JP2000012454A - 電子線露光装置 - Google Patents

電子線露光装置

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JP2000012454A
JP2000012454A JP10193581A JP19358198A JP2000012454A JP 2000012454 A JP2000012454 A JP 2000012454A JP 10193581 A JP10193581 A JP 10193581A JP 19358198 A JP19358198 A JP 19358198A JP 2000012454 A JP2000012454 A JP 2000012454A
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electron beam
mask
max
angle
mrad
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Shinichi Kojima
真一 小島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大電流の電子線を用いて高スループット化を
実現しながら、さらに高解像度化を確実に実現できる電
子線露光装置を提供する 【解決手段】 電子線源30から放射された電子線は1
00は、レンズ10系を通過した後、輪帯照明用アパー
チャ11により、開き半角を一定以上、一定以下に制限
される。そして、マスク1を照明し、その像を感応基板
2上に結像する。途中、散乱線を除去するために散乱ア
パーチャ12が設けられている。マスク面に入射する電
子線のレンズ中心軸に対する角度(開き半角)分布の最
小角度αmask-min と最大角度αmask-max が1.5[mrad]
から3[mrad]の範囲内にあり、かつ、|αmask-max - α
mask-min| ≦ 0.75[mrad] の関係を満たすように制限す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子線を用いてマ
スク上のパターンを感応基板に転写する電子線露光装置
に関するものであり、さらに詳しくは、大電流の電子線
を用いた場合でも解像度が良好な電子線露光装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】半導体の高集積化が進むにつれ、集積回
路の微細化が要求され、これに伴い、露光装置には、よ
り細いパターンを描くために、より高い解像度で描画で
きることが要求されてきている。その中で、電子線に代
表される荷電粒子線による露光装置は、このような要求
に応えることができるものとして注目されている。
【0003】荷電粒子線露光では、予め集積回路の回路
パターンを描いてあるマスクを荷電粒子線で照射し、回
路パターンをウェハー基板上に転写する。荷電粒子線露
光で一度に露光される領域を小領域(サブフィールド)
と呼ぶが、一つの小領域には回路パターンの一部が描か
れている。マスク上の小領域を順次ウェハー基板上に連
結して転写することにより、一個の半導体チップの全回
路パターンがウェハー基板上に転写される(たとえば、
特開平8−64522号公報参照)。
【0004】従来の荷電粒子線露光においては、主とし
て集束用の磁気レンズまたは静電レンズから構成される
荷電粒子光学系により荷電粒子線を集束させる。従来の
荷電粒子線露光装置(電子線露光装置)の例を図5に示
す。図5において1はマスク、2は感応基板、10はレ
ンズ、11は円形の開口を有するアパーチャ、12は散
乱アパーチャ、30は電子線源、100は電子線であ
る。
【0005】電子線源30から放射された電子線は10
0は、レンズ10系を通過した後、円形の開口を有する
アパーチャ11により、開き半角を一定以下に制限され
る。そして、マスク1を照明し、その像を感応基板2上
に結像する。途中、散乱線を除去するために散乱アパー
チャ12が設けられている。
【0006】このような、マスク上に予め用意されたパ
