JP2000013107A - 誘電体フィルタおよびアンテナ共用器 - Google Patents
誘電体フィルタおよびアンテナ共用器Info
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Abstract
好な信号減衰効果を発揮させることができる誘電体フィ
ルタを提供する。また、このような誘電体フィルタを用
いて信号減衰能力の優れたアンテナ共用器を提供する。 【解決手段】 導電性ケース内部に複数の誘電体ブロッ
ク106が個々にケースに電気的に接続した状態で少な
くとも2列並列収容され、隣接する2列を構成する複数
の誘電体ブロック106が列方向に配置され、各誘電体
ブロック106がケースの内部で互いに導電性の仕切部
材137,138,139で仕切られ、該仕切部材に誘
電体ブロック同士を電磁気的に結合させる主結合手段1
41,143,145,146が付設され、仕切部材1
37,138,139に主結合路により生じる磁界を打
消すトラップ結合を生じさせる副次結合手段147を設
けてなることを特徴とする。
Description
あるいはセルラ基地局用の送信信号・受信信号共用器
(Duplexer)などの電子機器に使用して好適な誘電体フ
ィルタ及びアンテナ共用器に関する。
20と図21に示すように、箱型のシールドケース20
1の内部に円柱状の共振器202を必要個数整列配置し
た構造の誘電体フィルタ203が知られている。この誘
電体フィルタ203に内臓されている複数の共振器20
2は、シールドケース201の底板上に設けられた支持
ブロック205によって個々にシールドケース201の
内部空間に浮かせた状態で支持されている。また、シー
ルドケース201の一端部側に入力結合素子206と入
力端子207とが設けられ、該入力結合素子206と共
振器202との間に初段の同軸共振器208が設けられ
るとともに、シールドケース201の他端部側に出力結
合素子209と出力端子210とが設けられ、該出力結
合素子209と共振器202との間に終段の同軸共振器
211が設けられている。
ィルタ203は、円柱型の共振器202・・・を導波管の
役目をなすシールドケース201の内部に設けた構造で
あり、図22の2点鎖線に示すように初段の入力結合素
子206とそれに隣接する同軸共振器208を電磁界結
合させることができ、更に他の共振器202も順次電磁
界結合させることで電磁界的な主結合を構成することが
できる結果、誘電体フィルタの機能を奏する。
ス201の内部に配列された複数の共振器202のうち
の離間したものどうしを副結合素子212aを備えた伝
送線路212で接続して副結合することにより電磁気的
に副次結合させ、有極形誘電体フィルタを構成すること
ができ、前述の電磁界的主結合を経て終段の共振器に至
る信号の位相と、前記電磁界的な副次結合を経て終段の
共振器に至る信号の位相を互いに逆相とすることができ
る。
電体フィルタ203を応用した誘電体共振器の他の構造
例として、図23に示すように2列に配列された6個の
共振器202を備えたシールドケース213の内部に共
振器202・・・を列毎に仕切る仕切部材214を設け、
仕切部材214の端部に結合窓214aを設けて共振器
202・・・を平面視コ字型に配置し、このシールドケー
ス213の一端の入力側213aから出力側213bに
かけて入力端子207と入力結合素子206と同軸共振
器208と共振器202・・・と同軸共振器211と出力
結合素子209と出力端子210とを順次設けた構造の
誘電体共振器215が知られている。この構造の誘電体
共振器215にあっては、平面視コ字型に配置された共
振器202・・・が形成する電磁界的な主結合に対し、窓
部217を介して隣接する共振器202、202が電磁
気的に副次結合するので、図20と図21に示す誘電体
フィルタ203の構造よりも副次結合のための回路を簡
略化できる特徴を有していた。
振器215を誘電体フィルタとして用いた場合の減衰量
の周波数特性を図24に示す。図24に示すように減衰
量の周波数特性は所定の範囲において一定の減衰量帯域
を示し、この範囲を透過帯として、その透過帯以外は急
激に減衰量が増加する等脚台形型の曲線を示し、前記透
過帯以外で減衰量が急激に増加する領域には符号219
で示すトラップと称される減衰量の特異領域が生成する
ものであった。このトラップ219が生じるということ
は帯域フィルタとして見た場合に信号減衰の切れが良く
なることを意味するので帯域フィルタとしては好ましい
ものであると考えられる。
共振器215は通常TEモードの共振器として知られて
いるが、この誘電体共振器215をTMモードの共振器
として使用すると、主結合の回路と副次結合の回路が同
相になっていしまい、透過帯域の外側に前述のトラップ
219を生じない、いわゆる信号の切れの悪い減衰曲線
となってしまう問題があった。
用いてもトラップを伴う良好な信号減衰効果を発揮させ
ることができる誘電体フィルタを提供することにある。
また、このような誘電体フィルタを用いることで信号減
衰能力の優れたアンテナ共用器を提供することを目的と
する。
に本発明の誘電体共振器は、導電性のケースの内部に複
数の誘電体ブロックが個々に前記ケースに電気的に接続
した状態で少なくとも2列並列収容され、隣接する2列
を構成する前記複数の誘電体ブロックが列方向に千鳥状
に配置され、前記各誘電体ブロックが前記ケースの内部
で互いに導電性の仕切部材で仕切られ、該仕切部材に列
の端部の前記誘電体ブロック同士を電磁気的に結合させ
て主結合路を生成させる主結合手段が付設され、更に前
記仕切部材には前記主結合路により生じる磁界を打消す
トラップ結合を生じさせる副次結合手段が設けられてな
