JP2000009054A - 歯車ポンプおよび燃料供給装置と歯車モータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】歯車ポンプ、燃料供給装置および歯車モータに
おいて、加工を容易にし且つ高い精度が得られるように
して生産性を高め、漏れおよび摺動抵抗を減少して高効
率、小型軽量、安価で信頼性の高いものとすること。 【解決手段】対向した平面部を有する側板６、７と、側
板６、７の平面部の間に回転可能に挟設され且つ囲まれ
た空間内で互いに噛み合って流体を吐出する一対の外接
歯車３、４と、歯車３、４の歯先外周面にに接するシー
ルブロック５とを備えた歯車ポンプにおいて、側板６、
７を歯車３、４の歯先外周面よりも半径方向外側に延長
してシールブロック５を歯車３、４とともに挟設し、歯
車３、４とシールブロック５と側板６、７とで囲まれた
空間を側板６、７に設けた低圧吸込み側に連通し、吸込
部に連通した空間以外の空間は高圧吐出し側に連通す
る。。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は歯車ポンプおよび燃
料供給装置と歯車モータに関する。

【０００２】

【従来の技術】燃料を加圧してエンジンに供給するため
の燃料供給装置には、ガソリン等の極めて粘度の低い流
体でも高圧で吐出でき、しかも、漏れが少なくて効率の
高いポンプが必要である。特に、直噴ガソリンエンジン
の燃料供給ポンプでは、水の２分の１以下、一般の油圧
作動油の約１００分の１という極めて低粘度のガソリン
を、エンジンの圧縮工程でも吹込めるように１０ＭＰａ
を超えるほどの高い圧力で吐出しなければなたないた
め、極力漏れを少なくして高い容積効率を実現しなけれ
ばならない。また、エンジンルーム内に機器を効率良く
配置するため、燃料ポンプの小形化も求められている。

【０００３】これに対し、従来の歯車ポンプは、例え
ば、特公昭４５−１６３００号公報に記載されているよ
うに、密封されたケーシング内で互いにかみ合う外接歯
車の歯先シールを行うシールブロックをケーシングと別
個で、かつ、低圧噛み合い部近傍に設けて、このシール
ブロックに油流通孔を形成した構成が採られている。こ
の種の歯車ポンプにおける側板とシールブロックの構成
は、図１７に示すように、側板２０１に歯車２０３、２
０４の歯先円よりもわずかに小さい半径の二つの凸形状
の部分円筒面を設ける一方、シールブロック２０５を歯
車と両側板にまたがる厚さにして、歯車側の面をシール
ブロックの部分円筒面に当接する二つの凹形状の部分円
筒面とすることによって、シールブロックを両側板と歯
車にラジアル方向から押し当てて低圧の吸込ポート部２
０６と吐出ポート部２０７に至る高圧部の間をシールす
る構成が採られていた。また、両側板の反歯車側の面に
は、側板とシールブロックにまたがって吸込ポート部を
囲む形状のシール部材を設ける構成が採られていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の歯車ポ
ンプでは、シールブロックと両側板の間のシール面が部
分円筒面であるため、シールブロックに設けた凹の面
と、両側板に設けた凸の面の形状を高い精度で一致させ
ることは加工上非常に難しい。しかも、シールブロック
側に２面、両側板に２面ずつ、合計６面の部分円筒面を
加工する必要がある上、シールブロックと両側板の各々
に形成する２ヶ所ずつの部分円筒面の位置精度や、側板
における部分円筒面とラジアル軸受面の距離の精度等も
厳しく管理しなければならない。その上、これらのシー
ル面は歯車が摺動する面と直角に設けられているので直
角度も要求される。また、シールブロックは組立て後初
期の運転の際に歯車の歯先でわずかに削ることによって
歯先円に合わせてシール性を高めるので、シールブロッ
クを製作する際にはこれらの部分円筒面の曲率半径を歯
先円よりもわずかだけ小さい寸法に仕上げなければなら
ない。このように多くの寸法を厳しく管理しなければな
らない加工は非常に困難であり、大変手間がかかる上に
高い精度が得にくく、シールブロックと両側板の間のシ
ール面に隙間ができやすいという問題があった。

【０００５】また、両側板の反歯車側に設けたシール部
材がシールブロックと側板にまたがる構成であるため、
上記のように、シールブロックと両側板の間に隙間がで
きると良好にシールできないという問題が生ずる。

【０００６】さらに、歯車の回転摺動に伴って側板に作
用する回転力をシールブロックの反歯車側の面でケーシ
ングに伝えることによって支持しているが、シールブロ
ックが両側板にまたがる長さであるため、シールブロッ
クが傾いたり、両側板の部分円筒シール面とラジアル軸
受面の距離に誤差があったりすると、これによってもシ
ールブロックと両側板の間に隙間が生じてしまう。

【０００７】このように、上記従来技術では、シールブ
ロックと両側板の間に隙間ができやすいため、漏れが発
生して高い容積効率が得にくいという問題があった。特
に、エンジンの燃料供給ポンプに用い、これをエンジン
で駆動する構成とした場合には、回転数が低くて吐出量
が小さい領域では、吐出量に対して漏れ量が大きいため
に十分な吐出圧が得られなくなり、エンジンを始動でき
ない、アイドリングが不安定になる等の重大な問題が生
じていた。あるいは、これらの短所を克服して低回転域
でも十分な吐出圧を得るためにはポンプの吐出量を大き
くしなければならないため、高回転域では過剰に吐出す
ることになり、エネルギー損失が増して燃費が低下す
る、燃圧を調整する圧力制御弁からのリリーフ流量が増
して発熱する等の問題も生じていた。

【０００８】なお、従来の歯車ポンプとして、ケーシン
グの間に歯車とシールブロックとを単に挟持したものが
特開昭４８―４１３０８号公報および特開昭５２―１２
６５０９号公報に記載されているが、歯車とシールブロ
ックとケーシングで囲まれた空間が高圧側に連通し、こ
れ以外の空間が低圧側に連通したものであり、歯車とシ
ールブロックと側板とで囲まれた空間が側板に設けた低
圧吸込み側に連通し、吸込部に連通した空間以外の空間
が高圧吐出し側に連通したものとは全く相違するもので
ある。

