JP2000008023A - 基体表面の改質方法 - Google Patents

基体表面の改質方法

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JP2000008023A
JP2000008023A JP17772198A JP17772198A JP2000008023A JP 2000008023 A JP2000008023 A JP 2000008023A JP 17772198 A JP17772198 A JP 17772198A JP 17772198 A JP17772198 A JP 17772198A JP 2000008023 A JP2000008023 A JP 2000008023A
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低い温度条件で、基体表面の撥水撥油性を低下
させ、接着性や濡れ性を向上させる方法の提供。 【解決手段】主鎖が炭素−炭素連鎖からなりかつ側鎖に
ポリフルオロアルキル基等を有する化合物、から形成さ
れる被膜で覆われた基体表面に、0〜35℃で液状であ
る化合物Bを0〜35℃で接触させる。化合物Bは、0
〜35℃で表面張力が30dyn/cm以下であるフッ
素を含まない極性化合物および/または含フッ素化合物
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリフルオロアル
キル基またはエーテル性酸素原子を含むポリフルオロア
ルキル基、が表面に存在する基体表面の接着性または濡
れ性を向上させうる基体表面の改質方法、および該改質
方法により得られた基体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、表面にフッ素含有基が存在する
基体表面は、撥水撥油性および非粘着性であることが知
られている。そのため、フッ素含有基を有する基体表面
に、塗料を塗装する、粘着剤または接着剤を張り付け
る、またはインク等によりマーキングをする、等の加工
工程を施したい場合には、表面に付着しても剥がれやす
く、また、濡れ性が低いことからはじきを生じる問題が
ある。この問題を解決する方法として、(1)基体表面
をサンディング等で粗面化し、物理的に改質した後に加
工工程を行う方法、(2)基体表面のフッ素含有基の結
晶融点以上の温度(80℃以上)で、水、エチレングリ
コール、プロピレングリコール等の高表面張力の液体に
接触させ、つぎに冷却して撥水撥油性能を低下させ、接
着性や濡れ性を向上させる方法、等が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、(1)の方法
は手間がかかり、工程が煩雑である問題がある。また、
基体表面の粗面化は、基体表面を不可逆的に変質させる
ことになり、トラブルの原因になる問題がある。(2)
の方法で液体を接触する際の温度は80℃以上と高く、
液体の種類が特定の高沸点の液体に限定され、かつ、基
体の種類も限定される問題がある。さらに、基体表面に
耐熱性の低い物質が加工されている場合には、実施でき
ない問題があった。
【0004】本発明は、従来の技術の有する上記問題点
を解決する目的でなされたものであり、短工程の効率的
な手段かつ低温度条件で、含フッ素基を有する基体表面
を改質し、該表面を低撥水撥油性にして濡れ性を向上さ
せ、また、接着性を向上させる改質方法を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の問
題点を解決すべく鋭意検討した結果、基体表面を特定の
液体に接触させたとき、低い温度条件であっても、基体
表面が改質されうることを見いだし、本発明に至った。
【0006】すなわち本発明は、主鎖が炭素−炭素連鎖
からなりかつ側鎖に下記Rf 基を有する化合物A、から
形成される被膜で覆われた基体表面に、0〜35℃で液
状である下記化合物Bを0〜35℃で接触させることを
特徴とする基体表面の改質方法、および、該改質方法に
より得られた基体を提供する。 Rf 基:ポリフルオロアルキル基またはエーテル性酸素
原子を含むポリフルオロアルキル基。 化合物B:0〜35℃で表面張力が30dyn/cm以
