JP2000010291A - 光重合性感光材料 - Google Patents

光重合性感光材料

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JP2000010291A
JP2000010291A JP10172738A JP17273898A JP2000010291A JP 2000010291 A JP2000010291 A JP 2000010291A JP 10172738 A JP10172738 A JP 10172738A JP 17273898 A JP17273898 A JP 17273898A JP 2000010291 A JP2000010291 A JP 2000010291A
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JP
Japan
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photopolymerizable photosensitive
protective layer
photosensitive material
compound
group
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JP10172738A
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English (en)
Inventor
Eriko Toshimitsu
恵理子 利光
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乾燥下、多湿下で共に保存安定性が良好で、
耐久クラッチ性、接着性、感度の良好な光重合性感光材
料を提供する。 【解決手段】 支持体上に、光重合性感光層及び保護層
が順次積層されてなり、保護層がポリビニルアルコール
又はポリビニルアルコール誘導体を含有する光重合性感
光材料に於いて、該保護層が下記一般式(1)で表され
る化合物を含有することを特徴とする光重合性感光材
料。 【化1】R1 −O−R2 −O−R3 (1) (一般式(1)中、R1 及びR3 は独立に水素原子、又
は置換基を有していても良い炭素数1〜3のアルキル
基、R2 は水酸基、又は炭素数1〜3のアルコキシ基で
置換されていても良い炭素数2〜6の2価の脂肪族飽和
又は不飽和炭化水素基を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感光性平版印刷版等
に用いられる光重合性感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、光重合の妨げとなる酸素を遮
断する目的で、光重合性感光層上に保護層を設けること
が知られており、保護層の材質としては酸素遮断性と塗
布や現像上の理由でポリビニルアルコールが最も一般的
である。また、近年光重合性感光材料の様々な分野での
応用が検討されているが、中でも印刷分野でのレーザー
直接製版が実用化されて来ている。この様なレーザー直
接製版では自動搬送機構を有する可視光レーザー露光装
置を用いて製版を行うため、搬送系においてもダメージ
を受けない様な、耐スクラッチ性の高い保護層が要求さ
れている。これを解決するため、例えば特開平8−28
6379号公報にはポリビニルピロリドンの添加により
耐スクラッチ性を改善すること、ポリビニルアルコール
に、ポリビニルピロリドンやピロリドン含有共重合体を
使用する例が記載されている。この他高湿度下での保存
安定性を付与する目的でセルロース誘導体を添加したり
(特公平4−21184等)、感光層との密着性を向上
させる目的でポリ(メタ)アクリル酸誘導体を添加した
り(特開昭62−223747)、保護層に必要な性能
を付与させるためポリマーを混合して用いる様々な検討
がなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者の検討の結果、特にポリマーの併用によって、感光層
に雪の結晶状の欠陥を生じるという現象が見られた。こ
の欠陥は特に、保存によって拡大、増加し、はなはだし
い場合には露光現像後の画像が欠落することとなる。従
って、本発明の目的は、光重合性感光材料を様々な分野
で実用化するにあたって保護層に求められる酸素遮断性
以外の付加的な性能、即ち、耐スクラッチ性、感光層と
の密着性、高湿度下での保存安定性といった諸性能を維
持し、かつ感光層に雪の結晶状の欠陥を生じることなく
更に感光層の感度の低下を引き起こすことのない光重合
性感光材料を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記従来技
術の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、少なくとも
ポリビニルアルコールを含有するポリマー保護層、特
に、これらポリマーを2種以上併用した保護層に特定の
化合物を添加することで上記問題が解決できることを見
出し、本発明を完成するに至った。即ち本発明の要旨
は、支持体上に、光重合性感光層及び保護層が順次積層
されてなり、保護層がポリビニルアルコール又はポリビ
ニルアルコール誘導体を含有する光重合性感光材料に於
いて、該保護層が下記一般式(1)で表される化合物を
含有することを特徴とする光重合性感光材料。
【0005】
【化2】R1 −O−R2 −O−R3 (1)
【0006】(一般式(1)中、R1 及びR3 は独立に
水素原子、又は置換基を有していても良い炭素数1〜3
のアルキル基、R2 は水酸基、又は炭素数1〜3のアル
コキシ基で置換されていても良い炭素数2〜6の2価の
脂肪族飽和又は不飽和炭化水素基を示す。)
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。本発明の光重合性感光材料における支持体として
は、金属、プラスチック、紙、ガラス、セラミックス等
が挙げられ、これらは感光層との接着性や各実用分野で
の必要性能を満たす目的で粗面化処理したり、各種表面
処理したりして用いられる。これらの内、感光性平版印
刷版として使用する場合は特にアルミニウム支持体が好
