JP2000008010A - 半導体ウエハの裏面研削用粘着フィルム及びそれを用いる半導体ウエハの裏面研削方法 - Google Patents

半導体ウエハの裏面研削用粘着フィルム及びそれを用いる半導体ウエハの裏面研削方法

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JP2000008010A JP10177934A JP17793498A JP2000008010A JP 2000008010 A JP2000008010 A JP 2000008010A JP 10177934 A JP10177934 A JP 10177934A JP 17793498 A JP17793498 A JP 17793498A JP 2000008010 A JP2000008010 A JP 2000008010A
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誠敏 熊谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面に高さが25〜300μmの突起物を有
する半導体ウエハの裏面研削用粘着フィルム、及びその
使用方法を提供する。 【解決手段】 ショアーD型硬度が30〜50、厚み
(B)が30〜500μmである基材フィルムの片面
に、架橋剤と反応し得る官能基を有するアクリル酸アル
キルエステル系粘着剤ポリマー、1分子中に2個以上の
架橋反応性官能基を有する架橋剤を含む厚み1〜30μ
mの粘着剤層が形成され、基材フィルムと粘着剤層の層
間に、JIS−A硬度が10〜55、厚み(C)が25
〜400μmである熱可塑性樹脂中間層が配設され、S
US304−BA板に対する粘着力が5〜400g/2
5mmである、表面に高さ(A)25〜300μmの突
起状物を有する半導体ウエハの裏面研削用粘着フィル
ム。但し、0.55A≦C、A≦(B+C)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハの裏
面研削用粘着フィルム、及び該粘着フィルムを用いる半
導体ウエハの裏面研削方法に関する。詳しくは、集積回
路が組み込まれた側の面(以下、ウエハ表面という)
に、特定の高さの電極(以下、ハイバンプ電極という)
及び不良回路識別マーク(以下、インクドットという)
から選ばれた少なくとも1種の突起状物を有する、破
損、汚染等が起こり易い半導体ウエハの裏面を研削する
際に使用し得る半導体ウエハ裏面研削用粘着フィルム、
及び、該粘着フィルムを用いる半導体ウエハの裏面研削
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、半導体集積回路は高純度シリコン
単結晶等をスライスしてウエハとした後、イオン注入、
エッチング等により集積回路を組み込み、更にウエハの
裏面をグラインディング、ポリッシング、ラッピング等
により研削し、ウエハの厚さを100〜600μm程度
まで薄くしてから、ダイシングしてチップ化する方法で
製造されている。これらの工程の中で、ウエハ裏面の研
削時に半導体ウエハの破損を防止したり、研削加工を容
易にするため、半導体ウエハ裏面研削用粘着フィルムを
その粘着剤層を介してウエハ表面に貼着して保護する方
法が用いられている。
【0003】具体的には、先ず、半導体ウエハ裏面研削
用粘着フィルムをウエハ表面に貼着してウエハ裏面を研
削する。研削が完了した後、該フィルムを剥離し、ダイ
シング工程等の次工程に移行する。この様な方法で、半
導体ウエハの裏面を研削しようとした場合、表面凹凸の
大きい半導体ウエハの裏面を研削しようとすると、研削
時の応力でウエハが破損する問題があった。実際、半導
体ウエハには、ポリイミド等のコーティング層や、酸化
珪素膜や窒化珪素膜等の蒸着膜、スクライブライン等が
あり、時には段差が50μm以上になることがある。
【0004】この様な問題を解決する手段として、特開
昭61−10242号公報には、ショアーD型硬度が4
0以下である基材シートの表面に粘着剤を設けてなるこ
とを特徴とするウエハ加工用フィルムが開示されてい
る。この発明の実施例で、実際に表面凹凸差が50μm
のシリコンウエハの裏面研磨が特に問題なく(破損無
く)行われている。
【0005】また、特開昭61−141142号公報に
は、半導体ウエハの表面にゴム系の材質でできた粘着材
付テープを粘着し、前記テープをカットし、前記テープ
をチャックに固定し、前記半導体ウエハの裏面を砥石で
研削することを特徴とする半導体ウエハの研削方法が開
示されている。この発明において、特に、ポリイミド等
によるコーティング層によって生じた10〜80μm程
度の段差を表面に有するウエハの裏面研削が特に問題な
く(破損なく)行われている。
【0006】さらに、WO85/05734号公報に
は、ショアーD型硬度が40以下である基材フィルムの
片表面上に粘着剤層が配設されてなるウエハ加工用フィ
ルムが開示され、その第三発明として、粘着剤層中に、
ノニオン系界面活性剤およびエチレングリコール誘導体
からなる群より選ばれた1種以上が含有されてなるウエ
ハ加工用フィルムが開示されている。この発明の実施例
においても、実際に表面凹凸差が50μmのシリコンウ
エハの裏面研磨が特に問題なく(破損なく)行われてい
る。また、該ウエハ加工用フィルムを剥がした後の洗浄
等の後処理が簡易に実施できると記載されている。
【0007】上記の発明に開示されている半導体ウエハ
は、その回路上に、ポリイミド等のコーティング層や、
酸化珪素膜や窒化珪素膜等の蒸着膜、スクライブライン
等により生じた50μm程度の凹凸差があるものであ
る。しかし、半導体ウエハ表面の約10%程度が凹んで
いるだけであり、凸部の頂点は比較的平滑である。通
常、比較的平滑な凸部の面積がウエハ表面の約90%を
占めている。上記発明に記載された粘着フィルムは、こ
のような半導体ウエハの裏面研削に適用されたものであ
る。
【0008】近年、半導体ウエハの表面は多様化しつつ
あり、ウエハ自体は破損しなくても、チップレベルでの
破損(以下、マイクロクラックという)が生じたり、粘
着剤の一部が残り易い表面形状を有するウエハが多くな
ってきている。例えば、パッケージングの薄層化、チッ
プ実装面積の少面積化、やICカードの普及(スマート
カード、電子マネー、クレジットカード、次世代テレホ
ンカード等、ICチップを内蔵したカード)等に伴い、
フリップチップ実装と呼ばれるワイヤレスボンディング
法等が採用されつつあり、この様な、ワイヤレスボンデ
ィング法等に適したチップを有するウエハとして、高さ
が10〜300μmの突起状のハイバンプ電極を有する
半導体ウエハが生産される様になってきている。このハ
イバンプ電極の高さは、現状は、25〜100μm程度
が主流となっているが、実装方法の多様化により、10
0μmを超え、300μm程度まで高くすることも検討
されている。
【0009】また、半導体チップの生産工程の多様化に
伴い、半導体ウエハの裏面を研削する前に、半導体ウエ
ハ表面のチップを検査し、不良チップに高さが10〜1
00μmの突起状のインクドットを付けてから半導体ウ
エハの裏面研削を行うという工程が採用されつつある。
さらに、ICカードに使用するチップに関しては、研削
後の厚み自体が150μm以下となってきており、特に
薄くなる傾向にある。従って、上記マイクロクラックは
より起こり易くなる傾向にある。
【0010】上記のハイバンプ電極やインクドットの様
に突起状物を表面に有する半導体ウエハの裏面を研削す
る場合には、前述の様な従来の粘着フィルムでは、十分
に対応できないことがあった。特に、高さが25μmを
超えると、ウエハの大きさ、研削後の厚み、研削条件等
の諸条件によっては、該ウエハの一部にマイクロクラッ
クが生じたり、該ウエハが完全に破損してしまうことが
あった。
【0011】また、たとえ破損が生じなくても前記突起
状物の影響で、表面の突起状物に対応する裏面の部位が
凹む(以下、ディンプルという)等して、研削後、ウエ
ハの厚み精度が悪くなりダイシング等の次工程に影響を
与えたり、製品不良の原因になることがあった。さら
に、研削後のウエハから粘着フィルムを剥離する際に、
ウエハの表面に粘着剤の一部が残り(以下、糊残りと称
する)ウエハ表面を汚染することもあった〔この汚染
は、突起状物の周辺に生じる事が多く、後述するハイバ
ンプ電極周辺に生じた場合、特に問題となる。インクド
ットの周辺(不良チップ上)に付着する場合には事実上
問題はないが、この場合でも、ウエハ表面洗浄時等に他
の正常部位に移行して2次汚染を生じる原因となること
があるため、汚染はない方が好ましい〕。この汚染は程
度にもよるが、上記、WO85/05734号公報の第
三発明で開示された粘着剤でも、除去が不十分となるこ
とがあった。さらにまた、半導体ウエハの裏面研削中に
ウエハ表面と粘着剤層との間に水が浸入し、それに起因
してウエハが破損したり、水と共に研削屑が浸入してウ
エハ表面を汚染することもあった。