【０００９】本発明は、加工が容易で、且つ高い精度が
得られ、これにより生産性が高く、漏れが少なく、摺動
抵抗が少なく、従って高効率、小型軽量、安価で信頼性
の高い歯車ポンプ、燃料供給装置および歯車モータを得
ることを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の第１の特徴は、対向した平面部を有する側板
と、前記側板の平面部の間に回転可能に挟設され、且つ
囲まれた空間内で互いに噛み合って流体を吐出する一対
の外接歯車と、前記歯車の歯先外周面にに接するシール
ブロックとを備えた歯車ポンプにおいて、前記側板は、
前記歯車の歯先外周面よりも半径方向外側に延長して前
記シールブロックを前記歯車とともに挟設し、前記歯車
と前記シールブロックと前記側板とで囲まれた空間は前
記側板に設けた低圧吸込み側に連通し、前記吸込部に連
通した空間以外の空間は高圧吐出し側に連通したことに
ある。

【００１１】本発明の第２の特徴は、閉鎖空間を形成す
るケーシングと、対向した平面部を有する側板と、前記
側板の平面部の間に回転可能に挟設され、且つ前記閉鎖
空間内で互いに噛み合って流体を吐出する一対の外接歯
車と、前記歯車の歯先外周面にに接するシールブロック
とを備えた歯車ポンプにおいて、前記側板は、前記歯車
の歯先外周面よりも半径方向外側に延長して前記シール
ブロックを前記歯車とともに挟設し、且つ少なくとも一
方が前記ケーシングとは別体の側板で構成して前記歯車
の軸方向に移動可能に設け、前記歯車と前記シールブロ
ックと前記側板とで囲まれた空間は前記側板に設けた低
圧吸込み側に連通し、前記吸込部に連通した空間以外の
前記閉鎖された空間は高圧吐出し側に連通したことにあ
る。

【００１２】本発明の第３の特徴は、閉鎖空間を形成す
るケーシングと、対向した平面部を有する側板と、前記
側板の平面部の間に回転可能に挟設され、且つ前記閉鎖
空間内で互いに噛み合って流体を吐出する一対の外接歯
車と、前記歯車の歯先外周面にに接するシールブロック
とを備えた歯車ポンプにおいて、前記側板は、前記歯車
の歯先外周面よりも半径方向外側に延長して前記シール
ブロックを前記歯車とともに挟設し、且つ前記ケーシン
グとは別体の側板で構成して前記歯車の軸方向に移動可
能に設け、上下対称部品を反対向きに組込み、前記歯車
と前記シールブロックと前記側板とで囲まれた空間は前
記側板に設けた低圧吸込み側に連通し、前記吸込部に連
通した空間以外の前記閉鎖された空間は高圧吐出し側に
連通したことにある。

【００１３】本発明の第４の特徴は、閉鎖空間を形成す
るケーシングと対向した平面部を有する側板と、前記側
板の間に回転可能に挟設され、且つ閉鎖された空間内で
互いに噛み合って流体を吐出する一対の外接歯車と、前
記歯車の歯先外周面にに接するシールブロックとを備え
た歯車ポンプにおいて、前記側板は、前記歯車の歯先外
周面よりも半径方向外側に延長して前記シールブロック
の側面を前記歯車とともに挟設し、前記歯車と前記シー
ルブロックと前記側板とで囲まれた空間は前記側板に設
けた低圧吸込み側に連通し、前記吸込部に連通した空間
以外の前記密閉された空間は高圧吐出し側に連通し、前
記シールブロックの反歯車側外周面を前記高圧側空間内
に配したことにある。

【００１４】本発明の第５の特徴は、対向した平面部を
有する側板と、前記側板の平面部の間に回転可能に挟設
され、且つ囲まれた空間内で互いに噛み合って流体を吐
出する一対の外接歯車と、前記歯車の歯先外周面にに接
するシールブロックとを備えた歯車ポンプにおいて、前
記シールブロックは、前記歯車側に押圧され、且つ歯車
側への移動量を制限する手段を備え、前記側板は、前記
歯車の歯先外周面よりも半径方向外側に延長して前記シ
ールブロックを前記歯車とともに挟設し、前記歯車と前
記シールブロックと前記側板とで囲まれた空間は前記側
板に設けた低圧吸込み側に連通し、前記吸込部に連通し
た空間以外の前記密閉された空間は高圧吐出し側に連通
したこことにある。

【００１５】本発明の第６の特徴は、対向した平面部を
有する側板と、前記側板の平面部の間に回転可能に挟設
され、且つ密封された空間内で互いに噛み合って流体を
吐出する一対の外接歯車と、前記歯車の歯先外周面にに
接するシールブロックとを備えた歯車ポンプにおいて、
前記シールブロックは前記歯車よりも所定の厚み差だけ
厚く形成し、前記歯車の反シールブロック側の挟設部材
の間には前記シールブロックとほぼ同じ厚さのスペーサ
を設けた前記側板は、前記歯車の歯先外周面よりも半径
方向外側に延長して前記シールブロックを前記歯車とと
もに挟設し、前記歯車と前記シールブロックと前記対向
平面部とで囲まれた空間は挟設部材に設けた低圧吸込み
側に連通し、前記吸込部に連通した空間以外の前記密閉
された空間は高圧吐出し側に連通したことにある。

【００１６】本発明の第７の特徴は、ガソリン等の燃料
を収納した燃料タンクと、前記燃料タンクから燃料を燃
料供給ポンプに供給するフィードポンプと、前記燃料タ
ンクからの燃料を昇圧して燃料噴射弁に供給する燃料供
給ポンプと、前記燃料噴射弁に供給される燃料の燃圧を
制御する圧力制御手段とを備えた燃料供給装置におい
て、前記燃料供給ポンプは、対向した平面部を有する側
板と、前記側板の平面部の間に回転可能に挟設され、且
つ囲まれた空間内で互いに噛み合って流体を吐出する一
対の外接歯車と、前記歯車の歯先外周面にに接するシー
ルブロックとをケーシング内に備え、前記燃料供給ポン
プの側板を前記歯車の歯先外周面よりも半径方向外側に
延長して前記シールブロックを前記歯車とともに挟設す
るとともに、前記燃料供給ポンプの歯車と前記シールブ
ロックと前記側板とで囲まれた空間を前記側板に設けた
吸込みポートに連通し、前記燃料供給ポンプの吸込部に
連通した空間以外の前記ケーシング内の高圧吐出し空間
を吐出しポートに連通し、前記燃料供給ポンプの吸込み
ポート側と前記フィードポンプ吐出し側とを連通し、前
記燃料供給ポンプの吐出しポート側と前記燃料噴射弁の
吸込み側とを連通したことにある。