適に用いられる。この際のアルミニウム支持体は、砂目
立て処理、陽極酸化処理及び必要に応じて封孔処理等の
表面処理が施される。
【0008】これらの処理には公知の方法を適用するこ
とができる。砂目立て処理の方法としては、例えば、機
械的方法、電解によりエッチングする方法が挙げられ
る。機械的方法としては、例えば、ボール研磨法、ブラ
シ研磨法、液体ホーミングによる研磨法、バフ研磨法等
が挙げられる。アルミニウム材の組成等に応じて上述の
各種方法を単独あるいは組み合わせて用いることが出来
る。さらに砂目立て処理の施されたアルミニウム板は、
必要に応じて酸またはアルカリの水溶液にてデスマット
処理される。
【0009】陽極酸化処理は、電解液として、硫酸、ク
ロム酸、シュウ酸、リン酸、マロン酸等を1種又は2種
以上含む溶液を用い、アルミニウム板を陽極として電解
して行われる。封孔処理は、沸騰水処理、水蒸気処理、
珪酸ソーダ処理、重クロム酸塩水溶液処理等が具体例と
して挙げられる。
【0010】この他にアルミニウム支持体に対して、カ
チオン性4級アンモニウム基を有する樹脂やポリビニル
ホスホン酸、澱粉、セルロース等の水溶性高分子化合
物、フッ化ジルコン酸等の金属塩の水溶液による下引き
処理を施すこともできる。本発明における光重合性感光
材料の光重合性感光層はエチレン性不飽和二重結合を少
なくとも1個有する付加重合可能な化合物、及び光重合
開始剤を含有し、通常、更に高分子結合剤を含有する。
【0011】本発明において、エチレン性不飽和二重結
合を少なくとも1個有する付加重合可能な化合物(以下
「エチレン性化合物」と略す)とは、光重合性組成物が
活性光線の照射を受けた場合、光重合開始剤の作用によ
り付加重合し、硬化するようなエチレン性二重結合を有
する化合物であって、例えばエチレン性不飽和二重結合
を有する単量体、または、側鎖もしくは主鎖にエチレン
性不飽和二重結合を有する重合体である。なお、本発明
における単量体の意味するところは、いわゆる高分子物
質に相対する概念である。従って、狭義の単量体以外に
二量体、三量体、オリゴマーをも包含するものである。
【0012】エチレン性不飽和二重結合を有する単量体
としては、例えば不飽和カルボン酸;脂肪族ポリヒドロ
キシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;芳香族ポ
リヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;
不飽和カルボン酸と多価カルボン酸及び前述の脂肪族ポ
リヒドロキシ化合物、芳香族ポリヒドロキシ化合物等の
多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られ
るエステル等が挙げられる。
【0013】前記脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和
カルボン酸とのエステルとしては、エチレングリコール
ジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメ
チロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリトー
ルジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレ
ート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリ
スリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレート、グリセロールアクリレート等の
アクリル酸エステル、これら例示化合物のアクリレート
をメタクリレートに代えたメタクリル酸エステル、同様
にイタコネートに代えたイタコン酸エステル、クロトネ
ートに代えたクロトン酸エステル、マレイネートに代え
たマレイン酸エステル等がある。芳香族ポリヒドロキシ
化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、ハイ
ドロキノンジアクリレート、ハイドロキノンジメタクリ
レート、レゾルシンジアクリレート、レゾルシンジメタ
クリレート、ピロガロールトリアクリレート等が挙げら
れる。又、少なくとも一つの(メタ)アクリロイル基を
持つ燐酸エステル化合物も好ましいものとして挙げられ
る。具体的には、下記式で示される燐酸エステル化合物
が挙げられる。
【0014】
【化3】
【0015】(式中、Rは水素原子又はメチル基を示
し、nは1〜25の整数を示し、mは1又は2を示
す。) 上記式で表される化合物の内,nが1〜10であるもの
が好ましく、具体例としては、メタアクリロキシエチル
フォスフェート、ビス(メタアクリロキシエチル)フォ
スフェート等が挙げられる。
【0016】不飽和カルボン酸と多価カルボン酸および
多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られ
るエステルとしては必ずしも単一物ではないが代表的な
具体例を挙げれば、アクリル酸、フタル酸及びエチレン
グリコールの縮合物;アクリル酸、マレイン酸及びジエ
チレングリコールの縮合物;メタクリル酸、テレフタル
酸及びペンタエリスリトールの縮合物;アクリル酸、ア
ジピン酸、ブタンジオール及びグリセリンの縮合物等が
ある。
【0017】その他のエチレン性化合物の例としては、
トリレンジイソシアネートとヒドロキシエチルアクリレ
ートとの付加反応の様なウレタンアクリレート類;ジエ
ポキシ化合物とヒドロキシエチルアクリレートとの付加
反応の様なエポキシアクリレート類;エチレンビスアク
リルアミド等のアクリルアミド類;フタル酸ジアクリル
等のアクリル酸エステル類;ジビニルフタレート等のビ
ニル基含有化合物などが有用である。
【0018】前記した主鎖にエチレン性不飽和結合を有
する重合体は、例えば、不飽和二価カルボン酸とジヒド
ロキシ化合物との重縮合反応により得られるポリエステ
ル、不飽和二価カルボン酸とジアミンとの重縮合反応に
より得られるポリアミド等がある。側鎖にエチレン性不
飽和結合を有する重合体は、側鎖に不飽和結合をもつ二
価カルボン酸、例えばイタコン酸、プロヒリデンコハク