【0012】上述の様な問題があるにもかかわらず、チ
ップの高性能化やパッケージングの多様化、低コスト
化、ICカードの普及等に伴い、研削方法の技術レベル
には、単にウエハを破損しないことだけでなく、チップ
レベルでのマイクロクラックが生じないことや、ウエハ
表面の更なる低汚染性、研削後の厚み精度の向上等が要
求される様になってきている。現状では、半導体ウエハ
の表面に一定の厚みのレジストを塗布し、突起状物の高
さを小さくしてから(もしくは完全に凸部をなくしてか
ら)粘着フィルムを貼付して裏面研削を行ったり、レジ
スト塗布のみで裏面研削を行ったりしており、レジスト
塗布の作業性の悪さ、レジスト塗布時および除去時に多
量の溶剤を使用するなど、決して合理的な方法が行われ
ているわけではない。また、インクドットを有するウエ
ハの裏面研削にはレジスト法が適用出来ないこともあ
る。
【0013】この様な問題を解決する手段として、特開
平9−17756号公報には、半導体装置の製造時に半
導体の表面を保護するための半導体用保護テープであっ
て、第1の処理で収縮させることができる第1の層と、
第2の処理で前記第1の層から剥離させることができる
第2の層と、を有することを特徴とする半導体用保護テ
ープが開示されている。この発明の半導体用保護テープ
は、5〜30μmのインク突起(本発明でいうインクド
ット)を有するウエハの裏面研磨を可能にしている。し
かし、該テープは、半導体ウエハ表面に貼着される第1
の層(熱収縮テープ)と、第1の層だけではインク突起
の形成されたウエハを保護するのに不十分なため、これ
を補うための第2の層(なんらかの処理によって剥離し
易くなるテープ)の2種類の粘着テープが積層された構
成となっており、従来の半導体ウエハ保護テープに比
べ、粘着フィルムの製造コスト面で不利である。また、
30μmを超える突起状物を表面に有する半導体ウエハ
を裏面研削することについては言及していない。
【0014】上記の様な状況の中で、突起物の高さ、チ
ップの薄層化に制約がかかり、それに伴いチップの実装
技術やICカードの発展にも制約がかかってきている。
【0015】その為、ハイバンプ電極やインクドットの
様な、表面に高さが25〜300μmの突起状物を有す
る半導体ウエハの裏面を研削するに際して、特に適した
半導体ウエハの裏面研削用粘着フィルムが望まれてい
る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記問
題に鑑み、ハイバンプ電極、インクドット等の如き高さ
が10〜100μmの突起状物を表面に有する半導体ウ
エハの裏面を研削するに際し、半導体ウエハの破損防
止、マイクロクラック及びディンプルの発生防止、半導
体ウエハ表面の汚染防止等を図ることができる半導体ウ
エハの裏面研削方法、及びその方法に用いる裏面研削用
粘着フィルムに関わる技術を完成した。かかる発明につ
いては、特願平8−347432号、特願平9−168
621号等として特許出願した。
【0017】上記の特許出願に関わる粘着フィルムは、
突起状物の高さが10〜100μm(特に、25μm〜
100μm)であることを前提とし、基材フィルムの性
質、粘着剤層の種類を特定し、且つ、突起状物の高さと
基材フィルムの厚み、粘着剤層の厚みに関して特定の関
係を有するものである。
【0018】本発明者らは、突起状物を有する半導体ウ
エハの裏面を研削する方法に関し、引き続き研究を行っ
た。その中で、今後の実装方法のさらなる多様化に伴
い、上記突起状物の高さが100μmを超え300μm
近い高さになることが判明した。その場合、上記特許出
願の技術では対応出来ない恐れも生じてきた。
【0019】本発明の目的は、上記問題に鑑み、ハイバ
ンプ電極、インクドット等の高さが25〜300μm、
さらに厳しくは100〜300μmである突起物を表面
に有する半導体ウエハの裏面を研削するに際し、半導体
ウエハの破損防止、マイクロクラック及びディンプルの
発生防止、半導体ウエハ表面の汚染防止等を図ることが
できる半導体ウエハの裏面研削用粘着フィルム、及び該
粘着フィルムを用いる半導体ウエハの裏面研削方法を提
供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、半導体ウエハの表面回路にハイバンプ電極、
インクドット等の如き高さが25〜300μm、さらに
厳しくは100〜300μmである突起状物が形成され
ていても、基材フィルムの硬度と厚み、粘着剤層の組成
と厚み、粘着フィルムの粘着力をそれぞれ特定の範囲に
限定し、且つ、前記突起状物の高さ(A)、基材フィル
ムの厚み(B)を特定の関係に限定する技術思想に加
え、基材フィルム層と粘着剤層の層間に特定の硬度を有
する柔軟性に富んだ熱可塑性樹脂層を形成することによ
り、上記課題が解決し得ることを見出し、本発明に到っ
た。
【0021】すなわち、本発明は、半導体ウエハの裏面
を研削する際にその回路形成表面に貼付される半導体ウ
エハ裏面研削用粘着フィルムであって、該半導体ウエハ
が、その回路形成表面が電極及び不良回路識別マークか
ら選ばれた少なくとも1種の高さ(A)25〜300μ
mの突起状物を有し、該粘着フィルムが、ショアーD型
硬度が30〜50、厚み(B)が30〜500μmであ
る基材フィルム(1)の片面に、(ア)架橋剤と反応し
得る官能基を有するアクリル酸アルキルエステル系粘着
剤ポリマー、(イ)1分子中に2個以上の架橋反応性官
能基を有する架橋剤を含む厚み1〜30μmの粘着剤層
(2)が形成され、基材フィルム(1)と粘着剤層
(2)の層間に、JIS−A硬度が10〜55、厚み
(C)が25〜400μmである熱可塑性樹脂中間層
(3)が配設され〔但し、0.55A≦C、A≦(B+
C)〕、且つ、該粘着フィルムのSUS304−BA板
に対する粘着力が5〜400g/25mmであることを
特徴とする半導体ウエハの裏面研削用粘着フィルムであ
る。
【0022】また、他の発明は、前記発明に係わる半導
体ウエハの裏面研削用粘着フィルムを用いる半導体ウエ
ハの裏面研削方法である。
【0023】本発明の半導体ウエハの裏面研削用粘着フ
ィルムの特徴は、特定の硬度を有する基材フィルムと粘
着剤層との層間に、特定の硬度を有する熱可塑性樹脂層
を設けたこと、及び、半導体ウエハ表面の突起状物の高
さ、基材フィルムの厚み、及び、熱可塑性樹脂層の厚み
の関係を特定の範囲に限定したことにある。
【0024】本発明の半導体ウエハの裏面研削用粘着フ
ィルムを用いて、半導体ウエハの裏面を研削するに際
し、該半導体ウエハの表面にハイバンプ電極、不良回路
識別マーク等の高さが25〜300μmである突起状物
が形成されていても、裏面の研削応力に起因してウエハ
が破損することがないばかりでなく、チップレベルでの
破損(マイクロクラック)を生じることがない。さらに
は、突起状物に起因するディンプルの発生を抑えること
が出来る。
【0025】通常、半導体ウエハの裏面研削用粘着フィ
ルムの粘着剤層は、ウエハ表面の凹凸(突起状物を含
む)が大きくなると相応に厚くなる。この為、裏面研削
終了後、粘着フイルムの剥離時の粘着力が高くなり、例
えばICカード用の場合等、研削後の厚みが150μm
以下になる場合では、剥離時にウエハを破損することが
ある。本出願人の出願に係わる特願平8−347432
号、特願平9−168621号等に係わる発明は、この
粘着力の上昇を押さえる為に、粘着剤層の組成を限定し
ている。しかし、本発明においては、突起状物の高さに
関係なく、粘着剤層の厚みを1〜30μmとすることが
出きる。その為、粘着力は必要以上に上昇する事がな
い。従って、剥離時にウエハを破損する事もない。
【0026】また、本発明に係わる半導体ウエハの裏面
研削用粘着フィルムは、粘着剤層の厚みを1〜30μm
程度に比較的薄く形成される。その為、粘着剤層の凝集
破壊が起こり難く、粘着フィルムを剥離した後の半導体
ウエハ表面に、粘着剤層に起因する汚染が生じることが
ない。さらに、半導体ウエハの表面と粘着剤層の間に水
が侵入することに起因するウエハの破損及びウエハ表面
の汚染もない。当然のことながら、レジストを用いる必
要がなく工程が簡略できるという効果をも奏する。
【0027】尚、本発明でいうハイバンプ電極は、フリ
ップチップ実装等のワイヤレスボンディング法により半
導体チップを実装する際に適した電極として、半導体ウ
エハの表面に回路と共に形成されたものである。通常、
ハイバンプ電極を有する半導体チップは、この電極によ
りプリント配線基盤上に直接接続される。該電極は10
〜300μm程度の高さを有する。この様なハイバンプ
電極を有する半導体ウエハは、従来のものに比べて回路
の電極部分のみが突出した状態(突起状物)を呈してい
る。この形状は、円柱状、角柱状、キノコ状、球状等と
バンプの形成方法や、チップに要求される性能等により
様々な形状がある。
【0028】また、本発明でいうインクドットは、半導
体ウエハの表面に形成された回路(チップ)を検査、選
別し、不良回路を識別する為に不良回路上に付けられた
マークである。通常、直径0.1〜2mm、高さ10〜
