熱エネルギーを発生するた
めの電気熱変換体を備えたものである。さらに、前記記
録ヘッド201は、前記電気熱変換体によって印加され
る熱エネルギーにより生じる膜沸騰による気泡の成長、
収縮によって生じる圧力変化を利用して、吐出口よりイ
ンクを吐出させ、記録を行なうものである。前記電気熱
変換体は各吐出口のそれぞれに対応して設けられ、記録
信号に応じて対応する電気熱変換体にパルス電圧を印加
することによって対応する吐出口からインクを吐出する
ものである。
【0019】図4は、記録手段(記録ヘッド)201の
インク吐出部の構造を模式的に示す部分斜視図である。
図4において、被記録材(記録紙等)と所定の隙間(例
えば、約0.3〜2.0ミリ程度)をおいて対面する吐
出面81には、所定のピッチで複数の吐出口82が形成
され、共通液室83と各吐出口82とを連通する各液路
84の壁面に沿ってインク吐出用のエネルギーを発生す
るための電気熱変換体(発熱抵抗体など)85が配設さ
れている。シリアル記録方式の場合、記録ヘッド201
は、前記吐出口82が主走査移動方向(キャリッジに搭
載される場合はキャリッジの移動方向)と交叉する方向
に並ぶような位置関係で案内支持されている。こうし
て、画像信号または吐出信号に基づいて対応する電気熱
変換体85を駆動(パルス電圧を印加)して、液路84
内のインクを膜沸騰させ、その時に発生する圧力によっ
て吐出口82からインク滴を吐出させる記録手段(記録
ヘッド)201が構成されている。
【0020】図3は本発明を適用したインクジェット記
録装置の一実施例のインク流路図である。図3におい
て、キャリッジ200には、複数の記録ヘッド201で
使用される複数のインク色に対応した複数のインク溜ま
り(サブタンク)501が設けられている。各サブタン
ク501と対応する各インクタンク130とは、それぞ
れ1本のインクチューブ502により接続されている。
各インクチューブ502を通して、各インクタンク13
0から対応するインク溜まり501にインクが供給され
る。各インク溜まり501は、供給・回復ユニット30
0に設けられたインク供給用の負圧発生手段504aに
対して、それぞれの吸引チューブ503を通して接続さ
れている。また、各記録ヘッド201の吐出口を密閉可
能に覆うためのキャップ508の内部は、供給・回復ユ
ニット300に設けられた吸引回復用の負圧発生手段5
04bに対して、それぞれのキャップチューブ509を
通して接続されている。
【0021】前記負圧発生手段504a、504bとし
て、可撓性チューブ内の容積を変化させて負圧を発生さ
せることによりインクを送り出すチューブポンプ504
が使用されている。図示の例では、インクタンク130
からサブタンク501へインクチューブ502を通して
インクを供給するための吸引力を吸引チューブ503を
通して作用させるためのインク供給用チューブポンプ5
04aと、記録手段201の吐出口からインクを吸引す
るとともにインク溜まり(サブタンク)501内のイン
クをヘッドチューブ507を通して記録ヘッド201内
に導引するための吸引回復用チューブポンプ504b
と、の異なる用途のチューブポンプが使用されている。
前記インクチューブ502及び前記吸引チューブ503
は、キャリッジ200の往復移動の際に暴れることのな
いように、キャタピラ260によってそれらの全てが束
ねられている。
【0022】上述したように、サブタンク(インク溜ま
り)501は、インクチューブ502を通してインクタ
ンクに接続され、吸引チューブ503を通して供給・回
復ユニット300のインク供給用の負圧発生手段(チュ
ーブポンプ)504aに接続され、ヘッドチューブ50
7を通して記録ヘッド201に接続されている。また、
吸引回復用の負圧発生手段504bは、キャップチュー
ブ509を通して前記キャップ508に接続されてい
る。図21において、505はインク溜まり501の大
気開放弁であり、506はヘッドチューブ506を開閉
するためのヘッドチューブ弁である。
【0023】そして、不図示の駆動手段により大気開放
弁505とヘッドチューブ弁506を閉じることによ
り、サブタンク(インク溜まり)501の大気及び記録
ヘッド201との接続を遮断した状態にし、この状態で
供給・回復ユニット300に搭載されたチューブポンプ
504a(インク供給用)を駆動すると、吸引チューブ
503を通してインク溜まり501内の空気が図3中の
矢印C方向に送り出され、該インク溜まり501内が負
圧になり、インクタンク130内のインクがインクチュ
ーブ502を通して(矢印D方向)該インク溜まり50
1内に送り込まれる。
【0024】このような負圧発生手段であるチューブポ
ンプ504は、前述のインク供給動作の他に、前述の吸
引回復動作にも使用される。すなわち、前記チューブポ
ンプ504aと同様の負圧発生手段である他のチューブ
ポンプ504bは吸引回復動作に使用される。次に、こ
の吸引回復動作のための構成について説明する。図3に
おいて、複数の記録ヘッド201のそれぞれに対応して
1個づつのキャップ508が設けられている。そして、
キャリッジ200がホームポジション(図2中の右側)
にあるときの非記録時には、不図示の昇降手段により各
キャップ508を上昇させて各記録ヘッド201の吐出
口面に密着(キャッピング)させてそれらの吐出口を密
閉し、記録ヘッド201の吐出口内のインクが蒸発して
増粘、固着することを防ぎ、それによってインクの吐出
不良の発生を防止している。また、キャップ508はキ
ャップチューブ509を通して吸引回復用のチューブポ
ンプ(負圧発生手段)504bに接続されている。
【0025】そして、前述のキャッピング状態で吸引回
復用のチューブポンプ(負圧発生手段)504bを駆動
させれば、キャップチューブ509を通して記録ヘッド
201内のインクが矢印E方向に吸引されて流出し、吐
出口の目詰まりなどのインク不吐出(インク吐出不良)
を回復することができる。それと同時に、ヘッドチュー
ブ507を通してインク溜まり501内のインクが記録
ヘッド201内に流れ込む。そのため、直ちに、記録ヘ
ッド201内はインクで満たされ、記録可能な状態にな
る。また、各チューブポンプ504a、504bの下流
側には、廃インク(廃液)を収集するための廃液タンク
510が設けられており、吸引されたインクは廃液タン
ク510に送られる。このように負圧発生手段である2
個のチューブポンプ504a、504b(総称してチュ
ーブポンプ504と称する)は、インク溜まり501へ
のインク供給と記録ヘッド201の吸引回復に使用され
るが、それらの構成は実質的に同じである。従って、以
下では、負圧発生手段としての上記チューブポンプ50
4a、504bのいずれか一つあるいは両方を指す場合
は、単にチューブポンプ504又は負圧発生手段504
と称する。
【0026】図5は本発明を適用したインクジェット記