ることを特徴とする。
以上千鳥状に並列して導電性のケース内に設けた構造に
より、列に沿って並ぶ誘電体ブロックに沿う電磁界的な
主結合を生じさせると同時に、隣接する列どうしの間の
近接する誘電体ブロックどうしの間に電磁界的な副次結
合を生じさせることで、電磁界的な主結合に対して逆相
となる副次結合によって透過帯域の外側にトラップを有
する切れの良い減衰曲線をTMモードの場合でも発揮す
る。
て、誘電体ブロックの列を仕切る仕切部材に副次結合用
の結合窓を設けても良く、副次結合を生じさせる誘電体
ブロック同士を導体で電気的に接合しても良い。誘電体
ブロックの列を仕切る仕切部材に副次結合用の結合窓を
設けることにより、透過帯域の高周波側にトラップを有
する誘電体フィルタを提供することができ、副次結合を
生じさせる誘電体ブロック同士を導体で電気的に接合す
ることにより、透過帯域の低周波側にトラップを有する
誘電体フィルタを提供することができる。
導電性のケースの内部に複数の誘電体ブロックが個々に
前記ケースに電気的に接続した状態で少なくとも2列並
列収容され、かつ隣接する2列を構成する前記複数の誘
電体ブロックが列方向に間隔をおいて同位置に配置さ
れ、隣接する2列の各列端の誘電体ブロックの近傍に列
からずれた位置に前記ケースに電気的に接続した誘電体
ブロックが配置され、前記誘電体ブロックが前記ケース
の内部で互いに導電性の仕切部材で仕切られ、該仕切部
材に列の端部の誘電体ブロックと列からずれた位置の誘
電体ブロックを電磁気的に結合させて主結合路を生成さ
せる主結合手段が付設され、更に前記仕切部材には前記
主結合路より生じる磁界を打消すトラップ結合を生じさ
せる副次結合手段が設けられてなることを特徴とする。
ックを同間隔で配置し、列の端部の誘電体ブロックの近
傍に列からずれた位置に誘電体ブロックを配置した構造
とすることでも隣接する誘電体ブロック同士の電磁界結
合を起こさせることができ、更に隣接する誘電体ブロッ
クにおいて位相を逆相にすることができるので、通過帯
の外側にトラップを有する減衰特性の誘電体共用器を得
ることができる。
副次結合手段を前記仕切部材に設けた結合窓から構成し
ても良く、副次結合させる前記誘電体ブロック同士を電
気的に接続する導体から構成しても良い。これらのいず
れの構造においても隣接する誘電体ブロックにおいて位
相を逆相にすることができ、副次結合する誘電体ブロッ
ク間の誘電体ブロックを奇数個にでき、副次結合する誘
電体ブロック同士の位相を逆にできるので、透過帯域の
外側にトラップを有する減衰特性の誘電体フィルタを得
ることができる。誘電体ブロックの列を仕切る仕切部材
に副次結合用の結合窓を設けることにより、透過帯域の
高周波側にトラップを有する誘電体フィルタを提供する
ことができ、副次結合を生じさせる誘電体ブロック同士
を導体で電気的に接合することにより、透過帯域の低周
波側にトラップを有する誘電体フィルタを提供すること
ができる。
の結合窓を用いて副次結合を生じさせる構成の誘電体フ
ィルタを低周波側フィルタ素子とし、導体を用いて誘電
体ブロック同士を接続することで副次結合を生じさせる
構成の誘電体フィルタを高周波側のフィルタ素子として
両フィルタ素子を並設してなることを特徴とする。結合
窓を用いて副次結合を生じさせる誘電体フィルタにあっ
ては通過帯域の高周波域側にトラップが生じ、導体を用
いて副次結合を生じさせる誘電体フィルタにあっては通
過帯域の低周波域側にトラップが生じるとともに、両誘
電体フィルタにおける透過帯域がずれるので、両者を結
合することでトラップを有する減衰量の周波数特性を備
える優れたアンテナ共振器を提供できる。
細に説明する。図1ないし図3は本発明の誘電体フィル
タの第1実施形態を示すもので、図1と図2は斜視図、
図3は内部構造を示す断面図である。本実施形態の誘電
体フィルタ30は、金属板を薄型の箱状に組み立ててな
るケース32、33、34、35、36、37、38、
39を底板31上に2列に配列して概略構成されてい
る。この形態において底板31の上では、ケース32、
33、34、35がこれらの順に配置されて第1の列が
構成され、ケース36、37、38、39がこれらの順
に配置されて第2の列が構成されているが、第1の列の
ケース32、33、34、35と第2の列のケース3
6、37、38、39は各ケースの幅の半分程度を位置
ずれさせて互い違いに、即ち全体的には列方向に沿って
千鳥状に配列されている。
る底板31の平面形状を示す。この底板31には前述の
複数のケースを装着するために各ケースの取付位置の外
郭位置に溝孔31aと取付孔32Fが複数形成されると
ともに、各ケースの取付位置の中央部に位置するように
丸型の透孔31Aが形成されている。前記溝孔31a
は、ケース32とケース36との境界位置と、ケース3
3とケース37との境界位置と、ケース34、35とケ
ース38との境界位置とにそれぞれ形成されるととも
に、更にケース32、33の境界位置と、ケース33、
34の境界位置と、ケース34、35の境界位置と、ケ
ース35、39の境界位置と、ケース39、38の境界
位置と、ケース38、37の境界位置と、ケース37、
36の境界位置のそれぞれに形成されている。また、取
付孔32Fは、底板31の周縁部に沿って配置されてお
り、ケース32、33、34、35、36、37、3
8、39の各コーナ部分に位置するように配置されてい
る。
列に沿ってそれぞれ4個ずつ形成され、これらの透孔3
1A・・・は列方向に沿って千鳥状に形成されている。な
お、透孔31Aの直径は、後述する誘電体ブロック45
の直径よりも若干(数mm程度)小さくされている。な
おまた、本実施形態では1枚の底板31上に複数のケー
ス32〜39を並べた構造を採用したが、底板31をケ
