JP2007274514A - 低損失フィルタおよび低損失誘電体フィルタ - Google Patents

低損失フィルタおよび低損失誘電体フィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】体積および重量を増加させることなく挿入損失を低減し、フィルタ特性を高めることができる誘電体フィルタを提供する。
【解決手段】入力端子と、出力端子と、前記入力端子および前記出力端子の間に配置される複数の誘電体共振器と、を備え、少なくとも1つの誘電体共振器が、第1の無負荷Qを有し、残りの誘電体共振器が、前記第1の無負荷Qよりも大きい第2の無負荷Qを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、誘電体フィルタに関するものであり、特に挿入損失が改善された低損失誘電体フィルタに関するものである。
従来、この種の誘電体フィルタとして、コイルによる誘導結合を利用して隣り合う誘電体共振器を結合させたり、それぞれの共振器から漏れる電磁波を利用して隣り合う誘電体共振器を結合させる多段の誘電体フィルタが知られている。誘電体共振器を互いにコイルで結合させる場合には、コイルのQ値が他の電気素子のQ値よりも小さくなり、誘電体フィルタの通過帯域における挿入損失を増加させる原因となる。コイルに起因する挿入損失を低減させるために、コイルを、コイルと等しいインピーダンスを有する誘電体共振器に置き換えた多段の誘電体フィルタ(例えば、特許文献1参照)が知られている。
特許文献1に示す誘電体フィルタ300は、図13に示すように、第1の誘電体共振器301、302と、第2の誘電体共振器303、304と、入出力端子305、306と、を備えており、第2の誘電体共振器303、304は、第1の誘電体共振器301、302が電磁気的に互いに結合するよう構成されている。また、入出力端子305、306と、第1の誘電体共振器301、302と、第2の誘電体共振器303、304は、いずれも基板に設置されており、基板上のプリント配線によって互いに接続されている。
特開平9−232812号公報
しかしながら、特許文献1に示す誘電体フィルタ300は、誘電体フィルタの段数を増加させるために、増加した段数と等しい数の第2の誘電体共振器を基板に追加しなければならなかった。また、誘電体フィルタの挿入損失を低減するために、誘電体の体積および重量を一律に増加させ、各誘電体共振器の無負荷Qを一律に上げていた。しかしながら、誘電体フィルタの体積や重量に制限がある場合には、各誘電体共振器の無負荷Qを十分に増加できず、挿入損失の改善ができないという問題があった。
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、体積および重量を大幅に増加させることなく通過帯域における挿入損失の低減化と伝送特性の平坦化を実現することができる誘電体フィルタを提供することを目的とする。
本発明のフィルタは、入力端子と、出力端子と、前記入力端子および前記出力端子の間に配置される複数の共振器と、を備え、少なくとも1つの共振器が、第1の無負荷Qを有し、残りの共振器が、前記第1の無負荷Qよりも大きい第2の無負荷Qを有することを特徴とする。
この構成により、本発明のフィルタは、少なくとも1つの共振器の無負荷Qを残りの共振器よりも小さくできるので、すべての共振器に高い無負荷Qを用いる従来の多段フィルタに比べて重量を低減することができる。
本発明の誘電体フィルタは、入力端子と、出力端子と、前記入力端子および前記出力端子の間に配置される複数の誘電体共振器と、を備え、少なくとも1つの誘電体共振器が、第1の無負荷Qを有し、残りの誘電体共振器が、前記第1の無負荷Qよりも大きい第2の無負荷Qを有することを特徴とする。
この構成により、本発明の誘電体フィルタは、少なくとも1つの誘電体共振器の無負荷Qを残りの誘電体共振器よりも小さくできるので、すべての誘電体共振器に高い無負荷Qを用いる従来の多段誘電体フィルタに比べて重量を低減することができる。
さらに、本発明の誘電体フィルタは、前記第2の無負荷Qは、前記第1の無負荷Qのほぼ3倍である構成を有している。