録装置の供給・回復ユニット300(図3中の供給・回
復ユニット300に相当)の平面図であり、図6は図5
の供給・回復ユニット300の左側面図であり、図7は
図5の供給・回復ユニット300の右側面図である。図
5、図6及び図7において、1は供給・回復ユニット3
00の駆動源としてのステップモータ、2は前記チュー
ブポンプ504a、504bを含む負圧発生手段として
のチューブポンプユニットである。このチューブポンプ
ユニット2には5基のチューブポンプ504が搭載さ
れ、そのうちの4基がインク供給用(Y、M、C、B
k)のチューブポンプ504aであり、1基が吸引回復
用のチューブポンプ504bである。
【0027】吸引回復用のチューブポンプ504bは、
キャップチューブ509を4つに分岐させることによ
り、各記録ヘッド201(Y、M、C、Bk)用のキャ
ップ508に接続されている。従って、1個の吸引回復
用のチューブポンプ(負圧発生手段)504bを駆動す
ることにより、4つの記録ヘッド201から同時にイン
クを吸引して一度に回復処理することができる。3は前
記ステップモータ1の不図示の回転軸に圧入されたピニ
オンギア、4は該ピニオンギア3と噛み合うポンプギ
ア、5は該ポンプギア4と噛み合うポンプギアである。
このポンプギア5は後述するポンプ軸10に不図示の固
定手段により固定されている。
【0028】図8は本発明を適用したインクジェット記
録装置の負圧発生手段としてのチューブポンプ504
(インク供給用のチューブポンプ504a及び吸引回復
用チューブポンプ504bに共通)の第1実施例の要部
を示す斜視図であり、図9は図8のチューブポンプの主
要部品の分解斜視図であり、図10は図8のチューブポ
ンプの側面断面図であり、図11は図8のチューブポン
プの軸心を通る正面断面図である。負圧発生手段として
のチューブポンプ504はインクジェット記録装置のイ
ンク供給用のチューブポンプ504aと吸引回復用のチ
ューブポンプ504bとして使用されるが、その構成及
び動作は実質上同じである。従って、以下の説明では、
特に言及しない限り、これらのチューブポンプのいずれ
か一方あるいは両方を単にチューブポンプ504として
説明し、その内部構成についても共通して説明すること
にする。
【0029】図8、図9、図10及び図11において、
チューブポンプ504の前記ポンプ軸10は後述する押
圧部材13を支持(軸支)する回転支持部材(コロ保持
部材)6の円筒状ボス部に固定されている。11は押圧
部材13によってしごかれる(押しつぶされる)可撓性
チューブ(ポンプチューブ)であり、該可撓性チューブ
11の両端はチューブジョイント12に接続されてい
る。前記可撓性チューブ11は前記回転支持部材6の約
半周にわたって後述する押圧部材(押圧コロ)13に巻
き付けた状態で案内保持されている。前記チューブジョ
イント12は、ポンプチューブ11とその他のチューブ
とを接続するためのものであり、パイプ形状をしてい
る。チューブポンプ504の上流側は、インク供給用の
ポンプでは吸引チューブ503に接続され、吸引回復用
のポンプではキャップチューブ509に接続されてい
る。また、チューブポンプ504の下流側は、インク供
給用のポンプ504a及び吸引回復用のポンプ504b
とも、廃液タンク510に通じるチューブをそれぞれの
前記チューブジョイント12に圧入することにより該廃
液タンク510に接続されている。
【0030】前記押圧部材(押圧コロ)13は前記可撓
性チューブ(ポンプチューブ)11をしごく(押しつぶ
す)ための部材であり、前記回転支持部材(コロ保持部
材)6のポンプ軸10と同心の同一円周上の等間隔の角
度位置には複数個(図示の例では4個)の押圧部材13
が回転自在に取り付けられている。各押圧部材13は円
筒形をしている。各押圧部材13は、その両端に形成さ
れた軸部(凸部)13a、13aを回転支持部材6に形
成された穴6aと抜け止め部材14に形成された孔に嵌
合することにより、回転自在に軸支されている。前記回
転支持部材(コロ保持部材)6は略円盤状をしており、
前記抜け止め部材14も円板状をしている。この抜け止
め部材14は不図示の固定手段により回転支持部材6に
固定されている。
【0031】前記回転支持部材6の同一円周上の等間隔
位置には前記押圧部材13の数だけの穴6aが形成さ
れ、これらの穴6a同士の略中間の位置に突起部6bが
設けられている。従って、この突起部6bも押圧コロ1
3と同じ数だけ設けられている。図示の例では、前記突
起部6bは回転支持部材(コロ保持部材)6と一体に形
成されている。各突起部6bは基部及び先端部に張出部
(段差部)を持つ円筒形状をしており、両張出部(段差
部)には図示のようなテーパが付けられている。そし
て、押圧部材(押圧コロ)13の外接円の直径(図11
中のY寸法)より張出部(段差部)の直径(図11中の
Z寸法)が短くなる位置に各突起部6bが設けられてい
るため、これらの突起部6bは、可撓性チューブ(ポン
プチューブ)11と接触はするが、該チューブを押しつ
ぶす(押し潰す)ことはない。
【0032】前記抜け止め部材14は、回転自在に軸支
された各押圧コロ13を抜け止めするためのものであ
り、その同一円周上の位置に形成された孔により各押圧
部材13の軸部13aを回転自在に保持するとともに、
不図示の固定手段によりコロ保持部材6に固定されてい
る。可撓性チューブ11は、チューブ受け部材15によ
り、ポンプ504内の所定配置に案内されるとともに、
前記押圧部材13で押しつぶされる時に背部より支持
(バックアップ)されている。このチューブ受け部材1
5には、半円部15aと孔部15bが形成されている。
前記チューブ受け部材15は前記孔部15bにおいて軸
16により回動(揺動)可能に軸支されている。前記チ
ューブ受け部材15は、他端部が供給・回復ユニット3
00のベース部材に支持された付勢手段(ポンプバネ、
チューブ付勢部材)17により、軸16を中心として図
10中の矢印G方向にバネ弾性力で付勢されている。
【0033】以上説明した構成において、ステップモー
タ1が回転すると、その回転がピニオンギア3、ポンプ
ギア4、ポンプギア5及びポンプ軸10を介して伝達さ
れ、回転支持部材(コロ保持部材)6が図6中の矢印H
方向に回転する。すると、可撓性チューブ(ポンプチュ
ーブ)11は、チューブ受け部材15の図10中の領域
Xの範囲に形成された半円部15aにおいて、付勢手段
(ポンプバネ)17により押圧部材(押圧コロ)13に
押圧接触することにより、押圧部分の可撓性チューブ1
1の内側の空間が零(0)になるまで押しつぶされる。
この状態から回転支持部材6が図10中の矢印H方向に
回転すると、押圧コロ13はポンプチューブ11を押し
つぶした状態で図10中の矢印K方向に従動的に回転
(自転、転動)しながら図10中の矢印I方向に移動す
る。つまり、ポンプチューブ11は押圧コロ13によっ