下であるフッ素を含まない極性化合物および/または0
〜35℃で表面張力が30dyn/cm以下である含フ
ッ素化合物。
【0007】
【発明の実施の形態】本明細書におけるポリフルオロア
ルキル基とは、アルキル基の水素原子の2個以上がフッ
素原子に置換された基をいう。また、エーテル性酸素原
子を含むポリフルオロアルキル基とは、ポリフルオロア
ルキル基中の任意の炭素−炭素結合の1か所以上にエー
テル性酸素原子が挿入された基をいう。
【0008】Rf 基は、ポリフルオロアルキル基または
エーテル性酸素原子を含むポリフルオロアルキル基であ
り、ポリフルオロアルキル基が好ましい。Rf 基は、直
鎖状でも分岐状でもよく、直鎖状が好ましい。Rf 基の
炭素数は1〜20が好ましく、特に4〜16が好まし
く、とりわけ7〜16が好ましい。Rf 基は、末端部に
塩素原子や水素原子が存在していてもよい。Rf 基の末
端部分の構造としては、CF3 CF2 −、(CF32
CF−、CF2 H−、CFH3 −、またはCF2 Cl−
等が挙げられ、CF3 CF2 −が好ましい。
【0009】Rf 基中のフッ素原子の数は、[(Rf
中のフッ素原子数)/(Rf 基と同一炭素数のエーテル
性酸素原子が含まれていてもよいアルキル基中に含まれ
る水素原子数)]×100(%)で表現した場合に、8
0%以上が好ましく、特に100%が好ましい。なお、
以下において、アルキル基の水素原子の実質的に全てが
フッ素原子に置換された基をパーフルオロアルキル基と
いい、パーフルオロアルキル基中の任意の炭素−炭素結
合の1か所以上にエーテル性酸素原子が挿入された基
を、エーテル性の酸素原子が含むパーフルオロアルキル
基という。また、パーフルオロアルキルとエーテル性の
酸素原子が含むパーフルオロアルキル基を総称してRF
基という。
【0010】RF 基は、直鎖状でも分岐状でもよく、直
鎖状が好ましい。RF 基の炭素数は1〜20が好まし
く、特に4〜16が好ましく、さらに7〜16が好まし
い。また、RF 基は、パーフルオロアルキル基が好まし
く、CF3 (CF2n −(ただし、nは6〜16の整
数を示す。)で表される基が好ましい。
【0011】パーフルオロアルキル基の具体例として
は、F(CF26 −、F(CF28 −、F(CF
210−、F(CF212−、F(CF214−、また
はF(CF216−等が挙げられる。
【0012】本発明における基体表面は、主鎖が炭素−
炭素連鎖からなりかつ側鎖に下記R f 基を有する化合物
A、から形成される被膜で覆われた表面である。該化合
物Aとしては、被膜を形成しうるRf 基を有する化合物
として公知の化合物から採用され、Rf 基を有する(メ
タ)アクリレートの重合単位を含む重合体、Rf 基を有
する低分子量多価エステル類、または、Rf 基を有する
ウレタン類が好ましく、特にRf 基を有する(メタ)ア
クリレートの重合単位を含む重合体が好ましい。Rf
を有する(メタ)アクリレートの重合単位を含む重合体
としては、Rf基を有する(メタ)アクリレートの重合
単位からなる単独重合体、または該重合単位を含む共重
合体が挙げられる。なお、本明細書では、アクリレート
とメタアクリレートとを総称して、(メタ)アクリレー
トと記す。他の(メタ)アクリル酸等についても同様に
記載する。
【0013】Rf 基を有する(メタ)アクリレートとし
ては、ポリフルオロアルキルアクリレートが好ましく、
特に下式(1)で表される化合物が好ましい。 CH2 =C(R)COO−Q−RF ・・・式(1) ただし、式(1)中のRは、水素原子またはメチル基を
示し、Qは2価連結基を示し、RF はRF 基を示す。
【0014】式(1)におけるQは、アルキレン基が好
ましく、特に−(CH22 −、−(CH23 −、−
(CH24 −、または−CH2 CH(CH3 )CH2
−が好ましく、とりわけ−(CH22 −または−(C
23 −が好ましい。RFは、CF3 (CF2n
(ただし、nは6〜15の整数を示す。)で表される基
が好ましい。
【0015】Rf 基を有する(メタ)アクリレートの重
合単位からなる単独重合体としては、Rf 基の構造の異
なる2種以上のRf 基を有する(メタ)アクリレートの
