JP2000012920A - 磁気抵抗トンネル接合素子 - Google Patents

磁気抵抗トンネル接合素子

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JP2000012920A JP10177526A JP17752698A JP2000012920A JP 2000012920 A JP2000012920 A JP 2000012920A JP 10177526 A JP10177526 A JP 10177526A JP 17752698 A JP17752698 A JP 17752698A JP 2000012920 A JP2000012920 A JP 2000012920A
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layer
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electrode
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Akihiro Odakawa
明弘 小田川
Hideaki Adachi
秀明 足立
Kentaro Setsune
謙太郎 瀬恒
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    • B82Y25/00Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F10/00Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
    • H01F10/32Spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices
    • H01F10/324Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer
    • H01F10/3268Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer the exchange coupling being asymmetric, e.g. by use of additional pinning, by using antiferromagnetic or ferromagnetic coupling interface, i.e. so-called spin-valve [SV] structure, e.g. NiFe/Cu/NiFe/FeMn

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 層状ペロブスカイト型マンガン酸化物を用い
た高感度の磁気抵抗トンネル接合素子の提供する。 【解決手段】 化学式L2(A1-ww)2n-1Mnn
2n+4+xにより表され、結晶構造内に(L−O)2層を有す
る層状ペロブスカイト型マンガン酸化物14を含む磁気
抵抗トンネル接合素子を形成した。この酸化物は、結晶
構造内の(L−O)2層を介して磁気抵抗トンネル効果が
得られる磁気抵抗トンネル接合素子となる。ここで、A
はCa、SrおよびBaから選ばれる少なくとも一種の
元素であり、LはBi、TlおよびPbから選ばれる少
なくとも一種の元素であり、Rは希土類元素であり、n
は1以上の整数であり、wは0≦w<1の数値であり、
xは0≦x≦1の数値である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低磁場でも高磁場
感度を有する磁気デバイスの要素部品となる磁気抵抗ト
ンネル接合素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年発見されたペロブスカイト型Mn
(マンガン)酸化物には巨大な磁気抵抗効果が観測され
ており、抵抗率が10桁以上も変化する大きな磁気抵抗
効果も測定されている。一方、磁気ディスクヘッドや磁
気センサーに用いるためには、低磁場で大きな磁気抵抗
効果を発現させる磁気抵抗素子が求められている。しか
し、ペロブスカイト型Mn酸化物を用いた磁気抵抗素子
から大きな磁気抵抗効果を得るためには、大きな印加磁
場を必要とし、これが応用に向けての素子開発を妨げる
要因となっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】低磁場で大きな磁気抵