【００１７】本発明の第８の特徴は、対向した平面部を
有する側板と、前記側板の平面部の間に回転可能に挟設
され、且つ囲まれた空間内で互いに噛み合って流体を吐
出する一対の外接歯車と、前記歯車の歯先外周面にに接
するシールブロックとを備えた歯車モータにおいて、前
記側板は、前記歯車の歯先外周面よりも半径方向外側に
延長して前記シールブロックを前記歯車とともに挟設
し、前記歯車と前記シールブロックと前記側板とで囲ま
れた空間は前記側板に設けた低圧吐出しみ側に連通し、
前記吸込部に連通した空間以外の空間は高圧吸込み側に
連通したことにある。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の歯車ポンプの一実
施例を図１ないし図４を用いて説明する。

【００１９】ケーシングは、平板状ケーシング１の一側
面に円筒状ケーシング２の開口端をシール部材を介して
当接して構成され、内部に閉鎖空間が形成されている。
この閉鎖空間内には、駆動歯車３、従動歯車４、シール
ブロック５および側板６、７が設けられている。駆動歯
車３と従動歯車４は、密閉空間の中央部に互いに噛み合
って流体を吐出するように設けられ、一対の外接歯車が
構成される。シールブロック５は、歯車３、４とほぼ同
じ厚さに成形され、歯車３、４の歯先外周面にそれぞれ
接触する円弧面部分を有して配置されている。側板６、
７は、ケーシング１、２と歯車３、４との間に配置さ
れ、歯車３、４側に対して対向する平面部を有して歯車
３、４の側板として構成されている。歯車３、４は、側
板６、７間に回転可能に挟設されている。側板６、７
は、歯車３、４の歯先外周面よりも半径方向外側に延長
され、歯車３、４とともにシールブロック５の両側面の
一部も挟設している。

【００２０】歯車３、４とシールブロック５と側板６、
７とで囲まれた空間は、低圧吸込み側に連通されてい
る。すなわち、この空間は、側板６、７に形成された貫
通孔１０、１１を介して吸込ポート８に連通されてい
る。この低圧吸込み側に連通した空間以外の閉鎖空間は
高圧吐出し側空間を構成している。この高圧吐出し側空
間はケーシング１に形成された吐出ポート９に連通され
ている。この吐出ポート９は歯車３、４から見てシール
ブロック５とは反対側の位置に設けられている。駆動歯
車３の両側に突出する軸１２、１３は、側板６、７に設
けた軸受１６、１７、さらにはケーシング１、２に設け
た軸受２０、２１に回転自在に嵌合されている。入力軸
を成す軸１２の一端は、ケーシング１から外部へ突出し
ており、ケーシング１の出口部分にはシール２２が設け
られている。従動歯車４の両側に突出する軸１４、１５
は、側板６、７に設けた軸受１８、１９に回転自在に嵌
合されている。

【００２１】シールブロック５は、歯車３、４に接触す
る部分から所定距離の位置に２個の孔が設けられ、この
孔に円柱ピン２３、２４が嵌合して固定されている。こ
のピン２３、２４は、シールブロック５の両側に突き出
されている。側板６、７は、シールブロック側が開き反
対側が閉じた形状の溝２５、２６、２７、２８が設けら
れている。ピン２３、２４はこの溝２５、２６、２７、
２８に係合されている。但し、初回の運転の前には、シ
ールブロック５が歯車３、４の歯先に接した状態でピン
２３、２４が溝２５、２６、２７、２８からわずかに離
れるように構成されている。

【００２２】側板６、７は、歯車３、４の歯先がシール
ブロック５から出て吐出ポート側に至るまでのおよそ半
周する間の部分が歯の側面と接しないように歯車中心部
よりも外側部分を若干削り取られている。側板６、７
は、反歯車側の側面に、軸受１６、１８および１７、１
９の反歯車側の端部と貫通孔１０、１１とを接続する溝
２９、３０が設けられている。弾力性を有するシール部
材３１、３２は、側板６、７とケーシング１、２との間
に配置され、貫通孔１０、１１、溝２９、３０および軸
受１７、１９の端部を囲むように設けられ、その内部を
低圧側に外部を高圧側に区切っている。さらに、側板７
側の軸受１７、１９の内周面には歯車側と反歯車側を連
通させる溝３３、３４が設けられている。また、側板
６、７は、単品形状において上下対称であり、一種類の
部品を反対の向きにして両側の側板６、７に利用するこ
とが可能で、生産性が著しく良好である。側板６の反歯
車側には、シール部材３１がシール部材３２と同様に設
けられている。さらに、ピン３５は、一端がケーシング
１に埋め込まれ、他端がケーシング１の側面から突出し
て側板の外周面に当接して設けられ、側板６の回転を規
制するようになっている。尚、歯車３と４がかみ合う部
分には閉じ込みを防止するための逃げ溝を設けてある。

【００２３】而して、歯車３、４が図３の矢印の向きに
回転すると、流体は、図３の右側の体積が膨張過程にあ
る噛み合い部の吸引作用によって吸込ポート８から吸込
まれ、左側の収縮過程にある噛み合い部の圧縮作用によ
って昇圧され、吐出ポート９から吐出される。すなわ
ち、吸込ポート８とシール部材３１、３２の内側は低圧
側であり、歯車３、４の歯先がシールブロック５に接す
る部分で次第に圧力が上昇し、その外側のケーシング内
部は全て高圧側となる。このため、シールブロック５
は、この吐出圧力によって歯車３、４に向かって押付け
られ、歯先からの漏れを防止する。

【００２４】側板６、７と歯車３、４との間の面は、軸
受１６、１７、１８、１９の内周部が低圧吸込み側に連
通して低圧になるので、この内周部に向かって次第に低
下する圧力分布を持つ。また、シールブロック５と側板
６、７の間の面は、外側から内側に向かって次第に低下
する圧力分布となる。この側板６、７と歯車３、４およ
びシールブロック５との間の圧力によって側板６、７を
歯車３、４およびシールブロック５から引離す力よりも
反歯車側のシール部材３１、３２の外側の圧力によって
側板６、７を歯車３、４およびシールブロック５に向か
って押付ける力の方が若干大きくなるようにシール部材
３１、３２の形状が決められている。すなわち、側板
６、７は歯車３、４とシールブロック５を両側から押圧
する可動側板として機能する。