ターンを感応基板上に転写する電子線を利用した露光装
置では、単位時間当たりの処理能力(スループット)を
向上させるためにできるだけ大きな電流の電子線を用い
るのが望ましい。しかし、電子線露光装置では、使用可
能な電流量には制限がある。すなわち、大電流の電子線
を用いた場合、隣接又は近傍の電子同士のクーロン反発
力による散乱がランダムに生じ、電子の飛行中にこの散
乱によって軌道がランダムに乱される結果、感応基板に
達するまでには電子線による小領域の像がぼけてしま
う。
【0007】上記クーロン反発力によるぼけ(クーロン
効果)を緩和する従来技術としては電子線の開き半角を
大きくする方法が知られている。開き半角を大きくとる
ことよって絞り位置での電子線の径が大きくなり、これ
により、電子間の距離が大きくなるため、電子間の距離
の2乗に反比例するクーロン反発力が弱まる。従って、
クーロン反発力によるぼけが小さくなる。この様子を図
6に示す。図6において横軸は開き半角、縦軸はぼけの
大きさを示す。
【0008】しかし、開き半角を大きくすると、電子線
を集束、偏向するためのレンズ、偏向器による幾何収差
が増大するため、図6に示すように幾何収差によるぼけ
が増大する。従って、開き半角は、図6において前記ク
ーロン反発力によるぼけと前記幾何収差によるぼけから
なる総合ぼけが最小になるように決定されるのが一般的
である。
【0009】さらに、上記には考慮されていない効果と
して、空間電荷効果がある。空間電荷効果とは、電子線
全体の作る電場が飛行している電子の各々に作用し、レ
ンズ効果を及ぼす効果のことをいう。この空間電荷効果
は、通常の静電場による静電レンズと同様に電子線の集
束を変化させる作用があり、また電子線像の像面湾曲、
歪み等のレンズ収差と同様の収差を引き起こし、前記ラ
ンダムな散乱によるぼけとは独立に、電子線像の解像度
の悪化を引き起こす。
【0010】また、マスクのパターン開口率の違いによ
って同じ照明電流量でもマスクを通過する電流量が異な
るため、電子線の集束を変化させるレンズ作用により、
大電流の電子線で転写される小領域と少電流の電子線で
転写される小領域とでは、焦点位置が異なってくる。
【0011】この様子を図7に示す。図7において、2
は感応基板、10はレンズである。小電流の場合は、
(a)に示すように、レンズ10により感応基板2上に焦
点が合っている場合でも、大電流の場合には、(b)に示
すように感応基板2上に焦点が合わず、従って何らかの
補正が必要となってくる。マスク基板上には様々なパタ
ーン開口率を持つ小領域が存在し、開口率ごとに電子線
の電流が異なるので、この補正は、小領域毎に行う必要
がある。
【0012】しかし、照明電流が大電流になるほど、必
要な焦点補正の範囲が広くなり、従って、その範囲をカ
バーでき、かつ高速な動作の可能な焦点補正レンズ系を
設計する必要がある。さらに、補正範囲が広がるほど、
焦点補正レンズ系自身が発生する収差が問題となるし、
また、その範囲を素早く補正するために焦点補正レンズ
制御用の電気制御系にも大きな負担がかかるという問題
点がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
実際には、電子線露光装置に用いる電子線の開き半角
は、レンズや偏向器の幾何収差による制限を受けるため
にあまり大きくできない。よって、電子線の電流量は制
限されてしまう。従って、従来の技術においては、電子
線露光装置において、大電流の電子線を用いて高スルー
プットを得ることと、高解像度を得ることとを両立させ
ることは困難であった。
【0014】本発明者は、このような事情に鑑み、大電
流の電子線を用いて高スループット化を実現しながら、
かつ高解像度化も実現できる電子線露光装置を発明し、
特願平10−111357号として特許出願した(以下
「先願発明」という)。それは、「マスク上のパターン
を小領域に分割し、各小領域毎に感応基板上に転写する
電子線露光装置であって、マスク面に入射する電子線の
レンズ中心軸に対する角度分布を適当な範囲に制限する
ことにより空間電荷効果の収差によるぼけの最小径を縮
小し、且つ感応基板表面を前記最小径の位置に合わせる