重合単位を含んでいてもよい。
【0016】Rf 基を有する(メタ)アクリレートの重
合単位を含む共重合体とは、Rf 基を有する(メタ)ア
クリレートの重合単位の1種以上と、該重合単位以外の
重合単位(以下、他の共重合可能なモノマーの重合単位
という。)の重合単位の1種以上からなる共重合体であ
る。他の共重合可能なモノマーとしては、Rf 基を有し
ない共重合可能なモノマーであり、塩化ビニル、エチレ
ン、酢酸ビニル、弗化ビニル、ハロゲン化ビニルスチレ
ン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、(メ
タ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸のアルキルエステ
ル、ポリ(オキシアルキレン)(メタ)アクリレート、
(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリル
アミド、メチロール化(メタ)アクリルアミド、N−メ
チロール(メタ)アクリルアミド、ビニルアルキルエー
テル、(ハロゲン化アルキル)ビニルエーテル、ビニル
アルキルケトン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレ
ン、グリシジル(メタ)アクリレート、アジリジニル
(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレー
ト、イソシアナートエチル(メタ)アクリレート、シク
ロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、無水マレイン酸、トリアリール
イソシアヌレート、ポリシロキサンを有する(メタ)ア
クリレート、N−ビニルカルバゾール等が好ましく挙げ
られる。他の共重合可能なモノマーの重合単位の割合
は、重合体中に5〜60重量%が好ましい。
【0017】重合体中に、2種以上の重合単位が存在す
る場合には、該重合単位の連なり方はブロックであって
もランダムであってもよく、ランダムであるのが好まし
い。また、該単独重合体または共重合体の分子量は1×
104 〜2×105 が好ましい。
【0018】本発明における基体表面とは、化合物Aか
ら形成される被膜で覆われた基体の表面であり、該被膜
とは化合物Aのみから形成される被膜であっても、化合
物Aと他の化合物との組成物から形成される被膜であっ
てもよい。
【0019】他の化合物としては、塗膜を形成しうる他
の樹脂が好ましく、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、メラミ
ン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹
脂、塩ビ樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等が挙げ
られる。
【0020】化合物Aから形成される被膜で覆われた基
体表面は、通常の場合、化合物Aを未処理基体に処理す
ることにより得られる。化合物Aを未処理基体に処理す
る方法としては、化合物Aをそのまま未処理基体に塗布
や侵漬等の方法で未処理基体に処理する方法(方法
1)、または化合物Aと媒体とを含む組成物を調製し、
該組成物を塗布や侵漬等の方法で未処理基体に処理する
方法(方法2)、が挙げられる。
【0021】これらのうち、本発明においては、方法2
で得られる基体が好ましい。方法2における組成物とし
ては、Rf 基を有する(メタ)アクリレートの重合単位
を含む重合体、および、水および/または溶剤を含む組
成物が好ましい。また、該組成物中には、他の化合物を
含ませてもよく、他の化合物としては、乳化剤、前記の
他の樹脂が好ましい。
【0022】未処理基体としては、紙、布、ガラス、プ
ラスチックス、木材、および石材等が挙げられる。基体
表面に形成された、化合物Aから形成される被膜の膜厚
は0.5〜100μmが好ましく、特に1〜50μmが
好ましい。
【0023】本発明においては、0〜35℃で液状であ
る特定の化合物Bを基体表面に接触させる。化合物B
は、0〜35℃で表面張力が30dyn/cm以下であ
るフッ素を含まない極性化合物および/または0〜35