100μm程度の赤色等の色素で着色された円柱状のも
のであり、インクドットの部分が突出した状態(突起状
物)となっている。
【0029】ハイバンプ電極やインクドット等の突起状
物は、半導体ウエハ表面の全面積の10%未満程度の部
分が前記高さに突出した状態になっている。本発明は、
かかる表面形状を有する半導体ウエハの内、特に、25
〜300μm、さらに厳しくは100〜300μmの突
起状物を有する半導体ウエハの裏面研削用に適用するも
のである。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の半導体ウエハの裏面研削用粘着フィルム
は、基材フィルム(1)と熱可塑性樹脂層(3)の積層
体の該熱可塑性樹脂層(3)側に粘着剤層(2)が形成
されたものである。本発明の半導体ウエハの裏面研削用
粘着フィルムは、ハイバンプ電極及び不良回路識別マー
クから選ばれた少なくとも1種の高さ(A)が25〜3
00μmの突起状物を有する半導体ウエハの表面に直接
貼付して、そのウエハの裏面を研削する際に使用される
ものである。
【0031】本発明の半導体ウエハ裏面研削用粘着フィ
ルムは、基材フィルム(1)と熱可塑性樹脂層(3)の
積層体を作成した後、該積層体の熱可塑性樹脂層(3)
側の表面に粘着剤層を形成することにより製造される。
熱可塑性樹脂層(3)側の表面に粘着剤層を形成する方
法として、剥離フィルムの片表面に、アクリル酸アルキ
ルエステル系粘着剤ポリマー、架橋剤、その他必要に応
じて他の添加剤を含む溶液またはエマルジョン液(以
下、これらを総称して粘着剤塗布液という)を塗布、乾
燥して粘着剤層を形成した後、得られた粘着剤層を前記
積層体の熱可塑性樹脂層(3)側の表面に転写する方
法、前記積層体の熱可塑性樹脂層(3)の表面に粘着剤
塗布液を塗布、乾燥して粘着剤層を形成する方法が挙げ
られる。
【0032】前者の方法による場合は、使用する際に剥
離フィルムを剥離するとよい。後者の方法による場合
は、環境に起因する汚染等から保護するために粘着剤層
(2)の表面に剥離フィルムを貼着することが好まし
い。
【0033】基材フィルム(1)と熱可塑性樹脂層
(3)の積層体及び剥離フィルムのいずれの片表面に粘
着剤塗布液を塗布するかは、該積層体及び剥離フィルム
の耐熱性、半導体ウエハ表面の汚染性を考慮して決め
る。例えば、剥離フィルムの耐熱性が該積層体のそれよ
り優れている場合は、剥離フィルムの表面に粘着剤層
(2)を設けた後、積層体の熱可塑性樹脂層(3)側へ
転写する。耐熱性が同等または該積層体が優れている場
合は、該積層体の表面に粘着剤層(2)を設け、その表
面に剥離フィルムを貼着する。
【0034】しかし、半導体ウエハ裏面研削用粘着フィ
ルムは、剥離フィルムを剥離したときに露出する粘着剤
層(2)の表面を介して半導体ウエハ表面に貼着される
ことを考慮し、粘着剤層(2)による半導体ウエハ表面
の汚染防止を図るためには、積層体の耐熱性にかかわら
ず、耐熱性の良好な剥離フィルムを使用し、その表面に
粘着剤塗布液を塗布、乾燥して粘着剤層(2)を形成す
る方法が好ましい。
【0035】基材フィルム(1)と熱可塑性樹脂層
(3)の積層体は、熱可塑性樹脂層(3)を押出機でフ
ィルム状に押出成形しながら予め用意しておいた基材フ
ィルム(1)とラミネートする方法、基材フィルム
(1)と熱可塑性樹脂層(3)を共押出により同時に製
膜する方法等により製造される。これらのうち、該積層
体の製造コストを考慮すれば、後者の共押出による製造
方法が好ましい。共押出の方法は、Tダイ押出法のほか
に、インフレーション法等が挙げられる。基材フィルム
(1)と熱可塑性樹脂層(3)の接着力を高める為に、
両者の間に新たに接着層を設けてもよい。
【0036】本発明に用いる基材フィルム(1)として
は、粘着フィルムの形態を維持する性質と、後述する熱
可塑性樹脂層(3)の役割(突起状物に対する変形、裏
面研削時の衝撃を吸収する役割等)を補完する性質のも
のを用いる。具体的には、ASTM−D−2240−8
6、またはJIS−K−7215−1986に規定され
るショアーD型硬度(デュロメータD硬さ)が30〜5
0である樹脂フィルムを用いる。ショアーD型硬度が低
くなると、粘着フィルムが柔らかくなり、その形状保
持、取扱作業性に影響を与える傾向がある。高くなる
と、熱可塑性樹脂層(3)の役割を補完する性質が劣
り、研削中のウエハの破損、マイクロクラック、ディン
プル等が生じることがある。従って、より好ましい基材
フィルム(1)のショアーD型硬度は30〜40であ
る。
【0037】また、ショアーD型硬度が30〜50(好
ましくは30〜40)である樹脂フィルムと同等の性能
を有するフィルムとしては、ショア−D型硬度が本発明
の範囲外である樹脂に可塑剤等の各種添加剤や、他の樹
脂等を混合して、成形加工することにより得られたショ
アーD型硬度が30〜50(好ましくは30〜40)で
あるフィルムである。熱可塑性樹脂層、粘着剤層、ウエ
ハ表面等への非汚染性を考慮すると、可塑剤等の添加剤
を可能な限り含まないフィルムが好ましい。
【0038】基材フィルム(1)の原料樹脂としては、
酢酸ビニル単位の含有量が1〜28重量%程度のエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、アルキルアクリレート単位の
含有量が1〜28重量%程度であるエチレン−アルキル
アクリレート共重合体(アルキル基の炭素数1〜4)、
アクリル酸単位またはメタクリル酸単位の含有量が1〜
20重量%程度であるエチレン−(メタ)アクリル酸共
重合体、密度が0.89〜0.92g/cm3程度であ
る低密度ポリエチレン、シンジオタクチック構造を有す
るポリプロピレン、α−オレフィン単位の含有量が9〜
30重量%程度であるエチレン−α−オレフィン共重合
体(α−オレフィンの炭素数3〜8)、アイオノマー、
エチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体等が挙げら
れる。
【0039】上記樹脂において、酢酸ビニル単位、アル
キルアクリレート単位、アクリル酸単位、メタクリル酸
単位、およびα−オレフィン単位の含有量は、示差走査
熱量計(DSC)または赤外分光光度計(IR)によっ
て測定することができる。
【0040】また、本発明でいう樹脂の密度はASTM
−D−1505に準拠して測定した値である。
【0041】これらの内、酢酸ビニル単位の含有量が1
〜28重量%程度のエチレン−酢酸ビニル共重合体、エ
チルアクリレート単位の含有量が1〜28重量%程度で
あるエチレン−エチルアクリレート共重合体が好まし
い。これらの樹脂は、必要に応じて、安定剤、滑剤、酸
化防止剤、顔料、ブロッキング防止剤、可塑剤、等を含
有していても良い。
【0042】基材フィルム(1)に可塑剤等の各種添加
剤を添加する場合、添加剤が熱可塑性樹脂層(3)や粘
着剤層(2)に移行して、熱可塑性樹脂層(3)や粘着
剤層(2)の特性を変化させたり、粘着剤層(2)に移
行した場合には、ウエハ表面を汚染する事がある。この
様な場合には、基材フィルム(1)と熱可塑性樹脂層
(3)との間にバリヤー層を設けることが好ましい。
【0043】基材フィルム(1)は一層体であっても、
また、二層以上であってもよい。基材フィルムの厚み
(B)は30〜500μmである。薄くなると、粘着フ
ィルムの形態を維持する性質が劣ってくる傾向にあり、
それに伴い該粘着フィルムの取扱作業性に影響を与え
る。厚くなると、基材フィルム(1)の生産性に影響を
あたえ、製造コストの増加につながる。
【0044】基材フィルム(1)の厚みバラツキは、裏
面研削後のウエハの局所的な厚みバラツキ(ディンプ
ル)にはあまり影響を与えないが、全体的な厚みバラツ
キには影響を与える。かかる観点から、基材フィルムは
その平均厚みの±5%程度の範囲内の厚みバラツキで製
造されたものであることが好ましい。さらに好ましくは
±3%以内であり、より好ましくは±2%以内である。
ここで言う厚みバラツキとは、無作為に採取した約10
cm四方の大きさのサンプルを縦横約1cm毎に測定し
た際の平均厚みに対するバラツキのことである。
【0045】また、基材フィルム(1)の熱可塑性樹脂
層(3)が設けられる面の反対側の面に、他のフィルム
をさらに積層しても良い。例えば、半導体ウエハの裏面
を研削した後に施されるエッチング液によるエッチング
処理の際にも引続き、半導体ウエハ裏面研削用粘着フィ
ルムを用いて半導体ウエハの表面を保護する場合には、
耐薬品性フィルムを基材フィルム(1)の熱可塑性樹脂
層(3)が設けられる面と反対側に積層してもよい。耐
薬品性フィルムとしては、ポリプロピレンフィルム、ポ
リエステルフィルム等が挙げられる。基材フィルム
(1)は、カレンダー法、Tダイ押出法、インフレーシ
ョン法等、公知の技術により製造することが出来る。こ
れらの中で、粘着フィルムの製造コストを考慮すれば、
熱可塑性樹脂層(3)と共押出することにより製造する
ことが好ましい。
【0046】本発明の粘着フィルムに配設する熱可塑性