ース毎に区切った複数の底板から構成し、それらの底板
同士を半田付け等の接合手段で接合して誘電体フィルタ
を構成しても良いのは勿論である。
すが、このケース32は、天板32aとこの天板32a
の周辺部から延設された4つの側壁部32b、32c、
32d、32eとからなり、4つの側壁部32b、32
c、32d、32eを天板32aに対してほぼ直角に折
り曲げ、各側壁部の接する部分を半田付けなどの接合手
段により接合して一体化されている。また、天板32a
には平面Ω型の透孔40が、その丸孔部40aを隣接す
るケース33側に向けて天板32aの中央部に位置さ
せ、丸孔部以外の胴部40bを隣接するケース33側と
反対側に向けて形成され、該ケース33側に位置する側
壁部32dの中央部には主結合窓(主結合手段)41が
形成されるとともに、側壁部32dに対向する側の側壁
部32bの中央部には入力側の端子部42が形成されて
いる。
成された複数の係止凸部32fを図4に示す底板31の
溝孔31aあるいは取付孔32Fに嵌合し、ケース32
の各側壁部の下端部を底板31に半田付けして固定され
ている。なお、本実施形態においてケース32の各部分
は鋼板等の導電性の金属板を折り返して構成されている
が、銀等の導電性の高い金属をメッキで着けることもあ
る。なおまた、本実施形態において、天板32に形成さ
れた丸孔部40aの直径は前述の底板31の透孔31A
の直径と同一にされているが、同一の直径でなくとも差
し支えない。
ロック45(全体形状は図2を参照)が収容されてい
る。この誘電体ブロック45は、BaO−TiO2−N
d2O3系などの誘電材料からなるセラミック製の背の低
い円柱体からなる。また誘電体ブロック45の上端面お
よび下端面には、それぞれ導電性ペーストを塗布して焼
き付けるなどして電極層45a、45bが形成されてい
る。そして、誘電体ブロック45の上端の電極層45a
はケース32の天板32aの内面に天板32aの透孔4
0の丸孔部40aに位置合わせして、更に、誘電体ブロ
ック45の下端の電極層45bは底板31の上面に底板
31の透孔30Aに位置合わせして、クリーム半田や導
電性ペーストを用いてそれぞれ接着固定されており、か
つ電気的に接続されている。詳細には、誘電体ブロック
45の電極層45aの周縁部分と天板32aとの接触部
分周り、あるいは、電極層45bの周縁部分と底板31
との接触部分周りの部分に半田を盛るか、導電性ペース
トを焼き付けて電気的に接合されている。
層45bが底板31の透孔31Aに位置合わせされ、上
端側の電極層45aがケース32の透孔40の丸孔部4
0aに位置合わせされているが、誘電体ブロック45の
直径は底板31の透孔31Aの内径よりも若干大きく形
成されるとともに、ケース32の透孔40の丸穴部分の
内径よりも若干大きく形成されているので、誘電体ブロ
ック45はケース32の天板32aと底板31との間に
挟まれた状態とされている。
45bとケース32との電気的接続は、金属板と電極層
を接触させることで電気的に容易に接続できるので、導
電性ペーストや半田等の接合手段を特に用いなくとも構
わないが、ケースと誘電体ブロックとの作成精度の関係
で物理的に隙間を生じるおそれもあるのでクリーム半田
や導電性ペースト等を用いて電気的に接合しておくこと
が確実な電気的接続を行う上で好ましい。更に、ケース
32の透孔40の胴部40bはビス等で着脱自在に装着
された蓋体48で覆われている。この蓋板48はケース
32の内部に別途設けられる図示略のヘリカル共振器を
調整するためのものである。
ス33を示す。このケース33はケース32と同様な鋼
板等の金属板の折り返し構造からなる薄型の箱状であ
り、天板33aと側壁部33b、33c、33d、33
eを有し、側壁部の下端部に係止凸部33f・・・が形成
されていて、天板33aにほぼ直角に折曲された側壁部
どうしの接触部分は半田付けされて薄型の箱状に組み付
けられ、側壁部33bと33dの中央部には主結合窓
(主結合手段)50が形成され、天板33aの中央部に
丸型の透孔51が形成されている。
板31上の前述のケース32の主結合窓41に連続させ
て底板31に取り付けられている。このケース33にお
いても先のケース32と同様に底板31の溝孔31aあ
るいは取付孔32Fに対して係止凸部33fを嵌合し、
各側壁部の下端部を底板31に半田や導電ペーストで接
合することで固定され、その内部中央に先のケース32
の場合と同様に誘電体ブロック45が固定されている。
ス34を示す。このケース34はケース33と同様な金
属板の折り返し構造からなる薄型の箱状であり、天板3
4aと側壁部34b、34c、34d、34eを有し、
各側壁部の下端部に係止凸部34f・・・が形成されてい
て、天板34aにほぼ直角に折曲された側壁部どうしの
接触部分は半田付けされて薄型の箱状に組み付けられ、
側壁部34bと34dの中央部には主結合窓(主結合手
段)52が形成され、天板34aの中央部に丸型の透孔
53が形成されている。また、ケース34の側壁部34
cにおいてそれに隣接する側壁部34b側の端部には副
次結合窓(副次結合手段)54が形成されている。
板31上の前述のケース33の主結合窓50に連続さ
せ、副次結合窓54を第2の列側に向けて底板31に取
り付けられている。このケース34においても先のケー
ス33と同様に底板31の溝孔31aあるいは取付孔3
2Fに対して係止凸部34fを嵌合し、側壁部の下端部
を底板31に半田付けすることで固定され、その内部中
央にケース32の場合と同様に誘電体ブロック45が固
定されている。
ス35を示す。このケース35はケース34と同様な鋼
板等の金属板の折り返し構造からなる薄型の箱状であ
り、天板35aと側壁部35b、35c、35d、35