℃で表面張力が30dyn/cm以下である含フッ素化
合物である。フッ素を含まない極性化合物および含フッ
素化合物は、1種以上を使用できる。
【0024】極性化合物とは、分子内に極性がある化合
物である。極性化合物としては、極性基が共有結合で結
合している化合物、または、該化合物を形成する原子の
電子陰性度の違いにより電子雲の分布が偏り、正負の重
心がずれて双極子を形成する化合物、または双極子モー
メントをもたないが分子内に極性結合がある化合物が挙
げられる。
【0025】極性基が共有結合で結合している化合物と
しては、酸素原子含有基が共有結合で結合している化合
物が好ましく、アルコール類またはケトン類が好まし
い。双極子を形成する化合物または極性結合を形成する
化合物としては、アセトン、メタノール等の酸素原子を
含有する化合物、または塩素化炭化水素が好ましい。
【0026】これらのうち、0〜35℃で表面張力が3
0dyn/cm以下である極性化合物である化合物Bと
しては、上記極性化合物のうち0〜35℃で表面張力が
30dyn/cm以下であるフッ素を含まない極性化合
物から選択され、塩素化炭化水素、メタノール、および
アセトンから選ばれる1種以上の化合物であるのが好ま
しい。塩素化炭化水素としては、四塩化炭素が好まし
い。これらの化合物は、0〜35℃で液状である。
【0027】0〜35℃で表面張力が30dyn/cm
以下である含フッ素化合物としては、ポリフルオロ炭化
水素、ポリフルオロ(ポリエーテル)、フルオロシリコ
ーン、塩素化フッ素化炭化水素、ヒドロキシフルオロ炭
化水素、およびヒドロキシ塩素化フッ素化炭化水素から
選ばれる1種以上の化合物が好ましい。ポリフルオロ炭
化水素としてはパーフルオロ炭化水素が好ましく、ポリ
フルオロ(ポリエーテル)としては、パーフルオロ(ポ
リエーテル)が好ましい。
【0028】該含フッ素化合物としては、パーフルオロ
デカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロヘプタ
ン、パーフルオロヘキサン、パーフルオロブチルアミ
ン、1H,1H−パーフルオロ−1−ドデセン、1H,
1H,2H−パーフルオロヘキセン、パーフルオロノナ
ン、6H−パーフルオロヘキサン、トリクロロトリフル
オロエタン、ジクロロペンタフルオロプロパン(HCF
C−225)、トリフルオロエタノールが好ましい。こ
れらの化合物は、0〜35℃で液状の化合物である。
【0029】化合物Bの表面張力は、30dyn/cm
より大きいと基体表面を濡らすことができず、表面張力
が30dyn/cm未満であっても上記化合物B以外の
ものを使用した場合は、基体表面の改質作用が低いた
め、本発明の目的を達成できない本発明においては、化
合物Bを、0〜35℃で、基体表面に接触させる。基体
表面と該化合物Bとの接触方法は特に限定されず、浸
漬、ロール、刷毛塗り、スプレー塗布、スピンコート等
の方法が挙げられる。
【0030】また、接触時の温度は0〜35℃である
が、基体表面に存在するRf 基の結晶融点以下の温度と
するのが好ましく、通常は室温が好ましい。本発明の方
法は、室温で実施できるため、汎用性に優れ、かつ、省
エネルギーである。接触時間は特に限定されず、作業性
の観点から数秒〜数分であるのが好ましい。
【0031】化合物Bに接触させた基体表面は、通常の
場合、乾燥され、改質された表面となりうる。乾燥は、
自然に乾燥しても、乾燥を早めるために加温して乾燥し
てもよいが、加温する場合には、基体表面に存在するR
f 基の結晶融点以下の温度とするのが好ましい。
【0032】本発明の方法によれば、改質された表面を
有する基体が得られる。該基体表面は、未処理基体に比
べて後退接触角が低下した表面となりうるため、シール
またはテープの粘着力が向上し、また、インクの付着状
態も改善されうる。また、該基体表面にさらに塗装を施
す場合は、塗料の濡れ性に優れることから、優れた塗膜
を形成しうる。本発明の方法によれば、基体表面に耐熱
性が低い部材が存在する場合であっても、また、基体の
ごく一部のみを改質したい場合であっても、容易に基体
表面の改質ができる。改質された表面を有する本発明の
基体は、壁紙、床材、防汚性を付与されたガラス、印刷