樹脂層(3)は、本発明の半導体ウエハ裏面研削用粘着
フィルムを半導体ウエハの表面に貼付した際に、半導体
ウエハ表面上の突起状物に対応して変形する。その為、
粘着剤層(2)の厚みが薄い場合であっても、半導体ウ
エハの表面に粘着剤層(2)を密着させることができ
る。また、突起状物に伴う段差を吸収し、基材フィルム
(1)へ段差の影響を殆ど伝えない。さらには、裏面研
削時の衝撃を吸収する機能も有する。従って、該突起状
物に伴うウエハ裏面研削時のウエハの破損を防止した
り、マイクロクラックの発生を防止したり、ディンプル
の発生を防止する効果を有する。
【0047】本発明の半導体ウエハ裏面研削用粘着フィ
ルムは、熱可塑性樹脂層(3)が基材フィルム層(1)
と粘着剤層(2)の層間に存在する為、粘着剤層(2)
を特に厚くする必要が無く、1〜30μmの範囲内で十
分である。その為、粘着剤層(2)を形成する際の塗
工、乾燥工程に時間がかからない。従って、突起状物を
表面に有する半導体ウエハの裏面を研削する為の粘着フ
ィルムをより低コストで供給することが可能となる。
【0048】さらに本発明の粘着フィルムは、粘着剤層
(2)の凝集破壊(所謂、ウエハ表面への糊のこり)が
生じ難く、また、粘着フィルムの粘着力も低く抑えるこ
とも出来、ICカード用等、裏面研削後の厚みが薄い半
導体ウエハにも適用できる。熱可塑性樹脂層(3)の存
在により、粘着剤層(2)の厚みを1〜30μmの範囲
に抑えることが可能となった事に起因するものと推定さ
れる。
【0049】熱可塑性樹脂層(3)は、硬くなり過ぎる
と、突起状物に対する変形が起こりにくくなり、ディン
プルの発生、マイクイロクラックの発生を生じる傾向が
ある。また、粘着剤層(2)とウエハ表面の密着性が悪
くなり裏面研削中に、水や研削屑が浸入しウエハ表面を
汚染したり、さらには裏面研削中のウエハの破損を引き
起こす傾向がある。柔らかくなり過ぎると、樹脂層
(3)の形状が安定せず本発明の粘着フィルムを製造で
きなくなる傾向がある。かかる観点から、熱可塑性樹脂
層(3)の硬度は、JIS K−6301−1995に
規定されるA型硬さ(JIS−A硬度ともいう)が10
〜55であることが好ましい。より好ましくは15〜5
0である。
【0050】熱可塑性樹脂層(3)の材質としては、J
IS−A硬度が上記範囲内の樹脂フィルム、またはそれ
と同等の性能を有するものであれば、適宜用いる事がで
きる。しかし、該樹脂層(3)に含まれる添加剤が粘着
剤層(2)を汚染し該粘着剤層(2)の特性を変化させ
たり、また、粘着剤層(2)を汚染した添加剤がそのま
まウエハ表面を汚染することがある。それらを考慮すれ
ば、可塑剤等の添加剤の添加量が少ないもの、または全
く含まないものが好ましい。
【0051】例示すると、酢酸ビニル単位の含有量が3
0〜50重量%程度のエチレン−酢酸ビニル共重合体、
アルキルアクリレート単位の含有量が30〜50重量%
程度であるエチレン−アルキルアクリレート共重合体
(アルキル基の炭素数1〜4)、密度が0.89g/c
3未満である低密度ポリエチレン、密度が0.89g
/cm3未満であるエチレン−α−オレフィン共重合体
(α−オレフィンの炭素数3〜8)等から成形された樹
脂フィルムが挙げられる。これらの内、酢酸ビニル単位
の含有量が30〜50重量%程度のエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、エチルアクリレート単位の含有量が30〜
50重量%程度であるエチレン−エチルアクリレート共
重合体から成形された樹脂フィルムが好ましい。
【0052】上記樹脂において、酢酸ビニル単位および
アルキルアクリレート単位の含有量は、示差走査熱量計
(DSC)または赤外分光光度計(IR)によって測定
することができる。また、本発明でいう樹脂の密度は、
ASTM−D−1505に準拠して測定した値である。
【0053】熱可塑性樹脂層(3)には必要に応じて、
安定剤、滑剤、酸化防止剤、顔料、ブロッキング防止
剤、可塑剤、等を含有していても良い。しかし、添加剤
の種類、含有量によっては、上記の様に粘着剤層(2)
が汚染されることもある。この場合は、熱可塑性樹脂層
(3)と粘着剤層(2)との間にバリヤー層を設けるこ
とが好ましい。
【0054】JIS−A硬度が10〜55(より好まし
くは15〜50)の樹脂フィルムと同等の性能を有する
ものとしては、上記樹脂にJIS−A硬度が本発明の範
囲外である他の樹脂をブレンドしたフィルムや、JIS
−A硬度が本発明の範囲外の樹脂に可塑剤等の各種添加
剤や、他の樹脂等を混合して、成形加工することにより
得られたフィルムであって、JIS−A硬度が10〜5
5(より好ましくは15〜50)である樹脂フィルムが
挙げられる。
【0055】熱可塑性樹脂層(3)の厚み(C)は、半
導体ウエハ表面に粘着剤層(2)を密着させる効果、突
起状物に伴う段差を吸収し、基材フィルム(1)へ段差
の影響を殆ど伝えない効果等を考慮すれば、厚い程好ま
しい。しかし、厚くなり過ぎると製造コストに影響を与
える。その為、突起状物の高さ(A)25〜300μm
に対し、25〜400μm〔但し、0.55A≦C、A
≦(B+C)〕である。また、突起状物の高さ(A)と
熱可塑性樹脂層(3)の厚み(C)のより好ましい関係
はA≦Cである。
【0056】熱可塑性樹脂層(3)を形成する方法とし
て、熱可塑性樹脂層(3)をTダイ押出機でフィルム状
に押出成形しながら、予め用意しておいた基材フィルム
(1)とラミネートする方法、基材フィルム(1)と熱
可塑性樹脂層(3)を共押出により同時に製膜する方法
等が挙げられる。これらのうち、該積層体の製造コスト
を考慮すれば、後者の共押出による製造方法が好まし
い。共押出の方法は、Tダイ押出法のほかに、インフレ
ーション法等が挙げられる。
【0057】基材フィルム(1)と熱可塑性樹脂層
(3)の接着力を高める為に、両者の間に新たに接着層
を設けてもよい。また、熱可塑性樹脂層(3)と粘着剤
層(2)の接着力を高める為に、熱可塑性樹脂層(3)
の粘着剤層(2)を設ける面にはコロナ放電処理または
化学処理等を施すことが好ましい。また、熱可塑性樹脂
層(3)と粘着剤層(2)の間に下塗り剤を用いてもよ
い。
【0058】本発明の粘着フィルムに用いる粘着剤層
(2)は、(ア)架橋剤と反応し得る官能基を有するア
クリル酸アルキルエステル系粘着剤ポリマー、(イ)1
分子中に2個以上の架橋反応性官能基を有する架橋剤を
含む粘着剤塗布液を塗布乾燥して得られるものである。
本発明の粘着フィルムは熱可塑性樹脂層(3)を基材フ
ィルム(1)と粘着剤層(2)の間に設けている。その
為、粘着剤層(2)はウエハ表面の突起状物の段差を吸
収するほど厚くする必要はなく、ウエハ表面との界面接
着力が得られる程度でよい。ウエハ表面との界面接着力
は、粘着剤層(2)が存在しなくとも、熱可塑性樹脂層
(3)の表面とウエハ表面でも得ることが出来る。しか
し、この場合、熱可塑性樹脂層(3)がウエハ表面を汚
染し、該ウエハから得られるチップの製品不良の原因と
なる。
【0059】粘着剤層(2)を形成する際に用いる粘着
剤塗布液は、(ア)架橋剤と反応し得る官能基を有する
アクリル酸アルキエステル系粘着剤ポリマー、(イ)1
分子中に2個以上の架橋反応性官能基を有する架橋剤を
含む溶液またはエマルジョン液である。本発明に用いる
アクリル酸アルキルエステル系粘着剤ポリマーは、アク
リル酸アルキルエステル及び/またはメタクリル酸アル
キルエステルを主モノマーとして、架橋剤と反応し得る
官能基を有するコモノマーを含むモノマー混合物を共重
合して得られる。アクリル酸アルキルエステル系粘着剤
ポリマーを含む液体(以下、粘着剤主剤)は溶液、エマ
ルジョン液等の何れでもよい。
【0060】主モノマーとしては、アクリル酸メチル、
メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸
エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アク
リル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−エチ
ルヘキシル、等が挙げられる。これらは単独で使用して
もよいし、また、2種以上を混合して使用してもよい。
主モノマーの使用量は粘着剤ポリマーの原料となる全モ
ノマーの総量中に、通常、60〜99重量%の範囲で含
まれていることが好ましい。
【0061】上記主モノマーと共重合させる、架橋剤と
反応し得る官能基を有するコモノマーとして、アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコ
ン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸モノアルキル
エステル、メサコン酸モノアルキルエステル、シトラコ
ン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエス
テル、マレイン酸モノアルキルエステル、アクリル酸−
2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシ
エチル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ターシャ
ル−ブチルアミノエチルアクリレート、ターシャル−ブ
チルアミノエチルメタクリレート等が挙げられる。これ
らの一種を上記主モノマーと共重合させてもよいし、ま
た2種以上を共重合させてもよい。上記の架橋剤と反応
しうる官能基を有するコモノマーの使用量は、粘着剤ポ
リマーの原料となる全モノマーの総量中に、通常、1〜
40重量%の範囲で含まれていることが好ましい。
【0062】本発明においては、上記粘着剤ポリマーを
構成する主モノマー及び架橋剤と反応し得る官能基を有
するコモノマーの他に、界面活性剤としての性質を有す
る特定のコモノマー(以下、重合性界面活性剤と称す
る)を共重合してもよい。重合性界面活性剤は、主モノ
マー及びコモノマーと共重合する性質を有すると共に乳
化重合する場合には乳化剤としての作用を有する。重合
性界面活性剤を用いて乳化重合した粘着剤ポリマーを用
いた場合には、通常、界面活性剤によるウエハ表面に対
する汚染が生じない。また、粘着剤層(2)に起因する
僅かな汚染が生じた場合においても、ウエハ表面を水洗
することにより容易に除去することが可能となる。
【0063】この様な重合性界面活性剤の例としては、
例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルの
ベンゼン環に重合性の1−プロペニル基を導入したもの
〔第一工業製薬(株)製;アクアロンRN−10、同R
N−20、同RN−30、同RN−50等〕、ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテルの硫酸エステルのア
ンモニウム塩のベンゼン環に重合性の1−プロペニル基
を導入したもの〔第一工業製薬(株)製;アクアロンH
S−10、同HS−20等〕、及び分子内に重合性2重
結合を持つ、スルホコハク酸ジエステル系のもの〔花王
(株)製;ラテムルS−120A、同S−180A等〕
等が挙げられる。
【0064】さらに必要に応じて、アクリル酸グリシジ
ル、メタクリル酸グリシジル、イソシアネートエチルア
クリレート、イソシアネートエチルメタクリレート、2
−(1−アジリジニル)エチルアクリレート、2−(1
−アジリジニル)エチルメタクリレート等の自己架橋性
の官能基を持ったモノマー、酢酸ビニル、アクリロニト
リル、スチレン等の重合性2重結合を持ったモノマー、
ジビニルベンゼン、アクリル酸ビニル、メタクリル酸ビ
ニル、アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル等の多官
能性のモノマー等を共重合してもよい。
【0065】粘着剤ポリマーを重合する方法としては、
溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法、等既知の様々な
方法が採用できるが、得られる粘着剤ポリマーの分子量
およびそれにともなう粘着剤の凝集力への影響を考慮す
る必要がある。これらの重合方法の内、高分子量のポリ
マーが得られること、塗布、乾燥工程における環境汚
染、塗布性等を勘案すると乳化重合法が好ましい。
【0066】粘着剤ポリマーの重合反応機構としては、
ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等が挙げら
れるが、粘着剤の製造コスト、モノマーの官能基の影響
および半導体ウエハ表面へのイオンの影響、等を等慮す
ればラジカル重合によって重合することが好ましい。ラ
ジカル重合反応によって重合する際、ラジカル重合開始
剤として、ベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオ
キサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイル
パーオキサイド、ジ−ターシャル−ブチルパーオキサイ
ド、ジ−ターシャル−アミルパーオキサイド等の有機過
酸化物、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸
ナトリウム等の無機過酸化物、2,2’−アゾビスイソ
ブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチ
ロニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリッ
クアシッド等のアゾ化合物、等が挙げられる。
【0067】乳化重合法により重合する場合には、これ
らのラジカル重合開始剤の中で、水溶性の過硫酸アンモ
ニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の無機過
酸化物、同じく水溶性の4,4’−アゾビス−4−シア
ノバレリックアシッド等の分子内にカルボキシル基を持
ったアゾ化合物が好ましい。半導体ウエハ表面へのイオ
ンの影響を考慮すれば、過硫酸アンモニウム、4,4’
−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド等の分子内
にカルボキシル基を持ったアゾ化合物がさらに好まし
い。4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッ
ド等の分子内にカルボキシル基を持ったアゾ化合物が特
に好ましい。
【0068】粘着剤層(2)に用いる架橋性の官能基を
1分子中に2個以上有する架橋剤は、粘着剤ポリマーが
有する官能基と反応させ、粘着力および凝集力を調整す
るために用いる。架橋剤としては、ソルビトールポリグ
リシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエ
ーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテ
ル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロ
ールポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコール
ジグリシジルエーテル、レソルシンジグリシジルエーテ
ル等のエポキシ系化合物、テトラメチレンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチロー
ルプロパンのトルエンジイソシアネート3付加物、ポリ
イソシアネート等のイソシアネート系化合物、トリメチ
ロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネー
ト、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニル
プロピオネート、N,N’−ジフェニルメタン−4,
4’−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、N,
N’−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジン
カルボキシアミド)、N,N’−トルエン−2,4−ビ
ス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロー
ルプロパン−トリ−β−(2−メチルアジリジン)プロ
ピオネート等のアジリジン系化合物、及びヘキサメトキ
シメチロールメラミン等のメラミン系化合物等が挙げら
れる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を併
用してもよい。
【0069】架橋剤の含有量は、通常、架橋剤中の官能
基数が粘着剤ポリマー中の官能基数よりも多くならない
程度の範囲で含有する。しかし、架橋反応で新たに官能
基が生じる場合や、架橋反応が遅い場合など、必要に応
じて過剰に含有してもよい。好ましい含有量は、粘着剤
ポリマー100重量部に対し架橋剤0.1〜15重量部
である。
【0070】少な過ぎると、粘着剤層(2)の凝集力が
不十分となり、ウエハ表面(特に突起状物周辺)で糊残
りが生じ易くなることがある。また、得られる粘着フィ
ルムの粘着力が本発明の範囲を外れて高くなることがあ
る。多過ぎると、熱可塑性樹脂層(3)の変形を妨害
し、粘着剤層(2)とウエハ表面との密着力が弱くな
り、研削中に水や研削屑が浸入し、該粘着フィルムの剥
離によるウエハの破損が生じたり、研削屑によるウエハ
表面の汚染が生じたりすることがある。
【0071】粘着剤塗布液には、上記の粘着剤ポリマ
ー、架橋剤の他に、粘着特性を調整するためにロジン
系、テルペン樹脂系等のタッキファイヤー、各種界面活
性剤等を本願発明の目的に影響しない程度に適宜含有し
てもよい。また、粘着剤ポリマーがエマルジョン液であ
る場合は、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル
等の造膜助剤を本願発明の目的に影響しない程度に適宜
添加してもよい。造膜助剤として使用されるジエチレン
グリコールモノアルキルエーテル類およびその誘導体
は、粘着剤層(2)に起因するウエハ表面の汚染を除去
し易くする効果もある。
【0072】本発明の半導体ウエハの裏面研削用粘着フ
ィルムは、粘着剤層(2)の厚みが比較的薄いことが特
徴のひとつである。粘着剤層(2)の厚みは1〜30μ
mである。熱可塑性樹脂層(3)がウエハ表面の突起状
物に対応して変形する際、粘着剤層(2)が熱可塑性樹
脂層(3)の変形に追従できなくなることがないよう
に、この範囲内で適宜選択する。厚みが厚くなると粘着
フィルムの生産性に影響をあたえ、製造コストの増加に
つながることがある。さらには、粘着フィルムの粘着力
が必要以上に上昇し、裏面研削後に粘着フィルムを剥離
する際に剥離粘着力の上昇に伴う、ウエハの破損を引き
起こしたり、ウエハ表面に粘着剤層(2)に起因する汚
染が生じたりすることがある。従って、特に好ましい粘
着剤層(2)の厚みは1〜20μmである。
【0073】本発明のウエハ裏面研削用粘着フィルムの
粘着力は、SUS304−BA板に対する粘着力に換算
すると5〜400g/25mm、好ましくは、10〜3
00g/25mmである。ウエハ裏面の研削条件、ウエ
ハの口径、研削後のウエハの厚み等を勘案して上記範囲
に調整する。
【0074】本発明においては、熱可塑性樹脂層(3)
がウエハ表面の突起状物に対応して変形するだけでな
く、スクライブライン等のその他の表面形状にも対応す
る。その為、粘着力の強弱にかかわらず、ウエハ表面に
対する密着性が良好である。また、粘着力が高過ぎると
裏面研削後の剥離時に自動テープ剥がし機で剥離トラブ
ルが発生する等、剥離作業性が低下したり、ウエハを破
損することがある。
【0075】本発明の粘着フィルムに使用する剥離フィ
ルムとして、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレ
ート等の合成樹脂フィルムが挙げられる。必要に応じて
その表面にシリコーン処理等が施されたものが好まし
い。剥離フィルムの厚みは、通常10〜2000μmで
ある。好ましくは30〜100μmである。
【0076】基材フィルム層(1)と熱可塑性樹脂層
(3)の積層体の熱可塑性樹脂層(3)側、または剥離
フィルムの片表面に粘着剤塗布液を塗布する方法として
は、従来公知の塗布方法、例えばロールコーター法、リ
バースロールコーター法、グラビアロール法、バーコー
ト法、コンマコーター法、ダイコーター法等が採用でき
る。塗布された粘着剤の乾燥条件には特に制限はない
が、一般的には、60〜200℃の温度範囲において1
0秒〜10分間乾燥することが好ましい。さらに好まし
くは80〜170℃において10秒〜3分間乾燥する。
架橋剤と粘着剤ポリマーとの架橋反応を十分に促進させ
るために、被粘着剤塗布液の乾燥が終了した後に、半導
体ウエハ裏面研削用粘着フィルムを40〜80℃におい
て5〜300時間程度加熱しても良い。
【0077】本発明の半導体ウエハ裏面研削用粘着フィ
ルムの製造方法は、上記の通りであるが、半導体ウエハ
表面の汚染防止の観点から、基材フィルム、剥離フィル
ム、粘着剤主剤等全ての原料資材の製造環境、粘着剤塗
布液の調製、保存、塗布及び乾燥環境は、米国連邦規格
209bに規定されるクラス1,000以下のクリーン
度に維持されていることが好ましい。
【0078】次に、半導体ウエハの裏面研削方法につい
て説明する。本発明の半導体ウエハの裏面研削方法は、
表面に高さ(A)が25〜300μm、さらに厳しくは
100〜300μmのハイバンプ電極及び不良回路識別
マークから選ばれた少なくとも1種の突起状物を有する
半導体ウエハの裏面を研削する際に、上記方法により製
造された半導体ウエハ裏面研削用粘着フィルムを用いる
ことに特徴がある。
【0079】その詳細は、先ず、半導体ウエハ裏面研削
用粘着フィルム(以下、粘着フィルムという)の粘着剤
層(2)から剥離フィルムを剥離し、粘着剤層(2)の
表面を露出させ、その粘着剤層(2)を介して、高さ
(A)が25〜300μmの突起状物を有する集積回路
が組み込まれた側の半導体ウエハの表面に貼着する。次
いで、研削機のチャックテーブル等に粘着フィルムの基
材フィルム(1)を介して半導体ウエハを固定し、半導
体ウエハの裏面を研削する。研削が終了した後、粘着フ
ィルムは剥離される。裏面の研削が完了した後、粘着フ
ィルムを剥離する前にケミカルエッチング工程やCMP
(メカノケミカルポリッシング)工程を経ることもあ
る。また、必要に応じて、粘着フィルム剥離後に、半導
体ウエハ表面に対して、水洗、プラズマ洗浄等の洗浄処
理が施される。
【0080】この様な裏面研削操作において、半導体ウ
エハは、研削前の厚みが、通常、500μm〜1000
μmであるのに対して、半導体チップの種類等に応じ、
通常、100μm〜600μm程度まで、研削される。
研削する前の半導体ウエハの厚みは、半導体ウエハの口
径、種類等により適宜決められ、研削後の厚みは、得ら
れるチップのサイズ、回路の種類、用途等により適宜決
められる。
【0081】粘着フィルムを半導体ウエハに貼着する操
作は、人手により行われる場合もあるが、一般に、ロー
ル状の粘着フィルムを取り付けた自動貼り機と称される
装置によって行われる。この様な自動貼り機として、例
えば、タカトリ(株)製ATM−1000B、同ATM
−1100、帝国精機(株)製STLシリーズ等があ
る。裏面研削方式としては、スルーフィード方式、イン
フィード方式等の公知の研削方式が採用される。それぞ
れ、研削は水を半導体ウエハと砥石にかけて冷却しなが
ら行われる。
【0082】裏面研削終了後、粘着フィルムを貼着した
まま、必要に応じてケミカルエッチングが行われる。ケ
ミカルエッチングは、弗化水素酸や硝酸、硫酸、酢酸等
の単独もしくは混合液からなる酸性水溶液や、水酸化カ
リウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ性
水溶液、なる群から選ばれたエッチング液に、粘着フィ
ルムを貼着した状態で半導体ウエハを浸漬する等の方法
や、ウエハを回転させながら裏面側にのみ選択的にエッ
チング液をかける方法(SEZ)等により行われる。該
エッチングは、半導体ウエハ裏面に生じた歪の除去、ウ
エハのさらなる薄層化、酸化膜等の除去、電極を裏面に
形成する際の前処理、等を目的として行われる。エッチ
ング液は、上記の目的に応じて適宜選択される。
【0083】また、裏面研削終了後,必要に応じてCM
P(メカノケミカルポリッシング)が行われることもあ
る。CMPは、通常、研磨剤として0.01μm台の微
細なSiO2砥粒をKOH系のアルカリ水溶液にコロイ
ド状に分散させたものを用い、ポリッシャとして、軟質
ポリウレタン等でおおわれた人工皮革を用いて行われ
る。CMPは、ケミカルエッチング同様、半導体ウエハ
裏面に生じた歪の除去、ウエハのさらなる薄層化、酸化
膜等の除去、電極を裏面に形成する際の前処理、等を目
的として行われる。
【0084】ICカード用等の目的で、半導体チップは
さらに薄層化していく傾向にある。それに伴い、裏面研
削後のウエハの厚みも100μmを下回るレベルを要求
されてきている。通常の裏面研削法でウエハを薄削りす
るには、限界に近いレベルとなってきており、その為、
さらなるウエハの薄層化を目指し、裏面研削後にケミカ
ルエッチングやCMPを併用することが多くなってきて
いる。
【0085】裏面研削、ケミカルエッチング、CMP終
了後、粘着フィルムはウエハ表面から剥離される。この
一連の操作は、人手により行われる場合もあるが、一般
には、自動剥がし機と称される装置により行われる。こ
の様な、自動剥がし機としては、タカトリ(株)製AT
RM−2000B、同ATRM−2100、帝国精機
(株)製STPシリーズ等がある。また、次工程のダイ
シング工程において、ウエハの裏面にダイシング時の固
定用粘着フィルムを貼着してから、裏面研削用粘着フィ
ルムを剥離する場合もある。
【0086】粘着フィルムを剥離した後のウエハ表面
は、必要に応じて洗浄される。洗浄方法としては、水洗
浄、溶剤洗浄等の湿式洗浄や、プラズマ洗浄等の乾式洗
浄等が挙げられる。湿式洗浄の場合、超音波洗浄を併用
してもよい。これらの洗浄方法は、ウエハ表面の汚染状
況により適宜選択される。
【0087】本発明によれば、これまで裏面研削が困難
であった、表面に高さが25〜300μmのハイバンプ
電極、インクドット等の如き突起状物を有する半導体ウ
エハを、そのような突起状物がない従来型のウエハの裏
面を研削する際と同様に、簡便に研削することができ
る。また、該突起上物を表面に有する半導体ウエハの裏
面を研削する際に、単にウエハを破損しないだけではな
く、マイクロクラックを生じずに研削することができ
る。また、レジスト等を使用しないため、工程が簡略で
きる。さらに、半導体ウエハの表面から粘着フィルムを