【００２５】本実施例の歯車ポンプによれば、側板６、
７は、歯車３、４の歯先外周面よりも半径方向外側に延
長され、歯車３、４とともにシールブロック５の両側面
も挟設されているので、シールブロック５と側板６、７
の間のシール面が平面で２ヶ所となり、従来のシール面
が円弧面のものに比して、加工を格段に容易にすること
ができるとともに、高い精度が容易に得られ、シール面
の隙間を狭くすることができる。これによって、歯車ポ
ンプの生産性を向上することができるとともに、シール
ブロック５と側板６、７とのシール面からの流体の漏れ
を減少できる。この流体の漏れの減少によって、高い容
積効率が得られるので、ポンプの小型軽量化、コスト低
減および効率向上を図ることができる。特に、ガソリン
等の極めて粘度の低い流体を加圧し、低い回転数で吐出
量が小さい領域から高い回転数で吐出量が大きい領域ま
で運転されるエンジンの燃料供給ポンプとして前記歯車
ポンプを用いた場合でも、かかる効果を奏するので、直
噴ガソリンエンジン用の高圧燃料供給ポンプとして前記
歯車ポンプを使用することができる。

【００２６】その上、シールブロック５の歯先シール面
を成す部分円筒面は後で歯先で削ってしまうので、前述
の従来技術のシールブロックにように、隙間を防ぐため
の高精度な加工は必要ない。

【００２７】さらに、側板６、７は、ケーシングとは別
体に歯車の軸方向に移動可能に設けられ、側板６、７の
配置された空間が高圧側に連通されているので、歯車
３、４およびシールブロック５に対して隙間がなくなる
ように押付けられ、これによっても流体の漏れを減少す
ることができる。

【００２８】シールブロック５は、その反歯車側外周面
が高圧側空間内に配置されているので、運転を開始する
と、そのシール面が吐出圧力によって歯車側に押付けら
れる。これによって、シールブロック５と歯車３、４の
外周面とのシールを確実に行うことができる。初回の運
転開始の際は、シールブロック５は、歯車３、４の歯先
で削られて歯車側へ移動していくが、この移動量を制限
する手段を備えているので、この制限手段によって歯先
シール面の形成が終了し、必要以上に削られることはな
い。この制限手段は、シールブロック５の両側に突出す
るピン２３、２４が側板６、７に形成された溝２５、２
６、２７、２８に当たることにより構成され、初回の運
転前における溝２５、２６、２７、２８とピン２３、２
４の間隔はシールブロック５の歯先シール部を成す部分
円弧面の加工公差よりも若干大きい値となっている。こ
のようにすれば、最終的にシールブロック５の歯先シー
ル部が歯先円にぴたりと一致するようになり、歯先から
の漏れをより小さくすることができる。溝２５、２６、
２７、２８は、反歯車側が閉じた形状としているのでピ
ン２３、２４が抜け落ちることはない。なお、ピン２
３、２４をシールブロック５の孔に対してすきまばめと
すれば組立ても容易にすることができる。

【００２９】さらに、側板６、７は、歯車との摺動抵抗
力によって歯車３の回転方向と同じ向きに回転しようと
するが、ピン３５が側板６の回り止めとして機能し、側
板７を側板６に押付けて固定する構成としているので、
シール面に隙間ができて漏れることはない。その上、側
板６、７は同じ形状の部品としているので、製作時の工
具や型が１種類で済み、生産コストをさらに低減するこ
とができる。

【００３０】尚、側板６、７の溝３０を廃し、シール部
材３１、３２を、吸込ポート８に接続する貫通孔１０、
１１と溝２９と軸受１６、１７の端部だけを囲む形状と
してもよい。あるいは、側板６、７の溝２９も廃し、シ
ール部材３１、３２を、吸込ポート８に接続する貫通孔
１０、１１だけを囲む形状としてもよい。

【００３１】一方、側板６、７の回り止めは、図５また
は図６に示すように、ピン３５を廃してシールブロック
５の反歯車側がケーシング２に当接され、シールブロッ
ク５のピン２３、２４に側板６、７が当接される構成と
してもよい。あるいは、図７に示すように、シールブロ
ック５の反歯車側に円錐状の穴３６とボール３７を設
け、これがケーシングに当接されて回り止めする構成と
してもよい。このようにシールブロック５で回転力をケ
ーシング２に伝える構成としても、このシールブロック
５は歯車回転軸方向に短い形状なので、傾きが生じにく
い上、側板６、７が当接されてそれに沿うので、シール
ブロック５と歯車３、４とのシール面の隙間ができにく
いものである。

【００３２】次に、本発明の歯車ポンプの他の実施例を
図８と図９を用いて説明する。

【００３３】本実施例では、図１ないし図４に示した実
施例を次の通り変更したものである。シールブロック４
０は歯車３、４よりも所定の厚み差だけ厚く成形してい
る。側板４１、４２は吐出ポート側にも延ばした形状と
している。シールブロック４０と同等の厚さに成形した
スペーサ４３をピン４４で側板４１、４２の吐出ポート
側の間に固定してある。また、スペーサ４３とケーシン
グ４７との間に板ばね４５を設けて側板４１をピン３５
に押付けるようにしている。板ばね４５よりも小さいば
ね力を発生する板ばね４６をシールブロック４０の反歯
車側とケーシング４７との間に設けている。前記実施例
のケーシング２を円筒状ケーシング４７と平板状ケーシ
ング４８に分割している。円筒状ケーシング４７は、シ
ールブロック４０と側板４１、４２の厚さの合計値と同
じ寸法にしてある。

【００３４】本実施例の歯車ポンプによれば、シールブ
ロック４０とスペーサ４３を歯車３、４よりも所定の厚
み差だけ厚くしてあるので、側板４１、４２は、シール
ブロック４０とスペーサ４３に押付けられ、歯車３、４
との間にはシールブロック４０およびスペーサ４３と隙
間より大きい隙間が保たれる。これによって、歯車３、
４が側板４１、４２との間で摺動する面には適度な隙間
を持たせることができるので、摺動抵抗が減少して駆動
力が低減されるとともに、摩耗や発熱が防止され、長期
間にわたって高い信頼性が得られる。なお、この隙間の
厚さはシールブロック４０とスペーサ４３の歯車３、４
に対する厚み差を平面加工で仕上げる際に決まるので、
極めて高い精度で十分小さい隙間に管理することができ
る。従って、漏れ量を十分に小さく押えながら、前記効
果を奏することができる。