てしごかれる。
【0034】さらに、ポンプチューブ11が押しつぶさ
れた状態のままコロ保持部材(回転支持部材)6が図1
0中の矢印H方向に回転すると、上記の運動が順次繰り
返され、ポンプチューブ11内の物質(空気やインク
等)が図10中の矢印I方向に送り出される。それによ
って、ポンプチューブ11の流れの上流側(インク供給
用のチューブポンプ504aの場合の吸引チューブ50
3の内部、吸引回復用のチューブポンプ504bの場合
のキャップチューブ509の内部)を負圧にすることが
できる。
【0035】図12及び図13は前記突起部6bによる
ポンプチューブ11の蛇行補正の動作を示すためのチュ
ーブポンプ504の側面断面図であり、図12はコロ保
持部材6が図10と略同じ回転位置にあるときの状態を
示し、図13はコロ保持部材6が図12からさらに矢印
H方向に所定角度回転した状態を示す。図12及び図1
3において、コロ保持部材6が矢印H方向に回転する
と、第1番目の押圧コロ13−1がポンプチューブ11
を押しつぶし始め、前述したように押圧コロ13とチュ
ーブ受け部材15の平行度の誤差から、ポンプチューブ
11は図11中の両矢印J方向(スラスト方向)に蛇行
し始める。
【0036】そして、コロ保持部材6がさらに矢印H方
向に回転して図13の状態になると、第1番目の突起部
6b−1がポンプチューブ11と接触し、蛇行したポン
プチューブ11は、突起部6b−1の張出部(段差)の
テーパ形状により中央部へ戻される。つまり、図11に
示すように、張出部からポンプチューブ11に該ポンプ
チューブを中央部へ戻す方向(点線矢印P方向)の力が
作用し、該ポンプチューブ11は突起部6bの円筒形状
部の中央部へ戻される。この時、突起部6bは図11中
の寸法Y、Z(Y>Z)で示すように押圧コロ13の外
接円より内側に配置されているので、該突起部6bがポ
ンプチューブ11に押圧接触(押しつぶし接触)するこ
とはなく、従って、ポンプチューブ11は図11中の両
矢印J方向に簡単に移動することができ、容易に中央部
へ戻ることができる。
【0037】さらに、コロ保持部材6が矢印H方向に回
転すると、次の押圧コロ(第2番目の押圧コロ)13に
よりポンプチューブ11が押しつぶされ、蛇行していく
が、さらに回転することにより、この蛇行したポンプチ
ューブ11は次の突起部(第2番目の突起部)6bと接
触し、前述と同様に再び中央部へ戻される。このような
運動(蛇行及び戻り)を順次繰り返すことにより、ポン
プチューブ11が押圧コロ13の幅からはみ出ることを
防止でき、それによりポンプチューブ11内のエアリー
クを防ぐことができ、確実に負圧を発生することができ
る。
【0038】なお、図8〜図13に示したチューブポン
プ504においては、ポンプチューブ11の蛇行を補正
するための突起部6bはコロ保持部材6と一体に形成さ
れた部材としたが、この突起部6bは、押圧コロ13を
抜け止めするための抜け止め部材(コロ板)14に一体
的に形成してもよい。図14は突起部6bを抜け止め部
材14に一体的に形成する別形態の実施例を示す図9に
対応する分解斜視図であり、図15は突起部6bを抜け
止め部材14に一体的に形成する別形態の実施例を示す
図11に対応する正面断面図である。図14及び図15
の構成によっても、図8〜図13の構成と同じ作用効果
が得られる。また、前述の実施例では、突起部6bが張
出部(段差部)にテーパを持つ円筒状の部材である場合
を示したが、この突起部6bはこれに限定されるもので
はなく、例えばつつみ状の形状など他の形状にしてもよ
い。図16はコロ保持部材(回転支持部材)6につつみ
状の突起部6bを設けたチューブポンプの要部を示す図
であり、(a)は部分斜視図であり、(b)は突起部6
bの縦断面図である。
【0039】次に、本発明を適用したインクジェット記
録装置の負圧発生手段としてのチューブポンプ504
(インク供給用のチューブポンプ504a及び吸引回復
用チューブポンプ504bに共通)の第2実施例を説明
する。なお、第2実施例における記録動作、インク供給
動作、吸引回復動作、並びにそのための構成は、特に説
明しない限り前述の実施例(第1実施例)の場合と同じ
であり、それらの詳細説明は省略する。そして、前述の
実施例の構成と同じ又は対応する部分については、それ
らを同一符号で示し、それらの詳細説明は省略する。図
17は本発明を適用したインクジェット記録装置の負圧
発生手段としてのチューブポンプ504(インク供給用
のチューブポンプ504a及び吸引回復用チューブポン
プ504bの双方に共通)の第2実施例の要部を示す斜
視図であり、図18は図17のチューブポンプの主要部
品の分解斜視図であり、図19は図17のチューブポン
プの軸心を通る正面断面図であり、図20は図17のチ
ューブポンプの側面断面図であり、図21は図20の状
態からコロ保持部材(回転支持部材)6が矢印H方向に
さらに回転した時の状態を示す側面断面図である。
【0040】図17、図18、図19、図20及び図2
1において、チューブポンプ504のポンプ軸10は押
圧コロ13を支持(軸支)する回転支持部材(コロ保持
部材)6の円筒状ボス部に固定されている。押圧コロ1
3によってしごかれる(押しつぶされる)可撓性チュー
ブ(ポンプチューブ)11は前記回転支持部材6の約半
周にわたって押圧コロ13に巻き付けた状態で案内保持
されている。コロ保持部材6のポンプ軸10と同心の同
一円周上の等間隔の角度位置には複数個(図示の例では
4個)の円筒形の押圧コロ13が回転自在に取り付けら
れている。各押圧コロ13は、その両端に形成された軸
部(凸部)13a、13aをコロ保持部材6に形成され
た穴6aと抜け止め部材(コロ板)14に形成された孔
に嵌合することにより、回転自在に軸支されている。前
記抜け止め部材14は不図示の固定手段によりコロ保持
部材6に固定されている。
【0041】前記コロ保持部材6の同一円周上の等間隔
位置には前記押圧コロ13の数だけの穴6aが形成さ
れ、これらの穴6a同士の略中間の位置に突起部として
の蛇行補正部材7を回転自在に軸支するための穴6cが
設けられている。従って、この穴6cも蛇行補正部材7
の数と同じ数(押圧コロ13の数とも同じ数)だけ設け
られている。突起部としての前記蛇行補正部材7は、前
述の第1実施例における突起部6bと同様にポンプチュ
ーブ11の蛇行(スラスト方向の移動)を補正するため
のものである。
【0042】各蛇行補正部材(突起部)7は、両端部に
張出部(段差部)を有する円筒形状をしており、これら
の張出部の内側にはテーパが付けられている。また、各
蛇行補正部材7の両端の中心部には軸(凸部)が形成さ
れている。そして、各蛇行補正部材7は、それらの円筒
形部分の外接円の直径(図19中のZ寸法)が前記複数
の押圧コロ13の外接円の直径(図19中のY寸法)よ
り短くなるようなコロ保持部材6上の同一円周上の位置