抗効果を発現させるためには、磁気抵抗効果を示す磁性
材料を、バルク単体として使用するよりも、2つの磁性
材料により薄い絶縁体バリアを挟み込んだ磁気トンネル
構造を構成して使用するほうが有利であることが報告さ
れている(Y. Lu et al., Phys. Rev. B54, (1996) R83
57)。このような磁気トンネル接合は、磁気抵抗効果材
料とバリア材料という異種の材料により構成されるた
め、磁性抵抗効果層とバリア層との界面の状態がその磁
気特性を大きく左右する。界面における急峻な構造変化
があると良好なトンネル接合を得られないため、従来
は、ペロブスカイト型Mn酸化物のような複合酸化物を
用いて、低磁場でも大きな磁気抵抗効果を得られる磁気
抵抗トンネル接合素子を作製することは、技術的に困難
であった。
【0004】本発明は、このような事情に鑑み、ペロブ
スカイト型Mn酸化物を利用した良好なトンネル接合を
実現し、低磁場でも大きな磁気抵抗効果を発現しうる磁
気抵抗トンネル接合素子を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するべ
く、本発明の磁気抵抗トンネル接合素子は、化学式L
2(A1-ww)2n-1Mnn2n+4+xにより表示され、結晶
構造内に(L−O)2層を有する層状ペロブスカイト型マ
ンガン酸化物を含み、前記(L−O)2層を介して磁気抵
抗トンネル効果が得られることを特徴とする。
【0006】ここで、AはCa(カルシウム)、Sr
(ストロンチウム)およびBa(バリウム)から選ばれ
る少なくとも一種の元素であり、LはBi(ビスマ
ス)、Tl(タリウム)およびPb(鉛)から選ばれる
少なくとも一種の元素であり、Rは希土類元素、好まし
くはLa、Pr、NdおよびSmから選ばれる少なくと
も一種の元素であり、nは1以上の整数であり、wは0
≦w<1の数値であり、xは0≦x≦1の数値である。
【0007】上記化学式により表示される酸化物は、磁
気抵抗効果を有する複合マンガン酸化物層とバリア層と
なる(L−O)2層との周期的積層構造を有し、それ自身
が磁気抵抗トンネル接合アレイを内包する構造を有す
る。このように結晶自体にバリア層が内在するため、複
合マンガン酸化物層とバリア層との良好な接合が実現さ
れる。従って、本発明の磁気抵抗トンネル接合素子によ
れば、高感度の磁気抵抗トンネル接合特性を得ることが
できる。
【0008】上記磁気トンネル接合素子においては、上
記層状ペロブスカイト型マンガン酸化物に接合する電極
として、化学式(R1-yy)mMOm+2により表されるペロ
ブスカイト型複合酸化物を含むことが好ましい。ここ
で、MはTi(チタン)、V(バナジウム)、Cu
(銅)、Ru(ルテニウム)、Ni(ニッケル)および
Mnから選ばれる少なくとも一種の元素であり、Rは上
記と同様の希土類元素、好ましくはLa、Pr、Ndお
よびSmから選ばれる少なくとも一種の元素であり、m
は1または2であり、yは0≦y≦1の数値である。
【0009】このような電極を、複合マンガン酸化物層
に接合する、上部電極および下部電極から選ばれる少な
くとも一方の電極として使用することにより、良質の接
触を達成し、実用的に優れた特性を有する素子を得るこ
とができる。特に複合酸化物電極の希土類元素の一部が
アルカリ土類元素により置換されていると(0<y<
1)、素子特性が向上するのに加えて相性も良くなって
作製しやすくなる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0011】(実施の形態1)磁気抵抗効果を有する層
状ペロブスカイト型酸化物として、Bi2(La0.65Sr
0.35)2MnO6を用いて磁気抵抗トンネル接合素子を作
製した。薄膜の作製は、Bi2.4(La0.65Sr0.35)2
1.27のターゲットを用いたスパッタリング法により
行った。スパッタリングは酸素を20%混合した圧力
0.5Paのアルゴン雰囲気中で50Wの放電電力で行
い、約650℃に加熱した基板上に成膜を実施した。
【0012】まず、基板であるSrTiO3の(10
0)面上に、Bi2(La0.65Sr0.35) 2MnO6薄膜を
厚さが50nmとなるように堆積させた。また、堆積速
度換算により、0.4nm〜100nmの範囲で種々の
膜厚を有する上記薄膜を形成した。これらの薄膜は全て
c軸方位が基板面に垂直に配向して成長していることが
確認されている。
【0013】素子面積5μm×5μmに描画したフォト