【００３５】また、板ばね４６がシールブロック４０を
歯車３、４の歯先に押圧しているので、起動時の昇圧性
能を高めることができる。板ばね４５がスペーサ４３と
ピン４４を介して側板４１、４２をピン３５に常に押付
けているため、起動時や停止時にも内部の部品は動か
ず、運転中に駆動力の変動や外部からの衝撃等の機械的
な外乱が生じても安定した性能を保てるようになる。

【００３６】さらに、ケーシング４７は、平面仕上によ
ってシールブロック４０と側板４１、４２の厚さの合計
値と同じ寸法にすればよいので、加工方法と寸法管理が
一層容易になるという効果もある。

【００３７】次に、本発明の歯車ポンプのさらに他の実
施例を図１０ないし図１２を用いて説明する。

【００３８】本実施例では、図８と図９に示した実施例
を次の通り変更したものである。側板５０は、接合や鋳
込み等の方法を用いてケーシング５２、５３に一体的に
結合し、固定側板の構成としてある。また、側板５０、
５１は、歯車と摺動する面を歯先円よりも全周にわたっ
て外側まで広げた形状としてある。吸込ポート５４と吐
出ポート５５は側板５０を貫通して設けられている。側
板５０、５１は固定されているので前述の実施例で用い
たシール部材３１と３２は必要ない。また、円筒状ケー
シング５６は歯車３、４よりも所定の厚み差だけ厚く成
形されたシールブロック５７と同じ厚さにしてある。側
板５０とケーシング５２および側板５１とケーシング５
３は、それぞれ一体に結合した後に円筒ケーシング５６
側の平面を同時に仕上げる方法を採っている。シールブ
ロック５７のピン５８と５９は、側板５０、５１を貫通
しケーシング５２、５３に及ぶ穴６０、６１、６２、６
３に隙間をもって嵌合している。

【００３９】本実施例の歯車ポンプによれば、図８と図
９に示した実施例と同様に、シールブロック５７および
スペーサ５６と歯車３、４との厚み差を高い精度で容易
に管理できとともに、側板５０、５１と歯車３、４の間
を極めて高い精度で十分小さい隙間に管理することがで
きるので、漏れ量を十分に小さく押えて高い容積効率を
実現しながら、摺動抵抗の低減、摩耗・発熱の防止、長
寿命等の効果を得ることができる。また、シール部材３
１、３２とこれを取付ける部分の加工が不要になるの
で、部品点数と加工工数が減少し、生産コストを一層低
減することができる。その上、側板を薄くできるので、
軸方向の寸法を小さく押えることができ、ポンプの小形
軽量化を図ることができる。

【００４０】尚、図１３に示すように、一方を可動側板
７０とし、他方を固定側板７１としてもよい。また、図
１４に示すように、歯車７２、７３と軸７４、７５を別
体で成形し、キー７６、７７を用いて結合する構成とし
てもよい。あるいは、図示していないが、側板に設けた
軸受とケーシングに設けた軸受を一体としてもよく、側
板の軸受を廃して側板で直接歯車の軸を支持する構成と
してもよい。

【００４１】さらに、以上に示した実施例のシールブロ
ックとスペーサを歯車よりも熱膨張係数の大きい材質と
すれば、運転によって温度が上昇した場合には歯車と側
板の間の隙間が増すため、漏れ量は増加するものの、逆
に潤滑や冷却の効果が高まるので、摩耗や焼き付き等の
不具合を防止することができ、高い信頼性を得ることが
できる。

【００４２】次に、本発明の歯車ポンプを用いたエンジ
ンの燃料供給装置の一実施例を図１５を用いて説明す
る。

【００４３】エンジン１００には、燃焼室内に燃料を噴
射する燃料噴射弁１０１ａ、１０１ｂ、１０１ｃ、１０
１ｄが設けてある。燃料は、まず燃料タンク１０２から
モータ１０３で駆動されるフィードポンプ１０４によっ
て０．２〜０．５ＭＰａ程の圧力に昇圧された後、高圧
燃料供給ポンプ１０５によってさらに加圧され、圧力制
御弁１０６によって３〜１２ＭＰａ程の所定の燃圧に調
整されて燃料噴射弁１０１ａ、１０１ｂ、１０１ｃ、１
０１ｄに供給される。この高圧燃料供給ポンプ１０５は
図１ないし図１４のいずれかに示した歯車ポンプであ
り、その吸込みポートがフィードポンプ１０４に連通さ
れ、吐出しポートが圧力制御弁１０６に連通され、エン
ジンのカムシャフト１０７の回転力によってカップリン
グ１０８を介して駆動される。圧力制御弁１０６は、圧
力センサ１０９からのフィードバック信号１１０を目標
値１１１と照らし合わせ、他のセンサからの情報１１２
を参照して制御指令１１３を圧力制御弁駆動回路１１４
に与え、これに基づいて圧力制御弁１０６を駆動して燃
圧を制御する。

【００４４】本実施例の燃料供給装置によれば、高圧燃
料供給ポンプ１０５の漏れが少なく、低回転域から高い
容積効率を得られるので、エンジン始動時やアイドリン
グ時等の低い回転数でも十分高い圧力で燃料を供給する
ことが可能となり、エンジンを確実に始動できるととも
に、より安定したアイドリング運転ができ、これにより
円滑に発進できる等の効果が得られる。従って、この燃
料供給装置を備えたエンジンを搭載した車両の運動性能
が向上する。また、低回転域での容積効率の低下を補う
ために吐出量の大きいポンプを選定する必要がなくなる
ので、高圧燃料ポンプとフィードポンプが小形のもので
済むとともに、常用回転域から高回転域で過剰な燃料を
吐出することがなくなり、エネルギー損失が低減して燃
費が向上し、圧力制御弁からのリリーフ流量が最小限に
抑えられキャビテーションや発熱を防止でき、圧力制御
弁の寿命が長くなる等の効果を得ることができる。さら
に、フィードポンプ１０４の吐出圧によって高圧燃料供
給ポンプ１０５の吸込ポートの圧力が燃料の飽和蒸気圧
よりも高く保たれるので、キャビテーションとこれによ
る壊食が防止され、高い性能と信頼性を長期間にわたっ
て保てるようになる。また、高圧燃料供給ポンプ１０５
は製作が容易で低コストなのでエンジンや車両のコスト
も低減できる上、小形で軽量なのでエンジンルーム内の
機器の配置が容易になる等の効果も得られる。