この構成により、本発明の誘電体フィルタは、通過帯域に対する挿入損失を低減できるとともに、通過帯域内における伝送特性を平坦化することができる。
さらに、本発明の誘電体フィルタは、複数の空洞をそれぞれ形成する複数の空洞内壁を有する金属性の筐体と、前記空洞内にその空洞内壁からそれぞれ離隔して設置される円筒状の複数の誘電体と、を備え、前記複数の誘電体共振器が、前記誘電体によってそれぞれ構成されている。
この構成により、本発明の誘電体フィルタは、複数の誘電体共振器を一つの筐体内に形成できるので、誘電体フィルタを小型で軽量にすることができる。
さらに、本発明の誘電体フィルタは、隣り合う前記誘電体共振器が互いに電磁気的に結合するよう、前記空洞内壁に結合窓が形成されている構成を有している。
この構成により、本発明の誘電体フィルタは、結合素子を用いずに隣り合う誘電体共振器を結合させることができるので、誘電体フィルタを小型で軽量にすることができる。
さらに、本発明の誘電体フィルタは、前記複数の誘電体共振器のうち少なくとも2つの誘電体共振器が、隣接する3つの誘電体共振器と互いに電磁気的にそれぞれ結合するよう、前記内壁に結合窓が形成されている構成を有している。
この構成により、本発明の誘電体フィルタの伝送特性が、通過帯域の前後に伝送零点となる周波数を有するので、通過帯域の前後における挿入損失を急激に高めることができ、所望の周波数帯域外の電磁波を確実に減衰させることができる。
本発明は、筐体の質量および体積を大幅に増加させずに通過帯域における伝送損失の低減化および平坦化を実現でき、しかも小型かつ軽量でありながら高いフィルタ性能を有する誘電体フィルタを提供することができるものである。
以下、本発明の実施の形態の誘電体フィルタについて、図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る誘電体フィルタについて、図1乃至図6を参照して説明する。
本実施の形態に係る誘電体フィルタ10は、図1に示すように、8段フィルタとして機能するものであり、誘電体によって形成される第1乃至第8の誘電体共振器21乃至28と、第1の誘電体共振器21に電磁波を入力するための入力側トランス31と、第8の誘電体共振器28から電磁波を出力するための出力側トランス32とを備えている。なお、図1に示す誘電体共振器21乃至28間の矢印Aは、誘電体共振器21乃至28が互いに電磁気的に結合していることを表わしている。入力側トランス31は、入力端子31aを有し、出力側トランス32は、出力端子32aを有している。
誘電体フィルタ10は、図2に示すように、金属性の筐体11を備え、この筐体11は複数の円筒形の空洞をそれぞれ形成する複数の空洞内壁41乃至48を有している。第1乃至第8の誘電体共振器21乃至28は、筒状に形成されており、複数の空洞内にその空洞内壁41乃至48から空間Sをもってそれぞれ離隔して設置される。空洞内壁41乃至48の空洞は、第1乃至第8の誘電体共振器21乃至28をそれぞれ構成する誘電体のQ値に応じた半径および深さを有するよう形成されている。誘電体フィルタの挿入損失が所定の基準値よりも劣化することがない範囲において、第2の無負荷Qを有する誘電体共振器の空洞の半径を最小にする場合には、筐体11の体積および重量をより一層低減できるので好ましい。
ここで、図2に示す第1乃至第8の誘電体共振器21乃至28および空洞内壁41乃至48は、筐体11内に4個づつ2列に並ぶよう配置される。この配置の場合には、筐体11の体積がコンパクトになるとともに、入力端子31aおよび出力端子32aを筐体11の同一の側面に設置できるので好ましい。