酸、エチリデンマロン酸等とジヒドロキシまたはジアミ
ン化合物等との縮合重合体がある。また、側鎖にヒドロ
キシ基やハロゲン化メチル基の如き反応活性を有する官
能基を持つ重合体、例えばポリビニルアルコール、ポリ
(2−ヒドキシエチルメタクリレート)、ポリエピクロ
ルヒドリン等とアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸
等の不飽和カルボン酸との高分子反応により得られるポ
リマーも好適に使用し得る。
【0019】以上記載したエチレン性化合物の内、アク
リル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの単量体が
特に好適に使用できる。次に光重合開始剤について説明
する。光重合開始剤としては、前記エチレン性不飽和結
合を少なくとも1個有する化合物の重合を開始させうる
ものはすべて使用できる。特に可視領域の光線に対して
感光性を有するものであれば、いずれも好適に使用でき
る。この内、光励起された増感剤と何らかの作用を惹起
することにより活性ラジカルを生成する活性剤として
は、例えば、ヘキサアリールビイミダゾール類、チタノ
セン化合物、ハロゲン化炭化水素誘導体、ジアリールヨ
ードニウム塩、有機過酸化物等を挙げることができる。
この内、ヘキサアリールビイミダゾール類あるいは、チ
タノセン化合物を用いた系が、感度、保存性、塗膜の基
板への密着性等が良く好ましい。
【0020】本発明に於けるヘキサアリールビイミダゾ
ール類としては、ヘキサアリールビイミダゾール骨格を
有する化合物を総称し、種々のものを用いることができ
るが、例えば、2,2’−ビス(o−クロルフェニル)
−4,4’,5,5’−テトラ(p−フルオロフェニ
ル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロムフェ
ニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−ヨードフェ
ニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロルフ
ェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロルナ
フチル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロル
フェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロル
フェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロ
ムフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロ
ル−p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’
−ビス(o−クロルフェニル)−4,4’,5,5’−
テトラ(o,p−ジクロルフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−クロルフェニル)−4,4’,
5,5’−テトラ(o,p−ジブロムフェニル)ビイミ
ダゾール、2,2’−ビス(o−ブロムフェニル)−
4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロルフェニ
ル)ビイミダゾール、2,2’−ビスo,p−ジクロル
フェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジ
クロルフェニル)ビイミダゾール等が挙げられる。これ
らのビイミダゾールは、必要に応じ、他種のビイミダゾ
ールと併用して使用することもできる。ビイミダゾール
類は、例えばBull.Chem.Soc.Japa
n,33,565(1960)および J.Org.C
hem,36[16]2262(1971)に開示され
ている方法により容易に合成することができる。
【0021】チタノセン化合物としては、種々のものを
用いることができるが、例えば、特開昭59−1523
96号、特開昭61−151197号各公報に記載され
ている各種チタノセン化合物から適宜選んで用いること
ができる。さらに具体的には、ジ−シクロペンタジエニ
ル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニル
−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−
Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェ
ニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス
−2,3,5,6,−テトラフルオロフェニ−1−イ
ル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,
6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタ
ジエニル−Ti−ビス−2,6−ジ−フルオロフェニ−
1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−
2,4−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシ
クロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6
−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロ
ペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェ
ニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス
−2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)−フェ
ニ−1−イル等を挙げることができる。
【0022】次に、光重合開始剤の内の増感剤について
説明する。本発明における増感剤とは、前述の活性剤と