【００４５】次に本発明の燃料供給装置の他の実施例を
図１６を用いて説明する。

【００４６】本実施例では、図１５に示した実施例を次
のように変更したものである。高圧燃料供給ポンプ１０
５をモータ１２０で駆動する構成とし、圧力センサ１０
９からのフィードバック信号１１０を目標値１１１と照
らし合わせ、他のセンサからの情報１１２を参照して制
御指令１２１をモータ駆動回路１２２に与え、これに基
づいてモータ１２０の回転数を調整して燃料噴射弁１０
１ａ、１０１ｂ、１０１ｃ、１０１ｄに供給する燃料の
燃圧を制御する構成としている。

【００４７】本実施例の燃料供給装置によれば、所望の
燃圧に保つために必要最小限の流量だけを吐出するよう
になるので、圧力制御弁が不要になり異物かみ込みによ
る動作不良やキャビテーション壊食による性能低下等の
不具合発生を解消できる。その上、高圧燃料供給ポンプ
１０５の回転数をエンジンの回転数とは無関係に選定で
きるので、１種類のポンプで多機種のエンジンに対応で
きるようになり、ポンプの開発から生産、保守までのコ
ストが低減でき、量産効果によるポンプの生産コスト低
減の効果も一層大きくなる。

【００４８】尚、上記のように、本発明の歯車ポンプは
水の２分の１以下の粘度しかないガソリンでも高圧かつ
高効率に加圧供給できるので、水や食品、薬品等、他の
流体にも用いられる。勿論、本発明の歯車ポンプを油圧
装置の油圧源に用いれば、漏れが小さくて高い容積効率
が得られるので、より高い圧力で吐出することが可能と
なる。従って、これまでは２５ＭＰａ程が限界とされて
いた歯車ポンプの使用圧力を３０ＭＰａをも超える圧力
まで高めることが可能となり、ピストンポンプ等の高価
なポンプを用いていたシステムも低コストの歯車ポンプ
で済むようになってシステム全体のコスト低減を図るこ
とができる。

【００４９】次に、本発明の歯車モータについて説明す
る。前記図１から１４の構成の歯車ポンプについて説明
したが、同じ構成において吐出ポートに流体圧源から供
給される高圧の供給ポートを、吸込ポートにリザーバへ
至る低圧の戻りポートをそれぞれ接続して流体を流せ
ば、前記図中に示した矢印とは反対の向きに歯車が回転
して流体エネルギーを機械的な回転のエネルギーに変換
する歯車モータとして作用する。この歯車モータを用い
れば、小流量から大流量まで広い範囲にわたって高い効
率が得られるので、モータの起動、停止時の特性が向上
するとともに、小形化と低コスト化が図れる等の効果が
得られる。

【００５０】本発明において、ほかにいろいろな変形例
が可能なことはいうまでもない。

【００５１】

【発明の効果】本発明によれば、側板を構成する側板
は、歯車の歯先外周面よりも半径方向外側に延長され、
歯車とともにシールブロックの両側面も挟設されている
ので、シールブロックと側板の間のシール面が平面で２
ヶ所となり、加工を格段に容易にすることができるとと
もに、高い精度が容易に得られ、シール面の隙間を狭く
することができる。これによって、生産性を向上するこ
とができるとともに、シールブロックと側板とのシール
面からの流体の漏れを減少できる。この流体の漏れの減
少によって、高い容積効率が得られるので、小型軽量
化、コスト低減および効率向上を図ることができる歯車
ポンプおよび歯車モータが得られる。特に、ガソリン等
の極めて粘度の低い流体を加圧し、低い回転数で吐出量
が小さい領域から高い回転数で吐出量が大きい領域まで
運転されるエンジンの燃料供給ポンプ、例えば直噴ガソ
リンエンジン用の高圧燃料供給ポンプとして最適な歯車
ポンプが得られる。

【００５２】また、側板を構成する側板は、ケーシング
とは別体に歯車の軸方向に移動可能に設けられ側板の配
置された空間が高圧側に連通されているので、歯車３、
４およびシールブロック５に対して隙間がなくなるよう
に押付けられ、これによっても流体の漏れを減少するこ
とができる歯車ポンプを得ることができる。

【００５３】さらに、シールブロックは、その反歯車側
外周面が高圧側空間内に配置されているので、運転を開
始するとそのシール面が吐出圧力によって歯車側に押付
けられ、これによってシールブロックと歯車の外周面と
のシールを確実に行うことができる歯車ポンプが得られ
る。なお、初回の運転開始の際は、シールブロックは、
歯車の歯先で削られて歯車側へ移動していくが、この移
動量を制限する手段を備えているので、この制限手段に
よって歯先シール面の形成が終了し、必要以上に削られ
ることはない。

【００５４】一方、シールブロックとスペーサを歯車よ
りも所定の厚み差だけ厚くしているので、側板はシール
ブロックとスペーサに押付けられ、歯車との間にはシー
ルブロックおよびスペーサと隙間より大きい隙間を保持
させることができ、これによって歯車が側板との間で摺
動する面には適度な隙間を持たせることができるので、
摺動抵抗が減少して駆動力が低減されるとともに、摩耗
や発熱が防止され、長期間にわたって高い信頼性を有す
る歯車ポンプが得られる。

【００５５】また、シールブロックを歯車の歯先に押圧
するように板ばねを設けているので、起動時の昇圧性能
を高めることができる歯車ポンプが得られる。しかも、
側板を常に押付ける別の板ばねを設けることにより、起
動時や停止時にも側板が動かず、運転中に駆動力の変動
や外部からの衝撃等の機械的な外乱が生じても安定した
性能を保てる歯車ポンプが得られる。

【００５６】さらに、側板をケーシングと一体的に結合
しているので、側板と歯車の間を極めて高い精度で十分
小さい隙間に管理することができ、漏れ量を十分に小さ
く押えて高い容積効率を実現しながら、摺動抵抗の低
減、摩耗・発熱の防止、長寿命等の効果を得ることがで
きとともに、側板を薄くして軸方向の寸法を小さくする
ことができ、小形軽量化を図ることができる歯車ポンプ
が得られる。

【００５７】しかも、シールブロックとスペーサを歯車
よりも熱膨張係数の大きい材質としているので、運転に
よって温度が上昇した場合には歯車と側板の間の隙間が
増して潤滑や冷却の効果が高まり、摩耗や焼き付き等の
不具合を防止することができ、高い信頼性を得ることが
できる歯車ポンプが得られる。