eを有し、側壁部の下端部に係止凸部35f・・・が形成
されていて、天板35aにほぼ直角に折曲された側壁部
どうしの接触部分は半田付けされて薄型の箱状に組み付
けられ、側壁部35bの中央部には主結合窓(主結合手
段)55が形成され、側壁部35cにおいて側壁部35
d側の部分に主結合窓(主結合手段)56が形成され、
天板35aの中央部に丸型の透孔57が形成されてい
る。
上のケース34の主結合窓52に連続させ、主結合窓5
6を第2の列側に向けて底板31に取り付けられてい
る。このケース35においても先のケース34と同様に
底板31の溝孔31aあるいは取付孔32Fに対して係
止凸部35fを嵌合し、側壁部の下端部を底板31に半
田付けすることで固定され、その内部中央に誘電体ブロ
ック45が先のケース32の場合と同様に固定されてい
る。
ス39を示す。このケース39はケース35と同様な鋼
板等の金属板の折り返し構造からなる薄型の箱状であ
り、天板39aと側壁部39b、39c、39d、39
eを有し、各側壁部の下端部に係止凸部39f・・・が形
成されていて、天板39aにほぼ直角に折曲された側壁
部どうしの接触部分は半田付けされて薄型の箱状に組み
付けられ、側壁部39bの中央部には主結合窓(主結合
手段)60が形成され、側壁部39eにおいて側壁部3
9b側の部分に主結合窓(主結合手段)61が形成さ
れ、天板39aの中央部に丸型の透孔67が形成されて
いる。
上の第1の列のケース35の主結合窓56に連続させて
底板31に取り付けられている。このケース39におい
てもケース32の場合と同様に底板31の溝孔31aあ
るいは取付孔32Fに対して係止凸部39fを嵌合し、
側壁部の下端部を底板31に半田付けすることで固定さ
れ、その内部中央に誘電体ブロック45が固定されてい
る。
38は先に説明した図6に示すケース33と略同一形状
とされ、ケース38の両側壁部に設けられている図3に
示す主結合窓(主結合手段)62の一方を先のケース3
9の主結合窓60に連続させて底板31上に先に説明の
ケース33と同様に固定され、その内部中央に誘電体ブ
ロック45が固定されている。
ケース37を示す。このケース37は他のケースと同様
な金属板の折り返し構造からなる薄型の箱状であり、天
板37aと側壁部37b、37c、37d、37eを有
し、側壁部の下端部に係止凸部37f・・・が形成されて
いて、天板37aにほぼ直角に折曲された側壁部どうし
の接触部分は半田付けされて薄型の箱状に組み付けら
れ、側壁部37b、37dの中央部には主結合窓(主結
合手段)63が形成され、側壁部37eにおいて側壁部
37b側の部分に副次結合窓(副次結合手段)65が形
成され、天板37aの中央部に丸型の透孔66が形成さ
れている。
板31上の先のケース38の主結合窓62に連続させ、
副次結合窓65を第1の列のケース34の副次結合窓5
4と連通させて底板31に取り付けられている。このケ
ース37においても先のケース32の場合と同様に底板
31の溝孔31aあるいは取付孔32Fに対して係止凸
部37fを嵌合し、各側壁部の下端部を底板31に半田
付けすることで固定され、その内部中央に誘電体ブロッ
ク45が固定されている。
36は先に説明した通り第2の列のケース32と略同一
形状とされていて、図2に示す天板36aと側壁部36
b、36c、36d、36eを有し、側壁部36eの中
央部に設けられた主結合窓68を底板31上の先のケー
ス37の主結合窓63に連続させて他のケースと同等の
手段により底板31上に取り付けられ、その内部中央に
誘電体ブロック45が固定されている。
35とケース36、37、38、39がそれぞれ列をな
して底板31上に固定されていて、図3に示すように各
ケースに形成されている主結合窓(主結合手段)41、
50、50、52、52、55、56、61、60、6
2、62、63、63、68が底板31の上面上をコ字
型の平面折り返し状態に連続され、各ケース内の誘電体
ブロック45・・・が電磁界結合をなした場合に電磁気的
な主結合ループを構成できるように構成されている。従
って本実施形態において誘電体ブロック45・・・による
主結合ループを形成する主結合手段は、主結合窓41〜
68が構成する。また、各誘電体ブロック45を個々に
仕切る仕切部材は個々のケース32〜39の各側壁部が
構成する。
54とケース37に形成された副次結合窓65は連通さ
れていて、ケース34内の誘電体ブロック45とケース
37内の誘電体ブロック45とが電磁気的に副次結合で
きるように構成されている。従って本実施形態において
副次結合窓54、65が副次結合手段を構成する。とこ
ろで本実施形態の誘電体フィルタ30において各ケース
32〜39の側壁部には各々ネジ孔29Aが2個ずつ形
成され、これらのネジ孔29A・・・のうちのいくつかに
は周波数調整用のネジ29が螺入されるとともに、ケー
ス34とケース37の境界部分に形成されたネジ孔28
Aにねじ込まれたネジ28は副次結合周波数調整用のネ
ジである。
タ30の作用効果について以下に説明する。図1に示す
構成の誘電体フィルタ30にあっては、各ケースに収容
されている円柱状の誘電体ブロック45が個々に共振器
を構成するので、各誘電体ブロック45の中心軸方向が
電界の方向となると、磁界の向きは誘電体ブロック45
の周方向となる。また、誘電体フィルタ30に設けられ
ている誘電体ブロック45の磁界の向きは、主結合する
方向に沿って並ぶ誘電体ブロック45において図3の矢
印に示すように互いに隣接する誘電体ブロック45同士
で異なる向き、即ち時計回りか反時計回りとなる。
を図11に示す。ケース32とその内部の誘電体ブロッ
ク45と底板31で誘電体共振器32Eが構成され、ケ
