JP2000012089A - 非水系二次電池 - Google Patents
非水系二次電池Info
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Abstract
好な充放電サイクル特性を有する非水系二次電池を提供
する。 【解決手段】 ケイ化銅、又はケイ化銅と導電性カーボ
ン又は導電性金属との複合体からなる負極活物質を含む
負極と、遷移金属を構成元素として含む金属酸化物から
なる正極活物質を含む正極と、リチウムイオン導電性の
非水媒体とから非水系二次電池を構成する。
Description
量及び良好な充放電サイクル特性を有する主としてケイ
化銅を負極活物質とする非水系二次電池に関するもので
ある。
いては、負極活物質としてリチウム金属、正極活物質と
してCo,Mn,Niに代表される遷移金属の酸化物を
用いる方法が代表的である。しかし、負極にリチウム金
属を用いると充電中にリチウム金属が樹枝状のデンドラ
イトに成長し、内部ショートしたり、そのデンドライト
の活性が高く、発火する危険性を持つ。そのため、これ
に代わる活物質としてリチウムを挿入放出できる焼成炭
素質材料負極が実用化されている。しかし、炭素質材料
は、体積当りの充放電容量が低いという欠点を持ってい
る。そこで、3〜4V級のさらに高い電圧を持ち、高容
量の二次電池を開発するため、より容量の大きい負極活
物質が必要とされている。
は、遷移金属カルコゲン化合物、ルチル構造の遷移金属
酸化物、例えば、WO2(米国特許第4198476号
公報)、LixFe(Fe2)O4などのスピネル化合物
(特開昭58−220362号公報)、電気化学的に合
成されたFe2O3のリチウム化合物(米国特許第446
4447号公報)、Fe2O3のリチウム化合物(特開平
3−112070号公報)、Nb2O5(特開昭62−5
9412号公報、特開平2−82447号公報)、酸化
鉄及び酸化コバルト(FeO,Fe2O3,Fe3O4,C
oO,Co2O3,Co3O4)(特開平3−291862
号公報)が知られている。一方、リチウムと合金を形成
することが知られているSn,Cd(Proceedi
ngsof the Electrochemical
Society,87−1,1987),Al(So
lid State Ionics,20,198
6),Si,Pb,Bi,Sb(Proceeding
s of the Electrochemical
Society,87−1,1987)及びこれらのリ
チウムとの合金を負極活物質として用いることも検討さ
れている(例えば、特開平7−29602号公報)。
カルコゲン化合物やルチル構造の遷移金属酸化物、スピ
ネル化合物及び遷移金属酸化物の電極電位は、金属リチ
ウムの電極電位に対して貴に大であり、これら負極活物
質を負極とし、正極と組み合わせて電池を構成しても、
3〜4Vの高電圧が得られないという問題がある。ま
た、Sn,Cd,Al,Si,Pb,Bi,Sb及びこ
れらのリチウムとの合金は、高電流密度(例えば、1m
A/cm2)において容量が小さく、さらに充放電のサ
イクル寿命が短いという問題がある。また、Siを活物
質とした場合、高容量が期待できるが、充放電の繰り返
しに伴い、電極の体積が大きく変化するため、電極の割
れによる容量の低下や内部短絡が起き易いという問題が
ある。
圧、高容量で、かつ良好な充放電サイクル特性を有する
非水系二次電池を提供することを目的とした。
め、本発明は主にケイ化銅からなる負極活物質を用いて
電池を構成すれば、上記課題を解決できることを見出し
て完成されたものである。本発明の非水系二次電池は、
主にケイ化銅からなる負極活物質を含む負極と、遷移金
属を構成元素として含む金属酸化物からなる正極活物質
を含む正極と、リチウムイオン導電性の非水媒体とから
なることを特徴とするものである。ケイ化銅を負極活物
質に用いることにより、ケイ素を用いた場合に比べ充放
電時における負極の体積変化が抑制され、充放電のサイ
クル特性が向上する。ここで、ケイ化銅とは、ケイ素と
銅の化合物であり、CuSi,Cu2Si,Cu3Si,
Cu5Si等の組成をいう。また、結晶性でも非晶性で
も、特に限定されない。
性カーボン又は導電性金属との複合体からなることが好
ましい。導電性カーボン又は導電性金属との複合体とす
ることにより、負極活物質の導電性が向上する。そして
活物質利用率が向上し、また電池の内部抵抗が低減され
る。
も製造することができ、例えば、銅粉末とケイ素粉末を
所定比で混合し、非酸化雰囲気で焼成したもの、又は後
で述べる真空成膜法で作製したものを用いることができ
る。ここで、上記焼成の温度は600〜1200℃であ
ることが好ましい。
膜を有する集電体金属箔を、非酸化雰囲気で熱処理した
ものを用いることができる。上記負極の好ましい製造方
法としては、ケイ化銅の粉末を結着剤を溶解した溶媒に