第1乃至第8の誘電体共振器21乃至28は、図3に示すように、低誘電率の支持体71乃至78によってそれぞれ支持されており、誘電体共振器21乃至28に励振された電磁波が、空洞内壁41乃至48を構成する金属壁によって減衰されないようになっている。入力側トランス31の入力端子31aおよび出力側トランス32の出力端子32aは、ループ状の内部導体31bおよび32bをそれぞれ有し、この内部導体31b、32bは空洞内壁41および48により形成される空洞内に設けられ、例えば、外部の回路に接続されて回路からの電磁波を第1の誘電体共振器21に入力し、第8の誘電体共振器28から出力するようになっている。第1および第8の誘電体共振器21、28は、内部導体31b、32bから所定の間隔をもって離隔して設置される。ここで、入力端子31aおよび出力端子32aの内部導体31b、32bが第1および第8の誘電体共振器21、28に近すぎる場合には、第1および第8の誘電体共振器21、28に励振された電磁波の分布が内部導体31b、32bによって影響を受けるため、第1および第8の誘電体共振器21、28の無負荷Qが低下し、その結果誘電体フィルタの伝送損失が増大する。一方、入力端子31aおよび出力端子32aの内部導体31b、32bが、第1および第8の誘電体共振器21、28から離れすぎる場合には、誘電体フィルタ10に入出力する電磁波が不十分となる。したがって、第1および第8の誘電体共振器21、28と内部導体31b、32bとの間隔は、上述のことを考慮して決定される。
筐体11には、第1の誘電体共振器21と第2の誘電体共振器22が互いに電磁気的に結合されるよう、結合窓61が形成されている。同様に、第2および第3の誘電体共振器22、23の間、第3および第4の誘電体共振器23、24の間、第4および第5の誘電体共振器24、25の間、第5および第6の誘電体共振器25、26の間、第6および第7の誘電体共振器26、27の間、第7および第8の誘電体共振器27、28の間の筐体11にも、結合窓62乃至67がそれぞれ形成されている。隣り合う誘電体共振器間の結合度は、結合窓61乃至67の大きさによって調節されるようになっている。ここで、隣り合う誘電体共振器とは、互いに前後の段を構成する一組の誘電体共振器をいう。
誘電体フィルタ10は、隣り合う共振器間の結合窓のほかに、第3の誘電体共振器23と第6の誘電体共振器26とを電磁気的に結合するための結合窓など、隣り合わない誘電体共振器間の結合窓を有し、図1に示す結合Bが生じるようにしてもよい。すなわち、第3の誘電体共振器23および第6の誘電体共振器26は、隣接する3つの誘電体共振器と電磁気的に結合するようになっている。ここで、隣接する3つの誘電体共振器とは、その誘電体共振器に対して前後の段を構成する2つの誘電体共振器と、隣の列に形成された4つの誘電体共振器のうち最も近接した位置にある1つの誘電体共振器をいう。
隣り合わない共振器間の結合窓を有するフィルタは、例えば、
R. J. Cameron, General coupling matrix synthesis methods for Chebyshev filtering functions, IEEE Trans on MTT, vol. 47, No. 4, pp. 433-443, Apr. 1999
に記載されているように、通過帯域と遮断帯域との間の遷移領域において、伝送零点を含む伝送特性を有するので、急峻なカット特性を有する誘電体フィルタとして機能する。また、隣り合わない誘電体共振器間の結合窓の位置を、第3の誘電体共振器23と第6の誘電体共振器26以外の誘電体共振器間の空洞内壁に形成することにより、伝送特性が、通過周波数帯に対して高周波数側あるいは低周波数側のみに伝送零点を有することもできる。また、伝送零点を形成する必要がない場合には、隣り合う誘電体共振器間のみに結合窓を形成すればよい。
ここで、本発明の第1の実施の形態に係る誘電体フィルタにおいては、8つの誘電体共振器のうち、少なくとも1つ以上の誘電体共振器の無負荷Qの値を、残りの誘電体共振器の無負荷Qの値に比べて大きくなるようにしている。例えば、第1、第2、第7および第8の誘電体共振器の無負荷Qを、第1の無負荷QであるQとし、第3乃至第6の誘電体共振器の無負荷Qを、第2の無負荷Qとし、第1の無負荷Qの3倍となるようにしている。第1の無負荷Qを有する誘電体共振器の数と、第2の無負荷Qを有する誘電体共振器の数との比を適切に選ぶことによって、従来の誘電体フィルタより軽量で、かつ、通過帯域における挿入損失が低減化および平坦化された伝送特性を有することができる。
誘電体共振器の無負荷Qの値は、それぞれの誘電体共振器を構成する誘電体のQ値により調節するようになっている。本実施の形態においては、無負荷QがQとなる誘電体共振器を構成する誘電体のQ値は8000であり、無負荷Qが3Qとなる誘電体共振器を構成する誘電体のQ値は22000である。