ース33とその内部の誘電体ブロック45と底板31で
誘電体共振器33Eが構成され、ケース34とその内部
の誘電体ブロック45と底板31で誘電体共振器34E
が構成され、ケース35とその内部の誘電体ブロック4
5と底板31で誘電体共振器35Eが構成され、ケース
36とその内部の誘電体ブロック45と底板31で誘電
体共振器36Eが構成され、ケース37とその内部の誘
電体ブロック45と底板31で誘電体共振器37Eが構
成され、ケース38とその内部の誘電体ブロック45と
底板31で誘電体共振器38Eが構成され、ケース39
とその内部の誘電体ブロック45と底板31で誘電体共
振器39Eが構成される。これらの誘電体共振器32E
〜39Eは電磁気的に主結合するが、誘電体共振器34
Eと誘電体共振器38Eは電磁気的に副次結合する。
おける位相角の周波数特性と伝送特性を示す。この図か
ら、誘電体共振器32E〜39Eが構成する主結合をな
す主伝送路の位相角の周波数特性と、誘電体共振器34
Eと38Eが構成する副次結合をなす副伝送路の位相角
の周波数特性から、誘電体フィルタとしての減衰量の周
波数特性が矩形波に近い等脚台形型となり、その高周波
領域において主伝送路の伝送量と副次伝送路の伝送量が
等量で逆位相となるので高周波域側に減衰量のトラップ
を生じることが容易に理解できる。
によれば、受信周波帯域の透過帯域幅が比較的広く、送
信周波数帯域の減衰量が極めて大きいとともに、透過帯
域の挿入損失が少なく、更に透過帯域の外側にトラップ
を有する周波数切れの良いTMモードのフィルタを得る
ことができる。
0において、誘電体共振器32E〜39E内の電流が流
る経路は、誘電体ブロック45、誘電体ブロック上端の
電極層45a、各々のケースの天板、側壁部、底板、誘
電体ブロック下端の電極層45b、誘電体ブロック45
の順、あるいはその逆の順序に電流が循環する。そし
て、本実施形態の誘電体共振器のケースにあっては、金
属板どうしが接合されてなる側壁部の辺部分はいずれも
電流の流れる方向に沿っており、電流の流れに直交する
方向に接合辺はない。従って、各誘電体共振器32E〜
39E内を流れる電流に対する接合辺の影響は小さく、
接合辺に起因する電気抵抗増加は低減される結果、Q値
が向上し、誘電体共振器としての特性は向上する。
よび下端の電極層における電流の流れは、ほとんどが表
面に沿って流れ、周波数が高くなるほど表面を流れ易く
なることが知られている(表皮効果)。例えば、周波数
1GHzの場合、電流は表面の厚さ2μm程度の部分を
流れる。従って本実施形態のように各ケースの天板およ
び底板に透孔が形成され、誘電体ブロック45の上端の
電極層45aと下端の電極層45bの縁部のみがケース
と接合されている構成としても、電流の流れに悪影響は
ない。
2実施形態の要部を示す断面図である。この第2実施形
態の誘電体フィルタ70の構造において、第1実施形態
の構造と異なるのは、誘電体共振器34Fを構成するケ
ース34の側壁部34cに設けられていた第1実施形態
の副次結合窓54を省略し、誘電体共振器37Fの側壁
部37eに設けられていた第1実施形態の副次結合窓6
5を省略し、代わりにケース34の側壁部34cに透孔
34gをケース37の側壁部37eに透孔37gを形成
し、これらの透孔34g、37gを通過するリード線な
どの導体71を設け、導体71の一端部をケース34内
の誘電体ブロック45の上端の電極層45aに半田付け
により接続し、導体70の他端部をケース37内の誘電
体ブロック45の下端の電極層45bに半田付けにより
接続し、導体71が通過する透孔34g、37g部分と
その周囲を樹脂材などの隙間埋め材72で封じて構成さ
れている。この第2実施形態におけるその他の構成は先
に説明した第1実施形態の構成と同等である。
おいても誘電体共振器34Fと誘電体共振器37Fを副
次結合させることができる。ただしこの第2実施形態の
誘電体フィルタ70にあっては、図14に示すような位
相角の周波数特性と減衰量の周波数特性が得られる。こ
の図14に示す周波数特性から、誘電体共振器32E、
33E、34F、35E、39E、38E、37F、3
6Eが構成する主結合をなす主伝送路の位相角の周波数
特性と、誘電体共振器34Fと37Fが構成する副次結
合をなす副伝送路の位相角の周波数特性から、誘電体フ
ィルタとしての減衰量の周波数特性が台形型となり、低
周波領域において主伝送路の伝送量と副次伝送路の伝送
量が同量で逆位相となるので低周波域側に減衰量のトラ
ップを生じることが分る。従って第2実施形態の構造に
おいても減衰量の低周波域側にトラップを有する優れた
誘電体フィルタを得ることができる。
電体フィルタ30と第2実施形態の誘電体フィルタ70
を同軸ケーブル等の導体84、85で接続して構成され
たアンテナ共用器90を示す。誘電体フィルタ30の入
力端子42と誘電体フィルタ70の入力端子42とを導
体84、85で接続し、接続点86にアンテナからの入
力部91が設けられるとともに、誘電体フィルタ30の
出力端子43に第1出力部82が接続され、誘電体フィ
ルタ70の出力端子43に第2出力部83が接続されて
構成されている。
量の周波数特性と第2実施形態の誘電体フィルタ70の
減衰量の周波数特性を比較すると、後述する実施例から
明らかなように、誘電体フィルタ30の透過帯域は誘電
体フィルタ70の透過帯域よりも低周波域側に位置し、
誘電体フィルタ70の透過帯域は誘電体フィルタ30の
透過帯域よりも高周波域側に位置し、誘電体フィルタ3
0の減衰量にトラップを生じる帯域と誘電体フィルタ7
0の減衰量にトラップを生じる帯域はほぼ同じであるの
で、誘電体フィルタ30と誘電体フィルタ70を用いて
図15に示すように接続することでアンテナ共用器90