に形成された穴6cに一方の軸(凸部)を嵌合すること
により、回転自在に軸支されている。各蛇行補正部材7
のもう一方の軸(凸部)は前記コロ板(抜け止め部材)
14の対応位置に形成された孔に回転自在嵌合されてい
る。また、突起部としての各蛇行補正部材7は、前述の
ように複数の押圧コロ13の外接円より内側に設けられ
ているため、チューブ受け部材15の半円部15aにバ
ックアップされたポンプチューブ11に接触はするが該
チューブを押しつぶすことはない。
【0043】前記抜け止め部材14は、回転自在に軸支
された各押圧コロ13及び各蛇行補正部材17を抜け止
めするためのものであり、その所定位置に形成された孔
により各押圧部材13の一方の軸部13a及び各蛇行補
正部材7の一方の軸(凸部)を回転自在に保持するとと
もに、不図示の固定手段によりコロ保持部材6に固定さ
れている。前述の第1実施例の場合と同様、可撓性チュ
ーブ(ポンプチューブ)11は、チューブ受け部材15
により、ポンプ504内の所定配置に案内されるととも
に、前記押圧部材13で押しつぶされる時に背部より支
持(バックアップ)されている。このチューブ受け部材
15には、半円部15aと孔部15bが形成されてい
る。前記チューブ受け部材15は前記孔部15bにおい
て軸16により回動(揺動)可能に軸支されている。前
記チューブ受け部材15は、他端部が供給・回復ユニッ
ト300のベース部材に支持された付勢手段(ポンプバ
ネ、チューブ付勢部材)17により、軸16を中心とし
て図10中の矢印G方向にバネ弾性力で付勢されてい
る。
【0044】このような構成において、ステップモータ
1が回転すると、その回転がコロ保持部材6に伝達さ
れ、該コロ保持部材6が図20中の矢印H方向に回転す
る。すると、可撓性チューブ(ポンプチューブ)11
は、チューブ受け部材15の図20中の半円部15aに
おいて、付勢手段(ポンプバネ)17により押圧コロ1
3に押圧接触することにより、押圧部分の可撓性チュー
ブ11の内側の空間が零(0)になるまで押しつぶされ
る。この状態からコロ保持部材6が図20中の矢印H方
向に回転すると、押圧コロ13はポンプチューブ11を
押しつぶした状態で従動的に回転(自転、転動)しなが
ら矢印Hと同方向に移動する。つまり、ポンプチューブ
11は押圧コロ13によってしごかれる。さらに、ポン
プチューブ11が押しつぶされた状態のままコロ保持部
材6が図20中の矢印H方向に回転すると、上記の運動
が順次繰り返され、ポンプチューブ11内の物質(空気
やインク等)が矢印Hと同方向に送り出される。それに
よって、ポンプチューブ11の流れの上流側を負圧にす
ることができる。
【0045】次に、本実施例におけるポンプチューブ1
1の蛇行補正の動作について説明する。図20におい
て、コロ保持部材6が矢印H方向に回転すると、第1番
目の押圧コロ13がポンプチューブ11を押しつぶし始
め、前述したように押圧コロ13とチューブ受け部材1
5の平行度の誤差から、ポンプチューブ11は図19中
の両矢印J方向(スラスト方向)に蛇行し始める。
【0046】そして、コロ保持部材6がさらに矢印H方
向に回転して図21の状態になると、第1番目の蛇行補
正部材7がポンプチューブ11と接触し、蛇行したポン
プチューブ11は、蛇行補正部材7の張出部(段差)の
テーパ形状により中央部へ戻される。つまり、図19に
示すように、張出部からポンプチューブ11に該ポンプ
チューブを中央部へ戻す方向(点線矢印P方向)の力が
作用し、該ポンプチューブ11は蛇行補正部材7の円筒
形状部の中央部へ戻される。この時、蛇行補正部材7は
図21中の矢印M方向に従動的に回転(自転、転動)す
る。また、蛇行補正部材7は、図19中の寸法Y、Z
(Y>Z)で示すようにポンプチューブ11を押しつぶ
す位置にないため、ポンプチューブ11は図19中の両
矢印J方向に簡単に移動することができ、蛇行補正部材
7の矢印M方向の回転に伴い中央部へ戻される。
【0047】コロ保持部材6がさらに矢印H方向に回転
すると、次の押圧コロ(第2番目の押圧コロ)13によ
りポンプチューブ11が押しつぶされ、蛇行していく
が、さらに回転することにより、この蛇行したポンプチ
ューブ11は次の蛇行補正部材(第2番目の蛇行補正部
材)7と接触し、前述と同様に再び中央部へ戻される。
このような運動(蛇行及び補正)を順次繰り返すことに
より、ポンプチューブ11が押圧コロ13の幅からはみ
出ることを防止でき、それによりポンプチューブ11内
のエアリークを防ぐことができ、確実に負圧を発生する
ことができる。
【0048】なお、本実施例では、蛇行補正部材(突起
部)7が張出部(段差部)にテーパを持つ円筒状の部材
である場合を示したが、この蛇行補正部材7はこれに限
定されるものではなく、例えばつつみ状の形状など他の
形状にしてもよい。図22はつつみ状の形状にした蛇行
補正部材7を示す図であり、(a)はその斜視図であ
り、(b)は縦断面図である。図22に示すような蛇行
補正部材7によっても、図17〜図21で説明した第2
実施例の場合と同様の効果が得られる。
【0049】図23は本発明を適用したインクジェット
記録装置の負圧発生手段としてのチューブポンプ504
(インク供給用のチューブポンプ504a及び吸引回復
用チューブポンプ504bに共通)の第3実施例の要部
を示す斜視図であり、図24は図23のチューブポンプ
の主要部品の分解斜視図であり、図25は図23のチュ
ーブポンプのポンプ機構の要部の平面図であり、図26
は図23のチューブポンプの側面断面図である。図2
3、図24及び図26において、チューブポンプ504
のポンプ軸10は後述する押圧コロ(押圧部材)13を
支持(軸支)するコロ保持部材(回転支持部材)6の円
筒状ボス部に固定されている。
【0050】前記押圧コロ13によってしごかれる(押
しつぶされる)可撓性チューブ(ポンプチューブ)11
の両端はチューブジョイント12に接続されている。前
記可撓性チューブ11は前記コロ保持部材6の約半周に
わたって押圧コロ13に巻き付けた状態で案内保持され
ている。前記チューブジョイント12は、ポンプチュー
ブ11とその他のチューブとを接続するためのものであ
り、パイプ形状をしている。チューブポンプ504の上
流側は、インク供給用のポンプでは吸引チューブ503
に接続され、吸引回復用のポンプではキャップチューブ
509に接続されている。また、チューブポンプ504
の下流側は、インク供給用のポンプ504a及び吸引回
復用のポンプ504bとも、廃液タンク510に通じる
チューブをそれぞれの前記チューブジョイント12に圧
入することにより該廃液タンク510に接続されてい
る。また、前記各チューブジョイント12、12は不図
示の供給・回復ユニット300の筐体に固定されてい
る。
【0051】前記押圧コロ13は前記可撓性チューブ
(ポンプチューブ)11をしごく(押しつぶす)ための