剥離した後、半導体ウエハ表面には粘着剤層に起因する
汚染や、研削屑の浸入による汚染が殆どない。ディンプ
ル等の突起状物が原因で生じる、裏面の厚みバラツキも
殆ど生じないか、生じても実用上問題のない範囲に抑え
ることができる。
【0088】さらには、本発明の粘着フィルムを製造す
る際に、基材フィルム(1)と熱可塑性樹脂層(3)の
積層体を共押出法により製造すれば、粘着剤層(2)の
厚みを突起状物の高さの割には薄くすることができる
(1〜30μm、特に好ましくは1〜20μm)為、粘
着フィルムの製造コストを下げることもできる。
【0089】本発明は、高さ(A)が25〜300μm
の突起状物を有する半導体ウエハの裏面研削に適用され
るが、該突起状物の高さが50〜300μm、100〜
300μmと高くなる程、その効果がより顕著になる。
【0090】本発明の半導体ウエハ裏面研削用粘着フィ
ルム及びそれを用いる半導体ウエハの裏面研削方法が適
用できる半導体ウエハとして、P型やN型等のシリコン
ウエハのみならず、ゲルマニウム、ガリウム−ヒ素、ガ
リウム−リン、ガリウム−ヒ素−アルミニウム等のウエ
ハが挙げられる。
【0091】
【実施例】以下、実施例を示して本発明についてさらに
詳細に説明する。以下に示す全ての実施例及び比較例に
おいて、米国連邦規格209bに規定されるクラス1,
000以下のクリーン度に維持された環境において粘着
剤塗布液の調製および塗布、並びに、半導体シリコンウ
エハの裏面研削等を実施した。本発明はこれら実施例に
限定されるものではない。尚、実施例に示した各種特性
値は下記の方法で測定した。 (1)基材フィルム(1)のショアーD型硬度 原料樹脂ペレットを型枠に入れ、150〜160℃の熱
をかけ、厚さ3mm、一辺の長さが150mmのプレス
シートを作製する。得られたプレスシートから、幅20
mm、長さ100mm、厚さ3mmの試験片を作製す
る。試験片を5枚重ねあわせた後(厚さ合計:15m
m)、ASTM−D−2240−86、またはJIS−
K−7215−1986に規定される方法により、デュ
ロメーターD硬さを測定する(測定雰囲気、23℃、相
対湿度50%)。
【0092】(2)熱可塑性樹脂層(3)のJIS−A
硬度 前項(1)と同様にして試験片を調製する。試験片を5
枚重ねあわせた後(厚さ合計:15mm)、JIS−K
−6301−1995に規定される方法により測定する
(測定雰囲気、23℃、相対湿度50%)。
【0093】(3)粘着力(g/25mm) 下記に規定した条件以外は、全てJIS Z−0237
−1991に規定される方法により測定する。23℃の
雰囲気下において、実施例または比較例で得られた粘着
フィルムをその粘着剤層を介して、5×20cmのSU
S304−BA板(JIS−G−4305規定)の表面
に貼着し、1時間放置する。試料の一端を挟持し、剥離
角度180度、剥離速度300mm/min.でSUS
304−BA板の表面から試料を剥離する際の応力を測
定し、g/25mmの粘着力に換算する。
【0094】(4)実用評価 実施例または比較例の半導体シリコンウエハ(直径:6
インチ、厚み:600μm)の表面に、実施例または比
較例の粘着フィルムを貼着し、研削機を用いて、水をか
けて冷却しながら半導体シリコンウエハの裏面を研削し
て、150μmまで研削する。各粘着フィルム毎に10
枚の半導体シリコンウエハについて評価する。研削終了
後、半導体シリコンウエハの破損状況を破損した枚数で
評価し、さらに破損しなかった半導体シリコンウエハに
ついて、表面と粘着フィルムとの間に周辺から水が浸入
したか否かを目視で観察し、水浸入の生じた枚数を評価
する。水浸入の観察終了後、表面保護テープ剥がし機
〔タカトリ(株)製、MODEL:ATRM−2000
B;使用剥がしテープ:ハイランド印フィラメントテー
プNo.897〔住友スリーエム(株)製〕〕で該粘着
フィルムを剥離する。該粘着フィルム剥離時の破損状況
を破損した枚数で評価する。さらに、該粘着フィルム剥
離時に破損しなかったウエハの表面を、洗浄機〔大日本
スクリーン製造(株)製:D−SPIN 629〕を用
いて水洗した後、光学顕微鏡〔(株)ニコン製:OPT
IPHOT2〕を用いて50〜1000倍の範囲に拡大
して観察し、マイクロクラック発生状況およびチップ毎
の汚染の観察を行ない、下記の基準で評価する。 ・マイロクラック発生率(%) 〔(マイロクラックが発生したチップ数)/(観察した
チップ数)〕×100 ・汚染発生率(%):〔(汚染チップ数)/(観察した
チップ数)〕×100
【0095】(5)ウエハ裏面のディンプルの発生 裏面の研削が終了したウエハの裏面を目視によってディ
ンプルの有無を観察する。ディンプルが観察された場
合、凹みの深さを測定する。深さ5μm以上のディンプ
ルが発生した場合、実用上問題ありと判断する。
【0096】実施例1 〔基材フィルム(1)と熱可塑性樹脂層(3)の積層体
の調製〕基材フィルム(1)用の樹脂として、ショアー
D型硬度が35のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂
〔三井・デュポンポリケミカル(株)製、銘柄:エバフ
レックスP−1905(EV460)、酢酸ビニル単位
含有量:19重量%、以下、EVA1という〕を用い、
熱可塑性樹脂層(3)用の樹脂として、JIS−A硬度
が28のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂〔三井・デ
ュポンポリケミカル(株)製、銘柄:エバフレックスE
V45LX、酢酸ビニル含有量:46重量%、以下、E
VA5という〕を用い、2台の押出機を用いて、Tダイ
による共押出法により、厚さ120μm基材フィルム
(1)と厚さ150μmの熱可塑性樹脂層(3)の積層
体を作製した。この際、熱可塑性樹脂層(3)の粘着剤
層(2)を設ける面にコロナ処理を施した。得られた積
層体の厚みバラツキは±1.5%以内であった。
【0097】〔粘着剤主剤の重合〕重合反応機に脱イオ
ン水150重量部、重合開始剤として4,4’−アゾビ
ス−4−シアノバレリックアシッド〔大塚化学(株)
製、商品名:ACVA〕を0.5重量部、アクリル酸ブ
チル73.25重量部、メタクリル酸メチル14重量
部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル9重量部、メ
タクリル酸2重量部、アクリルアミド1重量部、水溶性
コモノマーとしてポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル(エチレンオキサイドの付加モル数:平均約2
0)の硫酸エステルのアンモニウム塩のベンゼン環に重
合性の1−プロペニル基を導入したもの〔第一工業製薬
(株)製:アクアロンHS−20〕0.75重量部を用
い、撹拌下で70℃において9時間乳化重合を実施し、
アクリル樹脂系水エマルジョンを得た。これを14重量
%アンモニア水で中和し、固形分40重量%の粘着剤ポ
リマーエマルジョン(粘着剤主剤)を得た。
【0098】〔粘着剤塗布液の調整〕得られた粘着剤主
剤エマルジョン100重量部(粘着剤ポリマー濃度40
重量%)を採取し、さらに14重量%アンモニア水を加
えてpH9.3に調整した。次いで、アジリジン系架橋
剤〔日本触媒化学工業(株)製、ケミタイトPZ−3
3〕4重量部、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル5重量部を添加して粘着剤塗布液を得た。
【0099】〔粘着フィルムの作製〕得られた粘着剤塗
布液をロールコーターを用いてポリプロピレンフィルム
(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布し、120℃
で1分間乾燥し厚さ10μmの粘着剤層を設けた。基材
フィルム(1)と熱可塑性樹脂層(3)の積層体のコロ
ナ処理面を粘着剤層と貼り合わせ押圧して、粘着剤層
(2)を熱可塑性樹脂層(3)の表面に転写させた。転
写後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷
却することにより半導体ウエハ裏面研削用粘着フィルム
を製造した。得られた粘着フィルムの粘着力は80g/
25mmであった。
【0100】〔粘着フィルムの評価〕得られた粘着フィ
ルムを、高さ150μmのハイバンプ電極(球状)を有
する100mm2の集積回路が周辺まで組み込まれた半
導体シリコンウエハ(直径:6インチ、厚み:600μ
m、スクライブラインの幅:100μm、スクライブラ
インの深さ:3μm)の表面(集積回路側)に貼着し、
研削機を用いて、水をかけて冷却しながら半導体シリコ
ンウエハの裏面を研削し、厚みを約150μmとした。
同様のウエハ10枚に対して同様の操作を行った。研削
中に破損したウエハは皆無であった。研削終了後、ウエ
ハと粘着フィルムの間に水浸入は観察されなかった。こ
れら10枚のウエハから、表面保護テープ剥がし機{タ
カトリ(株)製、MODEL:ATRM−2000B;