方法を有する電子線露光装置」である。これにより、大
電流の電子線を使用しながら、解像度が100nm以下であ
る電子線露光装置が実現できた。
【0015】先願発明の実施の形態の例を図1に示す。
図1において1はマスク、2は感応基板、10はレン
ズ、12は散乱アパーチャ、13は細い輪帯照明用アパ
ーチャ、30は電子線源、100は電子線である。
【0016】電子線源30から放射された電子線は10
0は、レンズ10系を通過した後、輪帯照明用アパーチ
ャ13により、開き半角を一定以上、一定以下に制限さ
れる。そして、マスク1を照明し、その像を感応基板2
上に結像する。途中、散乱線を除去するために散乱アパ
ーチャ12が設けられている。
【0017】図1と図5を比較すると分かるように、先
願発明の骨子は、輪帯照明用アパーチャ13により、開
き半角を一定以上、一定以下に制限したことにあり、こ
れにより下記の効果が得られる。
【0018】(1)比較的細い輪帯照明を用いた投影用
電子光学系を用いることにより、照射される電子線の開
き角度分布の大きい部分の電子線のみを使用する結果、
絞り面付近における電子間の平均的相対距離が増大し、
任意の電子に加わる平均的なクーロン反発力が小さくな
るため、従来技術の電子線露光装置に比較して、クーロ
ン反発力によるぼけが減少する。
【0019】(2)感応基板表面に入射する電子線に
は、開き半角が零付近の電子線は存在せず、開き半角が
大きい電子だけなので、空間電荷効果の抑制効果が著し
い。すなわち、まず、上記空間電荷効果の一種である焦
点位置のずれが、図2(a)に示すように、従来技術に比
較して、有意に小さくなる。すなわち、図2(a)は、図
7(b)の場合と同じ電流量の電子線を使用した場合の焦
点位置のずれを示すものであるが、図7(b)に比較して
ずれ量が少なくなっている。このずれは、図2(b)に示
すように、焦点補正レンズ10’によって補正するが、
電子線の焦点ずれの補正範囲が小さくなるため、焦点補
正レンズ10’系の設計が簡単化され、また焦点補正光
学系の制御系の構築も簡単化されるメリットがある。
【0020】さらに、上記空間電荷効果による小領域像
面の湾曲効果が抑制されるメリットがある。この様子を
図3に示す。図3は、感応基板2の位置(高さ)を変化
させた場合の、(a)に示す分割領域1〜6における、空
間電荷効果によるぼけの度合を示すもので、(b)は輪帯
照明用アパーチャ13を有しない従来技術の場合、(c)
は輪帯照明用アパーチャ13を有する先願発明の場合を
示す。先願発明においては、どの分割領域1〜6につい
ても、ぼけが最小となる感応基板2の位置が近くにある
ので、その位置に感応基板2を置くことにより、全ての
小領域についてぼけを小さくすることができる。
【0021】上記空間電荷効果による小領域像面の湾曲
効果は、通常の像補正方法では補正できない効果であ
る。この効果により大電流時における最適解像の像面位
置が小領域内で異なり、解像度の悪化を生じる。先願発
明により、大電流の電子線による露光時でも上記空間電
荷効果による小領域像面の湾曲効果が抑制されるため、
小領域内でのパターン像の質の均一性の良い、より解像
度の高い電子線露光装置の製造が可能になる。
【0022】先願発明には、さらに、上記空間電荷効果
による小領域像の歪みが、抑制されるメリットがある。
上記空間電荷効果による小領域像の歪みは、通常の像補
正方法では補正が困難な形状に変形する場合がある。こ
の効果により大電流時における隣接小領域間にまたがる
パターンのつなぎ精度の悪化が生じる。また、多層に形
成される回路パターンの場合、各層間のパターンの重ね
合わせ精度も悪化する。しかし先願発明により、大電流
な電子線による露光時でも、上記空間電荷効果による小
領域像の歪み効果が抑制されるため、より解像度の高い
電子線露光装置の供給が可能になる。
【0023】本発明は、この先願発明を改良し、大電流
の電子線を用いて高スループット化を実現しながら、さ
らに高解像度化(解像度90nm以下)を確実に実現できる
電子線露光装置を提供することを課題とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の第1の手段は、マスク上のパターンを小領域に分割