部材である。前記コロ保持部材6のポンプ軸10と同心
の同一円周上の等間隔の角度位置には複数個(図示の例
では4個)の押圧コロ13が回転自在に取り付けられて
いる。各押圧コロ13は図24に示すように円筒形をし
ている。前記コロ保持部材6の同一円周上の等間隔位置
に前記押圧コロ13の数だけの穴6aが形成されてい
る。そして、各押圧コロ13は、その両端に形成された
軸部(凸部)13a、13aをコロ保持部材6に形成さ
れた各穴6aと抜け止め部材14に形成された各孔に嵌
合することにより、回転自在に軸支されている。
【0052】前記コロ保持部材(回転支持部材)6は略
円盤状をしており、前記抜け止め部材14も円板状をし
ている。この抜け止め部材14は、回転自在に軸支され
た各押圧コロ13を抜け止めするためのものであり、そ
の同一円周上の位置に形成された孔により各押圧コロ1
3の軸部13aを回転自在に保持するとともに、不図示
の固定手段によりコロ保持部材6に固定されている。前
記可撓性チューブ11は、チューブ受け部材15によ
り、ポンプ504内の所定配置に案内されるとともに、
前記押圧コロ13で押しつぶされる時に背部より支持
(バックアップ)されている。このチューブ受け部材1
5には、図24に示すように、半円部15a、孔部15
b、上流側チューブガイド15c及び下流側チューブガ
イド15dが設けられている。前記チューブ受け部材1
5は前記孔部15bにおいて軸16により回動(揺動)
可能に軸支されている。
【0053】また、前記上流側チューブガイド15c及
び下流側チューブガイド15dは、チューブ受け部材1
5と一体に成形された弾性変位可能な部分(板ばね)で
形成され、ポンプチューブ11に当接している。その場
合、上流側チューブガイド15cは図24及び図25中
に示す矢印P方向にポンプチューブ11を付勢し、下流
側チューブガイド15dは図24及び図25中に示す矢
印Q方向にポンプチューブ11を付勢している。前記チ
ューブ受け部材15は、他端部が供給・回復ユニット3
00のベース部材に支持された付勢手段(ポンプバネ、
チューブ付勢部材)17により、軸16を中心として図
23、図24及び図26中の矢印G方向にバネ弾性力で
付勢されている。
【0054】以上説明した構成において、ステップモー
タ1が回転すると、その回転がピニオンギア3、ポンプ
ギア4、ポンプギア5及びポンプ軸10を介して伝達さ
れ、回転支持部材(コロ保持部材)6が図26中の矢印
H方向に回転する。すると、可撓性チューブ(ポンプチ
ューブ)11は、チューブ受け部材15の図26中の領
域Xの範囲に形成された半円部15aにおいて、付勢手
段(ポンプバネ)17により押圧部材(押圧コロ)13
に押圧接触することにより、押圧部分の可撓性チューブ
11の内側の空間が零(0)になるまで押しつぶされ
る。この状態からコロ保持部材6が図26中の矢印H方
向に回転すると、押圧コロ13はポンプチューブ11を
押しつぶした状態で図26中の矢印K方向に従動的に回
転(自転、転動)しながら該チューブ11に沿って移動
する。つまり、ポンプチューブ11は押圧コロ13によ
ってしごかれる。
【0055】さらに、ポンプチューブ11が押しつぶさ
れた状態のままコロ保持部材(回転支持部材)6が図2
6中の矢印H方向に回転すると、上記の運動が順次繰り
返され、ポンプチューブ11内の物質(空気やインク
等)が図26中の矢印I方向に送り出される。それによ
って、ポンプチューブ11の流れの上流側(インク供給
用のチューブポンプ504aの場合の吸引チューブ50
3の内部、吸引回復用のチューブポンプ504bの場合
のキャップチューブ509の内部)を負圧にすることが
できる。
【0056】次に、図23〜図26を参照して説明した
第3実施例におけるポンプチューブ11の蛇行補正の動
作を以下に説明する。押圧コロ13がポンプチューブ1
1を押しつぶしていない状態(チューブポンプ解除状
態)では、上流側チューブガイド15cと下流側チュー
ブガイド15dの付勢作用(バネ作用)により、ポンプ
チューブ11は図25中の矢印P及び矢印Q方向に付勢
され、両チューブガイド15c、15dの付勢力がバラ
ンスした所に位置する。この時、ポンプチューブ11は
図25中の矢印R1及びR2方向に引っ張られるが、該
ポンプチューブ11はゴム等の弾性部材で形成されてい
るので、該ポンプチューブに悪影響が生じることはな
い。
【0057】そして、チューブポンプ504を作動させ
るべく、図26に示すようにコロ保持部材6が矢印H方
向に回転すると、第1番目の押圧コロ13がポンプチュ
ーブ11を押しつぶし始め、前述したように押圧コロ1
3とチューブ受け部材15の平行度の誤差から、ポンプ
チューブ11は図25中の矢印J1及び矢印J2方向
(スラスト方向)に蛇行し始める。そして、ポンプチュ
ーブ11が例えば図25中の矢印J1方向に蛇行してい
くと、下流側で下流側チューブガイド15dである板ば
ねのたわみ量が大きくなるため、該下流側チューブガイ
ド15dの付勢力が大きくなる。そのため、該下流側チ
ューブガイド15dの付勢力が増大し、ポンプチューブ
11を矢印J1方向に蛇行させる力より前記下流側チュ
ーブガイド15dの付勢力(ばね力)が大きくなると、
ポンプチューブ11を矢印J2方向へ戻す力(ばね反
力)が作用する。
【0058】また、ポンプチューブ11が図25中の矢
印J2方向に蛇行した場合も同様に、今度は、上流側で
上流側チューブガイド15cの付勢力(ばね反力)が大
きくなり、ポンプチューブ11を矢印J2方向に蛇行さ
せる力より上流側チューブガイド15cの付勢力が大き
くなると、ポンプチューブ11を矢印J1方向に戻す力
(ばね反力)が作用する。つまり、両チューブガイド1
5c、15dにより、ポンプチューブ11は常に付勢力
がバランスする位置に保持され、該ポンプチューブ11
が矢印J1方向及び矢印J2方向のいずれの方向に蛇行
しても、該蛇行を補正することができる。前述のように
ポンプチューブ11はポンプチューブ11と押圧コロ1
3の接触により蛇行しようとするが、両チューブガイド
15c、15dの付勢作用(ばね力)により常にポンプ
チューブ11の蛇行を補正するので、該ポンプチューブ
の蛇行量が軽減され、該ポンプチューブ11が押圧コロ
11の幅からはみ出すことを防止でき、それによりポン
プチューブ11内のエアリークを防ぐことができ、確実
に負圧を発生することができる。
【0059】なお、図23〜図26に示したチューブポ
ンプ504においては、上流側チューブガイド15c及
び下流側チューブガイド15dはチューブ受け部材15
に一体成形された板ばねで構成したが、これに限定され
るものではなく、上流側と下流側でポンプチューブ11
に反対向きの付勢力を作用できる機構であれば、種々な
構成のものを使用することができる。図27はポンプチ
ューブの蛇行補正手段の別の形態を例示するポンプ機構
の要部の平面図である。図27においては、前述のチュ