使用剥がしテープ:ハイランド印フィラメントテープN
o.897〔住友スリーエム(株)製〕}を用いて粘着
フィルムを剥離した。粘着フィルム剥離中に破損したウ
エハは皆無であった。得られた半導体ウエハの表面を、
洗浄機〔大日本スクリーン製造(株)製:D−SPIN
629〕を用いて水洗した後、半導体シリコンウエハの
厚みバラツキの評価および、顕微鏡によるウエハ表面の
汚染状況を観察した。ウエハ表面には、粘着剤等による
汚染等は観察されなかった。裏面研削状況を目視で観察
したが、ディンプルは見られなかった。主な製造条件、
及び結果を〔表1〕及び〔表2〕に示す。
【0101】実施例2〜6、比較例1〜8 〔基材フィルム製造用樹脂〕 EVA2:エチレン−酢酸ビニル共重合体〔酢酸ビニル
単位(以下、VA)含有量25重量%〕、EVA3:同
上(VA含有量3.5重量%)、EVA4:同上(VA
含有量30重量%)、EEA1:エチレン−エチルアク
リレート共重合体〔エチルアクリレート単位(以下、E
A)含有量9重量%〕、LDPE:密度0.925g/
cm3の低密度ポリエチレン。
【0102】〔熱可塑性樹脂層製造用樹脂〕 EVA6:エチレン−酢酸ビニル共重合体(VA含有量
50重量%)、EVA7:同上(VA含有量33重量
%)、EEA2:エチレン−エチルアクリレート共重合
体(EA含有量35重量%)、EEA3:同上(EA含
有量25重量%)基材フィルム製造用樹脂、または熱可
塑性樹脂層製造用樹脂として〔表1〕に記載した樹脂を
用いた以外、実施例1と同様にして、半導体ウエハ裏面
研削用粘着フィルムを製造した。得られた粘着フィルム
について、実施例1と同様に評価した。結果を〔表1〕
または〔表2〕に示す。尚、評価に使用したウエハは次
の通りである。 〔実施例2、3、5、比較例1、4〜8〕:実施例1と
同じウエハ。 〔実施例4、6、比較例2、3〕:100mm2の集積
回路が周辺まで組み込まれた半導体シリコンウエハ(直
径:6インチ、厚み:600μm、ハイバンプ電極無
し、スクライブラインの幅:100μm、スクライブラ
インの深さ:3μm)の表面(集積回路側)に高さ25
0μm、直径1.5mmのインクドットが全集積回路の
10%に無作為に形成されたウエハ。
【0103】
【表1】
【0104】
【表2】
【0105】
【発明の効果】本発明によれば、半導体ウエハの裏面を
研削するに際し、該半導体ウエハの表面にハイバンプ電
極、不良回路識別マーク等の高さが25〜300μmで
ある突起状物が形成されていても、裏面の研削応力に起
因してウエハが破損することがないばかりでなく、チッ
プレベルでの破損(マイクロクラック)を生じることが
ない。また、粘着フィルムを剥離した後に糊残りがない
ので、半導体ウエハの表面を汚染することがない上に、
突起状物に起因するディンプルの発生もない。粘着フィ
ルムを剥離する際の粘着力が低く、剥離時にウエハの破
損を引き起こす事もない。さらに、半導体ウエハの表面
と粘着剤層の間に水が侵入することに起因するウエハの
破損及びウエハ表面の汚染もない。粘着剤層の厚みが、
突起状物の高さに比して薄い為、粘着フィルムの製造コ
ストの上昇を防ぐことが出来る。従って、表面に高さが
25〜300μmの突起状物が形成されているウエハの
裏面を合理的に研削することを可能とするものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片岡 真 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井化学株式会社内 (72)発明者 福本 英樹 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井化学株式会社内 (72)発明者 熊谷 誠敏 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井化学株式会社内 (72)発明者 宮川 誠史 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井化学株式会社内 Fターム(参考) 4J004 AA10 AA17 AB01 CA04 CA06 CC03 FA05 FA08

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体ウエハの裏面を研削する際にその
    回路形成表面に貼付される半導体ウエハ裏面研削用粘着
    フィルムであって、該半導体ウエハが、その回路形成表
    面が電極及び不良回路識別マークから選ばれた少なくと
    も1種の高さ(A)25〜300μmの突起状物を有
    し、該粘着フィルムが、ショアーD型硬度が30〜5
    0、厚み(B)が30〜500μmである基材フィルム
    (1)の片面に、(ア)架橋剤と反応し得る官能基を有
    するアクリル酸アルキルエステル系粘着剤ポリマー、
    (イ)1分子中に2個以上の架橋反応性官能基を有する
    架橋剤を含む厚み1〜30μmの粘着剤層(2)が形成
    され、基材フィルム(1)と粘着剤層(2)の層間に、
    JIS−A硬度が10〜55、厚み(C)が25〜40
    0μmである熱可塑性樹脂中間層(3)が配設され〔但
    し、0.55A≦C、A≦(B+C)〕、且つ、該粘着
    フィルムのSUS304−BA板に対する粘着力が5〜
    400g/25mmであることを特徴とする半導体ウエ
    ハの裏面研削用粘着フィルム。
  2. 【請求項2】 基材フィルム(1)が、酢酸ビニル単位
    の含有量が1〜28重量%のエチレン−酢酸ビニル共重
    合体、アルキルアクリレート単位の含有量が1〜28重
    量%であるエチレン−アルキルアクリレート共重合体
    (アルキル基の炭素数1〜4)、アクリル酸単位または
    メタクリル酸単位の含有量が1〜20重量%であるエチ
    レン−(メタ)アクリル酸共重合体、密度が0.89〜
    0.92g/cm3である低密度ポリエチレン、シンジ
    オタクチック構造を有するポリプロピレン、α−オレフ
    ィン単位の含有量が9〜30重量%であるエチレン−α
    −オレフィン共重合体(α−オレフィンの炭素数3〜
    8)、アイオノマー、エチレン−プロピレン−ブテン三
    元共重合体から選ばれた少なくとも1種の樹脂フィルム
    である請求項1記載の半導体ウエハの裏面研削用粘着フ
    ィルム。
  3. 【請求項3】 基材フィルム(1)が、酢酸ビニル単位
    の含有量が1〜28重量%のエチレン−酢酸ビニル共重
    合体、または、エチルアクリレート単位の含有量が1〜
    28重量%であるエチレン−エチルアクリレート共重合
    体である請求項1記載の半導体ウエハの裏面研削用粘着
    フィルム。
  4. 【請求項4】 粘着剤層(2)の厚みが1〜20μmで
    ある請求項1記載の半導体ウエハの裏面研削用粘着フィ
    ルム。
  5. 【請求項5】 中間層(3)の熱可塑性樹脂が、酢酸ビ
    ニル単位の含有量が30〜50重量%のエチレン−酢酸
    ビニル共重合体、アルキルアクリレート単位の含有量が
    30〜50重量%であるエチレン−アルキルアクリレー
    ト共重合体(アルキル基の炭素数1〜4)、密度が0.
    89g/cm3未満である低密度ポリエチレン、密度が
    0.89g/cm3未満であるエチレン−α−オレフィ
    ン共重合体(α−オレフィンの炭素数3〜8)から選ば
    れた少なくとも1種の共重合体である請求項1記載の半
    導体ウエハの裏面研削用粘着フィルム。
  6. 【請求項6】 中間層(3)の熱可塑性樹脂が、酢酸ビ
    ニル単位の含有量が30〜50重量%のエチレン−酢酸
    ビニル共重合体、または、エチルアクリレート単位の含
    有量が30〜50重量%であるエチレン−エチルアクリ
    レート共重合体である請求項1記載の半導体ウエハの裏
    面研削用粘着フィルム。
  7. 【請求項7】 回路形成表面の突起状物の高さ(A)が
    100〜300μmである請求項1記載の半導体ウエハ
    の裏面研削用粘着フィルム。
  8. 【請求項8】 回路形成表面に電極及び不良回路識別マ
    ークから選ばれた少なくとも1種の高さ25〜300μ
    mの突起状物を有する半導体ウエハの裏面研削方法であ
    って、請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体ウエ
    ハの裏面研削用粘着フィルムを該半導体ウエハの回路形
    成表面に貼付して、半導体ウエハの裏面を研削し、次い
    で、粘着フィルムを剥離することを特徴とする半導体ウ
    エハの裏面研削方法。
  9. 【請求項9】 突起状物の高さが100〜300μmで
    ある請求項8記載の半導体ウエハの裏面研削方法。
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