レジストを形成した後、アルゴンイオンでエッチングを
行い、接合部の切り出しを行った。その後CaF2薄膜
の絶縁分離層を形成し、引き出し電極を配線して素子を
完成させた。この素子の4.2Kにおける磁気抵抗(M
R)特性を測定し、薄膜の厚みとの関係を調べた。
【0014】作製した素子のいずれにも明確なMR効果
が認められた。MR特性は、特に膜厚が1〜10nmの
範囲で再現性良く得ることができた。また、MR材料で
あるLa0.65Sr0.35MnO3のMR効果が数kG程度
で得られるのに対し、作製した素子のMR効果は約10
0Gの低磁場で得られることが確認された。
【0015】上記素子においてMR特性が得られるの
は、作製したBi2(La0.65Sr0.35)2MnO6が磁気
抵抗効果層とバリア層とのいわゆる磁気抵抗トンネル接
合が周期的に積層された結晶構造を有することに起因し
ている。磁気抵抗効果層の磁化は、バリア層を挟む上下
層において反平行状態となっていると考えられる。ま
た、結晶自体にバリア層が内在するため、複合マンガン
酸化物層とバリア層との相性が非常に良く、高感度の磁
気抵抗トンネル接合素子を得ることができた。なお、上
記特性は再現性良く実現できた。
【0016】同様のMR効果は、ほぼ0.3≦w(希土
類元素置換量;ここではLa)≦0.8の範囲で、特に
再現性の良い特性が得られた。
【0017】(実施の形態2)実施の形態1と同様、磁
気抵抗効果を有する層状ペロブスカイト型酸化物とし
て、Bi2(La0.65Sr0.35)2MnO6を用いて磁気抵
抗トンネル接合素子の作製を行った。薄膜の作製はBi
2.4(La0.65Sr0.35)2Mn1.27ターゲットを用いた
スパッタリング法により行った。スパッタリングは酸素
20%混合した圧力0.5Paのアルゴン雰囲気中で5
0Wの放電電力で行い、約200℃に加熱した基板上に
成膜を実施した。
【0018】まず、基板であるMgOの(100)面上
にビスマス層状物質Bi2(La0.65Sr0.35)2MnO6
薄膜を厚さ50nmとなるように堆積させた。また、堆
積速度換算により、0.4nm〜100nmの範囲で種
々の膜厚を有する薄膜を形成した。これらの薄膜は、形
成した時点ではいずれもアモルファスであったが、その
後、酸素流中約850℃の高温アニール処理により結晶
化させた。結晶化した薄膜は、基板面に対してc軸が垂
直に配向したものであることがX線回折および断面構造
解析により確認された。作製した薄膜上に素子面積20
μm×20μmに描画したフォトレジストを形成した
後、アルゴンイオンでエッチングを行い、接合部の切り
出しを行った。その後CaF2薄膜の絶縁分離層を形成
し、引き出し電極を配線して素子を完成させた。
【0019】この素子の4.2KにおけるMR特性を測
定した。実施の形態1と同様、作製した素子のいずれに
も明確なMR効果が認められ、特に膜厚が1〜10nm
の範囲で再現性の良いMR特性を得ることができた。ま
た、MR材料であるLa0.65Sr0.35MnO3のMR効
果が数kG程度で得られるのに対し、作製した素子のM
R効果は約100Gの低磁場で得られることが確認され
た。
【0020】(実施の形態3)磁気抵抗効果を有する層
状ペロブスカイト型酸化物として、Bi2(La0.65Sr
0.35)2MnO6を、電極用酸化物として(La0.65Sr
0.35)2RuO4を用いて磁気抵抗トンネル接合素子の作
製を行った。薄膜の作製は、それぞれBi2.4(La0.65
Sr0.35)2Mn1.27および(La0.65Sr0.35)2Ru
1.24.2のターゲットを用いたスパッタリング法により
行い、同一真空槽内で積層を実施した。スパッタリング
は酸素を20%混合した圧力0.5Paのアルゴン雰囲
気中において50Wの放電電力で行い、約600℃に加
熱した基板上に成膜を実施した。
【0021】図1により素子形成の工程を説明する。基
板11であるSrTiO3の(100)面上に、バッフ
ァ層12としてLa0.65Sr0.35MnO3薄膜を厚さが
20nmとなるように堆積させ、その上に下部電極13
として(La0.65Sr0.35)2RuO4薄膜を厚さが50n
mとなるように堆積させ、その上に磁気抵抗トンネル接
合素子となる層状ペロブスカイト型酸化物層14とし
て、Bi2(La0.65Sr0.35)2MnO6薄膜を堆積さ
せ、再び(La0.65Sr0.35)2RuO4を厚さが20nm
となるように堆積させて上部電極15とした(図1
(a))。層状ペロブスカイト型酸化物層の厚さは、堆
積速度換算で0.4nm〜100nmまで変化させた。