分散させてペーストを作製し、そのペーストを集電体金
属箔に塗布し、乾燥して溶媒を除去後、非酸化雰囲気下
で300〜900℃で熱処理する。
金属を所定量ペーストに添加しても良い。なお、導電性
カーボンの代わりに、熱処理により炭化し、導電性を発
現する材料を用いても良い。熱処理により、ケイ化銅と
導電性カーボン又は導電性金属との複合体を得ることが
できる。この場合、熱処理温度は、600〜1400℃
であることが好ましい。
面に真空成膜法により形成されたケイ素薄膜を非酸化雰
囲気下で熱処理してなるケイ化銅薄膜を用いても良い。
熱処理により、ケイ素薄膜と基板である銅との間の反応
が進行し、ケイ化銅の薄膜が形成される。そして銅基板
を集電体とすることにより、負極活物質の作製と負極の
作製を同時に行うことができる。さらに銅基板との反応
により、集電体である銅基板と負極活物質との界面の抵
抗が低くなるため、電池の内部抵抗を低減できる。
法としては、以下に述べる方法が挙げられる。銅粉末と
ケイ素粉末を所定量比で混合後、非酸化雰囲気下で焼成
する。焼成温度は600〜1200℃、好ましくは75
0〜900℃である。銅粉末及びケイ素粉末の平均粒子
径は、0.1〜50μm、好ましくは1〜10μmであ
る。焼成時間は、3時間以上が望ましい。
れの方法でも製造することができるが、ケイ化銅粉末を
結着剤を溶解した溶媒に分散させてペーストを作製し、
そのペーストを集電体金属箔に塗布し、塗膜を乾燥して
溶媒を除去後、非酸化雰囲気下で300〜900℃で熱
処理することが好ましい。集電体金属箔には、銅箔、ス
テンレス箔等を用いることができる。熱処理後の塗膜の
厚さは、10〜2000μmであることが好ましい。
性金属とからなる複合体を負極活物質として含む負極の
製造方法としては、上記塗膜の作製時において、導電性
カーボン又は導電性金属を所定量添加する。導電性カー
ボンとしては、黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブ
ラック等導電助剤として用いられている炭素質材料のい
ずれを用いても良い。導電性金属としては、銅族、白金
族等の金属が挙げられるが、銅を用いることが好まし
い。
処理により炭化する材料を添加しても良い。例えば、フ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、フラン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド
樹脂、キシレン樹脂等の熱硬化性樹脂、ナフタレン、ア
セナフチレン、フェナントレン、アントラセン、トリフ
ェニレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、ピセン、ペ
リレン、ペンタフェン、ペンタセン等の縮合系多環炭化
水素化合物又はその誘導体、あるいは上記化合物の混合
物を主成分とするピッチ等が挙げられるが、ピッチが好
ましい。
て、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング
法、CVD法等の真空製膜法と熱処理を組み合わせても
良い。真空製膜法を用いる望ましい製造方法としては、
例えば、銅基板にスパッタリング法によりケイ素薄膜を
製膜後、基板ごと、非酸化雰囲気下で熱処理する方法が
ある。熱処理温度は、300〜900℃が好ましい。
材料は、従来公知の何れの材料も使用でき、例えば、L
ixCoO2,LixNiO2,MnO2,LiMnO2,L
ixMn2O4,LixMn2-yO4,α−V2O5,TiS2
等が挙げられる。
の非水媒体としては、有機溶媒にリチウム化合物を溶解
させた非水電解液、又は高分子にリチウム化合物を固溶
或いはリチウム化合物を溶解させた有機溶媒を保持させ
た高分子固体電解質を用いることができる。非水電解液
は、有機溶媒と電解質とを適宜組み合わせて調製される
が、これら有機溶媒や電解質はこの種の電池に用いられ
るものであればいずれも使用可能である。有機溶媒とし
ては、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボ
ネート、ビニレンカーボネート、ジメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネー
ト、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエ
タンメチルフォルメイト、ブチロラクトン、テトラヒド
ロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジ
オキソフラン、4−メチル−1,3−ジオキソフラン、
ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、ア
セトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、バ