し、各小領域毎に感応基板上に転写する電子線露光装置
であって、マスク面に入射する電子線のレンズ中心軸に
対する角度分布を適当な範囲に制限することにより空間
電荷効果の収差によるぼけの最小径を縮小し、且つ感応
基板表面を前記最小径の位置に合わせる方法を有する電
子線露光装置において、マスク面に入射する電子線のレ
ンズ中心軸に対する角度(開き半角)分布の最小角度α
mask-minと最大角度αmask-max が1.5[mrad]から3[mra
d]の範囲内にあり、かつ、|αmask-max - αmask-min|
≦ 0.75[mrad] の関係を満たすように制限されているこ
とを特徴とする電子線照明光学系を有する電子線露光装
置(請求項1)である。
【0025】本手段は、先願発明において、最小角度α
mask-min と最大角度αmask-max 、|αmask-max - α
mask-min| の範囲を数値限定したものである。電子線の
レンズ中心軸に対する角度分布の最小角度αmask-min
の最小値を1.5[mrad]に限定するのは、これ未満となる
と、電子線の角度分布のうち、中心部分の電子線の使用
率が高くなり、従って輪帯照明の効果が低下し、空間電
荷効果によるぼけが増大することにより、目標解像度90
nmの達成が困難になるからである。又、電子線のレンズ
中心軸に対する角度分布の最小角度αmask-min の最大
値を3[mrad]に限定するのは、この値を超えると、投影
レンズ系の幾何収差が大きくなって、クーロン効果は抑
制できても、幾何収差が大きいために目標解像度90nmの
達成が困難になるからである。
【0026】電子線のレンズ中心軸に対する角度分布の
最大角度αmask-max の最小値を1.5[mrad]に限定するの
は、これ未満となると、電子線の角度分布の最大値が小
さくなり過ぎ、絞り付近での電子線の径が小さくなっ
て、ランダムな散乱によるクーロン効果ボケが増大する
ことにより、目標解像度90nmの達成が困難になるからで
ある。又、電子線のレンズ中心軸に対する角度分布の最
大角度αmask-max の最大値を3[mrad]に限定するのは、
この値を超えると、投影レンズ系の幾何収差が大きくな
って、クーロン効果は抑制できても、幾何収差が大きい
ために目標解像度90nmの達成が困難になるからである。
【0027】|αmask-max - αmask-min|を 0.75[mrad]
以下に限定するのは、この値を超えると、電子線のレ
ンズ中心軸に対する角度分布の最大角度と最小角度の差
が大きくなり過ぎ、輪帯照明領域が太くなり過ぎるた
め、輪帯照明の効果が低下し、それによって空間電荷効
果によるぼけが増大して、目標解像度90nmの達成が困難
になるからである。
【0028】前記各項目を所定の範囲に制限することに
より、最も有効にクーロン効果と空間電荷効果を低減
し、かつ、レンズ、偏向器による幾何収差を小さいまま
に抑えることができる。
【0029】前記課題を解決するための第2の手段は、
前記第1の手段であって、前記マスク面へ入射する電子
線の電流をIillumi[μA]とし、前記マスク面と前記感
応基板との距離をL[mm]とし、前記マスク面へ入射する
電子線の加速電圧をV[keV]とし、前記感応基板面での
電子線の開き半角の最大値をαwafer-max[mrad]とする
とき、次の連立不等式条件 A・La・(Iillumi/4)b/{Vc・(αwafer-max)d}≦40-2.5・(αwafer-max-10) [nm ] …(1) Iillumi≧ 70 [μA] …(2) V≦ 200 [keV] L≧ 300 [mm] …(3) を満足する電子線投影装置を有する電子線露光装置(請
求項2)である。但し、ここでA,a,b,c,dは定数
で、61≦A≦81,1.2≦a≦1.4,0.6≦b≦0.85,1.3≦
c≦1.6,0.6≦d≦0.8であり、かつ、前記電子線投影
装置の縮小倍率を1/mとするとき、αwafer-max=m・
αmask-maxである。
【0030】このうち、マスク面へ入射する電子線の電
