JP2000015192A - 洗浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機溶剤や塩素系溶剤等を使用することなく
凹部や溝部のある加工部品の洗浄を確実に行うことがで
きる洗浄装置を目的とするものである。 【解決手段】 内部に多数の水噴射ノズル４を配設した
洗浄水槽２と、該洗浄水槽内に浸漬される被洗浄物収納
用の洗浄バスケット３と、前記洗浄水槽２と洗浄バスケ
ット３とを相対的に回転・上下運動を行わせる駆動装置
６を設けたものである

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、金属製や合成樹脂
製の部品に切削、研削、プレス等の加工を行った際に付
着する切削油、切り粉、塵埃等の汚れを除去する洗浄装
置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、金属製や合成樹脂製の部品に付着
した切削油、切り粉、塵埃等の汚れを除去する洗浄装置
としては、加工部品に有機溶剤、塩素系溶剤を噴射して
洗浄したり、加工部品を収納した洗浄バスケットを有機
溶剤、塩素系溶剤を満たした洗浄槽に浸漬させて上下運
動させたり、超音波を与えて洗浄を行うのが普通であっ
た。しかし、洗浄液に使用される有機溶剤はオゾン層破
壊物質として規制を受け、使用することができなくなる
という問題があるうえに、塩素系溶剤は人体に悪影響が
あり、作業環境を良好に維持管理することが極めて難し
いという問題がある。しかも、噴射洗浄や溶剤中に浸漬
して上下動を与える洗浄や超音波を与える洗浄では加工
部品の凹部や溝部内に付着した切削油、切り粉、塵埃等
の汚れを確実に洗浄することは難しく洗浄むらが発生す
るという問題もあった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、有機溶剤や
塩素系溶剤等を使用することなく凹部や溝部のある加工
部品の洗浄を確実に行うことができる洗浄装置を提供す
ることを目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
め本発明は、内部に多数の水噴射ノズルを配設した洗浄
水槽と、該洗浄水槽内に浸漬される被洗浄物収納用の洗
浄バスケットと、前記洗浄水槽と洗浄バスケットとを相
対的に回転・上下運動を行わせる駆動装置を設けた洗浄
装置を請求項１の発明とし、請求項１の発明において、
洗浄水槽内の対向する水噴射ノズルが段違いに配置され
る洗浄装置を請求項２の発明とし、請求項１または２の
発明において、洗浄水槽にヒータが設けられている洗浄
装置を請求項３の発明とするものである。。

【０００５】

【発明の実施の形態】次に、本発明の好ましい実施の形
態を図１に基づいて詳細に説明する。１は中間部に洗浄
水槽２を設けるとともに、上部に洗浄バスケット３を前
記洗浄水槽２内に出没自在に設けたフレームであり、前
記洗浄水槽２内には複数の水噴射ノズル４を取り付けた
水供給管５が４個所、各２本を対向して立設させ、対向
する水噴射ノズル４同士はノズル孔が上下段違いに配置
されるにように水供給管５に取り付けたものとして洗浄
効果を高めている。また、前記洗浄バスケット３は駆動
装置６により回転・上下運動を行うもので、該駆動装置
６は回転機構６ａと上下動機構６ｂとからなる。回転機
構６ａは洗浄バスケット３に５〜２０ｒｐｍの回転運動
を与えるもので、上下動機構６ｂは洗浄バスケット３に
ストローク１０〜５０ｍｍの上下運動を与えるととも
に、洗浄バスケット３を洗浄水槽２内への出没を行わせ
るための昇降動を行うものである。また、前記回転機構
６ａは洗浄バスケット３に周期的に左回りと右回りの正
逆回転を行わせて洗浄効果を高めるようにしている。

【０００６】前記駆動装置６の回転機構６ａは、フレー
ム１に取り付けられたモータ８と、洗浄バスケット３を
下面に取り付けたバスケット受け台９を回転自在に支持
する回転軸１０と、前記モータ８のプーリ８ａと回転軸
１０に取り付けられたプーリ１０ａとを連繋するベルト
１１とよりなるものである。また、駆動装置６の前記上
下動機構６ｂはフレーム１に取り付けられて前記回転軸
１０にピストンロッド１２ａを接続したシリンダ１２
と、回転軸１０に軸支されたブラケット１３の両側に先
端を固着するとともにフレーム１に摺動自在に取り付け
たガイドピン１３ａ、１３ａとよりなるものである。１
４は洗浄水槽２の底部に取り付けられる洗浄水加熱用の
ヒータ、１５は水噴射ノズル４を取り付けた水供給管５
に水を供給するポンプ、１６はポンプ１５と水供給管５
とを接続するホースである。