共存した場合、可視光線照射により、効果的に活性ラジ
カルを発生し得る化合物を意味している。代表的な増感
剤の例としては、例えば、米国特許第3,479,18
5号明細書に開示されている様なロイコクリスタルバイ
オレットやロイコマラカイトグリーンの様なトリフェニ
ルメタン系ロイコ色素、エリスロシンやエオシンYの様
な光還元性染料、米国特許第3,549,367号明細
書、米国特許第3,652,275号明細書等に開示さ
れているミヒラーズケトンやアミノスチリルケトンの様
なアミノフェニルケトン類、米国特許第3,844,7
90号明細書に示されるβ−ジケトン類、米国特許第
4,162,162号明細書に見られるインダノン類、
特開昭52−112681号公報に示されるケトクマリ
ン類、特開昭59−56403号公報で開示されている
アミノスチレン誘導体やアミノフェニルブタジエン誘導
体、米国特許第4,594,310号明細書に見られる
アミノフェニル複素環類、米国特許第4,966,83
0号明細書に示されるジュロリジン複素環類、特開平5
−241338号公報に示されるピロメテン系色素など
が挙げられる。
【0023】さらに、本発明で用いる光重合開始剤に必
要に応じて2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メル
カプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキ
サゾール、3−メルカプト1,2,4−トリアゾール、
N−フェニルグリシン、N,N−ジアルキル安息香酸ア
ルキルエステル等の水素供与性化合物を加えることによ
ってさらに光重合開始能力を高めることができる。この
うち特に好ましいのは、2−メルカプトベンゾチアゾー
ル、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプ
トベンズオキサゾール、3−メルカプト1,2,4−ト
リアゾール等のメルカプト基を有する化合物である。
【0024】次に高分子結合剤について説明する。これ
は、皮膜形成能や粘度調節能を付与する成分であり、好
ましくは、分子内にカルボキシル基を有する高分子結合
剤が挙げられる。その具体例としては、例えば、(メ
タ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メ
タ)アクリルアミド、マレイン酸、(メタ)アクリロニ
トリル、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、マレ
イミド等の単独もしくは共重合体、その他、ポリエチレ
ンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアミド、ポ
リウレタン、ポリエチレンテレフタレート、アセチルセ
ルロース、またはポリビニルブチラール等が挙げられ
る。
【0025】中でも(メタ)アクリル酸エステルの少な
くとも一種と(メタ)アクリル酸を共重合成分として含
有する共重合体が好ましい。該高分子結合剤の好ましい
酸価の値は10〜250であり、好ましい重量平均分子
量(以下Mwと略す)は5千から50万である。これら
の高分子結合剤は、側鎖に不飽和結合を有することが望
ましく、特に下記一般式(2)乃至(4)で示される少
なくとも1種の不飽和結合を有することが好ましい。
【0026】
【化4】
【0027】(式中、R4 は水素原子又はメチル基を示
す。また、R5 〜R9 は各々独立して水素原子、ハロゲ
ン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル
基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シ
アノ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基
を有していてもよいアリール基、置換基を有していても
よいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール
オキシ基、置換基を有していてもよいアルキルアミノ
基、置換基を有していてもよいアリールアミノ基、置換
基を有していてもよいアルキルスルホニル基、又は置換
基を有していてもよいアリールスルホニル基を示し、Z
は酸素原子、硫黄原子、イミノ基、又はアルキルイミノ
基を示す。)
【0028】なお、R5 〜R9 で示される夫々の基が有
していても良い置換基としては炭素−炭素二重結合の反
応性を極端に低下させない限り特に限定されないが、通
常ハロゲン原子、アルキル基、フェニル基、シアノ基、
ニトロ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、又はジアル
キルアミノ基等から選ばれる。これらの内、式(2)で
表されるものとしては、R4 が水素原子又はメチル基で
あり、R5 及びR6 が各々独立して水素原子、低級アル
キル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、又はシア
ノ基であるものが更に好ましく、式(3)で表されるも
のとしては、R5 及びR6 が各々独立して水素原子、ハ
ロゲン原子、低級アルキル基、カルボキシル基、アルコ
キシカルボニル基又はシアノ基であり、R8 が水素原
子、低級アルキル基、カルボキシル基、アルコキシカル
ボニル基、又はシアノ基であり、R8 及びR9 が各々独
立して水素原子、ハロゲン原子、又は低級アルキル基で
あるものが更に好ましく、式(4)で表されるものとし
てはR5 、R6 、及びR7 が各々独立して水素原子、ハ
ロゲン原子、低級アルキル基、カルボキシル基、アルコ
キシカルボニル基又はシアノ基であるものが更に好まし
い。また、上記式(2)〜(4)中の炭素−炭素二重結
合の付加反応の容易さから、式(2)においてはR4
6 のうち少なくとも2個が水素原子であり、式(3)
及び(4)においてはR5 〜R7 のうち少なくとも2個
が水素原子であるものが特に好ましい。これらの化合物
の合成法としては、大別して次の2つの方法がある。
【0029】(合成法1)分子内にカルボキシル基を有
する高分子結合剤の不活性有機溶剤溶液(例えばアルコ
ール系、エステル系、芳香族炭化水素系、脂肪族炭化水