ーブガイド15c、15dに代えて、チューブ受け部材
15の上流側及び下流側で別部材としての当接部材20
をコイルスプリング等の付勢部材21によりポンプチュ
ーブ11の相反する方向から当接させるガイド機構が採
用されている。この図27の構成によっても、前述の第
3実施例の場合と同じ効果が得られる。
【0060】次に、本発明を適用したインクジェット記
録装置の負圧発生手段としてのチューブポンプ504
(インク供給用のチューブポンプ504a及び吸引回復
用チューブポンプ504bの双方に共通)の第4実施例
を説明する。なお、第4実施例における記録動作、イン
ク供給動作、吸引回復動作、並びにそのための構成は、
特に説明しない限り前述の実施例(第3実施例)の場合
と同じであり、それらの詳細説明は省略する。そして、
前述の実施例の構成と同じ又は対応する部分について
は、それらを同一符号で示し、それらの詳細説明は省略
する。図28は本発明を適用したインクジェット記録装
置の負圧発生手段としてのチューブポンプ504の第4
実施例のチューブポンプ機構の要部を平面図であり、図
29は本発明を適用したインクジェット記録装置の負圧
発生手段としてのチューブポンプ504の第4実施例の
側面断面図であり、図30は図28のチューブポンプ機
構の動作を示す平面図である。
【0061】図28、図29及び図30において、チュ
ーブ受け部材15(その半円部15a)の上流位置には
上流側チューブガイド30が配設され、下流位置には下
流側チューブガイド15gが設けられている。前記上流
側チューブガイド30は、チューブ受け部材15に形成
されたスラスト方向の溝部15eに摺動可能に嵌合され
ている。該上流側チューブガイド30にはスラスト方向
に直線状のラック30aが形成されている。また、前記
上流側チューブガイド30のポンプチューブ11と当接
可能な部分(ポンプチューブ11の両側で蛇行を規制す
る部分)は弾性変位可能な板ばね状の当接部30b、3
0bになっている。前記下流側チューブガイド15g
は、チューブ受け部材15に一体成形で形成され、ポン
プチューブ11の両側からそれぞれ隙間g1 、g2 を有
する位置に形成されている。
【0062】前記チューブ受け部材15に設けられたボ
ス部(ピン状突出部)15fには、前記上流側チューブ
ガイド30のラック30aと噛み合うピニオンギア(歯
車)31が回転自在に軸支されている。このピニオンギ
ア31は、不図示のモータにに伝動連結され、該モータ
を回転させることにより回転駆動させることができる。
そして、前記ピニオンギア31を回転駆動することによ
り、前記上流側チューブガイド30を図28中の両矢印
S方向に自在に動かすことができる。つまり、上流側チ
ューブガイド30は、前記不図示のモータの正転、逆転
によりいずれの向きにも移動させる。
【0063】前記チューブ受け部材15の半円部15a
の所定位置(図示の例では中間の位置)には、ポンプチ
ューブ11の蛇行状態(方向及び量)を検知するための
蛇行センサ32が埋設されている。この蛇行センサ32
としては、例えば、LEDとフォトトランジスタにより
構成される光学式検知手段などが使用される。この種の
光学式検知手段は、LEDとフォトトランジスタを並列
に配置し、LEDの光を検知物体(ここではポンプチュ
ーブ11)に反射させてフォトトランジスタで読み取る
ように構成される。従って、この場合は、ポンプチュー
ブ11が蛇行センサ32上にある時のみ、検知信号が出
力される。
【0064】次に、図28、図29及び図30を参照し
て説明した第4実施例におけるポンプチューブ11の蛇
行補正の動作を以下に説明する。チューブポンプ504
を作動させるべく、図29に示すようにコロ保持部材6
が矢印H方向に回転すると、第1番目の押圧コロ13が
ポンプチューブ11を押しつぶし始め、前述したように
押圧コロ13とチューブ受け部材15の平行度の誤差か
ら、ポンプチューブ11は図28及び図30中の矢印J
1及び矢印J2方向(スラスト方向)に蛇行し始める。
そして、ポンプチューブ11が例えば図28及び図30
中の矢印J1方向に蛇行していき、蛇行検知センサ32
により検知される(この場合は、図28中の波線のよう
に蛇行し、図30に示すように図示左側の蛇行センサ3
2に検知される)と、不図示のモータにより歯車(ピニ
オンギア)31を図30中の矢印T方向に所定量だけ回
転させる。
【0065】すると、上流側チューブガイド30は、図
30中の矢印U方向に移動し、その当接部(図示左側の
当接部)30bがポンプチューブ11の片側(図示左
側)に当接し、そして更に移動すると、当接部30bの
ばね作用によりポンプチューブ11に図30中の矢印J
2方向の付勢力が作用する。この時、前記矢印J2方向
の付勢力のため、下流側ではポンプチューブ11は下流
側チューブガイド15gの図30中の左側当接面に当接
され、結局、ポンプチューブ11は上流側と下流側で相
反する方向に当接、付勢されることになるため、前述の
第3実施例の場合と同様の作用によりポンプチューブ1
1の蛇行を補正することができる。
【0066】ポンプチューブ11が図28中の矢印J2
方向に蛇行した場合も、同様に、上流側チューブガイド
30を移動させ(前記の反対方向)、ポンプチューブ1
1の蛇行を補正していく。また、蛇行センサ32は、予
め、ポンプチューブ11が押圧コロ13からはみ出さな
い限界位置、つまりエアーリークを起こさない限界位置
を検知するような場所に設けられている。そのため、ポ
ンプチューブ11内にエアーリークが生じる前に該ポン
プチューブの蛇行を補正することができる。このような
構成を採用することにより、ポンプチューブ11内のエ
アーリークを防ぐことができ、確実に負圧を発生するこ
とができる負圧発生手段(チューブポンプ)504が構
成される。
【0067】なお、以上の実施例では記録ヘッドを被記
録材に対して相対移動させながら記録するシリアル記録
方式を例に挙げて説明したが、本発明は、被記録材の全
幅または一部をカバーする長さのラインタイプの記録ヘ
ッドを用いて副走査のみで記録するライン記録方式な
ど、記録方式の種類に関わらず種々のインクジェット記
録装置に適用可能なものであり、同様の効果を達成し得
るものである。
【0068】また、本発明は、1個の記録ヘッドを用い
る記録装置、異なる色のインクで記録する複数の記録手
段を用いるカラー記録装置、あるいは同一色彩で異なる
濃度で記録する複数の記録手段を用いる階調記録装置、
さらには、これらを組み合わせた記録装置の場合にも、
同様に適用することができ、同様の効果を達成し得るも
のである。さらに、本発明は、記録ヘッドとインクタン
クを一体化した交換可能なインクジェットカートリッジ
を用いる構成、記録ヘッドとインクタンクを別体にし、
その間をインク供給用のチューブ等で接続する構成な
ど、記録ヘッドとインクタンクの配置構成がどのような