筐体11は、さらに蓋部12を有しており、複数の空洞が蓋部12によって遮蔽されるようになっている。
このとき、蓋部12が、誘電体共振器21乃至28の共振周波数を調整するための複数の共振周波数調整ねじを有していてもよい。この場合、複数の共振周波数調整ねじの中心軸が、誘電体共振器21乃至28の中心軸の延長線とそれぞれ重なるように設置する。共振周波数調整ねじと誘電体共振器21乃至28との間隔を調節することによって、誘電体共振器21乃至28の共振周波数をそれぞれ変化させる。
また、筐体11が、結合窓61乃至67の大きさを調節するための複数の結合度調整棒を有していてもよい。この場合、結合度調整棒が、結合窓近傍における電界の向きと平行になるよう、結合窓の断面上において、筐体11の底面と平行な方向に摺動するように設置する。また、結合度調整棒の代わりに雄ねじを用い、筐体11に雌ねじを形成することにより、各誘電体共振器間の結合度がねじ送り機構により調節されるようにしてもよい。
以上のように構成された本実施の形態に係る誘電体フィルタ10の伝送特性を図4に示す。図4(a)は、各々の誘電体共振器の無負荷QがQの場合における従来の8段誘電体共振器の伝送特性を示すグラフであり、図4(b)は、第1の無負荷Qを有する誘電体共振器の数と、第2の無負荷Qを有する誘電体共振器の数との比を1:1とした場合における誘電体フィルタ10の伝送特性を示すグラフである。本実施の形態においては、筐体11は、加工の容易性や質量などの観点から、アルミニウムにより形成した。また、結合窓61乃至67に加え、第3および第6の誘電体共振器23、26の間で電磁気的な結合が起こるよう、筐体11に結合窓を形成した。また、第1、第2、第7および第8の誘電体共振器の無負荷QがQとなるよう構成した。一方、第3乃至第6の誘電体共振器の無負荷Qが3Qとなるよう構成した。
図4(b)のグラフが示すように、本実施の形態に係る誘電体フィルタ10の通過帯域における挿入損失は、図4(a)に示す従来の8段誘電体共振器の通過帯域における挿入損失よりも低減され、伝送特性が平坦化されている。
図5は、無負荷Qが3Qとなる誘電体共振器の組み合わせを、第3乃至第6の誘電体共振器、第2、第3、第6および第7の誘電体共振器、第1、第2、第7および第8の誘電体共振器、第1、第4、第5および第8の誘電体共振器の4通りにした場合における誘電体フィルタ10の通過帯域近傍における伝送特性をそれぞれ示したものである。
図5のグラフが示すように、第3乃至第6の誘電体共振器の無負荷Qを3Qにした場合において、挿入損失が最も低下した。
図6は、図5に示す伝送特性のグラフにおいて、通過帯域内における挿入損失の最大値と最小値との差を表わす損失偏差を示すグラフである。この図から明らかなように、第3乃至第6の誘電体共振器の無負荷Qが3Qである場合において、損失偏差が最も小さくなった。このグラフによると、本実施の形態に係る誘電体フィルタは、挿入損失の低減化とともに、通過帯域における伝送特性の平坦化も可能であることが確認された。
以上説明したように、本実施の形態に係る誘電体フィルタ10が、第1の無負荷Qを有する誘電体共振器と、第2の無負荷Qを有する誘電体共振器とを1つの筐体11内に形成する構成を有しているので、従来の誘電体フィルタよりも小型で、かつ、通過帯域における挿入損失が低減され、かつ平坦化された伝送特性を有することができる。さらに、本実施の形態に係る誘電体フィルタ10が、第1の無負荷Qを有する誘電体共振器と、第2の無負荷Qを有する誘電体共振器とを組み合わせる構成を有しているので、第2の無負荷Qを有する誘電体共振器のみで構成された従来の多段の誘電体フィルタよりも軽量である誘電体フィルタを実現できる。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る誘電体フィルタ100について、図7乃至図9を参照して説明する。