これらの薄膜は全てc軸方位が基板面に垂直に配向して
成長していることが確認されている。
【0022】さらに素子面積5μm×5μmに描画した
フォトレジスト16を形成した後、アルゴンイオンでエ
ッチングを行い、接合部17の切り出しを行った(図1
(b))。その後CaF2薄膜の絶縁分離層18を形成
し、上部引き出し金電極19および下部引き出し電極2
0を配線して素子を完成させた(図1(c))。図2に
作製した接合部17の断面を示す斜視図を示す。
【0023】この素子の4.2Kにおける磁気抵抗(M
R)特性を測定した。図3は、接合層の厚みが1.5n
mの場合のMR特性である。作製した素子のいずれにも
図示したような明確なMR効果が認められた。なお、図
3におけるMR比とは、高磁場下である程度一定値にな
った抵抗値R1に対して磁気抵抗効果によって得られる
抵抗の最大値をR2としたときに、(R2−R1)/R
1(×100[%])で定義される数値である。MR特
性は、特に接合層の厚みが1〜10nmの範囲で再現性
良く得ることができた。また、MR材料であるLa0.65
Sr0.35MnO3のMR効果が数kG程度で得られるの
に対し、作製した素子のMR効果は数10Gの低磁場で
得られた。また、このMR効果は室温でも確認された。
【0024】また、上記のような素子構成とすることに
より、バッファ層あるいは酸化物電極層を用いない場合
に比べて、より高感度のMR特性が得られた。層状ペロ
ブスカイト型酸化物からなる磁気抵抗トンネル接合層
と、上記の酸化物電極層やバッファ層との相性が良好で
あったためである。酸化物電極層は、磁気抵抗トンネル
接合層の保護膜としても作用したと考えられる。
【0025】図4に、厚さ1.5nmの磁気抵抗トンネ
ル接合層に対する酸化物電極層の接合界面付近の結晶構
造模式図を示す。図4に示したように、磁気抵抗トンネ
ル接合層14と酸化物電極層13、15との界面結晶構
造は良く適合している。このことが、良質で高感度の磁
気抵抗トンネル接合素子の実現を可能にしたと思われ
る。
【0026】なお、ここでは、酸化物電極として(La
0.65Sr0.35)2RuO4を用いたが、La0.65Sr0.35
RuO3、(La0.65Sr0.35)2CuO4、La0.65Sr
0.35VO3を用いた場合でも、上記特性と大差無い特性
が得られることも併せて確認した。さらに、酸化物電極
としてSr2RuO4を用いた場合にも素子動作が確認さ
れたが、本実施の形態のようにアルカリ土類元素の一部
を希土類元素により置換すると、素子構造の安定性が向
上した。
【0027】(実施の形態4)磁気抵抗トンネル接合層
として約2nmのBiPb(La0.55Sr0.45)2CaM
28を、酸化物電極として(La0.5Sr0.5)2NiO4
を用いた以外は、実施の形態3と同様にして素子作製を
行った。MR特性を測定した結果、約200K以下でM
R特性を観測できた。
【0028】本実施の形態では、酸化物電極に(La0.5
Sr0.5)2NiO4を用いたが、La 0.5Sr0.5TiO3
を用いた場合でも特性に大差無いことを確認した。さら
に、酸化物電極としてLaTiO3を用いた場合でも素
子動作が確認されたが、本実施の形態においても、希土
類元素の一部をアルカリ土類元素により置換すると、素
子構造の安定性から好ましい特性が得られた。
【0029】なお、希土類元素Laは他の希土類元素で
も同様に良質な特性を再現できたが、特にLa元素を使
用した場合に再現性よく素子を得ることができた。な
お、アルカリ土類元素として、本実施の形態以外の組み
合わせでも磁気抵抗トンネル接合素子が形成できる。
【0030】(実施の形態5)磁気抵抗トンネル接合層
として約2nmのTl2Ba2Ca2Mn310を、酸化物
電極として(La0.85Sr0.15)2CuO4を用いて素子作
製を行った。
【0031】薄膜の作製は、それぞれTl2Ba2Ca2
Mn310および(La0.85Sr0.15) 2Cu1.24.2のタ
ーゲットを用いたスパッタリング法により行い、同一真
空槽内で積層を実施した。スパッタリングは、酸素を2
0%混合した圧力0.5Paのアルゴン雰囲気中で50
Wの放電電力で行い、約600℃に加熱した基板上に成
膜を実施した。
【0032】基板であるSrTiO3の(100)面上
に、バッファ層としてLaCuO3薄膜を厚さが20n
mとなるように堆積させ、その上に下部電極として(L
0.85Sr0.15)2CuO4薄膜を厚さが50nmとなる