を得ることができる。
低域側の誘電体フィルタ30の入力側の端子部42に同
軸ケーブル85を接続し、誘電体フィルタ30の高域側
減衰域の周波数におけるインピーダンス位相を変化させ
て接続点86から誘電体フィルタ30の方を見たインピ
ーダンスを無限大にする。このとき、誘電体フィルタ3
0の高域側減衰域の周波数は、高域側フィルタ70の通
過帯の周波数であるので、この周波数においては、接続
点86には低域側フィルタ30は接続されていないかの
ようにふるまう。また、高域側誘電体フィルタ70の入
力側の端子部42に同軸ケーブル84を接続することに
より、高域側の誘電体フィルタ70の低域側減衰域、即
ち、低域側フィルタ30の通過帯の周波数で接続点86
では高域側の誘電体フィルタ70は接続されていないか
のようにふるまう。このようにしてアンテナ共用器とし
て動作する。
3実施形態の構造を示す分解斜視図である。この第3実
施形態の誘電体フィルタは、5段構造のものであり、導
電性の金属板からなる底板102と天板103との間に
平面略凸字型の金属製の枠体105を設け、この枠体1
05内に誘電体ブロック106を5個収容して構成され
ている。誘電体ブロック106は先の第1実施形態の誘
電体ブロック45と同様に上端面と下端面に電極層が形
成されている。
1の列の2個の誘電体ブロック106、106を収容す
る第1の収容部107と、平面略長方形状をなして第1
の収容部107に並設され第2の列の2個の誘電体ブロ
ック106、106を収容する第2の収容部108とを
有し、更に、第1の収容部107と第2の収容部108
の端部に接続して設けられ1個の誘電体ブロック106
を収容した第3の収容部109を有して構成されてい
る。
7と第2の収容部108は互いの側部壁を共用化して一
体とされ、第1の収容部106と第2の収容部107と
第3の収容部109との境界部分も共用化して一体化さ
れている。この形態の構造において共用化された枠体1
07、108の側壁部が第1の列の誘電体ブロック10
6、106と第2の列の誘電体ブロック106、106
を仕切る仕切部材を構成する。また、第1の列の誘電体
ブロック106、106と第2の列の誘電体ブロック1
06、106は列方向に沿って同一位置に配置され、第
3の収容部109の誘電体ブロック106は第1の列の
誘電体ブロック106、106の列方向延長位置と第2
の列の誘電体ブロック106、106の延長位置との中
間位置に配置されている。
誘電体ブロック106を仕切る中間位置に仕切板110
が設けられ、この仕切板110の中央部には主結合窓
(主結合手段)111が形成されていて誘電体ブロック
106、106が電磁気的に主結合できるように構成さ
れるとともに、第2の収容部108において2個の誘電
体ブロック106を仕切る位置に仕切板112が設けら
れ、この仕切板112の中央部には主結合窓(主結合手
段)113が形成されていて、誘電体ブロック106、
106が電磁気的に主結合できるように構成されてい
る。
109との間の部分には枠体の一部を切り欠いて形成し
た主結合窓(主結合手段)115が形成されていて第1
の収容部107の端部の誘電体ブロック106と第3の
収容部109の誘電体ブロック106とが電磁気的に主
結合できるように構成されるとともに、第2の収容部1
08と第3の収容部109との間の部分には枠体の一部
を切り欠いて形成した主結合窓(主結合手段)116が
形成されていて第3の収容部109の誘電体ブロック1
06と第2の収容部107の端部の誘電体ブロック10
6とが電磁気的に主結合できるように構成されている。
従ってこの実施形態において主結合窓111、115、
116、113が主結合手段とされている。
ク106、106のうち、第3の収容部109側の誘電
体ブロック106と、第2の収容部108の誘電体ブロ
ック106、106のうち、第3の収容部109側の誘
電体ブロック106との間の枠体部分には、枠体の一部
を切り欠いて副次結合窓(副次結合手段)117が形成
されていて、この副次結合窓117を介して第1の収容
部107の誘電体ブロック106と第2の収容部108
の誘電体ブロック106とが電磁気的に副次結合できる
ように構成されている。従ってこの実施形態において副
次結合窓117が副次結合手段とされている。
においては、第1の収容部107と第2の収容部108
と第3の収容部109の境界壁を共用化しているが、各
収容部を第1または第2実施形態の構造の如く誘電体ブ
ロック毎にこれらを囲む導電体からなる箱状に形成し、
これらの箱状の収容部を結合して構成しても良いのは勿
論である。
収容部側に対する反対側には入力端子部120が形成さ
れ、この入力端子部120と誘電体ブロック106との
間にはヘリカル共振器121が設けられるともに、第2
の収容部108において第3の収容部側に対する反対側
には入力端子部122が形成され、この入力端子部12
2と誘電体ブロック106の間にはヘリカル共振器12
3が設けられている。以上の構成に加え、天板103は
枠体105の上面に対して複数のビス125により固定
されて第3実施形態の誘電体フィルタが構成されてい
る。
1の収容部107の2つの誘電体ブロック106、10
6と、第3の収容部105の誘電体ブロック106と第
2の収容部108の誘電体ブロック106、106が順
次電磁気的に主結合するとともに、副次結合窓117を
介して第1の収容部107の誘電体ブロック106と第
2の収容部108の誘電体ブロック106とが電磁気的
に副次結合する結果、誘電体フィルタとしてのフィルタ
機能を奏する。
ブロック106における磁界の向きが誘電体ブロック1
06の上面に沿って反時計方向周りであるとすると、第
2番目の誘電体ブロック106における磁界の向きは時