なお、本発明の第2の実施の形態に係る誘電体フィルタ100を構成する入力側トランス131、出力側トランス132は、本発明の第1の実施の形態に係る誘電体フィルタ10を構成する入力側トランス31、出力側トランス32とそれぞれ同一の構成であり、その説明を省略する。
図7は、第1乃至第7の誘電体共振器121乃至127によって構成される7段の誘電体フィルタ100を示す回路図である。
無負荷Qが3Qである誘電体共振器の個数は、所望の伝送特性に応じて決めればよい。本実施の形態においては、4つの誘電体共振器が無負荷Qの値として3Qを有する場合について説明する。
図8は、無負荷Qの値として3Qを有する4つの誘電体共振器の位置を入れ替えた場合におけるそれぞれの通過帯域近傍の伝送特性を表わすグラフである。第3乃至第6の誘電体共振器の無負荷Qが3Qである場合において、挿入損失が最も小さくなった。
図9は、図8に示す伝送特性のグラフにおいて、通過帯域内における挿入損失の最大値と最小値との差を表わす損失偏差を示すグラフである。この図からも明らかなように、第3乃至第6の誘電体共振器の無負荷Qが3Qである場合において、損失偏差が最も小さくなった。
本実施の形態によると、本発明に係る誘電体フィルタは、7段フィルタとして機能する場合においても、通過帯域における挿入損失の低減化および伝送特性の平坦化が可能であることが確認された。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態に係る誘電体フィルタ200について、図10乃至図12を参照して説明する。
なお、本発明の第3の実施の形態に係る誘電体フィルタ200を構成する入力側トランス231、出力側トランス232は、本発明の第1の実施の形態に係る誘電体フィルタ10を構成する入力側トランス31、出力側トランス32とそれぞれ同一の構成であり、その説明を省略する。
図10は、第1乃至第5の誘電体共振器221乃至225によって構成される5段の誘電体フィルタを示す回路図である。
この場合、無負荷Qが3Qである誘電体共振器の個数は、所望の伝送特性に応じて決めればよい。本実施の形態においては、4つの誘電体共振器が無負荷Qの値として3Qを有する場合について説明する。
図11は、無負荷Qの値として3Qを有する4つの誘電体共振器の位置を入れ替えた場合におけるそれぞれの通過帯域近傍の伝送特性を表わすグラフである。第2乃至第5の誘電体共振器の無負荷Qが3Qである場合において、挿入損失が最も小さくなった。
図12は、図11に示す伝送特性のグラフにおいて、通過帯域内における挿入損失の最大値と最小値との差を表わす損失偏差を示すグラフである。この図からも明らかなように、第2乃至第5の誘電体共振器の無負荷Qが3Qである場合において、損失偏差が最も小さくなった。
本実施の形態によると、本発明に係る誘電体フィルタは、5段フィルタとして機能する場合においても、通過帯域における挿入損失の低減化および伝送特性の平坦化が可能であることが確認された。
以上の説明では、第2の無負荷Qが、第1の無負荷Qのほぼ3倍である場合について説明したが、第2の無負荷Qの値は、誘電体共振器における実現可能な無負荷Qの値に基づいて定められる。したがって、技術の発展に伴い誘電体共振器の実現可能な無負荷Qが高くなった場合においては、第2の無負荷Qが第1の無負荷Qの3倍以上になってもよい。
また、以上の説明では、誘電体共振器により構成された誘電体フィルタについて説明した。しかしながら、誘電体フィルタを、LCR共振器により構成されたフィルタや、導波管共振器により構成された導波管フィルタ、あるいは半同軸型フィルタなどに置き換えてもよい。特に、誘電体フィルタを導波管フィルタに置き換えた場合には、導波管フィルタを構成する各導波管共振器の無負荷Qを上記のように組み合わせることにより、導波管フィルタの体積および重量を大幅に増大させることなく、挿入損失の低減化および伝送特性の平坦化を実現することができるので好ましい。また、誘電体フィルタを半同軸型フィルタに置き換えた場合においても、同様の効果が得られるので好ましい。
以上説明したように、本発明に係る誘電体フィルタは、筐体の体積および重量を大幅に増大させることなく挿入損失の低減化および伝送特性の平坦化を実現することができるという効果を有し、通信分野などに適用することができる誘電体フィルタとして有用である。