流Iillumiを70[μA]以上としているのは、本発明の対
象とする電子線露光装置は、これ以上の電流値を有する
ものに限っているためである。
【0031】また、加速電圧Vは,高いほどクーロン反
発力によるぼけが小さくなるため好ましいが、200[keV]
を超えると、感応基板上に塗布されている感光剤(レジ
ストと呼ばれる)の感度が極端に低下し、逆に感応基板
処理能力が低下するため、上限を200[keV]に限定する。
【0032】また、マスク−感応基板間の距離Lは短い
ほど上記ぼけが小さくなるが、L=300mm以下の場合、電
子線を集束させる磁気レンズに流す電流が大きくなりす
ぎ、発熱が大きすぎる問題があるため望ましくない。よ
って、Lは300mm以上に限定する。
【0033】さらに、本手段においては、 A・La・(Iillumi/4)b/{VC・(αwafer-max)d}≦40-2.5・(αwafer-max-10) [nm ] …(1) が成り立つようにしている。式(1)の左辺はクーロン反
発力によるランダムな散乱によるぼけの量を表し、それ
が右辺以下になるように制限している。右辺が開き半角
の最大値αwafer-maxの関数になっているのは、開き半
角の最大値が変化するとレンズ、偏向器による幾何収差
が増大するため、同等の性能を得るためにはクーロン効
果によるぼけをその増加分だけ減らす必要があるためで
ある。式(1)を満たすことにより、クーロン反発力によ
るランダムな散乱によるぼけの量は、αwafer-maxの値
に依存して、35〜50nm程度にまで減少する。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施の形態の例を図を用いて
説明する。本発明の実施の形態の例においては、装置の
構成は図1に示した先願発明の実施の形態と同じである
ので、その説明を省略する。図4は、マスク面に入射す
る電子線のレンズ中心軸に対する角度分布の最大角度α
mask-max と像のぼけの関係を示す図である。図4にお
いて各実線は本発明(および先願発明)に関するもので
あり、各破線は従来技術、すなわち図5に示すように円
形開口のアパーチャ11を有する電子線露光装置に関す
るものである。
【0035】ぼけの要因には、ランダムな散乱によるク
ーロン効果ぼけ、幾何収差によるぼけの他に、空間電荷
効果によるぼけがある。これら3つのぼけの総和を総合
ぼけとして示している。総合ぼけは、αmask-max が1.5
[mrad]から3[mrad]の範囲内にあるときに最小となって
いる。なお、このとき、αmask-min=0.8・αmask-max
している。
【0036】次に、本発明の条件を満たす設計条件によ
り9通りの実施例と、本発明の条件を満たさない3通り
の比較例を製造して比較を行った。
【0037】各実施例と各比較例の条件を以下に示す。 [実施例1]L = 500[mm],Iillumi/4 = 20[uA],V
= 100[keV],αwafer-min = 8[mrad],αwafer-max = 1
0[mrad] のマスク像投影用電子光学系をもつ電子線露光
装置。 [実施例2]L = 500[mm],Iillumi/4 = 20[uA],V
= 100[keV],αwafer-min = 7[mrad],αwafer-max = 9
[mrad] のマスク像投影用電子光学系をもつ電子線露光
装置。 [実施例3]L = 400[mm],Iillumi/4 = 25[uA],V
= 100[keV]、αwafer-min = 9.6[mrad],αwafer-max =
12[mrad] のマスク像投影用電子光学系をもつ電子線露
光装置。
【0038】[実施例4]L = 500[mm],Iillumi/4 =
25[uA],V = 100[keV],αwafer-min = 8[mrad],α
wafer-max = 10[mrad] のマスク像投影用電子光学系を
もつ電子線露光装置。 [実施例5]L = 400[mm],Iillumi/4 = 25[uA],V
= 100[keV],αwafer-min = 7[mrad],αwafer-max = 9