用紙、地図として使用しうる有用な基体である。
【0033】
【実施例】以下、本発明を合成例(例1、2)、実施例
(例3〜8)および比較例(例9〜12)によって説明
する。以下に示す表面張力の値は、25℃で測定される
値である。
【0034】[例1]内容積1000mlのガラス製撹
拌機付オートクレーブ中に下式2で表されるパーフルオ
ロアルキルエチルアクリレート(以下、FAと記す。)
70重量%、オクチルマレート(DOM)8重量%、2
−ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)2重量
%、イオン交換水160重量%、アセトン40重量%、
乳化剤(ポリオキシエチレングリコールモノラウリルエ
ーテル)8重量%、アゾ系重合開始剤( 和光純薬社製V
−50)0.5重量%を仕込み、窒素ガスで置換し、塩
化ビニル(VCl)20重量%を注入し、撹拌しながら
60℃に昇温し、15時間反応を行った。 CH2 =CHCOOCH2 CH2 (CF2n CF3 ・・式2 ただし、式2は、nが、5、7、9、11である化合物
を重量比で5/60/20/10/5で含む化合物。
【0035】ガスクロマトグラフィーによりモノマーの
反応率を分析し99%以上であることを確認し、粒子径
0.1μm、固形分濃度33重量%の単白色ラテックス
を得た。イオン交換水で固形分濃度を20重量%に調製
した。以下、組成物1とよぶ。なお、該ラテックスを真
空乾燥して測定したRf 基の結晶融点は約75℃であっ
た。
【0036】[例2]例1で調製した組成物1と水溶性
ポリウレタン樹脂(第一工業社製スーパフレックス41
0)とを、重量比で1:1含む組成物を調製し、該組成
物にイオン交換水を加え、固形分濃度が20重量%の濃
度に調製された組成物2を得た。
【0037】[例3]スライドガラスを組成物1に浸漬
した後、取り出し、室温で30分乾燥し140℃で15
分熱処理した。室温(25℃)に戻した後、ジクロロペ
ンタフルオロプロパン(旭硝子社製商品名:AK−22
5)(表面張力16.2dyn/cm)に室温で10秒
浸漬した。これを取り出して自然乾燥して、基体Aを得
た。
【0038】[例4、5]AK−225の代わりにアセ
トン(表面張力23.5dyn/cm)を用いる(例
4)、メタノール(表面張力22.1dyn/cm)を
用いる(例5)こと以外は、例3と同様の操作を行い、
基体B(例4)および基体C(例5)を得た。
【0039】[例6]スライドガラスを組成物2に浸漬
した後、取り出し、室温で30分乾燥し140℃で15
分熱処理した。室温(25℃)に戻した後、ジクロロペ
ンタフルオロプロパン(旭硝子社製AK−225)に室
温で10秒浸漬した。その後取り出して自然乾燥して基
体Dを得た。
【0040】[例7、8]AK−225の代わりにアセ
トン(例7)、メタノール(例8)を用いること以外
は、例6と同様の操作を行い、基体E(例7)および基
体F(例8)を得た。
【0041】[例9](参考例) スライドガラスを組成物1に浸漬した後、取り出し、室
温で30分乾燥し140℃で15分熱処理した後に、室
温(25℃)に戻したものを基体Gとした。 [例10](比較例) AK−225の代わりに非極性化合物であるヘキサン
(表面張力18dyn/cm)を用いること以外は例3
と同様の操作を行い、基体Hを得た。 [例11](参考例) スライドガラスを組成物2に浸漬した後、取り出し、室
温で30分乾燥し140℃で15分熱処理した後、室温
(25℃)に戻したものを、基体Iとした。 [例12](比較例) AK−225の代わりに水(表面張力72dyn/c
m)を用いること以外は例6と同様の操作を行い、基体
Jを得た。
【0042】[評価]上記で得た基体A〜Jについて、
以下の方法で評価した。評価結果を表1に示す。
【0043】(評価1)セロハンテープ剥離試験 サンプル表面にセロハンテープを張り付け、90°の角
度で引っ張り、剥がれやすさを下記の基準で判定した。 ◎:強く引っ張らないと剥がれない。 ○:かるい力で剥がれる。 △:力をいれなくとも剥がれる。 ×:粘着しない。
【0044】(評価2)マーキング試験 油性フェルトペン(ゼブラ社製商品名:マッキー)で基