素系等が挙げられる。)とエポキシ基含有不飽和化合物
とを約80〜120℃、約1〜50時間の反応条件で反
応させることにより合成する方法。エポキシ基含有不飽
和化合物と反応させるカルボキシル基の割合は特に限定
されないが、全カルボキシル基に対して5〜90mol
%を反応させるのが好ましく、より好ましくは20〜8
0モル%、更に好ましくは30〜70モル%である。上
記範囲であると現像性が良好であると共に接着性が良好
である。
【0030】側鎖に不飽和基を有するエチレン性高分子
結合剤の製造に用いるエポキシ基含有不飽和化合物は、
一分子中に少なくとも一つの付加重合可能な不飽和結合
と、エポキシ基とを有する化合物である。エポキシ基含
有不飽和化合物としては、グリシジル(メタ)アクリレ
ート、アリルグリシジルエーテル、α−エチルグリジシ
ルアクリレート、クロトニルグリシジルエーテル、グリ
シジルクロトネート、グリシジルイソクロトネート、イ
タコン酸モノアルキルエステルモノグリシジルエステ
ル、フマール酸モノアルキルエステルモノグリシジルエ
ステル、マレイン酸モノアルキルエステルモノグリシジ
ルエステル等の脂肪族エポキシ基含有不飽和化合物およ
び下記構造で示される脂環式エポキシ基含有不飽和化合
物が挙げられる。
【0031】
【化5】
【0032】
【化6】
【0033】(各一般式中、R11は水素原子又はメチル
基を示す。R12は炭素数1〜6の2価の脂肪族飽和炭化
水素基を示す。R13は炭素数1〜10の2価の炭化水素
基を示す。kは0〜10の整数を示す。) 上記エポキシ基含有不飽和化合物の好ましい化合物の具
体例としては、グリシジルメタアクリレート、アリルグ
リシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメ
チルアクリレート等が挙げられる。これらの中で特に好
ましい化合物はアリルグリシジルエーテル、3,4−エ
ポキシシクロヘキシルメチルアクリレートである。
【0034】(合成法2)前記一般式(3)および
(4)で示されるような、反応性の低い不飽和結合を1
種類以上とこれらより反応性に富む不飽和結合1種類の
合計2種以上の不飽和結合を有する化合物と不飽和カル
ボン酸とを共重合させて合成する方法。一般式(3)で
示される不飽和基を有する化合物の具体例としては、ア
リル(メタ)アクリレート、3−アリルオキシ−2−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジア
リル(メタ)アクリルアミド、シンナミル(メタ)アク
リレート、クロトニル(メタ)アクリレート、メタリル
(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのうち、
アリル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
【0035】一般式(4)で示される不飽和基を有する
化合物の具体例としては、ビニル(メタ)アクリレー
ト、ビニルクロトネート、1−プロペニル(メタ)アク
リレート、1−クロロビニル(メタ)アクリレート、2
−フェニルビニル(メタ)アクリレート、ビニル(メ
タ)アクリルアミド等が挙げられる。これらのうち、ビ
ニル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
【0036】これらのモノマーを不飽和カルボン酸、好
ましくはアクリル酸またはメタクリル酸と共重合させる
ことにより該不飽和基を有する共重合体を得る。共重合
するモノマーは不飽和カルボン酸に加えて他のモノマー
が共重合されてもよく、例えばアクリル酸アルキル、メ
タクリル酸アルキル、アクリロニトリル、スチレン等が
挙げられる。共重合させる(3)、(4)の構造を有す
る化合物のポリマー全体の成分に占める割合は、10〜
90mol%さらに好ましくは、30〜80mol%で
ある。この範囲より少ないと画像再現性に劣り、多くな
ると現像性が悪くなる傾向がある。
【0037】又、高分子結合材の特に好ましい例とし
て、分子内にカルボキシル基を含有するポリマーのカル
ボキシル基の一部を脂環式エポキシ基含有不飽和化合物
と反応させた化合物が挙げられる。以上、感光層を形成
する光重合性組成物の主要構成成分について詳述してき
たが、それらの好適な使用比率は重合可能なエチレン性
化合物100重量部に対して光重合開始剤の内、増感剤
が好ましくは0.01〜20重量部、特に好ましくは
0.05〜10重量部、活性剤が好ましくは0.1〜8
0重量部、特に好ましくは0.5〜50重量部、高分子
結合剤が、好ましくは10〜400重量部、特に好まし
くは20〜200重量部の範囲である。
【0038】尚、光重合性組成物は前記の各構成成分の
他に、それの使用目的に応じて、更に他の物質を添加混
合することができる。例えば、ハイドロキノン、p−メ
トキシフェノール、2, 6−ジ−t−ブチル−p−クレ
ゾールなどの熱重合防止剤;有機または無機の染顔料か
らなる着色剤;ジオクチルフタレート、ジドデシルフタ
レート、トリクレジルホスフェート等の可塑剤、三級ア
ミンやチオールの様な感度特性改善剤、その他色素前駆
体などの添加剤も加えることができる。
【0039】以上述べた各種添加剤の好ましい添加量
は、エチレン性化合物100重量部に対して熱重合防止
剤2重量部以下、着色剤20重量部以下、可塑剤40重
量部以下、色素前駆体30重量部以下の範囲であること
が一般的である。以上述べた光重合性組成物は、適当な
溶媒で希釈して、前記支持体上に塗布、乾燥し感光層と
して塗設される。塗布方法としては、ディップコート、
コーティグロッド、スピナーコート、スプレーコート、
ロールコート等の周知の方法により塗布することが可能
である。乾燥塗布膜厚は、0.1〜20g/m2 程度で
あり、感光性平版印刷版として用いる場合は0.5〜3
g/m2 程度が好ましい。
【0040】本発明の光重合性感光材料における光重合
性感光層の上層には、酸素による重合禁止作用を防止す
るための酸素遮断層として保護層を設けるが、本発明は
該保護層に特徴を有する。本発明の保護層は、ポリビニ
ルアルコール又はポリビニルアルコール誘導体を含有す
るものであり、特に本発明ではこの保護層が下記一般式