[mrad] のマスク像投影用電子光学系をもつ電子線露光
装置。 [実施例6]L = 450[mm],Iillumi/4 = 22.5[uA],
V = 100[keV],αwafer-min = 7[mrad],αwafer-max
= 9[mrad] のマスク像投影用電子光学系をもつ電子線露
光装置。
【0039】[実施例7]L = 450[mm],Iillumi/4 =
22.5[uA],V = 100[keV],αwafer-min = 8[mrad],
αwafer-max = 10[mrad] のマスク像投影用電子光学系
をもつ電子線露光装置。 [実施例8]L = 500[mm],Iillumi/4 = 25[uA],V
= 120[keV],αwafer-min = 8[mrad],αwafer-max = 1
0[mrad] のマスク像投影用電子光学系をもつ電子線露光
装置。 [実施例9]L = 500[mm],Iillumi/4 = 25[uA],V
= 100[keV],αwafer-min = 7[mrad],αwafer-max = 9
[mrad] のマスク像投影用電子光学系をもつ電子線露光
装置。
【0040】[比較例1]L = 600[mm],Iillumi/4 =
25[uA],V = 100[keV],αwafer-min = 0[mrad],α
wafer-max = 6[mrad] のマスク像投影用電子光学系をも
つ電子線露光装置。 [比較例2]L = 500[mm],Iillumi/4 = 25[uA],V
= 100[keV],αwafer-min = 0[mrad],αwafer-max = 6
[mrad] のマスク像投影用電子光学系をもつ電子線露光
装置。 [比較例3]L = 500[mm],Iillumi/4 = 25[uA],V
= 100[keV],αwafer-min = 4[mrad],αwafer-max = 6
[mrad] のマスク像投影用電子光学系をもつ電子線露光
装置。
【0041】これら実施例及び比較例は、一回の電子線
露光範囲(小領域)、と呼ばれている)の感応基板上で
の大きさが範囲200um角から300um角の正方形かそれに近
い長方形で、転写倍率はほぼ0.25縮小倍率である電子線
露光装置を想定したものである。
【0042】比較例1、2は従来技術に関するものであ
り、比較例3は輪帯照明を用いたが本発明で示される範
囲外の開き半角の電子線照明装置を用いた場合である。
なお、各比較例は、実施例と同様の電流量、マスク-感
応基板面間の距離、加速電圧等を有する。
【0043】表1にこれらの場合のクーロン反発力によ
る散乱によるぼけ、空間電荷効果によるぼけ、総合のク
ーロン効果によるぼけ(=前記2つの自乗和の平方
根)、焦点ずれ(最小ぼけ面の位置)をそれぞれ示し
た。
【0044】全ての実施例は、クーロン効果による総合
ぼけが65nm以下であり、これにレンズ収差、偏向収差が
60nmあっても、自乗和の平方根でぼけを見積もると、(6
52+602)1/2 = 88nmであって、実施例の各電流値に対し
て、十分に90nmを解像できる電子線露光装置とすること
が可能である。
【0045】これに対して、比較例では、本発明と同等
の電流を用いてマスクパターンを転写しようとすると、
表1から分かるように、クーロン効果による総合ぼけが
大幅に悪化する。これにレンズ、偏向器による幾何収差
の約60nmを加味すると、解像度は90nmを越えてしまい、
従って目的の解像度の電子線露光装置は得られない。
【0046】なお、比較例3においては、輪帯アパーチ
ャが設けられているため、比較例1、比較例2より良い
結果が得られている。しかし、最大開き半角が6mradで
あるので、ランダムな散乱によるぼけが小さくならず、
しかも輪帯が4−6mradと太いため、空間電荷効果の抑
制がわずかであるため、本発明の実施例に対してはぼけ
の量が大きくなっている。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、マスク面に入射する電子線のレンズ中心軸に対する
角度分布を適当な範囲に制限することにより空間電荷効
果の収差によるぼけの最小径を縮小し、且つ感応基板表