場合にも同様に適用することができ、同様の効果が得ら
れるものである。
【0069】なお、本発明は、インクジェット記録装置
が、例えば、ピエゾ素子等の電気機械変換体等を用いる
記録手段を使用するものである場合にも適用できるが、
中でも、熱エネルギーを利用してインクを吐出する方式
の記録手段を使用するインクジェット記録装置において
優れた効果をもたらすものである。かかる方式によれ
ば、記録の高密度化、高精細化が達成できるからであ
る。
【0070】
【発明の効果】以上の説明から明らかなごとく、請求項
1の発明によれば、吐出口から被記録材へインクを吐出
して記録を行う記録手段と、該記録手段の吐出口から吸
引を行う第1の負圧発生手段と、該記録手段にインクを
供給するためのインク溜まりと、着脱可能なインクタン
クと、該インクタンクから前記インク溜まりにインクを
送り込むための第2の負圧発生手段とを備えたインクジ
ェット記録装置において、前記第1及び第2の負圧発生
手段は、可撓性チューブと、該可撓性チューブに接触す
る複数の押圧部材と該可撓性チューブに該押圧部材を付
勢するための付勢手段とを有し、前記押圧部材が前記可
撓性チューブを押しつぶすことにより該可撓性チューブ
内の容積を変化させて負圧を発生させる負圧発生機構で
あって、前記複数の押圧部材の略中間位置に設けられた
複数の突起部を有し、該突起部が前記可撓性チューブに
接触することにより該可撓性チューブの蛇行を補正する
ように構成したので、負圧発生手段の押圧部材の間に設
けた蛇行補正用の突起部により順次蛇行補正を行いなが
ら可撓性チューブを押しつぶしていくことから、可撓性
チューブが押圧部材の幅からはみ出すことを防止でき、
それにより負圧発生手段のエアリークを防いで確実に負
圧を発生させることができ、さらに、可撓性チューブの
蛇行補正を順次行うことから、押圧部材の幅を最小限に
小さくすることができ、それにより負圧発生手段の横幅
を小さくすることができる。
【0071】請求項2〜4の発明によれば、上記請求項
1の構成に加えて、前記突起部は、前記複数の押圧部材
の外接円より内側に設けられている構成、前記突起部
は、段差部にテーパを設けた円筒状をしている構成、あ
るいは、前記突起部は、つつみ形状をしている構成とし
たので、一層効率よく上記効果を達成することができ
る。
【0072】請求項7の発明によれば、吐出口から被記
録材へインクを吐出して記録を行う記録手段と、該記録
手段の吐出口から吸引を行う第1の負圧発生手段と、該
記録手段にインクを供給するためのインク溜まりと、着
脱可能なインクタンクと、該インクタンクから前記イン
ク溜まりにインクを送り込むための第2の負圧発生手段
とを備えたインクジェット記録装置において、前記第1
及び第2の負圧発生手段は、可撓性チューブと、該可撓
性チューブに接触する複数の押圧部材と該可撓性チュー
ブに該押圧部材を付勢するための付勢手段と、該可撓性
チューブを押しつぶす時のバックアップとなるチューブ
受け部材とを有し、前記押圧部材が前記可撓性チューブ
を押しつぶすことにより該可撓性チューブ内の容積を変
化させて負圧を発生させる負圧発生機構であって、前記
可撓性チューブの片側のみに当接しかつ付勢するように
該可撓性チューブの上流側及び下流側に設けられたチュ
ーブガイドを有し、該チューブガイドの当接及び付勢方
向は上流側と下流側とで相反する方向である構成とした
ので、上流側及び下流側チューブガイドにより可撓性チ
ューブを相反する方向に付勢することで、蛇行を補正し
ながら可撓性チューブを押しつぶしていくことから、可
撓性チューブが押圧部材の幅からはみ出すことを防止で
き、それにより負圧発生手段のエアリークを防いで確実
に負圧を発生させることができ、さらに、可撓性チュー
ブの蛇行補正を順次行うことから、押圧部材の幅を最小
限に小さくすることができ、それにより負圧発生手段の
横幅を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェット記録装置の一
実施例を示す外観斜視図である。
【図2】図1のインクジェット記録装置のアッパーカバ
ーを取り外した状態を示す斜視図である。
【図3】本発明を適用したインクジェット記録装置の一
実施例のインク流路図である。
【図4】記録手段のインク吐出部の構造を模式的に示す
部分斜視図である。
【図5】本発明を適用したインクジェット記録装置の供
給・回復ユニットの平面図である。
【図6】図5の供給・回復ユニットの左側面図である。
【図7】図5の供給・回復ユニットの右側面図である。
【図8】本発明を適用したインクジェット記録装置の負
圧発生手段の第1実施例の要部を示す斜視図である。
【図9】図8の負圧発生手段の主要部品の分解斜視図で
ある。
【図10】図8の負圧発生手段の側面断面図である。
【図11】図8の負圧発生手段の軸心を通る正面断面図
である。
【図12】突起部による可撓性チューブの蛇行補正の動
作を示すための負圧発生手段の側面断面図である。
【図13】図12の状態からコロ保持部材がさらに所定
角度回転した状態を示す側面断面図である。
【図14】突起部を抜け止め部材に一体的に形成する別
形態の実施例を示す図9に対応する分解斜視図である。
【図15】突起部を抜け止め部材に一体的に形成する別
形態の実施例を示す図11に対応する正面断面図であ
る。
【図16】コロ保持部材につつみ状の突起部を設けた負
圧発生手段の要部を示す部分斜視図(a)及び縦断面図
(b)である。
【図17】本発明を適用したインクジェット記録装置の
負圧発生手段の第2実施例の要部を示す斜視図である。
【図18】図17の負圧発生手段の主要部品の分解斜視
図である。
【図19】図17の負圧発生手段の軸心を通る正面断面
図である。
【図20】図17の負圧発生手段の側面断面図である。
【図21】図20の状態からコロ保持部材がさらに回転
した時の状態を示す側面断面図である。
【図22】つつみ状の形状にした蛇行補正部材を示す斜
視図(a)及び縦断面図(b)である。
【図23】本発明を適用したインクジェット記録装置の
負圧発生手段の第3実施例の要部を示す斜視図である。
【図24】図23の負圧発生手段の主要部品の分解斜視
図である。
【図25】図23の負圧発生手段のポンプ機構の要部の
平面図である。
【図26】図23の負圧発生手段の側面断面図である。
【図27】別の形態の蛇行補正手段を備えたポンプ機構
の要部の平面図である。
【図28】本発明を適用したインクジェット記録装置の
負圧発生手段の第4実施例のチューブポンプ機構の要部
を平面図である。
【図29】本発明を適用したインクジェット記録装置の
負圧発生手段の第4実施例の側面断面図である。
【図30】図28の負圧発生機構の動作を示す平面図で
ある。
【符号の説明】