(1)で表される構造の化合物を含有することを特徴と
する。
【0041】
【化7】R1 −O−R2 −O−R3
【0042】(一般式(1)中、R1 及びR3 は水素原
子又は置換基を有していても良い炭素数1〜3のアルキ
ル基を、R2 は水酸基又は炭素数1〜3のアルコキシ基
で置換されていても良い炭素数2〜6の2価の脂肪族飽
和又は不飽和炭化水素基を示す。) 本発明の保護層は、ポリビニルアルコール又はポリビニ
ルアルコール誘導体を含有するが、有利には水又は水と
水混合性有機溶剤との混合溶媒に可溶な2種以上の高分
子化合物を含有する。ここで、水混合性有機溶剤とは保
護層の塗布溶剤として後述するアルコール類、ケトン
類、エーテル類等であり、上記混合溶剤とは、一般的に
は、水及び水と均一溶液を形成する有機溶剤との混合溶
媒である。水又は上記の混合溶媒に可溶な高分子化合物
のうち少なくとも1種は、酸素遮断性に優れたポリビニ
ルアルコール及び/又はポリビニルアルコール誘導体で
ある必要がある。ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビ
ニルをアルカリ、酸、アンモニア水等で鹸化することに
より得ることが出来る。本発明におけるポリビニルアル
コールの鹸化度としては70〜99mol%であること
が好ましく、より好ましくは85〜95mol%であ
る。鹸化度が上記範囲より小さい場合、水あるいはアル
カリ水への溶解性が劣り現像性が悪くなる傾向にあり、
また上記範囲より大きい場合感光層との親和性が悪くな
る傾向にある。
【0043】また、ポリビニルアルコールの誘導体とし
ては、鹸化度が上記範囲内であり、水あるいは水混和性
有機溶剤と水との混合物に可溶なものが使用することが
出来る。この様な誘導体の例としては、例えばポリビニ
ルアルコールを部分的にアセタール化したもの、4級ア
ンモニウム塩によりカチオン変性した変成ポリビニルア
ルコール、あるいはスルホン酸ソーダ等によりアニオン
変成したもの等が挙げられる。
【0044】尚、本発明では、通常、上記高分子化合物
を2種以上含有するが、上記ポリビニルアルコール及び
その誘導体に於て、鹸化度や重合度が違うものは異種の
高分子化合物に該当する。本発明の保護層に含有され
る、ポリビニルアルコール及び/又はポリビニルアルコ
ール誘導体以外の高分子化合物としては、水又は水と水
混合性有機溶剤との混合溶媒に可溶なあらゆる高分子化
合物の使用が可能であるが、酸素遮断性や感光層との親
和性の点で、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン
系共重合体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルエチルセルロース等の水溶性セルロース誘導体
等が挙げられる。ビニルピロリドン系共重合体を構成す
る共重合成分としては、酢酸ビニル、アクリル酸、メタ
クリル酸及びそれらのエステル等が挙げられるが、ビニ
ルピロリドンの構成成分が50mol%以上であるのが
水溶性の点で好ましい。
【0045】本発明の保護層に用いるポリビニルアルコ
ール又はポリビニルアルコール誘導体やこれら以外の高
分子化合物の重量平均分子量は0.2万〜50万が好ま
しく、より好ましくは0.4万〜10万である。上記の
範囲より小さい場合は保護層の強度が弱くなり、大きい
場合は水溶解性が悪化する傾向にある。水又は水混合性
有機溶剤との混合溶媒に可溶な少なくとも2種の以上の
高分子化合物を併用する場合の保護層中における割合
は、合計して80重量%以上99.5%以下、好ましく
は90重量%以上99.5%以下である。含有される複
数の高分子化合物の含有割合は適宜選定しうるが、混合
している各高分子化合物の特性を効果的に発現するため
には保護層中における割合がそれぞれ5重量%以上であ
る。又、主体となるポリビニルアルコール又はポリビニ
ルアルコール誘導体100重量部に対し、併用する他の
高分子化合物(併用する他のポリビニルアルコール又は
ポリビニルアルコール誘導体も含む)は、2〜100重
量部、好ましくは10〜100重量部であるのが好まし
い。この範囲であると感光層との密着性、保存性等が特
に良好である。
【0046】本発明の保護層は更に、下記一般式(1)
で表される構造の化合物を保護層全体に対し、例えば
0.05〜10重量%含有する必要がある。
【0047】
【化8】R1 −O−R2 −O−R3 (1)
【0048】(一般式(1)中、R1 及びR3 は独立に
水素原子又は置換基を有していても良い炭素数1〜3の
アルキル基、R2 は水酸基又は炭素数1〜3のアルコキ
シ基で置換されていても良い炭素数2〜6の2価の脂肪
族飽和又は不飽和炭化水素基を示す。)
【0049】この含有量は好ましくは0.3重量%以
上、5重量%以下である。該化合物を含有することで、
ポリビニルアルコール及び/又はポリビニルアルコール
誘導体を含む高分子化合物の混合によって発生する雪片
状の欠陥を緩和する効果があり、この効果は添加量が多
いほど顕著ではあるものの、多く加えすぎた場合、保護
層自体が軟化してしまい充分な酸素遮断性が得られなか
ったり、キズが付き易くなったりといった問題が生じて
くるため上記の範囲が選ばれる。
【0050】上記一般式(1)で表される構造の化合物
は沸点は120℃(760mmHg)以上、好ましくは
150℃(760mmHg)以上であるのが好ましい。
沸点120℃より低温の場合、塗布後の乾燥時に蒸発し
てしまい、所望の効果が十分に現れない。上記一般式
(1)で表される化合物の中でも、R1 及びR2 が水素
原子であり、R2 が1〜2個の水酸基で置換されていて
もよい炭素数2〜6のアルキレン基であるのが好まし
い。式(1)の化合物の具体例としてはグリセリン、
1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、
2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、
2−ブテン−1,4−ジオール、へキシレングリコー
ル、1,2,6−ヘキシレントリオール、ジエチレング
リコールエチルエーテル等が挙げられるがこれらに限定
はされない。これらの中でもポリビニルアルコールとの
親和性、安全性等の点からグリセリン及び、1,3−ブ