【００５８】また、上記歯車ポンプを燃料供給ポンプと
して用い、この燃料供給ポンプの吸込みポート側とフィ
ードポンプ吐出し側とを連通し、燃料供給ポンプの吐出
しポート側と燃料噴射弁の吸込み側とを連通しているの
で、上記歯車ポンプ固有の効果を奏し、低回転域から高
い容積効率を得られ、エンジン始動時やアイドリング時
等の低い回転数でも十分高い圧力で燃料を供給すること
が可能となり、エンジンを確実に始動できるとともに、
より安定したアイドリング運転ができる燃料供給装置が
得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の歯車ポンプの一実施例を示す縦断面図
である。

【図２】図１のＡ−Ａ断面図である。

【図３】図１のＢ−Ｂ断面図である。

【図４】図１のＣ−Ｃ断面図である。

【図５】本発明の歯車ポンプの他の実施例を示す横断面
図である。

【図６】本発明の歯車ポンプの他の実施例を示す横断面
図である。

【図７】本発明の歯車ポンプの他の実施例を示す横断面
図である。

【図８】本発明の歯車ポンプの他の実施例を示す縦断面
図である。

【図９】図８のＤ−Ｄ断面図である。

【図１０】本発明の歯車ポンプの他の実施例を示す縦断
面図である。

【図１１】図１０のＥ−Ｅ断面図である。

【図１２】図１０のＦ−Ｆ断面図である。

【図１３】本発明の歯車ポンプの他の実施例を示す縦断
面図である。

【図１４】本発明の歯車ポンプの他の実施例を示す縦断
面図である。

【図１５】本発明の歯車ポンプを用いたエンジンの燃料
供給装置の一実施例を示す構成図である。

【図１６】本発明が適用される歯車ポンプを含むエンジ
ンの燃料供給装置の他の実施例を示す構成図である。

【図１７】従来技術の歯車ポンプの一例を示す横断面図
である。

【符号の説明】

３、４・・・歯車、５、４０、５７・・・シールブロック、
６、７、４１、４２、５０、５１・・・側板、４３、４
７、５６・・・スペーサ、２３、２４、５８、５９・・・ピ
ン、３５・・・ピン、１０５・・・高圧燃料供給ポンプ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤坂 吉道 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 門向 裕三 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 高橋 由起夫 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内 (72)発明者 斉藤 淳治 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内 Ｆターム(参考） 3H041 AA02 BB02 CC00 CC03 CC04 CC09 CC10 CC12 CC15 CC20 DD01 DD04 DD05 DD07 DD08 DD09 DD11 DD12 DD13 DD21 DD22 DD23 DD24 DD25 DD33 DD34 DD37 DD38