1 ステップモータ 2 チューブポンプユニット 6 回転支持部材(コロ保持部材) 6a 穴 6b 突起部(蛇行補正部材) 6c 穴 7 突起部(蛇行補正部材) 10 ポンプ軸 11 可撓性チューブ(ポンプチューブ) 12 チューブジョイント 13 押圧部材(押圧コロ) 13a 軸(凸部) 14 抜け止め部材(コロ板) 15 チューブ受け部材 15a 半円部 15b 孔部 15c 上流側チューブガイド 15d 下流側チューブガイド 15e 溝部 15f ボス部 15g 下流側チューブガイド 16 軸 17 付勢手段(ポンプバネ) 20 当接部材 21 コイルスプリング 30 上流側チューブガイド 30a ラック 30b 当接部(板ばね部) 31 ピニオンギア 32 蛇行センサ 81 吐出口面 82 吐出口 85 電気熱変換体 100 インクジェット記録装置 101 被記録材(記録用紙) 110 搬送ローラ対 120 操作パネル 130 インクタンク 200 キャリッジ 201 記録手段(記録ヘッド) 300 供給・回復ユニット 501 インク溜まり(サブタンク) 502 インクチューブ 503 吸引チューブ 504 負圧発生手段(チューブポンプ) 507 ヘッドチューブ 508 キャップ 509 キャップチューブ 510 廃液タンク

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吐出口から被記録材へインクを吐出し
    て記録を行う記録手段と、該記録手段の吐出口から吸引
    を行う第1の負圧発生手段と、該記録手段にインクを供
    給するためのインク溜まりと、着脱可能なインクタンク
    と、該インクタンクから前記インク溜まりにインクを送
    り込むための第2の負圧発生手段とを備えたインクジェ
    ット記録装置において、 前記第1及び第2の負圧発生手段は、可撓性チューブ
    と、該可撓性チューブに接触する複数の押圧部材と該可
    撓性チューブに該押圧部材を付勢するための付勢手段と
    を有し、前記押圧部材が前記可撓性チューブを押しつぶ
    すことにより該可撓性チューブ内の容積を変化させて負
    圧を発生させる負圧発生機構であって、前記複数の押圧
    部材の略中間位置に設けられた複数の突起部を有し、該
    突起部が前記可撓性チューブに接触することにより該可
    撓性チューブの蛇行を補正するように構成されているこ
    とを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記突起部は、前記複数の押圧部材の
    外接円より内側に設けられていることを特徴とする請求
    項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記突起部は、段差部にテーパを設け
    た円筒状をしていることを特徴とする請求項1又は2に
    記載のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記突起部は、つつみ形状をしている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェッ
    ト記録装置。
  5. 【請求項5】 前記記録手段がインクを吐出するため
    に利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換体を備
    えているインクジェット記録手段であることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録
    装置。
  6. 【請求項6】 前記記録手段が前記電気熱変換体が発
    生する熱エネルギーによりインクに生じる膜沸騰を利用
    して吐出口よりインクを吐出することを特徴とする請求
    項5に記載のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 吐出口から被記録材へインクを吐出し
    て記録を行う記録手段と、該記録手段の吐出口から吸引
    を行う第1の負圧発生手段と、該記録手段にインクを供
    給するためのインク溜まりと、着脱可能なインクタンク
    と、該インクタンクから前記インク溜まりにインクを送
    り込むための第2の負圧発生手段とを備えたインクジェ
    ット記録装置において、 前記第1及び第2の負圧発生手段は、可撓性チューブ
    と、該可撓性チューブに接触する複数の押圧部材と該可
    撓性チューブに該押圧部材を付勢するための付勢手段
    と、該可撓性チューブを押しつぶす時のバックアップと
    なるチューブ受け部材とを有し、前記押圧部材が前記可
    撓性チューブを押しつぶすことにより該可撓性チューブ
    内の容積を変化させて負圧を発生させる負圧発生機構で
    あって、前記可撓性チューブの片側のみに当接しかつ付
    勢するように該可撓性チューブの上流側及び下流側に設
    けられたチューブガイドを有し、 該チューブガイドの当接及び付勢方向は上流側と下流側
    とで相反する方向であることを特徴とするインクジェッ
    ト記録装置。
  8. 【請求項8】 前記チューブガイドは、前記チューブ
    受け部材に一体に形成されていることを特徴とする請求
    項7に記載のインクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 前記記録手段がインクを吐出するため
    に利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換体を備
    えているインクジェット記録手段であることを特徴とす
    る請求項7又は8に記載のインクジェット記録装置。
  10. 【請求項10】 前記記録手段が前記電気熱変換体が
    発生する熱エネルギーによりインクに生じる膜沸騰を利
    用して吐出口よりインクを吐出することを特徴とする請
    求項9に記載のインクジェット記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003021081A (ja) * 2001-07-06 2003-01-24 Seiko Epson Corp チューブポンプおよびこれを用いたインクジェット式記録装置
US6619782B2 (en) 2001-01-31 2003-09-16 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet recording apparatus and operation method thereof
CN112590393A (zh) * 2019-10-02 2021-04-02 精工爱普生株式会社 信息处理装置、学习装置以及信息处理方法

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