タンジオールが特に好ましい。
【0051】これら一般式(1)で表される構造の化合
物が、雪片状の欠陥の抑制に効果を表すメカニズムの詳
細は不明であるが、保護層の乾燥による収縮を抑制する
と推定される。本発明の保護層には前記の各構成成分の
他にその性能を損わない範囲で、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル等のノニオン性界面活性剤、ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアニオン性界
面活性剤、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド
等のカチオン性界面活性剤、その他消泡剤、琥珀酸等の
酸、色素、可塑剤、pH調整剤等の他の物質を含有する
ことが出来る。
【0052】以上述べた各種添加剤の好ましい含有量
は、保護層中に10重量%以下、より好ましくは5重量
%以下である。本発明の保護層の乾燥膜重量は1g/m
2 以上10g/m2 以下が好ましく、より好ましくは2
〜7g/m2 である。1g/m2 以下では光重合性感光
材料の感度が低くなり、一方10g/m2 を越えると現
像性が悪くなる傾向がある。
【0053】本発明の保護層は、水またはこれと水混和
性有機溶剤との混合溶媒に溶解して感光層上に塗布、乾
燥して塗設される。水混和性有機溶媒としてはアセト
ン、エタノール、メタノール、2−メトキシエタノー
ル、2−エトキシエタノール、メチルエチルケトン、2
−プロパノール、1−プロパノール、イソブチルアルコ
ール、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられるが
これに限定されるものではない。
【0054】塗布方法としては、感光層と同様に周知の
塗布方法により塗布することが可能である。上記の如く
して得られた本発明の光重合性感光材料の露光光源とし
ては、公知の露光光源が適用され、例えば、カーボンア
ーク、高圧水銀燈、キセノンランプ、メタルハライドラ
ンプ、蛍光ランプ、タングステンランプ、ハロゲンラン
プ、ヘリウムカドミウムレーザー、アルゴンイオンレー
ザー、YAGレーザー、ヘリウムネオンレーザー等が挙
げられるが、レーザー光を用いるものが特に好ましい。
【0055】本発明の光重合材料はかかる光源にて露光
を行った後、現像液により現像される。現像液の成分と
してはアルカリ剤、有機溶剤、界面活性剤等が挙げられ
るが、これらに限定されるものではない。現像は、ディ
ップ現像、スプレー現像等、公知の方法により行なわ
れ、現像液で処理する前に、保護層のみを水等で前もっ
て除去しても良い。また必要に応じて、画像を安定させ
る目的で、公知の方法で現像前に加熱処理を行っても良
い。又、同様の目的で現像後に再露光を行なっても良
い。
【0056】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例により限定されるもの
ではない。
【0057】支持体−1の作成 アルミニウム版を3%水酸化ナトリウムにて脱脂し、こ
れを18.0g/l硝酸浴中で25℃、80A/dm2
の電流密度で15秒間エッチングし、その後50℃の1
%水酸化ナトリウム水溶液で5秒間デスマット処理を行
い、次に25℃の10%硝酸水溶液で5秒間中和した。
水洗後30%硫酸浴中で30℃、10A/dm2 の条件
で16秒間陽極酸化し、水洗、乾燥して支持体−1を得
た。
【0058】高分子結合剤−1の合成 メチルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/イ
ソブチルアクリレート/メタアクリル酸=35/20/
10/35mol%(仕込み比)の共重合体、Mw=7
万(以下「幹樹脂−1」と略す。)を200重量部、下
記脂環式エポキシ含有不飽和化合物75重量部、
【0059】
【化9】
【0060】p−メトキシフェノール2.5重量部、テ
トラブチルアンモニウムクロライド8重量部、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート800重量
部を反応容器に中に加え、110℃、24時間空気中で
撹拌反応させて高分子結合剤−1(酸化60、幹樹脂−
1のメタアクリル酸成分全体の6割に不飽和基が反応)
溶液を得た。
【0061】高分子結合剤−2の合成 α−メチルスチレン/アクリル酸の共重合体(商品名
“SCX−690”Johnson社製、酸化240、
Mw=1.5万)を855重量部、下記脂環式エポキシ
含有不飽和化合物490重量部、
【化10】
【0062】p−メトキシフェノール1.3重量部、テ
トラエチルアンモニウムクロライド4.3重量部、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテルアセテート180
0重量部を反応容器中に加え、120℃、15時間空気
中で撹拌反応させて高分子結合剤−2(酸価約170、
SCX−690のメタアクリル酸成分全体の約5割に不
飽和基が反応。)溶液を得た。
【0063】実施例1〜8および比較例1〜8 下記光重合性感光層塗布液−1を上記支持体−1にバー
コーターを用いて乾燥膜厚2g/m2 となるように塗布
乾燥した。
【0064】光重合性感光層塗布液−1 日本化薬(株)製 PM−2*1 5 重量部 新中村化学(株)製 UA−306H*2 25 重量部 日本化薬(株)製 DPHA*3 25 重量部 上記の高分子結合剤−1 40 重量部 上記の高分子結合剤−2 5 重量部 下記構造(A)の化合物 2.0 重量部 下記構造(B)のチタノセン化合物 10 重量部 2−メルカプトベンゾチアゾール 5.0 重量部 N,N−ジメチル安息香酸エチルエステル 10 重量部 銅フタロシアニン顔料 3.0 重量部 シクロヘキサノン 1090 重量部
【0065】
【化11】
【0066】
【化12】
【0067】
【化13】
【0068】
【化14】
【0069】
【化15】
【0070】更にこの上に、下記の保護層塗布液−1〜
17をバーコーターを用いて表−1に示した乾燥膜厚で
塗布乾燥し、感光性平版印刷版1〜17を作成した。保
護層塗布時の室内の環境は20℃、40%であった。得