【０００７】このように構成されたものは、先ず、ポン
プ１５を作動させて水供給管５、水噴射ノズル４を通じ
て洗浄水槽２内に水道水等の洗浄水を満たしたうえ、洗
浄水加熱用のヒータ１４に通電して洗浄水を加温する。
そして、加工を加えられて切削油や切り粉、塵埃等の汚
れが付着した金属製や合成樹脂製の被洗浄物を洗浄バス
ケット３に投入したうえ、駆動装置６の上下動機構６ｂ
のシリンダ１２を下降作動させて洗浄バスケット３を洗
浄水槽２内に下降浸漬させる。次に、再びポンプ１５を
作動させて洗浄水槽２内の水噴射ノズル４より水を噴射
させるとともに、駆動装置６の回転機構６ａのモータ８
を駆動して洗浄水槽２内の洗浄バスケット３を周期的に
正逆回転運動させるとともに、上下動機構６ｂのシリン
ダ１２に上下運動動作を起こさせて洗浄水槽２内の洗浄
バスケット３を上下運動させる。この回転と上下運動に
より、洗浄バスケット３内の被洗浄物は全体が混合攪拌
され、被洗浄物の凹部や溝部等にも洗浄水は浸入して汚
れは洗い落とされることとなる。しかも、洗浄バスケッ
ト３内において被洗浄物が激しい攪拌洗浄作用を受けて
いる際、水噴射ノズル４より噴射される噴射水流は洗浄
バスケット３内の被洗浄物に噴射され、洗浄バスケット
３内で攪拌洗浄作用を受けている被洗浄物に吹き付けら
れるので、被洗浄物の凹部や溝部内の隅角部内にも噴射
水は吹き付けられて隅角部に付着している汚れも洗浄す
るうえ、被洗浄物を噴射水力により攪拌し、洗浄バスケ
ット３内の被洗浄物を攪拌循環させるので、洗浄バスケ
ット３内の被洗浄物は循環運動されて全体がむらなく洗
浄されることとなる。しかも、洗浄水は加温されている
ので付着している油分も洗浄水に溶け込んで容易に洗い
落とされることとなる。

【０００８】（実施例）不水溶性油を付着させた被洗浄
物（樹脂製インペラーおよびアルミニウム製スペーサ
ー）を表１に示す仕様の本発明の洗浄装置と従来のシャ
ワー洗浄装置とにより、水温４０℃の水道水を用いて洗
浄比較テストを行った結果を図２、図３のグラフに示
す。

【０００９】

【表１】 なお、本発明は、 上下ストローク量 ：５０mm 上下ストローク周期 ：１秒 バスケット回転数 ：１２rpm 水噴射圧力 ：３．７kg／cm² とする。洗浄結果は図２、３のグラフに示すように、本
発明の洗浄装置は樹脂製の被洗浄物（インペラ）、アル
ミニウム製の被洗浄物（スペーサー）のいずれにおいて
も従来のシャワー洗浄装置よりも優れた洗浄能力があ
り、エタン超音波洗浄に匹敵する洗浄力があった。

【００１０】なお、本発明の好ましい実施の形態では、
水噴射ノズル４を洗浄水槽２の内周縁の配置させている
が、洗浄バスケット３を環状形として、洗浄水槽２の中
央部に水噴射ノズル４を配置させても良く、あるいは、
洗浄水槽２の中央部と内周縁に水噴射ノズル４を配置さ
せることにより、攪拌洗浄力を高め洗浄時間を短縮する
ようにしても良く、さらに、好ましい実施の形態では、
水供給管５を４個所洗浄水槽内に立設させているが、対
向する対ができる本数であれば、洗浄条件に応じて本数
を自由に増減できることは勿論である。また、好ましい
実施の形態では、洗浄バスケット３に駆動機構６を設け
て回転運動と上下運動を行わせ、回転機構６ａや上下動
機構６ｂの構造を簡素化しているが、洗浄水槽２を回転
運動させたり、上下運動させても良いことは勿論であ
る。

【００１１】

【発明の効果】本発明は前記説明によって明らかなよう
に、駆動装置により洗浄水槽と洗浄バスケットとを相対
的に回転・上下運動させることにより、被洗浄物は洗浄
水中で万遍なく攪拌洗浄され、被洗浄物の表面や凹部、
溝部内の汚れは洗い落とされる。しかも、水噴射ノズル
より被洗浄物にジェット水流を噴射することにより、回
転・上下運動によって万遍なく攪拌回転される被洗浄物
の各面にある凹部や溝部内の隅角部にも噴射水を吹き付
けて汚れを洗い落とすとともに、ジェット水流によって
被洗浄物をさらに攪拌することにより洗浄力を高め、洗
浄剤に有機溶剤や塩素系溶剤を使用しなくても充分な洗
浄力を得ることができるので、環境破壊や人体への悪影
響を防止できることとなる。しかも、高価な有機溶剤や
塩素系溶剤を使用せず、水道水を洗浄水とするので、洗
浄コストも大幅に低減させることもできる。また、請求
項２のように、水噴射ノズルを段違いに配置することに
より、同位置に配置するより、攪拌力を高めて洗浄効率
をより一層向上させることができる。また、請求項３の
ように、洗浄水槽にヒータを設けることにより、洗浄水
温を高めて付着している不溶性油を洗浄水中に溶け込み
やすくして洗浄力を高めることができる等種々の利点を
有するものである。従って、本発明は従来の問題点を解
消した洗浄装置として業界の発展に寄与するところ極め
て大なものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の好ましい実施の形態を示す正面図であ
る。

【図２】樹脂製インペラを本発明と従来の洗浄装置によ
り洗浄した比較結果を示すグラフである。

【図３】アルミニウム製スペーサーを本発明と従来の洗
浄装置により洗浄した比較結果を示すグラフである。

【符号の説明】

２ 洗浄水槽 ３ 洗浄バスケット ４ 水噴射ノズル ６ 駆動装置 14 ヒータ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部に多数の水噴射ノズル(4) を配設し
   た洗浄水槽(2) と、該洗浄水槽内に浸漬される被洗浄物
   収納用の洗浄バスケット(3) と、前記洗浄水槽(2) と洗
   浄バスケット(3) とを相対的に回転・上下運動を行わせ
   る駆動装置(6) を設けたことを特徴する洗浄装置。
2. 【請求項２】 洗浄水槽内の対向する水噴射ノズル(4)
   が段違いに配置される請求項１に記載の洗浄装置。
3. 【請求項３】 洗浄水槽(2) にヒータ(14)が設けられて
   いる請求項１または２に記載の洗浄装置。