ように堆積させ、その上に磁気抵抗トンネル接合層とし
てTl2Ba2Ca2Mn310薄膜を堆積させ、さらにそ
の上に再び(La0.85Sr0.15)2CuO4薄膜を厚さが2
0nmとなるように堆積させ、上部電極とした。
【0033】これらの薄膜は全てc軸方位が基板面に垂
直に配向して成長していることが確認されている。素子
面積5μm×5μmに描画したフォトレジストを形成し
た後、アルゴンイオンでエッチングを行い、接合部の切
り出しを行った。その後CaF2薄膜の絶縁分離層を形
成し、引き出し金電極を配線して素子を完成させた。M
R特性を測定した結果、約200K以下でMR特性を観
測できた。なお、電極である(La0.85Sr0.15)2Cu
4は、約30K以下で超伝導転移を示した。またここ
では、磁気抵抗トンネル接合層としてTl2Ba2Ca2
Mn310を用いたが、Bi1.4Tl0.6Sr2Ca2Mn3
10を用いた場合でも特性に大差無いことも併せて確認
した。
【0034】また、希土類元素Laは他の希土類元素で
も同様に良質な特性を再現できたが、特にLa、Pr、
NdおよびSmの各元素を使用した場合に再現性よく素
子の実現できた。また、アルカリ土類元素は、上記以外
の組み合わせでも磁気抵抗トンネル接合素子が形成でき
る。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
低磁場で、かつ低温だけでなく室温で動作可能なマンガ
ン酸化物を用いた高感度の磁気抵抗トンネル接合特性を
有する素子を実現することができる。本発明は、磁気デ
バイスの基本要素部品を提供し、その発展を大いに促す
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の磁気抵抗トンネル接合素子の作製工
程の例を示す図である。
【図2】 本発明の磁気抵抗トンネル接合素子の接合部
の断面の例を切り出して示す斜視図である。
【図3】 本発明の磁気抵抗トンネル接合素子のMR特
性の例を示す図である。
【図4】 本発明の磁気抵抗トンネル接合素子の接合部
付近の結晶構造の例を示す図である。
【符号の説明】
11 基板 12 バッファ層 13 下部電極 14 磁気抵抗トンネル接合層 15 上部電極 16 フォトレジスト 17 接合部 18 絶縁分離層 19 引き出し電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬恒 謙太郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4M113 AA01 AA25 AC46 AD35 AD36 AD37 BA04 BA29 BC04 5E049 AB09 AB10 AC00 AC05 BA12 BA16 DB04 DB14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学式L2(A1-ww)2n-1Mnn
    2n+4+xにより表され、結晶構造内に(L−O)2層を有す
    る層状ペロブスカイト型マンガン酸化物を含み、前記
    (L−O)2層を介して磁気抵抗トンネル効果が得られる
    ことを特徴とする磁気抵抗トンネル接合素子。ここで、
    AはCa、SrおよびBaから選ばれる少なくとも一種
    の元素であり、LはBi、TlおよびPbから選ばれる
    少なくとも一種の元素であり、Rは希土類元素であり、
    nは1以上の整数であり、wは0≦w<1の数値であ
    り、xは0≦x≦1の数値である。
  2. 【請求項2】 層状ペロブスカイト型マンガン酸化物に
    接合する電極として、化学式(R1-yy)mMOm+2により
    表されるペロブスカイト型複合酸化物を含む請求項1に
    記載の磁気抵抗トンネル接合素子。ここで、MはTi、
    V、Cu、Ru、NiおよびMnから選ばれる少なくと
    も一種の元素であり、Rは上記と同様の元素であり、m
    は1または2であり、yは0≦y≦1の数値である。
  3. 【請求項3】 層状ペロブスカイト型マンガン酸化物の
    膜厚が0.4〜100nmである請求項1または2に記
    載の磁気抵抗トンネル接合素子。
  4. 【請求項4】 希土類元素Rが、La、Pr、Ndおよ
    びSmから選ばれる少なくとも一種の元素である請求項
    1〜3のいずれかに記載の磁気抵抗トンネル接合素子。
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