面を前記最小径の位置に合わせる方法を有する電子線露
光装置において、マスク面に入射する電子線のレンズ中
心軸に対する角度分布の最小角度αmask-min と最大角
度αmask-max が1.5[mrad]から3[mrad]の範囲内にあ
り、かつ、|αmask-max - αmask-min| ≦ 0.75[mrad]
の関係を満たすように制限されているので、70[μA]を
超えるような大電流の電子線を用いても、クーロン効果
や空間電荷効果によるぼけ量が小さく、解像度が90nm以
下の電子線露光装置を得ることができる。
【0049】加えて、前記マスク面へ入射する電子線の
電流Iillumi、前記マスク面と前記感応基板との距離
L、前記マスク面へ入射する電子線の加速電圧V、前記
感応基板面での電子線の開き半角の最大値αwafer-max
の間に所定の関係を持たせることにより、更に解像度を
上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明及び先願発明の実施の形態の例である電
子線露光装置の概要を示す図である。
【図2】本発明における焦点位置のずれとその補正方法
を示す図である。
【図3】空間電荷効果による小領域におけるぼけの量を
示す図である。
【図4】本発明の実施の形態における開き半角α
wafer-maxとぼけの関係を示す図である。
【図5】従来技術における電子線露光装置の概要を示す
図である。
【図6】従来の電子線露光装置における開き半角とぼけ
の関係を示す図である。
【図7】従来の電子線露光装置における焦点位置のずれ
を示す図である。
【符号の説明】
1 マスク 2 感応基板 10 レンズ 10’ 補正用レンズ 11 従来のアパーチャ 12 散乱アパーチャ 13 細い輪帯照明用アパーチャー 30 電子線源 100 電子線

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスク上のパターンを小領域に分割し、
    各小領域毎に感応基板上に転写する電子線露光装置であ
    って、マスク面に入射する電子線のレンズ中心軸に対す
    る角度分布を適当な範囲に制限することにより空間電荷
    効果の収差によるぼけの最小径を縮小し、且つ感応基板
    表面を前記最小径の位置に合わせる方法を有する電子線
    露光装置において、マスク面に入射する電子線のレンズ
    中心軸に対する角度(開き半角)分布の最小角度α
    mask-min と最大角度αmask-max が1.5[mrad]から3[mra
    d]の範囲内にあり、かつ、|αmask-max - αmask-min|
    ≦ 0.75[mrad] の関係を満たすように制限されているこ
    とを特徴とする電子線照明光学系を有する電子線露光装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電子線露光装置であっ
    て、前記マスク面へ入射する電子線の電流をI
    illumi[μA]とし、前記マスク面と前記感応基板との距
    離をL[mm]とし、前記マスク面へ入射する電子線の加速
    電圧をV[keV]とし、前記感応基板面での電子線の開き
    半角の最大値をαwafer-max[mrad]とするとき、次の連
    立不等式条件 A・La・(Iillumi/4)b/{Vc・(αwafer-max)d}≦40-2.5・(αwafer-max-10) [nm ] …(1) Iillumi≧ 70 [μA] …(2) V≦ 200 [keV] L≧ 300 [mm] …(3) を満足する電子線投影装置を有する電子線露光装置。但
    し、ここでA,a,b,c,dは定数で、61≦A≦81,1.2
    ≦a≦1.4,0.6≦b≦0.85,1.3≦c≦1.6,0.6≦d≦
    0.8であり、かつ、前記電子線投影装置の縮小倍率を1/
    mとするとき、αwafer-max=m・αmask-maxである。
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