Claims (18)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】対向した平面部を有する側板と、前記側板
   の平面部の間に回転可能に挟設され、且つ囲まれた空間
   内で互いに噛み合って流体を吐出する一対の外接歯車
   と、前記歯車の歯先外周面にに接するシールブロックと
   を備えた歯車ポンプにおいて、前記側板は、前記歯車の
   歯先外周面よりも半径方向外側に延長して前記シールブ
   ロックを前記歯車とともに挟設し、前記歯車と前記シー
   ルブロックと前記側板とで囲まれた空間は前記側板に設
   けた低圧吸込み側に連通し、前記吸込部に連通した空間
   以外の空間は高圧吐出し側に連通したことを特徴とする
   歯車ポンプ。
2. 【請求項２】前記シールブロックは前記歯車とほぼ同じ
   厚さに形成したことを特徴とする請求項１記載の歯車ポ
   ンプ。
3. 【請求項３】閉鎖空間を形成するケーシングと、対向し
   た平面部を有する側板と、前記側板の平面部の間に回転
   可能に挟設され、且つ前記閉鎖空間内で互いに噛み合っ
   て流体を吐出する一対の外接歯車と、前記歯車の歯先外
   周面にに接するシールブロックとを備えた歯車ポンプに
   おいて、前記側板は、前記歯車の歯先外周面よりも半径
   方向外側に延長して前記シールブロックを前記歯車とと
   もに挟設し、且つ少なくとも一方が前記ケーシングとは
   別体の側板で構成して前記歯車の軸方向に移動可能に設
   け、前記歯車と前記シールブロックと前記側板とで囲ま
   れた空間は前記側板に設けた低圧吸込み側に連通し、前
   記吸込部に連通した空間以外の前記閉鎖された空間は高
   圧吐出し側に連通したことを特徴とする歯車ポンプ。
4. 【請求項４】前記歯車と前記シールブロックと前記側板
   とで囲まれた空間は前記側板を貫通する低圧吸込み貫通
   孔に連通し、前記側板の反歯車側に前記貫通孔を含む低
   圧部を囲むシール部材を設けて低圧側と高圧側に区分し
   たことを特徴とする請求項３記載の歯車ポンプ。
5. 【請求項５】閉鎖空間を形成するケーシングと、対向し
   た平面部を有する側板と、前記側板の平面部の間に回転
   可能に挟設され、且つ前記閉鎖空間内で互いに噛み合っ
   て流体を吐出する一対の外接歯車と、前記歯車の歯先外
   周面にに接するシールブロックとを備えた歯車ポンプに
   おいて、前記側板は、前記歯車の歯先外周面よりも半径
   方向外側に延長して前記シールブロックを前記歯車とと
   もに挟設し、且つ前記ケーシングとは別体の側板で構成
   して前記歯車の軸方向に移動可能に設け、上下対称部品
   を反対向きに組込み、前記歯車と前記シールブロックと
   前記側板とで囲まれた空間は前記側板に設けた低圧吸込
   み側に連通し、前記吸込部に連通した空間以外の前記閉
   鎖された空間は高圧吐出し側に連通したことを特徴とす
   る歯車ポンプ。
6. 【請求項６】閉鎖空間を形成するケーシングと対向した
   平面部を有する側板と、前記側板の間に回転可能に挟設
   され、且つ閉鎖された空間内で互いに噛み合って流体を
   吐出する一対の外接歯車と、前記歯車の歯先外周面にに
   接するシールブロックとを備えた歯車ポンプにおいて、
   前記側板は、前記歯車の歯先外周面よりも半径方向外側
   に延長して前記シールブロックの側面を前記歯車ととも
   に挟設し、前記歯車と前記シールブロックと前記側板と
   で囲まれた空間は前記側板に設けた低圧吸込み側に連通
   し、前記吸込部に連通した空間以外の前記密閉された空
   間は高圧吐出し側に連通し、前記シールブロックの反歯
   車側外周面を前記高圧側空間内に配したことを特徴とす
   る歯車ポンプ。
7. 【請求項７】対向した平面部を有する側板と、前記側板
   の平面部の間に回転可能に挟設され、且つ囲まれた空間
   内で互いに噛み合って流体を吐出する一対の外接歯車
   と、前記歯車の歯先外周面にに接するシールブロックと
   を備えた歯車ポンプにおいて、前記シールブロックは、
   前記歯車側に押圧され、且つ歯車側への移動量を制限す
   る手段を備え、前記側板は、前記歯車の歯先外周面より
   も半径方向外側に延長して前記シールブロックを前記歯
   車とともに挟設し、前記歯車と前記シールブロックと前
   記側板とで囲まれた空間は前記側板に設けた低圧吸込み
   側に連通し、前記吸込部に連通した空間以外の前記密閉
   された空間は高圧吐出し側に連通したことを特徴とする
   歯車ポンプ。
8. 【請求項８】前記シールブロックは側方に突出する突部
   を備え、前記側板は前記突部に対応する凹部を備え、前
   記突部と凹部を係合して前記歯車側への移動量を制限す
   る手段とし、ことを特徴とする請求項７記載の歯車ポン
   プ。
9. 【請求項９】前記シールブロックは前記歯車の回転摺動
   に伴って発生する回転力を受ける回り止めを備えたこと
   を特徴とする請求項３〜６の何れかに記載の歯車ポン
   プ。
10. 【請求項１０】前記側板は前記歯車の回転摺動に伴って
    発生する回転力を受ける回り止めを備えたことを特徴と
    する請求項３〜５の何れかに記載の歯車ポンプ。
11. 【請求項１１】対向した平面部を有する側板と、前記側
    板の平面部の間に回転可能に挟設され、且つ密封された
    空間内で互いに噛み合って流体を吐出する一対の外接歯
    車と、前記歯車の歯先外周面にに接するシールブロック
    とを備えた歯車ポンプにおいて、前記シールブロックは
    前記歯車よりも所定の厚み差だけ厚く形成し、前記歯車
    の反シールブロック側の挟設部材の間には前記シールブ
    ロックとほぼ同じ厚さのスペーサを設けた前記側板は、
    前記歯車の歯先外周面よりも半径方向外側に延長して前
    記シールブロックを前記歯車とともに挟設し、前記歯車
    と前記シールブロックと前記対向平面部とで囲まれた空
    間は挟設部材に設けた低圧吸込み側に連通し、前記吸込
    部に連通した空間以外の前記密閉された空間は高圧吐出
    し側に連通したことを特徴とする歯車ポンプ。
12. 【請求項１２】前記シールブロックを常時前記歯車側に
    押圧する弾性部材を設けたことを特徴とする請求項１〜
    １１の何れかに記載の歯車ポンプ。
13. 【請求項１３】前記側板は、ケーシングと一体的に形成
    し、前記歯車の歯先外周面よりも半径方向外側に延長し
    て前記シールブロックを前記歯車とともに挟設したこと
    を特徴とする請求項１、２、６〜９、１１、１２の何れ
    かに記載の歯車ポンプ。
14. 【請求項１４】前記シールブロックまたはスペーサは、
    前記歯車よりも熱膨張係数の大きい材料で形成したこと
    を特徴とする請求項１〜１３の何れかに記載の歯車ポン
    プ。
15. 【請求項１５】ガソリン等の燃料を収納した燃料タンク
    と、前記燃料タンクから燃料を燃料供給ポンプに供給す
    るフィードポンプと、前記燃料タンクからの燃料を昇圧
    して燃料噴射弁に供給する燃料供給ポンプと、前記燃料
    噴射弁に供給される燃料の燃圧を制御する圧力制御手段
    とを備えた燃料供給装置において、前記燃料供給ポンプ
    は、対向した平面部を有する側板と、前記側板の平面部
    の間に回転可能に挟設され、且つ囲まれた空間内で互い
    に噛み合って流体を吐出する一対の外接歯車と、前記歯
    車の歯先外周面にに接するシールブロックとをケーシン
    グ内に備え、前記燃料供給ポンプの側板を前記歯車の歯
    先外周面よりも半径方向外側に延長して前記シールブロ
    ックを前記歯車とともに挟設するとともに、前記燃料供
    給ポンプの歯車と前記シールブロックと前記側板とで囲
    まれた空間を前記側板に設けた吸込みポートに連通し、
    前記燃料供給ポンプの吸込部に連通した空間以外の前記
    ケーシング内の高圧吐出し空間を吐出しポートに連通
    し、前記燃料供給ポンプの吸込みポート側と前記フィー
    ドポンプ吐出し側とを連通し、前記燃料供給ポンプの吐
    出しポート側と前記燃料噴射弁の吸込み側とを連通した
    ことを特徴とする燃料供給装置。
16. 【請求項１６】前記燃料供給ポンプの駆動軸をカムシャ
    フト等に接続してエンジンの回転力の一部を用いて駆動
    し、前記燃料供給ポンプの吐出しポート側と前記燃料噴
    射弁の吸込み側との間に圧力制御弁を設け、前記圧力制
    御弁を前記圧力制御手段で制御することにより前記燃料
    噴射弁に供給する燃料の燃圧を制御することを特徴とす
    る請求項１５に記載の燃料供給装置。
17. 【請求項１７】前記燃料供給ポンプの駆動軸をモータに
    接続し、前記燃料供給ポンプの駆動軸に接続したモータ
    を前記圧力制御手段で制御することにより前記燃料噴射
    弁に供給する燃料の燃圧を制御することを特徴とする請
    求項１５に記載の燃料供給装置。
18. 【請求項１８】対向した平面部を有する側板と、前記側
    板の平面部の間に回転可能に挟設され、且つ囲まれた空
    間内で互いに噛み合って流体を吐出する一対の外接歯車
    と、前記歯車の歯先外周面にに接するシールブロックと
    を備えた歯車モータにおいて、前記側板は、前記歯車の
    歯先外周面よりも半径方向外側に延長して前記シールブ
    ロックを前記歯車とともに挟設し、前記歯車と前記シー
    ルブロックと前記側板とで囲まれた空間は前記側板に設
    けた低圧吐出し側に連通し、前記吸込部に連通した空間
    以外の空間は高圧吸込み側に連通したことを特徴とする
    歯車モータ。