体表面に文字を書き、文字の状態を、下記の基準で判定
した。 ◎:インクは弾かれず、文字が表面に残り、指でこすっ
ても変化しない。 ○:インクは弾かれず、文字が表面に残るが、指でこす
ると文字が消える。 △:インクは弾かれるが、文字は表面に残る。 ×:インクは弾かれ、文字が表面に残らない。
【0045】(評価3)捺印試験 サンプル表面に印鑑(シャチハタ社製 赤色)で押印
し、捺印の状態を下記の基準で判定した。 ◎:捺印は弾かれず、指でこすっても変化しない。 ○:捺印は弾かれないが、指でこすると消える。 △:捺印は弾かれるが、表面に残る。 ×:捺印は弾かれ、表面に残らない。
【0046】(評価4)後退接触角の測定 全自動動的接触角計(株式会社オリエンテック製)によ
り、常温でサンプル表面の水の後退接触角(単位:度)
を測定した。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明の方法によれば、短工程かつ効率
的な方法で、基体表面の改質ができる。該方法は常温で
実施できることから、汎用の基体に適用でき、また、基
体表面に耐熱性の低い材質が存在していた場合にも、特
別な操作をせずに実施できる。本発明の方法により得ら
れた基体は、表面の撥水撥油性が低下しているため、接
着性や濡れ性を向上していることから、セロハンテープ
を張り付けたり、フェルトペンでの書き込みや、捺印が
可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F006 AA18 AA22 AB19 AB24 AB63 AB64 BA00 BA01 BA11 4F073 AA01 AA02 AA28 BA15 BA18 BB01 EA01 EA19 EA21 EA23 EA61 EA65 GA01 HA04 HA14 4J100 AL08P BA07P BB18P CA01 CA31 HC05 HC09 HC25 HD13 HE32 JA15

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主鎖が炭素−炭素連鎖からなりかつ側鎖に
    下記Rf 基を有する化合物A、から形成される被膜で覆
    われた基体表面に、0〜35℃で液状である下記化合物
    Bを0〜35℃で接触させることを特徴とする基体表面
    の改質方法。 Rf 基:ポリフルオロアルキル基またはエーテル性酸素
    原子を含むポリフルオロアルキル基。 化合物B:0〜35℃で表面張力が30dyn/cm以
    下であるフッ素を含まない極性化合物および/または0
    〜35℃で表面張力が30dyn/cm以下である含フ
    ッ素化合物。
  2. 【請求項2】極性化合物が、塩素化炭化水素、メタノー
    ルおよびアセトンから選ばれる1種以上の化合物である
    請求項1に記載の改質方法。
  3. 【請求項3】含フッ素化合物が、ポリフルオロ炭化水
    素、ポリフルオロ(ポリエーテル)、フルオロシリコー
    ン、塩素化フッ素化炭化水素、ヒドロキシフルオロ炭化
    水素、およびヒドロキシ塩素化フッ素化炭化水素から選
    ばれる1種以上の化合物である請求項1または2に記載
    の改質方法。
  4. 【請求項4】Rf 基が、炭素数6〜16のパーフルオロ
    アルキル基である請求項1、2または3に記載の改質方
    法。
  5. 【請求項5】化合物Aが、下記式(1)で表される化合
    物の重合単位を含む重合体である請求項1、2、3、ま
    たは4に記載の改質方法。 CH2 =C(R)COO−Q−RF ・・・式(1) ただし、式(1)中のRは、水素原子またはメチル基を
    示し、Qは2価連結基を示し、RF はパーフルオロアル
    キル基を示す。
  6. 【請求項6】化合物Bを、Rf 基の結晶融点以下の温度
    で接触させる請求項1、2、3、4、または5に記載の
    改質方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載の改質方法
    により得られた基体。
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