られた感光性平版印刷版について、以下の項目について
評価した。その結果を表−1に示す。
【0071】保護層塗布液−1〜17 表−1の保護層成分 10重量部 NC−95(ライオン社製、界面活性剤) 0.02重量部 水 87重量部 エタノール 3重量部
【0072】〈DT保存安定性〉感光性平版印刷版を温
度55℃、湿度10%の恒温恒湿槽に一定期間(1週間
・2週間・3週間)保存後の版面の状態を確認し、目視
で雪片状の欠陥が認められたものは×、全く認められな
いものを○として判定した。〈高温高湿下保存安定性〉
感光性平版印刷版を温度35℃、湿度80%の倉庫に合
い紙をはさんで積み上げた状態で保存をし、1ヶ月後の
保護層の表面の状態、縁の状態を観察した。評価基
準は、に関しては、○;合い紙の貼り付いた跡が全く
見られない。△;合い紙の貼り付いた跡が見られる。
×;合い紙の貼り付きによって感光層にまでダメージ
(剥がれ)が見られる。に関しては、○;めくれが全
く見られない。△;わずかにめくれが見られる。×;完
全にめくれ上がっており、感光層表面が露出している。
【0073】〈鉛筆硬度〉保護層の感光層との接着性の
指標として、下記鉛筆硬度を評価した。即ち、鉛筆引っ
掻き試験機(丸菱科学機械製作所(株)製)にて、6H
の硬度の鉛筆を用いて100gの荷重をかけて、保護層
の上から感光性平版印刷版を引っ掻き、その時の保護層
のやられ具合を評価した。評価基準は次の通りである。
○:全く保護層表面にやられはみられない。△:保護層
が剥離はしていないがキズが見られる。×:保護層が剥
離している。
【0074】〈感度〉感光性平版印刷版を回折分光照射
装置(ナルミ社製、RM−23)を用いて露光後、自動
現像機HL−860X(三菱化学(株)製)を用いて、
下記現像液−1で現像処理を行い、得られた硬化画像の
高さより、波長488nmの光量による光硬化に要する
エネルギー量を求めた。尚、現像液温は30℃、搬送速
度は60cm/minで行った。
【0075】現像液−1 珪酸カリ(JIS A珪酸カリ) 3重量% ペレックスNBL(花王(株)製) 5重量% (アルキルナフタレンスルフォン酸ナトリウム;含有率35%) 水 92重量%
【0076】尚、表−1中での保護層成分はそれぞれ以
下のものを表す。 (1) ポリビニルアルコール GL−03;鹸化度=約8
8mol%、重合度=約300(日本合成化学(株)
製) (2) ポリビニルアルコール GL−05;鹸化度=約8
8mol%、重合度=約500(日本合成化学(株)
製) (3) ポリビニルアルコール NL−05;鹸化度=9
8.5mol%以上、重合度=約500(日本合成化学
(株)製) (4) カルボン酸変成ポリビニルアルコール OKS−9
127;鹸化度=約80mol%、重合度=約300
(日本合成化学(株)製) (5) ポリビニルピロリドン K30:重量平均分子量=
約4万(東京化成工業(株)製) (6) ビニルピロリドン/酢酸ビニル(mol比=7/
3)共重合体;重量平均分子量=約4万 (7) カルボキシメチルセルロース CMCダイセル12
01(ダイセル化学工業(株)製) (8) ヒドロキシプロピルエチルセルロース メトローズ
65SH50(信越化学(株)製) (9) ポリアクリル酸;重量平均分子量=約5万 (10)グリセリン (11)1,3−ブタンジオール
【0077】
【表1】
【0078】
【発明の効果】本発明により、光重合性感光材料の保護
層が特に、ポリビニルアルコールはその誘導体を2種以
上併用又は他の高分子化合物と併用していても乾燥下・
多湿下で共に表面に欠陥が生ぜず、保存安定性が良好か
つ耐久クラッチ性、接着性が良好で、感度も良好な光重
合性感光材料が提供される。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、光重合性感光層及び保護層
    が順次積層されてなり、保護層がポリビニルアルコール
    又はポリビニルアルコール誘導体を含有する光重合性感
    光材料に於いて、該保護層が下記一般式(1)で表され
    る化合物を含有することを特徴とする光重合性感光材
    料。 【化1】R1 −O−R2 −O−R3 (1) (一般式(1)中、R1 及びR3 は独立に水素原子又は
    置換基を有していても良い炭素数1〜3のアルキル基、
    2 は水酸基又は炭素数1〜3のアルコキシ基で置換さ
    れていても良い炭素数2〜6の2価の脂肪族飽和又は不
    飽和炭化水素基を示す。)
  2. 【請求項2】 一般式(1)で表される化合物の保護層
    中の含有量が0.05〜10重量%である請求項1記載
    の光重合性感光材料。
  3. 【請求項3】 一般式(1)で表される化合物の沸点が
    120℃(760mmHg)以上であることを特徴とす
    る請求項1又は2記載の光重合性感光材料。
  4. 【請求項4】 一般式(1)の化合物がグリセリン又は
    1,3−ブタンジオールであることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載の光重合性感光材料。
  5. 【請求項5】 保護層が水又は、水と水混合性有機溶剤
    との混合溶媒に可溶な2種以上の高分子化合物を含有し
    ていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    の光重合性感光材料。
  6. 【請求項6】 光重合性感光層が、高分子結合剤、エチ
    レン性不飽和二重結合を少なくとも1個有する付加重合
    可能な化合物及び光重合開始剤を含有する請求項1〜5
    のいずれかに記載の光重合性感光材料。
  7. 【請求項7】 光重合開始剤がヘキサアリールビイミダ
    ゾール類又はチタノセン化合物を含むことを特徴とする
    請求項6に記載の光重合性感光材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003098674A (ja) * 2001-09-21 2003-04-04 Fuji Photo Film Co Ltd 光重合性平版印刷版

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