計方向になり、第3の収容部109の誘電体ブロック1
06における磁界の向きは反時計方向になり、第2の収
容部108の第2番目の誘電体ブロック106における
磁界の向きは時計方向になり、第2の収容部108の第
1番目の誘電体ブロック106における磁界の向きは反
時計方向になる。即ち、主結合方向に隣接する誘電体ブ
ロック106毎に磁界の向きは順次方向が変換されて方
向が異なるようになる。従って第1の実施形態の誘電体
フィルタ30と同様にトラップを有する減衰量の周波数
特性を示す誘電体フィルタを得ることができる。
4実施形態の構造を示す分解斜視図である。この第4実
施形態の誘電体フィルタは、先に説明した実施形態の誘
電体フィルタと基本構造はほぼ同等であるが、内部に誘
電体フィルタ106を7個収容した7段構造とされたも
ので、導電性の金属板からなる底板132と天板133
との間に平面略凸字型の金属製の枠体135を設け、こ
の枠体135内に誘電体ブロック106を7個収容して
構成されている。この第4実施形態の構造は先の第3実
施形態の構造とほぼ同等であり、符号137は誘電体ブ
ロック106を3個収容した第1の収容部、符号138
は誘電体ブロック106を3個収容した第2の収容部、
139は1個の誘電体ブロック106を収容した第3の
収容部である。また、この実施形態において枠体135
において第1の収容部137の側壁部と第2の収容部1
38の側壁部が共用化されているが、この共用化された
側壁部が第1の列の誘電体ブロック106・・・と第2の
列の誘電体ブロック106・・・を仕切る仕切部材とされ
ている。
部の誘電体ブロック106を仕切る仕切板、141は仕
切板140に形成された主結合窓(主結合手段)、14
2は第2の収容部138の内部の誘電体ブロック106
とを仕切る仕切板、143は仕切板142に形成された
主結合窓(主結合手段)、145は第1の収容部137
と第3の主要部139との境界部分に設けられた主結合
窓、146は第3の収容部139と第2の収容部132
との境界部分に設けられた主結合窓(主結合手段)、1
47は第1の列の中央の誘電体ブロック106と第2の
列の中央の誘電体ブロック106との境界部分の枠体に
設けられた副次結合窓(副次結合手段)をそれぞれ示
す。従ってこの実施形態において、主結合窓141、1
41、145、146、143、143が主結合手段と
され、副次結合窓147が副次結合手段とされている。
ても先の形態の5段の誘電体フィルタと同様に誘電体ブ
ロック毎に交互に磁界の向きを時計回りか反時計周りに
することができ、誘電体ブロック106・・・どうしの電
磁界的な主結合に加えて副次結合窓147を介する誘電
体ブロック106どうしの間に電磁界的な副次結合を生
じさせて誘電体フィルタとしての機能を奏し得ることが
できる。従って第1の実施形態の誘電体フィルタ30と
同様にトラップを有する減衰量の周波数特性を示す誘電
体フィルタを得ることができる。
の誘電体フィルタを組み立てて減衰量の周波数特性を測
定した。厚さ0.5mmの鋼板からなる底板を用い、第
1の列に沿う底板部分の長さを123mm、幅を30m
mに設定し、底板に形成した透孔の内径を12mmに設
定し、BaO−TiO2−Nd2O3からなる円柱状の誘
電体ブロック(直径17mm、高さ10mm)を8個用
い、各誘電体ブロックを囲むケース(縦幅26mm、横
幅28mm、高さ11.5mm)を厚さ0.3mmの鋼板
を折り曲げ加工し銀メッキをして、接合辺部分を半田付
けし、更に各ケースを底板に半田付けして作製した。以
上の構成の誘電体フィルタの入力端子に正弦波の信号を
入力して出力端子からの出力波形を測定した結果を図1
8に示す。
80MHz付近から910MHz付近までの範囲におい
て減衰量2〜3dB程度のほぼフラットな透過領域を示
し、この透過領域から外れた帯域のものは急激に減衰し
得る特性を有する優れた減衰量特性を備えた波形が得ら
れた。また、この減衰量波形において高域側に減衰量の
トラップを生じていることも確認でき、切れの良好な減
衰量特性が得られたことが明らかになった。
びケース形状はほぼ同等とし、副次結合窓に代えて導体
を配した図13に示す第2実施形態の構造の誘電体フィ
ルタを作製し、実施例1と同様にして減衰量の周波数特
性を測定した。第1の列の第3番目の誘電体ブロックの
上端電極層と第2の列の第2番目の誘電体ブロックの下
端の電極層とをリード線で半田付けにより接合して誘電
体フィルタを作製し、実施例1と同様に計測に供した。
その結果を図19に示す。
20MHz付近から960MHz付近までの範囲におい
て減衰量2〜3dB程度のほぼフラットな透過領域を示
し、この透過領域から外れた帯域のものは急激に減衰し
得る特性を有する優れた減衰量特性を備えた波形が得ら
れた。また、この減衰量波形において低域側に減衰量の
トラップを生じていることも確認でき、切れの良好な減
衰量特性が得られたことが明らかになった。
明らかなように、副次結合を生じさせるための構造とし
て副次結合窓を用いた実施例1の構造の誘電体フィルタ
と、副次結合を生じさせるためにリード線の導体を用い
た実施例2の誘電体フィルタとでは、それぞれ透過帯域
が880〜910MHzと920〜960MHzであ
り、両者は隣接しており、しかも、実施例1の誘電体フ
ィルタの減衰量のトラップの存在周波数領域と、実施例
2の誘電体フィルタの減衰量のトラップの存在周波数領
域がほぼ同じであるので、実施例1、2の誘電体フィル
タを図15に示すようにケーブルで接続することで、ア
ンテナ用共用器を構成できることが明らかになった。
ルタは、仕切部材で仕切られた誘電体ブロックを2列以
上千鳥状に並列して導電性のケース内に設け、ケース内