本発明の第1の実施の形態に係る誘電体フィルタの構成を示す回路図である。 本発明の第1の実施の形態に係る誘電体フィルタの構成を示す模式図である。 (a)入力端子および第1の誘電体共振器の近傍を模式的に示す部分段面図である。(b)出力端子および第8の誘電体共振器の近傍を模式的に示す部分段面図である。 (a)従来の誘電体フィルタの伝送特性を示すグラフである。(b)本発明の第1の実施の形態に係る誘電体フィルタの伝送特性を示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態に係る誘電体フィルタの伝送特性を示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態に係る誘電体フィルタの通過帯域における損失偏差を示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態に係る誘電体フィルタの構成を示す回路図である。 本発明の第2の実施の形態に係る誘電体フィルタの伝送特性を示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態に係る誘電体フィルタの損失偏差を示すグラフである。 本発明の第3の実施の形態に係る誘電体フィルタの構成を示す回路図である。 本発明の第3の実施の形態に係る誘電体フィルタの伝送特性を示すグラフである。 本発明の第3の実施の形態に係る誘電体フィルタの損失偏差を示すグラフである。 従来の誘電体フィルタの構成を示す模式図である。
符号の説明
10 誘電体フィルタ
11 筐体
12 蓋部
21乃至28 第1乃至第8の誘電体共振器
31 入力側トランス
32 出力側トランス
41乃至48 空洞内壁
61乃至67 結合窓
71乃至78 支持体
100 誘電体フィルタ
121乃至127 第1乃至第7の誘電体共振器
131 入力側トランス
132 出力側トランス
200 誘電体フィルタ
221乃至225 第1乃至第5の誘電体共振器
231 入力側トランス
232 出力側トランス
300 誘電体フィルタ
301、302 第1の誘電体共振器
303、304 第2の誘電体共振器
305、306 入出力端子
A 隣り合う誘電体共振器間の結合
B 隣り合わない誘電体共振器間の結合
S 空間

Claims (6)

  1. 入力端子と、出力端子と、前記入力端子および前記出力端子の間に配置される複数の共振器と、を備え、少なくとも1つの共振器が、第1の無負荷Qを有し、残りの共振器が、前記第1の無負荷Qよりも大きい第2の無負荷Qを有することを特徴とするフィルタ。
  2. 入力端子と、出力端子と、前記入力端子および前記出力端子の間に配置される複数の誘電体共振器と、を備え、少なくとも1つの誘電体共振器が、第1の無負荷Qを有し、残りの誘電体共振器が、前記第1の無負荷Qよりも大きい第2の無負荷Qを有することを特徴とする誘電体フィルタ。
  3. 前記第2の無負荷Qは、前記第1の無負荷Qのほぼ3倍であることを特徴とする請求項2に記載の誘電体フィルタ。
  4. 複数の空洞をそれぞれ形成する複数の空洞内壁を有する金属性の筐体と、前記空洞内にその空洞内壁からそれぞれ離隔して設置される円筒状の複数の誘電体と、を備え、前記複数の誘電体共振器が、前記誘電体によってそれぞれ構成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の誘電体フィルタ。
  5. 隣り合う前記誘電体共振器が互いに電磁気的に結合するよう、前記空洞内壁に結合窓が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の誘電体フィルタ。
  6. 前記複数の誘電体共振器のうち少なくとも2つの誘電体共振器が、隣接する3つの誘電体共振器と互いに電磁気的にそれぞれ結合するよう、前記内壁に結合窓が形成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の誘電体フィルタ。
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