レロニトリル、ベンゾニトリル、1,2−ジクロロエタ
ン、4−メチル−2−ペンタノン、1,4−ジオキサ
ン、アニソール、ジグライム、ジメチルホルムアミド、
ジメチルスルホキシド等である。これらの溶媒を2種以
上併用することもできる。
iAsF6,LiPF6,LiBF4,LiB(C
6H5)4,LiCl,LiBr,LiI,LiCH3SO
3,LiCF3SO3,LiAlCl4等が挙げられ、これ
らを単独でも、2種以上を併用することもできる。
記の電解質から選ばれる電解質を以下に示す高分子に固
溶させたものを用いることができる。例えば、ポリエチ
レンオキサイドやポリプロピレンオキサイドのようなポ
リエーテル鎖を有する高分子、ポリエチレンサクシネー
ト、ポリカプロラクタムのようなポリエステル鎖を有す
る高分子、ポリエチレンイミンのようなポリアミン鎖を
有する高分子、ポリアルキレンスルフィドのようなポリ
スルフィド鎖を有する高分子が挙げられる。
としては、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン-
テトラフルオロエチレン共重合体、ポリエチレンオキサ
イド、ポリプロピレンオキサイド、ポリアクリロニトリ
ル、ポリメタクリル酸メチル等の高分子に上記電解質及
び非水電解液を保持させ上記高分子を可塑化させたもの
を用いることもできる。
に説明する。
いてケイ素を蒸着した後、基板ごと窒素雰囲気中で80
0℃で1時間熱処理を行った。熱処理後のX線回折測定
から、ケイ素はケイ化銅を形成していることを確認し
た。
ムLi2CO3と炭酸コバルトCoCO3をモル比でLi
/Coが1:1となるように、秤量し、イソプロピルア
ルコールを用いてボールミルで湿式混合した後、溶媒を
蒸発させて800℃で1時間仮焼した。仮焼粉を振動ミ
ルで再粉砕した後、800℃で10時間焼成し、LiC
oO2の粉末を得た。LiCoO2の粉末100部に導電
剤として黒鉛粉末を6部、結着剤としてポリビニリデン
ジフルオライド8部を溶媒n−メチル−2−ピロリドンに
溶解し、攪拌混合したスラリーをアルミニウム箔上に塗
布し、140℃で乾燥して溶媒を除去した。乾燥した塗
膜は、ロールプレス機で圧着後、所定の大きさに切断し
て正極とした。
カーボネートの体積比1:1混合溶媒にLiPF6を1
mol/l溶解したものを用いた。ボタン型電池を作製
し、室温で一昼夜放置してエージングした後、200m
A/gの電流密度で充放電試験を行った。結果を表1に
示す。
1:2になるように秤量し、振動ミルで乾式混合した
後、窒素雰囲気下900℃で10時間焼成した。焼成粉
末を結着剤であるポリフッ化ビニリデンとn−メチル−
2−ピロリドンとを用いてスラリー状にし、銅箔に塗布
後140℃にて乾燥した後、所定の大きさに切り抜きロ
ールプレス機で圧着した。この塗膜を窒素雰囲気下80
0℃で3時間加熱し、負極として使用した。正極、電解
液は実施例1と同様の方法で製造した。以下、実施例1
と同様の条件により電池を作製し、充放電試験を行っ
た。結果を表1に示す。
ジフルオライド10部とをn−メチル−2−ピロリドン
中でスラリーとし、銅箔上に塗布乾燥して得られた塗膜
を所定の大きさに切り抜き、ロールプレス機で圧着し
た。これを負極として用いた以外は、実施例1と同様に
してボタン型電池を作製し、充放電試験を行った。結果
を表1に示す。
る負極活物質を用いることにより、充放電時においても
負極の体積変化を抑制できるため、充放電のサイクル特
性が向上した高容量で高作動電圧の非水系二次電池を提
供できる。
性金属とからなる複合体を負極活物質とすることによ
り、一層の高容量の非水系二次電池を提供できる。
Claims (4)
- 【請求項1】 主にケイ化銅からなる負極活物質を含む
負極と、遷移金属を構成元素として含む金属酸化物から
なる正極活物質を含む正極と、リチウムイオン導電性の
非水媒体とからなる非水系二次電池。 - 【請求項2】 上記負極活物質が、ケイ化銅と導電性カ
ーボン又は導電性金属との複合体からなる請求項1に記
載の非水系二次電池。 - 【請求項3】 上記負極が、ケイ化銅を含む薄膜を有す
る集電体金属箔を、非酸化雰囲気で熱処理してなる請求
項1又は2に記載の非水系二次電池。 - 【請求項4】 上記負極活物質が、銅基板の表面に真空
成膜法により形成されたケイ素薄膜を非酸化雰囲気下で
熱処理してなるケイ化銅薄膜である請求項1〜3のいず
れか一つに記載の非水系二次電池。
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JP17306498A JP4191281B2 (ja) | 1998-06-19 | 1998-06-19 | 負極活物質、負極とその製造方法、および非水系二次電池 |
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