の仕切部材に列の端部の誘電体ブロック同士を電磁気的
に結合させる主結合手段を設けたので、列に沿って並ぶ
誘電体ブロックに沿う電磁界的な主結合を生じさせるこ
とができる。また、隣接する列どうしの間の近接する誘
電体ブロックどうしの間に電磁界的な副次結合を生じさ
せ、列に沿って隣接する誘電体ブロック同士の間での電
磁界結合を交互に逆相にすることができ、電磁界的な主
結合に対して逆相となる副次結合を生じさせることがで
き、よって透過帯域の外側の帯域にトラップを有する切
れの良い減衰曲線をTMモードの場合でも有する誘電体
フィルタを得ることができる。
配置して配列し、列の端部に列からはずれた1個の誘電
体ブロックを設け、列に沿って誘電体ブロックを電磁気
的に主結合させ、列を越えて隣接する誘電体ブロック同
士を電磁気的に副次結合させる構造とすることで、列に
沿って隣接する誘電体ブロック同士の間での電磁界結合
を交互に逆相にすることができ、電磁界的な主結合に対
して逆相となる副次結合を生じさせることができ、よっ
て透過帯域の外側の帯域にトラップを有する切れの良い
減衰曲線をTMモードの場合でも有する誘電体フィルタ
を得ることができる。
て電磁界的主結合を生じさせる具体的な構造として仕切
部材に設けた主結合窓を適用することができ、列を越え
て隣接する誘電体フィルタ同士を接続する導体を適用す
ることもできる。そして、主結合窓を用いた構造では透
過帯域の高周波側にトラップを有する減衰量特性を得る
ことができ、導体を用いた構造では透過帯域の低周波側
にトラップを有する減衰量特性を有する減衰量特性を得
ることができる。
導体を用いた誘電体ブロックを結合してアンテナ共用器
を構成することで、透過帯域を隣接させた広い領域とし
て、透過帯域の外側の帯域にトラップを有する周波数切
れの良好な特性を発揮するアンテナ共用器を提供するこ
とができる。
を示す斜視図。
分解斜視図。
の平面図。
1の列の第1番目のケースの斜視図。
1の列の第2番目のケースの斜視図。
1の列の第3番目のケースの斜視図。
1の列の第4番目のケースの斜視図。
2の列の第4番目のケースの斜視図。
第2の列の第2番目のケースの斜視図。
す回路図。
角と減衰量の周波数特性を示す図。
態の要部を示す断面図。
相角と減衰量の周波数特性を示す図。
図。
態を示す斜視図。
態を示す斜視図。
おける減衰量の周波数特性を示す図。
おける減衰量の周波数特性を示す図。
図。
態を示す図。
量特性を示す図。
5・・・第1の列のケース(仕切部材)、36、37、3
8、39・・・第2の列のケース(仕切部材)、41、5
0、52、55、56、61、60、62、63、68
・・・主結合窓(主結合手段)、45・・・誘電体ブロック、
54、65・・・副次結合窓(副次結合手段)、71・・・導
体(副次結合手段)、106・・・誘電体ブロック、10
7、108、109・・・枠体(仕切部材)、111、1
13、115、116・・・主結合窓(主結合手段)、1
17・・・副次結合窓(副次結合手段)、137、13
8、139・・・枠体(仕切部材)、141、143、1
45、146・・・主結合窓(主結合手段)、147・・・副
次結合窓(副次結合手段)。
Claims (7)
- 【請求項1】 導電性のケースの内部に複数の誘電体ブ
ロックが個々に前記ケースに電気的に接続した状態で少
なくとも2列並列収容され、隣接する2列を構成する前
記複数の誘電体ブロックが列方向に千鳥状に配置され、
前記各誘電体ブロックが前記ケースの内部で互いに導電
性の仕切部材で仕切られ、該仕切部材に列の端部の前記
誘電体ブロック同士を電磁気的に結合させて主結合路を
生成させる主結合手段が付設され、更に前記仕切部材に
は前記主結合路により生じる磁界を打消すトラップ結合
を生じさせる副次結合手段が設けられてなることを特徴
とする誘電体フィルタ。 - 【請求項2】 前記主結合手段及び前記副次結合手段が
前記仕切部材に設けられた結合窓から構成された構成さ
れたことを特徴とする請求項1記載の誘電体フィルタ。 - 【請求項3】 前記副次結合手段が副次結合させる前記
誘電体ブロック同士を電気的に接続する導体から構成さ
れたことを特徴とする請求項1記載の誘電体フィルタ。 - 【請求項4】 導電性のケースの内部に複数の誘電体ブ
ロックが個々に前記ケースに電気的に接続した状態で少
なくとも2列並列収容され、かつ隣接する2列を構成す
る前記複数の誘電体ブロックが列方向に間隔をおいて同
位置に配置され、隣接する2列の各列端の誘電体ブロッ
クの近傍に列からずれた位置に前記ケースに電気的に接
続した誘電体ブロックが配置され、前記誘電体ブロック
が前記ケースの内部で互いに導電性の仕切部材で仕切ら
れ、該仕切部材に列の端部の誘電体ブロックと列からず
れた位置の誘電体ブロックを電磁気的に結合させて主結
合路を生成させる主結合手段が付設され、更に前記仕切
部材には前記主結合路より生じる磁界を打消すトラップ
結合を生じさせる副次結合手段が設けられてなることを
特徴とする誘電体フィルタ。 - 【請求項5】 前記主結合手段及び前記副次結合手段が
前記仕切部材に設けられた結合窓から構成された構成さ
れたことを特徴とする請求項4記載の誘電体フィルタ。 - 【請求項6】 前記副次結合手段が副次結合させる前記
誘電体ブロック同士を電気的に接続する導体から構成さ
れたことを特徴とする請求項4記載の誘電体フィルタ。 - 【請求項7】 請求項2又は請求項5記載の誘電体フィ
ルタが低周波側フィルタ素子とされ、請求項3又は請求
項6記載の誘電体フィルタが高周波側のフィルタ素子と
されて両フィルタ素子が並設されてなることを特徴とす
るアンテナ共用器。
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